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2012-11-30

[]いろいろ気になる個所はあるが高水準なドラマ『サニー 永遠の仲間たち』 11:51 いろいろ気になる個所はあるが高水準なドラマ『サニー 永遠の仲間たち』を含むブックマーク

『サニー 永遠の仲間たち』をレンタルDVDで鑑賞。

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専業主婦として何不自由ない日常を送っていたナミ。アラフォーになり、どこかでポッカリ穴の空いたような感覚を持ちはじめたある日、入院する母を見舞いに行った際に偶然高校時代“サニー”というグループ名でつるんでいた仲間のリーダー格であるチュナを発見する。25年ぶりの再会に驚きと喜びを隠せないナミだったが、なんとチュナは余命2ヵ月のガンに侵されていた。この再会を運命と感じたチュナはナミにひとつだけお願いごとをする。それは死ぬ前に「サニー」のメンバーと再会させてほしいというものだった………

今年、日本で公開された作品のなかでも熱狂的な支持を得ており、ふだんなら「余命いくばくもない友達のために昔の親友を集める」なんて話は絶対に観ないのだが、あまりの好評価に引っ張られるかたちで思わずレンタルした。

のっけからハッキリと言わせてもらうが、ストーリーにはかなり無理があるというか、ご都合主義がやたらと目立つ。

最初のほうで韓国特有の『冬ソナ』的ドラマを揶揄しており、そういうドラマをフォーマットにしつつ、その流れにはさせないぞという意志は感じるのだが、メインとなる“サニー”のメンバーの内、三人が金持ちで、主人公たちにふりかかる困難をすべて金で解決してしまうというのはイヤミも感じられるし、わりと展開的にも一辺倒になってしまう。

それだけじゃなく、唐突に感じられたり、あれ?そのあとどうなったの?というようなシーンもいくつかあり、例えば中盤くらいで“サニー”のメンバーが、あるキャラクターをボコボコにして警察のお世話になるが、ある程度、地位も安定した生活もある人たちが、そういう行動を果たして取るだろうか?とも思ったし、あれだけのことをしたら、その後の処理なんて絶対に大変だったはずで(まず旦那さんにそういうことがありましたという話がいって、おい!もう絶対にお前らつるむなよ!みたいなことはあってもおかしくない)、そういう彼女たちにとって都合が悪いことをドンドンすっ飛ばしていくのがノイズとなり、物語にやや集中できないところがあったことは否めない(もちろん過去にさかのぼって、元々ムチャする人たちだったというのを描いていたとしても、それは別問題)。

しかし、そういった部分がノイズになるというのは、あまりにも他のところが突出してよく出来ているだけに目立つだけであって、基本的に作品の水準は恐ろしいくらい高い。まさにハイ・スタンダードな作品であるといえる。

冒頭、主人公がどのような日常を送り、どのようなことを考えているのか?というのを名曲タイム・アフター・タイム』をバックに映像だけであらわしていくのだが、食パンを窓際でかじりつつ、女子高生がキャッキャしてるのを見ながら微笑み、そこで「サニー」のタイトルが出てくる……この4分間のつかみは完璧といっていい。

それだけでなく『暗殺の森』よろしく、現在と過去が交錯する展開はデ・パルマのそれのような映像テクニックでもって繋いでいき、ごく自然な流れで時を飛び越える。かっこよさがかなり感じられるがやりすぎておらず、鼻につく感じにまったくなっていない。

ほとんど説明的なセリフを廃し、ささいなシーンがすべて伏線になっているなど複数回の鑑賞にも耐えられる作りであり、リピーターが続出したのも頷ける。

それをすべて体現した役者全員は完璧な演技。それぞれの役割とキャラクターをキッチリ理解しており、これをイヤミのないようにバランスよく振り分けた演出ぶりも洗練されている。この作品に出た人たちはその後、これを超えられるようなキャラに巡りあえるのか?といらん危惧をしてしまうほどであった。

正直いって、地方のなまりや韓国文化そのものを分からないとついていけない部分もあるが、80年代韓国の風俗描写が素晴らしく、ある程度のところはこの映画でカバーできてしまっているのもこの作品の強み(整形がどれくらいメジャーなものなのか?とか、どういう風に歴史が動いていったのか?とか、地方と都会の格差とか)。

というわけで、苦言も呈したが、やはり評判通りのよく出来た作品であった。個人的にラストは許せないが、セレブの夢物語として描いた『セックス・アンド・ザ・シティ』に比べれば、地に足のついた物語なので、万人におすすめ。


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美しくってごめんね サニー 永遠の仲間たち - The Spirit in the Bottle

サニー 永遠の仲間たち デラックス・エディション DVD

サニー 永遠の仲間たち デラックス・エディション DVD

2012-11-28

[][]AKBにも「人が無慈悲に殺されていく映画」が好きな娘はいるという話 14:15 AKBにも「人が無慈悲に殺されていく映画」が好きな娘はいるという話を含むブックマーク

先日、AKB大島優子が『悪の教典』を批判したというニュースが話題になった。

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no title

もう知ってる人も多いと思うので割愛して話を進めるが、ぼくがこのニュースを目にしたとき、ツキイチゴローで稲垣メンバーが『ホステル』にたいして「存在すら認めない」と言ってたときのことを思い出した。

そりゃ普通に映画観て「この映画嫌いだわー」くらいのことはみんな言ったりするわけなんだけども、人が殺されていくだけの映画に癒しを求めたり、それによって日頃の鬱憤をはらしてる人間にとって「認めない」という言葉はやはりかんにさわるというか、ある程度発言にたいしてなんらかの影響力がある人がこういうことを言ってしまうと、ただでさえ肩身の狭い映画ファンがよけい肩身がせまくなってしまうので、とにかくもう勘弁していただきたいというのが本音なのであった(といいつつ、先月と今月はわりと血なまぐさい映画ばっかり公開されてて、非常によかったと思う)。まぁ、それでも大島優子は『伝染歌』という映画に出ているし、あんがい稲垣メンバーのように三池崇史監督の映画に数年後出演しているかもしれない。

話が少しそれたが、これとは逆でAKBには「人が無慈悲に殺されていく映画」を愛するという、こちら側の人間も存在する。今日はその娘についての話。

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宮崎美穂研究生豊作と言われる5期生で、出てきた当初は年齢も若く、バツグンのルックスで時期エース的に扱われていたが、一時を境にブクブク太りだし、今では完璧な干され状態となっている。当然、大島優子とくらべれば一般的な知名度は雲泥の差があるといえよう。

そんな宮崎美穂バラエティ番組にバリバリ出ていたときのこと。「ネ申テレビ」という番組において、明治大学の学生に講義をするという企画でなんと彼女は「ホラー映画の中の好きな殺され方」について講義をするという、アイドルらしからぬテーマに挑んだ。ちなみにこの企画には大島優子も参加している。

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講義自体が盛り上がらなかったのか、その部分はダイジェスト版的に放送され、何をどういう風に語ったのか細かくは分からないが、好きな殺され方ベスト5というランキング形式で、人が死ぬ場面は素晴らしいと力説していたのだけはしっかり映し出されていた。ラブストーリーよりも妄想をかき立てられるので私はホラー派だ!といい、そのランキングの内容は、5位が「ハプニング」の工事現場のシーン、4位が「リング」のお風呂のシーン、3位が「トリハダ」の自分の奥さんをなにがしするシーン、2位も同じく「ハプニング」の車の中でなにがしするシーン、そして1位が「ミラーズ」のあのシーンである。

しかも彼女は「AKBINGO」において自宅の写真を公開し、それが誰の自宅かを当てるという企画でも、本棚には「リング」などのホラー小説テレビラックには「SAW」シリーズのDVD-BOXやゲーム各種など、ホラー以外のものが置いてないという徹底ぶり。それが実を結んだのか、彼女は自身が好きだというテレビシリーズの映画版『トリハダ』にも出演するはこびとなったのであった。

今思えば、ぼくの中で(時系列的には違うのだが、ぼくが観た順番という意味で)彼女がその片鱗を見せたのは柏木由紀を追いかけたドキュメント番組「AKB600sec.」だった。映画が大好きだという話になり、あの『告白』を二回も観たと嬉しそうに柏木由紀に語っている場面。『告白』と言えば、それこそ先生が生徒を殺すという内容だ。『悪の教典』の内容とわりかし一致する。もし彼女が『悪の教典』を観ていたら、どういうことを言っていたのだろうか……っていうか、みゃおも試写会に行ってたんだっけ??

関連エントリ

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*悪の教典 | 北原里英オフィシャルブログ「さんじのおやつ」

あと、どうでもいいが、宮崎美穂は深町秋生氏の推しメンでもある↓

AKB48 推し! (別冊宝島) (別冊宝島  カルチャー&スポーツ)

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AKB48 ネ申テレビ シーズン3 【3枚組BOX】 [DVD]

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2012-11-25

[][]アクションしかないアクション映画ザ・レイド21:56 アクションしかないアクション映画『ザ・レイド』を含むブックマーク

ザ・レイド』をUS盤BDにて鑑賞。

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すでにアメリカでは大ヒットしており、リメイクも決定、そして一部好事家の間では公開前から話題になっているインドネシア製のバイオレンス・アクション。

日本版の予告編では歴代のアクション映画のタイトルがずらずらと並び「アクション映画に新たなる歴史が刻まれる」という、なかなか挑戦的な打ち出し方をしているが、それは伊達じゃなかった。そのことば通り、ホントにアクション映画史の新たなる1ページを目撃しているような、そんな気分にさせられた。エポックメイクとなる作品は数あれど、まさかインドネシアからそれが出てくるとは不意打ちもいいとこ。『燃えよドラゴン』もそうだが、いわゆるマーシャルアーツ映画というのは*1もしかしたらアジア先進国となって、世界をリードしているのかもしれない。そう思わせるくらい画期的で革新的な作品であった。

ストーリーは至極単純。麻薬王が支配し、住人全員がギャングという30階建てのマンションにSWATが突入し、死闘を繰り広げるというもの。

普通、この手の作品ではドラマとなる部分が一応にはあるのだが、この映画にはそれがまったくない。最初に主人公が奥さんに「いってきます」というだけでいきなりアクション部分に突入。あとはそれが延々続いていくというありそうでなかった展開で出来ており、二度目にDVDかなんかで見返すときにアクション部分だけを延々見続けるぼくのような人にとってはまさにアクション映画の理想がここにあったという感じ。

ブルース・リーが生前『死亡遊戯』をアクションシーンから撮ったというが、もしかしたら『死亡遊戯』という映画はこういう形で作られるべきだったのではないかと思わせるくらい、見事にそのスタイルを踏襲している*2

さて、そのキモとなるアクション部分であるが、撮り方から演出の仕方からコレオグラフからとにかくフレッシュ。とても低予算で撮られたとは思えないほど銃撃戦は迫力満点で、インドネシアの格闘技である「シラット」を使った格闘シーンはいろんなところでいわれてるようにタイの『マッハ!』を彷彿とさせた。カメラワークもかなり凝っていて、穴が空いた床から下の階に飛び移ると、カメラもそのまんま人間を追って、カットを割らずに格闘シーンにつながるなど「どうやって撮ったの?」という映像マジックが連発される。さらにアクションシーンだけでもって、サスペンスやドラマのエモーショナルな部分を演出しており、ただ単にアクションだけが売り物の映画ではないことも重要。エフェクトをオールCGでやったことも成功の要因であり、バイオレンスは異常なほど激しく、スプラッターホラーばりに血しぶきが画面を覆いつくす。

正直、ぼくは『マッハ!』にたいしてそこまで良い印象を持っておらず*3、それからいくと、この『ザ・レイド』は真に革新的なアクション映画として断固支持したい。以前知り合いから聞いた話だが、アメリカ人は『ロボコップ』を映画館で観るとき、ドラマ部分になると爆音のクラブミュージックをかけて踊り、バイオレンス部分になると、その音楽を消して、イエー!!と叫びながら観るという。まさにそういう人たちに向けて作られたような作品であり、これがハリウッドでヒットしたのも頷ける。

ちなみに新潟ではセカンド上映扱いで12月から公開。是非ともシラットの美しさ、迫力をスクリーンで体験したい次第である。

*1香港映画界は別にしてそもそも『燃えドラ』以前、世界的にそういうジャンルがあったかどうかは分からないが

*2:ぼくは『死亡遊戯』に関してはその後に作られた『死亡的遊戯』しか見返さないし、その映画でもアクションシーンの部分しか観ない

*3:そのあとに作られた『トム・ヤム・クン!』は大傑作だと思う

2012-11-16

[][]巧みな編集によって隠された「壮絶」さ『AKB48 よっしゃぁ~行くぞぉ~!in 西武ドーム17:17 巧みな編集によって隠された「壮絶」さ『AKB48 よっしゃぁ~行くぞぉ~!in 西武ドーム』を含むブックマーク

ちょー遅ればせながら『AKB48 よっしゃぁ~行くぞぉ~!in 西武ドーム』のDVDを購入して、全部観た。

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発売されたのは約1年前だが、Amazonのマケプレでかなり値下がりしてるのを発見し、速攻で1-Click購入した。

購入に食指が伸びなかったのは、BSで3時間半ものダイジェスト版が放送されたことと(当然ながらダイジェスト版は高画質であり、わざわざ画質が悪いDVDを大枚叩いてまで買うことはないだろうというのもあった)、今年の二月に公開されたドキュメンタリー映画でそのライブの裏側をこれでもかと見せていたからである。まぁこのふたつをおさえておけばだいじょぶっしょ?って感じで、購入しなかった人も多かったのではないだろうか。

さて、この西武ドームライブだが、ダイジェスト版やドキュメンタリーを繰り返し観てきた者にとっては衝撃的な内容となっていた。むしろ、これを観てから映画に望んでいたら、印象が変わってしまうかもしれないし「え?」という違和感を覚えるかもしれない。一応、ぼくが見てきた/聞いてきた感想のなかにそれはなかったので、映画の予習のためにこのDVDを買ってから観た人というのはそこまで多くはないのかもしれない(ヲタ以外で)。

実は今年公開されたAKBのドキュメンタリー映画『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』を観て不思議に思ったというか、謎だったのが「西武ドームライブの三日目はどういう出来だったのか?」ということだった。

映画の中でいちばん盛り上がる部分として扱われていたのが西武ドームライブのシーンであり、展開としては一日目がリハーサル不足や進行が頭に入ってないスタッフのせいで最低のライブになってしまい、秋元康からお説教を喰らう。たかみなは責任を感じて、どうすればいいかわかんないっすと秋元康に謝りに行く。たかみなが今度はメンバーに活をいれ、ドームの外で深夜まで練習して一日目が終わる。二日目は前田敦子が一日目の失敗からプレッシャーを感じ、朝一で過呼吸になってしまい、もしかしたら出れなくなってしまうかもしれないと他のメンバーが急遽前田敦子のポジションの振り付けを覚える。本番直前、各チームが円陣を組むなか、倒れていたはずの前田敦子が無言で登場、そして本番。熱中症でバッタバタと倒れていくなか、なんとかライブをこなすメンバーたち。新曲『フライングゲット』を披露するときになると、センターである前田敦子が再び過呼吸になり、もしかしたら倒れるんじゃないかというギリギリのところで舞台に立つ。MCの間も過呼吸気味であり、なんとか落ち着かせようとするたかみな。おいおい大丈夫か?と思ってるなかイントロが鳴ると、ちゃんと笑顔でその曲のセンターをつとめる前田敦子。さらにライブは進み、ついには大島優子まで過呼吸で倒れ、たかみな満身創痍。3分を予定していたアンコールまでのインターバルがトラブルで9分になり、なんとか時間を延ばすためにアドリブでマジすかの衣装に着替えて、登場するメンバー。そして、全員が倒れ込んでるなか、たかみなの「走れー」が登場し、ライブが終わる。最後には秋元康からの賛辞のことばとメンバーの感想……と、長くなってしまったが、これが、ドキュメンタリー映画で描かれていた西武ドームライブの概要である。

これ「だけ」を観る限りでは一日目の不出来を二日目で全部取り戻し、ライブは伝説となりました、めでたしめでたしという感じだろうが、映画では尺の関係もあったのか、肝心の三日目がスルーされているので、その概要がまったくわからなかった。むしろ三日目のほうが出来悪かったのか?など、変な邪推すらしたくらいだ。

ところが、今回このDVDを観て衝撃的な事実が判明した。それは実はいちばん壮絶だったのは三日目だったということである。

映画の中では二日目のように描かれていた「前田敦子が朝から過呼吸で他のメンバーが急いで振り付けを覚える」という部分は実は三日目の朝の出来事であり、バッタバタとステージ裏で倒れるというのもすべて三日目の映像で、なんと映画は編集によって時間軸がずらされていたのだった。

これはセットリストと特典のメイキング映像に映っている衣装などによって明らかになったことだが、よくよく考えてみると、朝からリハーサルに追われ、踊り倒し、本番も躍り倒し、ステージ裏はドタバタで、休む間もなく夜中まで練習。しかもこれが丸二日間。こんなことを三日目の朝も繰り返したら、体力も限界に来るのは当然である。当時、映画を観ていたぼくは「なんだよ前田敦子、たかだか一日目終えたくらいで過呼吸になんかなってんじゃねぇよ」と思ったが、あれはすでに三日目だったのだ。うーん、全力であやまりたい。

しかもメイキングによると、いちばん暑かったのは三日目であり、最も体力が失われている状態でいちばんの暑さが来る……そりゃバッタバタと倒れるはずだ。

それだけじゃない。三日目のセットリストは一日目、二日目に比べると明らかに負荷がかけられている。タマフルの座談会で「西武ドームは人災」と表現していたが、それはセットリストにも現れていた。

ディスク7枚目のメイキングを見るとよくわかるが、三日目のセットリストは一日目と二日目をシャッフルしたような曲順になっており、わりとチーム別やユニット、ソロとある程度の流れを作っていた一日目、二日目に比べると、その登場の仕方はバラバラである。

するとどうなるか。チーム曲やそれぞれのユニット、SKEなどの支店が一曲一曲で変わるのだ。その分、衣装チェンジやステージ裏の移動も格段に増えることは素人目にも明らかで、それをクソ暑いステージ裏で何度も何度もさせているわけである。運営も観客もそうだが、セットリストに不満があると言って、思い切って変えるとこういう人災がまた増えてしまうという良い例を見ているようだった。

それでも三日目はやりきった感があったのか、メンバーのにこやかなインタビューで終わる。ここに唯一の救いがあったといっていい。あの前田敦子も最後には大島優子とイチャイチャしながら、今のAKBで見せれるものはすべて見せたと渾身の笑顔で言っているので、一応観る側のそういったモヤモヤはここですべて解消される作りにもなっている。くそう。

というわけで、ドキュメンタリー映画とあわせて観ると、とてつもなく壮絶だったことがさらにあきらかになるDVDなのだが、さすがに三日目の出来事を二日目に起こったように編集するというのはいかがなものかと思い、こうしてエントリにした次第である*1BUBKAの座談会にてコンバットREC氏が抱いていたような怒りと葛藤はドキュメンタリーを観ただけでは抱かなかったが、さすがにこのDVDを観たら、そういったことを思ったので、そういうことを考慮したうえでの編集だったのかもしれない。実際たかみな満身創痍であったが、あの「走れー」は二日目で、まだ他のメンバーは少しは余力があったということも分かったし(とはいえ、すでに前田敦子はぶっ倒れていたわけなんだが)。

あと、ここからは余談であるが、このライブDVDに一切収録されなかった部分はドキュメンタリーを観ると明らかになるという作りになっており、実はこれほど壮絶だったんだという部分は本編には一切映っておらず、大島優子過呼吸になるシーンも、その直前までは入っているものの、それそのものはオールカットするという徹底ぶりで、エンターテインメントとしての体裁を守っている。ライブの流れで見るとダレるだろうなという部分もなく、前田敦子過呼吸から「フライングゲット」に移行する部分のMCも完全にカット。そのへんはさすが商売人と逆に感心したくらいだ。

ちなみにこの西武ドームライブは2011年7月に行われたものだが、今、改めて観ると、SDNは解散してるわ、すでに卒業しているメンバーが数人いるわ、前田敦子もいなくなってるわ、あげくチーム自体も組閣しちゃってるわ、さしこはHKTに移籍しちゃってるわで、今まで以上に激動の一年だったことを改めて思い知らされた。ちなみにドキュメンタリー映画は今年の二月に公開されたが、来年のドキュメンタリーはどういう風に作るのか……高橋栄樹監督の手腕に期待したいところである。

*1:というか、ぼくのように勘違いしてしまう人が多数いるだろうなとも思った

ああっきああっき 2012/11/25 11:08 すごく読みにくい文章

katokitizkatokitiz 2012/11/25 21:52 読みやすい文章を書きたいものです

はんとはんと 2012/12/07 13:50 昨晩、NHK総合でやってたのを途中まで見ました。
ちょうど、西武ドームの2日目(と思われるシーン)が始まるとこまで。
おっしゃるように、あれは勘違いしますね。

しかし、すごいグループであるとつくづく思いました。
関係ないですが、僕は個人的には篠田麻里子がダントツで好きです。

katokitizkatokitiz 2012/12/07 16:15 >はんとさん
当時、全部のライブを見に行ってた人はどういう風に言ってたのか、ちゃんといろんなブログを徘徊すべきでしたが、それでもすごいことやってたんだということにかわりはないわけで、映画を盛り上げるためにはいたしかたないかなと今は思っております。

ちなみにぼくはぱるる推しです(去年のAKB紅白から)

baypren 210baypren 210 2013/03/27 19:05
thanks for sharing.

2012-11-15

[]この規模ではわりと問題作じゃね?『悪の教典16:03 この規模ではわりと問題作じゃね?『悪の教典』を含むブックマーク

悪の教典』鑑賞。

牛頭』のUS盤DVDの特典にイーライ・ロスギレルモ・デル・トロ三池監督が対談している映像が入っていた。

その中で、三池監督は「映画祭でおばさんに、こんな映画作るなんてあんたビョーキよ!と言われたことがある」と話し、その内容を受け、インタビュアーがイーライとデル・トロに「お二方から見ても三池監督はビョーキだと思いますか?」と気のきいた質問をした、そのとき二人は嬉しそうな顔をしてこう答えた。

「Yeah!!(もちろん!)」

特にイーライは筋金入りの三池ファンであり(作品の細かい部分まで見ている感じがあった)、自身の作品にも役者として登場させたくらいだが、この『悪の教典』をイーライに見せたら、きっとこう思うに違いない。

「やっぱりMIIKEはとてつもなく狂っている」と。

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わりとネットでは「手ぬるい」というような感想がチラホラと散見されるが*1シネコンで大規模に公開されるメジャー作として考えれば、ハッキリ言って大問題作だと思う。不謹慎なギャグ、生徒と先生のなにがし、さらに同性愛など、地上波で『高校教師』を放送したときのようなタブーに溢れ、なによりも「先生が猟銃片手に生徒を一人残らず殺してまわる」という内容は絶対にアメリカでは製作不可能。まさに日本映画だからやれた、日本だからこそ作れた、そして三池監督だから成功した、これぞ「オレたちが観たかった和製バイオレンス映画」である。

ざっくり書くと「キラー・インサイド・ミー」な主人公が「バトル・ロワイアル」をするというものであり、わりとその思いつきだけで話が作られてるような感じだが、役者たちにステレオタイプな演技をさせたり、あえて斜がかかったような映像にするなど、そもそもこれは作り話ですからーというリアリティラインの敷き方というか、開き直りがすばらしく、重厚な画作りで観る者を圧倒させた『十三人の刺客』に比べると、今回は三池監督本来の良い意味でのチープさが随所に出ており、そのエキセントリックな作り物感も含め、ぼくたちが大好きな三池イズムが最初から最後まで詰まっているという感じ。

特に素晴らしいなと思ったのが、後半。生徒がいろいろと打開策を見つけるんだけど、それがまったく意味をなさないというか、ことごとく無慈悲に握りつぶされていくという展開。前半がわりと予定調和にすすんでいくので、それが前フリとして効いており、どうせこういう展開になるんでしょ?という観てるこちら側の安心感をことごとく一気に裏切っていく。ここでの伊藤英明の演技はキャリアのなかでも最高峰であり、このメジャー作品でここまでやるかというエフェクトも加わって、さすがに興奮した。BGMの使い方や容赦のなさも含め、今までの三池演出の中でもピカイチだろう。

伊藤英明だけでなく、今作の役者の演技は圧巻。特に若き日の宮崎あおいを彷彿とさせる二階堂ふみのかわいさにはノックアウト。圧倒的な存在感を見せつけた染谷将太、もはやあの役に違和感を感じない山田孝之など、全員が全身全霊で熱演していたように思う。

もちろん無理矢理な回想シーンなど(アメリカシーンのセット感……)、思わず頭を抱えてしまう部分も多く、手放しで絶賛できないが、それでもこれだけの内容をこれだけの規模でキッチリと映画化したことは評価したい。冒頭、原作者による「蓮見先生がんばって」のメッセージや、ラストのエグザイルももはやネタにしか聞こえない三池監督の凶悪センス、ここに健在である。

*1:そりゃ『殺し屋1』に比べれば、わりと優しい作りになってる

2012-11-05

[]「GONIN」以降、これを待っていた!『黄金を抱いて翔べ18:01 「GONIN」以降、これを待っていた!『黄金を抱いて翔べ』を含むブックマーク

黄金を抱いて翔べ』鑑賞。

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石井隆監督の『GONIN』という映画がすごく好きである。

今回『黄金を抱いて翔べ』を観て、改めてDVDで見返したのだが、その想いをさらに強くした。

観ている最中から思ったことではあるが、金塊を強奪するワケあり6人組を描く、いわゆるケイパーものであり、高村薫の原作があるものの、その内容とホモソーシャル感、はたまた、どんずまりの不景気になってしまった現代に設定したことで(『GONIN』は舞台がバブルがはじけて行き場を失ったキャラクターたちがヤクザの金を強奪するというストーリーである、恐らく原作もそのくらいの時代)、奇しくもその『GONIN』とかなり内容がかぶる作品に仕上がった(そもそもこういうストーリーは古今東西たくさん映画化されてはいるのだが)。

つまりである。この『黄金を抱いて翔べ』は井筒流の和製ハードボイルドケイパーノワールであり、まさにそのもののジャンルムービーが好きな人にとっては間違いなく、待ってましたと言わざるをえない内容で、さらにはそういう映画を知らない新規たちにとっては、入門編と呼ぶにふさわしい出来になっている。

大阪が舞台ということもあり、その土着感を知りつくしてると言っても過言ではない井筒組のロケハンはほぼ完璧で、スケールこそデカい話ではあるが、ハリウッドの二番煎じ感はひとつもなく*1、むしろ、日本を土台にしたアクション・エンターテインメントとしてはサイズ的にピッタリで、そこに井筒監督お得意の唐突なバイオレンスが炸裂。スマートフォンパソコンも登場するなかで、それが場面に出てこなくても違和感ないような作り(実際、携帯使えよ!っていうつっこみを入れるヒマもなく、ドキドキしっぱなしだった)になっており、物を爆破するというリアル指向の爆破シーンも含め、ホントに古き良き時代の映画を現代で堪能させてもらった。

イケメンを揃えながらも役者たちの演技はほぼ完璧。それまではチャラついたガキくらいにしか思えなかった溝端淳平はこの役で役者としてもう一段階ハネたといってもいいほどの存在感で、桐谷健太はあいかわらずのこまっしゃくれたちょい三枚目を見事に演じきり、その顔に悲壮感を漂わせるチャンミン映画初出演とは思えない見事な演技を披露し、何よりも、この世のすべてをぶっこわしてやりたいとつねに鬱屈している妻夫木聡とチームを牽引する“アニキ”な感じの浅野忠信もとにかく素晴らしい。

ハッキリ言うと中盤、あまりの情報量を整理しきれてないかなとは思ったが、スピード感だけを重視した展開/編集など、奥山和由が製作したのか?と思うほどの“あの頃”の日本映画の熱量がここにあった。良い意味で中途半端に射精させてもらえなくモヤモヤしっぱなしだった『ヒーローショー』の地続きのような映画であり、それを中盤からラストにかけて一気に発散させるなど、フィルモグラフィ的にもベストな流れ。映像の暗さやモダンな音楽フランス映画のかほりが漂い、さらに男たちの汗臭さやギラギラした目つきは古きよきアメリカ映画をも思わせるという井筒監督作品を形容するときに使わないような言葉の装飾がパソコンを前にして止まらない!

今、日本でこういう映画ができてしまうのか!という感動と興奮も含めて、盛大におすすめ。チャンミン好きもイケメン好きもそこからの入り口でもいいから是非映画館に観に行こうず!

あの頃映画 「GONIN」 [DVD]

あの頃映画 「GONIN」 [DVD]

はんとはんと 2012/11/12 17:08 こんにちは。いつも楽しく拝読しています。
この映画は未見ですが、『GONIN』は僕も大好きな映画です。
だからコレも見てみたくなりました。
正直、井筒監督作品は食わず嫌いなのですが、これは楽しみです。

ひろまっくすひろまっくす 2012/11/12 23:18 はじめまして
こちらのblogをTwitterで紹介させていただいてよろしいですか?
とても面白いので♪

katokitizkatokitiz 2012/11/13 00:36 >はんとさん
ありがとうございます。観たらすぐにGONINじゃんか!と思うはずです。これはおすすめですね!

>ひろまっくすさん
是非是非お願いいたします!ありがとうございます!

ひろまっくすひろまっくす 2012/11/13 00:46 こちらこそ、ありがとうございます。

2012-11-03

[][]くりごはんが嫌いな男が選ぶホラー映画ベストテン 21:34 くりごはんが嫌いな男が選ぶホラー映画ベストテンを含むブックマーク

年末恒例??のワッシュさんの映画ベスト企画。今年はホラー映画のベストテンということで、当然ながら参加させていただきたいと思います。

ホラー映画ベストテン - 男の魂に火をつけろ!

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1.回路 (2001年 黒沢清監督)

2.叫 (2007年 黒沢清監督)

3.東海道四谷怪談 (1959年 中川伸夫監督)

4.オーディション (1999年 三池崇史監督)

5.この子の七つのお祝いに (1982年 増村保造監督)

6.エル (1953年 ルイス・ブニュエル監督)

7.遊星からの物体X (1982年 ジョン・カーペンター監督)

8.マタンゴ (1963年 本多猪四郎円谷英二監督)

9.レクイエム・フォー・ドリーム (2000年 ダーレン・アロノフスキー監督)

10.回転 (1961年 ジャック・クレイトン監督)


実はホラー映画を熱心に見始めたのは最近ということもあって、いわゆるホラー映画“新規”になるんですが、意外にあっさりと10本決まってしまいました。日本映画が多めになったのも驚きましたねぇ。やっぱり西洋よりも日本の方が怖いと感じるんでしょうか。

基本的にものすごく怖かった映画。シーン、シーンで底冷えするような恐怖を味わった映画を中心に、子供の頃に観てガツーンと喰らったような作品を選んだので、わりと最近の映画が多めになってますね。もっと教科書的な作品がつらつら並ぶかなぁと思ったんですが……いや、いろいろ入れたいのもありましてですね……うーむ……


『回路』は当時付き合ってた彼女がホラー映画大好きで、一緒に観ようよと言われて観たんですが、いわゆるこれをきっかけにホラー映画っておもしろいんだ!と開眼した作品でやはり一位にしなければなりません。幽霊ってなんで怖いのか?そもそも幽霊って概念/存在は何なのか?それにたいする回答と同時に、世界が終わっていく様子を丁寧になぞっていて、見終わる頃には怖さとかそういうものを越えた不思議な気持ちにさせられる究極の一品。ゼロ年代のベストにも選びましたが、やはりホラーではこれを越えられないと思ってる自分がいます。

『叫』は同じ黒沢清作品ながら、『回路』で提示した幽霊の概念や存在をもっと分かりやすい形で提示していて、なおかつ怖いから。「うらめしやー」をものすごく分析して、論理的に再構築した感じ。

東海道四谷怪談』は美しいんだけど、怖さも十二分にあって、まだ一回しか観てない。それくらい怖い。手元にDVDあるけど、なかなかもう一度観ようという気がおきないくらい怖い。ホントに怖い。

『オーディション』は世界的にも評価が高いジャパニーズホラーだが、やはり入れないわけにはいかない。しかもマジメなドラマだけにその落差がすごく、ホントに怖いと思った。クライマックスもそうだが、特に大杉蓮のくだりとか。

『この子の七つのお祝いに』は子供の頃に事故的にテレビで出会ってしまった映画でトラウマ。ぶっちゃけ内容覚えてないんだけど、すんごく怖かった覚えがある。観るのやめればいいんだけど、それでもやめられなかったというのがホラー映画の魅力なのか??

『エル』は宇多丸師匠が「恐ろしいコメディ」と評していたけど、いやいや、これはコメディじゃないよー。ホントに怖い映画だよー。特にラストで底冷えするような恐怖を味わった。

遊星からの物体X』は腰抜かすほどビックリする個所が2つほどあって、それを人に言わずにすすめるのが好き。もちろん映画は超大傑作じゃ!

マタンゴ』は怖いというよりも作品としてすごく好き。いや『ガス人間第一号』とか『美女と液体人間』とかも入れたいんだけど、その並びでいったら一番怖さに特化したような作品でもある。

レクイエム・フォー・ドリーム』は厳密にいうとホラー映画ではないのかもしれないけど、ホントに怖いと思った。多分この中で恐怖を感じるとしたら、だんとつでこの作品がいちばん怖い。

『回転』は1961年の作品で、某ヒット作の元ネタの一本として有名。AmazonでDVDが15000円もするのだが、非常に美しく、非常に怖いホラー映画の名作中の名作。まぁいれるのも野暮かなとは思ったが、おもしろい作品なので。

というわけで、なんかへなちょこな10本になってしまった気がするし、きっと他の人のを見て「あ!あれ入れ忘れた!」「うわ!そんなのがあった!」なんてことに絶対なるんだろうけど、まぁ、それもふくめてのベスト映画選びなので、他の人のみなさまのも楽しみにしております。多分好きなホラー映画で選んだら、それこそ『エクソシスト』とか『悪魔のいけにえ』とか『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』とか入るはずなんですがね……あと『シャイニング』とか。

washburn1975washburn1975 2012/11/11 10:16 ご参加アザース!
『この子の七つのお祝いに』は、明らかに岸田今日子の体内の量より多い血液が流れるところが好きです。

katokitizkatokitiz 2012/11/15 20:16 今年も参加させてもらいました!岸田今日子はこの映画のせいで、怖いイメージしかないです。

2012-11-02

[]すごくかっこいい!『先生を流産させる会』 10:45 すごくかっこいい!『先生を流産させる会』を含むブックマーク

『先生を流産させる会』をレンタルDVDで鑑賞。

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女子中学校の教員であるサワコはモンスターペアレントに悩みながらも、厳しく生徒を叱責し、指導する日々を送っていた。そんな中サワコは妊娠し、それが生徒に広まってしまう。その先生の妊娠に過剰に反応した生徒のひとり、ミズキがある計画を友人たちと実行する。それは先生の子供を流産させようというもの。先生を流産させる会を名乗り、その計画のひとつとして、給食に薬品を混入するのだが………というのが主なあらすじ。

その挑発的なタイトルや実際の事件を大幅に改変したこともあって、公開前から大変話題になった作品であり、いろんなところで絶賛も批判もされているが、そのテーマ性や内容はともかくとして、とてつもなくおもしろく、素晴らしい映画であった。冒頭、ある残酷な行為を唐突にして、それがそのまんまラストにつながっているというのは名匠サム・ペキンパーの『ワイルド・バンチ』を彷彿とさせるが(動物の死骸にアリがたかるなど、冒頭のそのシーン自体を彷彿とさせるカットも出てくる)、その「あたま」と「ケツ」を「先生を流産させようとした生徒のいたずら」にくっつけたようなそんな印象すら受けた。

まず、この作品は「画」がとてつもなくかっこいい。実に映画的である。

ここぞという場面のほとんどをロングショットで撮影し、さらに長回しでもって、異様な空間を作り出す。これは黒沢清北野武が得意とする手法であるが、この作品において、その手法はこの物語にうずまく感情を突き放していることでもあり、なおかつ、子供というのは無垢であるが故に何をしでかすかわからないという怖さであり、その先にある緊張感でもある。

その長回しのすばらしさが実に効いていて、言ってしまえばそれだけで最後まで観れたということでもあるのだ。全部が全部このように撮る必要性はないが、低予算の自主映画において、これはおおいにアリだと思う。特にタイトルの出し方がホントにかっこよく、そこでかかる音楽との相乗効果もあいまって、この時点で傑作を確信した。

惜しむらくはやはり室内になると、そのロングショットとの差を感じてしまい、急に画が貧弱になることと(それでもカメラはかっこよく動き続けるんだけど)、妙に役者の演技(特に先生役の人)がステレオタイプで、そこで演技していることが観てるこちら側にも感じられてしまうこと(演技がヘタというわけではない)、あと冒頭で傑作を確信したと書いておきながらなんだが、中盤の展開がやや退屈であるとか、まぁ、いろいろと荒削りに感じられるところはある(特に生徒をビンタするシーンにいたっては完全に当たってないことがバレバレで、あれはホントにビンタしても問題ないように思うのだが、それこそ演じてた子供の親からモンスターペアレンツのようなクレームがあったのだろうか、そういう契約とかなのだろうか、はたまたわざとなのか……)

しかしだ。この画のセンスと挑発的な内容、そしてカットの繋ぎ方とテンポには圧倒的な才能を素直に感じる。これに役者への演出力がもう少しだけ伴えば将来大化けする可能性も大。そのタイトルと内容だけで喰わず嫌いしているならば、とりあえず最初の5分だけでも観ることをおすすめしたい。

あ、子役というか、その「先生を流産させる会」のメンバー全員は瑞々しくて大変素晴らしい演技だったということは付け加えておく。

先生を流産させる会 [Blu-ray]

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匿名匿名 2012/12/25 12:46 この映画のいったいどのあたりがかっこいいのか全く理解不能.
映画の構成、役者の芝居のクオリティ、キャスティング、音楽、脚本、演出などあらゆる点において極めて雑な作りである。
敬意を払い、最後までは見切ったが正直テーマに世間が注目しただけの事であって、いろいろな意味で不愉快極まりない映画だった。
ましてや上記のような評価に至っては過大評価以外の何ものでもなく、監督のセンスなど微塵も感じませんでした。
製作予算的にどうしてもクオリティが下がる部分があるにしても撮り方などセンスでカバー出来そうなシーンも多々あったかと思う。
生徒役5名の演技については、はっきり言ってあの程度の芝居であればあの子達を起用した意味など皆無である。
本当の役者さん達からすれば芝居とすらいえない程度かもしれない。
最後にこの映画は実話が元であるとの事で聞いているが、せっかくの題材をこれほどまでにダメにした映画は久しぶりだった。

2012-11-01

[]これ以上映画に何を望む?『エクスペンダブルズ221:03 これ以上映画に何を望む?『エクスペンダブルズ2』を含むブックマーク

エクスペンダブルズ2』鑑賞。

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大傑作!

アクションてんこ盛り、バイオレンスてんこ盛り、なおかつかつての大スターと現役バリバリのアクションスターてんこ盛りという、アホみたいに過剰なサービスが嬉しかった前作をさらに凝縮したようなとてつもない作品だった。個人的には『ワイルド・バンチ』のクライマックスを1時間40分に拡大したような、そんな印象すら受けた。

確かに「ん?」というところはかなり増えている。スケジュールの都合なのか、消えては現れ、現れては消えていくよく分からないキャラクターたち。そもそも最初の作戦からして意味がよく分からず、悪役側もなんでそんなところにいたのか?なんで都合良く妙なタイミングで出てくるのか?ホントにさっぱりわからない。各キャラクターの関係性も匂わす程度であり、なんでチャック・ノリスがあんなところにいて、なんであんなことをしたのかとか、とにかくわからない。まぁ、そういった欠点は前作から見えていたことではあるが、そのへんは今作でもまったく変わっていない。

しかし、この作品の多幸感はどうだろうか。

子供の頃にテレビで放映した『コマンドー』や『プレデター』、『ランボー』、『ダイ・ハード』をテープに録画し、それを繰り返し飽きるまで観ていたぼくのような人にとって、この作品は一分、一秒すべてがごちそう以外の何者でもない。ありとあらゆるアクション映画のすべてをいっきに凝縮し、なおかつそれぞれのスターに見せ場を均等に振り分けるという脚本もさることながら、復讐という日本人好みの展開はその他の欠点を軽く吹き飛ばすほど魅力的。そしてクライマックスではスタローンとブルース・ウィルスシュワちゃんが一緒になってヴァンダムに立ち向かうという、にわかには信じがたい映像が………

なんなんだ!この映画は!すごい!すごすぎる!!

ブツ切れでブレまくりのアクションがメインで、そこで好みが分かれた前作であったが、監督をサイモン・ウェストにバトンタッチしたことで、いっきにスマートになった。ジェット・リーのカンフーもしっかり長いカットで見せきるなど、そこのストレスはいっきに解消されたように思う。しかも前作がどのような映画だったのか?というのもしっかりわかっているので、血や肉片が大量に飛び散り、つねに何かが爆破し、何かが破壊されるなど、続編の強みを活かし、いろんなところがパワーアップしていていうことない。

確かにあれ?このキャストこれしか見せ場ないの?と思ってしまうところもあったが、逆にいえば、それぞれひとりひとりがランタイムのなかで目立っているということでもある。とにかく最高!最高の一言しかない。前作がダメだった人にも自信をもっておすすめ!今年は『アベンジャーズ』と『エクスペンダブルズ2』が観れただけでホントによかった。ありがとうスタローン!

タケちゃんマンタケちゃんマン 2012/11/02 08:34 >[映画]これ以上映画に何を望む?

チャック・ノリスの回し蹴りでしょうね

katokitizkatokitiz 2012/11/02 10:18 きっと3で見せてくれるはずです!

キミドリキミドリ 2012/11/07 18:45 >『コマンドー』や『プレデター』、『ランボー』、『ダイ・ハード』をry繰り返し飽きるまで観ていたぼくのような
日本では少数派かもしれませんが、私はここに『テキサスSWAT』、『地獄のヒーロー』、『野獣捜査線』、『デルタフォース』が加わります。

そしてアメリカや世界では、日本では全く知られていないチャック・ノリスの『炎のテキサス・レンジャー』が『コマンドー』や、『ランボー』、『ダイ・ハード』を凌ぐそれ以上の知名度と人気を誇る大ヒット作なんですね。
その『炎のテキサス・レンジャー』から生まれたチャック・ノリス・ファクトというジョーク語録が世界中でブームになりました
このチャック・ノリス現象は、日本でのネット限定のイチロー伝説やセガール最強説などとは全く比べ物にならない、
(数々の企業CMや大統領選挙にまで引用された)リアル世界を巻き込んだ一大ムーブメントです。

ネット時代だというのに英語が全く普及せず、世界で極めてマイナーな言語を使用する日本人だけが。この現象から取り残されました。
英語と同じくラテン語を源流とする欧州、北欧各国は英語圏文化と親和性があることで、北米と同様に『炎のテキサス・レンジャー』が大ヒットしチャック・ノリス現象がそのまま吹き荒れています。

>なんでチャック・ノリスがあんなところにいて、なんであんなことをしたのかとか、とにかくわからない
この疑問があるとするなら、それはおそらく世界のエンタテインメント事情に疎い日本人だけが抱く疑問なんですね。

・Chuck Norris is so fast, he can run around the world and punch himself in the back of the head.
(チャック・ノリスはあまりにも速いので、一瞬で地球を一周して自分の後頭部を殴ることができる)

・Chuck Norris has two speeds: Walk and Kill.
(チャック・ノリスの動くスピードは2種類。「歩く」と「殺す」だ)

・No matter how fast you run, Chuck Norris will always walk faster.
(あなたがどんなに速く走っても、チャック・ノリスは常により速く歩くだろう)

・Chuck Norris once threw a hand grenade and killed 50 people.......then it exploded.
(チャック・ノリスは、かつて手榴弾を投げ、50人を殺害した.......その後(手榴弾が)爆発した)

・Chuck Norris does not go hunting because "hunting" implies a chance of failure. Chuck Norris goes killing.
(チャック・ノリスは狩りに行かない。「狩り」は失敗することがあるからだ。チャック・ノリスは殺しに行く)

・Chuck Norris does not know where you live, but he knows where you will die.
(チャック・ノリスは、お前がどこに住んでいるかは知らないが、お前がどこで死ぬかは知っている)

・Chuck Norris once got bit by a rattle snake........After three days of pain and agony..................the rattle snake died.
(チャック・ノリスは一度ガラガラヘビに咬まれたことがある....3日間もがき苦しんだ末.........ガラガラヘビは死んだ)

以上のようなチャック・ノリス・ファクトという語録が世界中で(映画マニアでもない)一般のレベルで親しまれてる彼の起用は
神出鬼没でどんな敵でも瞬時に殲滅する圧倒的な戦闘能力というのは、アメリカ人や世界の人々の感覚では、説明や伏線など全く必要のないごく当たり前の描写なんです。
これは欠点でもなんでもないんです。エンタテンイメントの常識としてスタローンが観客の期待に応えてる結果なんですね。

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