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上遠野浩平先生の「私と悪魔の100の問答」オススメ!

2009-10-07

[]ぬきやまがいせい『ささやいて、あのことば』 特異なモノローグと吹き出しの色の使い方が凄い


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抜山蓋世改めぬきやまがいせい先生の『ささやいて、あのことば』が非常に面白かったので、言及します。エロとか、ロリについては他所で素晴らしいが言及されている(下の関連リンク参考)なので、私はいつもどおりコマ割りなどの話を交えつつ、『ささやいて、あのことば』の凄いところを示せたらいいなと思います。


今回焦点をあてたいのは、タイトルで挙げたように、主に“モノローグ”“吹き出し”についてです。


特殊なモノローグの書き方とその効果


特殊なモノローグ


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ぬきやまがいせい『ささやいて、あのことば』


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犬『ラッキーな日』


ぬきやまがいせい先生はコマとコマの間をまたぐモノローグを特殊な形で書きます。通常のコマとコマの間のモノローグは上の、犬先生の『ラッキーな日』のように、一つの小さなコマとして描きます。それに対して、ぬきやまがいせい先生のモノローグは、メインのコマの枠だけを利用して描かれます。さながらコマを変形させて、コマとコマの間の空白を広げて挿入しているように、モノローグを描くのです。


このモノローグの描き方によって、下の画像のように、他の漫画ではちょっと見ない特殊なコマ割の表現が現れたりします。



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ぬきやまがいせい『ささやいて、あのことば』


特殊なモノローグの効果


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ぬきやまがいせい『ささやいて、あのことば』


上のページを用いて、特殊なモノローグの描き方の効果について説明したいと思います。分かりやすくするために、上のページのモノローグを通常のように加工したものを下に示します。



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モノローグを通常の状態にしたもの


さらに、分かりやすく示すために、特殊なモノローグで描かれたページのレイヤーを抜き出したページと通常のモノローグで描かれたページのレイヤーを抜き出したページを下に示します。



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特殊なモノローグで描かれたページのレイヤー


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通常のモノローグで描かれたページのレイヤー


上の絵を比較していただければ分かるように、この特殊なモノローグは、ページの情報量を単純化するという効果を持っています。特殊なモノローグで描かれたページのレイヤー数が6であるのに対して、通常のモノローグで描かれたページではレイヤー数が10と2倍近くに増えています。少女マンガの複雑性は、そのレイヤーの煩雑さにあることから分かるように、このような立体的な単純化によってページの分かりやすさが増すのは分かっていただけると思います。


この単純化は何のために施されるかというと、それは当然キャラクタを目立たせるためです。もっと言うなら、このページにおいてはぶち抜きの少女を強調するためだといえます。



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ぬきやまがいせい『ささやいて、あのことば』


ぬきやまがいせい先生は、キャラクタの強調をいたるところで意識しています。例えば、上の絵では、背景の生徒の単純化(線も色も極限まで情報量を減らす。顔の無い白い人間)を徹底することで、中央の少女を目立たせています。特殊なモノローグも、その“キャラクタ強調”のひつとであると考えられます。



様々な吹き出しの色とその効果


様々な吹き出しの色


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縁取りのない白い吹き出し(はあはあってやつ)

黒い吹き出しに白い縁取り

(陰部の修正は追加)



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通常の白い吹き出しと黒い吹き出し

(陰部の修正は追加)



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ネズミ色の吹き出し



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白い吹き出し

濃いねずみ色の吹き出し

黒い吹き出し



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黒い縁取りに、濃いねずみ色の吹き出し

黒い文字に白抜きの縁取り



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手書き文字が入る吹き出し



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縁取りの無い白い吹き出し


え〜っと、フォント差分とかも入れようと思いましたが、キリが無いので割愛。


様々な吹き出しの色の効果


ページの色のバランスをとる、だとか、強調、だとか使われる時々によって、様々な効果を発揮します。


たとえば、上で最後に挙げた「縁取りの無い白い吹き出し」の絵では、通常ある黒い縁取りを取っ払っていることで、文字に浮遊感を出し、少女の詩読する声の透明性を演出しています。



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ねずみ色の吹き出し


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ねずみ色の吹き出し


上に示したような、ねずみ色の吹き出しは、白と黒の吹き出しに比べ使用される頻度がとても低いため、とりわけ強調に使われます。



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黒い吹き出しによるスムーズな視線誘導


また、上の絵のように、黒という強い色をつかったスムーズな視線の誘導も行います。ぬきやまがいせい先生はすげーそそる黒い髪の毛を描くのですが、上の絵を見て分かっていただけるように、その前のロングのコマの吹き出しを黒くする事により、その黒い髪までの到達をスムーズにして、さらに黒い髪の強調まで行っています。



その他の特筆すべき点


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透過レイヤーの使用。エロ漫画では珍しいと思う。



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かっこいい背景。



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邪念が入った素晴らしい黒髪。エロイ。この黒髪はエロイ。


むすび


ぬきやまがいせい先生の『ささやいて、あのことば』の“モノローグ”“吹き出し”及びその他気になったことについて書いてみました。ちょっとした更新のつもりが、書いているうちに盛り上がってきてこんなことに。


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<関連リンク>

ヘドバンしながらエロ漫画!  ぬきやまがいせい『ささやいて、あのことば』

ロリマンガ出版の憂鬱 〜明日はどっちだ?!〜 - たまごまごごはん



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