何故ジョギングするかって?汗で体の水分を蒸発させて涙が出ないようにするためさ!

失恋したんで、なんか、映画でも見なきゃと思って、いろいろ自分のコレクションを漁ってたら、見つけたよ!失恋した時にぴったりの映画を!これしかないじゃん!なんで気づかなかったんだろう!

それは恋する惑星だ!

恋する惑星 [DVD]

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恋する惑星』って私、大好きな映画の1つで、部屋にポスターを貼ってるくらい好き。それこそ、映画の好みはかなり変わったけど、『恋する惑星』だけはずっと好きでいられると思う。けっこうリアルタイムに近い感じで見て、確か衛星放送でやったヤツが最初だったかな?まだ映画にハマる前ですよ、中1くらいの時に見て、『なんだ?この意味の分からない映画は!』と思ったんですが、なんとなく、後に残る映画で、見直したら、すごく感動しまして、私ゴダールよりも先にウォン・カーウァイを知ってたんでね、ゴダールを見た後に見るとまたビックリする。

その昔、好きな女の子にビデオをあげたら『何この意味分かんない映画』と言われた事がある(笑)

恋する惑星』は2部構成で金城武演じる刑事とトニー・レオン演じる刑事の2人が、それぞれ違う女の子とすれ違いの恋愛を演じるわけですが、ホントに説明的な演出が一切無い映画で、実は今でもちゃんとしたストーリーがよくわかってない(笑)ブリジット・リンは何をしてる人なのか?とか、そういう細部が分からないけど、それよりもテーマがさ、いいよね。ヘタなラブストーリーよりもそういう言葉に出来ない気持ちを映像で表してる。なんか、誕生日が賞味期限のパインを30缶買って、それまでにヨリが戻らなかったら、忘れようとか、けっこう、現実味がないんだけど、それでもなんかおもしろくて、つい見てしまう。

ストーリーも登場人物も変だけど、映像も変で、コマ伸ばしを使ったり、逆光になったり、夜の映像は自然光で撮ってて黒く潰れたりしてるんだけど、それがなまじっかリアルでね。そういうところもゴダールっぽいと思うんですが、そういうところも好きかなぁ、気楽に撮ってる感じが。

特に前半の話が染みるんですよ、金城武エイプリル・フールにフラれて、それがウソだと思ったという設定で、彼女とよく来た店に毎日顔を出して『いつか来るんじゃないか?』って思ったり、留守電にメッセージが残ってるかどうか、毎日チェックしたり、彼女の家のまで缶蹴りして時間潰したり、いろんな女の子に電話して飲みに誘うけど、断られたりね、行動がこっちの恥ずかしい所をついてきて、なんとも言えない。

セリフというか、ナレーションがキザで映画の冒頭から、

『雑踏ですれ違う見知らぬ人々の中に将来の恋人がいるかもしれないーその時、彼女との距離は0.1ミリ、57時間後、僕は彼女に恋をした』

とかいうわけですよ、またそれがかっこよかったりして(笑)失恋してね、ジョギングするんですね、金城武が、そんでなんでそんな事をするのかというと、汗をかいて、水分を蒸発させて、涙が出ないようにするためだと、うーんキザというか、映画っぽいというか、

この映画の金城武はホントに個性ですよ、いいですよ、初めて観たときはおかんと観たんだけど、あのね、この映画を見て2人で「こいつ何モンなんだ!」って言ったもん。今でこそ日本語の演技には違和感あるけど、この時ね金城武は英語も広東語も北京語も日本語も話すの、特に日本語のセリフがホントにリアルで、多分、あれはアドリブなんだろうけど、ああいう演技が何故日本で出来ないんだろうと思いますね。『お前子供いるの!?それはそれはなによりで〜』とかさ、脚本家では絶対にあんな言葉思いつかないもん。前半の金城武はホントにいいなぁ。

つーわけで、これから私もひとっ走りしてきます。何故?それは汗で水分を蒸発させて涙が出ないようにするためさ!