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図書館断想 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2013-05-27 蔵書構成 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

 大学図書館の蔵書構成というのは、所属教員の専攻に多分に影響されるものであるが、選考にも影響される。


 教員採用の際に、誤解を恐れずに言えば「実力主義」を採るほどに、「この図書館には必要な本が無い!」という声が上がりやすくなる。

 どういうことかというと、教員採用においては、旧来からある講座(あるいは類似の組織)を維持しようとする力が働くので、すでにいる教員陣の専攻から外れるような専攻の人は、仮にその分野では実績があっても採用されにくい。

 丁寧に実績評価をして、あるいは幾分の賭けをして、講座から外れるような専攻でも実力がある人を積極的に入れていこうとする傾向を持つ大学・学部の場合、当然採用された教員の専攻に属する本はあまり備えられていないわけで、そういう人は「全然本が無いぞ」と感じることになる。

 しかしこれはこれで、それを機会に豊かな蔵書構成を作ることができるわけで、図書館にとってありがたい話になりうる。

 なので、新規採用教員の専攻については毎年気を配っておき、できることなら、その教員が本格的に活動し始めるに先んじて、その分野の本に目星を付けておくのが望ましい。

 そうした、専攻外の本も少しずつ集めるという姿勢が普段からあれば、新たな興味の喚起につながることもあろう。


 この逆のケースで、講座維持の傾向が強い大学・学部の場合、いつまで経っても蔵書構成が変わらないまま、ということになりうる(不思議なもので、講座に所属する人が替わっても、こういう「空気」は遺伝する)。

 もちろん、それで顧客のニーズは満たせているのであろうから、特段問題があるわけではないが、日進月歩で変化の激しい学問というものを対象とするにあって、将来における「不適応」を醸成することになってしまう可能性については認識しておいてもよい。

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