ナンダロウアヤシゲな日々

◎この日記は、ライター・編集者の南陀楼綾繁が書いています。
◎新刊『町を歩いて本のなかへ』(原書房)発売中です。
◎著書『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『谷根千ちいさなお店散歩』(WAVE出版)、『小説検定』(新潮文庫)、『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)、『路上派遊書日記』(右文書院)、『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『老舗の流儀 戦後六十年あの本の新聞広告』(とうこう・あい監修、幻冬舎メディアコンサルティング)、編著『チェコのマッチラベル』(ピエ・ブックス)、共著『ミニコミ魂』(晶文社)。
◎ご感想・ご連絡は南陀楼綾繁 まで。
◎「不忍ブックストリートの一箱古本市」は毎年春に開催します。
詳細は不忍ブックストリート公式ホームページもしくは、しのばずくん便りをご覧ください。
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2004-07-31 南青山から逃げたい気持

朝10時まで眠ってしまう。ほうろうに顔を出す。少し古本が補充されている。棚をチェックすると、古本があまり動いてないのがわかる。入れ替えないと。あと、初日に売れてしまうだろうと思ってた「sumus中公文庫特集が2冊とも売れ残っていた。古書会館のイベントで、岡崎さんがオークションに出して2000円ついたものなのに、見逃したのか遠慮してるのか。荻原魚雷『借家と古本』も一冊だけ残っていて、コレが最後。ちなみに完売したのは、モクローくん通信のバックナンバーセット(500円)。すぐ追加をつくらないと。


どこかに日傘を忘れたという旬公に付き合って、谷中をぶらぶら。ギャラリー〈猫町〉をはじめて覗く。アパートに行ったら日傘見つかる。大感謝祭の後半で展示する、花森安治の装丁本をセレクトし、持って帰る。根津で昼飯でもと思い、歩いていると、〈丸井〉といううなぎ屋があったので入る。古い造りで、テーブル二つしかなく、小上がりはどうも生活空間になっているっぽい。待っている間も店内を眺めてるだけで楽しい。並から上までが200円差と小刻みなので、思い切って上と肝吸いを頼むが、コレが大当たり。ふっくらしたうなぎを楽しめた。久々にウマイうなぎを食べたなあ。


ほうろうに荷物を置き、ウチに帰る。少し昼寝して、浅草行きのバスに乗る。今日は隅田川花火大会バスは満員。雷門についてから、松屋に入るまでも、ヒトの波から抜け出せず。七階で古本市を見る。〈立石書店〉が戦前の出版目録書店の販売目録を大量に出している。どれも300円から800円とリーズナブル。時間がないので焦りながら、20点ほどより分ける。ほかに、文庫本を持っている子母澤寛『愛猿記』の単行本を見つけ、口絵を確認すると文庫よりももっと若い頃の写真が(猿と戯れる著者)使われていた。しかも300円。もっと見たかったがすでに時間オーバーしてるので、あきらめる。会計で昨日の吉田勝栄さんに会う。夕べ2時まで呑んでて、きっちり来て、しかも抱えきれないほどの量を買っていた。


銀座線表参道まで。ココから骨董通り沿いに、柳瀬徹くんの結婚パーティ会場があったハズだが、と歩くも、見つからず。104に聞くも店の登録ナシ。佐藤助教授電話するも途中で切られてしまう(まさに新郎新婦入場が始まったのだという)。けっきょく迎えにきてもらって、なんとかナカに入る。サイト地図を見たときに抱いた嫌な予感、入口で抱いた嫌な予感はすべて的中し、入った瞬間きびすを返して外に出たくなるような、こじゃれた立食形式の会場だった。見知らぬヒトの間を、砂漠でオアシスを求めるように、知り合いを探して歩く。奥にセドローくんのトサカが見えたときは、「地獄に仏」の心境で手を合わせて拝みたい気分だった。


奥には、この場の雰囲気になじめない面々が固まっていて、そこに嬉しく入り込む。あとは、柳瀬くん夫妻(奥さんは初めてお会いしたが、可愛い感じの方でした)に挨拶したり、知り合いと話したりで、時間が過ぎていく。ふー、つら。うるさい音楽がずっと鳴ってたのもツライ。音楽にあわせてちょっと体を動かしてみたりしてるヤツを見るのも、かなり辛かった。


お開きになり、ツライ思いを共有したメンバーで、独自の二次会をするコトに。佐藤助教授、エンテツ、野口、セドローイチロー、モクロー、旬公で、渋谷まで歩き、マークシティ裏の中華料理屋へ。二階の座敷に落ち着き、モツ焼盛り合わせや羊焼や水餃子など、さきほどの店では間違っても出てこないような料理をバンバン注文。最後には、料理の残り汁に白ゴハンを投入して混ぜて喰おうという、エンテツさんのナイスな提案で、とてもおいしくいただいた。ビールのあとに飲んだパイカルストロングな味わい。80歳になるという店主のおばあさんとともに、渋谷歴史をカンジさせられた。これで一人2000円なんだから(こだわるようだが)さっきの会場費一人6000円はナンだったんだと思えてくる。


ウチに帰ると12時前。いろいろ原稿もたまってるが、二日分の日記を片付けると、もう眠い。すべては明日。お休み〜。


【今日の郵便物】

★古書目録 天導書房

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2004-07-30 長い長い一日

朝9時に起きる。今日来場のヒトに配る絵葉書にサインを入れる。旬公はオリジナルマッチの制作。11時に古書ほうろうに行き、棚にPOPをつけたり、絵葉書を貼ったりする。見る人の気を引くように、でも、あまり押し付けがましくならないようにと気を使う。まだ値段をつけてなかった一山に、値札をつけ終わると、ようやく準備は終了。


2時にウチに帰り、Nマートで買ったとんかつをゴハンに乗っけて、トン茶漬け。なかなかウマイ。ちょっと眠るつもりが、頭が冴えてるのか、洗濯したり、今日の話のメモをつくったりで眠れず。5時すぎに会場に入る。ほうろうの皆さんが準備の真っ最中。奥の棚を移動させると、かなり広いスペースができた。6時前にセドローくん来る。「ぐるり」の五十嵐さん、「酒とつまみ」の大竹さんも納品に見える。音響担当の吉田さんも来る。日月堂の佐藤さんも来る。7時前に河内紀さんきて、全員が揃った。


われわれ話し手は椅子に座り、聞き手はゴザに座ってもらうが、次々に人が来るので、ゴザが足りずに、後ろの通路にもシートを引く。けっきょく47人来てくれたらしい。「sumus」のイベントほどではないが、「モクローくん通信」単独のイベントだし、入場料を300円とったにもかかわらず、驚くほど多くの人が来てくれたと思う。


7時20分ぐらいに開始。いろいろ段取りを考えてきたが、かなり緊張している自分に気づき、一人で喋って自滅するコトを避けて、早めに河内さんや佐藤さんにハナシを振る。向井くんも自分の役割を心得ていて、浅草松屋のお客さんの話で会場を爆笑させてくれた。用意してきた話題の半分ぐらいで1時間経ったので、休憩に入る。休憩時間に来てくれた人に挨拶。とても書ききれないが、BOOKMANの会の皆さん、岡崎武志さん、小沢信男さん、ぶらじるの竹内くん、中南米マガジンの金安さん、飲み物を差し入れしてくれた〈バンバンバザール〉の山田さん、浅生ハルミンさん、西秋さん&中野さん、EDIの藤城さん、なないろさん、オヨヨ書林さん、アクセスの畠中さん、吉田勝栄さん、未来社の小柳さん、東京人の山田さん……あともっと多くの方がいらっしゃったが、略。


休憩時間に本を買うヒトが多く、ちょっと時間が遅れ、焦りながら第二部を。河内紀さんのラジオ時代の音源を聞く。「言葉の交差点」より秋元松代(劇作家)、金子光晴詩人)の話。次にラジオドラマ「ヤング・パンチ」シリーズより。音だけでみんながついてきてくれるか心配だったが、15分ずつの番組に引き込まれてきいている。前後に挟まれるCMもいい味。それぞれについて河内さんのお話を聞く時間が取れなかったのが残念だが、秋の「アンダーグランド・ブック・カフェ」で、この音源を聞く会の拡大版を催す旨を予告して、閉会する。


後片付けをほうろうのみなさんに任せて、打ち上げ会場の〈大栄〉へ。先発隊も入れると20人以上が集まった。完全に貸切状態である。パニック気味のおばさんをサポートする旬公。「こんなにかいがいしいウチザワさんは初めて」と好評でした。ビールマッコリを飲みながらわいわいと話す。12時過ぎに、ほうろうのメンバーも合流。終電を逃した連中と一緒に、2時前まで飲む。みんな元気だよなあ。解散してウチに帰るとさすがにグロッキー。でも、初日の売上は4万円(委託ミニコミも含む)で、ほうろう自体の売上もそこそこあったようなので、イベントとしては大成功だった。とにかく、無事に終って嬉しい。


【今日の郵便物】

古本 福岡古書店より 平林英子『青空の人たち』皆美社、1000円

★ハガキ 藤本和也さんより 

★宇多滋樹さんより 『黄色い潜水艦』41号

★古書目録 黒崎書店池袋西武

★「ちくま」8月号

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2004-07-29 いよいよ明日です

早起きしようと思ったが、涼しくて気持ちよかったせいか、ギリギリまで寝てしまう。いくつか用事を片付け、出かける。小川町の白水社へ。近くの喫茶店で和久田さんと会う。話してるウチにスゴイ勢いで雨が降る。それから振ったり止んだりが数分おきにつづく。〈伊峡〉で半チャンラーメン。特別うまいとも思わないが、胃のなかに落ち着く感じがイイのである。


仕事場に行って、2時から取材。わりと盛り上がって5時ごろまで。いったんウチに帰って、晩飯をつくって食べ、8時に台車に荷物を積んで〈古書ほうろう〉へ。いよいよ展示の準備である。入って右側の本棚二つを空けてくれていた。そこに、販売する古本ミニコミ、展示する本、雑誌ミニコミを並べてみる。すぐに収まりきらないことが判明(笑)。並べるのに適正な量が把握できてなかった。でもまあ、仕切りの板の位置を何度も変更して、なんとか収めてしまう。古本が3段とちょっと少ない印象もあるが、これぐらいのスペースだと売れた端から補充できるので、個人で回すにはイイぐらいだろう。


まだ店は営業中なので、本を詰めたりどけたりしているぼくを見て、お客さんは不審そう。かまわずやってると、おじさんが来ていきなり棚の雑誌を引き抜き始めた。「すいません、明日からなんですが」と云うと、変な顔をされたので、「明日からフェアをやるので、その準備なんです」と説明する。わかってくれたハズだが、「へー」とか云いながらまだ雑誌から手が離れない。ついに宮地さんが声を掛けてくれて、ようやく棚から離れていった。ほうろうでモク通を手にしてくれているみたいだし、ありがたいヒトだとは思うが、まだカタチになってない段階で触られると、困ってしまう。岡崎さんも上々堂で同じ体験したと云ってたな。でも、客の側に回ると、ぼくだって通路に積み上げている本はつい触りたくなってしまう。コレは古本好きの習性なのだろう。


10時過ぎに旬公が来る。明日の来場者に配る絵葉書ができてきた。写真をバックに使いたいというので、こないだ大阪の「カロ」で撮った写真を渡すと、それにモクローくんをコラージュしてきた。なので、カロの本棚としゃがんで本を見てる林哲夫さんが写ってます。カロの石川さんと林さんに事後承諾、ごめん(今度送ります)。出口のガラス側の展示(外から見える)を旬公に頼む。チェコで買ってきた本。やはりスペースが限られているので、ラダとチャペックの本のみ。10日ほどしたら、花森安治の装丁本にチェンジする予定。


11時になるとクーラーが止まってしまうが、まだ終らない。今度は棚に看板というかPOPを旬公に書いてもらう。最初はぼくも書いたが、貼ってみると情けないほど、みすぼらしい。エラクッて(出雲弁)はがしてしまうと、哀れに思ったか、旬公が代わりに書いてくれた。途中、ミカコさん提供のビールを飲みながら、ようやく12時過ぎに一段落。まあ、なんとかカタチになったかな。


ウチに帰るが、まだまだやること多し。昨夜は3時間しか寝てない旬公は先にダウン。ぼくもハガキをプリントしたり、探し物したりしたら、疲れてきた。あとは明日にして寝よう。


いよいよ明日から「第一回モクローくん大感謝祭」が開始です。7時からはオープニングのイベント「古書目録の遊び方」が開かれます。目下25人ほどの予約をいただいてますが、スペースには余裕があり、当日の参加でも大丈夫です。ふるってご参加ください。

詳しくは古書ほうろうのサイトへ。

http://www.yanesen.net/horo/info/1358/

電話 03-3824-3388


【今日の郵便物】

★岡町高弥さんより 「Monthly Takamitsu」110号

「モクローくん通信」の読者。演劇落語のライブに熱心に足を運んでおられる。冒頭に『ナンダロウ〜』の一文を引用してくださっている。

中村よおさんより 「トオリヌケ・キ」234号

先日の海文堂サイン会の写真や、遠藤哲夫『汁かけめし快食學』、『酒とつまみ』『何の雑誌』と、知り合いの活動特集みたい(笑)。

『ナンダロウ〜』について、引用させていただく。

*****

南陀楼綾繁さんのな・なんと初の単行本が無明舎出版から出ました。「東京人」から「レモンクラブ」まで(笑)様々なメディアに発表された“本”のあらゆる面について書かれた文章はどれも魅力的。「プガジャ」「新宿プレイマップ」「跋折羅」「青春街図」、メインストリームから外れた、かつての“街”で生活して行くための書物への現在からの視点にまず感動させられるし、コミさん(しっかり遺品の帽子被ってはって、僕も被らせてもらった・笑)はもちろん小沢信男さんや「sumus同人の人たちなど本をキーワードとした魅力的な人たちとの交遊にまつわるあれこれもうれしい。令夫人・内澤旬子さんのパラパラマンガその他もうれしいし幻堂もびっくりの凝った表紙にもぶっ飛んだ。

*****

ここまで丁寧に読んでもらえると、冥利に尽きるなあ。

★いわき市草野心平記念文学館「真尾倍弘・悦子展 たった二人の工場から」図録 1000円

予想以上に素晴らしい図録。展示を観にいきたくなった。

★古書目録 呂古書房、山猫屋&書肆ひぐらし

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2004-07-28 早起きは三文の徳(希望)

旬公がこの数日、朝早くから取材に出かけるので、必然的に目が覚めてしまう。7時過ぎに起きて、本を読んだり、古書ほうろうに持っていく本の値段付けをしたり。時間が有効に使えるなあ(でも、眠くなるのも早いけど)。ほうろうに荷物を置いて、千駄木弁当屋で昼飯を買って、電車に乗るのが近頃のパターン。今日は千代田線信号機故障があり、しばらく待たされた。


仕事場に行って諸々。3時半に『ナンダロウ〜』についての「婦人公論」の取材。編集のKさんは、「sumus中公文庫特集で協力してくださった。ライターの女性もぼくの本をちゃんと読んでくださっていたので、和気あいあいとハナシができた。写真撮影は外でということで、路上に出るが、ポーズを付けられて恥ずかしかった(あまりにも不自然だったので、見かねたKさんの助言で普通に撮ることに)。それにしても、もうちょっとウマイ話し方できないもんかなあと、終るといつも思う。


6時過ぎに仕事場を出て、千駄木へ。〈黄門そば〉で鴨せいろ。古書ほうろうに入り、作業の続き。今日は委託ミニコミCDの値段付けを主にやる。これで当日並べる分は、だいたい終ったか。あとは二日目以降の補充分も用意しておきたい。いつもは鳴らない携帯が、バッテリーが切れそうになると頻繁に鳴る。今日は入谷〈なってるハウス〉で渡辺勝ライブがあったのだが、作業があって行けなかった。そしたら、石井章さんからいまその店でエンテツさんと一緒にいるという電話。合流したいけど、いまから動くのには不便なのであきらめる。


10時前にウチに帰り、タクシー南千住へ。自転車で行くつもりだったが、台風接近で大雨に。泪橋の手前のバーで、カメラマンの大沼ショージさんに会い、プリントのチェック。船遊びの帰りとかで、浴衣姿であった。田端ヒロアキくんも合流して、しばらく話す。ウチに帰ると12時。眠い。

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2004-07-27 使いものにならず

朝、モク通発送作業の残りをやる。11時に出て、高田馬場へ。〈ムトウ〉でカセットテープを買い、その裏通りの中華料理屋へ。エビチリの定食を食べるが、あんまりウマくない。〈未来書店〉で買った、鈴木みそ〔銭〕第2巻(エンターブレイン)を読みふける。西武新宿線下井草へ。駅の改札で、白水社の和久田さん、萩野正昭さん、カメラマンの大沼ショージさんと会う。4人で、佐藤信さんの自宅へ。いい感じの一軒家だった。


津野さんが遅れてきて、1時過ぎに座談会開始。かなりオモシロイ方向にハナシが転がったと思う。4時前に辞去。津野、萩野、和久田と駅前のそば屋に入る。ちょっとビールを一杯、のはずが、いろんなハナシが出て長居してしまい、二杯目、焼酎に切り替えてとかなりの量を飲む。7時ごろ解散。


タクシー西荻窪に出て、〈音羽館〉へ。頼まれていたサイン本をつくる。前の5冊は売れたようでホッとする。酔っていたらしく、一冊、名前を間違えてしまった。ごめん。〈興居島屋〉に寄って、モクローくん大感謝祭のチラシを置いてくる。南口に出て、〈登亭〉で定食を食う。


西荻駅で電車に乗り込んだのが9時前。空いてる席に座って、そのまま寝てしまう。目が覚めたら新宿で、あわてて降りる。時計を見たら、9時45分になっていた。西荻新宿間は15分ぐらいなので、計算が合わない。ひょっとして、東京駅まで行って折り返してしまったのだろうか。電車でここまで寝込んでしまうのは珍しい。


帰りに〈古書ほうろう〉で作業するハズが、こんな状態なので、使いものにならず。ヨコになって、テレビを見る。ニュースで、中島らもが死んだと。階段から転落したというのは何日か前に聞いていたが、それが死因らしい。


【今日の郵便】

★関口安義『悲運の哲学者-評伝藤岡蔵六』EDI、2500円

★古書目録 古本倶楽部(中野書店)、吉野古書目録


【今日のしおりページ】

高橋治『絢爛たる影絵 小津安二郎文春文庫1985年

252ページ 「松竹という会社は昔から不思議な伝統を持つ会社で、自社で育て上げた逸材を必ず社内にいにくくする。殊に監督にその傾向が強い。(略)その癖、他社の人材に手をのばしたがる。呼ばれて来た人が殆ど戦力にならない。なおかつ、懲りない。プロ野球に非常によく似たことをする会社がある。読売ジャイアンツなのだ。」

として、松竹出身の日活監督を、川島雄三、西河克己、中平康鈴木清順斎藤武市、今村昌平蔵原惟繕神代辰巳、松尾昭典と挙げている。

なお、高橋治は松竹助監督から監督に昇格し、数本の映画をつくっている。なかでも、結城昌治原作・仲代達矢主演の《ゴメスの名はゴメス・流砂》(1967年)を観てみたい。

ゴメスゴメス 2007/11/13 03:59 今、Yahoo!動画で見られますよ。
Yahoo!動画 - 映画 - ゴメスの名はゴメス〜流砂〜
http://streaming.yahoo.co.jp/p/t/00026/v02637/
退職してますが、終盤の教会での成島東一郎の撮影が素晴らしい。

ただ、高橋治の映画は、最初の二作が一番面白いです。
「彼女だけが知っている」「死者との結婚 」です。

kawasusukawasusu 2007/11/13 10:11 >ゴメスさん
ご教示ありがとうございます。見てみます。
『死者との結婚』というタイトルもいいですね。いかにもミステリー映画といったカンジで。

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2004-07-26 手作業は終らない

朝9時過ぎに起きる。今朝は涼しいなあ。「モク通」の折りや、封入。50通はなんとか発送できた。後は明日。〈古書ほうろう〉に荷物を置き、千駄木弁当屋でおにぎりを買って、仕事場へ。


無明舎のあんばいさんから、読者カードが転送されてくる。まだ4枚だが、どれもキッチリ書き込んである。「仕事もせずに読んでしまった。面白い」(青森市・Mさん)

「あちらこちらへの寄稿の小出しの編集物でなく、連載稿を一本化した2冊目、3冊目に期待!」(大阪川口正さん)

みなさん、ありがとうございます。


明日の座談会の準備や、取材の段取りなど。「進学レーダー」の私立学校図書館ルポゲラ校正。今回から誌面をリニューアル。ぼくのイラストは宇田川新聞さん、デザインは原条令子さんだ。自分の見方をやや前に押し出すことのできる記事構成で、とてもやりやすくなった。編集長の井上さんに感謝


4時前に出て、打ち合わせなど。夜は、モク通発送作業の続き。大感謝祭の告知も同封するので、二枚ずつ封入しなければならず、手間がかかる。途中出かけて、すずらん通りの釜飯〈鳥よし〉へ。今日は空いていた。〈古書ほうろう〉で作業しようと思ったが、疲れたので、モク通を渡すにとどめる。帰ってからも、発送作業をやるが、12時過ぎて限界を感じ、あとは明日にすることに。


今日の郵便】

仕事場へ献本 岡崎武志+CWS『本屋さんになる!』メタローグ、1600円

副題は「書店古書店を独立開業するためのアイデアノウハウ」。

岡崎さんらしい目配りの良さ。石川あき子(カロ)、野崎正幸(文雅新泉堂)、佐藤真砂(日月堂)3氏の仕事日記がオモシロそう。

オランダ書店より古本 伊達得夫『詩人たち ユリイカ抄』(日本エディタスクール出版部)800円

★古書目録 水曜荘文庫

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2004-07-25 動物以下の不器用さ

朝9時に起きる。遅れに遅れた「モクローくん通信」の版下づくり。旬公のMACにいろいろ問題あり、これまでのフォントが使えなかったりするが、なんとか流し込みを終る。買い換えたプリンタは、さすがに早い。12時前にできる。


昼飯食って休憩。2時前に〈古書ほうろう〉へ。事務所の机を借りて、古書モクローの値付けの続き。だんだん慣れてきたというか、手の抜き方が判ってきたので、進むのが早くなった。それでも、値札に一言書いたり、消しゴムをかけたりしてると、時間が掛かる。ダンボール一箱分、終える。ついでのCDも10枚ぐらい値段をつける。それから、展示するミニコミ類に非売品のシールを貼る。今回は、大学サークル機関誌や修士論文の製本なども出してしまうのだが、自分の書いたページに付箋を貼っているときに、つい読み返してしまい、恥ずかしさに「うっ」とか「あっ」とか声を出してしまう。だけど、この頃からほとんど変わってないのも事実。「モクローくん大感謝祭」にいらっしゃる方は、どうぞ、存分に笑ってください。


6時ごろに切り上げ、ウチに帰る。やることの多さにため息をつきながら、夕飯の支度。今日ドライカレー。食べ終わって、版下に図版を貼り込む作業。コピーを取る必要があるので、外で仕事しようと旬公を誘う。コンビニでコピーをとり、またしても〈バーミヤン〉へ。今日は10代の若者グループが5、6組いて、動物園のようなうるささ。「モク通」の貼り込みを終え、古書モクロー・紙モノ部門の値付けをやる。絵葉書やマッチラベルなどサイズの違うものを袋に入れ、セロテープで止めるが、自分でも絶望的にヘタ。動物並み、いや、それ以下の手作業である。だけど、けっしてキライじゃないんだよなあ。マッチラベルの値段が安すぎると旬公に云われるが、サービス品のつもりなので、コレでいいのだ。


1時に店を出て、コンビニで「モク通」のコピーを取って帰る。まだこれから折ったり、封入したりの作業があるけど、今日はココまで。


今日の郵便物】

★古書目録 BIG BOX、下鴨神社


今日のしおりページ】

山之口泉『父・山之口貘』(思潮社、1985年

100ページ 「私が二年になった頃から、毎日決まった自分に家を出て池袋に向うのが、父の習慣になった。昼間は、西武百貨店の向いにある〈小山コーヒー寮〉という喫茶店で、ふくろうのようにじっと時を過している。いつの間にかそこが父の事務所がわりになってしまったようで、用事のある人はみんな〈小山コーヒー寮〉に訪ねて行くようになった。夕闇が迫る頃になると、父は静かに立ち上がり、小さな汚ないガードをくぐって、西口のごちゃごちゃとバラックのひしめきあう飲み屋街へとお出ましになる。そこには〈おもろ〉と〈珊瑚〉という、二軒の泡盛屋さんがあり、そこからまた少し離れた方角には、〈みやらび〉という沖縄料理の店があった。」

小沢信男さんにお聞きしたら、この店はカタカナの〈コヤマ〉だったとおっしゃっていたが、どちらが本当だろうか?

ちなみに、この本のもう一人の主人公は、山之口貘と性格が正反対だった母だろう。

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2004-07-24 ツキノヴァさんとビール、海野さんとお茶

昨夜は「虎ノ門」のしりとり選手権を最後まで見てしまったが、朝9時に起きる。紙モノの整理を始める。売ってもいいものを透明の袋に入れ、値札をつける。一度やり始めるとそれなりに時間が掛かる。道灌山下のパッケージ屋で、ポリ袋を買う。おばあさんの対応があまりにもゆっくりで、12時に千駄木駅で野口英司さんと会う約束していたのが、遅れてしまう。角のイタリア料理やでパスタを食べつつ(味はいまいち)、出版企画の打ち合わせ。うまく転がればイイけど。


練馬から自転車で来て、また自転車で帰るという野口さんと別れ、地下鉄お茶の水へ。古書会館の趣味展で、野口冨士男『かくてありけり』(講談社)500円と、雑誌古本屋』第7号が800円。この号には先日取材した玉英堂の斎藤孝夫さんが寄稿している。会場で内田魯庵がどうこう話している二人組。河内紀さんと月の輪書林の高橋さんだった。河内さんは今日川崎の古書市から神保町、これから新宿京王古本市を回るという。すげえ。


ツキノヴァにお茶にさそわれ、神保町の〈Folio〉へ。お茶といっても、飲むのはビール(ココではギネス)だが。そのうち、待ち合わせしていた海野弘さんがいらっしゃる。ツキノヴァさんを紹介する。古本屋の話をしてるうちに、海野さんが小学校の頃に、馬込に住んでいて、あの〈山王書林〉にしょっちゅう行っていたという驚くべき話を聞く。その後、ずっとあとに近藤富枝『馬込文学地図』(だったかな、中公文庫)の解説を書いたことが縁で、関口さんの奥さんと文通するようになったのだという。この本、持ってるハズだが、解説のことは忘れていた。ツキノヴァさんからは、『古書月報』に大森の〈天誠書林〉さんが関口さんの奥さんにインタビューした記事が載っているというハナシも。ツキノヴァさん帰り、その後、4時までいろいろと話す。仕事を離れても、こうして会ってくださるのは、本当に嬉しい。


千駄木に戻り、ペンなどを買って〈古書ほうろう〉へ。値段付けを1時間半ほど。ようやく段ボール箱ひとつ分が棚に並べられるようになった。まだ先は長い。ウチに帰り、夕飯はパスタ。昼のがまずかったので、自分でつくりたくなった。9時半にもう一度ほうろうに行くが、荷物置いただけで戻ってくる。NHKスペシャルでの乱歩の番組を見たかったのだが、最初の30分で飽きてしまう。なんとまあ、薄っぺらなつくりだこと。書庫の映像が見たかったが、とても付き合っていられない。


今日の郵便物】

★岳陽堂書店(郡山市)より古書 真尾悦子『たった二人の工場から』(未来社)1000円

先日図書館で、いわき市の草野心平記念館(http://www.k-shimpei.jp/)で、「真尾倍弘・悦子展」をやっていることを知った。倍弘は伊達得夫と同じ時期に前田出版社におり、「文壇」という雑誌の編集長だった(『われ発見せり』138ページ)。詩人でもある。悦子はこの時期のことをのちに『阿佐ヶ谷貧乏物語』(筑摩書房)に書いている。で、この二人はその後、平市に行き、そこで「氾濫社」という小さな出版社をつくったのだという。展示カタログが出ているというので、それは申し込むとして、そのポスターに載っていた、氾濫社のことを書いた本を「日本古本屋」で探して買う。


今日のしおりページ】

みんぱく』7月号(国立民族学博物館

巻頭エッセイで、海野弘さんが「モダン大阪研究」という文章を執筆されている。

関西同人誌的なリトル・マガジンががんばっている、と書いたあと、

「面白いもので、二〇〇三年には、私はそれらのリトル・マガジンと急に縁ができた。その一つは、『sumus』である。その同人と知り合って、そのバックナンバーを知り、室の高さにおどろかされた。その第一二号(二〇〇四年五月二〇日)の特集「小出版社の冒険」はすばらしい。高桐書店プラトン社、蜘蛛出版社といった関西の小出版社が次々と発掘されて感動的であった」

とある。このあと、海野特集を組んだ『BOOKISH』の話になるが略。これらを海野さんは「モダン大阪研究の新しい波」をまとめてくれている。

大学研究機関のなかではなく、在野で身銭を切って書いているヒトたちをきちんと評価してくれる、海野さんのようなプロの書き手の存在は、とてもありがたい。

>林さん、岡崎さん、このエッセイ、ファクスで送りますからね。

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2004-07-23 「古書モクロー」始動す

今日は比較的過ごしやすかった。11時に仕事場に入り、昼飯をはさんで7時まで。対談、ようやく3分の2までまとまる。疲れた。ウチに帰り、カレーを食べたあと、旬公が借りてきた、《嗤う伊右衛門》を観るが、最初の10分で挫折。


昨日旬公が、〈古書ほうろう〉での古本販売用の値札をつくってくれた。3パターンあって、どれにも「古書モクロー」と入っている。これをコピーして切り、売る本に貼り込むことに。10時過ぎにほうろうに行って作業するが、本のキャッチフレーズを一枚ごとに書くことにしたため、閉店後の11時半までかかってやっと20冊しか終らない。ミニコミや紙モノ、CDの準備もあるし、あと一週間で終わるんだろうか?


今日の郵便物】

★古書目録 青猫書房

今回はサイン本が目につく。岡崎武志さんの『古本極楽ガイド』(ちくま文庫)1500円。「若き日の吉田健一」のイラスト入りだ。エッセイ「青猫愛書閑話」には、書肆ひぐらしさんが登場。いかにもあのヒトらしくて笑った。

★「彷書月刊」8月号 特集「明治人のアジア体験」


今日のしおりページ】

クイックジャパン」55号、太田出版

58ページ 総力特集「くりぃむしちゅー」の上田晋也インタビューより。

「ただ、これはどんな職業の人にも言えると思うんですが、自分を伸ばすためには、自分がしたいことややりたいことに徹するよりも、人にやってみなよと言われたものに乗っかってみることを僕はおすすめしますね。(略)結果が出せるかどうかは別にして、今後も他人に言われたことにはとりあえずチャレンジしようと思っています」

たしかに、コレは云える。

まだ読んでないが、同じ号の「あるリトルマガジンの魂に捧ぐ」で、元「新宿プレイマップ」の本間健彦さんのインタビューが載っている。以前、同じ「クイックジャパン」でぼくが書いた記事は1ページ、こっちは6ページある。やられたなあという感じだ。

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2004-07-22 もっと「感覚的な飛躍」を!

昨日の郵便物で、ひとつ書き忘れていた。「クイックジャパン」第55号。総力特集「くりぃむしちゅー」。これは読みたい。毎号最初に読む和田薫マネージャー日記、独立して社長になったせいか、説教臭くなっててもったいない。コラム欄「QJC」で、森山編集長が『ナンダロウ〜』を紹介してくれた(192ページ)。彼と最初に会ったのは「両国フォークロアセンター」だったらしい。ぼくも久しく行ってないけど、先日の「sumus」展のイベントで来たヒトが、「最近復活した」と云ってたな。


朝起きると涼しい風が入り込んでくる。これは過ごしやすくなるかな、と思ったら、たちまち温度が上がって行き、出かける頃には暑くなっていた。神保町に出て、11時から取材。わりと短く終わる。〈Folio〉で打ち合わせがてら昼飯。チキンとタマゴのサンドイッチ


〈岩波ブックセンター〉で仕事の資料を買ったり、〈ディスクユニオン〉でフェアで販売するCDを入れるカバーを買ったりする。後者では羅針盤の最新アルバム[いるみ]を買う。羅針盤フェアをやっていて、関連商品を一万円買うと、羅針盤のTシャツがもらえるとか。姉ちゃんが着ていたが、ちょっと欲しい。([いるみ]の特典でもらったバッヂはいらないけど)。そのあと、仕事場へ。対談、もうせっぱつまっているので、強引に進める。途中、メールの受信に問題があったりして、時間をロスするが、そこそこ進んだ。小沢信男さんから戻ってきた「サンパン」の聞き書き原稿をチェック。いくつかのエピソードが加えられ、密度が上がってさらにオモシロくなっている。いつものことだが、とても勉強になる。


徳島の北島町の小西昌幸さんからファクスが。自治労機関紙「じちろう」2004年7月11/21日合併号に、『ナンダロウ〜』の紹介を書いてくださったのだ。タイトルは「若手編集名人による書物偏愛エッセイ」。小西さんは昔からぼくのことを買いかぶってるので、「名編集者」とか「編集者としても文筆家としてもバリバリのプロ」とか、本人にとっては顔から火が出るほどの表現が並んでる。まだまだだというコトは自分が一番良く知っている。あ、ひょっとして、「これだけプレッシャー与えとけば、そろそろ本腰入れるだろう」という小西さんの深謀遠慮かも!?


もうひとつ。先日「日刊ゲンダイ」での紀田順一郎さんのエッセイが、「ブックレビュー」というサイトに転載されている。

http://www.bookreview.ne.jp/book.asp?isbn=4895443671

こんなサイト、知らなかったなあ。「日刊ゲンダイ」とは提携しているようだ。


ウチに帰って夕飯の支度(今日マグロカツオのヅケ丼。すっかりかけ飯にハマってる)をしていると、旬公から電話。昨日から外付けハードディスクの設置がうまく行かなくて大変そう。〈ビックカメラ〉でデータの転送を頼んで一度帰ってから、また新宿まで取りに行くというので、付き合って出かける。閉店間際に入るが、データの転送はまだこれからで、30分ほど待たされる。ヒマなのでiPODを見ていたら、ちょっと欲しくなった。新宿駅で京王デパートを見上げると、「古書市開催中」の文字が。もうやってたのか、そういえば、今回目録は送られてこなかったなあ。


ウチに帰って、この二日読んでいた小田久郎『戦後詩壇私史』(新潮社)を最後まで。塩山芳明氏も「つまらん」と書いてたが、「私史」と題されてるワリには、他人の文章の引用が多く(しかも、何度も同じ文章が引用される)、セキララな記述がほとんどない。コレだけ厚いのにサービス悪い本である。ただ、「現代詩手帖」の前身の「文章倶楽部」の発行所が最初、乾元社(南方熊楠の著作集を出してたと思う)で、そのあと牧野書店になった、というのは初耳だった(19ページ)。「sumus」12号で松本八郎さんが書いている、牧野武夫の出版社だ。自伝『雲か山か』(中公文庫)には戦後の出版活動が書かれていないと、松本さんはなげいているが、投稿雑誌の発行所を引き受けていたとは。


今日の郵便物】

★古書目録 西村文生堂


今日のしおりページ】

散歩の達人MOOK THE東京夕暮れスタイル』交通新聞社、838円

109ページ 遠藤哲夫が「夕暮れのビール焼きそば」を考える。

「味覚の表現で、「凛とした」だの「上品な味」だの言うようになったら、感覚的な飛躍が危機にさらされていると思っていい。なんというか、空想や想像に欠けるのだよ。もっと味覚も、それを感じる感覚も自由で可能性に満ちているはずだ。夕暮れどきの縁日気分のなかで、観念で錆びついた自由な感性の掃除をしよう。と、凛ともしてない、チープともいえる、縁日の主役たちを食べ、酒を飲みながら思う。そういえば、宵の酔いは、なんとなくアイマイでルーズな酔いである」

大衆食堂の詩人の面目、この一文にあり。食べることだけじゃなくて、映画音楽も自由に見たり聴いたりしてるつもりで、いつのまにか、「感覚的な飛躍が危機にさらされている」ことが多いなあと思う、今日この頃。

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2004-07-21 土用の古本屋

今日暑い仕事場に続く坂を上るだけで、精力を使い果たしそう。といいつつ、昼は外に出る。うどんを食べたあと、こないだ前を通ったが入口がわからなかった〈麗文堂書店〉へ。ドア一つ開けた向こうにたしかにあった。狭い店だが、品揃えはなんでもあり。早稲田古本屋みたいだ。値段も安い。長澤規矩也『理想的な著者・出版社・印刷所・書店』(私家版)1000円、八木忠栄『詩人漂流ノート』(書肆山田)800円、『べ平連のうた その発展の足跡』(芸術出版)付録レコード欠で1000円。また来よう。


対談をまとめるための資料を探しに、小石川図書館へ。ココはいまどき珍しい古い建物で、書架もいい感じなのだが、通路と閲覧席が近くてうるさい。特に今日は、子どもの騒ぎ方がスゴイ。まあ仕方ないけど。バス湯島に出て、千代田線綾瀬へ。〈デカダン文庫〉に「酒とつまみ」を届ける。今回から始まった連載で、この店のコトを書いたのだ。おじさん、「今度親戚が集まるから見せるよ」と喜んでたが、葬式帰りに古書展に駆けつけたというエピソードの載った文章を見せて、大丈夫だろうか? 三冊ほど買う。


先日ヒトから教えてもらっていたが、デカダン文庫の斜め前にあった〈三幸酒場〉がなくなっていた。おじさんの話だとダービーの翌日に、急にトラックがやってきて荷物を運び出して行ったとか。繁盛してるように見えたけどなあ。「酒とつまみ」にこの店のコトも書いたのだけど、この文章の通りに歩くことはもうできないのだ。こちらは健在の〈味路〉に寄って、ガツにんにく漬けなど。今日はあとからあとから客が入ってきて、おじさんはてんてこ舞いだった。


西日暮里に戻り、〈古書ほうろう〉へ。来週のイベントのために、河内紀さんと音響を担当してくださる吉田さんが下見にいらっしゃっている。ぼくが行った頃にはだいたいハナシが終っていた。二人と一緒に〈千駄木倶楽部〉へ。ラジオの音源、まだまだ発掘すべきものが多いということや、映画関係者が企業のプレゼン・事業説明用にスライド制作をやっていたなどというハナシが出る。きっと30日のイベントでも聞けるでしょう。


お二人が帰り、旬公と合流。土用だからウナギでも食うかというので、2軒ほど回るが、いずれも閉店時間だった。ウナギが売れてモノがなくなったということもあるかもしれない。しかたなく、〈三好弥〉でハンバーグ定食を食べる。帰って、《エデンより彼方に》(2002年アメリカ)を観る。ジュリアン・ムーア主演。1950年代ハリウッド映画を再現するようなセット、衣裳、撮影で、人種差別と同性愛差別を描く。手堅いつくり。安心して観られた。

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2004-07-20 あるニアミス

遅まきながら、MSHIBATAさんがサイン会の模様を撮影して下った写真を一枚アップしました。7月11日の項です。


旬公は朝6時過ぎに出て行った。今度は京都に取材だとか。そのあともう少し眠るが、9時頃には起き、朝風呂に入る。仕事場に行くのは5日ぶり。ちょっと気が重い。郵便物を片付けて、対談のまとめを進める。やっと方針が見えてきた。


今日は7月の観測史上もっとも暑い日で、40度超えた場所もあったとか。昼飯は〈橘〉の生姜焼き定食。ここ3カ月、こればっかり食べてる気が。向かいのampmで金を下ろそうとしたら、今月末に閉店だという。手数料なしに三井住友銀行カードが使えるのは、手近ではココだけだったのに。最近、銀行の支店が次々に閉店して、コンビニが肩代わりしてるが、そのコンビニもなくなるとあっては、どうすりゃイイのか。まあ、15年ほど前には、都市銀行地方銀行ネットワークされてなくて、奨学金を下ろすのにいちいち電車に乗って別の駅まで行っていたコトを思えば、駅の反対側の銀行まで歩くぐらい、なんでもないのではあるが、でも、一度便利に慣れてしまったら、ねえ。しかたない、ネットバンキングでもやるか。


7時前に出て、ウチに帰る。小川町駅の通路で、〈立石書店〉の岡島一郎くんに会う。この暑さで彼もグロッキー気味に見えた。朝、〈古書ほうろう〉に荷物を持っていったのだが、まだ開いてなかった。それで、もう一度行ったのだが、今度も開いてない。前まで行ってよく見たら定休日だった。大きな袋提げてバカみたい。晩飯をつくって食べる。


ビデオ増村保造監督『黒の報告書』(1963年)を観る。殺人事件の公判という地味な話だが、けっこうオモシロイ。主演は「黒シリーズ」だから田宮二郎かと思ったら宇津井健。からまわりしている熱血漢という役柄だが、本人もそんな風に見えるせいか、面白みに欠ける。田宮二郎だったら、もっとくどい演技してくれたろうが。地道な捜査を行なう刑事役の殿山泰司のほうが目立ってた。


文化通信」7月19日号に先日の神戸サイン会が写真入りで載っている。タイトルは「メジャーに育て!! 猛暑の店頭で7人のサイン会」。なぜ「7人」かと云えば、川辺佳展と太郎吉野が同じヒトだとは気づいてないからだ。あと、写真には森元さんが写っているのに、川崎ゆきおさんの名前になっている。ようするに、コレ、福岡店長コメント以外はまったく取材してないのである。写真も参加者から借りたんだろうね。マイナーで悪かったね。それにしても、「南蛇楼綾繁」という誤記にはちょっとムッとした。だって、3年ほど前、私ゃこの「文化通信」でミニコミ事情を連載していたんだから。


今日の郵便物】

★森元暢之さんからハガキ とてもとても丁寧なご文章で、本当に恐縮する。ココまで腰の低い書き手のヒトに会ったのは初めてだ。

東京理科大学編『大問題!』ぺんぎん書房、950円

東大社情研の「出版論」の教え子(っても半年だけど)の小林薫さんが入社してはじめて手がけた本。「生活のなかの理科系」ってカンジで、なかなかよろしいんじゃないですか? ハンディな判型もコジマケンのイラストもいい。

★『Charider』 鳥取学生がつくる雑誌

編集長の道祖尾さんがバックナンバーを送ってきてくれた。いつも思うのだが、ミニコミについて「こうした方がいい」という意見を述べるのは難しい。レイアウトひとつとっても、うまければいいとかキレイならいいということではない。内容とマッチしていれば、読みやすさは無視の「畸人研究」や、「ロカンボ」みたいな殴り書きでも、ゼンゼンOKなんだし。

それはそれとして、こないだ「トリ・レーベル」のCDが買える店を教えろ、と云ったのを憶えてて、米子市朝日町の「flamin5 works」(http://up-tight.hp.infoseek.co.jp/)というレコードショップの情報を教えてくれた。今度帰ったら行ってみよう。

★「イカの筋肉」242号

高野ひろしさんのミニコミ。先月までは「高金商店」というタイトルだったのに、しれっと改名してるところがオモシロい。このヒトのミニコミ歴も相当長いなあ。

★旭堂南湖さんより、「第四回 幻の南湖」の招待券が送られてくる。

チラシは藤本和也さんの手になる。演目は「探偵講談 乱歩一代記」に「講談紙芝居 原始怪獣ガニラ」だって。ゲストは山前譲さんで、乱歩について語るとか。行ってみよう。

日時:8月29日(日)13時開演 

場所:お江戸両国

詳しくはこっち↓

http://www003.upp.so-net.ne.jp/nanko/yotei.html


今日のしおりページ】

安田武『ある時代日本エディタスクール出版部、1977年

3ページ

「敗戦後しばらく、紙に活字を印刷すれば、何でも売れるという時期があった。十五年にわたるきびしい言論の抑圧から解放された歓喜が、日本の全体を浸していたためだろうか。こうした状況を背景に、文字通り、雨後の筍のように出版社が簇出し、しかも、わずかな間に潰れていった。その一つ――思索社は、旧近衛師団のガタピシとした木造兵舎のなかにあった。斜め向かいの室に――これは、現在まで生き残った角川書店が看板をかかげていた」

これは、昭和23年3月のこと。

昨日読んだ『われ発見せり 書肆ユリイカ・伊達得夫』によれば、同じ建物の前田出版社に伊達が勤めたのが、昭和21年9月だった。そこを辞めて書肆ユリイカの設立に向ったのが、22年の暮れ。つまり、伊達と安田はわずか三カ月のあいだで、出会うことなく終ったのだ。同じ出版史の本だと思って読んだ本に、こんなニアミスが出てくるなんて、不思議だねえ。

(もっとも、未見の月の輪書林目録の安田武特集では、とっくにこのニアミスが記されているかもしれない)

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2004-07-19 祝日に飲める店

今日も早起きしてみる。8時半。しかし、雑用してるうちに時間が過ぎ、仕事に取り掛かったのは10時過ぎ。12時までに原稿一本書く。ひどく勤勉な気がするが、そもそも締め切りはとっくに過ぎてるのであった。BGMは先週〈ディスク・ユニオン〉で買った、上野耕路アンサンブル[ポリスタイル]。最近、ビッグバンド形式に凝っている。続けて明田川荘之&西荻センチメンタル・オーケストラ(だったかな)の[わっぺ]を。これもビッグバンド

昼飯は一人なので、かけ飯でいこう。エンテツ本に、豆腐、生タマゴ、納豆をかき混ぜて醤油で味付けしたものを飯にかけるものが紹介されている。通称「ゲロ飯」という実に風流な名前だ。冷蔵庫を見たら、豆腐と生卵はあったが納豆はナシ。なくても別に構わない。海苔とかつをぶしとミョーガを投入して、わしわし混ぜて飯にかける。ついでに、松田さんからいただいた京都の漬物も乗せてみる。……あまりのウマさにカンゲキ。余勢を駆って、漬物でお茶漬けまで食べてしまう。そのあと、寝転んで、いましろたかし『釣れんボーイ』(エンターブレイン)を読む。四回目か。いつでも脱力の世界に誘ってくれる。


せっかくの連休の最終日、どこかで飯でも食おうと旬公と約束していたが、ぼくの行きたい店はどこも祝日休み。こういうときは、エンテツ頼みだ、とメールしたら、すぐ「ぜひ飲みましょう」というお返事。赤羽なら何とかなるでしょうと、待ち合わせることに。旬公に電話すると、知らないおじさんがでた。「この電話電車のなかに落ちていたんですよ。いま、東京駅で預かってます」という。どうやったら、携帯電話だけ忘れてしまうのか。


旬公が帰ってきたので、携帯のコトを云う。そのあと、一緒に谷中に出て小沢信男さんのお宅に寄って資料を返し(『新日本文学』の最新号をいただく)、仕事部屋の空気を入れ替え、谷中商店街で下駄屋に寄って、ウチに帰る。そして5時に出て、東京駅ホームで携帯電話を受け取り、また引き返して赤羽へ。改札口で遠藤さんと待ち合わせ。


祝日だというのに〈まるますや〉が空いていた。満員だが、ちょうど三人座れる。ビールにレモンハイ。エンテツさんは明日から秩父に行くとか。涼しいだろうなあ。旬公は里芋のからあげに感動していた。ぼくは豆腐に揚げ玉、胡瓜、わかめが入った「たぬき豆腐」が旨かった。初めてココでうな丼を食べる。遠藤さんはほとんど食べず、二人で欠食児童のように食べてしまった。


旬公帰り、二人で〈まるよし〉へ。酒と焼酎ロック。入ったときには満員だったが、飲むうちに人が減っていく。どうでもいいことをいろいろ話す。9時に解散して西日暮里に帰る。いつもこれぐらいの時間に帰れるとイイなあ。


今日のしおりページ】

長谷川郁夫『われ発見せり 書肆ユリイカ・伊達得夫』書肆山田、1992年

部屋の整理中に見つけた本。しょっぱなから、ページの隅を折りまくる。いま、読んでよかったなあ。

145ページ

ユリイカ版「二十歳のエチュード」ができたころ、「世代」は二度の休刊中だった。かれらは二十四年の秋に追いだされるまで、目黒書店ビルの編集室にたむろするか、神保町の「らんぼお」に入りびたっていた。

 「らんぼお」には、のちに武田泰淳結婚する鈴木百合子さんという若い女性がいて、彼女は「世代」のグループの熱心なシンパだった。(略)いいだ・ももや矢牧一宏らは、美しいウェイトレス用心棒をかってでた、という。「らんぼお」はかれらの第二の編集会議室だった」

 云うまでもないが、「鈴木百合子」は武田百合子のことである。矢牧一宏のことは、今年出た、大島幹雄『虚業成れり 「呼び屋」神彰の生涯』(岩波書店)に出てくるし、「彷書月刊サイトの七痴庵日記7月8日の項にも出てくる。

http://www3.tky.3web.ne.jp/~honnoumi/

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2004-07-18 バーミヤンにはじまり、終る

旬公はしばらく朝型に生活を変えるといって、早起きするようになった。昨夜も〈NOMAD〉で「早起きしてるから眠くて眠くて」と云ったら、店の人に「いつ起きたんですか?」と訊かれた。でも、「7時半とか……」と答えて笑われていた。この程度、早起きのうちに入らないんだろう。でも、ぼくはその旬公よりもっと遅くまで寝ている。


というわけで、今日はちょっと「早起き」に挑戦してみる。ま、8時半ですが。先に旬公が〈バーミヤン〉で仕事してると云って出たので、歩いてそっちに向う。もうこの時間でカンカン照りだ。10分近く歩いて(遠いのです)到着するが、店内には誰もいない。あとで聞いたら、うるさい集団がいたので、別の店に行っていたとか。せっかく起き出してきたのに……と思うが、しょうがない、駅のほうに戻り、〈ヒロ〉という喫茶店に入る。ココは薄暗い雰囲気なのでスナックかと思ってたけど、フツーの喫茶店だった。モーニングホットドッグを食べてコーヒーを飲む。空いていたが、ココでパソコンを広げる気にならず、また歩いて〈ルノアール〉へ。喫茶店ジプシーですな。


ココで原稿を一本書く。もうちょっとで書きあがるというところで、バッテリー切れ。最近フルに充電しても二時間もたない。ウチに帰って残りを書き、充電してるあいだ、本を読む。旬公が帰って来たので、1時過ぎに今度は自転車で出かける、〈ときわ食堂〉でビールカツオのたたき、カレーライス。いつ来ても落ち着くなあ。隣の〈博山房書店〉のあたり、更地になっている。新しいビルにも書店が入ってくれるとイイが。本駒込図書館に久しぶりに行き、小沢信男さんの聞き書きをまとめる。引用文を決めて入力するだけで、バッテリー切れ。


またウチに帰り、ちょっと休んでから聞き書きの続き。8時半頃、旬公と出かける。いつもの〈大栄〉は定休日じゃないのに休み。こうなると、途端に行くところがなくなる。どうせ同じ方向だからと歩き、〈バーミヤン〉の前にある中華料理屋へ。あまり期待していなかったが、けっこうウマイ。豚耳、豆苗炒めなど。そのあと、〈バーミヤン〉で仕事。行くところのない若者が溜まりにタマって、喧騒とよどんだ空気が充満してる。その中で、なんとか聞き書きを最後まで持っていく。


【今日のしおりページ】谷沢永一『文豪たちの大喧嘩 鴎外・逍遥・樗牛』新潮社2003年

明治32年の森鴎外=高山樗牛論争への評価。

「樗牛の正攻法から体をかわす為に、鴎外が工夫し採用した防衛戦術は、こののち長く我が国の各界で、既成の社会的威信および名声を頼りに、実質的な論争を回避する張り子の虎たちが、常に愛用した虚仮威し様式の原型となっている。まず提起された問題が本質的な重要性を持たぬと、有無を言わせず劈頭から貶価する格好を示し、従って真っ当に相手と渡り合う意志がないと早い目に公言して置き、その上で自分に都合の好い些末事を捉えては、観衆目当てに身振り大きく独善的な陳弁を試み、最後の仕上げとして相手側の動機に、嫉妬や怨恨や権勢欲など悪意に満ちた、卑劣な情念の蟠りが潜むらしいと仄めかしつつ、自分は争気を去った太っ肚の静謐な諦念に住して、小人の客気を憐れみつつ静観する旨を鷹揚に呟いてみせる。論争相手の面貌を獰猛で理不尽な下克上に仕立て上げ、対立が生じた原因を何から何まで、論敵の内に秘められた鄙吝賤劣な動機に見出し、論理とは無関係な次元で●(鳥冠に几=けり)をつける術策が、鴎外の奥の手として模範的に演じられたのである」

しかし、対鴎外では鮮やかだった樗牛が、対逍遥の論戦では、鴎外と変わらない「姑息な目眩まし」に走ってしまうところが、論争の難しさであり、面白さでもあろう。

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2004-07-17 ナベさんって誰だ?

11時過ぎに出かける。古書会館へ向かう途中で、向こうからやってくるおじさんに「おお、久しぶり、元気?」と声をかけられる。見覚えないが、ひょっとして古本屋さんかと思い、あいまいに「はあ」と云っていると、「ワタナベさんは元気?」と来た。

「ワタナベさん……って、誰でしたっけ?」

「ナベさんだよぉ。総務の」

「ええと、知りませんけど」

「そうかあ、オタクの会社も大きいからなあ」


会社? 「本コ」編集室のことを云ってるのか? しかし、あそこに総務なんて部はないんだけど。親会社のことを指してるのか? それにしては、親しげだし。もしかして、前にいたゆまに書房のコト? いや、あれが「大きい」とは云えないだろう。

わずか、数秒の受け答えで、すっかり混乱してしまった。目も泳いでる。それでも、向こうは確信的にこちらに話しかけている。


「あのー、間違えてないですか?」

「いやいや、俺、そっちに三回ぐらい行ってるんだよ」

いつ、何の用事だったかは云ってくれない。


「いま、なにやってるの? 前と一緒?」

雑誌の編集ですけど」

「これから仕事?」

「ええ、まあ」

「土日関係ないもんなあ」

この辺は微妙に噛み合っている。


「時間あったら、どこかでお茶飲まない?」

ウッと詰まったが、相手が誰だかわからないまま会話を続けていくことに耐えられそうもない。(あとで、旬公に「そんなに面白い状況でナンでお茶しなかったの! この腰抜け!」となじられたが)

「すいません、急いでるんで」と云うと、

「あっそう、じゃあ、またね!」と去っていった。

…………で、誰なんだ、あのヒトは? そして、「ナベさん」って誰?

まるで、落語に出てくる、相手がわからず「たしか……先のところでしたね」を連発する幇間みたいであった。


首をひねりながら古書会館へ。入り口で生田さんにばったり。注文していた本、二点ともハズレ。当たっていたら二万円の出費だったけど、持っておきたい資料だったので残念。二階で絵葉書の展示即売会を覗くが、あまり面白くない。〈書肆アクセス〉に行ったあと、裏通りの中華料理屋でラーメンと半チャーハン。以前に入ったことがある店だが、改装していた。ラーメンの味、こんなだったかなあ。マズイよ。口直しに〈さぼうる〉でコーヒー。客席でテレビドラマ(?)の収録をやっていた。


〈岩波ブックセンター〉で編集者カメラマンと待ち合わせて、古本屋さん取材を二件。そのあと、西日暮里に戻る。暑さが続くので、夕飯はさっぱり行こうというコトで、汁かけ飯に決める。ネギ、あぶらげをだし醤油にかけ、しらす、大根おろしと一緒に、ゴハンにぶっかける。これがウマイ! さらさらと一杯目を食べてしまう。昨日の残りのナムルも混ぜ込んで、二杯目。さっぱりしてて、満腹感もある。上出来の夕飯だった。


少し元気が出たので、旬公と散歩に。谷中銀座出口で最近見つけた(営業は古い)〈シャルマン〉というジャズ喫茶に行くつもりだったが、休み。こないだから二回、休みだった。残念。少し足を伸ばして、根津へ。〈往来堂書店〉で何冊か買った後、〈カフェNOMAD〉でビール。今日も満員。周囲の話をなんとなく聞きながら、本を読むのがイイ。帰りは根津バスに乗り、〈古書ほうろう〉の前で降りる。宮地さんたちと展示の打ち合わせ、というか、雑談。少しずつ、カタチが見えてくるか。30日(金)のイベントをご覧になりたい方は、南陀楼までメール(kawakami@honco.net)ください。よろしく。

http://www.yanesen.net/horo/

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2004-07-16 青山ブックセンターが無くなる

一日、ウチにいた。


翌朝になって知ったのだが、この日の夕方、「文化通信」のメール速報で、「青山ブックセンター倒産。各店舗は16日(金)夕方以降に順次閉店」というニュースが流れていたのだった。今朝の朝刊では、債権者である取次の要請で、「閉店」の貼り紙を出したとある。つい3日前に、表参道ABCに行ったところだった。後付けの感想ではあるが、あのとき、本が目に入ってこなかったのは、こちらの気分だけが理由ではなかったんだと、納得するところあり。ぼくがよく行くABCは、新宿ルミネ2店だった。ココが無くなると困る。私鉄都営地下鉄の乗り換え時に、ナニかあるかなと覗ける店だったのに。


夕飯は、三河島韓国市場で買ってきたサムギョプサル(豚の三枚肉)とナムル。塩とごま油で食べるとウマイ。

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2004-07-15 魚がウマイ日

この二日間は、外に出ていた。図書館で調べ物したり、神保町で取材したり、原稿の打ち合わせをしたり。移動のたびに猛熱の外に出ると、思考が一瞬停止する。ウチに帰り、ゴロッとヨコになってから、ようやく物事が考えられるようになった。


昨夜は谷中商店街の路地にある〈千尋〉で夕食。暑いと魚が食べたい気分になるが、ココはそれに最適。鯛の刺身、ホヤ、魚貝のかき揚、どれもウマイ。最後に、たらこと鮭の茶漬けでシメる。これだけ食べても一人3000円ちょっとと安い。帰って、ゲラ直しをしながら、「刑事コロンボ」を観る。途中からなので、ストーリーを追う気はないが、ピーターフォークのしぐさを見ているだけでオモシロイ。


紀田順一郎さんからメールをいただく。「日刊ゲンダイ」7月15日号の「週間読書日記」で紀田さんが『ナンダロウ〜』に触れてくださったのだ。ちょっとホメすぎではあるが、嬉しい。本の表紙も載っている。旬公に読ませると、「近所に仕事部屋を借りたけど、本がないので一時間もしないうちに帰る」というくだりは、本文には出てないんじゃない? という指摘が。たしかに、カバーの折り返しに入れたモクローくんマンガで、旬公が描いたネタではないか。こんなトコロまで読んで、しかも文章に入れてしまうとは、やっぱりスゴイお方です。


【今日のしおりページ】

島本和彦吼えろペン』第11巻、小学館

締め切りのある仕事が一向に進まないときには、これを読んでやる気を出す(あるいは、みんなそうなんだと、自分を慰める)。今回は、画材店で画材を買ってポイントカードを貯めると、妖精原稿を代わりに進めてくれるというハナシに爆笑。

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2004-07-14 いろいろと、うまくない

ちょっとバテ気味なので、日記は休み。

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2004-07-13 哀しみのぶっかけうどん

午前中、飯田橋へ。今日も暑い。法政の市ヶ谷キャンパスで、執筆者と打ち合わせ。終って外に出るとき、学生会館ホールを見たら、「火災のため立ち入り禁止」とあった。そういえば、そんなニュースを見たような。あとで検索すると、学校側発表(http://www.hosei.ac.jp/new/gs-pr040708hy.html)として、「2004年4月20日学生会館本部棟3階より発生した火災以降、大学学生会館の使用停止措置をとってきました。(略)その結果、学生会館を従来の管理体制の下で使用を継続することは、施設管理者としての法的責任を果たすうえで極めて困難であること、現在の老朽化した施設では学生諸君に対して課外活動のサポートをはじめとした十分な学生サービスを提供できないこと、(略)などの点から、大学は現在の学生会館を解体し、学生厚生施設を含む新しい複合施設の建設に着手することを決定しました」とある。では、コレまでの学館ホールは取り壊しになるのか。ライブのために、1、2度しか行ってない(一度、ダグマー・クラウゼを見た)が、ほかの大学の小ぎれいな施設と違い、貧乏臭さに満ちた空間で好きだったが。

                 

仕事場まで歩く途中、「古書」の看板を見つける。ビルの奥にあるみたいなので、覗いてみるが、それらしい看板は見つからず。あとで判ったのだが、奥のドアを開いたさらに向こうに、その店があるらしい。都立大学前にあった〈麗文堂〉が移転してきたとも判る。つい先月のコトだった。近いうちに覗いてみよう。


そのあと仕事場で原稿のまとめや会議。6時過ぎに出る。表参道に行き、昼飯を食べてないことを思い出して、ビル地下のセルフさぬきうどんに行ってみる。初めてだ。ぶっかけうどんを頼む。もちろんナンの期待もしていなかったが、やはり、哀しいモノだった。麺にコシがあるというよりは、ゴムのように延びる。また、高松うどん喰いに行きたくなった。


青山ブックセンター〉を覗くが、どうも本が目に入ってこない。そういう日って、ときどきある。『ナンダロウ〜』はもちろん一冊もなし。そのあと、古本屋の〈巽堂〉〈中村書店〉を覗いて口直し。萩野さん、八巻さんと、隠れ家的な感じ(とでもいうのか?)の店で会い、いろいろ話し、ご馳走になる。帰ったら11時半。


【今日のしおりページ】

野性時代』8月号

41ページ 清原なつのサボテン姫とイグアナ王子」が載っている。わずか7ページだが、まぎれもなく久しぶりの新作だ。異常な状況に仮託して性を描くのは、清原なつのお得意の手法。結末は哀しい。

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2004-07-12 東京に帰着

朝9時に起きる。旬公は仕事ホテルの一階にある〈サンマルク・カフェ〉でパンとコーヒーを買ってくる。10時半にチェックアウト。荷物をコインロッカーに入れ、鯉川筋を上に向かって散歩。異人館通りで一箇所だけ洋館に入り、見学。また元町まで戻り、〈東亜食堂〉で昼飯。豆と肉炒めの定食、汁ビーフン、ギョーザ。どれもウマイ。おばさんに勧められた豚マンを持ち帰りで買う。〈ちんき堂〉を覗き、戸川昌士さんに挨拶。相変わらず、アヤシイ。タクシーで新神戸に行き、2時前ののぞみに乗る。


車中、旬公は仕事、ぼくはちんき堂で買った『COMの青春』などを読む。5時頃に東京駅到着。ウチに帰って洗濯。ちょっと休んで晩飯をつくり、10時過ぎに〈古書ほうろう〉に寄ったりしてると、たちまち夜が過ぎていく。


【今日の郵便物】

★古書目録 光房(千葉古書店合同目録


【今日のしおりページ】

秋山満『COMの青春 知られざる手塚治虫平凡社1990年

37ページ 自分の会社である虫プロ商事で企画した新雑誌『COM』に、手塚治虫は予定の6割程度しか描かなかった。しかも、創刊号を見て手塚はこう云ったそうだ。

「ああ、これはひどい雑誌だ。こんなものを、虫プロ商事の名前で出版されたら、僕の名前にかかわります。僕が全部買い取るから、書店には出さないでください」

この調子で手塚の人間性をえぐっていくのかと思ったら、途中から虫プロ商事の社内問題が中心となる(コレはコレでオモシロイが)。関係者に配慮したのだろうが、小説仕立てになどしなければ、もっとオモシロかっただろうに。残念。

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2004-07-11 神戸で受けるファッションセンス

MSHIBATAさん撮影

8時過ぎに起きて、ホテルをチェックアウト。鳥取駅に向かって歩く。ホームでうどんを食べる。9時半発の「スーパーはくと」に乗る。自由席はガラガラ。客室の前方にモニターがあり、列車の先頭からの眺めが映っている。こんなの写してどうするのとも思うが、けっこう見入ってしまう。途中、智頭という街を通る。昨日書いた「トリ・レーベル」のオーナーは、ここに住んで活動しているそうだ。


11時半に三宮着。元町で降りて、元町商店街へ。鳥取は曇りだったが、神戸に着いたら快晴。〈海文堂書店〉で福岡宏泰さんや田中さんという女性にご挨拶。二階の控え室に入ったら、「CABIN」の中尾務さんからの差し入れが置いてあった。間違えて昨日来てしまったとのコト。あらあら。ちょっと時間あるので、高架下の古本屋を覗く。初めて見る店もある。〈ツインズ〉で、志村秀太郎『畸人 佐藤垢石』(講談社)1000円など。オモシロイ本があるけど、ちょっと高い。〈丸玉食堂〉で、なかのしげるさん、川辺佳展さん、中村よおさん、MSHIBATAさん、法螺さんと会い、さっそくビールホルモン刺や謎の麺(ラーメンがどろりとした液のなかに沈んでいる)など、ウマイ。あとで、森元暢之さんも合流。予定されていた川崎ゆきおさんがご病気のため、ピンチヒッターに出てくださったのだ。マンガとはまったくイメージが違う、ものすごく腰の低い方で、こちらが恐縮してしまった。


いい気分になって、控え室に戻ると、山本善行さんが来ている。それと、烏本舗サイトの常連で海文堂サイトもつくられている読ん太さん(女性だったとは知らず)もいらっしゃる。旬公もやってきて、全員揃う。3時になったので、店の前、アーケードの通り道にテーブルを並べ、そこに、「sumus」から山本、南陀楼、内澤、幻堂から森元、中村、川辺がヨコに座る。最初は通行人からじろじろ見られてバツが悪かったが、一人じゃないんだし、そのうち慣れてきた。ぼくは自分の名前を書くだけだが、旬公はぼくの本のイラストを描いた上、自分の本のサインもしなければならないので、忙しい。


来てくれた知り合いは、にとべさん、前田くん、エルマガジンの稲盛さん、川口さん、坂井さんなどなど。講談師の旭堂南湖さんが来てくださったのも、うれしい。それと、〈リブロ〉堺上野芝店の店長さんとお話して、「池袋店にアラキって女性がいたんですけどねえ……」と云ってたら、その直後にナンと本人が! わざわざ金沢から特急に乗って来てくれたそうだ。元気でやっているようで、ヨカッタよ。


2時間ちょっとやって、サインしたのは20冊ぐらいか。それ以外に、店で売ってもらう本を10冊サインした。あと、今回にあわせてつくった「モクローくん扇子」も一本売れた。山本さんの本もかなり売れたみたい。山本さんが持ってきた、もう在庫のない「sumus」「ARE」は即完売した。さすが、みんな目ざとい。終って控え室に引き上げ、6時過ぎに〈松屋〉という飲み屋へ。総勢20人近くの打ち上げ。金沢に帰るアラキと入れ違いに扉野君が来る。山本、扉野、南陀楼と「sumus」で原稿が限界を超えて遅い三人が揃ったワケだ。そこで、山本さんが締め切りに関して爆弾発言をして、一同呆れる。いや、正直でイイんですけど、フツーのヒトは口に出して云わんよなあ。あと、店のおばちゃんが、ぼくが着ていたゾウリの鼻緒が浮き出ているTシャツ(ソウルで買ったもの)を見て喜んでくれたあと、旬公の「青空洋品店」謹製のブラウスと「ほとんど一緒」な発言をしたのも、オモシロかった。その他の模様は、にとべさんの日記で。

http://diary1.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/nitobesan/


二日間の巡業がなんとか無事に終り、眠くてしかたがない。解散した後、すっかり酔っ払ってしまった福岡さんとホテルで別れ、先に旬公が帰っている部屋に入る。民主党が勢いづいている選挙中継を見て、12時過ぎに眠る。


今日のしおりページ】

『何の雑誌』第6号

今日サイン会になかのさんが根性で間に合わせた。エンテツさんの「『オトコ労働者』の呼吸を聴け」もよかったが、やはり川崎ゆきおさんが最高。「猟奇王通信 手打ち式」のラストで、立ち食いうどん屋に「手打ちうどんはじめました」という看板が出ているのがたまらくオカシイ。エッセイもいつもの味。その川崎さんの盟友、ガンジー石原さんこと石原基久さんの「『酒処かずこ』営業中」というエッセイも、一人暮らしの自宅での立ち飲み立ち食いを書いていて、いいカンジ。

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2004-07-10 とうふちくわな夜

朝9時半に起き、寝不足の目をこすりながら、浜松町へ。チェックインしてから、〈ブックス談〉を覗き、羽田空港へ。西日本で大雨だというニュースを出掛けに見てきたが、こっちはこんなに暑いのにと半信半疑だった。ところが、飛行機は途中から大揺れ。エアポケットに入ってガクッとなることはよくあるが、二回も続けざまだったのには、肝を冷やした。やっと降下しはじめたらと思ったら、気流が悪いからとかでまた上がったりした。それやこれやで、ほぼ1時間遅れで鳥取空港に到着。大雨。


〈定有堂書店〉の奈良敏行さんが車で迎えに来てくれた。一緒に、たまたま山陰を営業していたという青弓社の岡部さんもいたが、すぐ帰らなければいけないとかで、市内で別れる。カフェ好き奈良さんの最近のお気に入りだというカフェに行き、鳥取県図書館斎藤館長とお会いする。1時間ほどお話し、斎藤さんがやろうとされているコトに興味を持つ。斎藤さんオススメという、〈吾妻そば〉へ。ココは出雲そばの店で、割子を久しぶりに食べる。もっとも、上にとろろや天かす、ウズラの卵がかかった、ちょっと珍しい割子。ここのはそばが細くて美味しいなあ。子どものとき、あんなにそばがキライだったのに、すっかり好きになり、出雲そばもうまいと思えるようになった。時間というのはフシギだ。


一度、定有堂に荷物を置き、県立図書館、そして〈今井書店〉吉成店へ。以前行ったときは、まだ〈富士書店〉だった。ここで今日の司会をしてくれる梶川先生にお会いする。熱血漢っぽい。そのあと、市内に唯一あるという新古書店ではない古本屋へ。もっともココも〈トスク〉というスーパーのナカにあるというから、あまり期待はしなかった。梶川さんや村上博美さん(県立図書館勤務で幻想文学の書誌をつくられている)がよく行かれるというので、まあナニかあるかな、と思ってはいたが。行ってみると、ホントにせまいスペースだし、文庫マンガが中心に見えるけど、棚をよく見るとオッと思える本が安く見つかる。「商業界」の倉本長治の回想録『みち楽し』が400円、創元社版『映画鑑賞手帖』が500円、古山高麗雄『兵隊蟻が歩いた』が300円という具合。文庫も、広瀬正『マイナス・ゼロ』、結城昌治『森の石松が殺された夜』が100円均一。文庫はいずれも持っているが、月末のイベントで売ろうと思う。この近くに〈風庵〉という骨董屋があり、ここもあまり期待しなかったが、紙モノの入った箱をかき回すと、1931年の「婦人公論」の文庫版「愛読者日記」が見つかる。ナンと100円。


定有堂まで戻り、店内を見てから、三階へ上がる。この部屋で、南陀楼綾繁の「本の海で溺れてます」という茶話会が開かれるのだ。もっとも前日の「日本海新聞」などには「講演会」と書かれてしまったが。奈良さんは相当前から、チラシ配布や看板など宣伝努力をしてくださっていたようで、頭が下がる。最初は5、6人だったが、7時過ぎから少しずつヒトが増え、最終的には15人ぐらいになったか。梶川さんの紹介のあと、どうして本の世界でいろいろ活動するようになったかを50分ほど話す。皆さん、聞き入ってくれて、ところどころで笑ってくれたので、とても話しやすかった。


終るとテーブルをセッティングしての、立食会になる。奈良さんのお友達がつくってくださるのだが、イカ、カツオ刺身名前忘れてしまった貝を混ぜ込んだゴハン、などなど出てくる料理がいずれも素晴らしく美味しい。食べながら、いろんなヒトと話をしたり本にサインするので、なかなか忙しい。市立図書館の女性は、『ナンダロウアヤシゲな日々』を館で購入してくれたそうだが、カバーにはパウチをしてしまうので、「折り返しの下も表紙のマンガも受け入れをした私以外見ていません」と笑っておられた。「鳥取学生がつくる鳥取情報誌」という「Charider」というミニコミを編集している女の子(道祖尾さんと書いて「さいのお」と読むんだそうな)とも話す。ちょっとデザインにケチをつけてしまったが、何はともあれ10号続いているというのはエライと思う。同誌の男の子とは、鳥取の「トリ・レーベル」の話など。


11時ぐらいに、場所を移し、カフェに行く。話しすぎたせいか異様にノドが乾き、林檎ジュースがうまい。ここで1時ぐらいまで。前もたしか、ここで話したなあ。みんな本好きなので、いろんな本の話で盛り上がる。解散してから、歩いてスグのホテルへ。ニュースジャカルタでの曽我さん夫妻の再会を伝えている。くたくたになって眠る。


【今日のしおりページ】「とうふちくわの穴」パンフレット

市立図書館の女性にいただいたもの。夕食会にも出ていたが、「豆腐と魚肉のすり身を練り合わせ、塩を加えた」ちくわのことで、鳥取県内でも鳥取市だけで生産されているものらしい。どうりで初めて食べる味だった。このパンフは、鳥取女子高校社会部がとうふちくわを普及させるために、製造法、生産・消費量、売っている店などを調べてまとめたもの。

アンケートで「一カ月に食べるちくわの本数」を市民に尋ねたり、「とうふちくわ君」なるキャラクターをつくったりするのが、妙にオカシイ。デザインも含めて非常にいいセンスで、翌日の特急の中で読んでいて、思わず噴き出した。香川における「さぬきうどん」みたいに、盛り上がると面白いことになるだろう。

http://www.tottori.to/chikuwa2/

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2004-07-09 疑惑の第一位

朝、8時半に起きて、自転車荒川区役所まで行く。期日前投票のためだ。荒川区は区民事務所の配置がどうもおかしくて、西日暮里近辺には一カ所もないため、区役所まで行くしかないのだ。1階ロビー投票をすませる。選挙なんて行ったり行かなかったりなのだが、11日が神戸サイン会なので、選挙に行かない理由としてはあまりにもマヌケすぎるかなと思って、今回は投票した。


昨夜つくった、イベントのチラシを〈古書ほうろう〉に持っていく。ついでに、こないだの買取の精算。おお、ワリと高いぞ。今日もうだるような暑さ。仕事場に続く坂道に上るだけで、全身の力が吸い取られるようだ。まず、懸案の原稿を片付けるべくとりかかる。なんとか書いて、神保町へ。仕事の打ち合わせの後、〈書肆アクセス〉に寄る。情報誌「アクセス」の売上良好書に、6月15日までの集計で、『ナンダロウ〜』が「出荷センター仕入れ」が5位、「書肆アクセス調べ」が1位になっている。畠中さんからは、入荷日から5日ほどでこれだから、次回もいい順位だろうと云ってもらえる。嬉しい。だけど、もしアクセスでの順位が日本各地の書店での順位と一致していたら、いまごろ増刷かかってるんだろうけどなあ。ちなみに、「アクセス仕入れ」(以上三つの集計の違い、かなりわかりにくい)の第1位は「sumus」12号だった。


また仕事場に戻り、7時ごろまで。旬公から電話が入り、〈アクセス〉にいるというので、一日二回も同じ店へ。仕事上がりの畠中・小林夫妻と一緒に、〈名舌亭〉へ。いろんなハナシが出たが、小林さんが私生活でも本をきちんと整理しないと気に喰わず、畠中さんはその逆というのが、何度聞いてもオモシロイ。10時ごろ解散。ウチに帰り、「モクローくん通信」17号までのバックナンバーのセットをしこしこつくる。


そろそろ、塩山さんがナンか書いてるかな? と「漫画ホームページ」の「日刊塩山無駄話」(http://www.linkclub.or.jp/~mangaya/nikkann.html)を見たら、あった、あった(7月8日付)。「▼“タダ原稿書きのキング”、南陀楼綾繁処女単行本の宣伝でシャカリキになるのはわかる(当人の知名度、版元規模からして当然)。わからないのが丸山健二。ざとらしんだよ毎回。」以下略。「タダ原稿書きのキング」という命名は、ぼくとしてはわりに気に入っている。


地方巡業のため、明日から火曜日まで、更新はありません。もう一度宣伝しておくと、明日10日、夜7時から、鳥取・定有堂書店http://homepage2.nifty.com/teiyu/)で、『ナンダロウ〜』刊行記念の茶話会があります。そして、翌11日3時からは、神戸・海文堂書店http://www.kaibundo.co.jp/)で、「sumus」VS幻堂出版の「汗だくサイン会」が開かれます。この猛暑なので、東京に戻ってから寝込まないように、あまりハシャがず大人しくしていたい。関西に行くと、いつもハジケてしまうので……。


【今日の郵便物】

★古書目録 愛書会


【今日のしおりページ】

とくになし。

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2004-07-08 ご幼少のみぎりのポテトチップス

昨夜は12時過ぎにヨコになったのだが、暑いし、クーラーかけると冷えすぎるしで、眠れない。しばらく本を読み、電気を消しては眠れず、またつけて本を読む、の繰り返し。結局、5時まで眠れず。


仕事場に行くが、今日も暑い。この週末は鳥取神戸に行くのだが、どうなるコトやら。弟からメールあり。『ナンダロウ〜』に前にいた会社のコトを書いた(弟はそこで勤めているのだ)のだが、社長がなんだか喜んでいたらしいのでひと安心。「本を読んで同情した人がポテトチップスを沢山送って来ているのではと推測しますがどう?」とあって、爆笑。弟とカルビーポテトチップスを取りあった少年時代のいじましさを(ワザと)二カ所に入れたのだが、反応したのは当の本人だけでした。


座談会や原稿の打ち合わせなど。まとめなきゃならない原稿はまだ進まず。林哲夫さんからメールで、「それにしてもモクロー日記(じゃなかったっけ)、毎日すごい量ですね。けっこう時間とられるでしょう? まあぼちぼち行きましょう。」と。大丈夫ですよ。あったコトを順に書いていくほうがいまのところラクなだけで(読者には迷惑でしょうが)。たぶん、そのうちパタッと更新が止まるでしょう。


ウチに帰って、「モクローくん通信」第18号のテキストを上げる。ただ、諸事情あり、海文堂でのサイン会で配るのは断念した。版下作成→コピーにはむちゃくちゃ時間掛かるのです。今回は「古書ほうろう」でのイベントのチラシを配布するコトにした。あと、「モク通」創刊号から第17号までの揃いを500円で販売します。未入手の方はご利用ください。もうひとつ、シークレットにしてたモクローくんグッズが明日できるというので、海文堂に直接送ってもらう。販売分は3つしかないけど、ナカナカよきものかと思ふ。


定有堂書店奈良さんからメール。「日本海新聞」で紹介されました、と。まあ、山陰出身ですし。定有堂のサイトを見たら、記事が載っている。「講演会」というコトバと「南陀楼綾繁」という名前のギャップが笑える。あくまでも、気楽な茶話会です。

http://homepage2.nifty.com/teiyu/topics/nannda_announce2_book.html


【今日の郵便物】

★「i feel 読書風景」2004年夏号 特集は「いまもういちどやさしく学ぶ構造主義」。それとは無関係に、「本が生れるところ」という欄で、南陀楼のインタビューが載っている。もっと旨く話したかったなあ。

http://www.kinokuniya.co.jp/

★古書目録 浅草松屋、美濃収集会


【今日のしおりページ】

蜂巣敦『殺人現場を歩く』ミリオン出版、2003年

本の整理の過程で見つかった。正直言って、この本を買ったことすら忘れていた。冒頭、「綾瀬女子高生コンクリート詰め殺人事件」(1989)の犯人たちが通っていた中学が、綾瀬東京武道館の隣にあるという記述に驚く。その中学のヨコを通って、古本屋デカダン文庫〉によく行くのだから。〈デカダン文庫〉は駅前に移転したが、近くの〈味路〉でもつ焼喰うために、最近でもあの辺りをよく通る。

また、92ページの「新宿タバコ経営者連続殺人事件」(1999)に出てくる西早稲田タバコ屋は店こそ覚えてないが、前はしょっちゅう通るし、隣のラーメン屋に入ったこともある。そうだったのか。

この本の編集者、山崎三郎氏は藤木TDC『アダルトメディア・ランダムノート』の担当者でもある。このヒトの名前、覚えておこう。

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2004-07-07 ついでに生きてる人たち

昨日、観直すのがめんどくさくて飛ばしたが、《マル秘色情めす市場》の原題は《受胎告知》だった。たしかに、テーマストーリーもこちらに近いのだが、でも、《受胎告知》のままだったら、ここまで多くのヒトの記憶に残ったかどうか、という気もする。このことに触れた、田中インタビューのテキストは、「日活ロマンポルノ館」で読める。

http://www.nikkatsu-romanporno.com/main.html

夜中に自分の部屋に入るのに、電気をつけなくても奥に進めるコトに感動する。自分で感動しておいて、バカだなあと思うが、今朝がた一旦帰って来た旬公が「床が見える!」と絶叫したのを聞いて、こういう非常識な生活がスタンダードになってたんだなあと思う。べつに反省はしない。


午前中図書館によって、仕事場へ。まとめなきゃいけない原稿が多いが、手近な作業や業務連絡に逃避してしまって、手が着かない。徳島北島町の小西昌幸さんが、「創世ホール通信」を送ってくれる。光文社文庫版乱歩全集や松田哲夫『編集狂時代』と並べて、『ナンダロウアヤシゲな日々』を紹介してくれている。「氏の出版界の最初の仕事は、ゆまに書房の『雑誌集成 宮武外骨此中にあり』全24巻だった(企画編集&版下貼り込み)。つまり彼は25歳くらいで編集者としていきなり頂点を極めたようなところがあるのだ。」(サイトでも読める)

http://www.infoeddy.ne.jp/kitajima/hole/bunka/200407.html

小西さんと最初に会ったのは、宮武外骨をめぐる講演会で香川に行き、この集成を会場で販売していたときのコトだった。28歳ぐらいだったか。

じつは、この本に最後まで入れようと思っていたのが、小西さんについての書き下ろしだった。時間切れで書けなかったのだが、いずれ、もう一度話を聞いた上で、書いてみたいと思う。


西秋書店さんからメールで、河内紀さんが朝日新聞に載っていると知らせてくれる。ラジオ欄を開くと、「ラジオアングル」というコーナーで仲宇佐ゆりさんが河内さんにインタビューしている。「音とことばの扱われ方が雑になっている。人間には耳の力があるんだ、ということをいっておかなきゃいけないかなと」(河内さん)。古書ほうろうでの7月30日のイベントでは、河内さんの「耳の力」がライブで聴けるわけで、多くの人に来てほしいと思う。


仕事に切りをつけて、山手線日暮里小沢信男さん宅へ。「サンパン」の資料を受け取るだけだったが、ご夫婦ともススメ上手なので、いつの間にか上がりこんでしまう。小沢さんが編者になった、長谷川四郎『鶴/シベリヤ物語』(みすず書房、「大人の本棚」)を頂戴する。楽しみに読もう。30分ほどで切り上げ、〈蟻や〉でちょっとビール飲んで、ウチに帰る。メールをチェックすると、なんと清原なつのさんからのメールが。『ナンダロウ〜』をお送りしたが、お返事は期待していなかった。それだけに嬉しい。清原さんには、「本とコンピュータ」で「お買い物」という短いマンガを描いていただいた(ハヤカワ文庫『千の王国百の城』に収録)。メールには、それ以来だというマンガを『野性時代』に描かれたとあった。コレはすぐ探さねば。ほうろうに台車で荷物を持ち込む。コレで大きな荷物はほぼ運び終わった。あとは紙モノの整理だな。


【今日のしおりページ】

小林信彦名人 志ん生、そして志ん朝朝日新聞社(朝日選書)、2003年

この本の中には、1970年代小林信彦と、20世紀末の小林信彦が同居している。

1970年代はこんなカンジ。

67ページ 志ん生の十八番とする人物は、彼自身の表現によれば、〈ついでに生きてる人たち〉である。/酒と遊女の二つを中心にして、ふらふらと吸い寄せられてゆく、きわめて不確かな人物たちで、そのたよりなさと喜劇性は、さいきんのニュー・シネマの描く〈ボニーとクライド〉(『俺たちに明日はない』)や、〈ブッチ・キャシディとサンダンス・キッド〉(『明日に向かって撃て!』)といった人物像に酷似している。かりにウィリアム・ワイラー監督を正統派とすれば、ワイラーの造形する人物にくらべて、彼らはなんだか頼りないが、曇らされぬ目でみれば、彼らはよりリアルであり、人間的でもある。そして、まさに〈ついでに生きてる〉連中ではないか!」

異なった題材の結び付け方に創意工夫が見える。読者は思わず、すぐにでも、志ん生が聞きたくなる。


しかし、20世紀末になると、小林信彦の不機嫌さは頂点に達し、志ん朝の独演会に来る自分より下の世代を、「似合いもしない和服を着た若者、ノートをとるおたく」と切って捨てる。若いうちはかなりマニアックな人間でありながら、自分が老年に入ると、遅れてきたマニアックな若者を排除し、けっきょくは同時代志ん生志ん朝の芸を見ているかどうかで勝負が決まると云わんばかりの特権意識には、ある意味、感心する。そういう臭みも含めて、この本はオモシロイ。

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2004-07-06 東京には「床」があるとモクローは云う

夕べは本の山の間に、布団を敷いて寝た。今朝はまず、生活用品の店に行き、カラーボックスを三つ(一つは仕事場へ持っていく)注文し、組み立てて夕方に配達してもらうコトに。さて、そこから獅子奮迅の働き。〈古書ほうろう〉に、フェア用と買い取ってもらう荷物を台車で運ぶ。それから、室内の本の移動。夜のニュースではこの夏いちばんの暑さだといってたが、クーラーかけっぱなしでも全然効かない。何度もシャワーを浴びる。


電話メール仕事の連絡を取りつつ、どうやら夕方にはカラーボックス二つ分を設置する空間ができた。おお、床だ。この一年間、ずっと「牛若丸跳び」で移動していた「けもの道」も、そのまま歩けるじゃないか! しかし、カンゲキしたのもつかの間、配達されたカラーボックスを置き、そこに本を詰めていくと、たちまち一杯になり、その前に山積みしていくコトになった。ジャンル別に本を並べたいと思ってたが、いままでと全然変わらないじゃないか! 今日はやらないけど、このあと、奥の空間(ここは足を踏み入れることすらできない。奥の本は背伸びかジャンプして取っている。マジで。)の整理もあるが、結局、置ける本棚の数が少ない以上、山積みにするしか手はいのだろうか。


しかし、まあ、汗だくで本の山を崩しては、また積んだだけの功徳はあり、ずっと探していた書肆ユリイカ・伊達得夫氏の評伝『われ発見せり』が山の奥から見つかった。まさに、われ発見せり。谷沢永一『文豪たちの大喧嘩』、矢作俊彦『ららら科学の子』も。ホント、意表を突いた場所にあるもんなあ。〈古書現世〉に買い取り宅急便二箱発送し、ほうろうにもう一度荷物を持ち込む。コレ以上続けると、腰が痛くなるので、今日はココまで。豚肉と大根、ネギ、みつばを入れた雑炊をつくって食べる。ああ、もう12時過ぎてしまった。


貸本喫茶ちょうちょぼっこ〉(http://www.nk.rim.or.jp/%7Eapricot/chochobocko.html)の日記で、福島さんが『ナンダロウ〜』を読んだと書いてくれた。「この本の中でも気に入ったところは街散策の部分。バスに乗って田中小実昌の跡を追う様子が印象に残りました。」

一方、〈烏本舗〉(http://homepage2.nifty.com/hon-karasu/sakamuke-bessatu-dokuha04-7.htm)では、みみさんが、「私事が仕事になり本とその周辺の人々との出会いが素敵です。「わが青春のながら食い」良かったです。」と書いてくれている。

読むヒトによって、面白がってくれる場所がゼンゼン違うところがおもしろい。「わが青春のながら食い」は、得票率高し。「四季の味」担当の藤田さんのおかげです。


【今日の郵便物】

★葉書 内澤の友人のウエハラさんより、『ナンダロウ〜』について。なんと、先日、高崎地酒を贈ってくださったのだ。今日、冷やして飲みました。

目録 伊勢丹浦和五反田遊古会


【今日のしおりページ】

藤木TDC『アダルトメディア・ランダムノート』ミリオン出版

噂の真相」のアダルトメディア欄に連載された12年間のコラムを収録。このヒトの文章は硬派でそれでいてユーモアはある。ルポライターでも評論家でもなく「ライター」のスタンスで、こういう文章が書ける人は少ないのではないか。各項の「追記」がまたイイ。

148ページ 「通俗的タイトルと尖端的映像表現の落差――これは若松孝二が台頭した六〇年代以来、ピンク映画業界が抱えるパラドックスと同じ問題で、日本セックス映画産業にまつわりつく最大のジレンマである」

田中登の傑作(というか問題作)《マル秘色情めす市場》が、最初からずっと監督が主張していたタイトルとはまったくかけ離れたものだったコト(DVDインタビュー田中監督が云ってた)を思い出した。

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2004-07-05 本の海、やりたいテーマの夢の址

昨夜、荒木幸葉さんからメールが。池袋リブロを辞めて、結婚して金沢に行ったのだが、しばらく連絡がなく、心配していた。パソコンがつながったとのことで、「書評のメルマガ」の原稿を送ってくれる。うん、なかなかイイ文章だ。どうやら明日発行することができそう。


今朝はちょっと眠り足りない。一昨日、〈上々堂〉の長谷川さんが「いつ寝てるかと心配です」と云ってくれたが、大丈夫、欲求には素直に従うほうなので、睡眠は優先してます。むしろ、いつも赤い目をしてる長谷川さんの方が心配です。〈古書ほうろう〉に荷物を運ぶ。展示の本、販売の本がゴッチャだが、とりあえず全部運んでしまって、向こうで仕分けすることにする。だって、ウチじゃとてもできないし。そのため、ほうろうさんでは、「モク祭」(以後、こう略す)用に、段ボール箱と作業用の机を用意してくれているのだ。ありがたし。


仕事場に行き、6時過ぎまで。千駄木で降りて、また〈ほうろう〉へ。仕事場に置いてあった雑誌などを少々持ち込む。ウチに帰ると、入れ替わりに旬公が出て行く。「けもの道」の本を整理するのに、一度、居間(といっても布団敷くだけの空間)に本を積み上げる必要があるので、旬公は仕事を持って鎌倉実家に三日間避難するのである。「私、実家に帰らせていただきます」というのはよく聞くが、本の整理が理由というのは、まあ、あんまりないだろう。


夕飯食って少し休んでから作業開始。今夜は本の山を移動させるのが目的。最初にデジカメで写真を撮っておく。ヒトに見せたら、おそらく引かれてしまうであろう衝撃映像だ。どっかで公開するか。奥の部屋も居間もクーラーをつけてやるが、汗だくになる。先週、仕事場の荷物を動かしていたのに、今度はウチ。しかも、年末にはおそらく実家も移動するコトになりそうなのだ。コレまでナニも考えず漫然と本を買ってきたツケが回ってきたのだろうか? 


それにしても、いったいナニを考えてこんなにいろんな方面の本を買っているのか。いや、そのときは「今度はこの作家を追ってみよう」とか「この分野のことを調べてみよう」という気があって買い込むのだが、そのどれもが中途半端に終っている。きちんと整理されていれば、まだ活用の機会もあるのだろうが、ただ積み上げてるだけだもんなあ……。前の引越しから5年、やりかけの、あるいは、やりそうにないテーマリセットするイイ機会なのかもしれない。1時間ほどやって、少しだけ床が見えてきたので、嬉しくなる。こんなことで喜んでちゃまずいけど。


【今日の郵便物】

★葉書 宮下志朗さん、足立亨さんより、『ナンダロウ〜』について。

★『東京人』8月号 特集「東京土産」 短い文章を書いた。


【今日のしおりページ】

吉川潮『突飛な芸人伝』新潮文庫2001年

奇行に走る愛すべき芸人17人の列伝。それぞれ短いのにじつに読ませる。

26ページ 月亭可朝の項で、

「可朝の会はまだ実現していない。会場の問題、資金の問題、私の力が至らぬせいだ。可朝に借金をしているような気分である。しかし、ものは考えようで、借りがある間は縁も切れない。借りは人と人とをつなぐ鎖のような役割をすることもある」

なるほど。

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2004-07-04 以下、例のところにて。

夕べ、3時まで起きていたのでツライ。9時に起きて、北篠崎の職人さんのところに行くつもりだったが、「宅急便でいいですよ」と云われ、安心のため二人でそのまま二度寝コンビニ宅急便出してから、すずらん通りの〈ヴァルガー〉(だったかな?)で、昼飯。喫茶店だが、食事メニューも豊富。エンテツ本を読みつつあるので、汁かけ飯が食いたくなり、豚角煮の丼というのを頼んでみる。しかし、コレは失敗。角煮ときゅうりと明太子がご飯の上に乗せられているだけで、煮汁もかけられてない。これじゃ、おかずがゴハンにからまないんだよお。コーヒー飲んで、谷中で仕事するという旬公と別れ、ウチに帰る。ようやく原稿一本あげる(それでも予定より1時間遅れ)。


で、渋谷に出かけるのだが、以下は、「まぼろしチャンネル」(http://www.maboroshi-ch.com/)の「帝都逍遙蕩尽日録」に書くつもりなので、ココでは出し惜しみしておく。来月辺りアップされるでしょう。


夜12時半に帰る。〈古書ほうろう〉(http://www.yanesen.net/horo/info/)で、今月30日から三週間行われる「第一回モクローくん大感謝祭」の告知が掲載されている。こうして改めて見ると、いかにもアホな企画である。37歳児とは思えん。でも、なるべく多くのヒトに来てほしいし、たくさんカネを落としてってほしい。


【今日のしおりページ】

遠藤哲夫『汁かけめし快食學』(ちくま文庫)を最後まで読む。

しおりページはたくさんあるのだが、書き出すと長くなりそうなので、略。

ただ、熊谷真菜さんの解説は、エンテツ本の真髄を突いている、スゲエものであった。

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2004-07-03 薄花葉っぱを聴こう

しばらくの間、誰にも知らせずにblog日記を書いてみようと思ってたが、更新するそばからエンテツ氏が言及してくれて、バレバレです。でも、blogというのはそういうモンなのであろう。締め切りには大幅に遅れてますが、例によって書き出し部分で呻吟&thinkngしてるだけです。だけ、ってそれが一番長いんだけど。明日の朝には突破したい。


というワケで、朝から机に向かっていたが進まず。もろもろメールを書いたりしてるといつの間にか3時過ぎてしまう。中島貞夫を観たかったが行けそうにナシ。電車に乗って、三鷹まで。駅前、古本屋さんがあったあたり、まったくの更地になってしまっている。〈上々堂〉で『ナンダロウアヤシゲな日々』のサイン本を5冊渡し、無明舎から届いていた5冊と交換する。無明舎の対応が早い、というか、いまの出版流通からすると異常な速さであることは、〈古書ほうろう〉の日記http://www.yanesen.net/horo/)でも触れられているが、上々堂の長谷川さんもカンゲキしていた。


ところで、今日の上々堂、どうかしたんかと思うぐらい、安く本を出している。外の均一代(350円というのがイイね)には、『植草甚一コラージュ日記』第2巻が。他にも出たばっかりの本が350円。店内も安い。長谷川さんは6月に入って客が減っているのでテコ入れだというが、店内でやっている岡崎武志さんの委託本の安さにつられてるんじゃないの。均一小僧に影響されちゃ、あかんでェ。その岡崎堂で山口瞳『江分利満氏の優雅なサヨナラ』(新潮社)を500円で。これも安い。先日読み終わった金井美恵子目白雑録』も500円。三鷹方面のヒトは駆けつけるように。


ついでなので、前から行こうと思っていた、〈フォスフォレッセンス〉という古本喫茶に行ってみる。この店を勧めてくれたのは、わが家のアイドルのマユたん(カピパラ科)だった。彼女のマユ語によるレコメンデッドは超難解で、行ってみないとよく判らない。上々堂からさらに奥に10分以上歩き、たどり着く。入ってみると、たしかに棚には本がたくさん。ただ、三つほどある席に人が座っていると、棚の本を見ることがほとんどできないのだ。せっかく本棚が目の前にあるのに、手にとって見られないフラストレーションよ。アイスコーヒーを飲むが、気分はいまいち。自分で気に入った言葉があったらそれを書いて栞代わりに本に挟め、なんて書いてあるのも、なんかむずがゆい。ぼくにはご縁のない店かもなあ。早々に出て、バスに乗って三鷹駅へ。マユたんのもう一軒のオススメ〈文鳥舎〉には今度行ってみよう。


西荻窪で降り、〈戎〉で生ビール小とタン、ガツを喰ったあと、〈音羽館〉へ。手持ちのサイン本2冊を渡し、3冊にその場でサインする。ここでも無明舎の対応の早さに感心していた。会社にいるヒトは三人しかいないハズだ。中華料理屋で焼きそば喰って、駅で旬公と待ち合わせ。〈アケタの店〉に行くと、今日は昨日よりは少なめ。壁際に座ると目の前に〈興居島屋〉の石丸さんがいた。


今日の前半は、デビューしたばかりの京都の「薄花葉っぱ」。5人組の20代前半のグループだ。田中亜矢が来れなくなった(残念!)代わりに急遽呼ばれたらしいが、どうしてどうして、堂々としたステージだった。ボーカルの下村よう子は野性味のある声で、風貌がちょっと笠置シズ子を思わせる。あとはギターピアノベースドラムという編成で、ピアノベースが女性。ぼくの座っているところからはピアノはよく見えなかったが、[シャバdeダンス]という曲で、ピアノの坂巻さよが前に出てきて唄ったのを見て、ビックリ。声がイイし、とてもキレイな顔なのだ。清楚で、なんか昔の日本映画に出てくる若い女性のカンジ。香川京子とかな。普段はこんなコト書かないんだけど、恥ずかしながら書いてしまった。旬公に云ったら、もちろん冷やかされた。


全部で7、8曲やったけど、どれもイイ。最近「昭和歌謡」が流行りで、「薄花葉っぱ」も一見そこに位置させられてしまいそうだけど、彼らはレトロをやっているつもりはないだろう。だから、チャップリンが『モダンタイムズ』で歌った曲に日本語詩をつけたという珍品(原曲は生田恵子)のカバーも、新しい感じを受けた。オフノートから強力な新人現る。彼らのデビューCD[薄花ドロップ]を買ったので聴いてみよう(今日は一緒に、鈴木翁二の[未明の歌]も買った)。しきりのMCがヘタだと云ってたけど、東京の客はあまり反応を表に出さないだけなので不安だったのだろう。昨日のようにエンテツさんがいたら、一言喋るたびに「そうだ!」と云ってくれたのに。客の反応が鈍そうなイベントには、すべからくエンテツさんを投入すべし。


後半は、皆勤賞の船戸博史(ベース)と向島ゆり子(バイオリン)で二曲やり、そこにロケット・マツ(ピアノほか)が加わって、上野茂都の三味線と歌で一時間ほどやる。ホントにいろんな引き出しがあるヒトだなあ。「オフノート社歌」をライブで聴けたのが収穫だった。旬公がイイ気分で眠ってしまったらしく、終って店を出るときに、寝ぼけて、出演者のあとをついてそのまま楽屋に突入してしまった。後ろから声かけるも、間に合わず。あまりに当たり前に行動したので、周りも一瞬気づかなかった。


電車に乗って、ウチに帰ると11時。作業しながらレンタルノルウェー映画《歌え、フィッシャーマン》を見るが、ドキュメンタリーとはいえ、あまりに単調なつくりにリタイアしてしまう。


【今日のしおりページ】

遠藤哲夫『汁かけめし快食學』(ちくま文庫)半分ぐらい読了。単行本『ぶっかけめしの悦楽』とはテーマを同じくしながら、まったく別の本だといってもいいほど書き換えている。すごいバイタリティだ。

★69ページ NHKの「かけめし差別」について。「そういう思想が、新しいカガクを都合のよいところだけ都合のよいように利用し、あたかも偏見に合理性があるがごとき態度で、ひらきなおる傾向がある。文化や伝統について理解に欠けるし、おもえばそのようなイイカゲンな中途半端な新しいカガクに性急にとびつき、継続していた文化や伝統を簡単に捨ててきたのが近代日本なのかもしれないのだが」。これは、いろんな分野で当てはまるよなあ。

★笑った箇所。

87ページ 男女の掛け合い。女がかけめしをつまみにビールを飲むと云い、「魯山人さんには聞かせられない話ですけど」と云うと、男が「魯山人は死んでいるから大丈夫」。そりゃそうだ。死んでるからねえ(笑)。

あと、昨日紹介した以外に、もう一ヶ所、南陀楼の名前が出てきた。探してみてくれ。

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2004-07-02 ぶっかけめしな縁

朝、神保町へ。〈書肆アクセス〉に寄ると今日は空いていた。早番の人の体調不良だったようだ。理由が判って安心。〈岩波ブックセンター〉で柴田さんにPOPを渡す。「米子で出版パーティやるんだって?」。いえ、鳥取の〈定有堂書店〉で新刊をネタにした茶話会を開くだけです。

http://homepage2.nifty.com/teiyu/topics/nannda_announce_book.html


机周りの書類や本を押し込めるカラーボックスを買いたいのだが、神保町九段下のほうまで歩いても家具屋は見つからず。文房具屋にも入ってみるが置いてなかった。市ヶ谷に出で〈オフィス・デポ〉へ。ココにもカラーボックスはなかったが、鉄製のラック(三段になっている)があったので、それを買う。仕事場で設置。こういうのを組み立てるのは絶望的にへたくそ。途中で二回もやり直す。そのあと、本棚の整理、次号の会議など。


6時に出て、西荻窪へ。南口の〈登亭〉へ。客は一人も居ず。昔と違ってこういうボリューム感を若者が求めなくなったのか。ぼくはココで適当な組み合わせの盛り合わせ定食(650円)を食べるだけで幸せなのだが。〈信愛書店〉を覗くも、『ナンダロウアヤシゲな日々』はナシ。ココなら置いてくれてるだろうと思ったので、軽くショック。


駅の改札でエンテツさんと会う。すでに一杯呑んできたとのことでゴキゲン(いつもだが)。〈興居島屋〉を覗くと石丸さん(奥さん)がいた。〈アケタの店〉は明日いくとのコト。エンテツさんの『ぶっかけめしの悦楽』が500円で。エンテツ「安いなあ」、オレ「適価ですよ」。失礼。〈アケタの店〉に行くと、階段には人が並んでいる。そこで、エンテツさんの新刊『汁かけめし快食學』(ちくま文庫)をいただく。パラパラめくっただけでも、『ぶっかけめし』をベースに多くの書き足しがあることが判る。著者近影の写真もいいぞ。プロフィール昭和18年生まれとあるのに、改めて驚く。ホントに還暦なんだ……。それにしてもイイ本になったなあ。書店には来週並ぶ。


7時に開場。最前列に座れる。「女体の詩人」こと石井章さんも来てる。満席で立ち見も出ている。店内には、浦充伸が撮った、亡くなったテナーサックス奏者の武田和命の写真が飾られている(それでいま、この日記を書きつつ、そのうちの一枚がジャケットに使われている『アケタ・ミーツ・タケダ』を聴いている)。


今日は『オフ・ノートレーベル』プレゼンツのスペシャル・3day's・セッション。今日は「未明の歌・大原裕トリビュート」として、船戸博史(b)、関島岳郎(tuba.tp.recorder etc)、中尾勘二(sax.tb etc) のトリオにゲストが入る。船戸さんはいつの間にか金髪じゃなくなっていた。今回はリーダーアルバムのセッションだそうで、自分で曲の紹介をしたりするが、あまりに声が小さくて聞き取れない。そうとう照れてるらしい。


誰も説明してくれなかったが、あとで調べると「大原裕」という人は昨年12月になくなったトロンボーン奏者。中川敬ソウル・フラワー・ユニオン)は「大原裕は日本音楽の言い淀みの中で、ハッキリとオフ・ノートを出せる大バカ者だ」と書いている。

http://www.breast.co.jp/soulflower/newslog/oohara.html


その大原さんの曲を中心にトリオでやる。船戸さんの、ベースのあらゆる部分を使って音を出す演奏が好きだ。渡辺勝ピアノで入り、一曲。そのあと、鈴木常吉が何曲か歌う。このヒトのうた、いいなあ。土着な、しっかりとした歌。唄う時もギターを弾くときも、苦しげな表情になるので、見ていて飽きない。大原氏の曲らしい、映画俳優名前を折り込んだ曲もいい。


休憩の後、トリオ渡辺勝をバックに鈴木翁二がうたう。顔を青い絵の具で塗っている。歌を歌ってるらしいとは聴いていたが、ここまでうまいとは、思わなかった。音楽的には出だしを間違ったり(バックがそれを融通無碍に受け止めて、何事もなく進ませているのがスゴイ)、ギターのチューニングを船戸さんにやってもらったりしてるのだが、そんなことは問題じゃない。存在感あるよなあ。


終って、そこでもう一杯飲む。『ぐるり』の五十嵐洋之さんが声を掛けてくれる。なんでビレッジ・プレスの東京事務所をやることになったのか、前から不思議だったので聴いてみると、村元さんの娘さんと結婚してるのだという。書店で働いていて出版には興味あったし、義理の父がそんなことやってるなら自分も、という理由ではじめたという。実の親子で同じ仕事をするコトがあるが、義理の父に影響を受けてというのは、珍しい動機だなあ。でも、納得。その五十嵐さんに声を掛けていただき、『ぐるり』の次号にエッセイを書くことになっている。緊張。


11時半ぐらいまでいて、出る。オフノートの神谷さんにご挨拶。ライブ開場では何度かこのヒトからCDを買っている。エンテツさんが渡辺勝の「東京」を気に入っているので、それが入っているエミグランド[未生音]を買わせる。いや、お買い得なアルバムです。新宿から山手線田端でエンテツさんと別れ、ウチへ。なんだか眠くて、すぐに寝てしまった。


【今日のしおりページ】

遠藤哲夫『汁かけめし快食學』(ちくま文庫

175ページ しおりが入っていたので、まずココが開く。すると、おお、南陀楼綾繁名前が。単行本のときに「レモンクラブ」に書評を書いたことに触れ、エンテツさんと「いまや深いアヤシイ関係が発展しつつあるのである。なんともはやゴチャゴチャなぶっかけめしな縁なのだ」と書いている。「発展」は誤解を招くかもなあ。

この本には、352ページにも「アヤシゲ散歩社」の「モクローさん」として登場。同じ本の中で名前を変えて登場するのは、『神保町書肆アクセス」半畳日記』(無明舎出版)以来の伝統(?)か。

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2004-07-01 タイミングが悪い

昨夜、〈古書現世〉の向井君(セドローくん)からメール。20冊サイン本を置いてもらっていたが、全部売れたそうだ。大学時代の知人の道場親信くんも買ってくれたらしい。ウレシイ。追加でまたサイン本を置いてもらうことになる。


朝、旬公と一緒に出る。駅のところで、老人が自転車にまたがったまま動けなくなっている。一度降りるとまだこぎ出すまでが大変らしい。ちょっと場所を移動させたりして、無事送り出すが、100メートルぐらい先で車にブツかりそうになっていた。人間は老いても移動せざるを得ないんだよなあ、としんみりする。


神保町へ。〈書肆アクセス〉で旬公にサイン本にイラストを描いてもらおうと連れていく。いつも紅茶などをご馳走になっているので、たまにはと思い、〈豆香房〉でアイスコーヒーを四つ買う。近所まで持ち帰りというと、袋ではなく持ち運び用の紙トレイ(たまごを入れるようなヤツ)に四つセットしてくれる。ココは氷もコーヒーを冷やしてつくっている。こうすると薄くならないそうだ。なるほど、いいアイデアだと話しつつ、〈アクセス〉の前まで行ったら、シャッターが閉まっていて呆然。


すでに開店時刻は過ぎているし、臨時休業などの表示もなし。シャッターをたたいても電話しても誰も出ない。寝耳に水な証拠には、宅急便屋さんや仕入れに来たらしい女性も困ったように前に立っている。しかし、このままじっと待っていたら、アイスコーヒーが溶けきってしまう。誰か近所に二つ飲んでくれるヒトはいないかと、彷徨舎に電話したら、田村さんがいたのでそっちに向かう。紙トレイ持って靖国通りを渡る姿は、まるでコーヒーの配達人である。田村さんと後から来た鈴木君と一緒にコーヒーを飲み、雑談。差し入れなんてメッタにしないのに、その日に限ってヒトがいないとはタイミング悪し。


そのあと、竹橋毎日新聞社ビルで打ち合わせ。岡崎武志さんが一緒。9階の〈アラスカ〉というレストランで、ココは朝日にも入っているそうだ。旬公はココのマッチに白熊の写真が使われているのがお気に入りだという。店を出るときに、〈アラスカ〉特製の灰皿(白熊の浮き彫りが付いている)を見つけ、キャーキャー云っていた。


岡崎さんが、「今日は田村書店で無料本を放出してるで、ほらこれ」と見せてくれたのが、「週刊本」の二冊で、やはり田村でタダでもらったという本の函(雑誌の切抜きなどを入れておくのだそうだ)を見せてもらい、思わずスグに行きたくなるが、もう時間がなく、神保町から市ヶ谷へ向かう。


仕事場に着いたら、レイアウトの変更が終っていた。机は壁際に配置されていた。コレまで隣の机とのあいだがあり、そこに本を積んでいたのだが、今回は両隣に机がくっついてしまっていて、本を置くスペースがほとんどない。ちょっと離れたトコロにある本棚に、詰められる本は詰めてしまい一息つくが、まだダンボール箱がいくつか残っている。少しずつ処分しなきゃなあ。


片づけしながら仕事をして、7時ごろ仕事場を出る。車中の読書はずっと東直己『熾火』(角川春樹事務所)。ウチに帰り、旬公の仕事が一段落するのを待って、外に出る。西日暮里駅前の韓国料理屋〈南山〉に初めて入る。サンギョプサル、味噌チゲ、冷麺。おばさんと客との会話がオールハングルだったり、韓国テレビ局のニュースが掛かっていたりとネイティブな雰囲気があり、食べ物もそこそこだったので、また来てもいいと思ったが、旬公によれば味はイマイチとのこと。たしかに、行きつけの〈大栄〉に比べたら数段落ちるけど。


バーミヤン〉で原稿を書きかけるも、周囲のテーブルが強烈にうるさく(とくに女子高生グループと欧米人グループ)、とても書けず。1時間ほどで帰ってくる。


【今日の郵便物】

目録 荻文庫

★稲盛さんから『エルマガジン』最新号 数日前に買ったばかりでした……。


【今日のしおりページ】

特になし。

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