ナンダロウアヤシゲな日々

◎この日記は、ライター・編集者の南陀楼綾繁が書いています。
◎新刊『町を歩いて本のなかへ』(原書房)発売中です。
◎著書『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『谷根千ちいさなお店散歩』(WAVE出版)、『小説検定』(新潮文庫)、『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)、『路上派遊書日記』(右文書院)、『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『老舗の流儀 戦後六十年あの本の新聞広告』(とうこう・あい監修、幻冬舎メディアコンサルティング)、編著『チェコのマッチラベル』(ピエ・ブックス)、共著『ミニコミ魂』(晶文社)。
◎ご感想・ご連絡は南陀楼綾繁 まで。
◎「不忍ブックストリートの一箱古本市」は毎年春に開催します。
詳細は不忍ブックストリート公式ホームページもしくは、しのばずくん便りをご覧ください。
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2004-10-31 「アンケートのようなもの」、そろそろ締め切ります

雨、ようやく上がる。早めに出るツモリだったが、寝坊したのと、某誌のゲラの戻しに時間が掛かり、10時過ぎに出かける。目白で降りると、人ごみ。そう、今日は学習院学園祭なのだ。古本市があるかどうか、事前に調べがつかなかった(サイト情報が載ってない)。大学の門を入ると、すぐさま食べ物の屋台が並ぶ。歴史研究会文芸部、テニス愛好会、その他その他が、どれも食い物を売ることに精力を傾けている。カネの亡者である。嘆かわしい。さて、古本市はと見渡すが、影も形もない。受付で「古本市やってる?」と聞いても不審な顔されるし。バザーで少し本を売ってるかも、ということで、いちばん奥まで行くが、バザーという名も恥ずかしいほどのショボい出店で、しかも本は少女漫画数十冊を並べてあるだけ。やっぱり大学学園祭はダメだ、と中等部の方へ。


テントでパンフレットを配っているのでもらうが、古本市らしき催しはナシ。4階で図書委員会の展示をやっていて、一度ここの図書館を取材したことでも覗いてみるが、学習院文化祭歴史がまとめられているだけ。おまけに、取材のとき会った気がする生徒に声かけたら、やっぱり人違いだったらしく、不審な顔されるし。古本市しか見る気がナイのだから、事前に電話して調べておくべきだったと反省しつつ、外に出る。


このままでは収まらないので、ブックオフへ。そうしたら、たまたま単行本が全品350円均一というフェアをやっていた。張り切って、ぐるぐる回り、単行本5冊と文庫3冊を買う。まあ、そこそこ満たされたぜ。ウチに帰り、ごろ寝しながら、本を読む。3時ごろ、旬公と日暮里まで散歩し、一人で京成線に乗る。堀切菖蒲園で降りて、北側の新古書店へ。講談社文芸文庫(ここはいつも新刊が半額で出る)を2冊買い、〈青木書店〉を覗いてから、青砥で乗り換え、京成立石へ。


30分ほどぶらついたあと、エンテツ、セドロー、「酒とつまみ」の大竹さんと待ち合わせ、「酒つま」の次号の取材。古本屋回って、そのあと飲むだけですが。というワケで、ここでは略す。青砥で乗り換えて帰ってくるが、とても眠い。


アンケートへの回答メールが何通か来ていて、11時現在で総計20通になった。この数も嬉しいけれど、人それぞれ愉しんでくれているポイントが違っていて、それが判るのもイイ。みなさん、ありがとうございました。これから書こうかなという方、12時過ぎて明日になっても結構ですので、お待ちしています。明日から少しずつ、内容を紹介していくつもりです。

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2004-10-30 明治中学園祭とジュンク堂新宿店を絶賛する

昨日もワリと遅かったのに、今朝は早くから起きて、おでかけの準備。すでに雨が降っている。10時ジャストに、お茶の水の明治大学付属明治中学・高校学園祭へ。目の前に集英社がある。こんな道、初めて通る。オープンしたばかりで、生徒たちは大騒ぎだが、それには目もくれず、中学生古本市の場所を教えてもらって、そっちに突進。逗子開成のときと違い、こちらは古本といっても、図書館で除籍処分される本をタダでくれるというもの。昔に受け入れた本なので、カバーは外され、ラベル・バーコードが貼られているが、読むだけなら問題ナシ。


こないだの逗子開成が大当たりだっただけに、今日はまったく拾い物がないかも、と期待していなかったが、どうしてどうして。十進分類法で分類され、机の上に置かれた本を眺めて、あれもこれもと抱え込む。だってさあ、尾崎一雄、檀一雄、源氏鶏太獅子文六ほかの回想録『出世作のころ』(読売新聞社)、雑誌『風雪』の文学者対談をまとめた『作家の対話』(文藝春秋)、『大東京繁昌記』下町篇・山手篇、大西伍一『明治44年大正元年 生意気少年日記』(農文協)などが次々に見つかるんだから、そのまま通り過ぎるワケにはいかんでしょう。けっきょく15冊両手に持ち、番をしている中学生に渡すと、一冊一冊チェックして(挟み込みでも探してるのか?)、大きな袋に入れて渡してくれる。こんなにたくさんタダでもらって、しかも礼まで云われて、ココは極楽だ。こちらもテンション高く「ありがとう!」と礼を云って会場を出る。学園祭は素通りして、神保町方面へ。


すずらん通りまで来ると、予想はしていたが、雨なのでブックフェスティバルのワゴンは出ていない。かろうじて、〈東京堂書店〉の軒下にいくつかワゴンが出ていて、そこには人が群がっている。その他、多くの人があきらめきれない表情で、その辺を歩いている。「いますぐ明治中学に行けよ!」と声を掛けてやりたくなるが、〈書肆アクセス〉で畠中さんに自慢するにとどめる。


神保町駅のコインロッカーに収穫物を入れ、地下鉄新宿三丁目へ。新宿三越の7、8階に入った〈ジュンク堂書店〉が今日オープンなので、見に行くのである。さすがに客は多い。それと出版業界人の視察も方々で。日記で書くには長くなりすぎるので、結論だけ云えば、スバラシイ! 池袋店がオープンしたときも感動したが、あれはちょっとデカすぎる嫌いがあった。しかしこの店は、堂島店と同じく2フロア(各階にレジ)で、ジュンク堂らしい品揃えを実現している。平台をほとんど置かない代わりに、棚での「面出し」が多用されている。書物関係のコーナーでは、ナンと『ナンダロウアヤシゲな日々』も堂々の面出し。三冊しか残ってなかったが、あれは売れたのか、それとも最初からあの冊数だったのか。雑誌コーナーでも、「sumus」「酒とつまみ」が面出しなのだ。8階には喫茶コーナーもあり、トークなどのイベントもできそう。丸善・丸の内店のときは15分しかいなかったが、この店では、7階を一度見たあと8階に上がり、また7階に戻って丹念に見てしまった。ざっと見た感じで、マンガだけはまだ力が入っていない(並べているだけ)が、他はさすが、の一言。仕事場の市ヶ谷からも近いし、これからしばらくはココに通うことになるかも。業界紙などで、この間の大型書店オープンは神保町への影響が強い、と書かれているが、たしかにそれは無視できないかも。ただ、8時閉店は早いなあー。せめてもう30分遅くしてほしいです。数冊買って、記念のブックカバーをもらう。


また地下鉄に乗り、神保町に戻ってくる。午後になれば雨が止むかと思ったが、ますます激しくなった。今日はあきらめることにして、〈ディスクユニオン〉の1階で、大江慎也のバンドUNの[KNEW BUT DID NOT KNOW]、[高田渡トリビュート]、地下のロック売り場で、ブライアン・ウィルソン[スマイル]、スラップ・ハッピー&ヘンリー・カウ[Desperate Straights]、マッチング・モウル[そっくりモグラ]を買う。諸々の大荷物もって、ウチに帰ってくる。旬公に一袋分の本を見せると、「よくそんなのあったねー」とホメられる。ヘンなウチだ。


旬公がトマトソースパスタつくったのを食い、ちょっと休む。そのあと資料読み。よみせ通りのパイ屋でアップル・パイ(お土産とウチ用)を買い込み、小沢信男さん宅へ。「サンパン」の聞き書きの収録。途中でEDI社主の松本八郎さんも参加。2時間ほどお話を聞く。ええと、ここで「サンパン」執筆者の諸兄にお伝えしますと、本来だったら前に収録した分だけで、次号のページはまかなえるのです。ただ、この昭和27〜30年ごろの小沢さんは、「江古田文学」「新日本文学」「VIKING」での活動をほぼ同時に行なっているし、その後、一生付き合っていくヒトたちとの出会いもこの時期に集中しているのです。だから先まで聞いておかないと、うまくまとめられないのです。というワケでして、いましばらくお時間を。以上、言い訳でした。


8時過ぎにウチに帰る。晩飯食べながら、《スター・ウォーズ 特別篇》を観る。断片的には何度もテレビで見ているが、通しで観るのはじつは初めて。いや、けっこうオモシロかったです。


アンケートは、昨夜から今夜にかけて5人のかたから回答をいただいた。現在14人。回答数にはこだわらない、と書いたけど、やっぱり返事が多いと嬉しいもんです。いよいよ明日の夜12時で終了です。お待ちしています。


【今日の郵便物】

★まつおか書房より古本 堀切直人『大正幻滅』(リブロポート)1200円 続編はもっているが、この本は未入手だった。

★『博物月報』『記録』『ちくま』

★古書目録 古書画・古書籍展(熊本

2004-10-29 神保町から浅草へ

夜9時頃に一眠りするために夜中眠れないというパターンが続いている。昨夜も4時まで、『ウラBUBKA』とか『BUBKA』を眺めたり、メールを見たりしていた。やらねばならないコトが山積みなのだが、別に「商売繁盛」というワケではない。ひとつひとつきちんとこなしていけばナンとかなるのに、とりあえず目先のやりやすいモノから手をつけてしまって、時間や手間がかかるものを全部後回しにする、という性格がもたらした自業自得の結果だ。昔は用事が一日一つぐらいしかなかったので、どうにかなっていたが、いまはそうもいかない。月並みだが、予定表をつくるしかない、などと思う。


9時過ぎに起きて、古書会館へ。開場直後だったが、スゴイ人込み。〈あきつ書店〉のコーナーでは何重にも人がいる。ジャンプして他人にぶつかっているオヤジまでいて、とても近寄れそうにないので、他を見る。今日は特選古書市というヤツで、比較的高価な本が多いし、目録もなぜか送られてこなかったので、混雑の中でも心安らかに、空いている場所だけ見て回る。それでも、取次の社史『大東館十年』(昭和10)1000円、『底辺絵巻の画工たち 劇画家』(産報)が500円で買えた。後者は、「サンポウ・ウラコミ・シリーズ」の第5巻で、劇画家仕事や生活のルポルタージュ。かなりエグそうな内容だ。広告を見ると、この「ウラコミ・シリーズ」は『首輪のない猟犬たち トップ屋』『巧言令色の狙撃兵たち CM製作者』が既刊であり、続刊として『情報ランチの調理士たち 雑誌編集者』『キュー・サインの呪術師たち TVディレクター』が上がっている。この雑誌編集者についての本がもし出ていたら、ぜひ欲しいものだ(と思って、検索したら、『情報ランチの調理士たち 雑誌編集者』は〈高原書店〉に在庫あり。しかも500円。量を質に転化してしまった高原は、ぼくにとってありがたい存在だ。もちろん、即注文)。


30分ほどで出て、待ち合わせまで、靖国通り脇の歩道でのワゴンセールを覗く。去年からはじまったのだが、いい本が安く出る、という声多数(デカダン文庫のおやじさんを筆頭に)。去年は見逃してしまった。たしかに、どこのワゴンも結構安い。店名を忘れたが、あるワゴンで、野口冨士男相生橋煙雨』(文藝春秋)、三木卓『東京微視的歩行 今日もわたしは旅をしている』(講談社)、山口瞳長部日出雄田中小実昌他『誰にも青春があった』(文藝春秋)が各200円。それと、いつもの〈田村書店〉のワゴンで、近藤真柄『わたしの回想』上・下(ドメス出版)が二冊で500円。この本には、「父・堺利彦のふるさと」「安成二郎さんのこと」「添田知道さんのあれこれ」などの文章が入っている。

そのあと、自然科学が専門なので、いままで一回も入ったことのない〈明倫館書店〉にちょっと入ってみる。地下の建築コーナーで、杉浦康平雑誌デザイン展に行ったときに衝撃を受けた、鹿島出版会の雑誌『都市住宅』を探す。杉浦さんがデザインした1968年12月、69年6月、9月号が見つかる。いずれも600円〜800円と安いなので、買う。これから地道に集めるつもり。

それなりに収穫があったので、顔もほころんで、〈Folio〉に入る。池谷伊佐夫さんと待ち合わせ。新刊『神保町の蟲 新東京古書店グラフィティ』(東京書籍)を頂戴する。献呈書名、捺印、蔵書票付きだ。イベントをご一緒した役得だと、ありがたくいただく。ゆっくり読もう。そのあと、しばらく雑談し、〈共栄堂〉でカレーを食べる。ご馳走になってしまった。池谷さんはいつも折り目正しい方だ。そのあと仕事場へ。そろそろ原稿が入りはじめる。原稿を読んで著者とやり取りしたり、未着の著者に催促したりする。「BOOKISH」のゲラについてのやりとりもあった(なかなか終わらないなァ)。

6時前に出て、浅草橋経由で浅草へ。浅草観音脇の五重塔通りにある〈木馬亭〉前で、遠藤哲夫さんと会う。知り合いの浪曲師・玉川美穂子さんが出るというので、「玉川福太郎の徹底天保水滸伝」を見にやってきた。ちょうど昨日もらった堀切さんの原稿が、浅草についてのもので、その翌日に浅草にやってくるとは偶然のような因縁のような。木馬亭は大衆演劇を見に行ったときから十数年ぶり。今日は特別興行とあって、予備の椅子まで出して満席で、座れないヒトは舞台の上の、演者のヨコに座らされていた。こんな光景、初めて見る。


7時過ぎに開始、前読み(前座)は玉川美穂子さん。「慶安太平記」より荒馬を乗りこなすハナシ。浪曲というもの、生まれてはじめて見るので、ゼンゼン判らないのではと心配していたが、かなりオモシロイ。すべての演者がこうではないのだろうが、見る人のコトを考えて時代をカンジさせる用語はいまの言葉でも説明するし、ストーリーが単純なので、雰囲気でついていける。そのあとゲストなぎら健壱と国本武春のトークもオモシロかった。さんざん笑わせながら、浪曲(もとは浪花節)の歴史と特徴が楽しく理解できるものだった。浪曲では演者と曲師(三味線を弾く人)が一体であり、いい曲師は演者に対して「こういう方向もありますよ」と六車線ぐらいの道筋を示してくれる。だから、演者は曲師によってそれまで出したことのない力が出せる。ダメな曲師だと、一車線どころか、行き止まりになってしまうのだと、国本さんが云っていた。これ、いろんな世界での共同作業に当てはまることなのではないか。


休憩後、美穂子さんの師匠である玉川福太郎の登場。今年連続で語ってきた「天保水滸伝」の今日は四回目「蛇園村の斬り込み」。さすがに声がよく通る。途中、気持ちよく寝てしまったが、いやオモシロかった。こんなに浪曲が肌に合うとは、自分でも意外だ。終ってから、やはり見にいらしていた小沢信男さん、エンテツさんと一緒に、〈捕鯨船〉でビールと煮込み、鯨の竜田揚げ。10時過ぎに出て、小沢さんタクシー谷中まで。途中で旬公用の食料を確保して、ウチに帰る。


さて、アンケートですが、今日も3通回答をいただきました。意外な人からの嬉しくなる答えが多いです。いただいたメールには、全部お返事を書いていますので、よろしければお願いします。もう一度、告知します。締め切りは、最初30日と書いてしまいましたが、31日(日)までにします。

【質問】これまでの「ナンダロウアヤシゲな日々」で一番オモシロかった日記の日付と、その理由をお答え下さい。理由は、好きな本屋が出ているから、自分が登場しているから、などなるべく具体的にお書き下さい。

もしくは、一番つまらなかった日記の日付と、その理由(原稿が書けない言い訳を書くな、など)でも結構です。

回答にはお名前/ハンドルネームをお書き添え下さい。名前が出るのがまずい方は「匿名希望」とお書き下さい。

サイトblogをお持ちの方はURLをお書き添え下さい。

回答はメールで kawakami@honco.net までお送り下さい。


【今日の郵便物】

★多田進さんより 「モク通」の切手と古い古書目録1970年代)をいただく

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2004-10-28 待ちきれない人々

昨夜は、『本との出会い、人との遭遇』に触発されて、何冊かの本を拾い読みした。この本に出てくる、堀切さんが私家版で出した『冥府もぐり』(1970年)は、日月堂さんで見たコトがある。2回手をのばして、2回とも買わなかった。でも「日本古本屋」で検索するとまだ在庫あるみたい。突如、買わねばという気になって注文を掛ける。寝たのは3時過ぎていた。


いつもの時間に仕事場に行き、あれこれ。昼飯は〈橘〉の生姜焼き定食。そこから道を渡ってスグのところにある〈麗文堂書店〉を覗く。この店の品揃えは、思想・哲学民俗学などの研究書や文学評論の本が中心で、ぼく好みのヘンな本はあまりないのだが、パソコンに向かって調べていたテーマについてどんな本があるか、あるいは、いま進めている仕事に関する特集が『現代思想』や『ユリイカ』などのバックナンバーにあるか、などを一瞥するにはとても便利(あまり買わなくてすいません)。今日は、木部与巴仁『伊福部昭 音楽家の誕生』(新潮社)を1700円で買う。


この本、1997年に出たがワリと早く品切れになったらしく、古本屋では滅多に見ない(同じ著者の『横尾忠則 365日の伝説』はよく出てるのだが)。そういう声に答えて、2年ほど前にボイジャーからオンデマンド版が刊行され、そっちは改訂されている様子だったが、なんとなく元版で読みたい気がして買わなかった。ただ、同じくオンデマンドで刊行された、本書の続編『伊福部昭・タプカーラの彼方へ』は買ってある。


仕事場に戻り、久しぶりに木部与巴仁さんのサイトhttp://www.kibegraphy.com/ )を覗いたら、ボイジャーから出ていた2冊は、今年5月に合本として「本の風景社」からオンデマンド出版されていた。さらに、第三作『伊福部昭時代を超えた音楽』も同じところから出ているではないか。コレはうかつだった。小西昌幸さんの「創世ホール通信」あたりにはきっと載っていただろうに、読み飛ばしたんだろうな、きっと。ともあれ、まず『伊福部昭 音楽家の誕生』から読むコトにしよう。


日月堂佐藤さんからさっそくメールで在庫がある旨の返事。送ってくださいと返事を出した直後、気が変わり、表参道日月堂まで受け取りに行く。3500円。佐藤さんから、「これ、古書モクローで売ったらどうですか?」と、戦前の落とし紙の封紙を数十枚いただく。数枚ずつセットにすればたしかに売れそうだ。ありがたく頂戴する。急いで表参道駅に戻り、神保町へ。靖国通りの古本屋の店先にやたらヒトが多いので、あれ、今日から古本まつりだったっけ? とのぼりを見ると、やっぱり明日からじゃないか。どうも待ちきれずに、そわそわと神保町にやってくる人がいるらしい。


東京堂書店〉で堀切直人さんと、右文書院のAさんと待ち合わせ。〈ルノワール〉で原稿を受け取り、その後、あれこれ話す。さっきの『冥府もぐり』をお見せして、版元の「VAMP団」というのはナンですか? 5冊まで予告されている「VAMP叢書」は何冊出たんですか? とお聞きする。答えはヒミツだが、ビックリして納得。Aさん、「ぼくはそれ、田村書店の均一台で400円で買いました」と。寡黙な印象の方だが、ただならぬ本好きらしい。堀切さんはコンピュータに一切触らないが、Aさんがこの日記のコトを伝えていたらしい。そういう場に書かれることを嫌うヒトもいらっしゃるので、一瞬緊張したが、いろんな人に会うことと書くことを同時にやっているのはアヤシゲさんらしいと云ってくださる。それとともに、それがずっと続けばオモシロイね、とも。飽きずにやります、はい。前に「サンパン」を送ったのだが、「この『店番日記』の人の文章はいいね」とも。セドローくん、誰からもホメられるなあ。花田氏の新雑誌でも連載はじまるみたいだし、彼の才能がちょっとねたましい。


前のお話では、三人で会って飲むということだったが、用事があるということなので、そこで解散。近くのコンビニ原稿のコピー取って、ウチに帰ろうとするが、今日は飲むつもりでいたので、なんとなくおさまらず、綾瀬へ。〈デカダン文庫〉に行くと、おじさんがさっそく『神田神保町古本屋散歩』の反響を話し出す。店に来る客が増えたかと思いきや、店の写真に映っていた本棚の本(車谷長吉古井由吉サイン本)を見た地方の客が、電話で注文してくるのだという。「村上一郎の本も売れたよ」。うわぁー、写真に映ってる本棚をそのまま目録代わりにしてる読者がいるんだ。横尾忠則のポスター(深沢七郎の「夢屋」)も三人ぐらいから譲ってくれと云われたそうな。スゴイ。この週末は、こういうヒトたちが全国からやってくるのだ。古本界の「神在月」だなあ。一瀬直行の『随筆浅草』(世界文庫)2300円と『ゲイ・ボーイ』(書肆パトリア)500円、中谷孝雄『同人 青空日本浪漫派』(講談社)2000円を買う。


そのあと、いつもの〈味路〉までテクテク歩き、ビールともつ焼き、ガツニンニク漬け。誰かのblogで知った『ウラBUBKA』12月号の特集「マンガ家のウラ」を読む。こりゃ、たしかに読み応えがある。駅前の和菓子屋で、ドラ焼をふたつ買って、ウチに帰る。さて、明日は朝から神保町だ。


そうだ、アンケートはさらにお二人から回答いただきました。嬉しいです。あと3日、ごく短い回答でも結構ですので、お待ちしています。


【今日の郵便物】

金沢文圃閣より新刊案内

「戦時占領期出版関係 史料集4」として、『書籍雑誌商資料 内地・植民地/1937〜41』全2巻が刊行されるとのこと。第1巻には日本読書新聞社雑誌『出版文化』(改題して『書店文化』)、第2巻には『全国書籍組合名簿 昭和十三年一月現在』を収録。ココの復刻は、本当の意味での出版史の基礎資料だ。各巻2万2000円は個人で買うのは無理だけど、しかるべき機関なら買えない額ではないはずだ。同封の「文献継承」のナカには、古書目録が数ページ。欲しい本が数冊あり。

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2004-10-27 「熱」は交互にやってくる

朝、出掛けにポストを覗くと、中村よおさんの『トオリヌケ・キ』が届いていた。これ持って、電車に乗るのが楽しい。よおさんの紹介するCDはどれも聴きたくなるものだが、今回はブライアン・ウィルソンの『スマイル』(ワーナー・ジャパン)だな。なんとあの幻のアルバムを、全曲ニューレコーディングしたという。こんなの出てるなんて、知らなかった。あと、高田渡トリビュートも発売されたようだ。記念ライブに行けなかったのが残念。ふだんは本のことを優先に考えているが、CDのことを聞けばレコード屋に行きたくなり、久しぶりに映画館に行けばまた来たくなる。本熱と音楽熱と映画熱が交互にやってくる。1996年ごろ、ミニコミ『日曜研究家』で「帝都逍遙蕩尽日録」を書いていた頃は、毎号「熱」の順番が入れ替わっていたが、最近は本のコトだけで時間もお金も精一杯である。


仕事場に行き、次号の台割を引く。まだ仮とはいえ、そろそろこの時期がやってきた。午後に進行の打ち合わせ。夕方出て、渋谷へ。某校図書館の取材。そのあと、Iさんが國學院大學書籍部に連れて行ってくれる。ここは新刊書店なのに古本が置いてある! 折口信夫=釈超空の著作や関連書が多い。その上、文庫本コーナーでも、新刊に混じって、古い中公や岩波文庫古本として売られているのだ(値段の帯が掛かっている)。この売上は誰のものになるのか、とても気になる。


渋谷まで歩き、山手線でウチに帰る。bk1からの荷物が届いていた。ピエ・ブックスの『エクスポジション・ドゥ・ビュバー』と『海月書林の古本案内』。前者は吸い取り紙のコレクション。ぼくが持っている絵柄も一枚収録されていた。後者は、ここ数年出ている「ビジュアル系古本本」の中では出色。「オンナコドモの本」に浅くではなく、きわめて深く突っ込んでいる。


晩飯食べた後、ドラマ日本テレビ一番大切な人は誰ですか?》)を見ながら、石神井書林の目録を見る。山名文夫『カフェバー喫茶店広告図案集』が15万7500円で出ていて、ぶっとぶ。誠文堂のこの職業別広告図案集は、以前にまとめて出たときに買ってある(そのときは一冊5000円ぐらいだった)。山名もたしか買ったはず、とその棚を見るが、山名の巻だけない。ホントに買ったのか自信がなくなってくる。以前、山名のコトを調べるのに仕事場に持っていった気がする。なんにしろ、こういうヤツに掛かっては15万の価値のある本も宝の持ちぐされだ。今日届いた岡崎さんからのメールに、「石神井目録が届き(どうも、いつも林哲夫さんのところより、ぼくのほうが一日遅く届くみたい)ほしいもの、たくさんあれど、どうにも手が出ません。目録送ってもらうの悪いから、せめて2、3冊買いたいのですが」とあったが、同感。欲しい本で1万円以下のものがないのがツライ。林さんのところに目録が一日速く着く、というのは、ほかの書店目録でもそうで(日記で触れられるのですぐ判る)、フシギに思っていた。関西のほうが先に発送されるのか、それとも林さんが上客なので早いのか、コレは「モクローくん通信」で探究してみる価値があるかも。


必要あって、呉智英読書家の新技術』(朝日文庫)を再読。元版(単行本)を読んだのは、高校3年生の終わりごろだった(はっきりしないが)。いま読み返すと、いろいろ感慨にひたるのだが、書き出すと長くなりそうな気がするので、今日はやめておこう。そのあと、読みかけだった堀切直人『本との出会い、人との遭遇』(右文書院)を最後まで読む。この本、早稲田の〈文献堂書店〉のことが何度も出てくるので、「早稲田古本村」関係者は必読。


アンケート、今日もお一人送ってくれました。ありがとうございます。


【今日の郵便物】

★板祐生出会いの館より  来年の「絵暦」をいただく。稲田さん、いつもの達筆のお手紙。西伯町も町村合併で「南部町」になってしまったのだという。どっから出てきた地名だろう、コレは。東京で人に会うとき、さんざん「西伯町に板祐生というすごい孔版画家コレクターがいてね」と宣伝してきたのに、町名が変わるとはヤヤコシイ限りだ。「日本海新聞10月24日社説(?)も同封。UBCの「本の街のガリ版展」について。祐生のことも出ている。

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2004-10-26 大学生みたいな行動

午前中から午後にかけて、ウチで資料を読む。そのあと、雨の中を竹橋東京国立近代美術館へ。「木村伊兵衛」展を見る。膨大な仕事のうち、今回は、戦前については花王石鹸の広告、『光画』、日本工房の活動など印刷物を中心に、戦後は秋田長崎などをシリーズで撮った写真作品を中心に展示する。1950年代ロンドンで撮ったものなど海外での撮影も含まれている。展示そのものはすごくよかったが、この木村展は、4階から2階まで、常設展と同じ会場に、時代ごとにバラバラに展示されているので、一気に見た、という満足感は薄い。主催者側は常設展示の時代区分にあわせて木村展を配置した、とか云っているが、やっぱり別のものとして見たかった気がする。ただ、木村展を見ながら、普通だったら見ずにすませる常設展が見られたので、その点ではよかったが。


そのあと、企画展草間彌生 永遠の現在」展を見る。ついでに見るので、そんなに期待はしていなかったが、けっこう面白い。巨大な水玉の風船オブジェや、突起物が無数に貼り付けてある壁など、作者が感じている「強迫観念」がモロなカタチで現れている。会場も迷路みたいなつくりになっていて、角をまがるとそういうデカい異物にぶつかる。まるで、恩田陸の『禁じられた楽園』(山の中に閉じ込められて、次々に巨大なインスタレーションを体験させられる)ではないか。あるインスタレーションでは、部屋に入らされ、灯りが無限に広がっている様子を体感する。係員は「下は水なので落ちないように気をつけてください」といい、ぼくを入れると、後ろのドアをパタンと閉めてしまった。一瞬、コワかったなあ。


見終わって、木村展の図録を買って出る。次回の予告で、来年1月に河野鷹思のデザインの展覧会をやるとあった。木村展よりは規模が小さいようだけど、コレも行かねば。丸ノ内線銀座に出て、〈旭屋書店〉を覗いたあと、〈泰明庵〉に入る。ココはそばもうまいが、うまいそば屋にありがちな気取りがなく、ご飯ものもつまみも充実している。おばさんのオススメで、たぬきそばと、マグロのすきみとヒラメのたたきが載った丼というセットを食べる。うまい。

日比谷に出て、〈シャンテ・シネ〉で矢口史靖監督スウィングガールズ》を観る。あと数日で公開が終わるハズだが、なんとか間に合った。「《ウォーターボーイズ》の焼き直しだよ」とかどこかで書かれていたのだが、ハナシの構造は似ていても、これは全然違う映画である。上野樹里女子高生は、最初、無理矢理に楽器を持たされて、ちょっと面白くなったときに「もういらない」と云われ、そこから発奮する。練習そのものよりも、楽器を手に入れるためのあれやこれ(熊に襲われたとき、画面がストップし、ルイ・アームストロングの《この素晴らしき世界》が掛かるシーンは、特筆すべきバカバカしさである)やを描いていて、楽器が吹けないヤツがいきなりアドリブできるようになるもんか、と思うが、そのありえなさをバカバカしく、それでいて、あったらいいなと夢を抱かせる矢口史靖の演出はイイ。その辺が、同じ音楽映画でも、最後までシラけて観てしまった《ブラス!》との違いだ。

よくないところも書いておけば、この手の映画の脇に竹中直人を持ってくるのは、そろそろヤメたらどうか。竹中直人の演技が悪いというのではなく、竹中を使うどの映画も同じ性格に設定してるんだもん。「楽器のできないジャズマニア」という役柄は、むしろ生徒の一人に振った方がヨカッタ。竹中に限らず、この映画に出てくる大人の役者は、どれもイマイチだったなあー(白石美帆も含め)。まあしかし、ブラバン/バンド経験者(ぼくのことです)の血が久々に騒ぐ映画であった。


そのあと、六本木で再開なった〈青山ブックセンター〉を見る。あまり変わってないことに安心し、もうちょっと変わってほしかった気も少し。杉浦康平ブックフェアを見る。2冊買ったら、袋に「ABCで会いましょう」という小冊子を入れてくれる。ABCを支援する著名人メッセージ集。神保町に出て、〈書肆アクセス〉から〈三省堂書店〉へ。三省堂の一階エスカレーター脇に、「The Catcher in The Bookstore」というコーナーができている。神田本店の社員が選定したオススメ本のコーナー。今月は「秋+本=神田」というテーマで本や神保町に関する本を並べている。ココに『ナンダロウアヤシゲな日々』もあった。POPが立っている本もあったが、ぼくの本にはなぜかなかったな。でも、一緒に配っている小冊子「月刊読書手帖」には、「本の海で溺れるって、まさにこういう人のことです」というコメントが。ありがとう、Y・Sさん!


7時に〈なにわ〉へ。岡崎武志さん、セドローくん、岡島イチローくんが来ている。荷物を持っているのを見て、岡崎さん「どっか寄ってきたん?」。で、美術館行って映画館行って本屋行って……と説明すると、「大学生みたいな行動やな」。いや、コレも半分仕事なんですけど……(説得力なし)。私立高校学園祭古本市はイイですよ〜、いま古本市のある学校を調べているんですと、強調して、さらにアキレられる。そのあと、畠中さん、濱野奈美子さん、遅れて旬公も来る。古本古本市、古本屋さんのハナシで盛り上がる。岡崎さんが「ええなあ、すぐハナシが通じるから」と。たしかに7人もいるのに、古本のハナシが説明なしに全員一発で通じるという状況はメッタにない。解放された気分で会話ができる。閉店までいてしまった。


この日記アンケート回答、今日までに4人からお返事をいただきました。うち3人が初めての方です。反応するポイントがヒトによって違うので、オモシロイ。ぼくの知り合いも恥ずかしがらなくてイイので、回答をお寄せ下さい。

【今日の郵便物】

★古書目録 荻文庫、古書愛好会、石神井書林、古本倶楽部(中野書店

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2004-10-25 アンケートのようなもの

【注】本日午後、アンケートのお願いをアップしましたが、そのあとに日記をアップしました。「10月25日A」「10月25日B」というふうに、二つ日記をアップできると思い込んでいたので。小見出しの入れ方もまだよく判ってないので、冒頭に注記します。


あと一週間ほどで、当日記「ナンダロウアヤシゲな日々」は、開始から4カ月を迎えます。好き勝手に書いているとはいえ、日記を公開している以上、読んでいる方の反応が知りたいのが人情です。リンク先を見ていると、この日記を「はてなアンテナ」や リンクに登録してくださっているblogが多いのですが、どのように読まれているのか、ホントに読まれているのかが気になるところです。そこで、「アンケートのようなもの」を取ってみることにしました。


「のようなもの」ですから、なにか集計したり結果発表をしたりはいたしません。ただ、いただいた回答のウチ、興味深いものは日記で紹介させてもらうつもりです。また、回答いただいてもナニか差し上げるコトもできません。それでも、答えてやろうじゃないか、という方は、以下の問い(ひとつだけです)にお答え下さい。


【質問】これまでの「ナンダロウアヤシゲな日々」で一番オモシロかった日記の日付と、その理由をお答え下さい。理由は、好きな本屋が出ているから、自分が登場しているから、などなるべく具体的にお書き下さい。

もしくは、一番つまらなかった日記の日付と、その理由(原稿が書けない言い訳を書くな、など)でも結構です。


回答にはお名前/ハンドルネームをお書き添え下さい。名前が出るのがまずい方は「匿名希望」とお書き下さい。

サイトblogをお持ちの方はURLをお書き添え下さい。

回答はメールで kawakami@honco.net までお送り下さい。

締め切りは10月30日。興味深い回答は、来月に入ってからボツボツ紹介させていただきます。


まったく反応がなくても、やや寂しい気持ちがするだけで、日記を書くコトをやめたりはしないので、ご心配なく。回答お待ちしています。

*********

さて、本日の日記。昨夜寝ている間に、何度か揺れがある。もし新潟に住んでいたら、いつ本が落ちてくるか、本棚が倒れてくるかが心配で眠るどころではないだろう。9時半に出るつもりだったが、出掛けに電話をしていたら遅くなった。古書会館に着くと、階段の下からオヨちゃんが上がってくる。早起きだなあ。今日は新宿展。セドローくんもイチローくんもいた。

目録安藤書店が、小林信彦の『われわれはなぜ映画館にいるのか』『東京ドンキホーテ』『東京ロビンソン・クルーソー』を出していた。晶文社のいわゆる「バラエティ・ブック」で、近頃の古書価はきわめて高い(矢口書店で『東京ロビンソン・クルーソー』が1万6000円!)。なのに安藤さんは、一冊3800円で出していた。3点とも申し込んだが、当たったのは1点(どれかはヒミツ)。当然ながら注文殺到で、ぼくの受け取った本にも15人近くから注文が入っていた。昔、図書館で借りて読んだけど、もう一度読み返したいと思っていたところなので、嬉しい。


会場を回って、桜井昌一『ぼくは劇画仕掛人だった』(エイプリル出版)1000円、『食の文学館』第8号(紀伊國屋書店発売)350円、久保田万太郎浅草記』(生活社)500円、東陽片岡『やらかい漫画』(青林堂)500円、岩川隆『ドンブリストの冒険』(文藝春秋)300円を買う。最後のは食に関する小説集。エンテツさんにあげようかな。場内で会ったキントト文庫さんから、神田古書連の目録古本』をいただく。今年ももう、古本祭りの季節だなあ。

〈書泉グランデ〉で2冊買い、古本屋を数軒覗いて、〈三幸園〉で昼飯を食い、神保町駅(九段下側)近くの〈タリーズコーヒー〉で本を読む。それから仕事場へ。著者への連絡を取りながら、まだ読んでなかった雑誌新聞に目を通す。『出版ニュース』10月下旬号には、小田光雄「稲岡勝への反論」を掲載。昨年12月中旬号に掲載した稲岡氏の文章中、小田氏の『書店の近代』(平凡社新書)を激烈に批判した節があった。その記述への、こっちも激烈な反論。ただ、稲岡氏の「詐術的読解」の例を挙げているだけで、「彼のちまちま守っているお仲間だけの世界」がどんなものかまでは踏み込んでいない。いっそのこと、日本近代文学会で公開討論してはどうだろう。他に「本とコンピュータ」の終刊について報じられた先週金曜日朝日新聞、ぼくの古巣のゆまに書房を取り上げた能勢仁「個性派出版社訪ねある記」掲載の『図書館学校』11月号、〈calo bookshop&cafe〉を大きく取り上げた『新文化』10月7日号などを読む。

ゆまに書房の取材記事で、びっくりしたこと。創業一年後、中央公論社の高梨茂専務が訪ねてきて、「御社は良い本を出版していますね」と誉めてくれたという。「中央公論社近世文学の出版を手掛けており、特に中世に造詣の深い高梨専務の目にゆまに書房が止まったのである。(略)荒井社長は翌週、高梨専務を訪ねた」。ぼくの在籍時、社長から創業当時の話をいくつか聞かされたが、このハナシは知らなかったなあ。聞いていれば、「sumus」の中公文庫特集のときに参考になったかもしれない。まあ、聞いていても当時はそんな話、右から左だっただろうけど。


ウチに帰り、パスタをつくる。カルボナーラがとてもウマくなったと旬公にホメられる(操縦されてる?)。そのあと、原稿メモを取ったり、手紙を書いたりしながら、この三日間持ち歩いていたジェフリー・ディーヴァー魔術師』(文藝春秋)を読了。うーん、面白い、オモシロイが、これまでのライム・シリーズのように、ラスト3ページまで行き先が見えないという緊張感はなかった。


【今日の郵便物】

★若松書房通販部より古本 『木佐木日記』第2、4巻(現代史研究会)各2500円

この日記の1巻本(図書出版社版)は持っているが、4巻本が出ることはメッタにないし安いので、バラだけど注文。手に入れたのはいいが、あと2巻をどうやって揃えるか?

★古書目録 水曜荘文庫、『古本』(キントト文庫さんにもらった)

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2004-10-24 全部で何冊買ったかな?

今日はなかなか楽しい一日だった。「帝都逍遙蕩尽日録」で書くことになると思うので、ココではメモ程度に。


このところ、週末は用事があるか、用事が入ってなくても書かなければならない原稿があったりして、遊びに出かけることができなかった。今日は、ぼくも旬公も珍しく一日ヒマなので、湘南に出かけることにした。朝9時過ぎに出発。東京駅横須賀線に乗り換えて、逗子で降りる。


駅から10分ほど歩いたところにある逗子開成学園の学園祭へ。「進学レーダー」のIさんに教えてもらったのだが、ココの学園祭古本市があるのだという。ほかの催しには目もくれず、一階の教室でやっている古本市に突進。西日暮里の開成ほど量はないが、10ほどのカラーボックスに詰め込まれた本には面白いものが多い。文庫は50円、単行本100円、新書は80円と激安。書名は略すが、文庫15冊、単行本5冊、新書1冊買って、1400円ほど払う。旬公も5冊ぐらい買っているが、先生らしきヒトに「古本屋さんですか?」と聞かれ、「趣味です」と答えていた。着いたばかりなのに、いきなり紙袋いっぱいの本を持つことになった。


駅まで戻り、バスに乗る。長柄交差点というバス停で降りるはずが、海岸回りと山手回りを間違えて乗ったらしく、森戸海岸のほうへ走っていく。慌てて降りる。腹も減ったし、すぐ近くに〈魚佐〉という魚料理の店があるのでそこに行こうというコトに。12時前なのにナカは満員、外で待っている人もいた。すぐ開くかなと思い外で待つが、30分近く待たされる。やっと入り、ぼくは海老丼、旬公は刺身丼。単品でも頼めるので、マグロの唐揚げも追加、そして、ええーい、ビールも追加。どの料理もびっくりするほど量が多く、ウマイ。すっかり満腹になった。


長柄までかなり歩くと云われたが、腹ごなしに国道まで歩いて、バスに乗る。長柄交差点で降りて、ちょっと迷って、〈haco〉というカフェへ。二階建てで、一階では手づくりのブックカバーや小冊子の展示をやっている。上がカフェコーナーで、いまここで、〈ちょうちょぼっこ〉が本を出して古本市をやっているのだ。思ったよりも冊数が多く、表紙を見せて並べられている本も多い。チャイを飲みながら、長居する。古本を1冊(堀内誠一の絵本)と、委託で置いてあったミニコミ『四月と十月』2冊と、その主宰者の牧野伊佐夫さんのスケッチ集を買う。バス逗子駅まで戻る。


まだ時間があるので、鎌倉駅で降りて、〈芸林荘〉で均一を2冊、〈木犀堂〉で均一を1冊買う。小町通りの途中に、「ブックカフェ」とあるのを見つけ、入ってみる。ビルの三階にある〈遊吟舎〉という店。つまんなそうなら入るのヤメようと思ったが、外から覗くと本棚がたくさん見えたので、引き込まれるようにナカへ。その結果は……いやー、スバらしい。なんか蔵書家の本棚がそのまま店になっているようなカンジだ。コーヒーを飲み、単行本2冊、文庫本4冊を買う。そこを出て、踏み切り脇の〈游古洞〉で1冊買い、目録中心なのでいままで入ったコトのなかった〈四季書房〉にも勇気を奮って入り、2冊買う。あと〈公文書店〉に行けば鎌倉古本屋は制覇だが、もう暗くなったのでヤメにする。その代わり、お気に入りの駅前の〈たらば書房〉という新刊書店雑誌を2冊買う。逗子鎌倉古本屋回りが終わったあとの、まあデザートみたいなもんですな。以上の冊数を合計したら、さて何冊買ったかな?(自分では怖くて数えられない)


横須賀線に乗り、東京駅で夕飯用のシューマイを買って帰ってくる。ビデオで《草ぶきの学校》(1999、中国)を観る。一口で云ってしまえば、1960年代中国の地方の小学校を舞台とした感動のドラマ、ということになるが、主人公の少年キャラクターが強烈なのと、ところどころ面白いカットがあって、最後まで飽きさせず、そしてきっちり感動させてくれた。そのあと、テレビでジュディ・フォスター主演の《パニック・ルーム》。なんだかアナだらけの脚本。観客に疑問を起こさせるようなサスペンスは、いかにショッキングな映像であろうとつまらない。


【今日の郵便物】

★「彷書月刊」11月号 届いたのは昨日だが。特集は古本小説大賞発表と珍品オークション。南陀楼の「ぼくの書サイ徘徊録」は、大阪オンライン書店〈古書 風流夢苑〉(http://www8.ocn.ne.jp/~furyuu/)について。

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2004-10-23 座談会のち地震

朝、対角線から宅急便が届く。『青春の瞬間(とき)早稲田 50‘s−80‘s』(まぼろしチャンネル、本体1710円)が入っていた。これは昨年出た『早稲田学生街』という本の続編で、前回は地図写真で構成されていたが、今度はB5判にし、写真中心で構成している。学生生活、サークル学祭、遊び、学園紛争などカテゴリーごとに、各年代の写真を掲載している。やっぱり時代が反映されているもんだなあ。西門通り、大隈通りなどの通りの風景も、1960年代と現在を並べて掲載されていて、最近早稲田について書くことが多くなったぼくとしては、とても頼れる資料である。この本にぼくは「早稲田1980年代後半の学生生活」という文章を書いている。サークルのこと、授業のこと、映画館のことなどを日記風の文章で書いている。固有名詞には注をつけたが、確認するのにけっこう手間取った。編集者や発行者も早稲田出身で過剰に早稲田魂を注入した文章になっているのには参るけど、ひとつの街の変化を写真でたどる本としては、とてもよく出来ていると思う。

http://www.maboroshi-ch.com/


午前中は資料を読む。1時前に出て、神保町へ。時間ないけどちょっと本屋を覗こうと思い、〈文庫川村〉の並びの〈山下書店〉に行こうとしたら、あれ? ないぞ。時間なかったのできちんと確認しなかったが、閉店したのだろうか。これだけ新刊書店の多いエリアなのに、靖国通りの北側には、この山下書店と〈ヴィレッジヴァンガード〉、三省堂書店の〈自遊時間〉しかない。ここの山下はわざわざ行きたい店でもなかったが、なくなると、なにがしか寂しさを感じてしまう。客は勝手だ。ただ、休みでシャッターが閉まっているのを見過ごしただけかもしれず、閉店の有無をご存知の方はどなたか教えて下さい。メールは、kawakami@honco.net です。


で、〈ヴィレッジヴァンガード〉にも行ってみるが、ぼくが探していた『映画秘宝』は見つからず。ここは新しい雑誌を探すところじゃないなあ。山の上ホテルで、「本とコンピュータ」の討論の収録。4人の方に話していただく。3時間で終って、そのうちお二方と〈名舌亭〉に入る。ビールを飲み始めたところで、グラッと揺れる。壁に掛かっている額が、かなりの角度で動いている。店のお兄さんが焼き台を押さえる。ラジオをつけてもらうと、新潟で震度6だという。その後、3回揺り返しが来るが、それでもしばらく飲んで、8時ごろにウチに帰る。旬公によると、今日も上から本が落ちてきたという。新幹線が脱線したこと、死者が出たことなどをニュースで知る。


【今日の郵便物】

名鉄パレ古書市より 『素人にも簡単に出来る各種看板装飾の作り方』(『商店界』昭和13年附録、誠文堂新光社)5000円

この手の本はなんだかたくさん持っているが、この本はB5判を横長に使い、右に説明文、左にイラストという構成になっていて、楽しめる。ここで紹介されている装飾のいくつかは、いまつくったらかえって目だってイイのではと思う。

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2004-10-22 精緻かつノイジーなデザイン

朝起きたら、携帯に着信があった。起きる直前に075からはじまる番号で掛かっている。仕事電話かもしれないと思い、掛け直そうとするが、京都から電話が来る心当たりがないのでほっておく。あとで仕事場で、googleにこの番号を入れて検索すると、ワン切りで良く掛かってくる番号らしい(http://loto.dao2.jp/up/u/5836/?p=651 に情報あり)。めんどくさい世の中になったものだ。


9時半に旬公と出て、五反田へ。今日は「本の散歩展」。今回は参加店数が多い(日月堂さんもひさびさ参加)ためと、神保町の古書展が洋書ものであるため、いつもよりも人出が多い。とくに二階は人ごみで動けない。一列移動するたびに、岡崎さん、オヨちゃん、キントト文庫さん、海月さんというふうに知り合いに出会う。


駆け足で見て、以下の本を買う。一階では、辻村伊助『スウィス日記』(平凡社ライブラリー、原本は昨日、木下是雄さんにみせていただいた)500円、戸山三平映画界365日』(東京通信社)2冊各200円、山村修『禁煙の愉しみ』(洋泉社)500円を買う。二階では、『浅見淵の歌』(刊行会)1000円、結城信一『作家のいろいろ』(六興出版)1000円、榊原勝『高田保伝』(風濤社)1500円、それと初期の『SWICH』4冊が各200円。昨日間に合うかなと思いながら注文した、『創元社図書目録』(昭和14年3月発行)1500円も当たっていた。

岡崎、オヨヨ、なないろ、荻原魚雷、旬公と、いつものバーガー屋で雑談。『銭形金太郎』(じつは見たコトがない)に出られそうな貧乏古本屋は誰か、というハナシ。海月さんが遅れてくるが、ぼくは仕事に行かねばならず、一足先に出る。電車の中で、『創元社図書目録』を眺める。挟み込みの振り込み用紙に、仙台の神主さんの名前があった。昭和16年12月8日の「宣戦の詔書」(ガリ版刷り)も挟んである。中身を見ると、一冊ごとに序文や新聞記事などの抜粋が入っている。これは便利。終わりの方に、平井房人『めがねでみる魔法漫画 トンチャンと海賊の巻』という本が。解説を引いてみる。「赤いセルロイドの眼鏡をかけると、普通では見えない漫画がはっきり出てくる、という物理学応用の新しい書物。しかも物語は勇敢な少年の連続冒険談、子供達によろこばれること請合です。布表紙で製本も丈夫、附録としてめがねがついています」。うーっ、この本欲しいよお。


12時過ぎに仕事場に着き、あれこれ進める。『季刊銀花』から依頼された「モクローくん通信」についての短い原稿を送信。こんなの載せて、銀花の格調が落ちないか心配(しかもこの号には杉浦康平特集も載るという。ますます心配)。有楽町に出て、gggギャラリーへ。旬公と待ち合わせ。今日は「疾風迅雷 杉浦康平雑誌デザインの半世紀」のギャラリートーク。6階の会場は超満員。200人以上入っていたか。まず、杉浦さんが前回のギャラリートークのまとめを。どういう意図で雑誌のデザインをやってきたが、ダイジェストとはいえ、きっちり話してくれる。そのあと、杉浦事務所の元スタッフである鈴木一誌、赤崎正一、現スタッフ佐藤篤司の三人によるトーク。赤崎さんは21年もいて独立し、佐藤さんは今年で24年なのだという。


プロジェクターで、雑誌の表紙やレイアウト指定紙などを見せながらのハナシはとてもオモシロかった。1970年代前半の杉浦事務所は大音量で現代音楽民俗音楽がかかっていたというハナシ、『遊』の表紙文字の深みは3色のかけあわせによって出来ていて一色ずつ直接フィルムを削って模様をつくっていたというハナシ、『銀花』などで見られる斜めの文字は「地軸の傾き=23.5度」に基づいていて、その傾き専用の台紙までつくられているというハナシ。なによりも、0.1ミリ単位の精緻さを要求するグリッドシステムをつかいながら、杉浦さん自身がつねにそこから外れ、別の発想を呼び込もうとしている、という赤崎さんの発言が興味深い。つまり、建築構造物のように隅々まできっちりつくることと、そこにノイズを加えていくことが両立しているのだ。それをなし得る杉浦康平はやはり恐ろしい存在だし、その杉浦さんと一緒に仕事をしていた(いる)スタッフもすごい。これまでデザイン作品を観たり、杉浦さん本人から話をお聞きしたときとはまた別の感銘を、三人の話から受けた。


帰り道、旬公と「モクローくん通信にもグリッドシステムを導入しようか」と話していると(できるワケない)、前方にわが家のアイドル・デザイン史家の臼田捷治さん(愛称「ウッスー」)の姿が。臼田さんは流暢に喋るヒトではないが、ことばに温かみがあって、ぼくも旬公もファンなのだ。一緒に食事に行くことになり、臼田さんが新橋の〈一平〉というおでん屋に連れて行ってくださる。ここのおでんは味がしみていてウマイ。勘定も安かった。11時ごろ、ウチに帰ってくる。


「デイリースムース」(http://www.geocities.jp/sumus_co/daily-sumus10.html)を見ると、「松本より葉書。(略)『サンパン』次号、締切は過ぎたが、小沢信男さん聞き書き、まったく進んでないというボヤキあり」と。ええ、ええ、すいません。ワタシが悪いのですが、ナニもネットで発表するコトないじゃない、とこちらもボヤキたくなる。来週収録して、急いでまとめるツモリです……と日記には書いておこう(またか)。


【今日の郵便物】

★古書目録 みはる書房&鳩書房

青木正美さんより 「全古書連ニュース」掲載の「古書流行史」

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2004-10-21 本まみれの茅ヶ崎

kawasusu2004-10-21

朝から「レモンクラブ」の書評書く。今回は中原昌也『ボクのブンブン分泌業』(太田出版)。書き終えて、シャワー浴びて、昨日のカレーを食べて、出かける。東京駅東海道線に乗り換え、茅ヶ崎まで。ぐっすりと眠ってしまう。駅南口からタクシーに乗り、木下是雄さんのお宅へ。物理学者だが、『理科系の作文技術』(中公新書)などことばづかい、表現についての考察も多い。読書についてのアンケートをお願いしたら、話すほうがいいとおっしゃったのだ。あれこれお話を聞き、ご夫人と一緒に、紅茶ケーキをいただく。


駅に向ってゆっくり歩く。天気がよく、散歩には最適だ。昼飯食べようと思ったが、さすが茅ヶ崎、いかにもなカフェばっかりで入れる店がない。蕎麦屋を見つけて、たぬきそばを食べる。駅の南側にある〈古本大学〉で中町信を2冊。この店の斜め前に、周囲がゴミだらけのウチがある。「ゴミから黄金を生み出す男」という看板も。『畸人研究』好みの風景だ。今柊二さんはご存知だろうか?


もう一軒、〈ほづみ書店〉へ。ココは数年前に一度来たことがある。均一台を覗くと、戸板康二『あどけない女優』(文春文庫)が50円。持ってるけど、コレは見逃せない。もう一冊、戸板や結城昌治が書いている『ホシは誰だ? 犯人あて推理アンソロジー』(文春文庫)とあわせて100円。その隣の100円均一では、殿山泰司『三文役者あなあきい伝』全二冊の講談社文庫版が。おいおい、こりゃスゴイよ。あと、中原昌也がホメてたジャック・ケッチャムの『ロード・キル』(扶桑社ミステリー)も100円。店内に入り、ここでもカラーブックスの大谷晃一『大阪文学散歩』300円、桑原武夫『わたしの読書遍歴』(潮出版社)1000円などを買う。あと『大阪新聞』(岡島新聞舗、昭和11)という明治大正新聞界の記録があり、新聞社の生写真が挟み込まれていてソソられたが、7000円なので見送った。勘定するとき、おばさんに「前は北口にも店がありましたよね?」と聞くと、去年閉めたとのこと。神社の近くにあって、間口は狭いがイイ店だった。このおばさんがたしか店番していた。


北側に出ると、その小さな古本屋があった近くに、ブックオフができている。二階建てのワリと広い店。100円均一で何冊か見つける。珍しく高井貞二『あの日あの頃』(青蛙房)なんて本があり、1200円だったが、佐野繁次郎のコトが書いてあったので、買っておく。北側にはもう二軒古本屋があると、サイト情報が載っていたが、行ってみると一軒は休み(前に行ったことある気がする)で、もう一軒は発見できなかった。歩いているウチに見つけた〈Hi Hat〉というジャズ喫茶に入る。新しいビルの中の店。最近パソコンテレビについたCD音楽を聴いているので、いいスピーカーでいい音を聴くのが新鮮。思わず西海岸ジャズをとリクエストして、サージ・チャロフ(バリトンサックス)のレコードと、バド・シャンク(サックス)の[昼と夜のバド・シャンク]を聴かせてもらう。後者はCDを持っているが、ラテン風の「カサ・デ・ルス」が最高。


茅ヶ崎駅から東海道線で帰る。またぐっすり眠った。ウチに帰ったのは、7時前。小旅行みたいになってしまったな。ちょっとヨコになったあと、昨日のカレーを食う。10時過ぎに〈古書ほうろう〉に行き、少し本を売る。〈ジョナサン〉に行き、原稿を書く。パソコンバッテリーが切れたので、ウチでさらに続きを書き、ようやく書き上げる。締め切りから遅れに遅れ、間違いなくどん尻である。誌名を挙げると、ほかのマジメな執筆者に悪いので、書きません。


【今日の郵便物】

★古書目録 ヨコハマ古書まつり

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2004-10-20 「モクローくん通信」久々に発行

朝、ちょっと腹立つことあったり(なんだアイツは! ふざけんな)、大雨だったりするが、11時に出かける。ビデオを返し、千駄木駅に向かう途中、突然カツ丼が食べたくなる。よみせ通りの〈尾張屋〉に入ると、先客がいてしばらく待たされる。テレビでは台風情報をずっとやっている。坪内祐三『まぼろしの大阪』(ぴあ)を読みはじめ、50ページぐらい進んだところで、カツ丼登場。これがよかったなあ。カツはたっぷり、タマネギはよく出汁で煮てあってしんなり、卵のとじ方もイイ。ダシ汁も多からず少なからず。ちょっとしょっぱくはあるが、カツ丼を食べた!という満足感が味わえる。700円というのも安い。


仕事場に行き、もろもろ。アンケートをお願いした方への確認電話中学生の頃から愛読しているマンガ家のTさん本人とお話しできた(執筆は断られたけどね)。外は大雨になった。ウチに帰り、カレーをつくる。旬公と、テレビドラマ宮沢りえの出てるやつ)や『やりにげコージー』を観ながら、「モクローくん通信」を折ったり、封入したり、切手を貼ったり。久しぶりの手作業だ。1時ごろ、雨が一度収まったのでポストに投函に行く。定期購読者には金、土にお手元に届くハズ。

最近データベース更新を怠っていたので、モク通を申し込んで切手も送っているのに届かないという方は kawakami@honco.net までご一報ください。すぐお送りします。

そういえば、毎日新聞に『神田神保町古本屋散歩』の広告が出ていたが、そこに「10円コンビがいく世界の古本屋」とあった。10円コンビはぼくと旬公のことだが、これだけだと誰なのかワカランなあ。

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2004-10-19 福次郎さんの夜

昨夜はけっきょく3時に版下ができ、コンビニでコピーとって帰ってきたのが3時半。疲れたなあ。今回手書きの部分が多かったので、旬公はどんどん不機嫌になるし。朝から雨。台風接近か。仕事場に行って、連絡やらメモやら。懸案だったことが少しずつ動いているので、まあ順調か。詩人白石かずこさんが、アンケート回答を書きます、というお返事の電話をくださって、そのまま30分、読書についてのお話をされる。これ、すごくオモシロかった。録音できればよかったのに。5時ごろ、先日の馬さんと陸さんが仕事場に来た。UBCで買っておいた棟方志功の展覧会図録を陸さんにプレゼント。本好きというのは、万国共通で、その人の好きな本を渡すと目の色が変わる。陸さんもそうだった。


5時半に古書会館着。ちょうど、八木福次郎さん、池谷伊佐夫さんがいらしていた。8階の応接室へ。東京書籍のUさんに挨拶。池谷さんの新刊『神保町の蟲 新東京古書店グラフィティ』の見本が間に合って、今日15冊だけ販売できるという。しかも、署名、捺印、手彩色蔵書票つきという豪華版。ぼくも欲しかったが、完売してしまった。八木さん、池谷さんと最後の打ち合わせ。八木さんのハナシはオモシロイが、ひとつのエピソードが長い上に、つづけて別の話に行ってしまうのが、トークとしては難点。そこで、池谷さんは先日来、何度も古書通信社に行って八木さんと話し、話に割り込むタイミングを計算しておられた。打ち合わせで、ちょうどいい間でツッコミを入れられていたので、これなら大丈夫と思う。


7時過ぎに会場へ。「八木福次郎夜話 私が出会った本・人・街」のスタート。雨のせいと、UBCの古書展が終わったあとのせいか、客は40人ほど。河内さんのときのような若い人は残念ながら少ない。でも、「古書通信」読者が多いので、固有名詞に説明を加えなくても大丈夫なのはよかった。松本八郎さん、矢部登さん、岡崎武志さんもいらしてた。まず、ぼくが趣旨を説明し、池谷さんからハナシを振ってもらう。前半は八木さんの半世記で、古今書院時代から古書通信時代へ。思い切りはしょったし、八木さんも短くまとめて話してくれるので、とんとんとハナシが進む。なので、途中からぼくが割り込んで、枝葉のエピソードも話してもらう。古通豆本や今日持ってきてもらった本の説明を聞いて、休憩に入る。


休憩時に古書通信の樽見さんから、明治大学の方を紹介される。八木さんがコーディネートしている古書業界人を呼んでのセミナー担当者。なんと、定有堂の奈良さんと大学時代、一緒にミニコミつくってたとおっしゃるので、ビックリ。ご本人もいまでもミニコミを出しているというので、ハナシが合いそう。


後半は、斎藤昌三の「げて装本」のコトから入り、木村毅柴田宵曲など思い出深い人のハナシ、神保町のハナシなど。何度も聞いたおなじみのハナシだが、相変わらず、数字も正確だし、恐ろしい記憶力だと思う。最後に、酒もタバコもやめないのが健康法だ、と笑わせて、まとめる。9時10分に終了。


八木さんはお帰りになり、池谷さんと食事に行くことに。アクセスの畠中さんも一緒。〈ランチョン〉に行ったが終っていたので、下の〈出目金〉へ。池谷さんから、高校時代に『COM』にマンガを投稿していたことや、読売漫画コンクールで賞金を稼ぎ古本を買っていた話などを聞く。閉店までいて、店の前で別れて、ウチに帰る。


これで、トークを二つ終えて、やれやれ肩の荷が下りた。当分人前で話すのはごめんこうむりたい(12月にふたつ、まだ残っているのだけど)。事前の準備はそれほどでもないが、気分的に大変なのだ。それにしても、いつまで経っても喋りがうまくならないなァ。ライターの渡邊裕之さんの日記「beach hut on the blog」(http://d.hatena.ne.jp/hi-ro/20041019)に、河内さんのトークのことが載っている。「私は古書も新刊も物質としての書物には興味はなくて、こういった古書フェアにいるだけで飽き飽きしてしまう」が、河内さんやぼくの本への接し方に興味があって、来てくれたという。こういう人が古書会館に来てくれるキッカケとして、こういうイベントが機能したというのは、狙いが成功したワケで、嬉しい。


夜中まで起きていて腰が痛くなったという旬公と、DVDハンガリーを舞台にした、マフィアものを吹き替えモードで見るが、死んだと思わせておいて生きているというありきたりの伏線がありきたりの演出であって、呆れる。脱力して寝る。


【今日の郵便物】

★胡蝶掌本より 新刊2点。今回より新規会員として定期購入するコトに。

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2004-10-18 リンクをたどってみる

ぐっすり眠ったので、少し調子が戻ってきた。仕事場に行って、一気に溜まってる仕事片付けるぞーと思ったら、またしてもメールボックスメールが大量に消失。管理者がいろいろ調べてくれたが原因不明。「必要なメールフィルタリングしてなかったオマエが悪い!」と云われ、その通りにする。ナニかトラブルが起こってから、はじめて手順を踏もうとするのは、悪いクセだ。


出ばなをくじかれた感じで、この日記リンク先をいくつか見てみる。「即席浮月旅団」(http://doctor-mirabilis.pseudo-poseidonios.net/sokuseki/)を見てビックリ。このヒト、8月に『ナンダロウアヤシゲな日々』をお買い上げくださって以来、そこで取り上げた本を片っ端から購入し、読んでいるのだ。著者名を挙げると、塩山芳明遠藤哲夫藤木TDC福田久賀男、大屋幸世などで、入手困難な本も古本オンライン書店を利用して手に入れている。ぼくが文章を書く動機は、「この本を読んでほしい」という気持ちが半分ぐらいなので、こういう風に、後追いして読んでくれるヒトがいるのはとても嬉しい。と同時に、こういう風に、自分が紹介した本を次々と後追いされ、しかもその過程がblog にアップされてしまうと、焦ってしまう。この「焦り」がなんなのか、いま、それを説明することばを持たないけど。

あと、どなたかが、ぼくの日記トラックバックコメントがない、と書かれていた。コメントはいまのところ不要だと思うのだけど、トラックバックについては最初の設定で表示しないことにしていただけなので、いま、「日記ページ・コメントページに表示する」に変えてみた。でも、このトラックバックのしくみやメリットが、いまだによく判ってないようだ。

8時まで掛かって、うんうん唸りながら原稿を書く。多少不満が残る出来ではあるが、数週間引きずっていたごく短い原稿がようやく書けた。ウチに帰り、明日の「八木福次郎夜話」の会場で配布するつもりの「モクローくん通信」第19号をつくる。旬公のMacOSバージョンアップして以来、「イラストレーター」が思うように動かない。今回は半分手書きでやることに決めていたのだが、入力でやる部分がなかなかデザインできず、いらつく。いま午前1時だが、ようやく版下の貼り込みに入ったところ。コピーが終るまでにあと2時間は掛かるかも。それでも、どうやら明日には間違いなく配布できそう。定期購読の方への発送は今週末になりそうなので、いちはやく「モク通」を手に入れたいという方は、ぜひ明日7時に、東京古書会館においでください。池谷伊佐夫さんのオリジナルイラスト「八木福次郎さんの書斎」も配布されますよ。


【今日の郵便物】

★古書目録 一栄堂書店、山猫屋、若松書房

★勝川克志さんより 「のんき新聞」第7号 南陀楼の「ホンの一枚」も掲載。

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2004-10-17 ラジオの夜

午前中、今日配布する資料をつくる。河内紀さんと鈴木清順さんのプロフィールをまとめ、あとは河内さんからお借りした写真などの図版を縮小して貼り込む。相変わらずローテク手作業である。溜まっていた本を〈古書ほうろう〉に売りにいき、最近出来たイタリア料理屋でパスタを食べて、ウチに戻る。そのあと、今日のハナシのために、河内さんや鈴木さんの本を読み返し、付箋を貼る。


4時頃から出かける準備をして、5時前に出発。こういうイベントの直前はいつも胃が痛くなってくるのだが、今日は大丈夫そう。古書会館に着き、地下の会場へ。古書展「アンダーグラウンド・ブック・カフェ」が開催中。三回目とあって、展示の配置もずいぶん手慣れてきた。知り合いの顔もチラホラ。河内さんと音響担当の吉田さんが来て、サウンド、マイクチェック。そのあと、物販の手配をやっていたら、鈴木清順さん到着。8階の応接室に入られたので、ぼくもあとから行き、ご挨拶。先日買ったばかりの『花地獄』(北冬書房)にサインを頂く。


下に降りると、おお、カフェコーナーにたくさんのヒトが。会場中央を片付け、椅子を並べはじめている。こちらは、吉田さんともう一度マイクテスト。7時前には客入れ開始。たちまち100席近くが埋まる。音を聴く会ということで、客席の電気を落としてもらったので、あまり緊張せずにすんだ。


10分過ぎぐらいに「実況生中継 ラジオ学校」開始。まず、ぼくのしどろもどろの挨拶から。早々に一本目を掛ける。先日亡くなった詩人木島始さんの原作・脚色によるラジオドラマ『夜の呪文』。15分と長いが、みんな聞き入っている。これで導入部はOK。次に、『ことばの交差点』より、津軽のことばと野坂昭如さんのことばを聴く。野坂はこのとき37歳だという。ぼくも同じ37歳だけど、ずいぶん違うよなー。この会場の音響設備はかなり良く、セリフも効果音もとても迫力がある。『ことばの交差点』のイントロは先日のほうろうでのイベントでも聴いたけど、「カーン」という打撃音がクリアに聞こえた。


8時15分頃、前半終了。10分間の休憩を挟んで、後半へ。鈴木清順さんにご登場いただく。マイクが2本から3本になったせいか、急にハウリングを起こしてしまう。パニック。しばらく一本でやっていたが、TBSの方が前に来てマイクテストをやってくださり、コトなきを得る。『ヤング・パンチ・シリーズ』より、オクラになった第一作目と、「ラジオ武士道 葉隠」を聴く。清順さんは、質問に対してトボけたことをおっしゃるが、それがウケにウケる。ぼくは初めてお会いするので、なかなか話を持っていきにくく、後半は河内さんに任せっきりだった。9時20分頃、どうやらラストに持ち込めた。


河内さん、吉田さんと会場を出る。吉田さんは近々手術だというのにこの場に駆けつけてくれた。感謝して別れる。前を歩いていた、エンテツさんたちに追いつく。明日も早くから仕事だという河内さんと別れて、〈さくら水産〉へ。エンテツ、畠中、濱田、「谷根千」の山崎というメンバーで飲む。人前でしゃべったあとは、いつも反省やら自己嫌悪やらで落ち込むのだが、気楽なメンバーと飲んでいるうちに、まあ良かったんじゃないかという気持ちになってきた。しかし、体に疲れが出てたみたいで、ウチに帰るなり、布団を引いて横になる。


最後にお詫び。ホントは「モクローくん通信」最新号を会場配布するつもりだったが、手が付かず。期待していた方、すいません。19日の八木福次郎さんのトークのときにはナンとかと思ってますが、もはや自分で自分が信じられず、もし並んでいたら儲け物、という程度で待っていてください。

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2004-10-16 北京からのお客さん

北京で世話になった中国人夫妻(デザイナー&編集者)が東京にいらしたので、銀座で待ち合わせて、神保町を案内する。夜9時まで。オモシロかったけど、海外の人を案内するのは疲れるなあ。今日のコトは「帝都逍遙蕩尽日録」で書くつもり。

いよいよ明日(といっても今日になったけど)17日は、東京古書会館の「アンダーグラウンド・ブック・カフェ」で、河内紀さんのトークライブ「実況中継 ラジオ学校」をやります。ゲスト鈴木清順監督です。席はたっぷりあるので、どうぞお出かけください。

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2004-10-15 酔っ払いの企画会議

もう寝ようかな、と思って、メールを見たら、「本のメルマガ」の締め切り連絡が。新刊書店で買った本を報告する連載で、本のリストは毎日つけているが、ときどき付け忘れがあったりして、チェックに時間が掛かる。最初のうちは、新刊書店ごとの特徴を観察して書くようにしていたが、最近はあまり細かいことまで書けなくなった。微妙な違いについて書いたからといって、それがどうした、という徒労感があるからだ。その点、古本屋というのは一軒ずつハッキリ違いが見えるから、いろいろ書きたくなるんだよなあ。


仕事場に行って、次号特集のアンケート依頼の手紙を発送する。夕方出て、池尻大橋へ。渋谷側に3、4分歩くと、〈いかるが〉という小さな本屋(つぶれそうな一軒家)が見えてきた。ここが、あの北冬書房の高野慎三さんが営む店であり、北冬書房の仕事場でもある。ナカに入ると、店の奥の机に高野さんが座っている。クールインテリ美男子という感じの方(韓国のデザイナー、チョン・ビョンキュ氏にそっくり)だった。北冬書房発行の鈴木清順エッセイ集を三冊と秋山清の夢二についての本を買う。いろいろ聞きたいことはあったのだが、緊張してあまり話せず、早々に店を出る。


そのあと、三宿まで歩き、〈古書いとう〉→〈江口書店〉→〈山陽書店〉の「ゴールデントライアングル」(命名・河内紀)を覗く。江口のおばさんと立ち話。バス渋谷まで出る(道玄坂上を通るこのルートは、道に変化があって乗っていると面白い)。〈古書サンエー〉とその上の〈フライング・ブックス〉もいちおう寄ったけど、買いたくなる本が見つからない。どうも相性が悪いようだ。駅に行こうと〈細雪〉のヨコを通ったら、すでに開いていたので、初めて入ってみる。ビールと腸詰、シューマイ。腸詰もシューマイもしっかり身が詰まっている。ウマイ! 本を読みながら30分ほど過し、勘定したときに、出口に「本や雑誌は読まないでください」と紙が貼ってあるのに気づく。長居されるのがイヤということなのか? 


ほろ酔いで高田馬場で降り、BIG BOXの古書市を。酔ってると気分が大きくなり、なんでも買いそうになるが、自制して一冊だけ。アキヒロくんがいた。携帯を忘れたので、公衆電話から古書現世電話して、目録作成中のセドローくんを呼び出す。〈芳林堂書店〉で待ち合わせして、地下の〈紫蘇の実〉へ。最初客がいなかったが、後からどんどん入ってくる。はじめは古本関係のバカ話をしていたが、途中から「BOOKMANの会」を来年どうするかというハナシになり、いきなり雑誌を出そうということに。各自3000円分担すれば、500部ぐらいの冊子ができるのではないか。以前は各自がエッセイを寄稿するような雑誌を考えていたが、それじゃ、先行の書物雑誌に対抗できないので、いっそ各メンバーを特集するコトに。創刊号は荻原魚雷特集だ! 32ページで24ページが特集、8ページが単発原稿。各号ごとに編集長を変えることにして、魚雷特集はやっぱり◎くんしかないね、エンテツ特集はこんな風に、意外に売れるのは藤田晋也特集かもなどと、そこにいないヤツの話で盛り上がる。最初は冗談で話してたけど、みんなが賛同すればホントにやるかもしれない。いつの間にか「はてな」のキーワードにもなっていたコトだし……。


楽しく飲んで、セドローくんと別れて西日暮里駅に着いたのが11時過ぎ。駅前で旬公とばったり。彼女も取材のあと、飲んでいたという。『タモリ倶楽部』見たり、片づけしたりしてから寝る。


【今日の郵便物】

★古書目録 騎士亭文庫、夢の絵本堂、本の散歩

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2004-10-14 名前をよく見る日

朝刊で、SF作家矢野徹氏が亡くなったことを知る。81歳。「日本SF界の長老」という云い方をよくされていたが、SF全盛期にはまだ40〜50代だったんだなあ。それだけ「若い」世界だったのだ、当時のSF界は。80年代終わりに、『怒りのパソコン日記』(河出書房新社)など一連の日記本を出していた。あとからドカドカ出るパソコン体験物の本としては先駆的だったと思う。


仕事場であれこれ。昨日突然、ここ一年ぐらいのメールが消えてしまい、ボーゼンとする。自宅のマシンにはまだ残っているからイイけど。しかたないので、システム管理者に教えてもらって、サーバーに残っている一か月分をダウンロードするが、クズメールばかり大量にあるのでたっぷり30分以上掛かる。


神保町に出て、〈岩波ブックセンター〉で『神田神保町古本屋散歩』(毎日ムック)を見つける。まだ送られてこないので、一冊買ってしまう。ココで、ぼくは千代田線沿線古本屋についての記事と、旬公と共同で世界の古本屋という記事の2本をやっている。時間がなかったワリには、それなりに頑張ったと思うので、愛着もひとしお。岡崎武志さんが巻頭文、座談会、中央線沿線といつもの通り大活躍。東横線沿線は濱野奈美子さん。プロフィールに「古書業界マドンナ」とあったが、こちらも対抗して、「古書業界珍獣」とすべきだったか。ほかに、河内紀さん、浅生ハルミンさんが登場。前年までのセンスのない表紙と違い、黒バックのシンプルな表紙に。売れてくれるとイイなあ。


そのあと、〈書肆アクセス〉に行き、畠中さんと雑談しながら、『本の雑誌』を手に取る。買う前にいつも「坪内祐三読書日記」を立ち読みするのだが、突然自分の名前が出てきてビックリ。安食文雄『三田村鳶魚時代 在野学の群像図書館体験』(鳥影社)に、池田文痴菴の総合的な研究を望むとあったのを引き、「よし、がんばるんだ、南陀楼綾繁君」と。ありがたい、とともに、やらなきゃなあという気持にさせられた。しかし、この部分、読者にはちんぷんかんぷんだろうな。


「本の運び屋」こと「リコシェ」(http://www.ricochet-books.net/index.html)の柳ヶ瀬和江さんと阿部麗奈さんにアクセスで会い、〈ぶらじる〉で取材。お二人が親子であること、話し始めて一時間近くたって、ようやく判る。そう云われればたしかに似てるのだが、とにかくヒトの顔からナニか読み取る能力に欠けてまして……。


ウチに帰ると、漫画屋から『レモンクラブ』と『コミックMate』が届いていた。後者はこの号からA5判と小さくなった。表紙は同じなのに、ずいぶん雰囲気が変わるもんだよなあ。このMateの塩山芳明「新・嫌われ者の記」(これがまた字が小さい!)で、30行近くにわたって南陀楼の話題が。この日記で「東京人」にイチャモンつけたことに触れ、単行本が印税ナシの「今の所はその程度の扱いをされる物書き」なのにケンカするとは、とある。大丈夫ですよ、「東京人」編集部はダレもネットでナニか調べたりしないみたいだし……(現時点で、謝罪も言い訳も反論もまったくナシ)。そのほか、『ナンダロウアヤシゲな日々』がメディアであまり取り上げられなかったことを、「内容もだし、彼の同業者への奉仕ぶりからして(勿論、元々見返りなど考えないアホだが)」意外だと書いてくれているが、マイナーな書き手が地方出版社から本を出す場合にはこの程度の反応が普通じゃないでしょうか。塩山さんの『嫌われ者の記』があれだけ取り上げられたのは、まあ例外でしょう。


今日は、「まぼろしチャンネル」(http://www.maboroshi-ch.com/)の更新(7月のハナシをいまごろ書いている。いつも遅れてすみません)もあり、自分の名前を多く見る日だった。以前やった仕事が掲載されると、なんだかその日はよく働いた気になるのだが、ただの錯覚です。でも、ちょっとやる気が出た……と日記には書いておこう。


【今日の郵便物】

★古書目録 渥美書房、荻文庫、吉野古書目録

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2004-10-13 ニューヨーク1997

10月7日の日記http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20041007)を再アップしました。


今日は仕事場で依頼状を書いたり、連絡したり。ウチに帰って、ジョン・カーペンター監督の《ニューヨーク1997》(1981)を観る。全編に漂う暗さと一向に盛り上がらない電子音楽監督が作曲)がたまらない。


旬公、「モクローくん通信」用のマンガを一本仕上げる。かなり笑える。今週アタマに発送したかったが間に合わず、17日のUBC会場でナンとか配布したいものだ。


【今日の郵便物】

★『創世ホール通信』第117号 種村季弘の追悼文。

このヒトも創世ホールで講演していたんだなあ。

★右文書院より献本 堀切直人『本との出会い 人との遭遇』右文書院、1900円

次号で堀切さんに原稿をお願いしているコトをご存じの担当編集者からお送りいただいた。少年時代からの読書体験をたどった本。堀切さんのこういう本が読みたかった。

★古書目録 小宮山書店、かわほり堂、新宿

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2004-10-12 眠いのに眠れない

原稿が終らないので、早く起きてやろうと思ったら、夜中眠れず、朝起きられないという最悪のパターン。それでも一本短いのを書く。仕事場に行って、会議その他。6時ごろに出ると、また雨が降っている。


千駄木に行き、谷中銀座の〈武藤書店〉へ。『デザイン』の最新号が韓国グラフィックデザイン特集だったので、買っておく。中央公論新社のSさん来て、一緒に〈千尋〉へ。とくに用があったわけでなく、以前から飲みましょうというコトになっていた。あとから内澤も合流。三人とも知っているヒトの話など。11時ごろウチに帰ってくる。早めに布団に入るが、またしても眠れず、3時半頃まで。


【今日の郵便物】

★古書目録 アンダーグラウンド・ブック・カフェ、泰成堂書店、夏目書房

★「ifeel」秋号(紀伊國屋書店

★桂牧さんより 先日の「円盤」ライブの録音CD

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2004-10-11 贋作不条理日記

○月×日

追いつめられているにもかかわらず、同人誌用の漫画を描く。

さらにそれがうまく行かなくて悩む。

○月×日

スランプになる

セリフ「なる、なる、なった!」

吾妻ひでお『定本不条理日記太田出版、より)

コレとそっくり同じことが、自分の身に起きている。一日中、喫茶店(しかも二軒)やウチでパソコンの前で唸っていたが、まったく進まず。気分転換に飲みに行ったら、いつもの〈ときわ食堂〉が休みで落ち込む。うー。オレだって、日記にはもっと楽しいこと書きたいんだぁ!(岡崎武志さんは喜ぶかもしれんが)

よって、今日はこれだけ。

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2004-10-10 今日もおウチで

朝刊でジャック・デリダの死去を知る。74歳。よく使われている写真新聞のもそう)は髪型に特徴があったが、晩年もあの髪型だったのだろうか? 遅れに遅れている「彷書月刊」の原稿、昼過ぎまで掛かってようやく書き上げる。おいおい、もうすぐ次号の締め切りがやってくるよ。


うどんをつくって食い、ビデオロン・ハワード監督《ミッシング》を観る。トミー・リー・ジョーンズインディアンになった男を演じる。別れた娘役のケイト・ブランシェットがいまいちで、どうもハナシに入り込めない。


そのあと、久々に〈古書ほうろう〉を覗くと、10人以上客がいたのでビックリ。「谷中芸工展」の期間なのと、昨日まで雨続きだったので今日は客が多いのでは、と山崎さんが云っていた。そうか、芸工展も明日で終るのか。ナニも見られなかったなあ。動坂下まで歩き、初めての焼き鳥屋で、ちょっと飲む。


ウチに帰り、ビデオで《アイデンティティー》(2003、ジェームズ・マンゴールド監督)を観る。ジョン・キューザックなど10人が、雨のモーテルに閉じ込められ、一人ずつ殺されていく。いろんなところに伏線が張ってあると思い、じっと見ていたが、ラスト近くになって脱力伏線、イミないじゃん。予告編がいちばんオモシロかったかも。


【今日の郵便物】

★bk1 東陽片岡『お三十路の町』第3巻(小学館)、『されどワタシの人生』(青林工藝舎)、チ川ユポ『Honorable[オナラブー]』(双葉社

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2004-10-09 台風と映画

夜中、『日本古書通信』のアンケートを書いて送信。朝から原稿に掛かるが、どうもうまく進まず。お昼前から雨が強くなる。あわてて外に出て、スーパーコンビニビデオ屋を回ってくる。コンビニマンガ雑誌スピリッツヤンマガとフィールヤングとKiss(これまで買ってなかったが、『のだめカンタービレ』と『おいピータン』が読みたくて)を買い、ビデオ屋で数本借りる。


夕方からは大雨。ビデオで、クリント・イーストウッド監督の《ルーキー》(1990)を観る。イーストウッド監督作品はたいてい観ているがコレは初めて。共演のチャーリー・シーンのイモ演技にムカつくが、後半に入るとなかなかオモシロかった。


ちょっとだけ原稿を進め、またビデオで《フルタイム・キラー》(2001)を観る。香港映画で、《ザ・ミッション》のジョニー・トウ、ワイ・カーファイの共同監督アンディ・ラウ反町隆史が出演。殺し屋二人の愛憎劇といったところだが、レンタルビデオ屋や映画館が出てきたり、「アラン・ドロン映画にこんなシーンがあった」などと、あまり必然性なくやたら映画ネタが出てくるのがオモシロイ。アクション映画というよりは、監督趣味が反映されている珍作というべきか。反町の演技はあまりにもキメキメでついていけない。


夜になると、雨が止む。テレビで《ダイ・ハード3》(何回目やら)を観ながら、あれこれ。12時前にはヨコになって寝てしまう。旬公が仕事でずっと谷中にいたので、ウチで一人で過した一日だった。

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2004-10-08 狆の本と呪殺の本

今日も雨。神保町に出て、古書会館へ。なんか一カ月ぶりぐらいに会館の古書展に来たなあ。入口で〈デカダン文庫〉のおじさんとバッタリ。今日は和洋会。ワリと高めの趣味・資料物が多い。史録書房の棚で、辻寛『狆の近吠』(中西書房、昭和6)という本を見つける。こないだ世話した「大阪の狆」を思い出し、手に取る。新聞記者エッセイらしい。「読書憂鬱」「初めて自動車の運転手となるの記」「恋愛結婚始末記」など、オモシロそうなタイトルが並ぶ。「浪界雑稿」という節には、浪曲についての小文が並ぶ(ちなみに、「ボクが血道をあげてる文藝浪曲創始者 酒井雲君におくる」という献辞が冒頭にあった)。函ナシで3000円はちょっと高いが、買うことに。ほかに、『読書論』(世界文庫大正12)500円、和田芳恵『おもかげの人々 名作のモデルを訪ねて』(光風社出版)800円、加藤秀俊『文芸社会学』(PHP)300円を買う。最後の本の装丁は杉浦康平。


昼飯は久しぶりに〈キッチン南海〉で、チキンカツとしょうが焼き盛り合わせ。ウマイけどこういう組み合わせはまだキツイかな。〈書肆アクセス〉に寄り、頼んでおいた雑誌を受け取る。青木さん、上海に行ってきたそうだ。古本屋にいたら客が山積みになっている下の本を引き抜いて、上から落ちてきた本が青木さんのアタマにあたったそうだ。可哀想。んで、その客も店員もまったく謝らなかったってところが、いかにも中国らしい。郵便局で溜まっていた振込み(古書目録の注文品の支払い)を済ませ、地下鉄京橋へ。


中央公論新社の受付で、Yさんと待ち合わせ、Kさんの取材。2時間たっぷり、興味深い話が次々と聞けた。新書編集部のSさんとちょっとお茶したあと、〈八重洲ブックセンター〉へ。ある程度、時間があってゆっくり本を見たい気分のときは、この店がやっぱりイイなあ。鎌田東二『呪殺・魔境論』(集英社)、前田速夫『余多歩き 菊池山哉の人と学問』(晶文社)、大月隆寛『全身民俗学者』(夏目書房)、高平哲郎編『新宿DIG DUG物語』(東京キララ社)と読みゴタエのありそうな本を買う。開店したばかりの〈加賀屋〉でビールホッピーを飲み、煮込みを食べた後、ウチに帰る。


テレビで《エネミー・オブ・アメリカ》(二回目)をチラチラ見ながら、原稿を書きかけたり、メモをつける。三連休の間に絶対書かねばならない原稿が◎本あるのだが、こんなときに限って、「いかに原稿が書きたくないか」をあの手この手の芸で書いてある中原昌也『ボクのブンブン分泌業』(太田出版)なんかを読んでしまい、落ち込んでしまった。原稿遅いんだから、せめてこれぐらい芸のある文章が書ければなあ。


【今日のしおりページ】

★辻寛『狆の近吠』(中西書房、昭和6)の自序

「犬は犬でも、トサやブルなら遠吠を聞いただけでも、弱気な御仁はオゾ毛の一つもふるふだらうが、狆と来ては、足下で吠えられたつて屁とも思ふまい。

 あの妙ちきりんなゴ面相で、おまけに泣いてるんだか、吠えてるんだか、その表情髣髴模糊たるにおいては、精々御愛嬌の程度に過ぎず、この本もザツトこの見当。即ち題して「狆の近吠」といふ所以です。

 といふても、俄かにアイソを尽かされちや、こちらの立つ瀬がなくなる。

 諸君、これは人並の謙遜といふもの、全くのところは、一円半ほうり出していただいても、大して後悔させなくとも済む代物であることを確信する (後略)」


【今日の郵便物】

★古書目録 山田書店名鉄パレ百貨店名古屋

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2004-10-07 のだめの読みだめ

朝、今日もパソコンの設定。自分でやっててもラチがあかないので、ニフティサービスセンター電話するが、待たされた上、まったくつながらない。長丁場になりそうなので、諦めて出かける。


神保町に行き、スマトラカレーの〈共栄堂〉でポークカレー。ここのカレーは一番安くて800円だが、他の店みたいに細かく種類が分かれていたり、辛さを指定させられることもないし、注文したらソク出てくるのがイイ。ライスの盛りもそこそこあるし、福神漬けもらっきょうもある。ごくフツーのカレーライスを求める者には定番の店だ。昼はいつも満員なので、空いている開店直後に入るのがいい。


〈書泉グランデ〉で本を何冊かと、地下で『のだめカンタービレ』を現在出ている10巻まで買う。これでまたマンガのセットが増えてしまった。そのあと、〈ディスクユニオン〉でCDを買って仕事場へ。そのCD掛けながら仕事小島麻由美パブロの恋人]は円熟の味。すでに「昭和歌謡」的なくくりから自由になっているように思える。もう一枚は、ボアダムズ[SEADRUM/HOUSE OF SUN]。昨日買った『スタジオボイス』がボアダムズ特集(安田謙一、石原基久ほかが執筆)だったので。ヘッドホンで聴くにはもったいない。どこか外で大音量で聴きたい気がする。ところで、〈ディスクユニオン〉特典として、小島麻由美シールボアダムズはバッジが付いてきたが、中高生の頃なら喜んでいただろうが、いまは正直云って邪魔っけ。こういうのをキチンと取っておけないぼくは、コレクターの風上にも置けないのだ。将来古本屋をやること考えたら、いい状態で保存しておくべきだとは思うが。


香川眞吾さんに頼まれて、『本とコンピュータ』の大伴昌司特集を献呈した、NHKエンタープライズのYさんからお礼のメールを頂く。このお名前、どこかで見たと思っていたら、なんと『冬のソナタ』のプロデューサーの方だった。びっくり。


図書館で調べものをしてから、ウチに戻る。すぐにヨコになって、『のだめカンタービレ』の3巻以降を読み始める。3時間ほどで一気に最新巻の10巻まで読み終わる。主人公ののだめ千秋の関係もオモシロイが、それに絡むオーケストラの連中もヘンなやつばかり。自主オーケストラの演奏会を成功させるあたり、バンドやブラバンをやったことがある人なら、ダレでも手に汗握るのではないか。10巻では、ついにフランスに留学した。コレからの展開が楽しみだ。


またパソコンの設定でイライラするのか、いやだなあと思いながら、接続設定をいじるが、アレ? なんだかつながっている。理由は判らないが、ネットメールも異常なく使えるので、まあイイか(この探究心のなさが、次にトラブったときに対応できない理由なのだが)。

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2004-10-06 ビジネスマンと地震とカンタービレ

朝、自分のパソコンADSL接続の設定。ところが、なんどやっても接続できない。パスワード、コレで正しいハズなのにハネられる。今日は諦めよう。


早稲田青空古本市は今日が最終日。3日目からずっと雨が降り続いていたが、ようやく今日になって晴れる。売上、苦戦してるようなので、せめてもの貢献と、バスで出かける。毎年行ってるけど、期間中に二回行ったのは初めてかも。


入り口で「本日最終日」の札を貼っているセドローくんに会う。「今日は売上、100万は欲しいから、南陀楼さん、10万円買ってくださいよ」だと。下の文庫売り場で、岩川隆『馬券学入門』(中公文庫)150円を見つける。このあとがきに、先日来気になっている高橋淑文という編集者について書かれていた(高橋の追悼文集とほぼ同文)。扇谷正造『続現代ジャーナリズム入門 夜郎自大』(角川文庫)200円も買う。上にあがり、ひと回り。エリック・ホッファー『安息日の前に』(作品社)1800円、『旅別冊 地図』(日本交通公社)400円、谷甲州『神々の座を越えて』(早川書房)400円、東京堂書店「新刊図書雑誌月報」(大正5)500円など。嬉しかったのは、『営業別広告図案撰集』の内容見本を500円で買えたこと。このシリーズ、一冊ごとに各業種の広告図案がまとまっていて、見ていて飽きることがない。


ドローくんと〈シャノアール〉で雑談したあと、古本屋を数軒見る。古本市でもらった券を使えば、今日までは全品一割引なのだ。どうもまだ腹具合が悪く、落ち着いて本が見られない。それでも〈メイプルブックス〉で山下武『古書のざわめき』(青弓社)900円、〈古書現世〉(お母さんが店番されていた)で、井家上・安原・永江『「出版」に未来はあるか?』(編書房)500円、〈三楽書房〉で、金子勝昭『中年に何ができるか 不合格編』(晶文社)100円、宇佐美承『求道の画家 松本竣介』(中公新書)250円を買う。


そのあと、仕事場へ。突然、停電したり、その影響でネットワークが落ちたりと、調子でないことはなはだしい。遅れに遅れている原稿の催促(される側)や、取材日程の調整やらで時間が過ぎていく。思いついて検索したら、ウィリアム・クラクストンのサイトhttp://www.williamclaxton.com/movie.html)を発見。ジャズミュージシャンファッション写真ギャラリー、経歴、写真集、本人のインタビューなど盛りだくさん。トップページにアクセスすると、映画ジャズ・シーン》のテーマ曲が。演奏するのはティル・ブレナー。「端正なマスクと甘いヴォーカル、そして抜群の情感を持ったプレイで、チェット・ベイカーの再来として人気を集める、ドイツトランペット奏者」だそう。最近のジャズはあまり聴いてなかったので知らなかった。


6時過ぎに出て、飯田橋へ。〈文鳥書店〉に寄ってから、貸会議室へ。ビジネスマンの読書についての座談会。「プレジデント」編集部の石井さん、書店員、ビジネスマン二人の四名。本の勧め方・勧められ方、移動のときの読書、時間の使い分けなど、こうして読んでるのかァと目からウロコが落ちる話続出。じつは、電車中のビジネスマンが自己啓発本やビジネス書読んでいるのを見て、「それしか読むのがないのか」と思っていたのだが、それなりの納得できる理由があったのだ。終わってから、〈モー吉〉の二階で飲む。ココでもオモシロイ話が聞けた。


11時頃解散してJRに乗り、秋葉原山手線に乗り換えたところで、「ただいま関東地方で大きな地震がありました」とアナウンスがある。ホームの上にいたせいか、まったく揺れを感じなかったが、電車が10分も停車したので、そんなに揺れたのかと心配になる。旬公に電話しても通じず、西日暮里駅に着いてから急いで帰る。旬公に聞くと、たしかにスゴイ揺れで、上からガラスのビンが落ちてきて肩に当たったという。アタマじゃなくてよかったなあ。


寝る前に、今日買った、二ノ宮知子のだめカンタービレ』(講談社)を読む。『平成酔っぱらい研究所』は座右の書なのだが、ストーリー漫画はほとんど読んだコトがなかった。だけど、この作品は以前から気になっていた。とりあえず、2巻まで買っておいたのだが、一気に読み終わってしまい、続きを買わなかったことを激しく後悔する。明日、かならず買おう。


【今日の郵便物】

★古書目録 古書(神奈川古書組合)、城南古書展、CONSTRUCTION(港や書店)特集:岡田信一郎旧蔵建築写真

→港やさんは、神保町から大塚に移転された。今回の目録は、特集以外にも欲しい本が沢山あった。

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2004-10-05 編集者たちの夜

今日も大雨。11時前に仕事場へ。4日ぶりだ。メールをチェックし、次号の目次をつくる。コレで行くことになり、ひと安心。今日の対談の資料を読んだりしているウチに、出かける時間だ。有楽町に出て、〈中園亭〉でルースーチャーハン。まだ腹具合が良くなく、快食とはいかず。〈ブックファースト〉で対談出席者の本があるかチェックすると、2冊も見つかった。ココの出版・読書関係のコーナーは充実している。


日本印刷銀座ビルで、大村彦次郎さんと井家上隆幸さんの対談収録。津野さんが後から来る。2時間ほどで終了。1階に降りると、今日から初日の杉浦康平さんの展覧会のオープニングをやっていたので、ちょっと挨拶。臼田捷治さんほか、多くの方が。たくさんの雑誌の展示に囲まれて、杉浦さん、嬉しそうだった。井家上さん、「日刊ゲンダイ」の創刊時に杉浦さんにロゴを頼みにいったというエピソードを教えてくれた。


大村さん、井家上さん、津野さんとぼくで、おでん屋で飲み、大村さんがお帰りになって三人で近くのバーでさらに飲む。講談社の大村さん、三一書房→白川書院の井家上さん、そして晶文社の津野さんと、名編集者揃いの夜である。興味深い話がいろいろ聞けたが、ひとつだけ書いておく。井家上さんは三一書房時代に、他社の編集者に呼びかけて「若いジャーナリストの会」(だったかな?)という集まりをやっていたそうだ。そこでは自社で実現しにくい企画を他社の編集者に売り込んだり、注目の著者を教えあったりしたそうだ。最盛期には90人(?)ぐらい集まったとか。そこまで多くなくてもイイけど、会社の枠を超えた編集者のつながりは、むしろいまこそ必要とされているのではないだろうか。


元気な三人の話をたっぷり聴けたせいか、この数日、鬱々としていた気分が晴れてくる。現金だなあ。こういうとき、人と会う機会が多い編集者であることをとてもありがたく思う。西日暮里駅に着いたら12時前。旬公が〈大栄〉にいるというので寄り、豆腐チゲを食べる。ADSLの設定、ようやく今夜終わったそうだ。ぼくの分は自分でやらなければならない。ウチに帰り、すぐ布団引いて眠る。


【今日の郵便物】

★古書目録 ラマ舎、天導書房

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2004-10-04 続・引きこもり

今日も体調治らず、休ませてもらうことに。体調だけでなく、なんだか気分も相当落ち込んでいて、どうしようもない。偶然なのだが、ADSLに切り替えることになり、その準備のために、今日はネットにつなげない。そのため、世間から隔絶された気分で、ウチに引きこもって過ごす。ミステリ小説の字面をボーッと追っているが、ほとんどアタマに入らず。……という、引きこもりの一日を日記に書いても、読んでいる人に迷惑だろうから、こういう日はすっぱり書くのを休むコトにしよう(というか、もともと数日に一回更新するツモリではじめたのだった)。


夕方、ちょっと動けるようになったので、ビデオ屋まで出かけた。《リクルート》を観る。どっちがCIAの任務で、どっちがスパイ行為なのか判らないところはオモシロかったが、ひとつだけ大間抜けなシーンが。メール電話もつながらず、パソコンにはディスクドライブがなく、荷物は探知機を通されるCIAから、どうやって重要データを持ち出すかというと……。観てみてください。脱力しますから。あとで調べると、すでにネットではかなり指摘されていた。


もう一本、《JAZZ SEEN カメラが聴いたジャズ》というドキュメンタリー映画も観た。こないだ横浜映画観たときに予告編をやってたので新作かと思ったら、すでに公開されてビデオにもなっていたのだ。ウェストコーストジャズ(パシフィック・レーベルなど)のアルバムジャケットを大量に撮った写真家ウィリアム・クラクストンの生涯を追ったもの。75分ほどの短い映画だったが、ずっと画面に目が釘付けだった。クラクストンの撮ったアルバムは(CDや復刻レコードで)何枚か持っているが、写真集が欲しくなった。

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2004-10-03 完全ダウン

朝から鼻水が止まらない。3時ごろまでヨコになっている。二日続きで人と会い、それなりに気を使ったせいだろうか。今日も生田誠さんの結婚パーティがあって、出席することになっているのだが、とても無理そう。旬公に生田さんの携帯に連絡して欠席を伝えてもらう。生田さん、ごめんなさい。おめでとうございます。そのあと、ひたすら寝る。夜からは腹の調子も悪くなり、何度となくトイレに入る。いやはや。

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2004-10-02 福次郎さんの自宅拝見

11時過ぎに池袋到着。〈リブロ〉を覗いてから、西武池袋線の改札で、池谷伊佐夫さんと待ち合わせ。保谷まで行き、歩いて5、6分のところにある八木福次郎さんのお宅へ。10月19日(火)のアンダーグランドブックカフェで、「八木福次郎夜話」というトークショーをやるのだが、そのときに会場でのみ配布する秘密アイテムの準備に。書庫や書斎を拝見する。福次郎さん、本日も絶好調で6時まで。


そのあと、ぼくは大泉学園で降りて、弟のうちに行く。夕飯をご馳走になった後、シンタロウとユウキが、シマジロウのビデオ相撲サーカスなどいろいろな芸をするのに付き合う。ウチに帰ると10時。とても疲れている。

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2004-10-01 古本市のち結婚式のち飲み会

朝8時半に起き、9時に出かける。バスに乗って、早稲田リーガロイヤルホテル前へ。穴八幡まで歩き、青空古本市会場へ。雨に降られることが多い時期だが、今年はまったく心配なし。むしろ暑いぐらい。セドローくん、イチローくん、アキヒロくんの若手三羽烏に挨拶。よく考えると初日の開場前に来たのは初めてだ。すでに20人ぐらいがテントの周りを取り囲んでいる。入口に張られたヒモの前に立って、向こうの棚を覗いていたら、アキヒロくんから「目が怖いですよ」とからかわれる。


隣のおじさんが「もう10時過ぎてるよ」と声をかける。でもまだヒモははずされない。その一瞬後、左側のヒモがはずれ、そこから客がなだれ込む。隣の親父は辛抱たまらず、ヒモをくぐって突進。気がついたら、ぼくもその後に続いていた。「吶喊」という単語が思い浮かぶ。ともかく人がいない棚から見始める。立石書店の棚で、『婦人公論』昭和21年2月号、300円。昭和13年の「中央公論社発行図書目録」300円。『松陽堂書店図書目録』500円。内外タイムズ社『スターのいる町』(近代社)値札なし。


次に五十嵐書店の棚に移ると、どっかで見たことのある背表紙が。白木正光編『大東京うまいもの食べある記』(丸ノ内出版社)の昭和8年版ではないか! しかも1000円。一瞬のうちに手が動いて確保。体育の成績悪かったのに、どうして本のときだけ反射神経がよくなるのか。この本、つい先日、昭和10年版を荻文庫で手に入れたところだ。あとで比較すると、文章そのものは流用が多いが、構成が多少違うのと、8年版には折込の地図が入っていることが判った。


そのあと30分ぐらいかけて、回る。書店名略で列記する。秋山紅之助『最高効率 新商略』(長久社書店大正5)1800円←別刷り広告意匠の図が多数入っている。『山川方夫全集』第3巻(冬樹社)400円・月報なし。むのたけじ『雪と足と』(文藝春秋新社)472円。岩井宏実『小絵馬』(三彩社)300円。古谷綱武『ぼくの日本旅行』(中央公論社)300円←著者謹呈署名入り。表紙・挿絵は岡村不二男。長谷川幸延『随筆大阪今昔』(青朗社)315円。瀧澤敬一『ダンナさまマーケットに行く』(暮しの手帖社)315円←装丁・花森安治阿佐田哲也『外伝・麻雀放浪記』(双葉社)420円。三好貢編『浪花節一代』(朋文堂)600円。十一谷義三郎『笑ふ男・笑ふ女』(改造文庫昭和8)250円。上司小剣『木像』(文潮選書、昭和23)200円。小谷野敦『反=文藝評論 文壇を遠く離れて』(新曜社)1700円。北村和哉『レコードジャケットという神話』(東京書籍)1300円。両手に抱えて帳場に持っていく。会計はアルバイトの女子学生早稲田の放送研究会だとか)で、何度も計算しなおしていた。


下に行き、文庫コーナーを見る。ここでもイイのあったなあ。光文社文庫都筑道夫コレクションが一冊300円で4冊。黒川博行『絵が殺した』(徳間文庫)100円。戸川昌子『赤い暈』(徳間文庫)100円。など10冊買う。もうコレ以上は持ちきれない。会計していたら、岡崎武志さんに肩をたたかれる。いま来たところだと。あまりゆっくりしてられないので、穴八幡を出て南門通りへ。朝早くから動いて腹減ったので〈稲穂〉でタンメンを食べる。おじさんが「もう授業はじまったんですか」と話しかけてくる。卒業生ですというと、「若く見えるねえ」などとおだてる。口がウマイねえ。早稲田OBが出しているという『月刊日本』という雑誌をくれた。


店を出て歩くと、喫茶店〈ぷらんたん〉の前に出る。この店のコトをこないだ原稿に書いたが、閉まっているようだ。閉店したのか? それと南門前のコピー屋の名前、どうしても思い出せなかったが、〈早美舎〉だと判る。再びリーガロイヤル前からバスに乗って、西日暮里に帰ってくる。ちょっと雑用したら、すぐに出かける時間。スーツワイシャツ、白ネクタイというメッタにしない服装で出かける。暑いなあ。


日比谷公園の〈松本楼〉へ。戦前からある由緒正しきレストランだが、入るのは初めて。今日はココで故・大伴昌司の三十三回忌に際して、しのぶ会が開かれる。ぼくはこのあと結婚式に出るので、出席できないが、早めにうかがって大伴氏のご母堂・至四本アイさんにご挨拶する。90を超えてらっしゃるはずなのに、かくしゃくとした方。話しぶりもしっかりしているし、記憶も確か。市ヶ谷仕事場があるというと、左内坂の突き当たりのところに、三上於菟吉と長谷川時雨が住んでいて、昭和初期にそこによく通ったというハナシをしてくれる。女学生の頃、長谷川時雨の雑誌『女人芸術』の手伝いをしていたとか。また、団子坂の高村光太郎のウチの近くに下宿していた、とも。だから、当時千駄木にあった講談社のことをよく知っているとおっしゃる。それから40年後、息子の大伴昌司がその講談社の『少年マガジン』に深くかかわるようになるとは、すごい歴史の縁である。もっと話していたかったが、お客さんも集まりつつあったので、内田勝さん、赤田祐一さん、香川眞吾さんに挨拶して退散する。


帝国ホテル公園を出て真正面。はじめて入るけど、広いなあ。ロビーにも待ち合わせの椅子がたくさんある。そこで本を読んで旬公を待っていたのだが、例によって一向にこない。さすがにヤバいぞと思い、会場前で待っているかと、そちらに移動。あと5分というときに、ようやくやってくる。今日は、『日曜研究家』時代からの友達で、ガラクタ蒐集家のさえきあすか(安田由美子)さんの結婚式。お相手は神保町で三代続く製本会社の跡取りというので、一番大きい部屋をブチヌキで使う。テーブル数30以上、総勢350人という豪勢な式である。同じテーブルには、編集者写真家など、知り合いが多い。隣のテーブルには、田端ヒロアキくんや濱田研吾さんも。


3時間30分にわたる式のコトはとても書ききれないが、詩吟での入場からはじまり、ジャズシャンソンオペラの演奏、スライド上映、新郎新婦との撮影などなど、とにかく盛りだくさんであった。まあ、珍しいものを見たというカンジ。さえきさん、おめでとうございます。


ココのバーで飲んでいくという旬公と別れ、濱田くんと地下鉄高田馬場へ。FIビルの地下〈紫蘇の実〉で、セドローイチロー、エンテツ、魚雷、それに〈古書ことば〉の山崎さんが呑んでいた。2時間ぐらい話して、ウチに帰ると12時。《タモリ倶楽部》を見ているとバーで酔っ払った旬公が帰ってくる。即、寝る。


【今日の郵便物】

古本 高原書店より 松本昌次『戦後文学編集者』一葉社、1400円