『ITアーキテクト』誌が休刊に

雑誌『ITアーキテクト』が9月号で休刊することを知った。雑誌で休刊といえば、実質的には廃刊を指している。復活することはまずないだろう。

思い起こせば、約3年前に執筆した『ITアーキテクト x コンサルタント 未来を築くキャリアパスの歩き方』も、当初は好調で3刷までいったが、これ以上は増刷をしない方針となっている。出版社が「廃版」宣言をしないにしても、書店の棚から自然消滅するのを待つばかりの状態である。

マーケティング的には増刷して在庫を抱えるよりも売り切りたいということだろう。ただ、拙著は、Amazonでコレクター商品として定価の3倍程度で売られていることもある。希少品ということだが、いまだに読者ニーズがあるということかもしれない。

出版業界的にはバズワードで儲ける時期はとっくに過ぎたということだろうが、ITの現場では、アーキテクト自体の重要性は、時代が移っても変わらない。

「アーキテクト」という言葉が流行る以前から、アーキテクチャをデザインする人は存在したし、これからも存在し続ける。建造物に骨格があるように、システムの最適な骨組みをデザインする必要性がある限り、アーキテクトの役割はけっしてなくなりはしない。