くりごはんが嫌い このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

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2016-05-31

[]「うぁんちゃんさぁああ」から「あ、あんちゃん……」へ『そして父になる23:08 「うぁんちゃんさぁああ」から「あ、あんちゃん……」へ『そして父になる』を含むブックマーク

是枝監督の作品があまり好きではないことはわりと前から公言しているのだが『海街diary』があまりによかったので、その前に作られた『そして父になる』をDVDで観た。

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いろいろすばらしいところはたくさんあるのだが、なんといっても福山雅治に驚いた。

福山雅治といえば「うぁんちゃんさぁあ」や「じつぅにきょぉみぶかい」など、モノマネの対象になるほどクセの強いイントネーションを持ち、そのせいでもって毎回まともに演技を見てもらえないという日本でも希有なポジションにいる役者であるが(藤原竜也もそうか)、それが今回はまったくと言っていいほどなかった。いや、今までが今までだったので、あったのかもしれないが、それをあまり感じなかった。もしかしたらいくぶん抑えられていたという方が正しいのかもしれない。とにかく途中から福山雅治を見てるという感じではなく、野々宮良多という映画のキャラクターを見ているという風に脳が自然と切り替わっていた。これは今までどの監督もやったことなかったし、むしろできなかった。それに関してはマジで賞賛に値する。

しかも「赤ちゃんを取り違えたことにより、6年間育てた息子が実は他人の子だった」という「一体いつの時代だよ、草生えるわ」と言われかねないお先真っ暗な悲劇をわりとさらっと無感情に描いてるあたりも好感を持った。過剰に泣かせないのも近年の邦画に対するアンチテーゼな気もする。

ただ、やっぱりこの監督の資質というか、もしかしたら無意識なのかもしれないが『誰も知らない』同様、「こういう誰も扱ってない事件をフィクショナルに映画化し、それが作家性なんでござあますのよ」という顔をして商売してる感じがどうも気に喰わない。こればっかりは生理的に無理というレヴェルであり、つまりこの感想を読んで「いや、こういうこと書いているの無理なんだけど、マジ草生えるわ」と思ってる人がいるのと同じことなので、このへんでお開きにしたいと思う。

あ、ただ、Twitterでもリプがきたが、真木よう子のウインクはやばかった。というか、いろいろいいところはあった。ホントに。

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2016-05-29

[]なぜテレビで出来て映画で出来ないのか『エイプリルフールズ』 09:40 なぜテレビで出来て映画で出来ないのか『エイプリルフールズ』を含むブックマーク

『エイプリルフールズ』を鑑賞。結構前にテレビで放送したヤツ。最近こんなのばっかりだな。

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リーガル・ハイ』の監督、脚本コンビによる劇場作品ということで、かなり期待していたが、あまり良い評判を聞かず結局スルーしてしまった。おかんが「思ったのと違って途中で観るのをやめた」と言っていたため、そこそこハードルを下げて観たのだが、なるほど。これは確かにヒドい。ここ最近でダントツのワーストだろう。

エイプリルフールという一日に限定し、それにかこつけてウソをついている数組の話を同時進行で描いていく……いわゆる『マグノリア』スタイルなのだが、まずこの作品。リアリティラインの引き方が悪く、誰もまともな人が登場しないため、ウソをつく話なのに、それに輪をかけてそもそも全体的にウソくさい。

役者はほとんどオーバーアクトでこんなことこんなリアクションでしゃべるヤツいないよの連発だし、それこそそれを逆手にとって『リーガル・ハイ』のように早口でまくしたてるとか、スクリューボールコメディに振り切ってもないため、そのリアリティのなさがノイズになってまともなテンションで観ることができない。

さらに、宮内庁の人間にひれ伏す人々や、勝手に客を返す店主、大事なポイントで警察そのものに連絡しないレストランや、人質がいるのに「このフロアの責任者はわたしだからわたしの指示に従っていただく」というウエイター、自殺をするんじゃないかと勘違いしてる中学生にたいして警察を呼ばずに勝手に説得する人などなど。一事が万事、登場人物たちの行動原理に納得がいかず、なんでこんなことをするのか?理解できないまま話がすすんでいく。あげく悪いことをしているキャラクターですら、過去にこんなことがあったからその罪は仕方ないよねと強引に感動にもっていき、だから許してあげてねーというのも納得がいかない。

一番の問題点はクレームだらけで過激なことができないテレビで過激なことをして、わりとそういうことに寛容な映画テレビでやるようなゆるいことするということである。なんのためにスケールを大きくし、なんのために古沢良太という男を起用したのか。松坂桃李の裸を見せるだけがそれにあたるとしたら制作者たちは何を考えているのか。そもそもの姿勢にいら立ちを覚える。

おもしろかったところは小学生の女の子にソープの現場を見せたり、いじめられっこがいじめっこをボコボコにしたりするシーン。あとは「女の人は肩書きと顔の良さだけですぐに引っかかってお股を開く」という古沢良太ならではの悪意かなー。ただ、批判を恐れたのか、それが薄く見え隠れするのもどうかと。

松坂桃李は新境地だが、菜々緒は毎回こういう役なのな。それはそれでポジションを見つけたということなのだろうが。

エイプリルフールズ Blu-ray 豪華版

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2016-05-25

[]人は都合のいいように記憶をねじまげる『白ゆき姫殺人事件17:02 人は都合のいいように記憶をねじまげる『白ゆき姫殺人事件』を含むブックマーク

『白ゆき姫殺人事件』を鑑賞。テレビで放送したヤツ。

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Twitterラーメンレビューを投稿することを日課とする制作会社のディレクターに、元カノから社内でも美人と評判なOLが陰惨な殺され方をしたという内容の電話がかかる。その人の元でたまたま働いていたということを知るや否や、独自に取材を敢行。そのディレクターは取材の様子をTwitterに投稿し続ける。だが、そのやり方や彼が制作したニュースのVTRの作り方に問題があり、それがTwitterでバレて、やがて彼のアカウントは炎上。そこに「呪い殺してやる」という奇怪なリプが届きはじめる……というのがあらすじ。

ある殺人事件の顛末とネットが炎上していく様を同時進行で描いていく野心作で、ディレクターの行動とTwitterタイムラインがひとつの画面におさまっており、映像として妙に斬新で描写がやたらリアル

しかもプロットは被害者の関係者の証言が全部食い違うという『羅生門』スタイルで、それらも含めると情報量はかなり増えるが、これが妙に交通整理されていて、分かりやすい。演出含めこの辺のバランスはさすが中村義洋といったところだろうか。

湊かなえ原作モノは基本的に犯人が分かったとしてもそこにあまり意味はないというのが多いが、この作品も同様で、誰が犯人であるとは別に、その犯人がとてつもなく恐ろしい人物であるというのが印象的。ラスト付近で「近年これほどまでに身勝手でしたたかな犯罪者がいただろうか?」というナレーションが入るが、ホントにそれにつきるといっていいだろう。

ニュースなんか見ていても「なんでこんな動機絶対にバレるような犯行をするんだろう」と思うことがよくあるが、この作品の犯人は動機こそうすっぺらいものの、それに反して超用意周到な計画性をもっており。そのギャップがすごすぎて、意味がわからず、見終わったころには底冷えする恐怖を引きずっていた。なので、すべてを分かってからもう一度頭から観ると………怖い!!ホントに怖い!!オレがこの事件に関わってしまったらショックで引きこもるね!

というわけで、Twitterの描写に『羅生門』スタイルに、怖すぎる犯人と三拍子揃ったミステリー作品ということでわりとおすすめ。「人は都合のいいように記憶をねじまげる」というのはつい先日放送された『ソロモンの偽証』にも通ずるものがあるので、そちらと合わせておすすめしたい。

白ゆき姫殺人事件 [DVD]

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2016-05-24

[]真実とはえてしてそんなものである『ソロモンの偽証』 17:04 真実とはえてしてそんなものである『ソロモンの偽証』を含むブックマーク

『ソロモンの偽証 前篇・事件』と『ソロモンの偽証 後篇・裁判』を鑑賞。前者はテレビ放映で、後者はレンタルBDで観た。

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ある学校の一人の生徒が屋上から転落死し、一人の生徒が「これは殺人です」という告発状を出し、そのせいで一人の生徒が疑われた。警察自殺と断定したものの、真実はわからずじまい。「だったら私たちが学校で裁判して決着つけましょう!」というお話。

わりと早々に「告発状はウソでした」とタネ明かしすることにより、「ウソがいつかバレてしまうのではないか」というサスペンスが生まれ、そこになぜか本格的なホラー描写と、容赦がなさすぎる演出、さらに重厚かつトリッキーなカメラワークで魅せて魅せて魅せまくる。冒頭、子供の死体の顔を大写しにし、そこからカットを割らずにカメラが高く高く上昇していくシーンで傑作を確信。その確信以上にことが進んでいくので大興奮。そのいきおいのまますぐに後篇をレンタルした。


ここから誰がどうしたとはいわないが、ネタバレ


中学生だけで裁判をやるということでかなり勉強し、相当な期間を準備に費やしたわりに検察と弁護側でのやりとりがないし、わりと観客が知ってる(描いていなくても予測できる)ことを延々繰り返すだけなので、真実が明らかになるまでの後篇1時間40分はそこまで重要ではなく、だったら例の彼が怪しいというくだりは隠してしまってもいいように思えた。

結局裁判で明らかになったのは、一人の無実の人間をスケープゴートにすることで生まれる欺瞞であり「都合のいいように記憶をねじまげる」というのは奇しくもちょっと前にテレビで放映された『白ゆき姫殺人事件』と一緒であるが、とはいえ、結局いちばん悪いのはあの不良でしょう。なんで他の人が揃って「自分が悪いんです」「いやいや、自分が」「いやいやいや自分が」とダチョウ倶楽部みたいなことになっているのか。そもそも告発状に書かれた他のふたりはどこへ行ったのか。

「本当の裁判ではないため、すべてが明らかになっても裁かれることはない」というのがポイントになってるが、罪を背負えといってるわりに最後なんかヘラヘラしてるし、最初に警察が判断した「これは自殺であり、告発状は○○さんと○○さんによって書かれたもの」というのはほぼほぼあってて、途中で被告人が「もうアリバイが証明されたから終わってもいいだろ」というがまさにそのとおりだと思った。真実が明かされたところでそんなたいしたことでもなく、最終的にこの裁判はいったいなんだったのだろう……という気にもなった。結局あの自殺した子に言われた通り、主人公は独りよがりな自己満足の正義感を振りかざしただけの偽善者だったんじゃねぇのか……



ネタバレ終了


と、いろいろノイズになる部分は多かったが、スタッフとキャストの「おもしろ映画を作ってやろう!」という気概には満ちあふれていて、4時間30分はわりとあっという間だった。テレビでやれそうでやれない描写も満載で、これが映画だよなと改めて感じることも多く、こういう映画がもっともっと増えればいいなぁとも思った。あとこれは見てのお楽しみであるが『ダークナイト』の影響ってすごいのな。

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2016-05-23

[]ポップな『東京物語』って感じ『海街diary11:24 ポップな『東京物語』って感じ『海街diary』を含むブックマーク

是枝監督の「生き死にを商売にしてるように見えるけど、作家性だからしかたないのぉ」という感じが好きじゃないし、少女漫画も片手で数えるくらいしか読んだことがないので、観る気などさらさらなかったのだが、リビングのHDDに入ってたので観た。故に誰が出てるのかもよくわからないという状態だったのでレキシが出てきたときにはホントにビックリして声でた。いまどきこんな状態で注目されていた映画を観るというのも珍しいだろう。

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冒頭、印象的に煙突からけむりがモクモクと立ち上がるカットが挿入され、ラストも例の場所で終わり、別れの象徴としてリンゴを買うくせがあるなど、全体的には是枝監督なりの小津安二郎オマージュであり、観てすぐの印象は「ポップな『東京物語』」という感じ。

音楽を抑えめにし、街の雑音を強調することで生活を表現したり、坂口健太郎と加瀬亮をキャスティングすることで男の好みが一貫してるというのをうっすら分からせたり、虫を退治しにいくのに新聞紙を丸めていったり、ちゃんと鍋が油でこげついていたり、酒飲みでチャラチャラしてるわりに数字の計算が速いのは何でだ!?と思ったら実は銀行員だったり、細かいところまでものすごく気を配っていて、何から何まで完璧。ウエルメイドってこういうことだよなという見本で100点満点。いいところを言いだせば枚挙にいとまがない。

さすがにこれはキレイに描きすぎだろと思ってしまう四姉妹の関係性も実力とスター性を兼ね備えた女優をキャスティングすることにより、そんなことをノイズにさせず演技を見せる方向にシフト。広瀬すずの殺人的なかわいさもあいまって、事件が起きずとも最後まで見れる……むしろ変な事件なんて起きないでほしいと思わせるほどに魅力的。

ただ、やっぱりというか、原作がそうなのかもしれないが(とはいえ是枝監督はこの原作を読んで映画化したいと思ったので、シンクロしてる部分が強かったのではないかと推測される)、この人の「生き死にを商売にしてるように見えるけど、作家性だからしかたないのぉ」というのが好きじゃないんだなと改めて。若干見え隠れするだけでもこう思うのだからよっぽどなのだろう。もちろん世界的な巨匠やぼくの好きな監督たちにもそういうのはあるのかもしれないけれど、こればっかりは感覚的なもので、お前に言われるとなーみたいなのがどうもあるらしい。ホントにすみません。ごめんなさい。

しかし、この手の……いわゆる「イヤミな大人が一切出てこない世界」系の映画に対して嫌悪感を持つ、ぼくのような人間でも楽しく観れたので、相当うまい、相当出来る子の作品であることは確かだ。自信を持っておすすめしたい。

mat9215mat9215 2016/05/29 16:19 同じ印象です。とてもとても上手な作品だけど、再構築する家族がなぜ若い女だけなのか、なぜ鎌倉なんだとという、世界観に対する違和感が残りました。話は変わりますが、「アモーレス・ペロス」から「レヴェナント」に至るイニャリトゥ作品も「人の生き死にを商売にしている」感があります。力強い映像を繰り出すためだけに、神のように登場人物たちに過酷な運命を与えるというか。

katokitizkatokitiz 2016/05/31 23:05 別に人の生き死にを商売にしたっていいはずなのに、なんかそれがイヤに感じるのはこの監督の作品だけなんですよね。なんなんでしょうか。でもこの作品はおもしろかったです。イニャリトゥは好きなんですが、確かに『バベル』のときは同じような意味合いで怒り狂ってる人が多かったですね。

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