唐辺葉介『プシュケ』

綴りは忘れたので、後で修正。
冬目景の表紙が印象的な本作、スクウェアなんちゃらというマイナーなレーベルからの出版のため入手にちょい苦労と言いますか、割と大きめ書店に行かないとちと難しいのではないでしょうか。それかポチするか。


それはさておき、某有名ニュースサイト?でプッシュされていたので、わざわざ探し求めて読んだ次第。感想としては「静ひつ」(ZERO-3の辞書が阿呆すぎて出てこない、そしてどうだったけと悩む自分も阿呆)な作品だなぁと。


基本的には狂人の手記よろしく現実と妄想が交差して、もしかしたら全てが死に際の一瞬に見た夢なんじゃなかろうか・・・という感じ。


あと各章の扉絵の蝶怖すぎ。狙ってやっていると分かってはいるのですが、確かに効果的です。


『SWAN SONG』との類似性ですが、言われて見れば確かに、と頷くところは多々あります。いきなり賞取ったわけでもない新人?がいきなり冬目景とかぶっちゃけありえないし(w。
ま、それは置いといても、全体的にストイックなまで乾いた文体は確かに髣髴とさせるものがあります。『SWAN SONG』は、救済?がテーマでしたが、本作も結局のところ、孤独な個人というところに還元されるのではないでしょうか。前者はゲームということもあり、極限状態という特異な状況を舞台にしていましたし、登場人物も多彩で山あり谷ありで、人間の尊厳とは何かを描ききろうとしたのに比べて、いささかパンチが弱い向きはありましょうが、相い通ずるものを感じるのは確かです。


まぁ『プシュケ』をダシにして『SWAN SONG』のことを書きたかったわけでして、長らく幻の名作扱いだった(2〜3万円上等)ので、触っていない人もメーカーから再販廉価版が出たそうですし、秋の夜長にひとつPCゲーム(まぁ年齢制限付きですが)としゃれこんでみてはいかがでしょうか。