假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑) このページをアンテナに追加 RSSフィード

★★★特撮・アニメ・時代劇・サブカル思想をフォロー!(予定・汗)★★★
悪名高き……いや、世間的には全く無名な(笑)、特撮批評(評論)・感想(レビュー)サークル『仮面特攻隊(假特隊/仮特隊)』。そのBlog版をひっそり始めたいと思います。当面は主宰者が昨05年、同人各誌に書いた文を、それ以前の文も過去日付にじょじょにUP。Blog名の由来ですが、主宰者の文が「読みにくい」と指摘されることが多いので(涙)、嘗胆・自戒の意も込めました。精進したいと思いますので、よろしくお願いいたします。またなにぶん、アナログ・アナクロ人間の残業リーマンでして、基本的には毎日PCを立ち上げません。ただ同人活動15年でイタズラ電話や脅迫状が絶えなかったことを思うと(ゲラゲラゲラ)。コメントもつかないとは思いますが、少しならともかくあまりにも荒れた場合、ウェイン町山Blogにならってシャットしちゃえばイイでしょう(笑)。あと特撮同人関係の知友はコメントを禁止します。「○○さん、ひさしぶり」「ようこそ、××さん」とかを衆目の場でやるのって、個人的にはスキじゃないので。〜お奨め:今こそ昭和ウルトラの遺産を活かせウルトラマンネクサス仮面ライダーTHE FIRSTゴジラFINAL WARS。(文・T.SATO)

2010-11-27 ウルトラマンエイティ#31「怪獣の種(たね)飛んだ」

[]ウルトラマン80 31話「怪獣の種飛んだ」〜児童編開始 ウルトラマン80 31話「怪獣の種飛んだ」〜児童編開始を含むブックマーク ウルトラマン80 31話「怪獣の種飛んだ」〜児童編開始のブックマークコメント

ファミリー劇場ウルトラマンエイティ』放映記念「全話評」連動連載!)


『ウルトラマン80』全話評 〜全記事見出し一覧


第31話『怪獣の種(たね)飛んだ』

植物もどき怪獣ゾラ登場

(作・阿井文瓶 監督・外山徹 特撮監督・高野宏一 放映日・80年10月29日)

視聴率:関東8.4% 中部11.7% 関西9.6%)


(文・久保達也)

(2009年10月執筆)

 車にひかれそうになったところを主人公・矢的猛(やまと・たけし)に救われた少女・マリコ。

 そのマリコの母親は、1年前に夫が他界したのを機に神経性の心臓病を煩(わずら)い、病室で寝たきりの生活を送っていた。


 亡くなった夫の最初のプレゼントが野菊の花束であり、思い出の地である一面の花畑にもう一度足を運びたいと願う母を元気づけるため、マリコは空き家の庭を拝借して「マリコのお花畑」なる看板を掲げ(本来は決して許される行為ではありません!・笑)、


マリコ「大きなお花を咲かせてね。きれいなお花を咲かせてね」


 と、庭に花の種を植えつけ、せっせと世話をする。


 ある日、その「マリコのお花畑」にタンポポの綿毛のような大きな種子が飛んできた。

 それもお花畑に植えてあげるマリコだったが、以後その場所から強力なエネルギー反応が感知されるようになり、やがて防衛組織UGM(ユージーエム)が現場を特定する。

 イトウチーフ(副隊長)と矢的猛隊員がUGM専用車・スカウターS7(エスセブン)で現地に急行すると、地球上のものとは思えない巨大な植物が生息していた。

 思わずライザーガンの銃口を向けるイトウだったが、


矢的「これはあの子が育てた芽なんです! 母親の病気を治すために、大きな花を咲かせようと一生懸命なんです!」


 と矢的が制止し、急に処分しては少女が傷つく、危険があったらマリコに訳を話してから自分が切ります!

 (見知らぬ赤の他人に伐採されて彼女が失望して人間不信に陥るより、せめて知人である自分が彼女の前で汚れ役を引き受けることで、彼女の心は無傷で済まないまでも少しでも傷をやわらげようということだろう。漢(おとこ)である!)

 と力説したため、やむなく赤外線カメラを設置し、様子を見ることになる。


 赤外線カメラの映像分析で奇怪な植物がわずかながら移動し、周囲の花が枯れていく様子が映し出され、さらにこの植物は大量の酸素を吸収し、炭酸ガスを吐き出していることが判明する。


イトウ「あの木のまわりでは人間も危険だ!」


 矢的が「マリコのお花畑」に急行するや、酸欠状態になったマリコが倒れていた。


 矢的に緑色の炭酸ガスを吐きかけて襲いかかる奇怪な植物!

 ライザーガンの攻撃を受けた植物は植物もどき怪獣ゾラとなって巨大化、長いムチ状のツタを振り乱して進撃を開始する!



 物語の導入部は同じ阿井文瓶が書いた、病気で寝こむ母親を元気づけるために、正博少年が屏いっぱいに桜並木を描く『ウルトラマンタロウ』(73年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071202/p1)第41話『母の願い 真冬の桜吹雪!』を連想させる。

 が、どちらかといえば脚本・監督は異なるものの、『ウルトラマンレオ』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090405/p1)第47話『恐怖の円盤生物シリーズ! 悪魔の星くずを集める少女』(脚本・若槻文三 監督・東条昭平)に近い雰囲気を感じさせる(あそこまで過激な描写はありませんが……)。


 円盤生物ブラックテリナが吐き出した無数の美しい貝を、「これをたくさん集めると幸せになれる」と信じる少女がゲスト主役だが(奇しくもこの子の名前もマリコである)、美しい貝の正体がそれを身につけた人間をロボットのようにコントロールしてしまうブラックテリナの分身・テリナQであったように、ゾラも少女の優しい気持ちをかくれみのにして暗躍する点が共通しているのだ。


 マリコが矢的を「矢的さん」「矢的隊員」ではなく、


マリコ「おにいちゃん」


 と呼んでみたり、花畑が暴風雨に襲われるや、


ナレーション「花が倒れるとき、母親の命も……」


 と思いこんだマリコが赤いレインコート

 ――余談だが、先述の『レオ』第47話で主人公のおおとりゲンに襲いかかる女性たちは全員レインコート姿だった。大雨の中、傘をさしてゲンに迫る彼女たちの姿はすげえコワかった!――

 姿で花畑に走り、懸命に花を守ろうとする描写は、ここまで純粋無垢(むく)な子はさすがにいないだろうと思いつつ、マリコを演じた臼田まゆみがおさげ髪がよく似合う可憐(かれん)な少女でもあり、同じ年頃の娘がいてもおかしくない年齢に達した筆者的には実に心を動かされるものがある。


 うさぎの絵柄入りのトレーナー姿をはじめ、正味20分強のドラマの中で計5種類もの服装で登場するあたり、マリコの描写には実に力が入っており、現在のU−15(アンダー・フィフティーン)のお菓子系アイドル好きの方々にも結構楽しめるのではないかと思う

 (近年なら写真集やDVDが発売されてもおかしくないルックスかと思うが、当時は潜在的にはともかく、表だってはそういう需要はなかったのである。もっとも当時はまだビデオソフトすらも一般には発売されていなかったが)。


 ただその一方、『レオ』第47話がテリナQが漁師を海に落としたり、自分の名前を彫ろうとした女性を襲うなど冒頭から「迫りつつある危機」を丁寧に積み重ねて描写していたのに比べ、今回はマリコに力が入れられた分、ゾラを描くのが若干おざなりになってしまった感がある。


 というのは矢的に攻撃されて巨大化するまでの過程で、ゾラがハッキリと「怪獣」であると判断できるような描写がほとんどないのである。

 強(し)いて挙げれば巨大化した芽が小さな鳥を捕らえて食べる場面があるものの、実際に「食虫植物」というのも存在するわけであり、怪獣であるという確証にはならないわけである。


 ここはやはり『ウルトラセブン』(67年)第2話『緑の恐怖』で同じ植物型怪獣である生物X(エックス)・ワイアール星人が夜な夜な人々を襲ったように、ゾラが夜の間は花畑から道路に移動し、通行人を襲うといった描写がほしかったように思う。

 そうすればイトウチーフと現場に駆けつけた際、母を想うマリコの気持ちと地球防衛の任務の間で葛藤する矢的の姿を描くことができ、矢的とマリコとの間にさらなる展開が生み出されたと思うのだが。

 マリコが単なる「いい子」「被害者」で終わってしまっているのは、それはそれで大切にすべき私情がTPO(時・場所・機会)によっては悪にもなる逆説もたしかにあるはずで、「児童ドラマ」としては実にもったいないような気がする。


 それでも巨大化して以降のゾラはまるで水を得た魚のように実に生き生きと暴れ回ってくれている。

 全身ツタに被われたゾラだが、そのツタには丁寧にも葉型のギザギザが造りこまれており、ムチのようにせわしなく振り回しては地球防衛軍戦闘機をからめとって地上に叩き落とし、イトウの専用機エースフライヤーとフジモリ・イケダが搭乗するシルバーガルも次々に撃墜!


 マリコが拝借していた庭の空き家は本編には登場しなかったが、ミニチュアセットではこれがかなり大きな邸宅として表現されるばかりではなく、電柱や街灯・電話ボックスに至るまで、実に細かなものまでもが用意されているのも迫力を増している!


 オープン(スタジオではなく屋外)であおりで撮らえた巨大感あふれるゾラが矢的に迫りくる描写を何度も挿入して危機感を最大限に盛り上げたあと、遂に矢的はウルトラマンエイティに変身!

 なんとゾラは『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』(07年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080427/p1)に主役級で登場する古代怪獣ゴモラよりもずっと前に、エイティに対してジャンピングキックをかますわ、両者跳び上がって宙ですれちがうわ、ゾラがエイティの右腕をツタでからめとってブン投げるわと、東映ヒーロー作品的な、実にスピーディなバトルを次々に展開!


 「今では考えられませんが、ああいう飛び越しの蹴りなんかは本当に空中で蹴ってますからね。今はCGが入ってきたりして、25年前とは特撮やアクションが根本的に違います。今は、グリーンバックでウルトラマンを吊って蹴りの形をとらせた画を、怪獣の前にタイミング合わせて通過させればいいわけですからね。でも『80』の頃はそういうことはまずなかった。あってもせいぜい吊りですが、それも本当に現場で飛ばしたりしていた。ほかにも怪獣を飛び越して後ろから蹴りを入れたり、怪獣を投げ飛ばすなんてことも現場でやってましたからね。カメラの横から「1・2・3」って合図して僕が投げたりとか。それでつられてフレームに入っちゃったりなんてこともありました(笑)。『80』のころは本当に「人間的にできるか、コレ!?」っていうくらい、肉体的なアクションが多かった。今でも「『80』のあのシーンはどうやっているんですか?」って聞かれることがあるんですが、実際凄いことをやっているんですね」

 (擬闘・車邦秀インタビュー・『君はウルトラマン80を愛しているか』辰巳出版・06年2月5日発行・05年12月22日実売・ISBN:4777802124


 その迫力みなぎる「肉体的な」アクションに華を添えるのが光学合成!

 ゾラの長いツタに首を締められたエイティが全身を白く発光させるや、ゾラの全身に白い稲妻状の電撃がほと走る!

 逃れたエイティにゾラが黄色い炭酸ガスを吐きかけるや、エイティはなんとバリヤーを張らず、両腕を前に突き出すだけでこれを跳ね返した!

 両手から交互に放ったウルトラダブルアローとサクシウム光線の連続攻撃に、猛威を奮ったさしものゾラも遂に大地に倒れ伏し、大爆発を遂げた!



 すっかり荒れ果ててしまった「マリコのお花畑」は、エイティが両手から発した放射線・ウルトラメディカルパワーで美しい花が咲き乱れ、マリコと矢的はそれらを手に、マリコの母を見舞うのであった。



<こだわりコーナー>


*従来ウルトラシリーズでは数十秒のメインタイトルのあとに提供やCMが入り、それに続いてオープニング主題歌と連続して30分もの前半のAパートが流れるという放送フォーマットであったが、今回からメインタイトルに続いてドラマの導入部が数分間展開、次いでオープニング主題歌が流れるという(そのあとに提供やCM、Aパート)、往年の『ウルトラQ』(66年)、後年のビデオ作品『ウルトラマンパワード』(93年)後半、近年の『ウルトラマンネクサス』(04年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060308/p1)・『ウルトラマンマックス』(05年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060311/p1)・『ウルトラマンメビウス』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070506/p1)などにも踏襲されたスタイルへと変更になった。

 これは導入部で視聴者をまずひきつけ、離さなくするという視聴率面での対策という理由が大きいだろう。


 空前のアニメブームに沸いた当時、『80』の裏番組としては、


日本テレビで、名作アニメベルサイユのばら』(79年・東京ムービー新社→現・トムスエンタテインメント)が引き続き放映されており、10月からは故・手塚治虫(てづか・おさむ)の代表作のリメイク鉄腕アトム』(手塚プロ)がスタート、


フジテレビで、大ヒット野球アニメドカベン』(77年)の後番組として『メーテルリンク青い鳥』(80年)を半年挟んで、同年80年7月に『がんばれ元気

 ――小学館少年サンデー』で76〜81年に連載された小山ゆう原作のボクシング漫画アニメ化。東映動画(現・東映アニメーション)。全35話という短命に終わった。これの後番組が『Dr.(ドクター)スランプ』(81〜86年・東映動画)であり、裏番組を全て駆逐してしまうほどの大人気となったが、当時夢中になって視聴していた子供たちには関係のないことを記して申し訳ないが、『オレたちひょうきん族』(81〜89年・フジテレビ)と並ぶ「軽薄短小の80年代」のフジテレビを最も象徴する作品のひとつという印象が個人的にはあり、正直あまり良い感情は持っていない――

 がスタート、


テレビ朝日で、長寿クイズ番組『霊感ヤマ感第六感』(74〜84年・当初大阪朝日放送の製作、75年春の「腸捻転(ちょうねんてん)」と称されたネット改編後、NET→現・テレビ朝日に製作が移管)、


 などがあり、『80』はかなりの苦戦を強いられていたのである。


 なお余談ではあるが、『80』夏季の放映時には、同年『裸足の季節(はだしのきせつ)』でデビューし、当時『青い珊瑚礁(あおいさんごしょう)』を大ヒットさせていたアイドル歌手松田聖子(まつだ・せいこ)が出演するグリコ協同乳業のアイスクリームのCMがメインタイトルを挟んでオープニング主題歌の直前に流れるのが慣例となっていた。

 つまり松田聖子がニコッと微笑むのに続き、♪ウルトラマ〜ン、エイテ〜ィと主題歌が流れるという具合であったのだ。これは彼女をお茶の間に浸透させるのに随分と貢献したと思うのだが。

 実際当時中学2年生だった筆者は、『80』よりも聖子ちゃんに夢中だったからなあ(笑)。


*第6話『星から来た少年』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100606/p1)に医師の役で出演した渡部猛(わたべ・たけし)は、『キカイダー01(ゼロワン)』(73年)のライバル・ワルダーや、『イナズマンF(フラッシュ)』(74年)の敵幹部ウデスパーα(アルファ)をはじめ、90年代の戦隊シリーズに至るまで東映ヒーロー作品で悪役声優を務めた人物として有名だが、

 今回やはり医師の役で出演している依田英助(よだ・えいすけ)も、

 『イナズマン』(73年)第10話『人喰いガスの恐怖!!』のガスバンバラ、第22話『歩く土人形 恐怖の大地割れ!!』のツチバンバラ、

 『イナズマンF』第16話『謎の女 その名はデスパー秘密捜査官』のノコギリデスパー、

 『アクマイザー3(スリー)』(75年)第3話『なぜだ?! ガブラが消えた』&第4話『なぜだ!? イビルの裏切り』のアカニーダ(ちなみにアオニーダを演じたのは渡部猛)、第9話『なぜだ?! ガブラが敵に』のバケネーゴン、第19話『なぜだ?! ザビタン5つの謎』のハンニャードのゲスト怪人のほか、

 『宇宙刑事ギャバン』(82年)では全43話のうち半数近くの回でベム怪獣の声を担当、『秘密戦隊ゴレンジャー』(75年)以降90年代くらいまでの戦隊シリーズ常連の悪役声優として活躍した。


 なお第1次怪獣ブームの最中に発売され、当時の怪獣少年たちのバイブルとなった『怪獣大図鑑』(朝日ソノラマ・66年11月5日発行)に添付されたソノシート声の出演者として「依田英二」という名前がクレジットされているが、これもまぎれもなく氏の仕事である。


*今回マリコを描写する場面に『80』のオリジナルBGMではない音楽が何曲か使用されている。

 『80』の選曲を担当した小原孝司は『バトルホーク』(76年)や『(新)コメットさん』(78年)など、国際放映製作の作品の選曲を多数手掛けており、実際『バトルホーク』の音楽はシリーズを通してブリッジ曲を中心に多数流用されていることから、今回流用された曲も国際放映の作品のどれかのオリジナルBGMかと思われるのだが。


*第29話『怪獣帝王の怒り』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101113/p1)でイトウチーフにたしなめられたにもかかわらず、今回も矢的は廊下ですれ違いざまに小坂を「ユリちゃん」と呼んでいる。


 だから勤務中に「ユリちゃん」はいかんっちゅーに! イトウチーフより城野エミ(じょうの・えみ)隊員がコワいぞ(笑)。


*今回エイティが使用したウルトラダブルアローは、矢じり型の光弾を左右の手から交互に撃ち放つ技だが、これは設定のみに終わったウルトラブーメランの変形技であるとされている。

 放映当時の小学館てれびくん』などでは、エイティ頭頂部の赤い部分がウルトラセブンアイスラッガーのような宇宙ブーメランに変形するなどと紹介され、80年5月号(だったと思う)ではセブンが「新しい必殺技ウルトラブーメランも早く見たいな」などとコメントを寄せていたものだが、結局劇中に登場することがなかったのは未だに残念でならないものがある。


*マリコとすっかり元気になった母親が一面の花畑を走るイメージシーンからラストに至るまで流れる曲は、以降のエンディング曲として多用されることになるが、これは挿入歌『心を燃やすあいつ―矢的猛の歌―』のインストゥルメンタルである。


 『80』では近年のヒーロー作品では必ずリリースされる、いわゆる「ヒット曲集」のような挿入歌集のアルバムが発売されなかったため、代わりに80年6月10日に日本コロムビアから発売されたLPレコードウルトラマン80テーマ音楽集』(ASIN:B0001A7VC4)B面の1曲目に収録されるという異例の措置がとられ、劇中でも歌入りのバージョンは流れなかったため、知る人ぞ知る名曲となっていた。

 だがその後、この歌は「ここぞ!」という際に遂に劇中で使用され、大いなる感動を視聴者に与えることになる。これについてはいずれまた……


*これは今回だけに限らないのだが、すっかり荒れ果ててしまった「マリコのお花畑」の中で涙するマリコの描写に際し、


ナレーション「花は枯れてしまった。もう病室を飾ることはできない。母親の病気も治せない。ウルトマンエイティにはマリコの気持ちが痛いほどわかった」


 などと、画面でやっていることをそのまま説明しているだけの、無用なナレーションはせっかくの感動を半減させてしまっている。

 そんなことはマリコを演じる臼田まゆみとエイティを演じる奈良光一の名演技で十分に感じとることができるのだから、「余計なことをいうな!」と云いたくなってしまうのである。


 『80』にムダなナレーションが多すぎたことの反動からか、『ウルトラマンティガ』(96年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961201/p1)以降はナレーションが添えられることが極端に少なくなってしまったが、『80』最大の難点のひとつがまさにこれなのである。

 もっとも近年は視覚障害の人々のために「音声ガイド」がつけられた番組もあることから、一概に切り捨ててしまえばいいというものではないのかもしれず、難しいところではあるが……


*当時ロッテから発売されていた『ウルトラマン80フーセンガム』は4枚綴(つづ)りのカードと1枚のシールがおまけに付いていたが――それ以前に発売されていた『ウルトラマン』(66年)から『ウルトラマンレオ』の同様のオマケが付いていた商品のスタイルを踏襲したもの――、カードの方はこの第31話までが商品化されていたようである。

 こうした商品の宿命ではあるが、やはり全話をフォローするのは難しいようである。


*マリコの母を演じた佐野アツ子は、ジャンルファンならばテレビ時代劇『必殺』シリーズ第3弾『助け人走る(たすけにん・はしる)』(73年)で中山文十郎田村高廣)の妹・中山しの役と、第4弾『暗闇仕留人(くらやみ・しとめにん)』(74年)のおみつ役で、共に佐野厚子名義でレギュラー出演していたことでも記憶に残る。

 NHKのテレビ小説と双璧をなしたTBS平日お昼のポーラテレビ小説ひまわりの道』(71年)のヒロイン出身だそうである。


*『ウルトラマンメビウス』第40話『ひとりの楽園』に登場した宇宙植物怪獣ソリチュラが噴射する花粉に含まれるソリチュラ化合銀は、番組公式サイトの「WEB(ウェブ)メビナビ」によると、今回の植物もどき怪獣ゾラの花粉にも含まれているそうだ。

 「宇宙のどこか同じ星に生息していた植物から分かれて進化した、親戚のような怪獣なのかもしれない」とのことだそうで、「WEBメビナビ」のスタッフ(実態はおそらくメインライター・赤星政尚と設定考証の谷崎のぼる・笑)のウルトラへの愛と往年の怪獣図鑑のような稚気あふれる小学生向け疑似科学センス(今の子供向け特撮番組にこそ必要なもの!)には頭が下がる。


(了)

(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2010年冬号』(2010年2月7日発行)〜『仮面特攻隊2011年号』(2010年12月30日発行)所収『ウルトラマン80』後半再評価・各話評より分載抜粋)



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