ナンダロウアヤシゲな日々

◎この日記は、ライター・編集者の南陀楼綾繁が書いています。
◎新刊『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)発売中です。日本全国に広まりつつある「一箱古本市」やその他のブックイベントの状況をまとめた、初めての本です。
◎著書『路上派遊書日記』(右文書院)、『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『老舗の流儀 戦後六十年あの本の新聞広告』(とうこう・あい監修、幻冬舎メディアコンサルティング)、編著『チェコのマッチラベル』(ピエ・ブックス)発売中。買ってね。
◎ご感想・ご連絡は南陀楼綾繁 まで。
◎「不忍ブックストリートの一箱古本市」、次回は2011年秋開催です。
詳細は不忍ブックストリート公式ホームページもしくは、しのばずくん便りおよび秋も一箱古本市 / 青秋部 東奔西走の記をご覧ください。
◎「不忍ブックストリート」の茶話会、だいたい毎月開催です。ご案内はこちら 
◎2010年6月開始の「出版者ワークショップ」、受講者の追加募集中。内容についてはこちらをご覧下さい。
◎「一箱本送り隊」活動中。一箱古本市のネットワークを生かして、被災地の本好きの人たちに本を届けます。詳しくはこちらをご覧下さい。
◎2012年の全国ブックイベント一覧を更新中。こちらに情報をお寄せ下さい。
2004 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2005 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
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2015 | 11 |
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2015-11-25 地域からの風

12月1日から、以下の二つの展示とトークがあります。トークの出演者は重なっていますが、両者の企画は別のところから生まれたものです。大学ギャラリー、それぞれの機能役割によって、重点が違います。できれば両方ご覧いただきたいですが、どちらか一つでも見ていただければ幸いです。

この数年(とくに今年)、地方貧乏ツアーしながら、地域の人たちとの関係をつちかってきました。この二つの展示はそこから生まれたものだと思っています

地域からの風」

サウダージ・ブックス+「せとうち暮らし」ブックフェア

同時開催:宮脇慎太郎写真展「曙光 The Light of Iya Valley」

会期:2015年12月1日12月19日

13:00〜19:00(日・月・祝休)

会場:コミュニケーションギャラリー ふげん

〒104-0045 東京都中央区築地1-8-4 築地ガーデンビル 2F

TEL:03-6264-3665

http://fugensha.jp/

企画南陀楼綾繁ライター編集者

★トークイベント「本と霧は双子だった ローカル出版冒険

12月5日 17時〜(16:30開場)

第1部 淺野卓夫(サウダージ・ブックス編集長)×南陀楼綾繁

第2部 宮脇慎太郎写真家)×南陀楼綾繁

スライドショー+モジュラーシンセライブ K.U.R.O.(音楽家

参加費:1,500円(1ドリンク付)

申し込み:

メール電話店頭で予約可能です。

info@fugensha.jp

03-6264-3665

メールでご予約の方は、タイトル「本と霧」で

本文に「代表者のお名前、参加人数、電話番号」を明記の上メールを送信してください。

「リトルプレス 地域デザインの創造」開催のお知らせ

「リトルプレス 地域デザインの創造」開催のお知らせ 東京造形大学2016年度に創立50周年を迎えます。その記念事業の一環として写真専攻領域との共催で、『リトルプレス 地域デザインの創造』展を開催いたします

日本各地には、地域の魅力を発信しようと制作されている、リトルプレスと呼ばれる小さな出版物がたくさんあります

発刊された雑誌書籍写真集ローカル地域限定されているものの、地域歴史景観ライフスタイルをはじめ、日常に根ざした文化多角的視点から深く掘り下げ、その地域にある特性をきめ細やかに編集、デザインしています

特にリトルプレスが扱う中心テーマには、それぞれのコミュニティ形成している地方文化の再発見があります。それら発信の底流には、流行に左右されない、持続可能な知恵や仕組みを実践する事例などが着目されています。そこでは日常の再発見を通じ、人と人、人と場所が結びつき、新たな価値アイデンティティが見出される契機にもなっています

さらに、多くのリトルプレスでは、写真が多用されているという特徴があります写真地域個性雑誌個性を存分に引き出し、写真家特性が色濃く表現されつつ、写真というメディアが持つ記録性によって、やがては地域アーカイブズ化にも貢献していくことでしょう。

本展では、日本各地から代表的なリトルプレスを集め展示することで、その誌面で展開されている様々な地域文化景観資源などを考察してみようと思います。一地域ローカル現象問題としてではなく、日本中に波及する普遍的な取り組みとして捉え、現代社会が向かおうとする新たな価値観とは何か、その予兆視野にデザインや写真検証していくことを目指します

会 期:2015年12月1日(火)〜4日(金)

会 場:東京造形大学 ZOKEIギャラリー大学院12号館1階)

時 間:10:00〜16:30

http://www.zokei.ac.jp/news/2015/059.html

■ シンポジウム

リトルプレスからの報告

会場:ZOKEIギャラリー

日時:12月4日(金) 17:00〜19:30

ゲストゲスト南陀楼綾繁ライター編集者)、淺野卓夫(サウダージ・ブックス代表)、宮脇慎太郎写真家

進行:中里和人東京造形大学教授

入場:無料

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2015-11-17 「一箱古本市マガジン」(仮称) 第1回編集会議のお知らせ

一箱古本市マガジン」(仮称) 第1回編集会議のお知らせ


不忍ブックストリート代表南陀楼綾繁です。

一箱古本市2005年谷根千で始まって以来、全国各地に広がってきました。

たんに古本販売するというイベントのみではなく、そこから新たな動きが生まれる場になっていると感じています。

一箱古本市に関わる主催者、店主さん、助っ人さん、お客さん、場所提供しているお店や施設などは、それぞれ個性があります。また、いろんなものをつくり上げるセンスのある人が多いように思います。


そこで、全国各地の一箱古本市や、そこに関わる人たちや場所の魅力を紹介する雑誌を創刊したいと考えます。

つくり方も売り方も、各地の人たちと共同で行なうようにしていきたいです。


まだまだ、構想の段階ですが、賛同してくださる方に一度集まっていただき、顔合わせとアイデア出しの場を持ちたいと思います。

地方在住の方には、スカイプ・ハングアウトでの参加もできるようにしたいと考えています。

参加の資格は問いません。

一箱古本市に関する雑誌をつくってみたい、と思う方は、どなたでも歓迎します。

参加ご希望の方は、以下をご覧になってご連絡ください。当日でも参加できます。


なお、いまの段階では、不忍ブックストリート実行委員会ではなく、南陀楼個人として呼びかけています。

この件に関しては、主に南陀楼Twitter(@kawasusu)で発信します。

どうぞよろしくお願いします。


【「一箱古本市マガジン」(仮称) 第1回編集会議

日時 2015年12月12日(土)18:00〜21:00頃 ※何時からでも参加OKです。

場所 千駄木交流館(千駄木三丁目42番20号) 会議室A

   東京メトロ千代田線千駄木駅から3分JR日暮里駅西日暮里駅から8分

   以下に地図あります。

   http://bun-koryu.o-ence.jp/sendagi.html

参加費 無料


申し込み・問い合わせ 古本よあけ yhiguchig@gmail.com

参加者のお名前、人数、電話番号をお知らせください。

ポケットWi-Fiを当日貸していただける方はその旨お伝えください。

当日の連絡先 南陀楼綾繁(河上) 090-9347-8767

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2015-11-16 数年ぶりの更新です

ここではご無沙汰しました。

これまでの経緯を書き出すと長くなるので、パスします。

次の記事をご覧ください。

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2012-07-22 一箱本送り隊・石巻ブックエイド 2日目

朝7時に起きる。やや寝不足。今朝も気温は低い。旅館の朝飯を食い、荷物を持って出かける。IRORI前でミーティングしていると、雨がパラパラ降ってくるが、すぐに止む。かめ七前で設営開始。いろいろ連絡取ってるうちに、早くも10時になり、販売開始。ここは今日は8箱。両日参加の「鉄塔文庫」「cafe de poche」「復興ブックス」「スギヤマ」、仙台から参加の「ダンスの力研究室」など。「ことり文庫」は、石巻から女性三人で参加。家は幸い無事だったそうで、これまで集めてきた美術館の図録、マイナー系のマンガ家の本、映画パンフレットなどを並べているが、そのセレクトの良さときれいな状態、それに値段の安さに驚く。「この数倍でも安いですよー」と云いつつ、『吉原治良展』図録と山田章博画集『すうべにいる』(東京三世社)を購入。「くものす洞」の店主さんは、石巻出身現在東京暮らしている女性不忍の一箱もよく見に来ているそうで、出店は初めてだが、出版系、災害系、読み物系など一箱の中でいくつかのジャンルを押さえている。水上滝太郎銀座復興』(岩波文庫)、川島秀一津波のまちに生きて』(冨山房インターナショナル)を買う。


今日は近くの復興マルシェイベントをやっているせいか、開始直後からお客さんが多い。IRORI前には4箱。「出張筋トレ』」の店主さんはライター石井ゆかりさん。新潟一箱古本市でも感じたが、読者でもあるお客さんへのサービス精神がすごい。今日も早々と残りが少なくなっている。「ぷちがくげい」は町づくりやコミュニティについての本を出版している大阪の版元。新しめの本が多いなか、いかにも古書という、平林たい子うつむく女』(新潮社)を買う。


次に商工会議所横へ。古本バザーの本、昨日とあまり変わってないのだが、それでも多くのお客さんが買ってくれるとのこと。羽鳥書店ブースで、朝日新聞小野智美さんと初対面。小野さんがブックエイドについて書いてくれた記事が、今朝の朝日新聞に載っている。また、石巻かほくでもブックエイドの記事が掲載。どちらもいい記事だった。羽鳥ブースには、『女川一中生の句』に登場する中学生家族が訪れてくれるそうで、羽鳥さんたちはとても喜んでいた。立町相澤酒店前へ。昨日のパナックけいてい前から古本バザーの本を移し、スタンプラリーもココでやることにしたので、ご主人はご満悦だった。リーガルシューズ前も盛況。スタンプを押しに来る人がたくさんいた。


ふれあい商店街へ。2箱不参加が出たので、14箱。塩竃南陀楼賞を差し上げた「ひいらぎ」さんは、小学生店長を筆頭に親子で参加。仙台でおなじみの「ななみやたかちん」「Filmo」、盛岡から参加の「groovin bookstand」など知った顔が多い。石巻の「鈴木屋」さんは同じく石巻の「たけたろう書房」さんから話を聞いて、昨日エントリー。楽しそうにお客さんと話していた。和服男性が店主の「書肆落花生」は、インディーズな本が多い、大友良英音楽イベントの記録をまとめた小冊子はほしかったが、そのイベント参加してるヒトが手にするべきだと思って買わず。昨日も参加の「古本こかげ茶屋」のテーマはじつは自転車だということを知り、佐野裕二『自転車文化史』(中公文庫)を買う。また、塩竃にも参加の東北大の「幻想文学研究会」では、辻村深月ゼロハチゼロ、ナナ。』(講談社文庫)を直木賞受賞記念に。


一通り回ってから、IRORIまで戻り、仕出しの弁当を食べる。20世紀アーカイブ坂本さんたちと、コミかめで「昔の石巻 フィルム雑誌を見る」の準備。14時スタート。人が来るか心配したけど、お年寄り数人を含む15人以上が集まってくれる。『いしのまきらいふ』の亀井さんは、『石巻百点 ひたかみ』『ZERO』にも関わった30年近くの編集体験をもつベテランだ。お話を聴きつつ、雑誌現物石巻の街を撮った映像を見せる。昭和50年代(?)の川開き祭りを撮った映像には、見ているおばあさんから「あれ、うちのお父さんだ」と。その本人も「たしかにワシだ」と盛り上がる。映像が1時間近くあったので、亀井さんお話をあまり聞けなかったのは残念。今後もコミかめでこういうイベントをやってほしいと思う。


16時前にIRORIに戻り、その後の段取りを打ち合わせ。一箱や古本バザーの撤収、テントなどの片付けと、表彰式とシンポジウムの準備を同時に進めなければならないので焦る。それでも、送り隊のスタッフ石巻2.0のみなさんの力で、なんとか30分後に表彰式を始めることができた。今日の賞は、ふれあい商店街賞が「ひいらぎ」、石巻2.0賞が「cafe de poche」、石井ゆかり賞が「Filmo」、一箱本送り隊賞が「鉄塔文庫」、そして南陀楼綾繁賞は地元石巻から素晴らしい一箱を出してくれた「ことり文庫」さんへ。賞品は新潟一箱謹製ナンダロウTシャツ。3人で参加なので太っ腹にも3枚提供。これでまた懐がさびしくなった。


いったん終わってすぐに、2日間のクロージングイベントとなる、「本のコミュニティスペースをつくる」シンポジウムの準備。一箱の店主さんや地元商店街の方も来てくれ、30人ぐらいが聴衆に。パネラーは、石巻2.0阿部睦美さんと天野美紀さん、地元居酒屋「ニュー魯曼停」(パンフに魯曼亭とあるのは私のミス)の阿部明さん、東松島市図書館加藤孔敬さんの4人で、ぼくが司会。まず、震災後のそれぞれの活動について話してもらい、そこから、街と本と人の関係について話し合う。詳しいことはここでは省くが、各自の取り組みと街に対する思いが伝わるとともに、石巻で「本のコミュニティスペース」をつくることが、街と人との関係を新しくする第一歩につながるということは共有されたように思う。少し時間オーバーしたが、みなさん熱心に聴いてくれた。この場に立ち会った人たちから、具体的な動きが出て欲しいと願う。


これで石巻ブックエイドのイベントはすべて終了。どっと疲れが押し寄せる。片づけをして場所をつくり、そのまま打ち上げ突入ビールうまい。パナックけいていの佐藤さんも嬉しそうに、親父ギャグ飛ばしつつ若い連中と話している。企画当初から連携させてもらい、バックアップしてもらった石巻2.0松村さんたちは、これからSTAND UP WEEKの本番だ。あれこれ話すうちに、22時となりバスが出発する時間となる。荷物を積み込み、石巻の皆さんに手を振ってバスが出発。途中、スーパー銭湯風呂に入る。酔いと疲れに加えて、風呂上りということもあり、そのあとぐっすり眠り、気が付くと上野だった。作業所に荷物を戻し、解散。丹治さん隊長たちとタクシーで帰る。


いろいろ準備不足もあり、関係者迷惑をかけたが、結果は大成功だった。当日は多くの人たちが集まってくれ、石巻の街のなかが本好きの人たちで埋め尽くされたことは本当にうれしい。何よりも、石巻の人たちが、本のある場所を喜んでくれたことがよかった。一箱本送り隊としても、ぼく個人としても、今後も「石巻の街と本と人」について、できることをやっていきたいと思う。

2012-07-21 一箱本送り隊・石巻ブックエイド 1日目

朝6時起床。雨は降ってない。出かける準備をして、バスに乗っている豊永さんに電話をかけると、すでに石巻に着いて門脇小学校の近辺を見ているとのこと。待ち合わせの場所を決め、駅の方へ。復興ふれあい商店街で待っていると、大型バスがやってきて中からぞろぞろ送り隊のメンバーが下りてくる。お疲れ様でした。バスツアーでやってくる人、現地集合の人など参加形態が様々なので、配置がなかなか決まらない。とりあえず、こことリーガルシューズ用の荷物を下ろし、数人に待機してもらうことに。バスに乗り込み、駅ロータリーを経由して、IRORIへ。ここで残りの荷物をすべて下ろす。


かめ七を開けてもらい、手荷物をここに運び込む。丹治隊長が借りて来た車に、バザー用の本を載せ、各スポットに配達して回る。相澤酒店前で、埼玉(だったかな?)からやってきたというおじさんが、段ボール三箱を車で持ってくる。先日ぼくが出たラジオ文化放送)を聴いて、本が必要かと思い、昨夜石巻に着いたのだが、誰に連絡取ればいいのか判らず、歩いていて見つけた酒屋さんに話しかけたのだという。うーん、なんという泥縄。善意はありがたいが、事前にメールいただければ、現地での本の受け付けはやってないことを伝えたのだが。とはいえ、もらった箱を開けてみるとイイ本があり、あとでバザーの本が品薄になってから、その場でスタッフが値付けして出したらよく売れたらしいので、結果オーライでした。


ふれあい商店街に戻ると、テントを設置中。その間、リーガルシューズに荷物を運搬。またふれあいに戻り、長テーブルを出したりしてるうちに、店主さんが集まってくる。本来は9時からIRORIで全体ミーティングがあるが、ここから離れられない状況なので、井上さんたちに説明を頼む。覚悟はしていたけど、思った以上に動線が長いなー。そうこうしてるうちに10時になり、一箱古本市の販売スタート。


ふれあい商店街の店主さんは17箱。敷地の前の方に12箱、奥に5箱を配置。そのうち2日とも参加するのが4箱ある。富山から参加の「古本よあけ」で百年文庫の『窓』を、東京から参加の「鉄の掟」さんは工場萌えだそうで、内外の工場ポストカードを販売している。ドイツのやつを1枚と、佐木隆三『高炉の神様 宿老・田中熊吉伝』(文春文庫)を買う。田中熊吉は八幡製鉄所の高炉で98歳まで働いた人物。牧野伊三夫さんに案内してもらって高炉跡地に行ったとき、この人の写真を見たことがある。石巻から参加の「古本はじめました」は海外文学文庫原書が中心。サマセット・モームお菓子麦酒』(角川文庫)を。不忍常連の「キラ書店」でポストカード南三陸町から参加の「ぽるた」は、バラエティに富んだ品揃えで観ていて楽しい。『イラン映画をみに行こう』(ブルース・インターアクションズ)を買う。


奥に行くと、パナックけいていの佐藤さんの「ぱなけいブック」では、津波で汚れたけど助かった初期の『本の雑誌』を非売品として並べていた。とても大事にされているようだった。佐藤さんの姪御さんの「八重樫書店」では、小学生のレンくんが店番中。ニコニコ笑う顔がかわいい。石巻から参加の「マロウ」さんは、きれいな布を使って華やかに見せている。自分でつくったお菓子をくださった。「はるみ堂」の店主さんは震災後、石巻を離れていたが、友人である魯曼停の奥さんが一箱古本市に参加したがっているが、被災して本がなくなっていることを知り、本を提供して販売を奥さんに任せるというやり方で参加。魯曼亭の阿部さんは楽しそうに店番していた。ここで上垣外憲一雨森芳洲』(中公新書)を買う。


という感じで、ふれあい商店街だけでイイ本が何冊も見つかり、荷物が増える。本のレベルはとても高い。それぞれの箱の看板ディスプレイにも工夫が見られる。あと、ほかの一箱古本市に比べるとスペースが狭いので、不忍的というか、一箱の範囲からはみ出している店主が少ないのも、気持ちいい。


スタッフ松尾さんたちが、やってくるお客さんにスタンプラリーへの参加を呼びかける。商店街のなかを歩いてもらうために導入したしくみだが、どれだけの人が参加してくれるか不安があった。しかし、親子連れを中心に多くの人がスタンプを押しに来てくれる。11時頃だったか、さっそく完走者が。20代男性が、自転車で一番端の石巻市図書館まで回ってきたという。回るだけでなく本も十数冊買ったというからエライ。その後も、少しずつ完走者が出ていった。完走者にはナカムラユキさん作のミニ絵本『いつも本といっしょに』が渡される。


テントの近くにはカキフライを売る店が出ていて、串に刺したやつを1本食べる。そのあと、やはり近くにある「東家」から、注文していた弁当が届く。いろんな種類があって、目移りがする。20個もテーブルに置いておくと、通りすがりの人が販売しているのかと思って覗くのが可笑しい。おかずもご飯もとてもおいしくて、スタッフに好評だった。奥の事務室でナカムラユキさんのマスキングテープコラージュワークショップがはじまるが、井上さんに頼んで移動する。


相澤酒店前での古本バザー、長テーブルにかなりの量の本が。売れ行きはかなりいいという。ウイスキーなどのミニボトルを販売してる相澤さんも満足そうだが、「なぜ、ここにスタンプ置かないんだ」とムチャを云う。だから、事前に用意してないんだって(笑)。次に商工会議所の横の空き地テントを設置したので、それなりに見栄えがいい。ここにはバザーのほか、益子珈琲隊と羽鳥書店のブースが。羽鳥書店社長矢吹さん、吉田さんの三人で参加。出来上がったばかりの小野智美編『女川一中生の句 あの日から』(はとり書店)をいただく。益子焼のカップでアイスコーヒーを飲む。そのカップは持って帰れる。用意したカップがなくなり、あとは紙コップで淹れていた。寿通りのパナックけいてい元店舗へ。ルート的にはココが一番人の流れが少なそうで、店のシャッターも上げずにやっていたが、助っ人さんに訊くとよく売れているという。思った以上に街の中を人が歩いているようだ。


かめ七へ。ここは5箱。仙台から参加の「つれづれ団」は、出店のほか、ブックカバーづくりもやっている。お母さんと子どもが思い思いのブックカバーをつくっていた。仙台からはもうひと組「鉄塔文庫」が参加。さすがにシブイ文学趣味。今晩一度帰って店を開けて、また明日参加するというから頭が下がる。「乙女湯のたしなみ」の宇佐川さんは不忍に前に出てくれていて、いまは、石巻銭湯「つるの湯」で活動している。昨夜、東京からバスに乗ったが、途中でバス故障し、さんざんな思いをしてたどり着いたという。さすがにぐったりしていた。「本屋アベ」と「ハルカナ」は、どちらも石巻からの参加の女性友達同士ということで、楽しそうに話していた。かめ七の店内に入ると、こちらにもお客さんが多いようだった。


そしてIRORI石巻へ。スペース的には狭いのだが、隣の日和アートセンターの前も借りて、8箱配置している。東京から参加のライター石黒由紀子さんの「inu kuro books」は犬の本だけという箱。先日行った青山の〈see more glass〉と親しいそうで、そこのフリーペーパー手ぬぐい荒井良二さんの絵)をいただく。「cafe de poche」は京都のブックイベントユニット伊東さんとは数年ぶりに会う。石巻2.0スタッフ阿部睦美さんは「TOKYO KOKESHI NEWS」という屋号だが、なぜか新品の絵本を激安で出していた。不忍常連「脳天松家」さんは、ふれあいに出ている「キラ書店」とここの両方で買うと切手サービスという趣向。それに乗って、佐々木久子『酒 はるなつあきふゆ』(集英社文庫)を買う。雑誌『酒』の編集長エッセイ石巻から参加の「春夏冬書房」では、たしか母娘で参加されていた。『廃墟紀行』というムックが出ていたので、「こういう本を見て、つらくならない?」と娘さんに訊いたけど、「前に買った本だから自分は平気だけど、見られない人はいるかも」という返事だった。


一通り回ってもう一度、ふれあい商店街に戻る。夕方になっても、本を見に来る人は多い。店主さん同士の会話もはずんでいる。16時に販売終了。店主さんにはなるべく表彰式に参加してほしいのだが、ここからIRORIは遠い。帰っちゃう人が多いか心配していたが、ほどんどの店主さんが足を運んでくれることに。ぼくも急いでIRORIへ。今日一日でこの通りを4往復ぐらいしているな。


IRORIに着く。撤収で混雑するなか、どうにか場所をつくる。参加者が思いのほか多いので、立ったままの表彰式に。今日プレゼンターは4組。ふれあい商店街賞は佐藤さんの大盤振る舞いで2つ。「古本はじめました」さんと「マロウ」さんに。石巻2.0賞は「八重樫書店」。レンくんに「石巻未来を感じた」と代表の松村さん。一箱送り隊賞は「乙女湯のたしなみ」さん。南陀楼綾繁賞は「ぽるた」さん。賞品は一箱専用箱。発表するごとに、大きな拍手が起きる。これで一箱古本市初日は終わった。


4か所に分かれて宿泊するので、ぼくは菊池旅館へ先導。男3部屋、女1部屋の13人。3人泊まる部屋はベッド1つと床に布団2つを敷くと足の踏み場がない。バスツアーで来た店主の杉山さん(飄々とした面白い人だった)と益子珈琲隊の鈴木さんと一緒に、つるの湯へ。古い建物のまま、震災後に復活している。東京に比べるとぬるめのお湯にゆったりつかる。あがると、「乙女湯のたしなみ」さんが女湯で淹れた冷たいお茶を、番台経由で手渡してくれる。ちょっと歩くけど入りに来てよかった。近くの大衆食堂「パレス」が、今日は店じまいしていたのが残念。


昨日と同じ会場に着くと、すでに無声映画の上映が始まっている。キートンチャップリン。途中、マイクが不調だったようで、坂本頼光さんが肉声を張り上げていた。後ろのテントではベルギービールのフェア。そこでちょっと飲んだ後、アイトピア通りをひとりでブラつき、目についた飲み屋に入る。そこで日本酒を一杯と、おでんを少し、それと「ベトコンラーメン」を食べる。塩味でうまかった。あとから入ってきた3人組の一人のおやじが、絵にかいたような酔っ払い方で若者に型どおりの説教をしていて、なんだか面白かった。


21時にIRORIへ。珈琲隊で参加してくれた益子は、東日本大震災被災地であり、陶芸作家工房が多くの被害をこうむっている。陶芸家鈴木稔さんが、震災後の陶芸家ネットワークづくりやいま抱えている問題について率直に話をされる。送り隊のメンバーのほか、石巻の方も聴きに来られており、活発な意見が交わされた。鈴木さんが「自分がこういう活動をやるとは思わなかった。でも、いまはこういう役回りになったんだと思って引き受けています」とおっしゃったのが印象的だった。ぼくが送り隊の呼びかけ人になったのと、どこか似ていたからだ。


22時30分に終わり、片づけてから各自、宿へ。板谷さん、大学生島村くんと同室。疲れたので早く寝ようと電気を消すも、なんとなくムシムシして眠れない。しかし、窓を開けるには他の2人を踏まざるを得ず、2時すぎまで悶々とするが、さすがに耐えきれず、板谷さんを起こして窓を開けてもらう。それで風が入ってきたので、やっと眠れた。

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