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松森果林UD劇場〜聞こえない世界に移住して〜

2018-07-20 日本初。聴覚障害当事者研究シンポジウム開催!9/9in仙台

聴覚障害と一言でいっても、聞こえ方や聞こえなさってひとりひとりちがいます。

ろう、難聴中途失聴、ろう重複とか、ありきたりな医学的な言葉では

説明できない世界があるのです私たちの耳の奥ふか〜くには。


私は、失聴して以来長年付き合ってきた「耳鳴り」について話します。

耳穴に鉛筆を突っ込みたくなるほどの壮絶な耳鳴りが

今や自由自在にコントロールでき

「ミミナリさん」と愛称込めて呼ぶほどの仲(ときどきウザいんですが)

となるまでのなれそめなど。


そうしたことも含めて楽しみながら「言語化」していこうよと

2016年から定期的に開催し着々と準備を進めてきた

聴覚障害当事者楽会」。

教育界のトップを行く精鋭隊三名に

「楽しい!」を追求する私なんぞが混じっております。(ドキドキ)


9月9日、「聴覚障害当事者研究シンポジウム」を開催します。

興味のある方、席数が限られておりますのでお早めにどうぞ。

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「自分」がかかえる生きづらさのなかから

「自分」が生きやすくなるための「研究テーマ」を見出し

自分にあった「わかりかた」や「たすけかた」を見出していく

当事者研究」は精神障害をはじめ、発達障害依存症

認知症などにも広まり当事者や専門家から注目を集めています。

しかし、聴覚障害(ろう・難聴中途失聴・ろう重複障害など)では

当事者研究の視点で取り組まれたものはまだ少ないため

どのような実践ができるのか、その可能性を探ることを目的に

上記シンポジウムを開催する運びとなりました。


シンポジウムでは、発達障害当事者研究で有名な

綾屋紗月さんに「当事者研究」とは何かについてご講演いただき

4名の聴覚障害当事者が様々な立場で

どのように「自分」にあった「わかりかた」や

「たすけかた」を見出してきたのかを話題提供します。

人の数だけ、生き方があり、困難があり、乗り越えていく手段があります。

いらっしゃった皆さんとコミュニケーションをとりながら

次へのステップを見つけ出すきっかけを一緒につくっていきたいと思っています。


多くの皆さまのご参加をお待ちしております!

定員は70名までですので、お早めに!

日時:2018年9月9日(日)10:30〜15:00

会場:宮城教育大学720教室

参加費:500円

お申込みは

宮城教育大学特別支援教育講座聴覚・言語障害教育コース

松粼 丈 まで

?氏名?所属や障害の有無?連絡先(メールアドレス)?目的やコメント等をお送りください

メール:joemk@staff.miyakyo-u.ac.jp

FAX:022-214-3501


以下のURLでチラシをダウンロードすることもできます。

https://d.kuku.lu/e60f969a4e 

(「ファイルをダウンロードする」の文をクリックしてください)

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2018-07-17 日本初!? ACジャパンのCMに手話も字幕も音声も!

日本初!? ACジャパンのCMに、手話も字幕も音声も!

「その危険見えてますか?」

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https://kyodonewsprwire.jp/release/201806255335



CM字幕の活動を長年熱心にご一緒してくださっている

電通ダイバーシティラボの佐多さんからご相談を受けて企画構想に数年間。

昨年から、TA-net理事長の廣川麻子さんも加えて三人で監修

手話出演として江副悟史さん、プラスヴォイスの三浦さん

また視覚障害については日本盲人会連合にもご協力いただきました。

CMのナレーションは草�亟剛さんです。

7月から一年間、放送されます。


ACジャパンでは、広告を通して様々なメッセージを発信するキャンペーンを毎年行っています。

社会問題、地域の問題、福祉医療国際貢献、学生部門まで5種類。

そのうち、全国キャンペーンAでグランプリを取ったCMが

「その危険見えてますか。」

歩きスマホによる視覚障害者との接触事故が増えていることと、公共マナーの重要性を伝えています。


この作品では、ACジャパン初の試みとして

聴覚障害者への「情報格差」をなくすため、手話とオープンキャプションの字幕を義務付けました。

特筆すべきは、ナレーションのほか、

BGMや状況音、そして最後の「♪ACジャパーン♪」というサウンドロゴまで

手話と字幕で表現したことです。


今回監修の中心となった佐多さんのスゴイところは

「徹底した当事者参画」の必要性について周囲の関係者を巻き込んでくれたところです。

監修には、聴覚障害当事者の私と廣川麻子さんを

手話での表現は、ろうの当事者である江副さんを。

打ち合わせでは、何度となく台本と映像を見ながら

この音を手話で表現するためには?

この声は?

この音楽は?

サウンドロゴは?と

繰り返し議論を重ねました。

江副さんの表現力にみな脱帽。

これまで聴覚障害者に関わることがなかった制作側も驚きつつも

普段何気なく使っているBGMや効果音やセリフを

改めて見つめ直すことができたとおっしゃっていたのが印象的。


緊張感あふれる試写会では、その場で微調整を繰り返し繰り返し行い

最終的に「OK」が出たときは本当にホッとしました。


「CMだって知りたい!」大学生の時こんな思いを持ち

周囲に働きかけて、20年以上が経ちます。

企業の広告には約20社ほど字幕が付与されるようになりました。

理想とするのは今回のACジャパンのようなCM。

初めての試みをするには、様々なバリアと

それを超えるための莫大なエネルギーがいります。

でも、それを繰り返していけばいつしか日常の光景になる。

オモシロい!!


映像はACジャパンHPから見ることもできます

https://www.ad-c.or.jp/campaign/self_all/self_all_01.html

2018-07-03 JR東日本千葉支社様にて特別講演

6月はJR東日本千葉支社にて

「サービス品質フォーラム」での特別講演をさせていただきました。

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データと実体験をもとにして話す

聴覚障害の視点からJRに期待すること」


本社、東北支社に続いて三回目となります。

毎年様々なサービス改善に取り組まれていますが

その中でも優秀なものを発表する場でもあります。


終了後の意見交換会にも参加させていただきました。

若い社員の皆さまは、目的意識やモチベーションも高く

質問や感想のコメントが的確で話していて楽しかったです。

そんな中で

「勉強しているつもりでも、当事者から話を聞くと

改めて知らなかったことが多いことに気付かされた」と

素直な感想をいただくと嬉しいものです。


また、手話に興味を持って

「挨拶の手話は?」

「お客さまをお迎えするときは?」と

積極的に聞いてくれる社員も多くて嬉しかったです。

「駅」の手話

昔の紙の切符を改札鋏で切る仕草から来ている話をすると

年輩の方々は「おぉ〜っ」て感じでしたが

若い社員は「話を聞いたことはあるけどホンモノを知らない」世代

このギャップもまた面白いものでした。

そんなやり取りをみながら

「切符を切る時のリズミカルな音が好きだったなぁ」と

思い出したものです。


駅や電車の中で音声情報が得られない不便さは

電光表示板や車内モニターの設置、スマホアプリなどが充実し

昔と比べるとずっと良くなっています。

ひとつだけ実現していないものがあるとすれば、それは

「リアルタイムな音声情報が取得できない」こと。

「聞こえる人と同じ情報がほしい」

願いはとてもシンプルです。

技術は沢山あるので、どうシステム化していくのか。

今後が楽しみです。


余談ですが、国際会議なども開かれるこの会場は

演台が思いのほか高く、最前列から見るとかろうじて顔が見える状態でしたが

とりあえず顔出せて良かった!

かつてどこだかの講演で、適当な踏み台がなく

ビールケースに乗っかって講演をしたことを思い出しました。

2018-07-02 豪華絢爛ナミねぇライブ

昨日の朝、7月1日と知り戦慄が走りました。

私の中ではまだ5月くらいの感覚なのに!

講演や講師業に追われて気付けば今年も折り返し地点!

6月の記憶を辿る。


ナミねぇライブがありましたよ!

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パワフルでソウルフルなライブは、聴覚障害者のファンも多くこの日は6名が聞こえない人たち!

スペシャルゲストが毎回すごくて、

総務大臣野田聖子さん(美しい!)、

5月に新著『悪だくみ』で「大宅壮一メモリアルノンフィクション大賞」受賞された森功さん(相変わらずカッコいい!)、

そしてミキティこと安藤美紀さんと聴導犬アーミーと、シンガーのご子息も!

何年もすれ違い続けた生ミキティとやっと会えて至極感激!

聴導犬の歌を手話でうたうご子息、超カッコいい!

母としてはこれ以上ない嬉しさでしょう。

涙がでました。


色んな再会があるのも楽しみです!

今回は日本各地の水族館リニューアルなどを手掛ける水族館プロデューサー中村元さん!!

15年ほど前に千葉県ユニバーサルツーリズム委員会でご一緒して以来でした!

感激のあまり記念写真撮るのを失念!無念!


ナミねぇライブでは、毎回私たちのテーブルは

手話で歌うので異様な盛り上がりっぷりを見せてます。

そんな中、隣は何をする人ぞ‥‥森本さん静かだなと思ったらナミねぇバンドの似顔絵を夢中になって描いてました!

さすがこの方は手話もできて玉蹴りもできて絵も描ける酒も飲める超手話通訳者です。

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2018-06-25 埋もれていた苦しみの向こう側

「子どもがほしいか、私たちに聞いてほしかった」

手話通訳がいれば拒否できたのに」

聴覚障害ゆえに十分な説明を受けられず、不妊手術を強いられた人が70人という数字に絶句。

(全日本ろうあ連盟の調査による)


子を産み、育てるという喜びや未来を奪う。

本人の意思とは関係なしに。

1996年まで続いた優生保護法に基づく強制不妊手術。

その事実の重さには、たとえる言葉も見つかりません。


2015年の今日、こんな記事を投稿していました。

<2015-06-25 子を産むに値する人とそうでない人という区別 >

http://d.hatena.ne.jp/karinmatasumori/20150625


当時は内閣府の障害者政策委員会の委員として

この課題について広く知ってもらいたいと

DPI女性障害者ネットワークの皆さんから様々なことを学んだ時期。

障害者と支援団体が繰り返し、国に謝罪と補償、実態調査を求めてきたこと。

国連の女子差別撤廃委員会までもが日本政府に勧告を出していたこと。

長年にわたる地道な活動、そして訴訟。



埋もれていた苦しみが少しずつ語られ始めています。

まだまだ氷山の一角かもしれません。

それでも。

被害者本人の声ほど、人の心を動かし、共感を生むものはないと思います。

ひとつひとつの声に耳をかたむけ、言葉にならない思いをくみ取り

対話を重ね、救済に繋げていくことはできるはずです。

まずは知ることから。


以下はそんな語りの一例です。

不妊手術の悔しさ、手記や映像に残すろう者たち(朝日デジタル2018/03/16)

https://www.asahi.com/articles/ASL3H7F0GL3HUBQU029.html

手話通訳いれば拒否できた」 聴覚障害者への強制不妊(朝日デジタル2018/06/09)

https://www.asahi.com/articles/ASL6953Q5L69PTFC002.html

「悔しい」手話で訴え 聴覚障害者6人会見(毎日新聞2018/06/09)

https://mainichi.jp/articles/20180610/k00/00m/040/070000c

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