2006-10-24 図書館情報学2

―承前
図書館情報学は、それ自体極めて学際的であると私は教えられた。が、何しろ「図書館」と冠しているので、図書館以外には適用できないように思われてしまう。図書館的な学問や技術というものが、いかに人々にとって役立ちうるものであるかを示せないのでは(ただし、「今すぐ」役立つものとは限らない)、図書館情報学自体が廃れるのみならず、利用者を満足させることも、呼び込むこともできない。
図書館情報学の要諦とは何であったろうか。図書館情報大学の成れの果てを見てみる。図書から情報システムまで扱う様々な科目が並んでいる。果たして共通するものは?
私にとって、図書館情報学の要諦は、情報を整理すること(Information Arrangement)であった。ここでいう「情報」は、図書館員が好きな「情報」という言葉よりずっと広い意味だ(例えば『情報と生命』を読んでみよ)。加えて、「整理」は、図書館業をやっているとつい目録や分類のことを想起してしまうが、それよりはもっと一般的な意味で捉えるとよい。だから、Organizeという言葉を使わなかった。整理されている、というとき、必ずしも体系だっているとは限らないからだ。それに、(おそらくは十進分類が普及したせいで)「配列」という重大事に図書館員が無自覚になりすぎているように思われるから。
せっかくだから、ここで図書館情報学を再編してみようと思う。
- まず中心は、先に挙げたように「情報整理学(Information Arrangement)」。
- 次に、その「情報を整理すること」という概念に加えて、それを専ら得意としつつ、かつ伝統的な紙媒体資料―「書」―を最もうまく扱い、「書」における整理に卓越した者としての「司書」がある(図書館法における司書は忘れてよい)。これを「司書学(Library Service Science)」と呼びたい。従来、これはLibrarianshipと呼ばれてきたが、サービスという言葉の意義や、サービスサイエンスの近年の高まりを受け、英語をこのようにしてみた。
- 最後に、「認知科学(Cognitive Science)」である。これは、10-02分で書いたようなことを学問にしたものである。認知科学を図書館業に当てはめた議論は、総論として語られることは極めて少ないが、何度も書いてきたように、私は図書館サービスに欠かし難い視点であると思っている。情報整理学と司書学を繋ぐ糊のような役目を担ってくれるものと思う。
情報整理学 ― 司書学
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この3者の統合が新しい図書館情報学の姿だと考えている。そしてそれを図書館情報学とは呼ぶべきではない。
図書館という言葉を冠した途端、「場所」を思わせる。それはある意味では正しいが、いいかげんに「図書館サービスを受けるには基本的に図書館という場所へ物理的に移動せねばならない」という固定観念(そして最大最高の欠点)を捨てるべき、捨てさせるべきである。(なお、全てインターネットで、などという粗末な話ではない)
図書館の色を強く出したいなら司書学と呼ぶべきだし、学術性を強く出したいなら情報整理学と呼ぶべきだろう。
以下に、私の後輩が書いた文章を載せておく。なかなか要点を突いている。
図書館情報学は無名ですよ
いまさらと言う気もするけど、図書館情報学なんて世間では無名。。。
勉強してきたなんていうと大抵は、以下のような返答が返ってくる
- はぁ?図書館について勉強するの?なにを?並べ方?
- 本の勉強?
無名ゆえの悲惨な結末
さらに、院まで行って勉強したなんていうと
基地外を見るような目、もしくは哀れみを込めた目で見られると言うオマケつき
良くて好事家、悪きゃ親不孝者呼ばわり(これはマジで言われたことがある)
頑張って耐えるとよいですよ > 修了予定者 特に田舎に行くんならね
// この辺は、色々聞いてみたい気がする点ではある。
ギャップの原因、それは図書館
まぁ、面倒くさいからその辺は流して置くんだけど
この辺の「勉強した人間と一般人との間のギャップ」って言うのがどこから生まれるのかなぁっと
しばしば思うことはある
あちらからみたギャップ
多分問題点は「図書館」って言葉だと思うわけです
みんなこれに反応しすぎ
で、脳内で「図書館」→「司書」→「俺は司書じゃない」→「何のために勉強したの?」
となる
もしくは「図書館」→「本を置いているだけ」→「なにか問題が?」
特に後者は、自分たちを含む一時でも図書館に関わった人間の怠慢が招いた結果であって、悔やんでも仕方ないわけですが。。。
こちらから見たギャップ
でも、一般的に言う図書館って図書館情報学の一部のそのまた一部でしかないわけです
まぁ、図書館情報学の日本の公共図書館について専門的にやっている人を除けば
「いや、俺のやっていることとは違う」ってなことになると思う。
もしかすると彼らすら「違う」って言い出すかもしれないくらい
局所のイメージが全体のイメージになってる
本題、図書館とLibrary
じゃぁ、図書館情報学ってのは何だと本題に入るわけですが
図書館情報学は英語からの訳語だと思うんだけど、英語だと「Library and Information Science」
そりゃ、逐語訳すれば、図書館情報学だわなぁ
でもこれが間違いの元、もしくは旧時代的な残滓
いきなりの俺的な結論
実際には、図書館情報学って何をやってるかって言うと
結局「情報の収集蓄積及び利用に関する学問分野」と言うありきたりなところに辿り着くわけです
ありきたりなものなんだけど、これをどうひっくり返しても「図書館」なんて言葉が出てこない
もちろん、ここで言う利用って言葉は、単なる利用のほかに提供も含むさ
あと、蓄積には整理も入るよ
所詮図書館なんてのは、扱うべき対象の内の一つの事例に過ぎないわけで
そんなものを後生大事に学問分野の名前に残すほうがどうかしている
それならどんな名前がいいかと問われると困るけどな
要は、図書館にこだわるな
正直「図書館情報メディア」なんて言葉にも落胆しちゃう
ソコジャナイダロ、モットマエダヨ
Libraryと図書館
多分、Libraryって単語には「情報の収集蓄積及び利用」といった意味が内包されているんだと思う。コンピュータで言うところのライブラリとかね
そういった意味ってのが、日本語の「図書館」になった途端に消えうせて
かび臭い、薄暗い、陰気な建物なんてイメージに置き換わっちゃう
むしろ、本と言う物理的な媒体に強く結びついちゃう
で、なにをトチ狂ったのか俗に言う「文学少年や文学少女」が迷い込むっと
図書館も一応フォローしておかないとね
もちろん、「情報の収集蓄積及び利用」ってのを図書館が取り仕切ってた時代があるわけです
他のところが取り仕切ってた時代もあったけど。。。
その功績は自分だって又聞きの伝聞位には知ってますし、評価もします
じゃぁ、その昔の栄光を今に伝えるのが「図書館情報学」って学問の本懐かって言うと違うと思う
やっぱり、時代にあった名称ってのを纏う必要がある
忘れちゃいけないけど、看板にする必要も無い
ただカタカナ語にすれば良いって問題でも無い
それが何者かってことを表明しないとね
名前ってのはそういうものだし
でも世の中を見回してみると
じゃぁ、世の中はどうかというと
日本での図書館情報学が図書館と本の檻に入れられている間に世の中はずいぶん変わったというコトで。特に「蓄積」に関する状況は大きく様変わりをしている最中だと思う
図書館のイメージが無ければ、それなりに重宝がられる学問だと思う
たとえば、マスコミ
マスコミってのは情報の収集と利用がメインだったわけです、ある意味使い捨て
それがようやっと、作った情報を貯めて置くと金になることに気付きつつあるような気がする
たとえば、ネット
この分野は、蓄積のコストが他と比べて低いせいか、色々すき放題です
それでも、Internet ArchiveやGoogleのキャッシュが出てくる前は「蓄積」なんて概念が
一般的に存在しなかったわけですがね。それは今もか。。。
でもGoogleのキャッシュ以降、同様の機能を備えたものが出てくるってのはそういうコト
まぁ、大手も増えていくスピードが速すぎて対応しきれていないのが現状だろうけど
当面は、文字列検索で頑張ってください
終わりにかえて、俺的説明 図書館情報学
俺が図書館情報学を人に説明するときにはチラシの話を例に取ることが多い
〜〜
チラシってのは、要は情報です。どこが安いとか、どんなものが出ているとか
まぁ、あれば役に立つものですよね
でも、あなたの目に届かなければ当然ゴミ。捨てられます。あなたも損もしないけど得もしない
そこにはお得なことが書かれているにも関わらず、あなたの手元に必要なときに無いとただのゴミなんです
もったいないですよねぇ
じゃぁ、その有益なことが書かれているチラシをですよ
あなたの必要なときに、有用なチラシを紹介しましょう
そうすれば便利ですよね
なにか必要になったときには、紹介してもらえばいいんですから
そのためには、あなたのことを知っておく必要があるし、
チラシも調べてまとめておく必要があります
チラシに載っている商品についても知っておく必要がありますよね
何が必要か、どんなときに必要か、
何が書かれていて、どうまとめるか、どう渡すか
そういうコトを勉強するのが図書館情報学です
〜〜
これで「チラシ配達?」なんて言われると目も当てられないけどね