僕とはてなと「ウェブ進化論」

1年半前の自分エントリより。
正直、あんまり評価してないんだよね。あの本。

内容が「グーグル」「ロングテール」「ブログ」をサラサラっと触れている感じで、今読むと「あぁ、そんなこともあったよね」位の内容に感じてしまったのが正直なところ。ネットの「あちら側」と「こちら側」の話で情報(+システム)の供給者側と消費者側を分けてるってのも、ちょっと旧態然としたメディア業界の雰囲気というか、ビジネスのニオイを感じてしまった。

ウェブ進化論」では全体的にイメージされているネットワークが固定的な雰囲気で、ある情報の供給者⇒再発信者⇒再々発信者⇒…という一方通行の図式が読める。

wikipediaだったりamazonによるロングテール現象に対する説明ならそれで十分なんだけど、ブログによる相互コミュニケーションでは、ある情報の供給者⇒再加工発信者⇒再加工発信者⇒…というモデルが近くて、再加工発信者の情報受信者には元の情報供給者も含んだり、情報が時間的に、参加者の記憶を介して変異するネットワークになるだろうと想像した。情報供給者は受信者にも成り、受信した情報を再加工して発信しなおす。しかもそれを意識させないようなノードの集合をどう形成するかがアレなわけで、はてなブックマーク+ダイアリーっていう構成に今更ながら感心した今夜でした。

いや、はてなは使いやすいと思いますよ、ほんと。
相互作用による再帰的な記憶と記録の量産 - @katzchang.contexts

わかったようなわからないようなことを書いてるけど、一言でいえば、ウェブ進化論で語られた内容は「はてな」の進化とは異なる方向だっていう感想。
ウェブ進化論が言うウェブは、中心にコンテンツを核にしたサービスがあり、周りに参加者が集まるイメージ。他方はてなは、サービスはあるが中心のコンテンツは用意されておらず、参加者がコンテンツを持ち寄る感じ。しかも、そのサービスもかなり「緩い」感がある。ある程度の幅を持った使い方が出来るというか。「このサービスを使えば、あなたはこういうことが出来るようになるますよ!」的な押し付け感がないのが、逆に良い点じゃあるまいか。いや、正確にはそういうことをやろうとしてるんだけど、多様な使われ方故にプロモーションの的を絞れないというか。

要するに、ネットは自分が書いてナンボの世界ってこった。
相互作用による再帰的な記憶と記録の量産 - @katzchang.contexts

この考え方は今でも変わらないというか、むしろ今の方が強いです。