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上遠野浩平先生の「私と悪魔の100の問答」オススメ!

2009-09-29

[]咲-Saki-第25話 水の演出の解説


エンディングの勢いが激しかったので、あまり言及されていないように思いますが、最終話である第25話では、物凄く意識的に“水”を使った演出が行われていました。人間関係の変化”の象徴として“水”を常に置いていましたので、その話をします。


冒頭


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全員集合時に部長が「温泉だ!」→温泉(水)


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大浴場(水)の描写→全員集合


アバン及び本編の冒頭で、人が全員集まった時に、水が描写されます。ストーリーテリング的には、みんなで風呂に入って親睦を深めるという意味合いですし、【集合→温泉(水の描写)→OP→大浴場(水の描写)→集合】という映像説明的にスマートな演出でもありますが、それ以外にも、今回の話では人間関係と水の関連性がありそうだということを匂わせる描写になっています。いわばボクシングのジャブみたいなものです。あと、今までのこと(県予選)は“水に流す”というニュアンスも含まれているかもしれません。(これはいまいちですが)


モモとカジュの風呂


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モモがカジュを風呂に誘って、二人っきりで入るシーン。ここでは、風呂(水)が、一対一の人間関係において意味があるということを示唆しています。(単純に、二人っきりで風呂とか超絶仲良しだしね)後の各高校の人が風呂に来るシーンでも、仲の良い二人一組で風呂にやってきます。(部長は一人でくるけれど)


あと、ここでは、多人数の風呂(友だちとしても親睦)と一対一の風呂(性的に仲良し)というのの区別としても描写されている気がします。


咲の和の風呂


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合宿ではタコスを含めて三人だったのが、ここでは二人で風呂に来ます。これは、上記のモモとカジュの振りから、二人の性的な仲良しさが分かります。


難しい話は服をひん剥いて風呂でさせろ、という定石


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咲と咲のお姉さんの話を温泉で行います。これは、今まで行った人間関係は水場でという法則にしたがっています。そして、さらに「難しい話は服をひん剥いて風呂でさせろ」、という定石演出でもあります。


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この咲と咲のお姉さんの話は、非常にナイーブな話です。咲にとっては、上の絵のように、目のツヤが消えてしまうほどショッキングな話です。このような話を通常の状態でしてしまうと、話が暗くなってしまいます。それを防ぐために行われているのが、「難しい話は服をひん剥いて風呂でさせろ」理論です。


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トップをねらえ! 第02話


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ストライクウィッチーズ 第10話


この理論は、誰が言い出したか定かじゃないんですが、私の記憶では確かガイナックスの誰かがトップをねらえ!の時に言い出した理論だったと思います。この演出は、後に様々なところで使われ、例えばガイナ出身の高村監督もストライクウィッチーズの第10話にて主人公が軍機違反を犯した重い話のときに使っています。


人間関係と水場の補強


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咲と和が、咲のお姉さんの話をする時に、わざわざ川(水の流れ)をたっぷり写します。キラキラ光ったりして非常に目立つように川を描写します。


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また、お互いの象徴である人形の交換と、親睦が最高潮に深まった証である名前の呼び合いの後、手を繋ぐまでの間に、“手水舎(てみずや)”(神社の手を洗うところ)のカットをわざわざ入れます。これは、今まで以上に明らかに意識的に“人間関係の変化”を“水”の描写で表しているシーンです。


ラスト


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ここでは、足を水につける咲、水に沈む人形、雨に振られる和と、今までの“水”は“人間関係の変化”を表すことから、ここで二人の関係に何かしらあったのだということが分かります。絵や構図や色合いからもそれは分かるのですが、悲壮感をさらに強調するために、“水”が使われています。


あと、ここの描写の時に「GONZO(第5スタジオ)」って出すのは反則だと思います。これは泣けすぎる。(EDの別れの描写は、GONZOのために設けられたんじゃないか?、なんて勘ぐってしまいますよ)


むすび


このように、最終回の第25話では、“水”を“人間関係の変化”の象徴として使用していましたように思いました。咲は、麻雀回が面白いのは当然のこと、麻雀以外の回では、第一回合宿回でもプール回でも、明らかに意識的に何か見ている人を面白がらせようという仕掛けを用意してくれています。(第一回合宿回は作画回だし、プール回は田中回。あと日常描写の盗撮位置カメラとかもろもろ。あと第24話はBGMが面白いかったよね)いや、咲は二クール通して面白いアニメだった。天晴れ。


おまけ


県大会編に入ってからは、私はあんまり咲についてブログで言及していませんでした。だって、元ネタやら物語構造とかはストライクウィッチーズの日々さんがやるし、面白い感想や話の流れなんかはまごプログレッシブさんがやるし、雑感なんかはいのけんさんが面白いこと言うし、ネタは今日もやられやくさんがまとめるもんだから、まぁ私の出る幕は無いかなぁ、と思って。でも、最終話みて、「やっぱりおもしれぇ! なんか言いてぇ!」ってなって、こんな記事をかいちゃいました。



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