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上遠野浩平先生の「私と悪魔の100の問答」オススメ!

2014-04-29

[]ミスの隠蔽は無くならない パワハラ管理職はどこにでもいるから

 岐阜県可児郡御嵩町東濃高校が25日に予定していた遠足が旅行会社JTB中部(名古屋市)の手配ミスでバスが用意できずに延期となり、ミスに気付いた社員が責任を逃れるため、生徒を装って遠足を中止しなければ自殺するという内容の手紙を学校に届けていたことが28日、分かった。


生徒装い「自殺する」 JTB社員がミス発覚恐れ手紙


上記のニュースを見たました。やったことは当然許されないことなのですが、若干同情的に思ってしまったので、ちょっと徒然と語ります。


阿呆なことをと言うけれど……


×失敗隠しのデメリット。自己中心的な改善策をうちだす


人は、自分に都合のいい情報だけを集める習性があります(確証バイアス

失敗しても、自己正当化できる情報だけを集めてしまいがちです。


〜中略〜


とくに失敗を隠して見つかったときは、かたよった情報を自分を守るための言い訳として、使ってしまいます。

自己正当化せずに、失敗の正しい情報を集められる人は、意外と少ないです。

かたよった情報から改善策を考えても、正しい結論には至りません。


なぜ隠すのか!?社員による失敗隠しのメカニズムと改善策 | お土産屋さんブログ


人間は、極限状態に陥った場合、正常な判断ができません。そして、日本の平均的な職場には、正常な判断ができるような余裕はありません。ワタミ王将などの飲食やJRなどのインフラまで、ピンからキリまで、労働者を攻め立てます。


1カ月の残業時間は140時間。彼女は国が認定する80時間の過労死ラインを大幅に超えて働かなければならなかった。さらに、家に帰れば課題である渡邉美樹氏の執筆した著書の読書感想文を書かねばならず、休日には介護施設などでの“強制的”なボランティアを強いられる。


参院選出馬の陰で……飛び降り自殺から5年「金なら払う」終わらないワタミ過労死事件の今 - ライブドアニュース

学生気分の抜けない新人たちは、研修中に居眠りをしたり集合時間に遅刻したりするたびに、「なんだ、このザマは!」「変われ!」などと怒鳴られる。最初のうちは内心イヤイヤやっていた新人たちも次第に熱が入り、最終日のスピーチでは、


「弱い自分を脱却して、立派な自信を持った社会人になります!」

「1年後にチーフとなり、店長になって絶対に日本一の店にします!」


と汗だくで絶叫し、渡辺直人常務と抱き合って涙を流す。


餃子の王将「スパルタ新人研修」やりすぎなのか : J-CAST会社ウォッチ

家族が上司から聞いた説明で、経緯が浮かび上がってきた。男性は以前、始業時間に遅刻したことから、定時より一時間前に出勤する

よう「奨励」されていたのだ。

 失踪する数日前、男性は定時の二十分前に出勤した。だが上司は、一時間前に出勤しなかったことを理由に、「出勤遅延未遂」と指摘。

理由を明らかにするように、プライベートを含めて、前日からの行動記録を提出するよう求めた。


【日勤教育】定時20分前に出勤した男性、上司に1時間前に来いと怒られ自殺 JR東海 : 憂国のまとめ ワープアは生活保護を申請しよう


それで、私の見る限り、別にこれらの会社が特別というわけでもなく、やばい管理職の人が一人いれば、そこの職場は地獄とかし、さまざまな方法で人を疲弊させます。


パワハラ管理職の実態―こうして部下は潰される」で書いたコントロールの仕方を「ダブルバインド」(二重拘束)という。


★命令に従わないことを禁じる「第一次禁止令」------------------------


先ず、「指示に従わないことを禁ずる命令」(第一次禁止令)が発せられる。

「こういうことは事前に相談しろ!(でなければ罰する)」というのが、それだ。


ミソは、条件があいまいなところだ。

ここでは、“こういうこと”とはどの程度のことなのか明示されていない。

明示されていないから、用心のためと思って相談に行くと、今度は

「そんなこともお前は自分で判断できんのか!」と罰が下ることになる。


つまり、条件をあいまいにしておくことで、結局全ての行動を罰することができる。

要は、徹底的に罰を与えて反抗する気を喪失させることが真の目的であり、その最終目標は、自分の思うとおりに動くロボットを作ることなのである。


〜(中略)〜


★異議申し立てを禁じる「第二次禁止令」--------------------------


さて、条件とはその程度のいい加減なものだから、そのつど言うことが違ってくるので矛盾が出てくる。そこを言おうとすると、待ってましたとばかりに口封じが用意されている。


「お前のために言ってるんだ。黙って聞け!」

という問答無用の強制−がそれである。

この「異議申し立てを禁ずる命令」を第二次禁止令と言う。


パワハラにおけるダブルバインド(二重拘束)の構造 -あなたの子どもを加害者にしないために


ミス=厳しく責められる、が普通


で、今。「ミスをしない能力」を求められる傾向が、ここ数年で、高くなっていることが、独立行政法人 労働政策研究・研修機構が行った調査で明らかなった(全国の2万6586名を対象に、昨年10月に実施)。調査では、「最近(ここ5年程度)、重要になっている行動や能力は何ですか?」という設問を設け、意欲・やる気、積極性・主体性、粘り強さ 、ミスがないこと、計画性、協調性、気配りなど、約70個の選択肢から選んでもらう形式をとった。その結果、「ミスがないこと」がトップで、「意欲・やる気」、「コミュニケーション能力」、「責任感」が続いたのだ。また、「働く人たちの状況」を把握するために用いた18個の設問では、7割以上が、「ミスが無いように気をつかうことが多い」と答えトップだった。一方、働く人たちの職場の状況は、「仕事のテンポが速まったにもかかわらず、仕事の範囲が拡大し、高い専門性やスキルが必要となった(仕事の高度化)」、「チームでの仕事が増え、メンバーとの関係性が重要になった(対人処理の重要性)」、「課せられるノルマや債務が重くなった(成果主義化)」の3つの傾向が示された。


仕事の高度化、対人処理、成果主義。これらの職場環境は、いずれもミスを誘発する危険因子といっても過言ではない。にもかかわらず、個人に求められる能力としての、「ミスのなさ」への要求が高まっている。「ミスをしないこと」が求められる世の中でありながら、ミスが起こりやすい環境で働かされている。とんでもない状況に、私たちは置かれているのである。おまけに、世間のミスに対する許容度は、年々厳しくなっているので、たった一回でもミスをすればダメなヤツと烙印をおされ、トカゲの尻尾切りの対象になる。


「ミスは絶対悪か?」−ミスを“正義”で裁く現代社会(河合薫) - 個人 - Yahoo!ニュース


上で書かれているように、「ミスのなさ」への要求はとどまることをしりません。この「ミスのなさ」への要求とやばい管理職の組み合わせなど、どこにでもあります。


質問されたことに対して、答えを間違ってはならないというプレッシャーが強い職場で働いている場合に多いケースです。そうした環境では、人は自分の発言・意見が逸脱しないように気を遣い、慎重に答えを出すようになります。


 上司が「失敗を許さない」「間違えると責める」タイプの職場で働いていると、部下には責められないような言い方を慎重に選ぶという習慣が身についてしまっているのです。


まずは「部下が質問しやすい環境」をつくろう|部下の能力を120%引き出す「質問」の技術|ダイヤモンド・オンライン

 自分のチームの状態を詳しく観察してみたところ、どうも、「上司が怖い」ことと「ケアレスミス」に因果関係があるような気がしてきたという。


 つまりこうである。


 「メンバーから見ると上司が怖い。怖いとは、何かあるとすぐ怒られる。報告しに行くと、とても厳しいムードで会話が進む。だからすごく緊張してしまう。それによって、メンバーが言いたいことを正直に言えないのではないか」と推測した。


田中淳子の人間関係に効く“サプリ”:部下がミスの報告を恐れなくなる、上司のこんなひと言 (1/2) - 誠 Biz.ID


失敗学では、いかなるミスでも厳しく責めるのは悪手なんだけれど……


 あなたはスタッフが何か失敗してしまった場合、安易にとがめたりしてはいないでしょうか。


 星野リゾートではそれが顧客のためになると思って行動したのであれば、評価を下げるようなことは決してしません。大事なのは、「ミスをした人の責任を問う」ことではなく、「同じミスを繰り返さない」ことです。ミスをなくすためには可能な限り多くのミス事例を分析し、運営システムを見直すことによって、同じミスを出さない仕組みに変えていく必要があります。至極当然だという声が聞こえてきそうですが、ここからが重要でなかなか難しい作業です。それは「ミスを隠さない環境づくり」。ミス事例を分析するためにはミスを積極的に公開してもらうことが大切なのです。


第1回 「ミスを憎んで人を憎まず」組織活性はスタッフのモチベーションの質がすべて|星野佳路の「組織活性化」講座|株式会社日立ソリューションズ

部下のミスの報告が遅れる原因として考えられるのは、上司が怖いという意識が部下にあることではないでしょうか。部下と積極的なコミュニケーションを図り、部下が気軽に上司と話すことが出来るような雰囲気を作ってあげれば、部下もミスを報告しやすくなるのではないでしょうか。


 報告したら怒られるというのも、部下がミスを隠して報告しない原因の1つと言えるでしょう。報告してくれたことをまず褒め、次にどのような対処法でミスをカバーすればよいのかを教えるようにすれば、怒られるという意識がなくなり、部下も積極的に報告をしてくれるようになるでしょう。


部下がミスを報告しやすいと思えるような環境を作る方法 | U-NOTE【ユーノート】

人類の目覚ましい進歩は、誰かのミスによってもたらされる:そう思わずにはいられない。ミスの否定は、ヒトの創造性の否定だ。「ミスしない人」を育てることは、その人の人間性を抑圧することにほかならない。ミスが許されない状況下では、誰もがリスクを回避し、失敗を隠匿する。しかしミスを容認する状況下ならば、ミスの原因がきちんと分析・検討されることで、かえってミスの少ない環境を作り出せる。


なぜあなたはミスをするのか?/非効率なホワイトカラーと21世紀に求められる人材 - デマこいてんじゃねえ!


「ミスを隠さない環境づくり」の為に、ミスデータの積極的な公開や、ミスが大きくならないうちに摘んでおくのは有意義なことです。これは、失敗学という学問でも当たり前の話になっていて、業務に大きく影響を与えるようなミスならいざ知らず、どうでもいいところの小さな誤字で厳しい叱責をする意味はありません。


しかし、やばい管理職はそれを知ってか知らずか、兎に角ミスに対しては厳しく叱責します。叱責、叱責、責める責める。それで、口を揃えて、この呪文を唱えるのです“ホウレンソウだ!”と。


ホウレンソウという呪文


ホウレンソウしなさい」と部下や後輩にはよく言うけれど、果たして、私たちは、ホウレンソウしやすい相手になっているだろうか。


田中淳子の人間関係に効く“サプリ”:部下がミスの報告を恐れなくなる、上司のこんなひと言 (2/2) - 誠 Biz.ID


やばい管理職は、ポパイみたいに、とにかく「ホウレンソウ」という呪文が大好きです。「ホウレンソウ」「ホウレンソウ」と唱えていれば、仕事がうまくいくと信じています。それで、「ホウレンソウ」をしてきた人間に対して、とにかく叱責します。「ホウレンソウ」→叱責、「ホウレンソウ」→叱責、を繰り返します。「ホウレンソウ」→叱責、をひたすら繰り返します。


いつしか叱責されたくない人間が、「ホウレンソウ」をしなくなり、ミスが大きくなってから発覚します。そうなると、やばい管理職はやはり決まってこういうのです。「だから言っただろう! ホウレンソウしろと!」と。叱責を繰り返す自分を一切省みず、叱責を恐れ「ホウレンソウ」をしなくなった人間を、またいっそう厳しく叱責するのです。


ごく一部の左翼の人が「護憲」「9条」という呪文を唱えていれば平和になると信じているように、やばい管理職は、「ホウレンソウ」と唱えていれば何をやってもよいと信じているかのようです。もちろんこれも程度の問題ですが、「ホウレンソウ」どころか、話しかけただけで責め苦が始まる管理職なんでどこにでもごろごろいるので、辛いですよね。


むすび


パワハラの典型的な理不尽コンボ集


パワハラ上司、やばい管理職なんてどこにでもいます。末端の仕事っぷりはすばらしかったけれど、管理職としては……、みたいな人もいっぱいいます。そして、そういう人に潰された若者を沢山見てきました。ただ、そういう管理職の人も、もっと上のマネージャーから沢山つらいことをされているんでしょうけれどね……。


JTB中部が29日午後、会見し、「社員教育を徹底するなど、再発防止に努めたい」と陳謝した。


JTB社員が遠足のバス手配忘れ、生徒装い学校に手紙「遠足中止しなければ自殺する」 | 日刊時事ニュース


正解:「社員教育を徹底」=「ミスを報告できる環境づくり」+「ミスをしない仕組みづくり」

不正解:「社員教育を徹底」=「ミスしたら叱責」+「人の注意でミスを無くす」


なんだけれど、多くの場合「社員教育を徹底」=「ミスしたら叱責」+「人の注意でミスを無くす」なんですよね。あーあ。


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