こんなはずでは…。

万歳!
とうとう今日、8月8日郵政民営化法案は否決され解散総選挙という連絡を受け取りました。
今か今かと待っていたところです。
今朝、知り合いの若い女性に会いました。
郵便局の制服姿じゃないのを見られるのが恥ずかしいぐらいでした。
僕はもう、平和な時代の人間ではありません。
こういうときに、選挙のことや財政赤字のことを考えると、小さく、弱くなります。
渡切費や反小泉のことを考えると、強くなれるのです。

                           ――ある2世特定郵便局長の手紙より


あのころ、国会議員の先生方はまだ疑うことを知らなかった。
ロマンに溢れた選挙、荒々しい男らしい冒険・・・。
総選挙は三週間――地元に帰れば息もつかぬうちに、すぐ終わる。
大した犠牲を出すこともない・・・。
私たちはこんなふうに、2005年夏の衆議院解散総選挙を単純に思い描いていた。

 クリスマスまでにはまた、この赤じゅうたんに戻ってくる。

造反議員たちや野党の国会議員たちは、笑いながら参議院議員に叫んだ。

    「クリスマスにまた!」

             ――総選挙に従事した、落選議員の選挙参謀昨日の世界』より


 まもなく紹介の声が聞こえたので、演壇に飛びあがり、息つく間も無く機関銃のようにまくし立てた。

 「郵政民営化はそこまで来てる!我々は阻止しなければならない!
  年賀状、暑中見舞い等で葉書を出すこと、それが小泉首相を阻止することです!
  よろしいですか?皆さんの出す年賀状や暑中見舞いの葉書の一枚一枚が、
  一人の郵便局員の雇用を救うのです!
  一日も早い勝利を勝ち取ることになるのです!」

私は興奮して、あまりにも早口にまくし立てたので、とうとう演壇から足を滑らし、転げ落ちてしまった。

                       ――熱狂的郵政民営化反対論者自伝より


 綿貫民輔はあくまで、郵政公社を民営化してはならないと言う。
しかし郵政懇話会のメンバーは我々がどんな妥協を示しても、
郵便局は国営でと言ってその立場を譲らない。
自民党内で起きている対立はエスカレートしていくばかりである。
自民党は頭痛から解放されるために、敢えて頭を切り落とさなければならない。
もはや綿貫民輔のような族議員の立場は非現実的である。
残念ではあるが、綿貫民輔は今、政治の中心からそれてしまっている。

                               ――党執行部首脳談話より


 暗闇の中で苦悩しているのは、私だけなのでしょうか。
郵政公社が民営化すれば構造改革が実現する、と皆は考えているのでしょう。

私は全く孤立してしまいました。
 しかし、何と言われようとも、私は自分の思った通りを語らなければなりません。
郵政公社の民営化は間違っています。
このような民営化の行く末は闇に包まれることでしょう。
私には、はっきりと見えるのです。

                           ――良心的民営化反対論者手記より


選挙から、きらめきと魔術的な美がついに奪い盗られてしまった。
吉田茂池田勇人田中角栄が、候補者たちと落選のリスクを分かち合いながら、選挙カーで選挙区を駆け巡り、自民党の運命を決する。そんなことはもうなくなった。これからの自民党総裁は、安全で静かで、物憂い首相官邸にいて秘書官たちに囲まれて座る。一方、何十という反対派議員たちが、公認一本と対立候補たる刺客の力によって殺され息の根を止められる。2005年の衆議院解散総選挙は、造反議員族議員既得権益層全体を抹殺することになるだろう。やがて、それぞれの選挙区は大規模で、限界のない、一度発動されたら制御不能となるような無党派層という大衆の海に叩き込まれる。自民党は、初めて自分たちの有力な支持基盤を切り捨てた。これこそが、自民党の栄光と苦労の全てが最後に到達した運命である。
                                       
                              ――『自民党の危機』より



『犬はどこだ』米澤穂信

行きかえりで読了。せっかくサインして頂いた本なので、どうしようかとは思い、しばらくほっらたかしになっていたのですが、結局そのまま読んでしまいました。

粗筋なんかは著者自らの紹介文なんかを参考にして欲しいのですが、これまでの著作とは一風変わった雰囲気を醸し出しています。

時間がないので今日はここまでにしておきます。

秋葉原にて

コミケ終了後、初めての秋葉原ケイブックス→メロン→メッセ→ソフマップ→虎→虎ルート。まな板の鯉よろしく並べられた、同人誌たちをざっと眺めたのですが、いわゆる夏コミ新刊で触手が伸びたものは特にありませんでした。幾つか気になったのは、あるにはあったのですが、そこまで執着するには至らなかったと言いますか。

虎本店の委託コーナーとかぼおっと眺めて見ても、知ったサークルがあんまりなくて、流行との乖離をいやがうえにも感じてしまいます。

某サークルのコピ本を発見したので、それだけ未練がましく確保してしまったのでした。