つたんまにっき

2015-01-03 [土] ウメハラに対する自己投影

ウメハラに対する自己投影

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CAPCOM VS SNK 2(以下カプエス2)の全国大会って開催決定当初はカプコン最後の全国大会で格闘ゲームの最終作と言われてたんですよ。まあ、格闘ゲームは中学の頃にストIIが出て高校三年で一度引いてフリーターなってからゲーセン店員して古いゲームやってたんですけど、その頃ウメハラが中学二年くらいでデビューしたんですよね。でも地味だった。カプコンのゲームもこなれてなくてキャラ差が結構ある中で強いキャラを選んで庶民感覚では反則技も多用する。「そこまで勝ちに拘るか」という感覚でもって見る人が多かった。


ウメハラのデビューからカプエス2までにヴァンパイアセイヴァーやストZERO3の全国大会があったんですけど、その頃俺はゲーセンバイトをやめて専門学校で真面目に資格の勉強をして、2年のカリキュラムのところを半年で資格を取って、まあ資格あったら就職は最悪でも事務系で大丈夫だろうという打算と、ゲームクリエイター志望だけど能力は中途半端なところで学校の勉強に飽きて授業サボってまたゲーセンでSNKのKOF98をやっていたんですよ。ネオジオも買って。井上氏と組み始めたのはこの頃。


それでSNKのゲームにはネオジオCDライブツアーという小さな大会を地方のあちこちでやるイベントがあって、イニシャルで行くとH君というのが関西の大会でほとんど優勝していて、商品のネオジオCDを何台も持っていてですね、後にカードゲームマジックギャザリングの大会でも優勝するんですけど、彼の両親が薬局をしていて店を閉めた後の「うちら」で麻雀やらネオジオやらで遊んでいた。ゲーセンバイト時代からのつながりですね。


でも井上氏は大会経験が無くて「せっかく練習したのにKOF98って全国大会ないんだよな」とこぼしていたので、俺は「ストリートファイターIII3rdが出たら一緒にやろうよ、きっとカプコンなら全国あるよ」と決めていました。ストIIIは本当につまらない勝ち方があって、ジャンプしてレバーをガチャるとどんな技も空中ブロキングで受けてしまい一方的になるか、勝負がつかなくなるんですよね。ストIII3rdはそのへん直して欲しいよねと言っていたらゲーセン仲間のひとりがカプコンに入社してかなり文句のでない調整になるよう頑張ってくれた。


そこでストIII3rdは京橋のロケテストに並んで稼働前に触れたんですけど、リュウと春麗でそれぞれ連勝して、これがいけなかった。リュウと春麗だけしゃがみガードの硬直が長いなどのハンデを付けられて発売になったんですよ。そして全国大会も開催されなかった。井上氏は彼女の家に転がり込んでゲーム台を買って彼女の部屋に置き、ゲーセンで閉店まで遊んでから家でさらに練習した。


それから俺は就職してゲーマー続けるの難しかったけど、カプコンはストIII3rdが意外と長く遊ばれているのはゲーマーのスタッフ(先に挙げた友人ね)がいたのが良かったのだろうと、巷で勝っているゲーマーを数人調整に引き上げてカプエス2を作ったんですよ。


カプエス2はカプコン最後の全国大会という事で、いつも発売2ヶ月で開催される全国大会とはおもむきを変えて発売1年後に極められたもの同士の全国大会にしようということになっていた。最後のチャンスということで、そういう大会に興味があるゲーマーはみんな参加の意志で、この頃にゲーセンに集まったものは日々切磋琢磨で戦法の取り合い対策の研究をしつつドリームキャストでコンボの練習をしていました。ウメハラなどの有名プレイヤーは常にネットでマークされて大阪にいても今ウメハラは何をやっているかなどの情報は入って来たし、俺もまた梅田で競っていたのでかなり対策された。


でも、カプエス2はストIIIほど奥深くなくて大会までの1年で飽きられていたという印象。様々のグルーブやキャラはジャンケン的な関係を持って、みな互いの出方はおおよそ分かってクジ運が強いんじゃないかって感があった。そしてウメハラ氏はネットをしない人だったので、完全に時代遅れのチームだった。Nグルのリュウ・ケン・豪鬼というのは俺が発売日の近くに神戸三宮予選で使っていたチームでウメハラ氏もベスト8で志郎に負けた。セイヴァーの頃からウメハラ氏は八百長試合で勝っているのはゲーマーの噂話だったけど、あの大会でのラン近距離強パンチを志郎氏のヤマザキの起き上がりに重ねた時に、志郎氏は「勝たせてもらえると思って甘えている技出しに腹が立ってスーパーコンボを出してしまった」と後日話していた。分かっちゃいるけど、俺はいつの間にかウメハラに勝って欲しいなと思って観戦していた。


自分がNグルーブのリュウ・ケン・豪鬼というチームを選んだ時は純粋にゲームを面白いと思って遊んでいたのが1年の間に勝ち方の研究だけに拘ってゲーム性が変わっていたのに、ウメハラ氏は過去の自分の延長線上の動きをしていて、それに対して自己投影をしたからこそ格好良く見えたのであって、大半の人の意見としては勝たないウメハラには興味が無い。俺は大会ではギースを選び、大会翌日の新宿モアではウメハラ氏がギースで連勝記録を打ち出したらしい。それ以上の後日談は割愛。


正月早々から長文になってしまったけど、短くまとめるつもりが5年分ほどを追いかけると長くなってしまったと言う。


それからウメハラ氏が世界的に有名になる背水の逆転劇は実はカプエス2発売よりも前に大阪の街中の対戦で普通に見られる光景だったんよね。いまさらあんな芸で人が集まるんだなという感覚と、だからこそ、それがよりによってウメハラ氏にスポットライトが当たる形で放送された口惜しさがありますね。まあ、色々あるけどウメハラが映像的に独り占めをするのは許せないなと。そういう感想も込みで、ウメハラ氏に嫉妬するのは自分がやってきたことで彼が有名になるからであって、新しいゲームが出るたびに映像は体験とリンクしなくなって憧れも口惜しさも何も無くなってゆく今日この頃です。