「不忍ブックストリートMAP」(仮称)をつくります

午前中はメールやらナニやら。12時過ぎに出て、京浜東北線で東神奈川へ。反町の古書会館での古書展。以前は二階も会場になっていたが、最近は一階だけなのが寂しい。二日目でヒトが少なかったので、ゆっくり見て回り、河盛好蔵『作家の友情』(新潮選書)200円、色川孝子『宿六・色川武大』(文藝春秋)200円、常盤新平アメリカン ジャズ エイジ』(集英社文庫)150円。どれも岡崎さん用語で云う「ええとこ」だ。安く買えて嬉しい。


東神奈川まで戻り、桜木町へ。以前だったら、東横線反町駅まで歩いて、終点の桜木町へ、というのがコースだったが、みなとみらい線の開通により、桜木町が消えてしまった。地下道を通って野毛に出て、いつもの〈三陽〉でラーメンでもと思ったら、競馬開催日のため混んでいて入れそうもない。しばらく、その辺りをウロウロ。小さな古本屋で、今西英造『演歌に生きた男たち』(文一総合出版)800円を見つける。「カフェー流行歌盛衰史」という節があり、役に立ちそうなので買っておく(しかし、いま日記を書きながらたしかめたら、数年前に中公文庫に入っていて、出たときに新刊で買っていたのであった……)。〈キムラ〉という洋食屋が良さそうな雰囲気なので入ってみるが、そこそこ高級っぽい店だった。ハンバーグとライス(お上品な盛りかただこと)で1200円。ハンバーグはソースがたっぷりかかっていてウマイけど、柔らかすぎて食べゴタエが少なかった。


久しぶりにジャズ喫茶〈ちぐさ〉に入る。コーヒーを飲みながら、小林信彦『面白い小説を見つけるために』(光文社知恵の森文庫)を読む。再刊はありがたいが、もとの題名(『小説世界のロビンソン』)のほうがヨカッタと思う。『波』連載中も元版も読んでいるが、読み直して新たな発見がいくつも。前回も刺激されながら実行に移せなかった、バルザックを読むことを来年はやってみよう。壁にジャケットが展示されているレコードから、ハワード・ラムゼイ・ライトハウス・オールスターズ[ライトハウス・アット・ラグナ]をリクエストする。一曲目から、パーカッションがバリバリに響くラテン・ジャズが炸裂。西海岸のジャズは、節操なく楽しさ重視でイイなあ。あとで調べたら、CDも出ていた。今日は聴けなかったけど、B面最後の「カサ・デ・ルス」は、以前ウエストコースト・ジャズのコンピレーションで聴いて、とても気に入っていた曲である。


久しぶりに1時間ぐらいジャズに浸り、3時過ぎに出る。京浜東北線でウチに帰ると、5時前。〈古書ほうろう〉にスムース文庫の納品に行き、預けていたCDを一部引き取る。文庫本を数冊買う。「ブックオフ」への危機感からだろう、ここのところしばらくのほうろうの棚には、いい本がドンドン追加されている。とくに、いままでは正直あまり買えなかった均一棚がよくなっている。ナニが理由にせよ、客としては店が活気づくことは歓迎したい。


8時前に旬公と〈大栄〉へ。しばらく待つうち、ほうろうの神原さんが登場。そのあと、ほうろうの山崎さんと、小森さん夫妻、プレほうろうのオリジナル・メンバー(って、ビートルズ第5の男みたいでカッコイイ)であるオオジさん、往来堂の笈入さん、ほうろうの宮地さんとミカコさん、オヨヨ書林のオヨちゃんが来る。オヨちゃんの彼女は誰かなどをネタに楽しく飲み、サンゲタンなどを食べるうちに、谷根千工房のサトコちゃんが登場し、総勢12人が揃った。カムジャタンを食べ、残り汁にご飯を入れた雑炊を食べたら、一同満腹。


で、改めて、来年、根津、千駄木、西日暮里、つまり不忍通り沿いの新刊書店、古書店を中心とした「不忍ブックストリート」の地図をつくることを提案。みんな賛同してくれ、いきなり、ナニを盛り込むか、何部ぐらいつくるか、どこに配布するかなどの具体的なハナシになる。そこで、ぼくと旬公が以前から考えていたもうひとつの企画である、「一箱店主」による古本市のハナシをぶつけてみると、みんなオモシロがってくれる。では、いっそ、地図を配布し終わった辺りに、その古本市をやろうということになる。参加各店の店先に、5〜10箱ぐらいを置いて販売し、お客さんは不忍通りを散歩しながら、それぞれの店でやっている古本市を覗く、という寸法だ。全店で買ってくれたお客さんには特典も。コレだと、不忍ブックストリートを知らしめるという目的と、イベントへの集客が両立しうる。来年のゴールデン・ウィーク開催をめざして、これからみんなで動くことになった。クリアしなければならない問題はあるけど、知恵を出し合い、分担しあえば、実現できるだろう。やるからには、成功させたいものだ。


いろいろ盛り上がって、12時過ぎまで。ウチに帰っても、旬公はちょっとコーフン気味で、こうすればいい、ああしたらというアイデアを出してくる。久々に夜の企画会議をしてしまった。わが家では、この「不忍ブックストリート」をはじめとして、来年もカネにならないけど楽しい、あるいは、楽しいけどカネにつながらない企画が目白押しです。トホホ。まずは年賀状代わりに「モクローくん通信」を出さないと……。