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図書館断想 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2012-02-10 書籍風ソフトウェア このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

 電子書籍が始まる始まると言っていまいち始まらない昨今です。

 個人的には、電子書籍は紙書籍とは全くの別物だと考えている。紙書籍の利点や流通、消費のされ方は、紙書籍という形態をとっていることに密接に結びついていると考えるので。

 電子書籍は、商品として売りやすく扱うためには、「電子文書」という体裁/形態をとるのをやめないといかんのだろうなと思う。あくまで書籍風の「ソフトウェア」なんだと。

 ソフトウェアとして考えると、以下のような売り方ができるのかなと思った:

  • まず紙書籍で言う1冊ないし1章が売られる。
  • 訂正、追補等としてアップデータが(廉価で)売られる。
  • 改版レベルの更新については、旧版所有者は安価に新版を購入できる。

このようにすると、訂正されたということでまるごと買いなおす必要がなくなり、消費者としては嬉しい。いわゆる加除式資料の便利版という。作り手側も、一般書籍的でなく加除式資料的な作り方を指向する必要があるだろう。

 アップデータを適用すると、アップデートされた箇所だけ別の色で表示されて、そこをクリックすると旧バージョンの文章が読めて比較できるなど、旧データに積み重なる感じ。

 訂正箇所がはっきりと、このように変わりましたと表示されれば、利用側として旨みが増すだろうと思われる。紙書籍の場合、大きな訂正でないと、どう変わったのかわからないことが多々あった。単なる誤字修正といえど、読んでるほうは誤字だと思わないまま、ということがあり得たので、それがなくなるのはありがたい。(単に「正しい内容になる」ことと、「誤解が解かれる」ことの差は意外と大きい)

 さてこういった作り方と使い方ができるのは、それに適した内容じゃないといけないだろうから、どんなものでもこの調子ではいかないだろう。娯楽作品は特に。

 リファレンスとして使うもの(辞書、索引、目録類)、割と頻繁に更新される内容―例えば技術書―といったものが考えられる。


 娯楽作品は、以下のように二分するのではないかと思う:

  • 一作品あるいは一商品が短くなる。
  • ゲーム化する。

よほどハードウェアが進化しない限り、長い作品を画面で見続けることが一般化するとは考えづらい。数分〜10分程度でさっと読めるもの、小説ならショートショート、漫画なら四コマ相当のものが適するのだろう。

 さもなくばノベルゲーム、古くはゲームブックのような形態。要するに、文章を主体としつつ、+αをして、しかし紙書籍にオマケがついたようなものでなく、あくまでゲーム―オペレーションを予定するもの。


 何はともあれ、紙書籍のように、長時間かけて使い、また掲載情報が固定化されていることが前提の形態は全く適さない。局所的に利用あるいは短時間に消費、掲載情報は随時変更あり、というのがメインになるのだろう。

 その他の形態は、存在するとしてもメインにはなるまいと思う。


 図書館については――んー。少なくとも普通の書籍みたいに貸出だの何だのって考える筋合いのものではないね。データベースや電子ジャーナルの契約みたいな、一定のパッケージを買うっていうイメージしかできないなあいまのところ。保存は当然問題になるんだけど、それは一図書館がやるようなことではないし。やれることでもないしやるべきでもない。