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上遠野浩平先生の「私と悪魔の100の問答」オススメ!

2009-04-14

[] 咲-Saki-第01話の演出の解説 光源位置と扇風機と傘 GONZOの効果が光る


アニメ咲-Saki-が面白かった。漫画原作も好きなのですが、アニメでは、さすがGONZO、演出がいい感じにキレてました。特に光の使い方と、かっこいい隠喩がたまりません。で、今回もあまり指摘をみないので、ちょっと演出について書いてみようと思います。


始めに


大事なキーワード「光」「天と地」の二つです。


天と地は対称で語られ、当然天がポジティブであり、地がネガティブです。

天、天井、上の方向は、期待、未来、歓喜などを表しています。

地、地面、下の方向は、恐れ、敵意、恐怖などを表しています。

そして、それらを上手く光を駆使して表現します。

また、天、天からの光は、咲を表している気もします。



光の使い方


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アニメの始めの場面 木漏れ日の光ムラ


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マンガの始めの場面


物語の始まりの場面。アニメでは、木漏れ日によって、咲の顔に光のムラが出来ています。これはマンガではなかった、アニメのオリジナルの表現です。この場面によって、このアニメは、光(ライト)に対して意識があるアニメであることがわかります。(あと、後で出てくる本に挟まる花びらが、チラリと目立たず画面に映るのがにくい演出です)



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威圧感のある逆光


主人公が、見知らぬところ(麻雀部の部室)に初めて足を踏み入れた場面です。ここでは、逆光により鈍い光で描かれる和の威圧感、転じて何やら凄い人でありそうな感じが表現されていると思います。



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下から上を照らすライト


咲では、下(地)から上(天)を照らすライトが多用されます。(これはフットライトというらしいです)ここでのフットライトは、部長が思考に移り、咲に対して驚愕しているという状態をフットライトで表しています。通常の光→フットライト(地から光)という対比です。


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雷で光る室内


みなが驚愕する場面。「カッ」っと光る稲妻により、そこにいる皆の内面の驚愕を表している。これは冷静に考えると、室内灯があるからこのような画面にはならないと思うが、こちらのほうがインパクトがあるのでアニメ的には正解だと思います。あと、稲妻→天からの光は咲の象徴かもしれません。(これは微妙ですが)



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挑戦→注目→驚愕→非驚愕


和がリーチをして、咲を追い詰める場面。フットライトで照らされる和や部長達と対照的に、普段通りのライトの当たり方をしている咲。このライトの使用法の対比によって、この場面が咲にとって別段問題の無いことであることがわかります。また、千点棒がスポットライトに照らされ、この千点棒が特別な意味をもつことを示します。(これは後でリンシャンはいが強く光る演出も同様の意味を持つ)あと、電撃による画面分割も、テンポがよくて良い。



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下のライトをかき消す程の天井からのライト


下のライトで照らされている和のバックに、上からの光が増していく場面。どんどん増していく天からの光は、最後には画面を真っ白にします。これは、下からの光(ネガティブ)をかき消すほどの上からの光(ポジティブ)が現れたことを示し、咲のこの手の凄さを際立たせる演出となっています。(咲が場を支配している)また、じわじわ明るくしていくという画面変化が、最後の衝撃の助走となります。



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ラストの場面は上から光を出す太陽


そして最後は、天からの光の象徴である太陽で終わる。



扇風機(シーリングファン)


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天井の扇風機(シーリングファン) その1


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天井の扇風機(シーリングファン) その2


咲の第01話では、シーリングファン越しのカメラが意味ありげに出てくる。コレにも意味がある。大事なのは、「天井(天)にある」ことと「回っていること」、それと「シーリングファンの役割」である。


まず、直接的には、「ぐるぐる回っている」ということ。これは麻雀をやっているよということを表す隠喩である麻雀は、手番も親もぐるぐる回る。それと、「天」で「ぐるぐる回っている」ので、運命とか(オイールオブフォーチュン的な)が動いているということを表している可能性がある。


それと「シーリングファンの役割」も直接的だ。そもそもシーリングファンは、天井が高い室内において、上に溜まる暖かい空気と、下に溜まる冷たい空気を、「中和」させるためにつけるものだ。(送風で直接的に冷やすものではない。だからあんなにゆっくり回ってる)これは、点数をプラスマイナスゼロに保つ、つまり「中間」を保つ咲を表しているということだ。これは、シーリングファンが出てくる場面が、部長がプラマイゼロ打ちの説明をしている場面、また他の人の行動が終わり咲がプラマイゼロ行動をやる直前の場面であることも、この意味を持つ説得力だと思う。また、「天」の位置を、咲の象徴と考えるても、この考えはピッタリくる。



まわりながら落ちてくる傘


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アニメ まわりながら落ちてくる傘


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マンガ


「まわりながら落ちてくる傘」はマンガには無い、アニメ独自の演出です。傘は、あいあい傘などで象徴されるように、協力者やパートナーを象徴します。これは、後に咲と和が、強い絆で結ばれることを示します。また、上(天)から回転して落ちてくることから、シーリングファンと同様に、麻雀や運命の動きを表していると考えられる。というか、シーリングファン及び傘で、執拗にこのことを表そうとしているように見える。



おまけ かっこいい構図の絵


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ひたすらに寂しい構図の絵


あと、二人が分かれるシーンでは、ひたすらに寂しい構図の絵。画面全体の暗さ、人物の小ささが、寂しさを際立たせます。この絵は、やたらと背景が綺麗な、マンガ版の咲の扉絵を彷彿とさせます。



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かっこいいアップ


この咲のアップがかっこいい。和のアップのシーンでもそうだったんだけれど、頬の主線が太くなるこの絵は、何か特徴的で好き。(馬越嘉彦みたいで)



まとめ


アニメ咲-Saki-は、さすがエフェクトに強いGONZOと言った感じで、安心の作りだった。うん、面白い。これは見ていこう。それにしても小野学って何者なんだろう。あと、OPは田中宏紀すぎる。


「咲」にあって、天井からぶらさがってくるくる回転する「シーリング・ファン」とフットライト(※足の下に光源を設定)演出がなかなか指摘してもらえない。


Twitter / K・ワークス


第01話を見たときからこの記事を書こうと思ってましたが、K・ワークスさんが、上の呟きをしたので、もはや私がやる必要な無いとも感じました。(新・アニメ・批評さんなら私なんかよりも、もっと詳しく書いてくれるから)、が、でも、まあいいかなと思って書いちゃいました。



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grohlgrohl 2009/04/14 20:16 シーリング ファンに そんな意味 在ったんすか、小野学も けっこうな面白い事やってたんすね。

ラストの咲がアガルところのカメラの動きも ぐるぐる繋がりってー事なのかも。

karimikarimikarimikarimi 2009/04/14 20:23 >>grohlさん
>>ラストの咲がアガルところのカメラの動きも ぐるぐる繋がりってー事なのかも。
たぶんそうだと思います!
いや、実は、それも言おうかどうか迷ったんですが、カメラの動きについて言及するとキリが無いと思ってしなかったんです。(ストライクウィッチーズ第07話の演出の解説で一回やったんですが、カメラの動きの話はあまり需要はなさそうでしたし)
あの、ぐるぐる回るカメラってのは、意識的で、「回転」には意味があると思うんですよ。

小次郎小次郎 2009/04/14 21:58 当たり前の事ですけど、咲演出は違和感なく場を盛り上げる事が出来ているのが素晴らしいと思います。
変わった演出を出したいから自己満足で演出を出して結果わけが分からなくなる事ってアニメでは結構あると思うんですよ。

karimikarimikarimikarimi 2009/04/17 00:30 >>咲演出は違和感なく場を盛り上げる事が出来ているのが素晴らしいと思います。
ですよね。演出は手堅くて上手いと思います。

>>変わった演出を出したいから自己満足で演出を出して結果わけが分からなくなる事ってアニメでは結構あると思うんですよ。
でも、実は、結構そういうアニメが好きな人がいるんですよ。つーか私は嫌いじゃないんですよ〜。
だから、許してあげてくださ〜。

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