2009-09-08
■[アニメ]かなめも第10話 別離、台無し、孤独、死のイメージなどの演出の解説
前回、かなもめのことを「いい意味で気持ちが悪い」と評しましたが、第10話はそれが大爆発して、すげー面白い回でした。今回は、あからさまに話中にネガティブなイメージをちりばめまくっていたので、その演出の意図を書いていきたいと思います。
別離のイメージ
一席空席がある食卓
→食卓(家族や団欒のイメージ)に影を落とす
→別離のイメージ
ほとんど空席の食卓
→食卓(家族や団欒のイメージ)に影を落とす
→一席空席との対比(同じ構図)
→別離のイメージをさらに強調
落ちる箸
→食卓(家族や団欒のイメージ)に影を落とす
→本来対になるものがバラバラになる別離のイメージ
違う方向へ進む自転車
→違うところへ向かう別離のイメージ
台無しのイメージ
こぼれる味噌汁
→平穏な生活が台無しになり、元には戻らない
→失ったものは元に戻らない
→台無しのイメージ
こぼれるジュース
→平穏な生活が台無しになり、元には戻らない
→失ったものは元に戻らない
→台無しのイメージ
孤独のイメージ
大きな花火
→専売所のみんなの象徴
小さな花火(大きな花火との対比)
→かな個人の象徴
大きな花火を見て楽しんでいる専売所のみんな
小さな花火を一人で楽しむかな(大きな花火を見ているみんなとの対比)
→ひたすらに孤独を強調する構図
(この絵はあまりにも寂しすぎる)
落ちる線香花火とブラックアウトする画面
→死のイメージ
孤独を深める秀逸な流れ
「私が寂しくなっちゃ駄目。今一番寂しいのはゆうきさん。
私はもう、一人じゃないんだから」
自分は一人じゃないと言い聞かせるかな
→後ろ姿
→目を背けている様
振り向くと誰もいないテーブル
→孤独のイメージ
猫に会いに行く
→孤独を紛らわす
猫の不在
→深まる孤独のイメージ
「それともやっぱり、私もまた一人ぼっちになってしまうときがくるのでしょうか」
吹く風。なる風鈴。
→風鈴は死んだ祖父母の象徴。また、かなが一人ぼっちになることの象徴。
→孤独のイメージ
寂しさのイメージ
「みなさんはお別れ、もう慣れっこなんでしょうか。
私も慣れれば、寂しくなくなるんでしょうか?」
扉の前で佇む後姿
下を向く向日葵
久地院美華のヒロインっぷり
「かなといると、楽しい事がおおいの〜」
「え? ……そう、かなぁ」
かなに、存在理由を与えるもの。
→かなの救い。無垢なる聖女。
→美華のヒロイン化
美華に差す後光
→希望のイメージ
溢れる希望のロングショット
→希望のイメージ
まさかのラストショット
何故か太陽の光じゃなく、曇り空へ
→不安な未来の象徴。前途の多難。
「おばあちゃん。かなは一人です。
でも、みんなと一緒でもあります。
これって、寂しい事なのか。嬉しい事なのか。
よくわからないけれど。
でも、とにかく今日も、私は元気です!」
孤独であることを悟るかな(すげー!
【一人じゃない】→【一人かも知れない】→【一人です(みんなと一緒でもある)】
この流れはヤバイ。
そして、ラストへ。
つがいで飛ぶ鳥
→押井守
むすび
ラストのシーンで「あれ? 光溢れる空で終わらないだ? あれ? 何か曇ってるよ。ブー(吹き出す音)鳥飛んどる!」って感じでマジびびりました。ゆめが一時的な帰宅であることとか、そういう仕掛けは、あまりにもあからさまで隠す気がさらさらありませんでしたが、そんなことがどうでも良くなるぐらい、面白いつくりの回でした。
おまけ
ラストのショットは、アバンの日の光を一杯に浴びるかなとの対比にもなっています。
あと、日の出なので、当然日の出的な意味が満載です。
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