とれいん工房の汽車旅12ヵ月 Twitter

鉄道関係の時事ネタを紹介するブログです。趣味の外縁部に転がっている、生活には役に立たない情報を中心に語ります。廃線、未成線、LRT、鉄道史、遊覧鉄道、鉄道マニア、鉄道本書評、海外の鉄道、マンガ、アニメ...etc。 「鉄道未成線を歩くvol.8 東京の新線構想2030」など同人誌を書泉グランデで販売中。

2012-01-11

[]食べログ人気第1位の店でラーメンを食べながら考えた

 飲食店の人気ランキングサイト食べログ」が、好意的な口コミ投稿の掲載や順位の上昇を請け負う見返りに飲食店から金を受け取る「やらせ業者」にランキング操作されている事例があることが4日、運営会社カカクコム東京)や飲食店関係者への取材で分かった。

人気サイトの食べログで順位操作 やらせ39業者を特定共同通信2012.1.5

というニュースが今月5日から話題になっている。月間約10万円の報酬を支払うと、店側の意向を反映した好意的な口コミを毎月5件ずつ投稿してくれる……そんな業者があるみたい。

【「食べログ」で順位操作】「裏技」「確実」と提案 10万円でやらせ月5件共同通信2012.1.5

 たとえ新規進出店舗であっても、食べログで上位に来るとお客さんは確実に来てくれる。オープン直後の先行きの不安定さを考えると、10万円という広告料は決して安くないんだろう。

 実際、私も外食に出かけるとき、しばしば食べログ情報検索する。評価か高いのに味も何もかもイマイチだなあという体験は何度もしたことがある。

食べロググルメ出張東京名古屋京 (ゲインムック)

食べロググルメ出張東京名古屋京 (ゲインムック)

 ネットが普及する以前なら、そうした口コミというか、店の善し悪しを評価する情報は、新聞テレビ雑誌、そして各種広告媒体から知る機会が多かったと思う。

 90年代学生生活を過ごした1人としては、テレビ雑誌などで「今、人気の●●」として紹介される衣料品やグッズ、飲食店イベント……etcには、マーケティング臭さが漂っているのは十分に承知していた。

 メディア露出を図ることでビジネスとしたい新規店舗代理店、「今、人気の●●」というのに消費者が踊りやすい=関心を持ってもらいやすい=売り上げへの期待になることを知っているテレビ雑誌。双方の利害がうまくマッチしていた時代があったのだと思う。

 個人的には、そういう風潮を斜めに見ていた。「自分はそういうのに踊らないぞ」という妙な自負があったからだろう。

 旅行ガイドブックなんかでも、本文記事のショッピングホテルのコーナーで不自然に登場してくる案件がやたらと気になっていた。実際、海外の安ホテルに泊まった時、「ぜひ、『●●の●き●』にうちのホテルの評価を書いて欲しい。書いてくれたら……」と声をかけられたこともある。利用者の口コミを前面に出すガイドブックだった。そうした口コミが商売に繋がることを彼らは肌身を通じて感じているのだろう。実際、自分ガイドブックを見たからこそ、そのホテルに泊まった。

 結局、自分情報にうまく踊らされていたということだ。

ぴあ [最終号]

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 そうしたテレビ雑誌新聞発のメディアが大きな力を持っていたのは90年代

 ゼロ年代になってからはネットの力が大きくなってきた。一時期は、掲示板自分の所をベタ褒めして(あるいはライバルを貶したりして)宣伝していた業者もあったまだろう。

 ここ数年は、検索エンジンが整備され、かつ価格.com楽天Amazonじゃらんといった商用サイトも充実してきた。ブログツイッターブックマークなどでの評価も重宝される。

 知らない商品、知らない土地、知らない店舗。できるだけリスクを避けようとするならば、確かに口コミも参考になる。

 僕も食べログを重宝している。

 今の街に住んで2年あまり、まだまだ知らない店はたくさんあるし、せっかくカネを払うんだし、あまり無駄金を使いたくない。そもそも食べ物の味を的確に判断できるほど舌に自身があるわけではない。ある意味、「合理的」な判断をするために食べログという基準は参考になりうる。

 ただ、なんかサクラっぽい意見って言うのはあるなあ、とは感づいてはいる。店長や店員が自分たちで書いたのか、あるいは知り合いにお願いしたのか。まあ、そこらは話半分、実際、行ってみてダメなら残念だった……と諦めるしかない。ネット情報ってそんなものだろうと僕は思っている。

 情報記事があふれている中で、ある程度、選択するスキルを高めないとネットではやっていけない。と、共に、ソースや判断基準が不確かである、ということへの割り切り、諦念も必要なんだろう。

 逆に言うと、食べログやらせを伝える新聞テレビが、ネットでのそうした動きに「驚いて」みせていることに、正直、当惑した。毎日新聞の「風にきく:情報の取捨選択 /三重」が指摘するように、「互いに公正中立をうたう大手マスコミ情報でも、それぞれの会社微妙表現や扱いが異なる」というのはあるからなあ。テレビ情報番組での出演枠を●百万円で買った、とか、当事者から聞いたこともある。

 新商品を出したり、イベントを企画したとき

という側面が重視されるようになっている。広告代理店視点で言うと、

と、金銭換算して推計した上で、いかに当該イベントや商品が成功したか……ということになる。いくら客を呼んだか、それでナンボ稼いだのかばかりが強調される。

 いま話題の□□がついにオープン(あるいは閉店)。マニアで密かな話題の●●を商品化しました。ネット流行の○○を知っていますか。ゆるキャラ萌えキャラを使った商品展開や地域おこし。△△が登場するのは今日だけだし貴重な機会ですよ。

……どこかで見たような、なにかをマネしたような、あるいは飢餓感を煽るようなイベントや商品ばかりが乱発されるようになった。そうした、「話題づくり」の情報新聞でもテレビでも雑誌でも溢れかえっている。現場に行かず裏もとらず、プレスリリースを丸写ししているだけ、ネットの評価をそのまま借用しているものもある。

 ここ数年、ネット口コミの力が評価されるようになったのに対し、多くのメデイアは影響力でも商売の面でも低調となっている。あらゆる形での「情報」が無料で手にはいるようになった。新聞雑誌、本にカネを出してまで情報を得ようという人が少なくなるのも当たり前だ。だからこそ、テレビ新聞での露出量=広告効果=金銭的価値という逆転の発想になったのだろうか。ただ、そうした既存メディアの状況って、やらせ口コミより、よっぽど始末の悪いと思うのだけど、どうなんだろう。

 ということを、食べログ人気第1位のラーメン屋さんで、件の食べログの記事をスマホで見ながら考えた。出張先であまり行かない町にあるラーメン屋だったんで、かなり期待して訪れたんだけど、あまり口にあわずにげんなりとしていたんです。でも、隣のカップルが「ここ食べログで1位だったんだよねえ」「おいしいねえ」と仲睦まじく話しているのを聞きながら、口コミで店を判断するのって頭で考えなくて済むから楽なんだよなあ……と改めて実感したのだけど、それはまた別の話。

221kei221kei 2012/01/11 21:34 私も大手マスコミがネットのヤラセを論う事が出来る立場なのかが疑問でした。

katamachikatamachi 2012/01/12 00:47 道義的にヤラセってな……というのもありますし、それが過度になるとメディア自身の価値にもマイナスだと思いますね。

pointscalepointscale 2012/01/12 04:37 最近、自治体やまちづくりの担い手に話を聞いていて「えぇ〜」と思うのは、「大きなパブリシティは金次第」という考え方を隠さないことですね。「NHKで紹介されたブームになった隣町の○○は、取材経費や交通費・宿泊費を市が全部負担している」みたいな話。評判を金で買うという考え方は、広くあるんですよね。それはもう否定しようがないので、カッコ付きの「公正らしさ」をいかに確保すべきかという問題でしかないような気がします。

つきのわぐまつきのわぐま 2012/01/12 23:03 価格.comやamazonのレビューなんかもそうですが、やたら褒めちぎっていたり、ライバル社の製品名をしつこく書いていたりする投稿者が居ますね。「あ〜、売り上げが厳しくて、メーカーか販売業者の方が必死で売ろうとしているのかな〜??」「ライバル社が自社製品を必死で売り込んでいるのかな〜??」とか考えながら見ていますが…。ま、既存マスコミや広告代理店がやって来たこと(情報操作、世論誘導等)に比べればカワイイものですが…。(苦笑)
結局、消費者側がヤラセ、自作自演を見抜くような鋭い目を持つ必要があるということでしょうね。宣伝文句やブームに釣られて買ったのに期待外れだったという経験は誰にでもあると思いますが…。飲食店だったら二度と行きませんし、モノだったら二度と買いません。

ヒトラーのしっぽヒトラーのしっぽ 2012/01/13 20:59 たしかに、こんなケースはたくさんあるような気がします。でも、ぶらっと尋ねた知らない街で、どの店を選ぶのか、知らない都市でどのホテルに泊まるのか?あらかじめネットで評判を見ておいて、実際にみて決めることが多い。でも、最近「***の*き*」に紹介されているレストランははずれが多い気がする。単に旅慣れない人の投稿で決まるからだけかとも思っていましたが。

katamachikatamachi 2012/01/17 01:30
pointscaleさん

>「大きなパブリシティは金次第」という考え方を隠さないことですね

話題づくりのためにカネを出すことを厭わないですよね。「評判を金で買うという考え方は、広くある」というのは否めないわけで、でも、カネをかけても必ずしも評判を得られるわけでもないということをどれだけ自覚しているのかが問題になるのかと思います。そうした意味では、常に費用対効果が問われる企業さんと比べて、他人様任せの自治体の振る舞い方には疑問符が残ります。


つきのわぐまさん
 まあ、ラーメン一杯ぐらいで目くじらたてても仕方ないんでしょうね。たとえ失敗しても、「ネットの口コミ」の精度の低さを理由にしておけばいいんだし、自分の判断基準が問われることもない。


ヒトラーのしっぽさん
 「歩き方」に関しては、90年代後半、それまで多かった口コミ投稿のスペースを減らすことで、読者層も本の作り方も急激に変えてしまいましたね。ネットの出現に先んじて、口コミへの依存を減らしたのは結果的には良かったのかも。

わりと深刻わりと深刻 2012/01/28 23:57 食う側がラーメン一杯ぐらい、かもしれんが、それによって真っ当な店が煽りを食い、悪貨が良貨を駆逐する流れになったら酷いもんだ、最悪だ。

katamachikatamachi 2012/02/01 23:47 悪貨で稼げても味がついていかないと長持ちできないのでは……と、思いたいモノですね。

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