ごぶさたしています

このブログを1年以上に渡って放置してしまいました。申し訳ありません。


ひょんなことから、このブログの書き込みが、ご当人の四方源太郎さんのブログで話題になっていることを知りました。


http://gentaro.blog.ocn.ne.jp/ayabe/2008/06/post_9f79.html


話題にされること自体は別にいいんですが、源太郎さん(私にとっては、こう呼ぶのが自然なんです)が、


(1) このブログの書き手(私)の名前と職業を明記していることと、
(これについては、いまのところ特に実害はないので余り気にしていません)
(2) そして私の思想的背景について思わせぶりなことを書いていることは、


些か問題ではないかと思います。そのへんのことはすでに源太郎さんのブログのコメント機能でやり取りさせてもらいました。源太郎さんには真摯に、そして誠実に対応してくださったことを感謝しています。


そうそう、去年の京都府議選綾部市選挙区の選挙結果を書いていませんでした。



京都府議会議員選挙


2007年03月30日告示
2007年04月08日投票


綾部市選挙区(定数1 立候補者3)
有権者数 31205人
投票者数 19980人
投票率  64.03% 


当選 佐々木 幹夫 無所属新 9184票
落選 四方 源太郎 自民新  7390票 綾部市・四方八州男市長の長男
落選 山口 昭雄  共産新  3153票


「なんぼなんでもそれはあかんやろ」という声じゃないでしょうか?


鹿児島県議会議員選挙「いちき串木野市区」でも現職市長の実弟が落選しました。


いちき串木野市区(定数1 立候補者3)
有権者数 26206人
投票者数 18484人
投票率  70.53%


当選 吉留 厚宏 自民現  10149票
落選 田畑 和彦 無所属新  4930票 いちき串木野市・田畑誠一市長の実弟
落選 二町 一成 無所属新  3270票


それから、同一選挙区ではありませんし、選挙のレベルも異なりますが、2006年4月に行われた東広島市長選挙で、自民党中川秀直衆議院議員の次男中川俊直氏が敗北したことも、多くの人々の記憶に新しいことと思います。東広島市中川秀直氏の選出地盤である広島4区にすっぽり含まれています。


東広島市長選挙(立候補者2)


2006年04月16日告示
2006年04月23日投票


有権者数 135003人
投票者数  68956人
投票率   51.08%


当選 蔵田 義雄 無所属新 39326票
落選 中川 俊直 無所属新 28755票


日本では親族による「二重の統治」はさすがに忌避されるのかもしれません。あるいは、無意識か意識的かはともかく、意見や利益を表出する回路はできるだけ多元化しておきたいと考える庶民の知恵が反映しているのかもしれません。どのように説得的に説明できるのか、引き続きデータも集めながら考えてみたいと思います。日本政治史を専攻する者として、きわめて興味深いテーマでもあります。そのテーマで論文を書こうとは思いませんが。

京都府議選における地盤の世襲

3月9日の『京都新聞』朝刊より引用。

記事タイトル:陣容 '07統一地方選⑤ 京都府議選

> 綾部市
>
> 四方源太郎 33 会社員  自新
> 山口 昭雄 70 政党役員 共新
> 佐々木幹夫 57 団体役員 無新
>
> 三期目の自民現職が引退し、市長の長男が後継議席を目指す。
> この動きに反発して元市会議長の無所属新人が立候補を表明し、
> 保守層の動向が注目される。


いよいよ統一地方選挙が目前に迫ってきました。最近は現実政治にはあまり関心がなく、歴史や思想の方に関心を集中している私ですが、この記事には目を奪われました。四方立候補予定者、佐々木立候補予定者とも、知人だからです。


いや、本当に驚きました。国政・地方政治を問わず、二世議員は珍しくありません。それは、先代の議員が引退表明してから、地盤を息子やら娘婿やらに継承するというものがほとんどです。しかし、都道府県議員選挙の単独市選挙区で、在職中の市長の親族がその市の選挙区で出馬するというのは、かなりきわどいことではないでしょうか? 言うまでもなく、市長には市政を中心とする市域内のもろもろの情報が一元的に集中するからです。


それにしても、四方源太郎氏が自らのブログを「みんなが参加する、参加できるまちに」と題しているのは、本当に本人がそう思っているなら、イタすぎます。そういう「まち」を作りたいのであれば、市長をつとめる父親とは縁を切るぐらいの覚悟が必要だと思うのですが、当のご本人はブログのなかで「一部の人」しか享受できない地縁・血縁をフル動員していることを、平然と綴っておられます。源太郎氏にとっての「みんな」とは一体だれなんでしょうか? おそらく、あまり深く考えることなく、自分の近しいお仲間、自分が気に入った人を指して「みんな」と言っているのでしょうね。いやはや。


■四方源太郎氏のブログ
http://gentaro.blog.ocn.ne.jp/ayabe/


まだ33歳の源太郎氏ですが、こんなデビューをすると、かりに当選したとしても、一生、「十字架」を背負うことになるでしょう。かりに「自分たちは出馬準備の段階から親子の間でいっさいの情報やら金銭やら交際やらのやりとりを絶っていたのだ」と主張したとしても、不作為を証明することはきわめて困難です。もし四方八州男綾部市長が長男・源太郎氏にいっさい助言・援助をしなかったとしても、親子・親族のなかで蓄積されている集合的な知識が世襲候補にとって有利に働くことは間違いありません。


綾部市外に居住する「野次馬」(不謹慎な言い方かもしれませんが)の私としては、この選挙区は、本当に注目に値します。おそらく史上まれに見る興味深い選挙区だと思います。いい機会です。地方政治における世襲の問題をこれから考えていきたいと思います。

p.s.
鹿児島県の、いちき串木野市区で現職のいちき串木野市長の弟さんが立候補を予定されていることがわかりました。教えてくださった方に感謝いたします。こちらは、自民党公認の現職県議に対抗して、無所属で立候補されるので、政党の対立構図は綾部市区とは違いますが、こちらも行方を見守りたいと思います。

南日本新聞 373news.com 2006年11月28日
http://373news.com/_senkyo/index.php?ym=200611&storyid=1316

朝日新聞 asahi.com 2007年2月25日
http://mytown.asahi.com/kagoshima/news.php?k_id=47000270702250001

p.p.s.
この日記のリンク元を見ると、staroffice.city.ayabe.kyoto.jp ドメインのサイトから来ている方が最も多いのですが、さて、どこにどんなリンクが張られているのでしょうか? ご存じの方、ぜひ、教えてください。

月例研究会

立命館大学コリア研究センター月例研究会に出席した。

報告者:金愛景
題 目:最後の通信使行と饗応ー対馬での易地聘礼を中心に

1811年、結果的に最後となった朝鮮通信使の迎接は、江戸ではなく対馬で行われた。この報告では、その実施過程、特になぜ対馬に場所を変えて(易地)実施されたのか、その要因を、財政緊縮政策の面と朝鮮蔑視の広がりの2つの視角から検討したうえで、主たる要因は財政的な理由にあることが強調された。

芦田文夫先生の講演

以下の講演会に出席した。

■ 講師 芦田 文夫(立命館大学名誉教授)
■ 題目 立命館民主主義の到達点と課題
■ 主旨
 この第3回フォーラムでは、1400ページに及ぶ『立命館百年史通史2』編纂の中心となられた芦田文夫先生を講師にお招きし、「立命館民主主義の到達点と課題」というテーマでお話をうかがいます。
 1時間、お話をうかがった後、先生を囲んで自由な討論を行います。過去の歴史から何を学び、どのような学園をつくって
いけばよいかを考える機会にしたいと思います。
■ 日時: 5月25日(木)18:30 - 20:30
■ 場所: 中川会館 101会議室

 芦田先生は副総長まで務められた方で、60年代以降の立命館の歩みのまさに「生き証人」といえる。また、政策科学部設置準備委員会の委員長でもあった方。立命館がこれまで構築してきた全学合意形成システムの強み、良さを知り抜いておられるだけに、ここ数年目立ってきた「おかしさ」の原因・病巣をつかむためにたいへんに参考になるお話をうかがうことができた。 終了後は、芦田先生にお時間をいただき、事務局メンバーら5人でささやかな懇親会を開いた。

【メモ】
・国際関係学部の創立には、単なる新たな教学の創造のみならず、学園全体の「国際化」を進めるための中核組織づくりという意図がこめられていたらしい。
・APU創立にいたる過程のどこかに、学園のターニング・ポイントがあったのではないか?(仮説)

元旦

韓国現代史 (岩波新書)
文京洙『韓国現代史』(岩波新書・2005年)を読んだ。
著者が独自の視点(周縁からの視点)を明確に定めて韓国現代史を再整理した本。興味深く一気に読め、重要な情報(次に読むべき本など)もたくさん得られました。著者に感謝いたします。

大晦日

驕れる白人と闘うための日本近代史
原久子『驕れる白人と闘うための日本近代史』(文藝春秋社・2005年)を読む。2日続けて「文藝春秋な世界」に浸ってしまいました(笑)。たぶん、そんなのは人生で初めて。
水谷は中国において、そして松原はドイツ・アメリカにおいて、当該社会の(広義の)メディアが流布する日本像や日本に対する偏見と闘っている女性たちであり、そのぶれない姿勢は潔い。
松原の本は西洋史についての叙述に出典表記や注記が少ないのがちょっと残念。「ほんまかいな?」と思うところが結構あるのだけれども、出典が示されていないので、説得力を低くしてしまっていると感じました。

ひところ

「反日」解剖 歪んだ中国の「愛国」
きょうは水谷尚子『「反日」解剖』文藝春秋社を読んだ。
長い間ここの日記を放ったらかしにしたので、11月17日の日記の編集モード画面にたくさんのリンク元が表示される。検索エンジンのキーワード検索でここに訪れたみなさんに対しては「なにも役に立たなかっただろうな」と申し訳なく思います。しかし、「髪+ばっさり」「授業がうるさい+塾」「気持ちの悪いサイト」などでここがヒットするとは。。。面白いもんです。