ナンダロウアヤシゲな日々

◎この日記は、ライター・編集者の南陀楼綾繁が書いています。
◎新刊『町を歩いて本のなかへ』(原書房)発売中です。
◎著書『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『谷根千ちいさなお店散歩』(WAVE出版)、『小説検定』(新潮文庫)、『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)、『路上派遊書日記』(右文書院)、『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『老舗の流儀 戦後六十年あの本の新聞広告』(とうこう・あい監修、幻冬舎メディアコンサルティング)、編著『チェコのマッチラベル』(ピエ・ブックス)、共著『ミニコミ魂』(晶文社)。
◎ご感想・ご連絡は南陀楼綾繁 まで。
◎「不忍ブックストリートの一箱古本市」は毎年春に開催します。
詳細は不忍ブックストリート公式ホームページもしくは、しのばずくん便りをご覧ください。
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2004-09-30 ぼつぼつと秋

今日も眠い。仕事場で、成立しなかった企画の代案を考えるが、どうもうまくない。来週の連絡などしているうちに時間ばかりが過ぎていく。6時に出て、帰りに西日暮里の〈はやしや〉でちょっと飲む。ウチに帰り、イラストを描いている旬公のヨコで、映画を観たり、本を読んだり。12時にコンビニまで散歩に行くが、Tシャツではそろそろ寒くなってきた。明日から10月。ぼつぼつと秋である。


【今日の郵便物】

古本 真尾悦子『阿佐ヶ谷貧乏物語』筑摩書房、『実地踏査 近畿縁日夜店一覧』文泉堂、昭和12年、後藤與善『社会科のための食物文化誌』火星社、昭和23年

最後のは目録で見つけて、エンテツさんに伝えて代わりに購入したもの。奥付を見ると、この火星社からは今和次郎社会科のための住居』が「出版計画、着手中」とあった。この本、出たのかな?

★古書目録 西村文生堂、たくま書房、古書めぐ里(書林かみかわ)、杉並古書展、書架(えびな書店)=特集「工部美術学校女生徒・秋尾園断章」

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2004-09-29 ダルい一日

貴島公さんの「モノノフォン」(http://homepage1.nifty.com/hebon/fhp/)に、こないだの東京遠征のことが出ている。この日記、次の更新には前の記述は消えてしまうので(一週間経つと「再放送」があるが)、見逃すと勿体ない。30日朝の更新分で、「東京地下鉄大阪地下鉄よりも安いと思う。利用者数が多いから、かな。」と書かれている。東京地下鉄の初乗り運賃が安い、というコトは、最近遊びにきた関西の人全員から聞いた。東京メトロに限っては、相当な距離乗ってもせいぜい230円であり、たしかに安いと云えるかも。


台風接近で今日も雨。仕事場で連絡取ったり、夕方出かけてUBC河内紀トークショーの打ち合せをしたりするが、どうも体がダルい。早めにウチに帰って、少し眠ったり、ビデオ映画(《アンスピーカブル》というよくワカラン映画デニス・ホッパーがハジけてた)を観たりする。1時には寝ようとするが、妙に眠れず、中町信『散歩する死者』(他のがオモシロくないので、くじけかけていたが、コレはオモシロイ!)を読了。けっきょく3時過ぎまで起きていた。こういう日もある(というか、しょっちゅうか)。


【今日の郵便物】

★献本 紀田順一郎『私の神保町晶文社、1800円

紀田さんの神保町についてのエッセイを集めたもの。

古書街の歴史から均一台の愉しみまで、とにかく幅広い。

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2004-09-28 「BOOKMANの会」が10回目

気温が変わりやすいせいか、どうも調子が悪い。風邪薬を飲んで出かける。仕事場では連絡あれこれ。3時に出て、国立へ。一橋大学の正門手前に〈TMS〉というカフェがあり、そこで著者のHさんと待ち合わせ。ちょっとビックリするぐらい、この辺りには似合わないオシャレな店で、当然ぼくなどは居心地悪い。Hさんがいらっしゃるまで不安だったなあ。


5時半頃、JRに乗り込む。四谷まで立っているのがツライ。丸ノ内線に乗り換えるが、改札入ってから、お茶の水で乗り換えるべきだったと気づく。案の定、茗荷谷に着いたら7時10分前。急いで、会場の〈寿和苑〉に向かう。途中、道に迷っていた森山裕之さんと会う。〈寿和苑〉には5、6人来ていて、遠藤哲夫さんが「はなまるマーケット」に出演したときのビデオを見ている。普段と全く変わらない服を来て、いつもの口調で話すエンテツさんは素敵だ。放送ではエンテツ出演シーンは数十秒だが、録画した映像が流出したら、ぜひ見たいものだ。


昨年4月から15人ほどでやっている「BOOKMANの会」は、今日で10回目を迎える。よく続いたなあと思う。今日の発表は、向井セドローくんと森山さん。セドローくんは立石書店の岡島一郎くんをゲストに、古書市場の仕事についての発表をする。セドローくんから、「アヤシゲ文庫モクロー堂」という屋号を与えてもらう。古本屋やるときは、コレにしようかなあ。森山さんはあだち充研究メジャーなのに評価が低いことに悲憤慷慨。そういわれれば、たしかに。ぼくも最近、自分が中学生のときに読んでいたマンガやSFを読み返そうとしているが、一度忘れ去ったものに再度アクセスしようとする気持ちが芽生えているのかも。


終わったあと、いつもの〈さくら水産〉へ。最終的には11人になる。みんな盛り上がっていたが、ぼくはイマイチ調子出なかった。でも、こういう楽しい場が二カ月に一度あるということは、仕事の励みになる。次回は11月。会員の発表も一通り終わったので、次の展開を考えなければならんなあ。


【今日の郵便物】

★「エルマガジン」11月号 特集「ずっと通いたい本屋のかたち」

話題を呼んだ昨年の本屋特集の第二弾。今回も40ページと力が入っている。ちょうちょぼっこ・郷田貴子さんの奈良古本屋めぐりがいい。

★古書目録 和洋会

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2004-09-27 時間について考える

今日も雨が降っている。自宅で資料を読む。雑誌仕事をしていると、著者に依頼する前にその人の本をざっと読むのだが、それは全部を丹念に読むというよりは、仕事につなげるにはどうしたらいいかと考えながらの目的読みだ。時間が限られているからしかたがないとはいえ、ナニかすっきりとしない感じが残る。なので、依頼を終えたあとに、もう一度アタマから読み直している。昨日から堀切直人『浅草』(栞文庫)を読み始め、夜になって読み終わった。一行一行から目が離せない本だった。


最近もっと時間がほしいと思う。この時代に、定期収入のある仕事と、好きにできる私事の両方を持っていることは幸せだが、それらひとつひとつに必要な蓄積がぼくにはあまりにも少なく、泥縄式にこなしているのが現状だ。もっとじっくり事にあたりたい。堀切さんのように、図書館にこもってひとつのテーマに取り組んでみたい。


ただ、その一方で、その場に立ち会うことでナニかが得られる機会(たとえば昨夜のライブのような)を逃すこともしたくない。本について書くことは続けたいが、映画音楽や美術についても、あるいは、酒や街や風景についても、自分なりのコトバを獲得していきたい。そのためには、やっぱり外に出ることもやめたくない。

本を読みながら、こういうコトを考えてるところに、エンテツさんから電話が。「いま西日暮里にいるんだけどさ〜、友達が途中で帰っちゃって、でも今日は飲むつもりでいたから、それで電話してみたワケです」。ぐちゃぐちゃ考えるのはヤメて、ほいほい飛び出したいところだったが、少し二日酔いの気味もあり、今日は遠慮しておく。エンテツさんはこっちがいつも当日誘っても付き合ってくれるのに、オレって勝手だなあ。ごめん。


【今日のしおりページ】

『ぐるり』10-11月号

恒例の田川律さんによるインタビューは、和太鼓奏者・林英哲のドキュメンタリー映画を撮った伊勢真一。


伊勢:(略)僕の場合、ただそばにいて、「どお?」なんて言ってるだけだから、あんまりその、なんて言うのかな、インタビューを、このことを聞かなきゃみたいなふうに思うことが少ない。全くない訳じゃないけど。しゃべりたいことがある人は傍にいれば自分から語り始めるよ。(略)

田川:僕はそんなことないね。僕は逆にね、何でもすぐインタビューしてしまうのが癖なのね、仕事っていうか。

伊勢:それはやっぱりね、空間恐怖みたいなもんだよね。黙っていると居心地が悪いから、誰かに聞いてあげないといけない、みたいに思いこんでるんだよ。

田川:それでやってるうちに、どっかでね、自分との接点を見つけて喜ぶという悪い癖があるよね。そうかその時それしてたんか、とかね。


「自分との接点を見つけて喜ぶという悪い癖」を持つ点で、完全に田川派であるぼくには、伊勢氏の「空間恐怖みたいなもんだよね」という一言が痛い。

【今日の郵便物】

★古書目録 中野書店、水曜荘文庫、鳩書房

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2004-09-26 不思議な声と音の夕べ

フランソワーズ・サガン死去。69歳の若さだったとは。一冊も読んでないが、立花ハジメの「ビューティフル・シングス」という単語を並べたような歌のなかで、「フランソワーズ・サガン」という歌詞があったのを思い出す。

夜中からの雨が朝になっても降り続く。散歩したあと、〈ルノワール〉へ。原稿の取っ掛かりを求めて、書いたり読んだり。まだ書くまでにはいたらず。原稿に取り上げる本を読み返すうちに、その本で取り上げられた別の本のことが気にかかり、本の山をひっくり返す。そうこうしてるともう夕方だ。諦めて出かける。


6時前に高円寺に到着。まず〈十五時の犬〉へ。かんべむさし文庫を3冊。高校生までは熱狂して読んでいたが、それ以後まったく読まずにいた。なので、1980年代後半以降の文庫は持ってないのがけっこうある。自分の中で、いま、少しずつかんべむさしを読みたいという気持が高まっている。そのあと、しばらく南側に足を運んでないので、そっち方面へ。〈大石書店〉は休み。〈勝文堂書店〉で中町信を2冊。同じ店内でナニも仕切らず、古着古本を売っている〈アニマル洋子〉というヘンな店があった。古本は絶版文庫ミステリサブカルものを主とした筋のイイ品揃え。


もう7時前だと、あわてて駅前に戻る。〈古書ほうろう〉の宮地健太郎さんとミカコさんと待ち合わせ。店にはしょっちゅう行ってるし、先月はイベントもさせてもらっているが、西日暮里千駄木以外の場所で会うのは初めて。今日は〈円盤〉の桂牧ライブに一緒に行くのだ。店に入ると、貴島さんが来ていた。古本屋回ってきたとのこと。餅屋ブックの折田烈さんも。こないだ弟さんと会ったばかり。「ぐるり」の五十嵐さんも。最新号をいただく。なんか知り合いばっかだな。お客さんは全部で10人といったところ。かしぶち哲郎の[LIVE EGOCENTRIQUE](モルダウ・ディスク)と、貴島さんオススメのラリー・パパ&カーネギーママ[ドリームズヴィル](中古)を買う。後者のジャケットは森英二郎さんの版画だ。


オープニングは、サボテンと松本里美さんのソロを交互にやる。自分の銅版画作品を見せながら演奏する松本さんのソロもいいが、ギターベースサボテンがよかった。エリック・サティの短い曲のインパクト大。次に、桂牧さん。アコースティック・ギターだけで歌う。最初、のどの調子が悪いと緊張されていたようだが、ぶつぶつ云いながらもどんどんやる。牧さんのギターは、どうしてこんなに不思議で繊細な音が出るんだろう。アルバムでも聴ける、上に向ってコブシの効いたような声はナマだともっとイイ。新曲の「振り」というのもヨカッタなあ。アルバム[牧]は、事情により10月10日に発売が延びてしまったそうだけど、多くの人に聞いてほしい(ほうろうには置かれる予定です)。11月にはまた円盤でライブをするそうだ。


古本酒場コクテイル〉に行こうとするが、電話がつながらず諦める。前も臨時休業で入れなかった。残念。手近な居酒屋に入り、乾杯。そのあと、家が遠くてすでに終電がないという牧さんを、貴島さんと一緒に谷中アパートに泊めることにして、西日暮里まで出る。〈大栄〉をめざすが、ココも休み。〈和民〉に入り、牧さん、貴島さん、宮地夫妻、それに旬公も加わって、2時ごろまで話す。落ち着く店の条件とか、牧さんがバンドで全国回っていたときのハナシとか。ライブが終ってまだまだ話したりなそうな牧さんだったが、お開きにして、駅前で別れる。ウチに帰って、即、布団にもぐりこむ。


【今日の郵便物】

★古書目録 萬巻(大阪天神さんの古本まつり)

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2004-09-25 自宅という迷宮

昨夜、赤木洋一『平凡パンチ1964』(平凡社新書)を読了1960年代を代表する若者雑誌の生々しい回想。数年前に出た『平凡パンチ』の公的な記録よりもよっぽど面白い。『パンチ』はある程度まとめて持っているが、『平凡パンチデラックス』はホトンド見てなかった。これを読んで興味を持つヒトが多いのでは。著者はのちにマガジンハウス社長になってるんだな。


もうひとつ、昨日のこと。夕刊で、歴史小説家白石一郎氏の死を知る。72歳。「十時半睡事件帖」シリーズが好きだった。もう一人、モンド系エロ映画監督適当な云い方ですが)のラス・メイヤーも死んだ。82歳。「映画秘宝」で中原昌也の「ラス・メイヤー映画はなぜオシャレピープルに受けるのか」という文章を目にしたばかり。「スタジオ・ボイス」とかが、ちゃんと追悼特集やれよな。


久々に神保町の古書展に行くつもりが、時間的に余裕がなさそうなので諦めて、谷中銀座に新しくできた〈満満堂〉という喫茶店へ。かなり広い。和風のインテリア金髪のマスター。コーヒーは数種類あって美味しいけど、ここもヌルイんだよなあ。いろいろ云い分はあるんだろうが、本を読んだりボーっとしたりするために喫茶店に入る人にとって、ぬるいコーヒーは早く出て行けと云わんばかりの感じを受ける。〈青猫書房〉の目録を読み、店の外から携帯電話で注文。しかし二点とも売り切れ。今日到着の郵便で朝の11時に注文してるのに……。今回は十返肇宛の署名本が多く出ていた。


市ヶ谷仕事場に行く。原稿に使う本があったハズなのだが、見当たらず。ウチをさんざん探したあとなので、ドッと汗が出てくる。本を見つけるためには山を動かさねばならず、山を動かすと別の本がお隠れになってしまう。まるで迷宮だ。自分で招いた結果とはいえ、どうすりゃイイのか。この本はけっきょくウチの意外な場所から見つかった。


吉祥寺に出て、南口のレストランで著者と打ち合わせ。2時間ほど話したあと、〈読みたや〉と〈ブックステーション〉を回るがナニも買わず。〈ユザワヤ〉地下に最近オープンした〈啓文堂〉も行ったが、たしかに広いけど、特徴のない品揃えだ(地元の人にとってはそれでイイのだろうが)。帰りには中央線が工事だとかで、全部各駅停車になっており、新宿に着くまで時間が掛かる。西日暮里に着いたのが5時。洗濯しながら、ちょっとヨコになる。


8時に日暮里駅で貴島公さんと待ち合わせ。明日の桂牧さんのライブを見に、大阪から来たのだ。今日、明日は谷中アパートに泊まってもらうことに。谷中銀座を抜けて、〈古書ほうろう〉〈往来堂書店〉を案内するいつものコース。オヨヨはもう閉まっている。根津の〈炭屋宗兵衛〉に入り、貴島さんの仕事のことや、注目しているバンドのことなどを聞く。「書評のメルマガ」で来年から連載してもらうことに決めた。


谷中アパートに行くと、旬公がいた。横須賀のはずれにある海の家に行ったという。ヨカッタらしい。部屋の準備ができるまで、貴島さんと雑談していたが、押入れに入れてあった『平凡パンチ』の束に目が行く。買ってから開けずに置いてあったが、このナカに『平凡パンチデラックス』がとびとびに6、7冊あったのだ。すっかり忘れていた。『平凡パンチ1964』を読み返しながら、これらをめくってみよう。きっと面白い発見があるハズだ。自宅が迷宮になってなければ、本と本のつながりを意識した、こういう優雅な読書ができるのであるがなあ(詠嘆)。


【今日の郵便物】

★「彷書月刊」 特集は「蔵書のゆくえ」。学習院女子大がウェブ上で「高橋新太郎文庫」(http://www.noracomi.co.jp/takahashi)を公開していることを知った。全国図書館のコレクション案内もいい。リレー連載「私の古文書」角田光代さん。高校三年生のときに、父の死を作文に書いた話。あとになってそのことを嫌悪し、そこから逃れようとしているという。うーん。こないだ、ぼくの1990年代日記が出てきたけど、その一冊は「祖母の死により中断」とある。そしてその死については一言も書いてない。きっと書こうとする気さえ起こらなかったと思う。「ぼくの書サイ徘徊録」はオンライン古書店〈町屋堂〉(http://www.fiberbit.net/user/machiya-do/)をご紹介。

★古書目録 シンフォニー古本まつり(岡山)、佐藤藝古堂

中村よおさんより 「トオリヌケ・キ」

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2004-09-24 夢想ばかりの大学時代

朝、配線チェック用に本を動かす。本の山を移動しようにも、移動する先がない。ADSL工事が終わるまでこのママなのかと、暗澹としてくる。東大正門前で竹中くんと待ち合わせ、佐藤健二さんの研究室で打ち合せ。そのあと、急いで神保町に行き、堀切直人さんにはじめてお会いする。緊張したが、きさくな方で、新著『浅草』(栞文庫)のことなど、いろいろとお話を伺う。佐藤さんも堀切さんも、大学生の頃に名前を知り、ポツポツと読んできた著者だ。当たり前だが、その頃は自分が編集者になるなんて、思いもしなかった。そういう人たちと一緒に仕事ができるようになったコトが、とても不思議な気がするし、せっかくできたご縁なのだからイイ仕事にしたいと思う。


大学生の頃、といえば、まったく現実的ではなく、夢の中で生きていたような気がする。昨日、「新しい商売」なんて書いたけど、大学生のときにも、卒論の資料集めと代筆を行なうという新商売を夢想していた。同級生のレポートを代筆した(けっこう高額のギャラをもらった)ことから考えたのだが、どこでその商売の告知をすればいいか判らず諦めた。いまだったら、サイト掲示板に書き込めばけっこう依頼が来るような気がする(もっとも、そんなコトを頼もうとする前に、インターネットのデータをコピー&ペーストしてレポート一丁上がり、というやり方がフツーになっているようだが)。ほかにどんな新商売を考えたか、それはヒミツだ。恥ずかしいからね。


スヰートポーヅ〉で中皿ライスを食べて、〈岩波ブックセンター〉で本を探していたら、塩山芳明さんにバッタリ。昼休みにいつもこの辺を流してるらしいが、神保町では滅多に出合わない。そういえば、「BOOKiSH」の次号目次に名前が載ってたけど、その話は出なかった(もう原稿書いたのだろうか?)。


仕事場で、依頼の電話会議など。6時過ぎに出て、ウチに帰る。昨日からずいぶん多くのヒトに会ったせいか、疲れが出て少し眠る。晩飯はうどん。雨が降り出してきたが、〈古書ほうろう〉まで行き、奥に預かってもらっている「古書モクロー」の箱から本を一冊引っ張り出す。ダブリ本だったので、売るつもりでラベルまで貼っていたが、ウチにあるはずのもう一冊が見つからなかったからだ。結果として、売れ残ってヨカッタということになる。10月2日から行なわれる「第12回 谷中芸工展」のパンフレットをいただく。新しい店も増えて、イベントもずいぶん増えた。来年こそは自主企画で参加したい。


【今日の郵便物】

★古書目録 山崎書店(特別記事「明治期の写真・印刷と出版事情」)、LINE(古書籍BOX)

古本 長谷川画廊より 正田勝朗『同潤会江戸川アパートものがたり』一水社1991年、1500円

 こないだの五反田展で注文していたのだが、受け取りのときにこの本は出てこなかったので、ハズレたものだと思い込んでいた。ちゃんと確認すべきだった。この本、自費出版っぽいのだが、版元が一水社となっている。エロ漫画出版社にして、塩山さんの『嫌われ者の記』の版元ではないか。奥付に住所が「港区新橋5-18-1」とある。『嫌われ者の記』では西新橋となっているが、これは移転したのか? どうして一水社から出たのか、興味深い。

展覧会「疾風迅雷 杉浦康平雑誌デザインの半世紀」展

銀座グラフィックギャラリー(ggg) 10月5日(火)〜30日(土)

杉浦さんがこれまで手がけてきた2000余点の雑誌デザインから、「遊」「銀花」「噂の真相」など500点を一挙に展示。コレは行かないと。8日、22日はギャラリートークもあり。

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2004-09-23 新しい商売を考える

朝8時に起きて、部屋の本を縛り始める。明日午前中にNTTが敗戦を見に来るので、どうにか今日中に線が見えるようにしておかねばならない。それと、捜索中の本が一冊でも見つかればという思い。ベランダの倉庫に縛った本を積み上げていく。箱に入れてしまうと、あとで絶対出てこなくなることを悟ったのだ。でも、こうして結束していると、古本屋さんになったみたいな気になる。傾いたものの上に積んだので、いまにも崩れそう。限界で止めておく。


11時に出て、小田急線・経堂駅へ。すずらん通りの中華料理屋でクソまずい昼飯。〈ロバロバ・カフェ〉に行くと、ちょうちょぼっこの次田さんと真治さん、それと次田さんの妹さん(大学生)が。「本のためにできること」という展示を見て、「チイミヤ」3号ほか、数点購入。今日から始まったちょうちょぼっこの古本市からも一冊、青木雨彦のエッセイ集。


駅に向って歩くと、〈遠藤書店〉の前辺りで、折田さんと出会う。これからロバロバに行くというので、荻窪で待ち合わせることにして先に行く。新宿経由で荻窪へ。〈岩森書店〉から〈ささま書店〉といういつものルート。ささまにはセドローくんが待っていた。みんなが本を見ている間、セドローくんと二人で路上で立ち話してると、さっきの折田さんがやってきて、そのあと、濱田研吾くんが来る。ぼくたちがココにいることを知らず、グーゼンやってきたとのこと。「休みの日はみんなやっぱりささまに集まるんですね」とか云ってたが、「みんな」じゃなくて、キミやぼくの回りだけです。総勢7人になった。


北口に出て、〈ひなぎく〉へ。海月書林の古書市。狭いスペースには客が大勢、喫茶の席もいっぱいという盛況ぶり。市川さん、10月に『くらげ書林の古本案内』(ピエ・ブックス、1600円)という本を出すそうで、その見本冊子が置いてあった。『いろは』3号も出ていたが、ヒトが大勢なので買わず。次に西荻へ。例によって〈音羽館〉へ。ここも客が多く、そこに7人で押しかけ、そのあと、「ぐるり」の五十嵐さんまで合流したので、広瀬さんが目を丸くしている。これで8人。


ここんとこ、関西の知人を東京古本屋に案内することが多いのだが、いっそ、これを商売にできないかと妄想する。パック旅行のように、ガイドさんとして古本屋に案内し、案内料をいただく。しかも、売れた額の5パーセントをキックバックとして古本屋さんからいただくというもの。うーん、行けるかも。ただ、問題はぼくが案内するヒトは、ほぼ例外なくあまりカネのない連中だってコトだな。


喫茶店〈物数奇〉でアクセスの畠中さんが待っている。でも、総勢9人になったので、入店を断られる。北口の〈POT〉という店に行くが、マスターがえらく面白い人で、頼まないのにコーヒーのお代わりをサービスしてくれる。奈良大阪古本屋情報で盛り上がる。〈興居島屋〉にも行く。


そして、本日の最終目的地、三鷹でございます。駅を降りて、徒歩15分。めざすは〈上々堂〉である。上々堂の長谷川さんはかつてちょうちょぼっこのお客さんだった。久々の再会。長谷川さんに一駅に一人ずつ同行者が増えていったことを話すと、「桃太郎ですね」と。ウマイ。河童は濱田くんだな(あれは西遊記か)。探していた本が数冊見つかった。金を払おうとしたら、濱田くんが「これ、池田文痴菴が書いてますよ」と「百味」という雑誌を2冊も見つけてくれた。この店での「古書モクロー」の準備が遅れていることを謝る。岡崎堂とハルミンの小部屋を見て、自分はどう持って行くか、しばし考える。


東京駅に向う次田さんと別れ、上々堂近くの鳥料理の店に入る。以前2、3度行ったのだが、宮崎の人がやっているらしく、鳥づくしのメニューなのだ。話題はいろいろあったが、終わりの30分ぐらいは「BOOKiSH」のことで盛り上がった。全員の心がひとつにまとまった瞬間だった。最後に「冷じる」を頼むが、これがウマイ。ズズッと食べてしまえる。


三鷹で濱田くん、吉祥寺で真治さん、畠中さん、西荻で五十嵐さん、そして中野で向井くんと別れて帰ってくると、11時半。ゴミを出して、散歩する。一日歩き回ったから、さすがに疲れたし眠いなあ。多少酔っ払って書いたので、今日同行の諸君には拙筆ですいませんと謝っておこう。

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2004-09-22 キビシイぞ、私は

寝坊してしまう。急いで出かけて、東京駅丸の内北口にオープンした〈丸善〉へ。日本橋に代わってここが本店となり、ギャラリーや「本の図書館」も移転した。4階建て。ワンフロアは広いが、それをあえて多くの柱で区切り、美術館の展示室のような雰囲気を出している。天井も広い。「ブックミュージアム」というコンセプトの通りだ。でも、思ったより本が少ないなあー。今日は出版・読書関係の資料を探しに来たのだが、検索しても在庫もあって並んでいておかしくないような本がヒットしない(『ナンダロウアヤシゲな日々』はむろん、堂々の「版元品切れ」と出た)。それでも数冊見つかったので、まとめて買う。


仕事場に行き、今日も依頼状を書く。一人を除いて依頼状を発送した。あとは、電話を掛けて引き受けてもらうのみ。途中まで書いていた「進学レーダー」、残りを書く。今回はちょっと手こずった。7時過ぎに出ると、市ヶ谷駅の近くで急に雨が降り出した。千駄木に着いてもまだ降っている。〈千尋〉で日本酒を飲んでいると、旬公が来る。本マグロのにんにく焼、ロールキャベツ、ミニ海鮮丼おにぎり。量が多いので、最後のおにぎりは食べるのがタイヘンだった。これだけウマイのに、値段が安い。


「エルマガジン」の稲盛さんよりメール。「『本屋特集』が本日出来上がりました。今回は特別号として増ページ・特別価格と気合いが入っております。昨年とは違う新ネタ探しに奔走した一ヶ月でした。徹夜続きで少々荒い作りになった部分もあるかもしれませんが(時間との戦いでした…!)、月刊誌なので、なるべく“新しい”感じが出るように作ったつもりです。良い書店だけど今書くべきニュースが見いだせない書店についてはマップでフォローするのみとなったのが残念です。早速発送しましたので、またキビシイご指摘・ご指導などよろしくお願いします」だそうです。他人の雑誌のコトとなると、キビシイぞぉー、オレは。


【今日の郵便物】

★「クイックジャパン」最新号

★古書目録 荻文庫、山猫屋&書肆ひぐらし

久保川さんよりハガキ 「モクローくん通信届かないので心配しています」……ついに来たか、こういうお言葉。7、8月号を合併号にして、ナンとか今月末までに出すツモリ。

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2004-09-21 同じことの繰り返し

行きがけに市ヶ谷の〈文教堂書店〉で資料本探し。仕事場で原稿依頼など。1時に生命保険の人が来る。前の会社で入ったのだが、その後、7年間もほったらかしだった。新しい商品が出たのでそれに入れ、という。たしかに保障の面では良くなっているし自由度もあるのだが、いまよりも1万円近く高くなってしまい、とても払えない。それに外資系保険会社ならもっと安いはずだと、「ウチで相談したから」と返事したが、「今日決めないと、締めに間に合わず、あなたは来月(誕生日の半年前)に保険料が上がってしまう」と云われてカチンときた。お前の都合に合わせて(しかも、保険料が上がらないうちにという「親切」を押し付けられて)、誰が高いカネ払う気になるかよ! 


ムカムカして席に戻る。空調もまだ直らず、どうも調子出ない。某誌から電話があり、こちらにまた判断を丸投げされて、ドヨーンとする。ウチに帰って、『ダヴィンチ・コード』(角川書店)を読むが、どうもどこかで読んだような話の展開だ。まあ、何も考えずに読めるからイイけど。


原稿依頼のために目を通しておきたい本が、見つからない。いつものことだが、今回は3人分、計5冊が影もカタチも見えない。7月に整理してきたときに見つけて、別にしておいた本までもナイ。いつも同じことの繰り返しで、自業自得とはいえ、すっかりイヤになる。近々ADSLにするため、今度NTTが配線を確認しにくるが、線の上に本が積んであるので、どのみち全部動かさなければならない。それは明日やることにして、今日は仕事にならん! と寝ることにするが、その前に開いた岡崎武志さんからのメールに励まされる。


布団の中で、『ダヴィンチ・コード』下巻を読了。その後眠れず、『映画秘宝』を読む。ああ、こいつら、好きなことを好き勝手にやってるなと、うらやましく思う。そうこうしてるウチに4時になり、ようやく眠る。


【今日の郵便物】

アンダーグラウンド・ブック・カフェ 宣伝用フリーペーパー 

高野ひろしさんより 「イカの筋肉」244号

★ハガキ 大橋歩展「hand-made〈土曜日へ〉」9月27日(月)〜10月2日(土) 11:00-19:00  京橋ギャラリー山口

★古書目録 西部展、遊の会、四天王寺べんてんさん

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2004-09-20 怠け者の連休働き

きじまこうさんの「モノノフォン」(http://homepage1.nifty.com/hebon/fhp/)で、さかな大阪でのインストアライブの模様を読む。こないだ行けなかった8月末の吉祥寺〈MANDA-LA2〉でのライブを最後に、ドラムのPOP鈴木が脱退していたことを知る。今後、さかな音楽はどんな風に変わっていくだろうか。それはそうと、ここ数日、日記更新されていて、きじまさんが元気になったらしいことが窺えて、嬉しい。今月26日には高円寺で桂牧さんのライブがあるが、桂さんの最もよき理解者であるきじまさんが、この場に来られたらイイなあと思う。


朝10時から原稿書き。「まぼろしチャンネル」(http://www.maboroshi-ch.com/)のスポンサーである対角線が、去年『早稲田学生街』という本を出したのだが、その第二弾に収録される予定のもの。ぼくが在籍した当時の早稲田の雰囲気を日記風に書いてくれ、という依頼だが、昔の日記手帳を読み直しているウチに、たちまち締め切りが過ぎてしまった。12時過ぎまでかかって書き終える。途中、ぼくが所属していた民俗学研究会の部室が放火で燃やされたのが、何年のことか判らなくなり、同学年だった石岡に電話して確かめる。それを手帳のわずかなメモと付き合わせて、やっと時期が判る。記憶力が悪い人間にとって、昔のコトを書くのはひと苦労だ(それなのに最近、そういう文章を書く機会が増えてしまった)。


〈ときわ食堂〉で、カツオのタタキ定食。祝日なので客が多い。帰って、ときどきうとうとしながら中町信のミステリを読む。毎日ムックゲラがファクスされてきたので、返送する。5時に出かけて、〈結構人ミルクホール〉へ。今日で二回目。パソコンを持ってきたので、奥のテーブルに座って、「レモンクラブ」の原稿を書く。この店のこと、口コミで知られ始めているのか、2時間で三組ほど客がいた。本棚を見ると、こないだ来たときとは少し入れ替えている。少しでも動きがあるのは嬉しい。久住昌之・滝本淳助『東京トワイライトゾーン』(日の出出版)を950円で買う。「タモリ倶楽部」の一コーナーを本にしたもの。


ウチに帰って、夕飯の準備。鶏肉と厚揚げ、きくらげ炒め。旬公は『ダヴィンチ・コード』に夢中。中町信を読み終えて、「のんき新聞」の原稿(といっても500字だが)。一見、とてもよく働いたように見えるが、締め切りから遅れたものばかり。しかも、明日から仕事場に行かねばならないというその前日になって、ようやくやる気になるんだから。


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★古書目録 みはる書房

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2004-09-19 開成の古本市に行けなかった!

朝9時に起きて、出かける。開成学園のヨコを通ると、続々とヒトが入っていく。入口には「開成祭」とある。しまった! 今日からだったのか。ここ二日ほど生徒が遅くまで残っているようだったが、学園祭は10月頃というアタマがあったせいか、なぜか体育祭かなと思い込んでいたのだった。


別に子どもが通っているワケでもない開成の学園祭でナゼここまで焦るかと云えば、いつも古本市をやるからだ。高校古本市なんて大したコトないと思ったヒト、大間違いです。生徒の親が寄付するのか、1970〜80年代文庫本新書が大量にあり、行くトコに行けばけっこう高い値段がついているものが、一冊10円〜50円で買えるのだ。これを逃す手はないよ。しかし、今日は出かけることに決めてあったのだし、帰りに寄れるかもしれないと、諦めて駅に向う。


東京駅で乗り換えて、東海道線横浜京浜東北線で関内へ。伊勢佐木モールの裏のほうにある〈関内MGA〉という映画館へ。80席という小さな館なので、次回の券を買っておく。〈ユニクロ〉に行ってズボンとジーパンの買いだめ。2本(!)しか持ってなかったズボンに両方とも穴が開いてしまい、早急に新しいのを買う必要があった。とにかく試着とか店員に聞いたりとかしたくないので、先延ばしにしていたが、ようやく買う。これでまた2年ぐらいは服屋に入りたくない(来月結婚式に出るので、礼服をレンタルしなきゃならんが)。


デオンのビルの5階(?)にあった〈先生書店〉が、路面に移転していた。ビルのワンフロアを占めていた前の店の在庫を全部持ってくるのは当然無理だが、狭い店内にかなりギッシリ詰め込んでいる。さらに奥に進むが、昼飯を食えそうなところは見つからない。ちょっとヨコに入ったところに、〈エルミタージュ〉というフランス料理屋があり、窮余の一策で入ってみたが、なかなかウマイ。1600円で、前菜数種・メイン・炊き込みご飯(ちょっと量が少ない)・デザート・コーヒーが付いてくる。しかし、ゆっくり食べていたら、デザートが出てくるまでに、映画館の開場時間が迫ってきて、泣く泣く諦めて外に出る。


映画館まで戻ると、もう客入れを開始していたが、なんとか座れる。最終的には補助椅子まで出る混み具合。今日観るのは、マイケル・ムーアの《華氏911》。前評判で聞いていた通り、911の前からイラク戦争に至るアメリカの道のりを、ブッシュのたわけた発言を中心に、さまざまな映像メディアからの引用でつないでいく方式。面白いし衝撃的な映像も多々あったが、どことなく「NHKスペシャル」のようなお勉強番組だという気もした。


有隣堂書店〉を覗き、外に出ると、祭り神輿が通っている。伊勢佐木モールを出て左側、吉田町というところを歩き、目についた喫茶店に入る。シンガポールバリ島帰りの店主がやっている店で、シンガポール風のコーヒー(砂糖・ミルクを入れる)とジャムトーストのセットが500円と安い。外のテーブルに座る白人女性が、バリの「ビンタン」ビールを飲んでいた。馬車道を歩き、みなとみらい線馬車道駅から乗る。急行に乗り換えるのがめんどくさくて各停に乗っていたら、西日暮里に着くまでに時間が掛かってしまった。


開成学園の前まで行ったが、今日はもう終ってるっぽい。明日午前中に行こうと思って、パンフを見たら、ナンと昨日・今日の二日間だった。しまったー! マイケル・ムーアよりコッチを優先すべきだったか。先日、「サンパン」同人の矢部登さん(田端在住)と開成の前を通るときに、「ココの古本市はいいですよ〜」なんてオススメしたのに、云った本人が行き逃してしまった。来年が待ち遠しい。いっそ、古本市だけ春と秋にやってくれないか(ムチャ云うな)。


夜は、前にいただいた〈デリー〉のカレー。超激辛でヨーグルトなどで少し辛さを緩和する。テレビでやってる潜水艦映画を見ながら、大学時代日記を読み返し、主要な箇所にフセンを貼る。そのあと、「早稲田古本村通信」の原稿を書く。

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2004-09-18 ささやかな夢想

昨夜は、テレビ朝日の《虎ノ門》の「しりとり名人戦」を3時まで観てしまう。ピエール瀧が出ていたが、いまいちキレが悪し。午前中、毎日ムックの「世界の古本屋原稿に取り掛かる。ぼくはウチで文章、旬公は谷中でイラスト。10枚ほどの分量で、ロンドンソウル台北プラハ、ウブドの5ヵ所を紹介しなければならないので、ちょっと構成に手間取るが、5時ごろには書き上げて、メールで送る。


旬公は例によって描き込みに時間が掛かり、7時ごろにウチに帰ってきて、色を塗り始める。晩飯(鶏肉とコンニャク炒めと、タケノコとしめじ炒め。どっちもかなりウマかった)をはさんで、10時半に完成。やっと終った。息抜きに閉店間際の〈古書ほうろう〉に行って、小泉喜美子のミステリ小説文庫を2冊買う。山崎さん、今日根津神社祭り神輿を担いできたという。元気だなあ。


ウチに戻って、ビデオを観ながら、レイアウト用紙にイラストのコピーを貼ったり、トレペ掛けをしたり。今回の原稿、たった5、6カ国だけで「世界の古本屋」とはおこがましいが、今回書かなかった国も含め、あと7、8カ国について、イラストと文章を書けば、一冊の本ができるかもしれないと思う。じっさいにやるとなれば、とんでもなくタイヘンなコトは判っている。でも、この連休中に書かねばならないあと数本の原稿のコトを忘れて、いつか出るかもしれない本について夢想をめぐらすのは、書き手のささやかな抵抗である。


今日の郵便物】

★古書の日記念即売会目録名古屋古書会館)

漫画屋より 「コミックMATE」11月号

こないだ10月号が間違って送られてきたと書いたら、スグ新しい号が。ありがたい。

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2004-09-17 11年前の仕事に美術館で再会

今日五反田の古書展なので、朝9時に出て10時頃に着いていようと思ったが、朝はどうにも動作が鈍い。古本より寝るほうを選ぶ根性なし。毎週、古書展の会場前に並んでいるヒトたちはスゴイと心底思う。旬公も付き合うというので、10時過ぎに出て11時頃に到着。一階の会場はごった返している。あまり欲しい本が目につかなかったので、切り上げて二階へ。


月の輪さんのところで、黒柳勲『ペンレターペーパー帖』(大阪屋號書店大正15)を1500円で。函が丸く抜かれていて、中を引き出すと、「誕生日に友を招く」「観劇に誘う」「書物の借用を申し込む」などの用途ごとに、女性や男性の筆跡の崩し字で書かれた便せん(もちろん印刷されたもの)が綴じられているという、凝った本。薄い便せんを上に敷いてなぞれば、そのまま手紙が書けてしまうというスグレモノ。デザインもいいし、現代にあわせて楷書版を出したら、けっこう売れるのでは?


ほかに、田村紀雄編『ミニコミ論理』(学陽書房)500円、注文していた松山思水『趣味百話』(誠文堂、昭和3)2000円を。後者には「燐票の蒐集」という項があり。もう一点注文していた、森本一成『足で集めた喫茶店ガイド』(昭和42)1500円はハズレた。月の輪さんの書いた目録には「美人喫茶/同伴喫茶サービス喫茶モダンジャズ喫茶他」とあり、ぜひ欲しかったのだが。


四季の味」の藤田くんが来ていたので、サ店に誘う。最近上演された新国劇のパンフレットが買えたと喜んでいる。明日、同じ趣味の濱田くんと一緒に新国劇の一派だかの上演を見に行くらしい。ぼくにはまったくワカラン世界。変わってるなあ。もっとも、向うも『樟脳専売史』(日本専売公社)というでかい本を買って喜んでる旬公やぼくを同じように思ってるだろうが。


仕事場に行き、原稿や座談会出席の依頼状をじゃんじゃん書く。前から読んでいる著者に手紙を書くときは、期待と不安が交差する。昨日、すでに一人から断られてしまったので、引き受けてもらえるよう慎重に手紙を書く。5時頃に出て、王子経由で浦和まで。6時ジャストに〈うらわ美術館〉へ。ココは8時まで開館してるのがアリガタイ。エンテツさんはすでに来ていた。岩波書店に所蔵されていた明治から戦後までの雑誌(創刊号を多く含む)約1500点を展示する「創刊号のパノラマ」展を見る。興味深い展覧会ではあるが、雑誌の表紙だけというのは展示として地味だし、岩波から出た図録も持っているので、まあ流して見ようと思ったのだが、そうはいかなかった。


時代別に雑誌の現物が壁に掛けられていて、ジャンルも判型もデザインもバラバラなそれらを一通り見て回るだけで大変。気に入った表紙や、初めて聞く誌名はメモを取る。美術雑誌のようにジャンルでまとめられているコーナーもあった。宮武外骨が発行した雑誌群もあり、そのヨコには、ぼくが26歳のときに編集した、ゆまに書房の『雑誌集成 宮武外骨此中にあり』の数巻が置かれて、読むことができるようになっていた。な、懐かしー。当時やった仕事がいまになって資料として扱われるようになったというのは、とても嬉しいことだ。


結局、見終わるまでに1時間掛かった。表紙だけでなく、一目でいいから中身を見たかった雑誌がいくつも。来週の土曜日には、森仁史さんの解説による館内ツアーがあり、中が見られる雑誌もあるようなので、可能なら参加しようとエンテツさんと話す。帰りの電車で、安食文雄『三田村鳶魚時代 在野学の群像図書館体験』(鳥影社)を読了。さっきの展覧会で展示されていた雑誌についても触れられていて、興味深かった。


今日の郵便物】

古本 神無月書店より 田中小実昌本を3冊

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2004-09-16 結構な古本喫茶

朝早めに起きて、仕事。一息入れるために、ビデオ井筒和幸の《ゲロッパ!》を観るが、あまりのヒドさにボーゼン。ギャグ、アクション、ダンス、すべてがスベっている。そのあと、ブロードウェイミュージカル映画版《シカゴ》を観るが、お金の掛け方よりも前に、演出・演技の力量の差は歴然(一緒にするのも気の毒だが)。ただ、《シカゴ》もラストはずいぶん唐突だった。


大阪の狆こと前田くんから電話あり、〈古書ほうろう〉で待ち合わせる。久しぶりに行くと、ウィンドーの展示が、真鍋博の装丁本に変わっている。どれも珍しい本ではないが、こうして並べると味わいがある。こういう見せ方、もっとやってほしい。そのあと、〈往来堂書店〉、そして、数日前に存在を知った〈ふるほん結構人ミルクホール〉へ。往来堂のほとんど裏側、路地というか行き止まりの細い道に看板が出ている。その先、木造の一軒家が店になっている。


中に入ると、噂どおり若い店主が作務衣を着ていた。手前に本の入ったガラスケースと本棚。その奥と本棚の裏側にテーブルが4つぐらい。「結構人」(http://kekkojin.heya.jp/)というオンライン古書店をやっていて、それと同じ本が並んでいるようだ。ガロ系・少女漫画と、B級タレント本といったカンジ。長井勝一の『「ガロ」編集長』刊行を記念してかなり長い特集を組んでいる『ComicBox』1982年10月号を500円で見つけて、やったと思う(実家にはあるかもしれないが)。本日のコーヒー(数種類ある)とチーズケーキを頼む。どちらも悪くない味だけど、コーヒーはもっと熱くしてほしいなあ。ほかに客はいないし、店主も話しかけてきたりしないので、本を読んだり原稿を書いたりするのには良さそうだ。夜7時閉店なのがちょっと惜しいが、ときどき行くことにしよう。


根津駅の前で、東京駅に向う前田くんと別れる。昨日谷中アパートに旬公が彼宛のメモを置いておいたら、「それを見て東京に来てからいろんな人に会えたコトを思い出して、ちょっと泣いてしまいました」と、なんだかウルウルした声で云う。その目はまさに狆そのもの。充実した一週間でヨカッタな、前田くん。その代わり、君の渾名は今後「大阪の狆」で決定ですから(やはり今日大阪に帰った中尾務さんからも「前田くん、狆やて?」と電話があった。パソコンやらないくせにナゼそれを……)。


ココまで来たついでに、弥生美術館http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/)で、「石原豪人展」を覗く。疲れてたので早足で見たが、オモシロかった。晩年にもいろんな雑誌でイラストを描いている。ビル・ゲイツまで描いてるのんだよなあ。石原さんは、島根県の簸川郡大社町の生まれで、終戦直後は松江東宝の看板を描いていたという。その後上京し、昭和25年、27歳で日大芸術学部に入ったという(のち中退)。小沢信男さんが入学する前の年だ。まあ、面識はなかったと思うが。〈オヨヨ書林〉をちょっと覗いて、ウチに帰る。


夜にかけて仕事。9時からテレビで《ボウリング・フォー・コロンバイン》を観て(ビデオで一度観てるが)、そのあとゴミを出したり、コンビニ宅急便出してそのあと散歩したり、で12時過ぎる。


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★古書目録 騎士亭文庫

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2004-09-15 「サンパン」次号はハチローくん特集です(嘘)

朝、ポプラ社の「ポプラビーチ」(http://www.webpoplar.com/beech/)で角田光代さんの連載が更新されているのを見る。ぼくとセドローくんがゲストの早稲田篇の二回目。ゲストといっても、ぼくはたんに一緒に歩いただけだが。メモも取ってなかったのに、ぼくの言動が書かれている。角田さん、よく見てるなあ。やはり作家の観察眼は違うのだろう。


病み上がりで、バリ島から帰ってはじめて電車に乗るという旬公と神保町へ。〈ぶらじる〉でコーヒー。〈東京堂〉で資料の本を買い、〈書肆アクセス〉で久しぶりに畠中さんに会う。『ナンダロウ〜』7、8冊にサインする。発売して3ヵ月経つのにまだサイン本が動いてくれるというのは、とてもありがたい。編集工房ノアから出た杉山平一さんの詩集を買う。


仕事場に行き、夕方まで仕事。次号の目次案がだいたい固まる。依頼開始。6時半に会議が終り、焦りながら御茶ノ水へ。東京ガーデンパレスホテルレストランの隅のほうに、特徴のある集団が。大阪から上京された「CABIN」の中尾務さんを囲む会が盛り上がっている。松矢部登、竹内栄美子、セドロー、岡島イチロー、松本ハチロー、前田大阪の狆”和彦、藤城雅彦(EDI)という顔ぶれ。中尾さんから、戦後を代表する名編集者・松本昌次さんにインタビュー(「サンパン」次号に掲載)した話を聞く。78歳(?)だが、とてもお元気らしい。松本さんは、こないだまでいわき市の草野心平記念館で開催していた「真尾倍弘・悦子展」で講演をされたので、気になっていた。ハチローさんから、保昌昌夫さんの著作集(全一巻)が河出書房から出ることになったと聞き、一同喜ぶ。大阪の狆は、今日も「クイックジャパン」編集部に行ったり、荻原魚雷さんと会ったりと大忙しだったようだ。22歳のとき、自分があそこまで行動的だったとは、とても思えない。


このホテルに泊まっている中尾さんと別れ、残り全員で、御茶ノ水駅前の喫茶店〈ミロ〉へ。明治大学大学院時代にはときどき行ったが、しばらくご無沙汰してた。こんな夜遅くまでやっていたとは知らなかった。前田くんはここで大学の先輩と遭遇。グーゼンを呼ぶ男。コーヒー飲みながら、「サンパン」でハチローさんのマンガ論を載せる(マンガ好きなのだ)、女装した松本さんを表紙にするなどのバカ話。こういうハナシのサカナにできる度量があるのが、「サンパン」のいいところ。10時過ぎに解散し、今日谷中に泊まる前田くんと、同じ西日暮里で降りる矢部さんと千代田線で帰る。今日締め切りなのに書けなかった「本のメルマガ原稿を大急ぎで書く。


漫画屋から「コミックMATE」が送られてくるが、エロ漫画ストーリーはホトンド一緒に見えるので区別がつかないけど、塩山さんの「新・嫌われ者の記」を読むとどうも一度読んだ文章みたいだ。この雑誌はなぜか二ヶ月先の月号を表示してるので、9月に出るのは11月号なのに10月号だし。どうも送る際に間違ったらしい。しかし、それにしても区別つかないなー。

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2004-09-14 同時代に伊藤理佐がいることのありがたさ

仕事場に行く前に、市ヶ谷の〈文教堂書店〉へ。一冊だけ残っていた、伊藤理佐『おいピータン!!』第6巻(講談社)を買う。伊藤理佐の新刊は平積みになってない場合が多く、相当後になってから気づくことが多い。いま、神様に「好きなマンガ家ならダレでも会わせてやる」といわれたら、まっさきに会いたいのは伊藤理佐だ。一緒に『サンデー毎日』も買う。グラビアと本文で、福島県只見町の「古本村」を岡崎武志さんが取材。5棟ある倉庫兼店舗が、倉庫ごと(つまり本ごと)土地付きで580万からで売りに出されているという。この記事、写真も岡崎さんが撮っている。すげー大きく使われているよ。

企画の詰め、原稿依頼状、取材のリサーチなどなどで時間が過ぎていく。7時前に出て、ウチに帰る。さっそく『おいピータン!!』を読んで爆笑。このマンガ、巻を追うにつれて、「親しい仲における微妙な食い違いのおかしさ」の描写が絶妙になっている。晩飯はうどんテレビニュースを見たあと、「書評のメルマガ」の編集。「ホンのメド」という情報欄、気が乗ればいくらでも書けるのだが、他にやるべきことが多いときにはなるべく書かずに済ませたい。この日記もはじめたことだし、南陀楼の個人的なことは、「ホンのメド」から外すようにしたいと思う。


谷中アパートに泊まっている大阪の狆こと前田くんから電話。昨日は立石の岡島くんのウチに泊まり、今日弥生美術館中目黒古本屋に行ったそうだ。東京を満喫してるなあ。明日まで泊まって、あさって帰るとのこと。


今日のお私事】

★『プレジデント』10月4日号

読書欄の「世の中の読み方」で、南陀楼の「『大型書店戦争』の背景がわかる本屋さんの本」1ページ分。新規出店ラッシュに引っ掛けて、小田光雄『書店の近代』、岡崎武志+CWS『本屋さんになる!』、田口久美子『書店風雲録』を紹介。この号のインタビューになぜかクレイジーケンバンド横山剣が出ている。

★『出版ニュース』9月中旬号

情報区」で『ナンダロウアヤシゲな日々』が紹介される。「“南陀楼ワールド”を知るには好個のエッセイ集である」と書かれて照れる。


今日の郵便物】

★「古本共和国」19号 特集「BIGBOX古書感謝市」。おぼろげに覚えていた1階から6階への売り場移動の経緯が判ってオモシロかった。

★「日本古書通信」9月号

★臼田捷治さんより 新著『装幀列伝 本を設計する仕事人たち』(平凡社新書)をいただく。

★『gris-gris』第2号

判型が変わって、可愛くなった。特集は東郷青児の装幀本。大阪読書バー「アトリエ箱庭」のコレクションを中心に紹介。東郷デザインの包み紙や行きつけだった喫茶店まで踏み込んでいるところが、『gris-gris』らしい。

★古書目録 趣味の古書展、演劇映画風俗目録(一誠堂書店

2004-09-13 今日も遠太は休み

出掛けにポストを覗くと、『山口瞳通信』其の肆が入っていた。電車のなかで、荻原魚雷山口瞳ファン二代目の手記」を読む。おれ、このお父さん好きだなあ。魚雷さんの作家エッセイの中でも、かなり上位に位置する文章ではないかと思った。


仕事場で、企画の残りを詰めたり、執筆依頼の手紙を書いたり、打ち合わせをしたり。これから入稿がはじまるまで、細かい作業が途切れずに続く。6時過ぎに仕事場を出て、秋葉原経由で三ノ輪へ。〈遠太〉の前まで行くも、店は暗くて、臨時休業という貼り紙も出ていない。おやじさんの病気が再発したのではないかと、心配だ。


ココで待ち合わせなので、ボーっと待っていたら、背の高い女性に声をかけられる。今日会うことになっている筑摩書房のNさんだった。そのあと、堀内恭さん、昨日に続いて会うのは二日目のエンテツさんと現る。〈遠太〉がダメならと決めてあった〈中ざと〉に移動。西日暮里から来ることになっている旬公と連絡がつかず、やきもきしたが、20分後には合流した。


3時間ほどいて、浪曲のこと、鎌倉のこと、飲み屋のこと、活版印刷のことなど、あれこれ話す。このメンバーは面白いハナシを話すのも、人が披露する面白いハナシを聞くのも好きなので、とてもたのしく時間が過せた。往々にして、この二つは両立しない。まだ話したりない気分なので、近くの〈だるま〉(だったっけ?)に入り、先客の若者たちのうるさい声に悩まされながら、終電ギリギリまで話す。そのあと、皆さんと別れてタクシーで帰宅。


もう眠いのだが、土曜日伊藤理佐の新刊『ハチの子リサちゃん』(双葉社)を買ったことを思い出し、読み出すと、止まらずに一冊読みきってしまった。山の子のスゴイ生活。伊藤理佐、ほんとに年下なのか?


今日の郵便物】

★「雲遊天下」第37号

特集は「演劇シーン」。もと「ぷがじゃ」でOMM・近鉄劇場をつくった松原利巳さんの文章がいい。胃が痛くなるような失敗を繰り返しながら、着実に演劇人とのかかわりをつくっていった経験が。

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2004-09-12 南千住のこれから

7時半に起きて、原稿を書きはじめる。途中、停滞したりしながらも、12時前には書き上げて送信。そのあと、キャプションなどの作業をしていたら、3時ごろになる。


少し休憩して、谷中小沢信男さん宅へ。一カ月前に出た小沢さんの新刊『悲願千人斬りの女』(筑摩書房)をいただく。なかなか取りに伺えず、のびのびになっていた。小沢さん、以前から考えていたもう一冊に年内に着手するとのこと。このバイタリティ、すごい。


日暮里から常磐線南千住へ。駅前のでかいビルに驚く。ファーストフードツタヤに居酒屋。じつにありきたりの構成。しかも、これができることにより、これから周辺の再開発がはじまってしまう。〈鶯酒場〉も〈大坪屋〉も数年後にはなくなるらしい。


大島書店〉の均一台で、『阿佐田哲也マージャン秘密教室』(青春出版社)を100円で買う。ここの主人は先日亡くなったそうで、奥さんが店番していた。泪橋まで歩き、〈大林〉へ。日曜日でも開いている貴重な飲み屋。田端ヒロアキくんが先に来て、あとから遠藤哲夫さんも来る。チューハイなど1時間ほど飲み、7時半に出て、日比谷線入谷へ。そこから歩いて、〈なってるハウス〉へ。


今日は、渡辺勝ベースの竹岡隆のデュオ。いつも、サックスの川下直広とのデュオを見ているので、ベースピアノだと地味すぎるんじゃないかと思っていたが、感じが変わってイイ。例によって、2時間近くMCなしで曲が続く。一音一音をじっくりと聴きこむ。途中、数分間眠ってしまった。音を聞きながら眠りに引き込まれていくのは、とても気持いい。


田端くんと別れ、エンテツさんと鶯谷へ。大阪の狆こと前田くんを谷中アパートに泊める約束しているので、待ち合わせたのだが、電話してみると、昨日から行っている新木場のライブ会場で「大事件が発生して、出るのが遅れました」という。なんだそれは。テロ殺人でもあったのかと心配する。〈養老の滝〉で一時間ほど待ち、もうそろそろ店を追い出されそうな時刻になって、前田くん到着。ものすごく消耗した顔。一緒にいた人が荷物を盗まれてしまったとのこと。


前田くんを谷中アパートに案内し、根津銭湯まで連れて行って別れると12時。まだ電車はあったが、タクシーに乗ってしまう根性ナシ。

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2004-09-11 大阪の狆、中央線にあらわる

朝、少し原稿書き出すが、あまり進まない。約束の時間が近づいているので、諦めて出かける。渋谷のハチ公前で大阪からやってきた前田和彦くんに会う。「BOOKISH」の編集の手伝いをやっている、関西大学の院生だ。まだ22歳だが、古いことをよく知ってるし、知識欲もすごい。何か新しいことを知るたびに、いちいち本気でカンゲキしてる姿がほほえましい。「動物なぞらえ」の得意な旬公は、「犬で云えば狆(ちん)みたいだね」と云っていた。小さくてかわいいのと落ち着かないところが似てるとか。その狆とハチ公前で待ち合わせしたのは、たんなる偶然で意味はない。


一昨日、昨日と前田くんを泊めたセドローくんも一緒。昨日は高田馬場の飲み屋で、7、8人で飲んだそうだ。エンテツさんと畠中さんが例によって酔っ払っておもしろかったそうだ。その様子を狆が目を輝かせて報告する。きっと関西に戻ってからも、みんなに云うのだろう。こうして、エンテツ・畠中の酔っ払いコンビ(いつの間に……)は、世の伝説となっていくのだ。


まず、ロゴスギャラリーの「印刷解体」へ。狭いスペースに活字棚、印刷見本、紙型、活字、写植文字盤などのブツと、印刷年鑑や一枚モノの広告などが並べられている。初日とあって、すごい人出。何かに使えるかと思って、「古」という木活字と文選箱を買う。佐藤真砂さん、会場にわんさといるうるさがたの客からの問い合わせと注文とたんなる自慢への対応におおわらわ。ご苦労さんです。リブロを覗き、となりのCDのセレクトショップも見る。


次に新宿へ。紀伊國屋書店本店の5階でやっている「じんぶんや」というフェアを覗く。「本のメルマガ同人のセレクションで「子どもが大きくなったら読ませたい本」というのをやっているが、正直言ってバラバラすぎる印象。設問を出す側もそれに対して本を選ぶ側も、フェアのイメージが共有できてない。ぼくは『ガロ編集長』(長井勝一)、『私の渡世日記』(高峰秀子)、『戦中派不戦日記』(山田風太郎)を選んだが、これもうまく行ったとは云いがたい。しかも、POPを提出するのが遅れて、今日並べられていた。売り場担当のIさんとMさんに、セドローくんと前田くんを紹介する。店に戻るセドローくんと別れて、タワーレコードへ。前田くんも音楽好きなので、1フロアつわりと時間をかけてまわる。ぼくはSAKANAのニューアルバム[LOCOMOTION]、戸川純バンド[Togawa Fiction]ほかを買う。最上階のタワーブックスでは、鳩山郁子サイン会をやっていた。


渋谷新宿ですっかり時間を食ってしまったが、今日の目的は中央線。狆は「荻窪といえば田村信の『できんボーイ』ですね。あれによく名前が出てきます」などと、憧れの中央線への思いを開陳。記述をはしょると、中野で〈タコシェ〉、西荻で〈興居島屋〉と〈音羽館〉(ついでに〈戎〉でちょっと飲む)、荻窪で〈ささま書店〉と〈常田書店〉を回ると、もう7時になってしまった。高円寺の古書会館も連れて行きたかったが、残念。さすがに歳なのか、これだけ回ると足が痛くなってくる。


阿佐ヶ谷に行き、〈よるのひるね〉へ。今日はかなり混んでいる。ここに、前田、ぼく、セドローに、阿佐ヶ谷の友達・松井さん、松井さんの友達の大西さん(原書房)と中井さん、タコシェ中山さん、国書刊行会の樽本さんが集まり、スゴイことに。こんなに来るとは思わなかったので。いろいろハナシが出て、魚雷さんが来たところで場所を変える。〈ラジオ屋〉に落ち着くが、原稿が気になって、これから新木場で徹夜のライブを見るという前田くんと一緒に店を出る。なんか体中がずーんと疲れていて、帰ってすぐ寝てしまった。朝早くおきて原稿やろう。

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2004-09-10 ちょっとしたコトで

原稿ができなくて、なんとかしなくちゃなあと思いながら、電車に乗っていたときに、ズボンが赤いもので汚れてることに気づく。なんだろうと思ったら、提げていた袋の外側に赤いインクが滲んでいて、それがズボンに着いたのだった。袋の内ポケットに入れていた赤ペンのインクがなんの拍子にかぜんぶ出てしまったようだ。この袋は韓国仏教用品店で買ったもので、軽いし物がたくさん入るところが気に入っていた。二年以上使っているので、ところどころ穴が開いたりしてるが、まだ使えると思っていた。


仕事場に行き、すぐに洗ってみるが、落ちる気配はなし。暗くなる。いつもだったら、別に気にしないのだが、仕事がうまく行かないときには、何かつまづきがあるとそれが十倍ぐらいの重さでのしかかってくる。ほかに面白くないこともあり、仕事にならないので、外に出て図書館へ。ウチに帰ってからも、なんだか気分晴れず、悶々と。

今日の郵便物】

★古書目録 渋谷商店、文庫

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2004-09-09 工夫癖はナシ

はてなの本』(翔泳社)のマニュアル部分を読んで、ヘッダにカレンダーを載せてみる。マニュアルには、ページのデザインやサイドバーのつくり方やその他イロイロが書いてあるが、多分やらないだろう。「トラックバック」の意味もようやく判ったけど、これも使わないと思う。コンピュータを使うようになってから10年近く経つが、自分なりの使い方を工夫してみたり、新しいツールを試したりすることへの興味はまるでない。考えてみると、コンピュータ以前から、文房具などの道具への関心は薄かったのだ。


今日は自転車で外に出かけて、図書館に行ったり、喫茶店パソコンを打ったりする。その合間に、〈三百人劇場〉で前田陽一特集。《濡れた逢いびき》(1967)。主演の田辺昭知(スパイダーズ、現・田辺エージェンシー社長)は、野球松井みたいなゴツい顔。加賀まりこは《月曜日のユカ》の小悪魔的演技よりこっちのほうが若さが感じられてイイ(あとで調べると、《逢いびき》のほうが《ユカ》より3年もあとの作品だった)。


【今日の郵便物】

★『AMENITY』22号(「拡声器騒音を考える会」発行)

★古書目録 落穂拾い通信(落穂舎)

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2004-09-08 ダメでもともと

神戸・海文堂書店http://www.kaibundo.co.jp/)の福岡宏泰さんからメール。8月31日まで延長継続された「sumus&幻堂真夏のミニフェア」の結果報告。『ナンダロウアヤシゲな日々』は、34冊売れ、現在も平積み販売中。サイン本は完売。内澤と山本さんのサイン本も完売。「sumus」バックナンバーは、12号が26冊、スムース文庫4(八木)が24冊、5(日記)が21冊、他の号もちょぼちょぼ。「月の輪書林目録」13号は12冊売れ。幻堂出版の方は、「何の雑誌6号」22冊、『神戸からころがたり』6冊、『KOBE街角通信』12冊、『関西フォーク70’sあたり』5冊、『NOBARA』4冊、「浪漫チック」6冊といったところ。二カ月間のフェアにしては、売上は少ないかもしれず、海文堂に迷惑をかけたのではないかと心配するが、こんなマイナーな出版物がコレだけ売れたのもフェアをやったからこそ、という気がする。これらのホトンドは、継続して販売してくれるコトになったので、買い逃したヒトは海文堂で探してみて下さい。

早稲田行きのバスで文京グリーンコート前。以前から気になっていた、名古屋コーチンのやきとりの店で昼飯。店に入ったとたんイヤな予感。揃いのシャツにバンダナ。味で勝負してます、という威圧感が。やきとり丼というのを頼むが、出てきたのを見て、あまりのお上品さに笑ってしまう。こりゃ、丼とはいえんぞ。たしかに、ささみやモモの焼き鳥はまずくはないけど、ご飯に掛かっているタレがなんだかアマったるい。これで1000円。さっさと喰ってさっさと出る。

12時、〈三百人劇場〉の前田陽一特集。平日昼間とはいえ、この前の渋谷実よりもさらにヒトが少ない(10人ぐらい?)。大丈夫かな。今日は《喜劇 男の子守唄》(1972年)。冒頭、チンドン屋のフランキー堺が子連れでバスに乗っている。高度成長期の東京と、それに取り残された男という構図はありきたりだし、前半のストーリー展開は正直云っておもしろくない。ただ、途中で挿入される闇市のシーンはいい(セットもよく造られている)。そこで、万引きする少年売春婦、やせ犬とその肉が入った煮込み、進駐軍に強姦される女、マシンガンを撃ちまくるヤクザなどのカットが、フラッシュバックのように重ねられていく。コレがあるから、後半で、フランキーやミッキー安川、太宰久雄、田端義夫らの「闇市同窓会」のメンバーが、売春婦あがりで金持ちになったミヤコ蝶々の援助を得て、闇市跡に建てられたスーパー経営に乗り出すというストーリーが生きてくる。

そのスーパーが、やはり闇市上がりの元経営者(森川信)の放火によって燃えてしまい、その焼け跡で全員が終戦直後の格好で飲み会を開く、という展開は突拍子もないが、自然な流れに見えてくる。演技がクサいフランキーにも、はすっぱで純情な倍賞美津子にも、いつの間にか入れ込んで観ている。最後には、不覚にもちょっと涙目になっていた。戦争の焼け跡を体験した世代の持つ、「どうせ、もともとナンにもなかったんだから」という開き直りが、やせ我慢ではなくポジティヴな姿勢に思える。いま、日本中からこの「ダメでもともと」という感覚がなくなりつつあるのではないか? 

うまい映画とはお世辞にも云えず、前田陽一の映画を2本立て、3本立ての名画座でなく、1本ずつ入れ替えの映画館で観ること自体、違和感を覚えるのだが、それでも観てよかったと思う。前田陽一の特集は、今週日曜日までだが、前売り券が5回分残っているので、せっせと見に行こう。


仕事場に行くと、今日は空調が作動していた。ホッ。次号企画を少し詰める。6時半に出て、また〈三百人劇場〉。《神様のくれた赤ん坊》(1979)。この映画、中学ぐらいに昼のテレビなどで何度も再放送してた記憶があり、特別見たいとは思ってなかった。だけど、案外オモシロかった。渡瀬恒彦と桃井かおり同棲カップルが、子どもを押し付けられ、その父親を探して尾道から九州まで回る。ちょうどハナシの都合のいいコトに、それらの土地は桃井かおりが少女のときに母親と過したところであり……というストーリー。いろんな土地をめぐるところが、なんか、中村監督《集金旅行》(1957)に似てるなと思ったら、それもそのはず、リメイクだという(『ぴあシネマクラブ』の解説より)。


この映画でよかったのは、尾道小倉、天草、長崎、唐津といった土地に、まだかろうじて残っていた「絵になる風景」がたっぷり映し出されているところ。たとえば、長崎の丸山遊郭、唐津の古い町並みなど。ぼくは行ってないが、1990年代になるときっとこれらの風景は消えてしまったのではないか。その意味で、日本映画では最後の「オムニバス旅行映画」だったと云える。


帰りに田端の生協に寄り、買い物。旬公の食欲が少し戻ってきたので、牛肉を焼いて食う。そのあと、諸々の仕事バリ島二日目の日記http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20040902)をアップ。どうしても長くなるなあ。最近気に入っている、テレビ東京の《やりにげコージー》を見る。今日は、吉本若手芸人ヤンキー列伝で、いろいろとヤンチャなハナシを。ヘンに編集せずに喋りだけで構成しているというだけで、いまどき貴重な番組だ。


【今日の郵便物】

★みはる書房より 『変り種』第3号(悟空社、昭和11年)2000円。まだ中味はよく見てないが、名前の通り、ヘンな雑誌

★斜陽館より 坂口安吾教祖の文學』(草野書房)1000円。装丁は花森安治。『福良竹亭君新聞記者五十年記念祝賀会誌』(昭和14年)1000円。もう一点注文していた児童雑誌『きりん』は残念ながらハズレ。

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2004-09-07 美青年、「文學界」に登場

旬公の具合、よくならず。バナナを買いに行ったりするが、こんなときにはあまり役に立たない(というか、気が利かないのだ)。11時過ぎに出て、久しぶりに仕事場へ。な、な、なんと、またしても空調が利かなくなっている。このビルは呪われているのか。


2時ごろまで企画をまとめ、昼飯ついでに〈文教堂書店〉へ。新しい『文學界』の表紙に「座談会 青山ブックセンター騒動を考える」とあったので、目次を見てみると、柴田元幸永江朗に並んで、柳瀬徹という名前が。一拍おいて、「あーっ」と思った。これは、元ABCの敏腕店員にして、紅顔の美青年、最近結婚したばかりで、パーティの二次会の会場選定について南陀楼にさんざん云われてしまった、あの、柳瀬くんではないか。記事の誌写真が、いつもの通り、「理由はないが、なんとなく嬉しそうな表情」なのが笑える。いや、ハンサムなんだけどね。べつに文芸雑誌に出たからといってエライわけじゃないが、「BOOKMANの会」のメンバーをこういう場で見かけると、楽しくなる。あとで読もう。


仕事場に戻り、5時から会議。なかなかすんなりとは決まらず、半分ぐらい決定、あとは考え直しとなる。旬公の風邪が移ったか、少しアタマがだるい。ウチに帰り、パスタをつくって食べたあと、バリ島日記の初日分を書いてアップ(http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20040901)。


【今日の郵便物】

★荻文庫  安井笛二編著『大東京うまいもの食べある記』(丸之内出版社昭和10年・第10版)3000円。東京の食べ歩き本としては、時事新報社家庭部編『東京名物食べある記』(昭和4年、正和書房)を所持しているが、今回の本はそれとは別内容。丸之内出版社は食べ歩き本のブックメーカーである多田鉄之助が発行人になっている。

もう一冊は、田中小実昌『幻の女』(桃源社)2500円。ミステリ短編集。

★古書目録 古書街の風、古書あきば、五反田遊古会

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2004-09-06 残念だったこと

次号の企画をツメるため、自宅で仕事。旬公はまだダウン中。体温がどんどん高くなるので、心配だ。寒がるのでクーラーはつけられず、かといって、暑いのにも耐えられず、付けたり消したり。


東京人』10月号の神保町特集について。ぼくはこの号で、「古書目録の読み方、楽しみ方」という神保町目録を出している古書店ルポを書いている。自分の企画でもあり、やりたいようにやらせてもらったが、掲載誌を見てビックリ。タイトル下に使われている「モクローくん」のイラスト、線が崩れて、まるで落書きだ。


たしかに、編集のYさんから「タイトル回りにモクローくんのイラストを使いたい」といわれ、「モク通のバックナンバーから適当に使って下さい」と答えた。その後、ゲラがファクスで来たときに、このイラストが入っていたが、あまりに下手なので内澤と「デザインの人が描いたんだろう」などと笑っていた。そのとき確認すべきだったが、本文にアタマが行っていたため、忘れてしまった。時間がなかったこともあり、そのまま校了した。


掲載誌を見て、Yさんに問い合わせると、「早稲田古書店街の地図」のイラストから取ったとのこと。たしかに、ここには内澤の描いたイラストがある。しかし、サイズが全然違う。捨てカットとしてはまあ良くても、大きく使うのに耐えられるモノではない。他になかったかと訊くと、「(目録を読んでいる)絵柄を優先した」という。これには呆れた。


責任は、原稿を遅らせた上に、ゲラでイラストのことを見過ごしてしまったぼくにもある。Yさんはただ気づかなかっただけだ(じっさい、ぼくが電話してもなんで怒っているか判ってなかったし)。彼女は経験はまだ浅いけど、何か提案したときの食いつきが良く、一緒に仕事していて気持ちいい。だから、彼女を責めるつもりはない。だけど、他の編集者やデザイナーはコレを見て「おかしい」と感じなかったのだろうか。とくにデザイナーはこのイラストをこの大きさで紙面に載せて大丈夫かを判断するのが仕事だろう。それが信じがたい。


Yさんはおそらく「モク通」のバックナンバーを全部は持ってないのだろう。通しで見れば、ほかにもっとマシな絵柄(古書目録を読むポーズ)が見つかるはずだ。見つからないにしても、新たに描いてほしいといえば、内澤はすぐに描いたはずだ。そんなに面倒くさいものじゃないんだから。自分が描いたものとはいえ、不本意な使われ方をしてしまったことに、内澤はかなりショックを受けている。編集者も、ライターとしてのぼくも、イラストレーターとしての内澤旬子にほとんど相談せずに進めてしまったことを申し訳なく思う。雑誌が出てしまっている以上、どうしようもないことだが、一言しておく。なお、昨日問題が「二つ」と書いたけど、もうひとつは省く。


さて、そうこうしてるウチに5時になる。久しぶりに神保町へ。〈書泉グランデ〉の辺りで、古書通信社の八木福次郎さんと樽見博さんにバッタリお会いする。10月のトークショーこのことで、福次郎さん、ずいぶん張り切っておられた。グランデの1階と地下で、マンガ本など数冊。〈書肆アクセス〉で『大阪人』10月号の大阪本特集を買う。噂通り、読みゴタエありそうだ。〈徳萬殿〉で揚げ餃子焼きそばを食べ、竹橋毎日新聞社へ。某ムック写真選び。Nさんに「残っているのは南陀楼さんの部分だけですよ」と脅かされる。しかも、2本もあるのです。


9時頃、ウチに帰ると、旬公の熱がまた上がっていた。こちらまで熱が移りそうだ。早く治ってほしい。

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2004-09-05 バリ島珍道中

8時20分、成田着のJAL便で、バリ島・ウブドへの旅行から帰ってきた。旅行中のことは、あとでアップしたいと思うが、めんどくさくなって書かないかもしれない。ぼくと旬公との両親2組との、総勢6人の旅行で、オモシロかったけど同時に疲れた。成田空港鎌倉に戻る義父と義母、羽田空港まで行って出雲に戻る両親と別れ、京成スカイライナー日暮里まで戻ってくる。


ウチにたどり着くと、出発前のあわただしい部屋と、旅行の荷物とで足の踏み場もない。まず、郵便物と新聞を整理して、少し場所をつくり、ヨコになる。たちまち寝込んでしまう。今回、ほとんどツアコンと化していた旬公は帰って一気に体調を悪くしたらしい。腹が減ったので、ひとりで駅前にそばを喰いに行く。冷やしたぬきそば。


夕方までかかって、佐藤賢一『オクシタニア』(集英社)を読了。これまで食わず嫌いだったが、芸達者な書き手である。異端カタリ派のこと、以前に興味を持っていたのが、この小説で再燃しそう。7時過ぎに自転車で出かける。海外旅行から帰ってくると、日本本屋に行かないとナンだか落ち着かない。そこで、〈往来堂書店〉〜〈古書ほうろう〉という例のルート。


ほうろうは棚卸も終り、どの本も総額表示の値段になっている。これだけ多いと大変だっただろう。「モクローくん大感謝祭」をやってたときは、毎日この店に来ていたが、不思議と本を買う気になれなかった。やはり、自分の出している本に気が行っているせいだろうか? 今日は棚卸後に新しく出た本もあり、妙に新鮮な気分で棚を見て回る。出たばかりの小谷野敦エッセイ集2冊と、中公文庫の衛藤利夫『韃靼』1000円を。『韃靼』はちょい高めだが、著者が満鉄奉天図書館の館長だったことに惹かれて。


夕飯は、旬公向けにおかゆ。それもあまり食べられず、あとでコンビニヨーグルトを買ってくる。これだけ読むと、献身的な夫に見られるかもしれないが、あとでアップする日記でバレるとおり、バリ滞在中は全員が旬公におんぶ状態だったのだ。コレぐらい奉仕してもイイだろう。


「デイリー・スムース」(バリでもネットカフェでまずココを見た)で、セドローくんの「店番日記」が早稲田古本村通信のbloghttp://www.w-furuhon.net/wswblog/cat_60miseban.html)で再開と。林さんじゃないけど、知り合いがみんなウェブ日記公開するようになると、やりにくいことも出てきそう。仕事サボって遊びに行った、とかね。林さん、「そういえば、モクローはどこへ行った? 日記がストップしておる。」ですと。はいはい、再開しましたよ。


【今日の郵便物】

★「東京人」10月号 特集「二〇〇四年版 神田神保町の歩き方」

コレについては、2つばかり問題が見つかった。明日書きます。

★古書目録 逍遙(古書現世)、紙魚展、中央線古書展、文学書店、古書同好会

★Juicy Fruits編『日本みやげ話』 

ミニコミ「Juicy Fruits」の通巻200号(!)を記念する展覧会にあわせて出された冊子。「Juicy Fruits」のフォーマットに、ゲストが旅について思い思いに書く。とはいえ、辛酸なめ子、今柊二、ちょうちょぼっこ、おまめ、近代ナリコ、谷本研……というメンツなので、よくある「旅エッセイ」のカケラもなく、面白い。

★「サンパン」第8号 「小沢信男一代記」は6回目

古本 かわほり堂より 上林暁『珍客名簿』(山田書店)、『晩夏楼』(非凡閣)。いずれも1000円は安いかも。

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2004-09-02 ガムラン・ハイ

今日からいよいよ観光開始。【注:手元にガイドブックの類がないので、バリの地名、固有名詞などは適当です】朝8時にホテルで朝飯。バイキング形式で可もなく不可もナシ。まず市場に行こうということで、歩き出す。ホテルのあるのはモンキー・フォレストの隣で、そこから「モンキー・フォレスト通り」がまっすぐ伸びている。かなりの角度の坂だ。この左右に観光客相手のみやげ物屋、服屋、レストランカフェ、両替屋などが並ぶ。


店の前には狭い歩道がある。歩道といっても、側溝にセメントのフタがしてあるだけで、そのフタが外れてたり、なぜか急に高くなってるところがあって、はなはだ歩きにくい。だからといって、車道に出ると、車やバイクがすごいスピードで突っ込んできて危ない。なので、よたよたと時間をかけて歩く。店の前には多くの車が路上駐車してあり、そのヨコに座り込んでいる男たちが「クルマ、タクシー、ヤスイヨ」と声をかけてくるが無視する。女は店で売子をしているが、男たちはこれだけが仕事のすべてらしく、昼間からカードをやり取りしてる姿も見かけた。


9時ごろ、パサール(市場)到着。二階建てぐらいの古い建物の上下に、雑貨、食料品などさまざまな店が入っており、そこを抜けると中庭にも多くの店が。日本人と見て、ひっきりなしに声をかけられる。二階の両替屋(服屋と兼業)でカネを換え、それぞれ帽子とか果物ナイフとか、買ってみる。みんな値切るのに慣れてないので、最初は旬公が半分に値切ってOKなのに驚いていたが、そのうち、自分でも値切り始める。

このあと、またホテルまで戻り、旬公が以前世話になった徳武さん(バリで別荘を販売している)に会い、彼の紹介で、バリ人のニョマンさんという30歳の男性にドライバーをやってもらうことになる。一時間8万ルピア(約900円)で、6人が乗れるミニバスが使えるのはありがたい。ニョマンさんは日本語がうまく、とても礼儀正しい若者(年よりもだいぶ若く見える)。


ウブドから北へ1時間ほど走り、途中で棚田の素晴らしい風景を見る。車を降りると、すぐに人が寄ってきて、絶対に買いたくないモノを売りつけようとする。そのあと、ヒンズー寺院を二箇所回る。入るときに色のついた紐を腰に巻く。二箇所目は階段を100段ぐらい下がった渓谷にあった。ちょうどお祭りが終ったところらしく、お供えや楽器の片づけをしていた。そのあと、キンタマーニ山が見えるレストランで昼飯。バリのビールは「ビンタン」というのがメジャーで、南国らしく薄い味。ほかに「バリハイ」があるが、旅行中、バリハイには一度も出会えなかった。


途中、木彫りや竹細工が並べられている店がいくつもある。これらは製造と卸の店だそうで、ここからバリ島中、いや世界中に輸出されるのだ。行きに楽器屋がたくさん目についたので、帰りに寄ってもらう。打楽器好きなので、こういうところに行くと、叩いてみずにはいられない。けっきょく小さな太鼓と、妙な音のする打楽器をふたつ買ってしまう。


ホテルに戻ったのは3時ごろだったか。親たちは元気で、また買い物に出かけたいというので、付き合う。途中で分かれ、本が置いてある店を探す。一箇所は日本語での情報センター「アパ」で、日本語の本を貸本として貸している。最初に払う保証金が不要なら、持っていっても構わない。つまり古本屋でもあるのだ。ミステリが圧倒的に多い。そのあと、シルバーを扱う店の奥で、古本を売っているところへ。ここは英語ドイツ語フランス語などのペーパーバック古本)を売っている。日本の本はホンの少し。その隣りにある、新刊の洋書店〈PERIPLUS〉でバリの楽器の本(英語)を買う。


またホテルに戻り、今度は反対方向に歩いて、夕食へ。「ワルン」という屋台のような大衆食堂のような店で、焼きそば焼き飯というごくフツーのご飯を食べる。6人で数百円という恐るべき安さ。しかもウマイ。またホテルに戻り、ニョマンさんが持ってきた民族服に着替える。アタマには日本幽霊みたいな白い布、腰はスカートのように布を巻く。オダラン(創立祭)を見るのに寺に入るためには、この格好が必要なのだ。


パサール近くの寺に行くと、楽器の音が聞こえてくる。境内に入ると、ちょっと離れた二箇所でガムラン楽団が演奏している。片方を聴いていると、もう片方のリズムが耳に入ってきて、その相乗効果がスゴイ。バリ島トランス体験なんてよく聞くが、たしかに、この空間で聞く音は体全体に入ってくる。片方の楽団では、おやじとおばさんが浪曲みたいな節でなんかウナっている。これは「ラーマヤーナ」を語っているそうだが、ほとんど説教節みたいでオモシロイ。ダンスがはじまるまであと1時間掛かるというので、諦めて寺を出る。ホテルに帰り、部屋に入ったら、もう疲れて寝てしまう。飛ばしすぎだよ。

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2004-09-01 暗闇を突っ走れ

朝9時に起きて、出発の準備。いつもギリギリまで用事があるのだが、今回は12時半までに日暮里に着いていれば楽勝。……と思っていたら、旬公の仕事が終らず、けっきょく発車5分前に駅に滑り込む。コンビニで買ったおにぎりで昼飯。


成田空港の第二ターミナル駅で、ウチの両親(以下、出雲)と待ち合わせ、出発ロビーへ。そこで旬公の両親(以下、鎌倉)と会う。出雲鎌倉はこれまで二回しか会ったことがなく、子どもの目から見ても正反対といっていいほど性格が違うので、一緒に旅行して大丈夫かと心配(さすがに両者とも大人なのでうまくやっていたが)。


チェックイン、荷物チェック、出国審査と、わりと順調に進み、出発ゲートへ。近くの喫茶コーナーでコーヒーを飲む。バリ・デンパサール空港行きのJAL便に乗り込んだのは4時ごろ。この機は二階建て。二階に乗るのははじめて。行きの飛行機では、鎌倉の父がはしゃいでた(ふだん酒量を制限してるのに、おおっぴらに飲めるのが嬉しかったらしい)ぐらいで、とくに何事もなく。ただ3、4時間ぐらいで着くと思い込んでいたら、7時間も乗ってなきゃいけないのには閉口。それだったら、機内テレビで《ザ・デイ・アフター・トゥモロー》を観るんだった。途中まで見た旬公のハナシでは、ニューヨーク図書館が出てくるシーンがあるらしい。機内食、マズい。


夜10時ごろ、デンパサール空港に到着。日本との時差は1時間。思ったよりも涼しい。インドネシアの通貨は「ルピア」。レートは1ルピアに対して日本円85円といったところ。ただし、両替する場所によってレートがかなり違うというので、空港では5000円だけ両替しておく。


到着ロビーには、ツアーの出迎えがわんさか。ウチのツアーの迎えに来たインドネシア人は、やたら声のでかい元気な男だった。バスに荷物を積むが、われわれの他に客はいない。大丈夫なのか、このツアー。デンパサールからウブドまで、バスは飛ばす。高速道路だけでなく、普通の狭い田舎道に入ってもお構いなしだ。真っ暗な外を眺めると、お寺らしい建物がいくつも見えた。外の縁台で涼んでいる男たちも。


12時ごろ、ウブドの「チャンプリング・サリ」というホテルに到着。暗くて見えなかったが、「モンキー・フォレスト」という森がスグ隣の静かな場所。デンパサールより高地だからか、とても涼しい。チェックインし、三組の部屋に入る。われわれ二人は敷地の端のほうの部屋で、庭から直接ガラス戸を開けて部屋に入るようになっている。テレビをつけると、NHKBSニュースで、ロシア南部の小学校人質を取って立てこもっているという事件を報道している。出発前に成田でも英語ニュースでやっていたが、まだ状況がよく判らない。1時ごろ、就寝。


【今日の郵便物】

★古書目録 愛書会、荻文庫

★「學燈」秋号

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