「富士」「はやぶさ」「銀河」「なは」「あかつき」が廃止されるという記事

 今日の朝刊が鉄道マニア的には"凄い"ということらしいと書いた後、我慢できなくなったんで、午前3時半に近所のコンビニに行ったら朝日新聞の朝刊がありました。
 一面のタイトルは「ブルトレ迫る終点」。そのうちホームページにも概略がアップされるでしょう。ホント、「ぜ、全滅じゃないけど、ぜ、全滅じゃないけど」ってアムロのセリフを言いたくもなります。

  • 2008年3月中旬改正 「銀河」「なは」「あかつき」が廃止、「北斗星」と「日本海」は1往復減便(11月中旬正式決定、12月中旬に発表)
  • 2009年春改正 「富士」「はやぶさ」の廃止がJR各社の担当課長レベルで合意済み
  • ブルトレ発祥の地である九州では反発も予想される
  • 通称「ブルトレ会議」で、ほかの路線についても新幹線開業などにあわせて廃止を検討している(「北陸」のことなのかな) 

 まあ、噂通りといえば噂通りなんだけど、一気に整理が進みましたね。九州新幹線開業の2011年度まで九州ブルトレのうち1本は残ると思っていた(期待していた)けど、再来年の春には九州ブルトレが全滅となる。
 2009年以降、残るのは定期の毎日運転では「北斗星」「あけぼの」「北陸」「日本海」「サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」の5往復(6系統)。あと急行が「はまなす」と「きたぐに」(ここらも大丈夫か)、そして臨時運転の「トワイライトエクスプレス」、「カシオペア」。もう、これ以上ないんだよね。
 いやあ、しかし「ブルートレインが消えていく……」と実際に新聞報道されると語るべき言葉を失います。ただ「寂しい」としか言えないんですが、それはまた別の話。

追記

 さて、朝刊を見てから寝たので、11時に起きました。朝日の速報ニュースサイトには出てませんが、やはりこのニュース、全国的に報道されているみたいですね。
 理由に掲げられているのは、

  • 利用者が少ない
  • 車両の老朽化
  • 夜間の要員確保

の3点。
 記事のニュースソースは当事者、すなわちJR広報の責任者からでしょう。経緯や時期についても詳細に知らされているし、このタイミング、来春の改正内容は間違いない。08年3月改正はほぼキマリ。「日本海」が消えるのが、東日本持ちの1・4号か、西日本持ちの2・3号か分かりませんが、後者だとすると「銀河」ともどもプルマン式A寝台車が全滅と言うことになります。うん?、JR西日本持ちのブルトレはこれで全廃か。あと、記者氏が興味を示さなかったのか、まだ大丈夫なのか分かりませんが、「きたぐに」と「能登」あたりの行方もやはり気になります。
 僕とか昭和40年代生まれの連中って、1978年の"ブルートレインブーム"を経て育ってきているから、他の世代なんかよりもブルトレへの思い入れってあるんですよね。まあ、もちろん年配の人たちもヤングの人たちも九州夜行の黄昏はかなり衝撃的であるということは確かです。残して欲しいというのが本音のところ。
 もっとも、ここ15年ほど、世界各地の鉄道に乗車してきて、途上国のみならず鉄道網が陸上交通輸送の主力の座から滑り落ちている実態(特に長距離)を見ているから、「なんとしても残すべきだ」とか「旅情があるのに」とか軽々しい期待、無い物ねだりは僕にはできない。この報道をただ受け止めるしかない。
 「富士」と「はやぶさ」は……まだ「担当課長レベル」というので、「市民の声」ってヤツや政治力で覆される可能性もないわけではない。もしエライ人で「存続させるぞ」と言ってくれる人がいれば、それは鉄道マニアたちの「英雄」ですね。僕らの間で末代まで語り継がれることになる。
 正直なところ、2009年春以降の存続はキツイです。「担当課長レベルで合意済み」を覆すだけの材料が何もない。もし可能性があるなら「サンライズ」や「カシオペア」に準じた車両を入れるとか入れないとか。九州特急に「何か」を入れるとはかねてから噂されていますよね。
 "鉄道界のスタルヒン"こと須田寛名誉会長あたりに最後のお仕事をして欲しいのですが、それはまた別の話。<続き>2007-11-19寝台特急が生き残る方法を淡々と考えてみる

追記

 もう一つ、追記、朝日の公式でも来てますね。
消えゆく東京駅発ブルトレ 「銀河」来春に引退朝日新聞、2007年11月18日11時02分

 「ブルトレブルートレイン)」の愛称で親しまれてきたJRの寝台列車が、09年春にも、東京から西へ向かう路線から姿を消す可能性が高まっている。利用客の減少が主な原因で、ほかの路線も同様の事情を抱えている。一部の豪華列車を除き、将来的には廃止の方向にあるという。
 JR各社の複数の関係者によると、08年3月中旬のダイヤ改定で消えるブルトレは、京都―熊本間を走る「なは」と京都―長崎を結ぶ「あかつき」、東京―大阪の「銀河」。また、大阪―青森の「日本海」と上野―札幌の「北斗星」は、現行の1日2往復から、1往復に減る。このダイヤ改定は今年11月中旬に正式決定し、12月中旬に発表される予定だ。
 さらに、09年春のダイヤ改定では、東京―大分の「富士」と東京―熊本の「はやぶさ」の廃止が、JR各社の担当課長レベルで合意済み。これが正式に決まれば、大阪以西を走るブルトレは皆無になり、東京駅でブルトレは見られなくなる。ブルトレ発祥の地である九州などでは、地元の反発も予想されるという。