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上遠野浩平先生の「私と悪魔の100の問答」オススメ!

2010-08-02

[]伝説の勇者の伝説 第04話の演出の解説 素晴らしい時間経過表現 暗と明と蜘蛛


伝説の勇者の伝説の第04話がすっごい面白い! 第01話の時点は「スレイヤーズみたいで面白いなぁ」と思って、第02話、第03話で「ベルセルクみたいで面白いなぁ」と思いましたが、第04話で「うぉぉぉぉおおおおおおお、伝説の勇者の伝説超面白い!」ってなりました。


そこで本記事は、私が面白いと感じたところの解説をしたいと思います。具体的には、子供の成長を用いた時間経過表現、それとおまけとして暗と明と蜘蛛について解説したいと思います。



簡単な時間経過


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アマガミSS 第04話


このように「何年後」という表示で時間経過を表現するのが、アニメーションとして簡単に時間経過を表現する方法です。これは非常に明快でよいのですが、いかんせん即物的すぎる感じがあります。エピローグなど、深みが必要に無い場面に適しているといえますが。



子供の成長を用いた時間経過の表現



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冒頭、馬車とすれ違わせることで、母親と赤ちゃんを印象付ける


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冒頭のシーンがあることで、母親と赤ちゃんが視聴者により記憶に残る



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上の数字が刻まれている映像で、私たちは時間が経過することを即物的に理解することができます。これは上で説明した、「何年後」と同様の表現で、時間の経過を表現するポピュラーな手法といえます。



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しかし、伝説の勇者の伝説では、上のポピュラーな時間経過の後、子供の描写を挟みます。赤ん坊だった子供が、これほどの大きさになっていることで、体感的に時間経過を感じることができます。上の、説明然とした説明のみではない、この子供の成長を用いた時間経過表現が素晴らしいのです!



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そして、牢屋から出るころには、子供は自立歩行して言葉が理解できるほどまで成長しています。三歳ぐらいでしょうか。「あの赤ん坊がこんなに大きくなるほど長い間、牢屋に入っていた」というのが、非常に上手い映像的表現によってなされています。


ここで大事なのは、10分やそこいらで、自然に数年の時間経過をやってのけたことです。数分で数年という非常にハイテンポな時間経過を自然に表現できていることがこの演出のもっとも素晴らしい点であるといえます。


さらに特筆すべきは、子供が「ライナばいば〜い」と親しげに話しかけていることです。これは、つまり、時間経過の中で、アニメ上では表現されていない、看守家族とライナの間に交流があったことを示しています。このような行間表現を上手く行ってくれると、とっても楽しいですね。



暗と光


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主人公がいる牢屋は、暗がりです。この「主人公→暗」が「子供の成長→明」の対比となり、子供の希望性を顕著に表現せしめています。また、アニメーションとして、ぼんやりした光っていうのも、単純に魅力的であります。



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特に上の、ぼんやりとした光がひっそりと消えていく場面転換の場面が美しい!



蜘蛛


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「牢屋にいる蜘蛛=自分」に話しかける場面。すっごいかっこいい。それと、蜘蛛の糸でしれれるように、これは牢屋からの脱出を表しているように思えますし、蜘蛛は一般的に戦いの象徴でもありますので、戦い=戦争も表しているといえます。



むすび


今回は、子供の成長を用いた時間経過表現、暗と明と蜘蛛についてお話させていただきました。川崎逸朗さんが凄いのか、高柳佳幸さんが凄いのか、どっちもすごいのか良くわかりませんでしたが、第04話は非常に良い回でした。


おまけ


ちなみに、あの子供成長による時間経過表現をどんどん研ぎ澄まして、即物的な説明を削ぎ落としていくと、押井守さんやブギーポップファントム渡部高志さんのように、超能動的な映像表現になります。





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