人生をもっと楽しむには

 これまでの現役時代をリタイアして、シニアライフを送る世代になりますと、まず最初に思い浮かぶことは、今までの人生振り返って「これでよかったのか?」「何かやり遺したものはなかったか?」などいろいろ考えるものですが、同時にまた、「これからどう生きたらいいのか?」「どうすれば楽しく生きられるか?」ということを考えるものでしょう。そうです、この長寿社会の中で、老い先がまだまだ長い後半の人生を、”いかに楽しく生きるか”が、多くのシニアが希求する共通したテーマだと思います。
 本稿では、「人生をもっと楽しむには」というシニア共通の課題について、少し掘り下げて考えてみたいと思います。

◇本稿での「人生の愉しみ方」の定義づけ 
 ”楽しい”の解釈ですが、「その状態を積極的に受け容れる気持ちが強く、出来ることならそれを持続したい感じ」を謂うそうです。言い換えれば、「そのことに集中できて、充実感・充足感が持てること」が楽しいの同義語で、置き換えても良さそうです。
 従いまして、ここでは「息子の出世を楽しみに」「孫の生育を楽しみに」等の他動的なものでなく、自らが積極的にそれを求めて行く「楽しみ(愉しみ)」に限って論を進めます。

◇人生を楽しむための要件
イ、健康・夫婦仲が円満であることが前提
ロ、本物のプラス思考を持つ
 心構え自体をプラスの枠の中に置く。プラス思考の究極は”ノーテンキ”ということになる
ハ、個の確立
 一人ひとりの個人の自立と生きるすきるの向上を目指す
ニ、シニア世代の友人を持つ
 人間関係は総じてギブ&テイク、真の友人は「人生の同伴者」でギブ&ギブの関係。シニア世代では職縁 や学縁より地縁の友人がベター
ホ、好奇心を持ち続ける
 行動力こそ好奇心の原動力。できれば知的好奇心が望ましくボケない

◇「楽しみ」が得られる対象
・働く⇒世のシニアの7割は「定年後も働きたい」と勤労意欲旺盛。働いて対価を得るが楽しいという価値観を持つ人は、意外と多いはず
・奉仕⇒ボランティア活動に代表されるように「自らの意思で他の人の役に立つことをする」ことに喜びを感じ、それを楽しみとする人が漸増している
・学ぶ⇒「学ぶことは最高の贅沢」と謂われる位間口は広く、また奥行も深い。学ぶのは広義の「学び」であり趣味・道楽の領域にも及ぶ。要するに、自分の持つ知識やスキルが増え、見聞が広まり、新たな発見があり、日々の成長を感じることの楽しみを言う
・遊び⇒余暇を自由時間としてレジャー活動に興ずることを楽しみとするもの

◇シニア向け「愉しみ方」事例
 これこそ今や、各メディア通じて紹介される分野別事例は数が多い。分野のみを挙げてみると
 音楽系、スポーツ系、日本的趣味系、文芸系、芸術系、アウトドア系、日常娯楽系、デジタル系など

       人生年代別イメージ図


 「楽しさ」というのは、生きがいなどと同じく相対的なもので、気持ちの持ち方ひとつ、いかようにもなるものです。また、自分のアイデンティティや存在性が高まると楽しいことも事実でしょう。
 最後に、”楽しむ技術”について纏めてみましょう。

・「楽しみながら・・・ing」という自由時間を活かしたプロセスを愉しむ習慣をつけてみましょう
・友人・仲間等の人との交流を通じて、不快面は封印して、楽しさを優先させましょう
・人生の同伴者にはギブ&ギブの方が、必ずいいテイクがあり楽しいものです
・日々の新しい発見を自覚し、それに喜びを見出すことができますよ
・生真面目に楽しさを求めるより、気楽に道草・寄り道しながら探索するのも一案です
・気分を新たにカジュアルなおシャレをすることは、心が浮き立ち楽しいものです

 私の個人的な見解になりますが、「人生」に対する接し方にしても、悲観主義で迫るよりは、楽観主義で臨んだ方がどれだけ楽しいか、また健康的か測り知れません。