假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑) このページをアンテナに追加 RSSフィード

★★★特撮・アニメ・時代劇・サブカル思想をフォロー!(予定・汗)★★★
悪名高き……いや、世間的には全く無名な(笑)、特撮批評(評論)・感想(レビュー)サークル『仮面特攻隊(假特隊/仮特隊)』。そのBlog版をひっそり始めたいと思います。当面は主宰者が昨05年、同人各誌に書いた文を、それ以前の文も過去日付にじょじょにUP。Blog名の由来ですが、主宰者の文が「読みにくい」と指摘されることが多いので(涙)、嘗胆・自戒の意も込めました。精進したいと思いますので、よろしくお願いいたします。またなにぶん、アナログ・アナクロ人間の残業リーマンでして、基本的には毎日PCを立ち上げません。ただ同人活動15年でイタズラ電話や脅迫状が絶えなかったことを思うと(ゲラゲラゲラ)。コメントもつかないとは思いますが、少しならともかくあまりにも荒れた場合、ウェイン町山Blogにならってシャットしちゃえばイイでしょう(笑)。あと特撮同人関係の知友はコメントを禁止します。「○○さん、ひさしぶり」「ようこそ、××さん」とかを衆目の場でやるのって、個人的にはスキじゃないので。〜お奨め:今こそ昭和ウルトラの遺産を活かせウルトラマンネクサス仮面ライダーTHE FIRSTゴジラFINAL WARS。(文・T.SATO)

2014-01-13 ウルトラマンサーガ

[]ウルトラマンサーガ 〜DAIGO・つるの剛士杉浦太陽AKB48投入! ウルトラマンサーガ 〜DAIGO・つるの剛士・杉浦太陽・AKB48投入!を含むブックマーク ウルトラマンサーガ 〜DAIGO・つるの剛士・杉浦太陽・AKB48投入!のブックマークコメント


2014/2/9(日)、同人誌即売会サンシャインクリエイション62参加!


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 『新ウルトラマン列伝』(13年)放映枠で、映画『ウルトラマンサーガ』(12年)が2014年1月15日(水)から5週連続で、「沈黙の地球」「ゼロの苦難」「恐怖の繭」「復活の英雄」「本当の戦い」に5分割されて、カットされていたウルトラ兄弟活躍部分まで復活して放映記念!


 ……とカコつけて(汗)、映画『ウルトラマンサーガ』合評をUP!



ウルトラマンサーガ

(12年3月24日封切)

(脚本・長谷川圭一 監督・おかひでき 特技監督三池敏夫


ウルトラマンサーガ 〜合評1

(文・T.SATO)

(12年7月執筆)


 往年のウルトラマンレオ(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090405/p1)以上に頭部にカンムリ状のツノが多数あって、全身に複雑なウズ巻く装飾に満ち満ちた、赤や青などの原色を一切使わないコワ〜いルックス

 第1期ウルトラの特撮デザイナー成田亨(なりた・とおる)センセの怪獣デザイン3原則からはハズれまくった(歓迎!)新ウルトラマンこと“ウルトラマンサーガ”!


 個人的には映画の中での強化バージョンキャラとしてならばアリだと思う。

 TVシリーズの主人公ヒーローのノーマルモードとして登場してたら、幼児層にソッポを向かれるデザインだとも思うけど(笑)。

 しかし、『天装戦隊ゴセイジャー』(10年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20130121/p1)のラスボスにして、映画『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199(ひゃくきゅうじゅうきゅう)ヒーロー大決戦』(11年)や映画『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』(12年)で2度も復活しつづけている、ゴセイジャーたち護星天使の同族でもあったという堕天使(だてんし)・救星主のブラジラに、多くのマニアも指摘しているけれども、映画の神さまのイタズラかやっぱり似ているなぁ。


 DAIGO(ダイゴ)・AKB48(エーケービー・フォーティエイト)という流行(はや)りもの、一種のイロモノスターたちの投入。

 それにより、一部の多くの(形容矛盾・笑)マニアによる「不純だ!」との事前、および事後の下馬評に満ち満ちた3月公開の本作『ウルトラマンサーガ」(12年)。

 一方で今や若い特撮マニア世代の主流派であるアンチ・白倉(東映プロデューサー)&アンチ・米村(脚本)派からは、4月公開の『スーパーヒーロー大戦』のあまりのヒドさの口直しに、本作を鑑賞し直して心を癒しているとの感想などもよく散見する(筆者個人は『スーパーヒーロー大戦』肯定派だが)。


 作品批評が一方向に染まらず、マニア間での「空気」による悪い意味での日本的ムラ世間な同調圧力に屈せず、多様な意見が平気で併存する光景を見ると、筆者のようなオールドマニアからすれば隔世の感。特撮マニアもよくぞ「近代化」(笑)してくれたものだとも思う。


 DAIGO(ダイゴ)の演技力には不安があったが、事前にネットやCMで何度も本作の予告編を観て慣れていたせいか、彼の素のキャラ――それも世渡り的にテレ隠しも含めて「作ったキャラ」だといえば「作ったキャラ」だが、板に付いて不可分になった第二のキャラ(笑)――に合わせた人物像でもあったせいか、個人的には悪くなかったと思う。


 しかし30歳オーバー!

 「軽薄短小」と云われた80年代中盤でも、まだ「30歳以上は信じるな!」もとい「30過ぎたら演歌でしょ」なぞと云われていた時代であったワケだから、思えば遠くへ来たもんだ。90年代まではあんな30代はいなかった(笑)。

 カッコいいヤツがソレだけでは許されず、スマしてるだけでは足を引っ張られてしまう世の中になってしまい、ジャニーズ・SMAP(スマップ)みたいに三枚目・面白トークもできなきゃとなるのは90年代後半以降の風潮かと記憶する。

 その到達点がカッコいい二枚目自身&カッコつけた発言自体をセルフパロディにして、80年代初頭の漫才ブームの破裂的な笑いや、80年代中盤のとんねるず的な躁病的で強迫的なイッキ飲み強制ノリの笑いではなく、いったん脱臼、ハズしてみせて脱力した半笑いを誘うネジクれた構造を持つGACKT(ガクト)でありDAIGOなのである!?


 AKBについては、メインヒロインで地球防衛隊のレジスタンス、戦う女性キャラ・秋元才加(あきもと・さやか)演じるアンナの気の強い姐御肌の演技力に尽きるだろう。

 ただカッコいいんだけれども、作品批評ではない次元で云わせてもらえば、強すぎて怖すぎて弱いオタク男子としては、アイドルとしては崇拝する気にはなれないなぁ。

 AKBだったら、看護婦の娘とかメガネっ娘とかの方が癒し系でイイよなぁ(笑・ギャル優勢の当今、女性の中でのカーストでは、アイドルとかメイド喫茶バイト系女子というのはちょっとイモっぽくてトロい娘がなるものだそうだが……汗)。


 ミーハー的な私情とは離れたところで云うならば、『サーガ』で秋元の卓越した演技力を知ってしまった身には、彼女には映画『極道の妻(おんな)たち』(86年〜)みたいな作品で、啖呵(たんか)を切れる女性キャラとして末永く活躍してほしい気がしている。

 だが、こーいうヤクザものジャンル映画も怪獣映画同様、存続はキビしいですかネ?


 AKBの7人については、たしかに全員のキャラが描ききれていたとは云わないけれど、だからといって主要数名以外は不要だったとは思わない。

 尺の都合もあるのだから、キャラ描写に濃淡を付けるのは致(いた)し方ないだろう。

 それに7人くらいはいないと層の厚さというかバックアップというか最低限の組織としての力強さも出てこないし。


 公開から数か月が経ったので書いてしまうが、地球防衛隊はまがいものの組織であった。

 雲上人であった70年代までとは異なり80年代以降、アイドルも(プロデューサーも!)また楽屋ウラを見せて、作り物でありナマ身の人間であることを見せつけてきた。

 だからと云って、観衆の側でもシラケてしまってアイドルジャンルが絶滅したワケでもなく、それをも含めてアイドル&ファンとの共犯関係で、ウソでも演技でもポーズでも判っていて「あえて」祝祭空間を作って、束の間の高揚を味わうようになって久しい現在。


 そんな彼女らが「まがいもの」の地球防衛隊で、ヒトをだまして陥(おとしい)れるための「ウソ」ではなく、社交辞令・潤滑油や他人に安息を与えるためのやさしい「ウソ」の類いで、生き残りの子供たちを守り、「ウソ」は「ウソ」、「虚構」でもそこに少しでも「本物」をやどらせようとするというケナゲな構図が、現実の彼女らの芸能活動ともビミョーに重なって、メタフィクションの重層構造が奇しくもできあがり、それがまた(大きなお友だちやパパ・ママ層の)観客の感動を上乗せしたようにも思うのだ。


 何より我々もまた、ママやパパや社会人としての役割をポーズとして演じて、「ウソ」でもそこに少しでも「本物」をやどらせようとしているとも云えなくもないのだし。

 まぁ独身男性オタクのダメ社会人が云ってみせても説得力ナイかもしれないが(笑)。


 話は変わるが、手前ミソで恐縮だけれど、弊同人誌の過去10年の主要ライター陣の言説の影響により、現在の筆者は、「特撮」というジャンルは「SF」や「文学」のサブジャンルではないと考えている。いわんや「映画」というサブジャンルですらない。

 「SF」とは視点の転倒による知的快感・知的コーフンを主眼とするジャンルである。

 「文学」――「大衆文学」とか「エンターテイメント」とは異なるものとしての「文学」――とは繊細ナイーブな心性や風情に対する感慨を主眼とするジャンルである。


 では「特撮」ジャンルとは何か?

 「特殊撮影・特殊技術」によるアリエナイ珍奇な映像――天変地異などの風景スペクタクルや神々に異形の化け物、超現実的なメカニック、それらのアクロバティックな体技アクション――への驚き・サプライズを主目的とするジャンルであると思うのだ。

 ドラマやテーマはあってもイイが、特撮やアクションのクライマックスへの驚きという“主”が有効になるように配置され、それに奉仕すべき“従”であるべきだと考える。

 その伝で云うなら、『スーパーヒーロー大戦』や映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101224/p1)は理想的な作品であると思う。


 ヒーローと怪獣だけを看板にお客を呼べればそれがベストである。

 しかしそれが『ウルトラ』においては不可能であり、子供たちに向けた現役TVシリーズも今現在ない以上は、現実主義やカネ勘定も必要だろう。

 また一方で、珍奇な映像だけでも、財布のひもや子供のチャンネル権をにぎるママ層はそんなには喜ばないモノでもあるだろう(笑)。子供の情操教育面も考えれば、ヒヨってしまうが、適度なテーマやドラマを時に入れることも消極的には充分にアリだとも思う。

 その観点から筆者個人は、DAIGO・AKB・つるの・太陽・昭和OBを投入し、そして人間ドラマ志向でもあった本作と、一般層といわずともライト層や周辺層、メインターゲットの子供たちのママ層、およびオールド特撮世代にも等しく目配せして、少しでも客層を広げて話題性も作って興行収入も上げようとした試みには賛同したいと思うのだ。


(了)

(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2013年準備号』(12年8月10日発行)〜『仮面特攻隊2013年号』(12年12月29日発行)所収『ウルトラマンサーガ』合評1より抜粋)



ウルトラマンサーガ 〜合評2

(文・久保達也)


「「神秘的なのに熱い血がかようウルトラマン」と、「素敵な人間たち」が力を合わせて悪に挑む。

 ウルトラマンサーガでぼくたちが目指したのはそういう世界です。

 幼い頃に読んだ内山まもる先生のウルトラマンがまさにそうでした。

 あの頃、日本中の子供が内山先生のコミックに熱狂しました。

 ぼくもそのひとりです。やがて監督という立場になったとき、


「内山先生みたいな本当にカッコいいウルトラマンを作りたい!」


 心からそう思いました。

 映画『ウルトラマンサーガ』のふるさとは、内山先生がつくられた宇宙にあるのかもしれません。

 映画とコミック両方で、さあ、冒険のはじまりです!」


(監督 おかひでき・小学館てれびくん』特別編集・『ウルトラマンサーガ』公開記念特典『ウルトラコミックブック』冒頭あいさつ文)



 筆者と同じ66年生まれのおか監督は、「砂にまみれ、汗にまみれた」ウルトラマンが描かれた第2期ウルトラシリーズばかりではなく、故・内山まもる大先生(11年12月1日永眠)が小学館学年誌に連載していた、ウルトラのコミカライズ作品にも夢中になっていた。


 「本当にカッコいいウルトラマン


 それが「ぼくらの世代」の原点なのである!



 導入部のウルトラマンダイナの登場場面。

 『ウルトラマンタロウ』(73年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071202/p1)あたりでよく見られた、ビルの一室の主観からゆっくりと進撃するダイナの両足をとらえ、続いて壁面がミラーガラスになったビルにダイナの上半身が映しだされるという心憎い演出!


 凶暴怪獣アーストロンが口から吐き出すマグマ熱線(吐く直前、喉元が赤く明滅するという芸コマな描写を付加!)を、バリヤーもはらずに素手で払いのけ、アーストロンに向かって進撃するダイナ!

 アーストロンの長い尾をつかみあげ、豪快にジャイアントスイングをかますダイナ!


 『帰ってきたウルトラマン』(71年)第1話『怪獣総進撃』のオマージュ的演出ではあるが、アーストロンの巨大感が絶妙に表現され、大スクリーンに映(は)える映える!

 空のかなたに吹っ飛ばされたアーストロンに、必殺のソルジェント光線を放つダイナ!


 アナザースペースで、隕石群の上に居並ぶ、帝国機兵レギオノイドの大軍団と激闘を展開するウルトラマンゼロ

 前作の映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE(ザ・ムービー) 超決戦! ベリアル銀河帝国』(10年・松竹・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20111204/p1)でも流れたカッコいいゼロのテーマ曲が流れる中、頭部の宇宙ブーメラン・ゼロスラッガーを胸に装着して放つ必殺光線・ゼロツインシュートで、レギオノイド大軍団を一掃するさまはまさに圧巻!


 ダイナの呼びかけに応え、ウルティメイトイージスの鎧(よろい)を装着し、次元を超えて地球へと急行するゼロ!

 だが人間の姿がまったく見あたらないことに愕然(がくぜん)とするゼロ。

 大都会の実景をロングでとらえ、最も高いビルの屋上にゼロの姿を合成したカットが実に秀逸!


 その上空に突然姿を見せる触角宇宙人バット星人の巨大な宇宙船

 次々に飛び出す小型戦闘機と華麗な空中戦を展開するゼロ!


 「昔ながらの手法でしか醸(かも)し出せない良さがある」などと、オリジナルビデオ作品『ウルトラ銀河伝説外伝 ウルトラマンゼロVSダークロプスゼロ STAGEI(ステージ・ワン) 衝突する宇宙』(バンダイビジュアル・10年11月26日発売)の映像特典でおか監督は語っているが、東映のヒーロー作品にはじまり、東宝の平成ゴジラシリーズ、角川映画平成ガメラシリーズ、そして平成ウルトラシリーズと、ひととおり渡り歩いた、三池敏夫(みいけ・としお)特撮監督による演出は、昔ながらの手法と最新のデジタル技術を巧みに融合させ、冒頭から「本当にカッコいいウルトラマン」を描ききっている!


 『ダークロプスゼロ』の『STAGEII(ステージ・ツー) ゼロの決死圏』(バンダイビジュアル・10年12月22日発売)における、ゼロが体を反転させ、逆立ち状態でロボット超人・ニセウルトラマンの右肩に左足で蹴りを入れるアクション描写。

 これは、おか監督の要望によって入れられたらしいので、今回も「本当にカッコいいウルトラマン」を追求する氏の要望が、特撮アクション演出にもかなり反映されていることであろう。



 そればかりではない。今回は実に迫力ある特撮演出の中で、コミカル描写をも折り混ぜるといった快挙まで成し遂げているのである!


 ゼロとバット星人の戦いに巻きこまれた少年・タケルを救うために、防衛組織スーパーGUTS(ガッツ)の新人隊員であるタイガ・ノゾムは瀕死(ひんし)の重傷を負うが、ゼロと一心同体となることで一命をとりとめることになる。


 そこに深海怪獣グビラが出現!

 が、タイガはゼロへの変身を拒否、タケルを連れて逃げ回る!

 グビラは合成で実景の川にジャンプして飛びこみ、タイガとタケルが逃げる橋を破壊する!

 逃げるふたりを手前に、橋を下から突き破って現れるグビラを背後に合成したカットが圧巻!


 はずみで宙に吹っ飛ばされるふたりだが、ゼロの身体能力を身につけたタイガは、宙に舞った幾多の破片の上をぴょんぴょんと飛び回る!

 が、やがてタイガはグビラの頭部先端のドリルの上に落ちてしまう。

 高速回転するドリルの上であわてふためいて、ドリルの回転と逆方向に走り出すタケルを抱いたままのタイガ!(笑)


 『タロウ』の主人公・東光太郎(ひがし・こうたろう)が怪獣に飛び乗ったり噛みついたりした描写が、かつてはマジメなマニア連中からよくスケープゴートにされたものだ。

 むかしだったら「リアルじゃない」「フザケている」とマニア連中から大ブーイングが飛んだであろう描写だが、そういう声を寡聞にして知らないのは、フィクション作品の非リアルな描写の楽しさをも許容するようにマニアの側も成熟したということだろう。


 グビラウルトラマンコスモスの慈愛の光・フルムーンレクトでおとなしくなり、コスモスは春野(はるの)ムサシの姿となる。

 タケルを捜しに来た、女性だけの防衛組織・チームUのリーダー・アンナと、副リーダー・ミサトに、地球防衛隊本部に案内されるタイガとムサシ。


 そこにバット星人の声が響き渡り、再度グビラと、古代怪獣ゴメスが出現!

 変身アイテム・コスモプラックを宙に掲げ、コスモスに変身するムサシ!

 高々とジャンプしてグビラを踏み台にし、ゴメスに飛びかかるというアクロバティックなアクションが秀逸(しゅういつ)!

 だが2大怪獣の猛威に次第にピンチに陥るコスモス


 ゼロ、タイガの両目に変身アイテム・ウルトラゼロアイを勝手に着眼させる。

 ゼロアイをはずせずにもがくタイガ(笑)、高速で回転しながら宙に舞い上がる!


ゼロ「待たせたな!」


 ウルトラマンゼロ登場!

 だが、ゼロは身長49メートルの基本サイズではなく、なぜか10メートルそこそこの中途半端な大きさに。タイガが戦いを拒否しているのがその理由らしい(笑)。


ゼロ「じゃあこのままやるしかねえな!」


 ゼロ、小さな姿でグビラに立ち向かうも、回転するドリルに振り回されて吹っ飛び、続いてゴメスの尾にも同じように振り回され、吹っ飛ばされる!


アンナ「何度も同じことやってんじゃないわよバカ!」


 タイガのせいでバカ呼ばわりされ、怒り心頭に発したゼロ(笑)、その小さな姿でゴメスを持ち上げ、グルグルと回転させて放り投げる!


 これらの場面は観客の子供たちのみならず、その親たちをも爆笑の渦に巻きこんでいた。

 が、決してギャグ演出だけにとどまらず、逆説的にゼロのまさしく超人的な能力をも描き出しており、これもまた、「本当にカッコいいウルトラマン」であるにほかならないのである!


 そしてこれら一連のシーンにおける、変身したくない! 分離して出てってくれ! という、ゼロとタイガとのまさにかけあい漫才的なやりとり(変身後のウルトラマンと変身前の人間とが会話すること自体が極めて斬新!)が絶妙であり、まさに本編と特撮が華麗に融合し、一体感のある絵をつくりあげているのである!



 今回もゼロの声を演じた声優の宮野真守(みやの・まもる)の演技もさることながら、バラエティ番組で80年代(?)的な「軽薄短小」なキャラを発揮するDAIGO(ダイゴ)をタイガに起用したことは、個人的にはこれら一連を観ただけで大正解だと思えた。

 もはや正義のヒーローが「品行方正」な人物ばかりでないことは、平成ライダーの諸作品が立派に証明しており(笑)、これくらいブッ飛んだ主人公がウルトラマンであっても決しておかしくはないのである!


 特にDAIGOは演技力がそうあるわけではないだろうが、脚本・演出ともにバラエティ番組などで見せるDAIGOのカッコつけてるけどスットボケていて笑えてしまう個性や話し方をそのまま極力活かすかたちで、彼個人も演技がしやすいように人物設計されているように思える。


 予告編で何度も流れて、一抹の不安(笑)も残した


 「けっきょくオレは……なにもできないのかよ〜〜!」


 という声が裏返った芝居のシーンも、劇中ではけっこう感動的なシーンだったとは!



 そしてチームUを演じたアイドルグループ・AKB48(エーケービー・フォーティエイト)から選抜された7人のメンバー、一部では演技が「大根(だいこん)」と評する向きもあるが、そうかなあ?

 実質的な本作のもうひとりの主人公であるアンナ。AKBのチームKのリーダーでもある秋元才加の演技力は絶品だったと思うが。

 元々が素人(しろうと)集団という設定なのだから、もっと素人っぽい演技でもいいように個人的には思える。

 逆にウマすぎてカワいくねぇぞ! と思うくらいだ(笑)。


 戦闘班、整備班、通信オペレーターに医療担当と、7人でちゃんと役割分担してキャラを立たせることもさることながら、射撃の名手、メカ開発、怪力の持ち主、名プランナー、爆弾の専門家などで構成された、歴代ウルトラ防衛チームの伝統をも彷彿(ほうふつ)とさせるこの設定はさすがである。

 またアンナ、ミサト、サワが操縦する多目的ローダーマシン・U(ユー)ローダーが、飛行形態からロボット形態に変形、冒頭からアーストロン相手に戦闘を繰り広げることもまた、かねてからウルトラ防衛チームにもロボットを配備しろ! と願ってきた筆者的には、今回意外な形でそれが実現したことがたまらなく嬉しかったものである。


 医療担当のリーサを演じる佐藤すみれがギターを奏(かな)でながら歌う『ウルトラマンダイナ』(97年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971215/p1)の挿入歌『君だけを守りたい』にのせ、かつてダイナ=アスカ・シンが、チームUや彼女たちが守っている子供たちと共に過ごしていた頃の回想場面が流れ、歌が終わると共に場面が暗転、宇宙恐竜ハイパーゼットンの誕生を阻止するために、アスカがアンナとタケルの前から姿を消す回想へとつなぐセンスは、実に光るものがある!



 またゼロの危機にダイナが復活を遂げる場面では、アスカを演じた、つるの剛士(たけし)自身のボーカルで新録した、『君だけを守りたい』が絶妙なタイミングで流れるのである!

 東映ヒーロー作品に比べ、ウルトラでは音楽演出の中で挿入歌を使用して盛り上げる場合が極端に少なかった感があるが、今回ばかりは見事であるとしか云いようがないのである!


 今回ダイナがメインで扱われたのは、近年ではすっかりメジャーな存在となったつるのを出演させることで、大きな話題性を提供するという目論見(もくろみ)が多分にあったことは確かではある。

 だが『ダイナ』の放映から2012年で早くも15年が経過した。

 幼稚園児の頃にリアルタイムで視聴し、現在でもファンを続けているという、二十代に達した人々による本作に対する評価が、ネットで散見されるような時代になったのである。

 おそらくは『ダイナ』も含め、前後の『ウルトラマンティガ』(96年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961201/p1)、『ウルトラマンガイア』(98年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19981206/p1)も、継続して視聴していたという人々がその中の大半を占めることであろう。


 平成ウルトラ3部作に対する個人的な感慨はさておき、3年にも渡ってテレビシリーズが継続して放映されたということが、「平成ウルトラ世代」ともいうべきファンを、確実に育てあげたことは確かなのだ。

 AKBやDAIGO、つるのらの出演で一般層にアピールすることも大事ではあるが、今回はそうした世代をも取りこもうとする戦略もまた展開されているのであり、「15周年」というアニバーサリーとしてはやや中途半端ではあるものの(笑)、ファンサービスとしては実に特筆すべきことが実現しているのである!


 『ダイナ』でスーパーGUTSの隊長を務めていたヒビキ・ゴウスケは今や地球平和連合の総監となり、副隊長だったコウダ・トシユキは宇宙開発局の参謀に、ユミムラ・リョウが隊長に、カリヤ・コウヘイが副隊長に、ナカジマ・ツトムが科学班主任へと、それぞれを演じた木之本亮(きのもと・りょう)、布川敏和ふかわ・としかず)、斉藤(さいとう)りさ、加瀬信行(かせ・のぶゆき)、小野寺丈(おのでら・じょう)と、今回オリジナル・キャストをここまで結集させ、15年後の姿を描いているのは、まさに奇跡的であるとしか云いようがない!

 まあミドリカワ・マイを演じた山田まりやが今回出演していないのは確かに惜しいところではあるのだが、マイは『ダイナ』最終回(第51話)『最終章III 明日(あした)へ…』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971211/p1)の直後に、スーパーGUTSをショックで退職したと考える方がリアルではないか(笑)。


 最終回でアスカが「光の世界」へ旅立ったとして幕となったことは、当時マニアの間で賛否両論を巻き起こし、一部では「アスカは死んだのでは?」と解釈する向きもあったほどだ。

 が、結果論ではあるものの、そういう結末にしておいたことで、映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE(ザ・ムービー)』(09年・ワーナー)に、それこそ次元を超えてダイナを昭和ウルトラ直系のM78星雲「光の国」の世界の物語に無理なく登場させることができたわけであり、それまであり得なかった昭和・平成のウルトラマンが共演可能となったのだから、世の中何が幸いするんだかわからないものである。

――映画『大決戦! 超ウルトラ8兄弟』(08年・松竹・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101223/p1)での昭和と平成ウルトラマンの共演はなぁ……ちょっと違うだろ(笑)。――


 スーパーGUTSの出演場面は確かに短いのであるが、エンディングでは『ダイナ』最終回の結末に納得できなかった人々なら感涙必至、たとえて云うなら『ウルトラマン80(エイティ)』(80年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971121/p1)初期第1クールの学校編を見事に完結させた『ウルトラマンメビウス』(06年)第41話『思い出の先生』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070218/p1)的演出が用意されているので、エンディングが流れ始めても絶対に席を立たないこと!



 ダイナと共にコスモスが今回メインとなっているのも、もちろん春野ムサシを演じた杉浦太陽(すぎうら・たいよう)が、現在では数々のレギュラー番組を持つ、メジャーな存在に昇格していることから、話題性優先の措置ではあるものの、本作が製作された2011年は『ウルトラマンコスモス』(01年)の放映からちょうど10周年という、まさにメモリアル・イヤーの年でもあった。

 当時「怪獣保護」という異色の路線がマニアの間でかなりの物議を醸し出したこともあり、平成ウルトラ3部作や近年の『メビウス』などの人気に比べ、半ば「黒歴史(くろれきし)」的な扱いをされていたこともあったため、この機会に『コスモス』をひっぱり出してアピールしておいたことは、個人的には正解だったように思えるのだが。


 ムサシが子供たちに語りかける話の中で、彼が怪獣保護組織(笑)・TEAM EYES(チーム・アイズ)の同僚だった森本(もりもと)アヤノと結婚、ソラと名づけた息子と共に、幾多の怪獣たちや、怪獣を凶暴化させていた元凶だったものの、『コスモス』最終回(第65話)『真の勇者』でコスモスに改心させられた(笑)カオスヘッダーまでもが、コスモスペースの遊星ジュランで平和に共存しているという、『コスモス』のその後までもがキッチリと描かれているあたり、単なる話題性だけでは終わっておらず、秀逸であると思える。

 『コスモス』終了後もファミリー劇場の『ウルトラ情報局』(03〜11年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070701/p1http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070708/p1http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071125/p1http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090419/p1)で長年ナビゲーターを務めあげ、新作の空白期間にウルトラの人気を持続させることにおおいに貢献、先ごろ結婚したらしい鈴木繭菓(すずき・まゆか)が、今回もアヤノ役で出演していることもポイントが高いであろう。



 それらサプライズゲストの面々に比べると、タレントのビートたけしが率いていた「たけし軍団」の一員のコメディアンから政界に進出、第52代宮崎県知事を務めた東国原英夫(ひがしこくばる・ひでお(※)が演じたバット星人の声があまりに加工が強すぎ、ほとんど誰が演じているのだかわからなかったのはあまりに残念でならないものがある。

 『ウルトラ銀河伝説』で悪のウルトラマンベリアルの声を吉本興業所属の雨上がり決死隊宮迫博之(みやさこ・ひろゆき)、究極生命体レイブラッド星人の声をプロレスラー蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)、ウルトラマンキングの声を元内閣総理大臣小泉純一郎(こいずみ・じゅんいちろう)が演じたことはマスコミでも大きく扱われたが、演技の技量はさておき、ちゃんと本人が演じていることが作品でハッキリと識別できたからこそよかったのである。

 それが今回はなぁ……これなら『ウルトラ銀河伝説』でウルトラの母を演じた、モデル&女優の長谷川理恵はせがわ・りえ)の声をおおいに加工してほしかった(爆)。



 さてここからは本作に対し、個人的に残念に思う点をあげてみる。


 華々しさに欠けるという点では、なんと云っても今回の昭和のウルトラ兄弟の、あまりの影の薄さである。

 ただでさえ出演場面が短いうえ、まったくバトルを演じることがないのである。

 バトルを演じるのは、あくまでゼロ・ダイナ・コスモスのみなのである。


 映画『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』(06年・松竹・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070128/p1)に登場したU(ユー)キラーザウルス、『超ウルトラ8兄弟』に登場したギガキマイラ、『ウルトラ銀河伝説』に登場したベリュドラと、近年のウルトラ劇場版のラストに登場する怪獣は超巨大な奴が主であり、だからこそ、多人数のウルトラマン、昭和・平成のウルトラマンたちの共同戦線を描くことができたのである(これが普通サイズの怪獣だったならば、完全にただの「集団イジメ」である・笑)。

 しかしながら、今回登場するハイパーゼットンの完全体・イマーゴは身長70メートル、体重4万トンと、怪獣としてはまあ普通サイズである(笑)。

 要するに最初から多人数のウルトラマンと戦うことを想定・計算してつくられた怪獣ではないことは確かである。


 ネット上の本作に対する評では、「今までの怪獣はデカすぎて、かえってバトルに迫力がなかったので、今回のハイパーゼットンはよかった」なんて意見が結構あったりするのだけれど……マジかよ!?(笑)

 みんな昭和と平成のウルトラマンが共演するのを観たかったんのと違うのか? そんな普通サイズの怪獣やったら共演なんて無理やんけ〜!(笑)


 ハイパーゼットンの設定に関しては、後述するように本作のテーマにからむ部分でもあるからやむなしとしても、仮にラストバトルにからまなくとも、ウルトラ兄弟を魅力的に描くことはいくらでもできたハズである!


ハヤタ「怪獣墓場からも、複数の怪獣が奪われたという情報がある」


 そういうのをなんでセリフひとことで済ませちまうかなぁ……


 バット星人の巨大な宇宙船が、怪獣墓場から怪獣たちを奪おうとするのをウルトラ兄弟が阻止しようとするが、防ぎきれずに十数体は奪われてしまうとか、導入部でそれを描くだけで、ウルトラ兄弟の活躍はもちろん、昔ながらのミニチュア特撮だけではない、最新のデジタル技術も披露でき、世界観・スケールの大きさ、空間的広がりを見せることにもつながり、いいことずくめではないのか!


 あと今回の地球はダイナ以外、これまでウルトラマンが出現しなかったという設定(『ダイナ』世界の地球とはまた別。ややこしい……)のため、次元を超えることができるゼロしか来れなかったということになるのだろうが(コスモスがなぜ現れたのかは正直謎!・笑)、そこはそれ、「ウルトラ5重合体!」とかして、次元を超えてゼロの危機に駆けつけるとか!



 テレビ東京で放映中の『ウルトラマン列伝』(11年)第39話『<特別総集編>超決戦! ウルトラヒーロー!!』では、『サーガ』公開と連動して以下のような内容のものが流された。


「バット星人のつくりだした怪獣はハイパーゼットンだけではなかった……!

 「怪獣兵器」として甦った歴代の強敵怪獣たち!

 アントラーパンドン、ブラックキング、ベロクロン、タイラント! 映画では観られない怪獣兵器軍団とウルトラ兄弟との壮絶バトルを、TV『ウルトラマン列伝』で見届けよう!」


 これを裏づけるように、『てれびくん』特別編集による本作のパンフには、初代マン対磁力怪獣アントラーセブン対双頭怪獣キングパンドン、ジャック対用心棒怪獣ブラックキング、エース対ミサイル超獣ベロクロン、レオ対暴君怪獣タイラントのバトルが、なんとハイパーゼットンとの最終決戦場で撮影されたものが掲載されているのである!


 そればかりではない!

 同じページのすぐ真下には、初代マン=ハヤタを演じた黒部進(くろべ・すすむ)、セブンモロボシ・ダンを演じた森次晃嗣(もりつぐ・こうじ)、ジャック=郷秀樹(ごう・ひでき)を演じた団時朗(だん・じろう)、エース=北斗星司(ほくと・せいじ)を演じた高峰圭二(たかみね・けいじ http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070630/p1)、レオ=おおとりゲンを演じた真夏竜(まなつ・りゅう http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090413/p1http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090426/p1)が、グリーンバックを背景に、それぞれの変身ポーズをバッチリと決めるカットまでもが掲載されているのだ!

 さらにその左には、初代マンの変身パースのカットまでも!

 一体どういうことなんやコレは???


 バット星人の怪獣兵器はゴメスグビラ、アーストロンばかりでなく、アントラー、キングパンドン、ブラックキング、ベロクロン、タイラントも存在しており、それらを倒すために、どういう経緯だか不明だがウルトラ兄弟は昭和ウルトラとは違う異次元の地球に集結、そして変身場面までもが、本来は「映画用」に撮影されていたようなのである!

 それが尺の関係で本編からははずされてしまい、『列伝』に回されてしまったというのが真相のようである。


 んなアホな! 「映画では観られない」ってどういうことや? 普通は「テレビで観られない」ものを映画で観せるのと違うんか?

 これは見当違いもはなはだしいように思えてならないのである(笑)。



 地上波では放映されていない地域も多い『列伝』に登場させるより、映画に登場させる方が、バンダイソフビウルトラ怪獣シリーズ』もはるかによく売れるに違いないのである。

――実際グビラソフビは、『列伝』の放映とリンクして毎月発売される、平成ウルトラ登場怪獣なんか比べものにならないほど売れており、ハイパーゼットン並みの注目を集めているくらいなのである。

 これはやはり回転するドリルという、生物的なリアルさとはおおよそかけ離れた武器を持っていることが、子供に大きなインパクトを与えていると思われるのだ。怪獣デザインってそういう点が大事なのだ!――


 キングパンドンだって、『超ウルトラ8兄弟』公開時に発売されたものを、今回の目玉として再販することが可能だったはずである。

 新作のテレビシリーズ放映がないのだから、映画公開時に関連商品を徹底的に売っておかねばならないのだ。そうでなければ、新作の製作がますます困難になっていくばかりなのである。


 本作のバンダイ発売の関連商品としては、変身アイテムの『DX(デラックス)ウルトラマンサーガブレス』(3675円・ASIN:B006G3R6NE)と『ドラマチックサウンド DXウルトラマンサーガ』(3990円・ASIN:B006G3R6Q6)など、高額商品は数えるほどしかなく、あとは食玩やカプセルトイなど、数百円単位の極めて単価が安いものばかりである。

 大型基地や合体巨大ロボ(その意味でも作品にこれを出せ! と思うのだが……)といった、高価な合金製の玩具を発売できないのが近年の作品の難点であるのだが、ならば最大の主力商品である、840円の『ウルトラヒーローシリーズ』『ウルトラ怪獣シリーズ』の数を売るしかないのである!


 その意味でも多数のヒーロー・怪獣を劇中で最大限に活躍させることが必須条件となってくるのである!

 なんでバンダイがこういうことにもっと口出しせんのかなぁ……



 そうした面ばかりではなく、商業的な戦略として考えるなら、やはり近年のライダースーパー戦隊の劇場版と比較すると、どうしても見劣りしてしまう印象を受けるのである。

 作品自体の優劣ではなく、映画『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』(11年・東映)しかり、映画『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』(11年・東映)しかり、映画『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGA MAX(ムービー・たいせん・メガマックス)』(11年・東映)しかり、映画『海賊戦隊ゴーカイジャーVS(たい)宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』(12年・東映)しかり、女児向けアニメ『映画プリキュアオールスターズ』(09年・東映)シリーズしかり……

 皆『サーガ』のような近作ヒーローのみではなく、新旧のヒーローを総動員してラストバトルを繰り広げているのである!


 『フォーゼ&オーズ』は最新ヒーロー『仮面ライダーフォーゼ』(11年)、前作『仮面ライダーオーズ』(10年)、前々作『仮面ライダーW(ダブル)』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100809/p1)に加えて、昭和の7人ライダーが集結した作品であった。もしこの作品に、あるいは平成ライダー劇場版史上、最大最高の興行収入をあげた(!)『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』(09年・東映・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20091213/p1)に、新旧ヒーロー大集合! 的な要素がなかったら、興行的にどうなっていたであろうか、とつい考えてしまうのである。


 近年の平成ライダー人気・勢いを思えば、それがなくともある程度の興行成績は残すことができたには違いない。実際これらの作品においては、昭和ライダーの登場はゲスト的扱いにすぎないものではあった。

 しかしながら、昭和の「7人ライダー」登場のニュースは、昭和のライダーに放映当時熱狂した子供たち、現在の40歳前後から50代前半という社会の中核に位置する世代を「ビビッ」と来させるものなのである!

 これがあるのとないのとでは、今や世代人たちが記者となっている各マスコミの扱いは格段に違ってくるわけであり、ひいては興行成績を左右することになると考えるのだ!



 『サーガ』もそうであったが、ウルトラの劇場版では父親と息子という組み合わせで観に来ているパターンが多く、母親や娘の姿はあまり見かけないのが実情である(筆者は『サーガ』を4回観たが、やはり今回もそういう印象を受けた)。

 仮に母親がいたとしても、平成ライダー劇場版で見かけるような、いわゆるイケてる感じの女性はほとんど見かけない。これは厳然たる事実である。


ディズニーとか『長靴をはいた猫』だったらカワいくてオシャレだからいいけどぉ〜、ウルトラマンオタクみたいだからダサくてイヤ! アンタ連れてってあげてよぉ〜」(笑)


 DAIGO、つるの、杉浦の出演は、そういう人々に対する方策かと考えてさしつかえないかと思うが、そんなわけで一般層の父親は息子をしぶしぶ劇場に連れていくことになる。

 マニアでもない限り、子供向けのヒーロー映画なんぞ、鑑賞するのはツラいことであろう。この際、日頃のたまった疲れを癒(いや)すために、ゆっくりと寝させてもらうとするか……


 だが『ゴーカイジャーVSギャバン』では、『海賊戦隊ゴーカイジャー』(11年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20111107/p1)の現役視聴者である就学前の幼児の父親層に多い、30代半ばから後半くらいの世代に思い入れが強いと思われる、『宇宙刑事ギャバン』(82年)の主人公ヒーロー・一条寺烈(いちじょうじ・れつ)=ギャバンを、当時と同じく大葉健二(おおば・けんじ)が演じ、大活躍を繰り広げていたのである!


 現在の技術で再現されたギャバンへの変身、「蒸着!」のシーンに、懐かしのナレーションまで加えられたことにより、思わずスクリーンを食い入るように見つめてしまった一般層の父親も、きっと多かったことと思うのである。

 オレもガキの頃はそうだったのだ! と気づかされ、今後は息子の付き添いとしてばかりではなく、積極的にヒーロー作品の新作にアンテナを向けてくれるキッカケになったとしたら大成功なのである!



 近年の興行成績の低迷から、話題性を優先して人気タレントを総出演させ、それらを中心とした作劇としたこと自体は決して誤りではない。むしろそれはおおいに正しいことである、と個人的には考える。

 しかしながら、そればかりでは新たな客層を獲得することができたとしても、66〜68年の第1次怪獣ブーム、71〜73年の第2次怪獣ブーム(74年には既にブームは去っていたと解釈すべきであろう)、78〜79年の第3次怪獣ブームの熱狂を体感した、ウルトラマンが現在よりもはるかに人気のあった頃を知る世代、40〜50代の人々の心の琴線(きんせん)を揺り動かすことはできないのである。


 事前情報を知った古い世代のマニアであれば、AKBだのDAIGOだのウザいのが出てるわ、昭和のウルトラ兄弟もロクに出てないという理由で、あえて『サーガ』は観る必要なしと判断した人も多かったことと思える。

 特撮同人界においても、今のウルトラは観る気にも語る気にもならないとして、その存在価値は凋落(ちょうらく)の一途をたどっている。本誌とて決して例外ではない(爆)。

 いや、むしろ近年のウルトラは過去の遺産=ウルトラ兄弟だの光の国だのに頼りすぎているからダメなのだ! とする若い人々の意見は、確かに一理あることとは思える。


 しかしながら、先述した近年の東映ヒーロー作品のオールスター映画の興行的大成功の例を考えれば、やはり特定の世代にウケるだけではなく、老若男女(ろうにゃくなんにょ)幅広い世代の人々に楽しめるようにしなければ、映画がヒットすることはおぼつかない、ということになるかと思えるのである。

 だからこそ、ライダースーパー戦隊よりも長い、45年という歴史の間に蓄積された「過去の遺産」をおおいに活用する方が、戦略として極めて有効であるとオジサンは考えるのであるが、いかがだろうか?

 それぞれの世代に、それぞれのウルトラマンがいるのだから……



 さて長々と書いてはきたが、そうした見た目の派手さ・華やかさよりも、今回『サーガ』が優先したのは、やはりドラマ・テーマであった。

 その意味でも、怪獣や怪事件への驚きを作劇の中軸とした第1期ウルトラではなく、人間ドラマやテーマ性の方を重視した第2期ウルトラ的な作劇ではあり、第2期ウルトラ支持派である筆者としてはうれしくもあるのだが、同時に実はこれが筆者的には前々作『ウルトラ銀河伝説』や前作『ベリアル銀河帝国』に比べると本作の最大の弱点に尽きると考えてしまうのだ。


 タイガがゼロへの変身を拒否し、怪獣との戦いから逃げ回っていたのは、決して彼が弱い人間であったためではない。

 タイガはダイナが活躍していたネオフロンティアスペースにおいて、15年前に怪獣のために両親を亡くしていた孤児であった。

 たとえて云うなら、『ウルトラマンタロウ』第38話『ウルトラのクリスマスツリー』に登場した、第5話『親星子星一番星』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071230/p1)におけるタロウと大亀怪獣キングトータス&クイントータス&ミニトータスとの戦いで両親を失った少女・ひとみと同じ境遇である。

――ちなみに、この回の回想場面で第5話のバンクフィルムが使用されたのは、たまたまそれにふさわしかったからと、適当に選ばれたのにすぎなかったのかもしれない。

 しかしながら、この回は大亀怪獣の保護を防衛組織ZAT(ザット)が主張、攻撃を指令する上層部と対立する図式が描かれており、タロウもまたウルトラセブンの協力を得て、怪獣の親子をウルトラの星に連れていくという、一見「美談」で終わっている。

 しかしその美談の裏では、実は両親を失った悲しい少女が存在した、という事実を強烈にあぶり出すことで、怪獣に罪はなかったとはいえこれを即座に排除しなかったZAT、そしてウルトラ兄弟の選択が本当に正しかったのか? と、激しく揺さぶりをかけているようにも深読みできるのだ!

 これは偶然だったのか、意図的だったのか、おおいに気になる!――


 ダイナが出現する前に、残念ながらタイガの両親は命を失っていた。

――これも『タロウ』第38話のように、『ダイナ』のいずれかの回、たとえば第13話『怪獣工場』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971202/p1)・第30話『侵略の脚本(シナリオ)』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971207/p1)の姉妹編とか第28話『猿人の森』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971208/p1)など、コミカルだったり怪獣を退治しない一見「美談」の回において発生した出来事だったとして設定されていたならば、ひとみ並みの多面的なテーマを背負ったキャラクターが形成されたこととは思うが、現在では権利関係の諸事情から、過去作品の場面を流用するのに手間も金銭もかかるようなので、やむを得ないところではあるだろう。

 なお、『ダイナ』第7話『箱の中のともだち』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971203/p1)では怪獣災害孤児施設が登場しており、まだ初期編である第7話の時点で入所していた可能性は低いにしても、タイガはその出身であるとの設定があってもよかったように思える――


 子供時代のタイガが廃墟の中を泣きじゃくり叫びながら両親を探すシーンは、子役の迫真の演技力もあって、観ているこちらもつい涙ぐんできてしまう。


 ダイナのことは決して恨んではいないと云うタイガもまた、個人的には「私はガメラを許さない」と長年遺恨を抱き続けるような逆恨み少女の描写よりも道理がわかっているナチュラルな人間描写でリアルにも思えるけど、以来ずっとひとりで生きてきたため、いまさらウルトラマンの力を借りる気にはなれないと、タイガは中盤で真相をゼロに告白する。


 『ウルトラマン80』最終回(第50話)『あっ! キリンも象も氷になった!!』で、防衛組織UGMは冷凍怪獣マーゴドンを自分たちの力だけで倒し、遂にウルトラマンに対する依存心を断ち切り、自立することとなる。

 『80』の25年後の世界を舞台とする『ウルトラマンメビウス』では、防衛組織GUYS(ガイズ)はウルトラマンであるメビウスを「仲間」として扱い、怪獣との戦いではメビウスを実に的確にアシストし、倒すキッカケをおおいに与えていた。

 人類はウルトラマンと対等に渡り合える存在として昇華したのだ!


 これらを踏まえて考えれば、ウルトラマンに依存したくない主人公が設定されても決しておかしくはない。むしろ自然な流れでもある。

 ゼロへの変身を拒否するくらいだから、ウルトラ兄弟の力なんぞ尚更(なおさら)借りるはずもないのである。

 尺の都合のことは置いておいて、歴代ウルトラシリーズの変遷も考慮すれば、こうした『サーガ』の主人公の人物設定の時点で、ウルトラ兄弟のラストバトルへの参戦は見送られた、とテーマ面では好意的に解釈することも可能ではあるだろう。


 タイガは、チームUが実は素人の女性たちの寄せ集めの集団であり、戦闘のプロフェッショナルではなかったにもかかわらず、子供たちを守るために必死で戦ってきた事実を知り、戦う決意を固めていく。

 DAIGOやAKBの意外な好演もあり、後半の展開は確かに感動的ではある。


 ただヤフーの映画レビューを見ると、そうした部分ばかりを賛辞する声が圧倒的に多く、映像面の魅力についてはほとんど言及されていないことが多少気がかりではある。

 ウルトラの劇場版とは、そうしたテーマ・ドラマを観るものなのだ、などという認識が、観客の方にまで浸透してしまっているのだろうか?



 肝心の興行成績についてだが、観客動員数で公開第1週は第4位、第2週は第7位であった。

 『サーガ』以外は順位にほとんど変動がなく、逆に『サーガ』の第1週の時点で第7位だった『長靴をはいた猫』が、第2週で『サーガ』と入れ替わる形で第4位に踊り出るという、極めて妙な現象が起きてしまっている。

 『めざましテレビ』『笑っていいとも!』『めちゃ×2イケてるッ!』などの高視聴率番組(ナゼか妙にフジテレビが多い)において、DAIGOやAKB、つるのに杉浦が出演、派手に宣伝してくれてもやっとこれだけの成績である。

 逆に云うなら、それがなければもっと下位に甘んじていたということになるのである。


 もはや『ドラえもん』も『プリキュア』も観ないような、小学校高学年の女子、それも全身ファッショナブルにキメた、結構美形の2人組が『サーガ』を観に来ていた。これまでのウルトラの劇場版ではまったく見かけなかった客層である。

 そんな女の子たちが、公開記念特典でもらえた『ウルトラコミックブック』を興味深げにパラパラめくっていた。彼女たちにとっては、完全に初めて目にする世界であったことだろう。


 やはりDAIGO、AKB、つるの、杉浦の効果は大きかったのだ。

 キッカケは何であれ、意外に面白かったと思ってもらえれば、親戚や隣近所の小さな子供がいる家庭や、同級生の男子に勧めてもらうことも可能であり、その全てではなくともたとえ一部でも動員することができればもうけもんなのである!

 そして彼女らが結婚して家庭を築いたとき(その頃もウルトラの劇場版が製作されていればの話だが・笑)、『サーガ』のことを思い出してもらい、家族で劇場に足を運んでもらえたなら……

 そうした将来的な展望をも見据えた、戦略としては立派に機能した選択であったと、人気タレント総出演は評価されてしかるべきである。


 だが、こういう手段はそうそう毎回通用するものではないだろう。

 エースだった前田敦子(まえだ・あつこ)の卒業もあり、AKB48の人気さえもまた、いつまで持続するかはわからないのである。

――どうやらAKBファン的には完全にそっちに話題を持っていかれたようで(笑)、なんとも間が悪かった。12年度のAKB総選挙はどうなることやら? などと語る場ではないので遠慮しておく(笑)――


 まあ、その時点での話題性の強いアイドルを毎回出演させるというのは戦略としては有効ではあろうが、それこそ『フォーゼ&オーズ』に出演した、ハロー・プロジェクト所属の真野恵里菜(まの・えりな)が変身した仮面ライダーなでしこ(笑)みたく、今度は彼女らをウルトラマンに変身でもさせないことには(笑)、今回を超えるインパクトを世間に与えることは極めて困難であるように思えるのである。


 もっとも本来ならばそういうことをしなくても、客を呼びこめるようになることが確かに理想なのである。

 実際先述した新旧ヒーロー集合の東映ヒーロー作品の劇場版には、マニアには印象深い、過去作品のヒーロー&ヒロインを演じた俳優がサプライズ出演しているものの、世間一般でメジャーな大物の俳優・タレントはさほど出演してはいないのである。

――夏休み興行などの劇場版には、渡辺裕之、GACKT(ガクト)、吉川晃司(きっかわ・こうじ)、それこそおもいっきりメジャーでおもいっきり大物の時代劇俳優である松平健(まつだいら・けん)まで出たことは置いといて(笑)。――


 そんな新旧ヒーロー集合ものが、初登場1位! なんて興行成績をあげていることから考えれば、そろそろ円谷もどうすればよいか、答えはもう見えていると思えるのであるが。



 まあ今回は、照れることなく気取ってオシャレにしてみせるのでもない、ブレずに真正面から堂々と暑苦しい(笑)演出をしてみせるのが真骨頂の、おか監督のあまりに高い演出力が、新旧ヒーロー共演より人間ドラマ優先寄りになった場合の、長所と短所を実にハッキリと露呈させる結果になったといったところか。

 だが、ある点では前回の『ウルトラマンゼロ THE MOVIE』(監督 アベ・ユーイチ)以上にファンの評価を集めた、映画連動企画『ゼロ THE MOVIE』前日譚のビデオ作品の傑作、あの『ウルトラマンゼロVSダークロプスゼロ』をつくったおか監督だもの。今回は初監督の映画ということで、多少気合いの入れ方の比重を誤っただけなのかもしれないと考えたい(笑)。


 おか監督、あなたなら、「もっとカッコいいウルトラマン」がつくれます! 私はそう信じてます!

 だからウルトラも…… 「あきらめるな!」(笑)


2012.4.11.



(※)


 今回バット星人の声を演じた東国原氏は、実は以前、怪獣のスーツアクターを務めたこともある。


 バラエティ番組『ギミア・ぶれいく』(89〜92年・TBS)の企画で行われた「動物さんチームVS怪獣さんチーム対抗ラグビー戦!」において、「そのまんま東」名義の氏はかつて東宝映画のスター的存在だった、水爆大怪獣ゴジラの着ぐるみ姿で試合に出場していた(笑)。

 これはプロのラグビー選手が動物の、たけし軍団が怪獣の着ぐるみを着用してラグビーの試合をするという、まさに殺人的な無謀な企画であり(笑)、たけし軍団はともかくラグビー選手の方もかなり参っていたように記憶している。

 ちなみに怪獣さんチームのメンバーとしては、これまたかつては大映(現・角川大映)のスターだった大怪獣ガメラ異次元宇宙人イカルス星人、地底怪獣グドン、L85星人ザッカルなどがいたように記憶している。


 また日曜昼に放送されていた、東国原氏の師匠であるタレントのビートたけしが司会を務めていた『スーパーJOCKEY(ジョッキー)』(83〜99年・日本テレビ)において、たけし軍団が体をはってさまざまなものに挑戦する『THE(ザ)ガンバルマン』なる名物コーナーがあった。

 この中で、放送開始当初の83年頃、たけし軍団を半分にわけ、それぞれウルトラマンと怪獣のコスチュームを着せ、普通に格闘をさせたほか、着ぐるみ姿でメロドラマや学園ドラマを演じさせたりしたのだが(笑)、この際に東国原氏がどちらを演じていたのかは、残念ながら記憶していない。

――怪獣は当時地方の「ウルトラマンショー」によく出てきたようなアトラク専用のオリジナル怪獣だった。

 ちなみに、94年春に東京・日本橋の百貨店・高島屋の屋上で行われた初代ウルトラマンのショーでさえ、まだそんなアトラク専用の着ぐるみが使用されていたものだ(笑)。

 しかも、怪獣たちを率いていたのは『仮面ライダーBLACK(ブラック)』(87年)に登場した大ワシ怪人であり(羽根がなかった・笑)、初代マンがピンチになる場面では『仮面ライダーV3(ブイ・スリー)』(73年)の劇中音楽が使われていた(爆)――


 なお、この番組で90年頃、たけしの相方・ビートきよしが、懐かしのヒーローをお笑いネタとして紹介するコーナーがあった。

 その中で、『電人ザボーガー』(74年・ピープロ フジテレビ)は二度もネタにされていたものだった。

 主人公・大門豊(だいもん・ゆたか)のあまりにオーバーな演技とか、ザボーガーが人型ロボットからバイクに変形する場面が、スタジオを爆笑の渦に巻きこんだからである。

 思えば当時は80年代末期に起きた連続幼女誘拐殺人事件の容疑者で、アニメ・特撮マニアだった故・宮崎勤(みやざき・つとむ)が逮捕された直後であり、オタクに対して史上最も逆風が吹いていた頃であった。

 そうしたジャンル作品は、世間ではそのように受容されるしかなかったのだが、現在と比べるとまさに隔世の感がある。

 ちなみに当時この番組のアシスタントを務めていたのは、現在では民主党の国会議員となっている蓮舫(れんほう)であった。

 若い人々はそんな過去を知る由(よし)もなかろうが、実際彼女は当時のことを全て封印してしまっている(笑)。


(了)

(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2012年春号』(12年4月15日発行)〜『仮面特攻隊2013年号』(12年12月29日発行)所収『ウルトラマンサーガ』合評2より抜粋)


『假面特攻隊2013年号』「ウルトラマンサーガ」関係記事の縮小コピー収録一覧

スポーツ報知 2012年3月24日(土) レッツゴー!!特撮HOCHI なんでAKB!? ウルトラファンの考え方覆したい 女性防衛隊「チームU」リーダー秋元才加 ウルトラマンサーガきょうから劇場公開

スポーツ報知 2011年11月11日(金) DAIGO変身!! ウルトラマン新作映画初主演 来年3月公開「―サーガ」

スポーツ報知 2012年1月20日(金) DiVAが主題歌 ウルトラマンサーガ 共に戦う「チームU」役で出演

東京新聞 2012年1月10日(火) 放送&芸能 ウルトラマン45年3ヒーロー集結 3月、劇場版公開



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