映画「汽車はふたたび故郷へ」を観ました

飯田橋ギンレイホールにて。岩波ホールで少し前に上映した映画です。先日途中から観ているうちに眠ってしまったので、また行って最初から観てきました。出てくる男性、女性ともに、クールというか、言葉数も少なく淡々としたトーンで話は展開していきます。物語は、ソビエト連邦時代のグルジアということで、体制批判などできないという時代。なにかと表現内容に制限のある中、自分の思う映画づくりをするため、国を離れ、汽車に乗ってフランスへと行く主人公。さまざまな人々からの助けを受け、時にはぶつかりながら、自身の監督した映画を完成させる。上映会において、さて客の反応はというと。結局、その上映会の客は途中で出ていき残されたのは身内のみ。その結果も主人公はそれも「これは娯楽映画ではないから」と淡々と受けとめ。あっさり故郷へと帰って行く。途中、池、川など、なぜか登場してくる怪しい人魚の姿。これが何を暗示しているのか。見終わっても容易には消化させられることのないなにか不思議な感覚が残りました。また、主人公の祖父をはじめ出てくる年配の俳優さんたちが、いい味出してました。
DATA 「汽車はふたたび故郷へ」 2010年 フランス、グルジア映画
   監督:オタール・イオセリアーニ 
   出演:ダト・タリエラシヴィリ、ビュル・オジェ、ピエール・エテックス