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鉄道関係の時事ネタを紹介するブログです。趣味の外縁部に転がっている、生活には役に立たない情報を中心に語ります。廃線、未成線、LRT、鉄道史、遊覧鉄道、鉄道マニア、鉄道本書評、海外の鉄道、マンガ、アニメ...etc。 「鉄道未成線を歩くvol.8 東京の新線構想2030」など同人誌を書泉グランデで販売中。

2009-08-13

katamachi2009-08-13

[]嘉穂製作所のスロープカーの全国リストをまとめてみた

 これまでも何度かリクエストがあった嘉穂製作所のスロープカーの導入リストを紹介します。

 原典は、以前、同社ホームページにあった(09年削除済)「導入実績検索」というページから06年に拾い上げたものに、最近の動向を加味して加えたもの。今回、夏コミで販売する「遊覧鉄道で眠りたい!」の記事の中から抜粋します。

 最近は東京横浜、京都、福岡など大都市部近郊、箱根温泉鳴門など観光地に近いところにも登場しています。機会があればぜひご近所の所を訪問してみてください。まあ、鉄道マニアといえども、万人ウケする施設かどうかは意見が分かれると思うのですが、それはまた別の話。

 以下、参照。


 モノレール系の遊覧鉄道の最大手といえば、福岡県飯塚市にある嘉穂製作所だ。商品名は「スロープカー」としていたが、今一つどんな施設なのか消費者が分かりにくいためか、「斜行モノレール」「モノレール」などの呼び方もある。全国各地に類似の乗り物を設置している。

 レールの側面や下側にラック(波状の板)を貼り付け、ゴンドラには駆動輪のピニオンピン(歯車)を付け、この2つを噛み合わせることで急斜面の登坂を可能にした。四国近畿60年代から普及が進んできた農業用モノレール「単軌条運搬機」(みかんモノレール)の発展型になる。

 ラックピニオン方式でカーブを最少30mでも通過できたり、最大50度の勾配まで対応できるため、急斜面であってもその地形にあわせてH型鋼材のレール上に軌道を敷設することができるのが特徴。ルート設定に小回りが利くため、建設コストも低廉に抑えられる。

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 また、無人運転も可能だし、車体も小型で軽量タイプなため安価に抑えられる。需要にあわせて2名乗りから40名乗りまで幅広いサイズに対応もしている。

 非常時への対応としても、インバータの電力回生ブレーキ、無励磁作動型の電磁ブレーキ、過速時に作動させる非常停止装置、地上ホームドアなどの保安システムを用意している。

 嘉穂製作所が乗用のスロープカーを開発したのは90年。最初は愛媛県の松軒山公園だった。その後、92年からゴルフ場(同益城カントリークラブ)、94年から温泉ホテル施設(同温泉センター四季彩)での納入が始まった。

 当初は会社のある九州での導入が多かったが、口コミセールス西日本各地へ広がる。自治体系の観光施設に導入すされるケースが多い。またバリアフリーへの対応が求められるようになると、温泉や霊園、ホテルなど高齢者の利用の多い施設での導入も相次ぐようになる。

 鉄道マニアの間でも知る人ぞ知るという状態だったが、2000年、五能線と立体交差するウエスパ椿山に導入されたことで、知名度がアップする。また、鳴門、帆柱、英彦山福岡市動物園スロープカーは地元マスコミでも大きな話題を呼ぶ。

 ここ数年は関東でも導入が進み、東京都北区役所が飛鳥山公園に投入。韓国への進出も果たした。有名寺院や旅館にも導入され、今後、注目と話題を集める存在になることは間違いない。近年は量産化と標準化も進み、ある程度はコストも低く抑えられていると思われる。飛鳥山モノレールだと工費1.9億円(公園関係の整備は除く)で済んだ。

 ライバルモノレール工業が倒産し、ちぐさもシェアを広げられない中、嘉穂の製品はモノレール系の遊覧鉄道でトップシェアを占めるようになった。今後はさらなる製品開発のバリエーションを期待したいところだ。


公共系観光施設・公園

 自治体や外郭団体が運営する公園や観光施設にスロープカーを導入するケースが多い。小高い斜面部にある施設と地平部とのアクセス手段として評価された。02年頃からはバリアフリーという視点からの導入も目立つようになる。

 興味深いのは英彦山。長い石段の参道を登るのに苦労していた参拝客のためにスロープカーを導入したのだが、ゴンドラ自体を地域活性化の目玉としてアピールし、集客に成功した。添田町は導入3年後に40人乗りだった車両を2両連結にして輸送力を倍増している。三セク運営の帆柱ケーブルも利用者を大幅に増やした。

 あと、鳴門区役所が高速道路バス停に設けた「すろっぴー」。観光的要素と言うよりも、高台にあるバス停と街中とを結ぶ移動手段として有効に活躍している。スロープカーが「公共交通」手段として威力を発揮している希有な例だ。

 ただ、90年代に導入したところでは製造から10数年が経ち、全面リニューアルの時期に差しかかつている。添田町は添田公園に1260万円の投資をして新車を入れたが、さつま町は、観音滝温泉温泉を結ぶ「かじか君」の施設を持てあまして休止状態にしている。他にも、財政の状況が厳しい自治体が多く、改修のタイミングで事業継続を躊躇する箇所は出てくるかも。


ウェスパ椿山

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飛鳥山公園

JR王子駅ホームから見える謎の鉄道「飛鳥山公園モノレール」に乗る。 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月

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鳴門市役所高速鳴門バス停

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英彦山公園電車

とれいん工房の鉄道省私文書館 次世代型非鉄道的ケーブルカー「英彦山スロープカー」に乗る

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帆柱ケーブル皿倉山

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ホテル温泉

 90年頃からの温泉ブームで全国各地に日帰り温泉型入浴施設が整備される。最大の集客アイテム露天風呂。眺めのいい高台に設置されるケースも多いのだが、となると、施設と露天風呂との間に遊歩道エレベーターを整備する必要がある。移動距離が長くなる場合、スロープカーが導入されることもある。最近はホテルや旅館での導入も進められている。自家用ケーブルカーを持っていた対星館(36ページ)の導入は話題を呼んだ。

 マニアの間で人気なのはホテル祖谷温泉。川縁に広がる露天風呂に至る眺めが最高だし、距離も長くてオススメの施設です。


三田温泉熊野の郷

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ホテル祖谷温泉

三好市(旧西祖谷山村・東祖谷山村・池田町)にある鉄道モドキの「遊覧鉄道」めぐり - とれいん工房の汽車旅12ヵ月

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住宅施設

 山あいに立地している坂の多い住宅街で導入する事例も増えてきた。前四つは民間のデベロッパーの導入事例。また、坂や階段を緩和するため、個人住宅向けにもミニタイプが開発されている。

 このリスト以外にもまだ存在すると思われる。

 注目は長崎市役所が斜面市街地移送機器研究開発事業で導入した「てんじんくん」(天神)、「さくら号」(立山)、「水鳥号」(水の浦)。お年寄りのための移動リフトとして01年度から事業化された。懸垂式のスロープカーで、急坂・階段となっている市道に導入された。分速15mと遅いし、電話ボックスと同サイズの2名乗りのミニタイプだが、車いすの搭載も可能となっている。


寺院&霊園

 寺社仏閣、そして霊園というのも平地から小高いところにあって階段や坂道の昇り降りが大変なところにある。以前からロープウェイケーブルカーが導入された寺社仏閣はあったが、バリアフリー化を切望している高齢者の利用が多い場所でもあるし、今後も嘉穂製作所のスロープカーの導入が進む可能性はある。-佛國寺愛子大仏(04年)  宮城県仙台市青葉区愛子


南の丘メモリアルパーク

横浜市南区の霊園「南の丘メモリアルパーク」で鉄道趣味活動をしてきた。 - とれいん工房の汽車旅12ヵ月

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その他

 太陽公園白鳥城など民間の観光施設でもスロープカーは導入されている。今後も導入は増えそうだが、群馬宮崎の施設は稼働中止になっている。自治体系の観光施設とは違い、採算に合わねば撤退するところはでてきそう。大学病院グラウンド福祉施設での導入実績もある。

 あと、ゴルフ場内での移動に使われるケースも従前からある。嘉穂は比較的新しい設備を三件ほどHPで紹介しているが、他にもたくさん導入箇所はある。この世界では嘉穂製作所より大阪泉陽興業の方が大手である。みかんモノレール型運搬具は90年代からゴルフ場で積極的に導入されている。ゴルフカートで入れない斜面でプレイヤーゴルフバックを運ぶために必要とされてきたらからた。ただ、近年、撤去されるコースも少なくないようだ。


太陽公園白鳥城

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TokyoSkyTokyoSky 2011/02/13 13:14 1996年に長崎佐世保 西海橋コラソンホテルで撮った画像です。
レールとスロープカーの台車カバー?の形状からこれも嘉穂製作所製ではないでしょうか。ホテルのオープンは1993年なのでその時に設置されたと思われます。リンク先にありますように残念ながら現在は放置されたままです。
http://tokyosky.to/tokyosky_webmasters_blog/2011/02/-1996.html

katamachikatamachi 2011/02/15 09:02 ちょっと自前のリストにはないんですが、嘉穂製作所のヤツかもしれませんね。あと、モノレール工業(廃業)という会社なんかも全国にちらほらみかけます。この手のは改廃が激しくて調べるのにも限界があります。嘉穂には一度お話をお聞きしていきたいなあとは思っています

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