ナンダロウアヤシゲな日々

◎この日記は、ライター・編集者の南陀楼綾繁が書いています。
◎新刊『町を歩いて本のなかへ』(原書房)発売中です。
◎著書『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『谷根千ちいさなお店散歩』(WAVE出版)、『小説検定』(新潮文庫)、『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)、『路上派遊書日記』(右文書院)、『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『老舗の流儀 戦後六十年あの本の新聞広告』(とうこう・あい監修、幻冬舎メディアコンサルティング)、編著『チェコのマッチラベル』(ピエ・ブックス)、共著『ミニコミ魂』(晶文社)。
◎ご感想・ご連絡は南陀楼綾繁 まで。
◎「不忍ブックストリートの一箱古本市」は毎年春に開催します。
詳細は不忍ブックストリート公式ホームページもしくは、しのばずくん便りをご覧ください。
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2005-03-31 打ち合わせ+飲み会=8時間

朝、昨夜買って醤油に漬けておいたマグロ刺身をヅケ丼にして食べる。うまい。ちょっと元気出る。「不忍ブックストリートMAP」に挟み込む、一箱古本市のチラシに入れるテキストをまとめる。そのあと、仕事場へ行き、メール電話仕事の連絡。4時過ぎに出て、池袋へ。〈リブロ〉と〈ジュンク堂〉で、座談会の出席者に送る本をまとめ買いする。後者では、坪内祐三『『別れる理由』が気になって』(講談社)、谷沢永一『本好き人好き話好き』(五月書房)なども買う。すっかり大荷物になる。


大塚に行き、P社で編集のOさんとデザイナーの女性との打ち合わせ。図版をどう構成するかは、若い女性にお任せする方がいいモノになるような気がする。西日暮里に帰り、荷物を置いてから、自転車で宮地交差点の軽印刷の会社へ。説明を受け、料金表をもらう。


7時、〈谷根千工房〉で、「不忍ブックストリートMAP」の色校正。印刷所の都合で、じっさいに印刷するのとは違う紙で出てきたが、イメージは判る。小田木さんの色の載せ方は、自然でいい。先にチラシについて相談し、さっきぼくが行ったところよりも安い、小川町の会社に聞いてみることに。入れる要素もほぼ確定。続いて地図校正をやるが、二カ所ほど間違い発見。しかし、なんとか製版をやり直す(カネと時間がかかる)ことなく処理できた。一通り相談が終わると、12時になってしまった。


ハラ減ったなあと、よみせ通りのお好み焼き屋〈小奈や〉へ。ぼくと旬公以外は常連みたいだ。こんな時間なのに、ずいぶん客が多い。食べたらトットと帰って寝ようと思っていたが、飲みながら話すうちに時間が過ぎて行く。ほうろうメンバーの出会い、ここで書いたらスキャンダルとなること必至のオヨちゃんのトップシークレット、海外旅行のハナシ、などなど。オヨちゃんは昨日、市場でぼくの実家の蔵書が出品されてるのを見たらしい。内臓を見られるみたいで、恥ずかしいね。3時になったので、お開きに。さっきの打ち合わせから通算すると8時間ぶっ続けだ。家に帰り、倒れるように寝る。ほうろうの宮地さんに「最近、眠いとか寝ている記述が多いですね」と云われたが、だって、寝るの好きなんだもん。

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2005-03-30 帰ってきたぜ、西日暮里

朝8時に起きる。ちょっと寝不足が続いていて、目がショボショボしてる。ユズルさんがキノコアスパラパスタをつくってくれる。うまい。9時にうらたさん宅を辞去し、川沿いの遊歩道を駅のほうへひたすら歩く。今日は天気がいいし、この道は散歩に最適なのだが、いかんせん大荷物なので、20分以上歩くのはつらかった。牧野から丹波橋へ。近鉄に乗り換えて、京都駅。10分後ののぞみに乗り込む。禁煙席は満席で、喫煙席に。ぼくはタバコを吸われても平気なほうだが、昨今の喫煙席は「当然の権利を行使すべし」とばかりに、立て続けに吸い続けるヒトが多くなった。おかげで、喫煙車両に入ると煙が充満している。喫煙者の権利を制限するツモリはないけど、やむを得ず乗り合わせた非喫煙者のことも考えて、もうちょっとセーブしてほしいなあ。


車中読書は、『ユリイカ』4月号の特集「ブログ作法」。面白く読めたのは、内田樹小谷野敦竹熊健太郎佐藤真が執筆した文章。それと巻末の「ブログ・ガイド100」は知らなかったサイトばかりが紹介されているので、興味深い。内田氏が、「ネットコミュニケーションの影の部分」のひとつとして、「コミュニケーション成立への過剰な楽観は、自分の言葉を一人でも多くの人に届けようとする努力を放棄するというかたちで現われる」と書くのに、そうだ、そうだ、でも「少数の人に届けようとする努力」も必要なんだよな、と思ったり、小谷野氏の怒りは、対象が社会現象であろうと、個人であろうとあるいはブログであろうと、その軸がブレないところが芸であり、筋が通っていると(大笑いしながら)思ったり、竹熊氏とブログも含めての「ミニコミ的なもの」との関係についてはそれだけで一冊書き下ろしてほしいと感じたり(メジャー出版社仕事をしながら、いまだに「ミニコミ魂」を保持し続けている点がすごい)、『談』編集長の佐藤氏が『遊』や『HEAVEN』を引き合いに出しつつ、「雑誌的な雑誌」がいまブログで展開しつつあるというときに、では紙の雑誌のプライオリティはどこにあるのか、という考えをもっと読みたいと思った。これらに比べると、ぼくの原稿(「日記からアクションが生まれる」)は現状報告(日記の延長的なもの)に終っていて、コドモっぽい内容だと、読者には思われるかもしれない。だけど、ぼくとしては、小学生のときの日記から、ミニコミを経て、「不忍ブックストリート」などの活動へいたる、細い「線」のようなものが自分のナカにあったことを確認できただけで、いちおう満足している。


東京駅には1時過ぎに到着。そのまま、大荷物抱えて、仕事場へ向う。この数日、ニフティサイトからメールをチェックするだけに終っていたので、仕事場のマシンでまとめてメールへの返事を書く。次号の目次案、ほぼ決定。さらに依頼状を書く。そのあと、写真の整理をしていたら、7時になった。疲れているし、荷物も多いので、タクシーに乗る。市ヶ谷から西日暮里に帰るルートはいくつかあるので、乗るたびに、どの道で行くかを一通り説明させられる。めんどくさいと思いながら付き合っているのだが、今日はひどかった。道を曲がるごとに全部方向指示させられ、しかも「左折」と云っているのに、不忍通りを右に曲がろうとした。目的地がどの方向にあるのか、まったくつかめてないのだ。道順を云々する前に、自分が向っている方角ぐらい把握しといてください(今月号の『WiLL』の日垣隆のように、運転手を論難する気力はないので、ココでグチっときます)。


久しぶりの我が家。旬公にも6日ぶりで会う。留守中に、恐ろしい量の古書目録が届いていた。鶏肉・ごぼう他のスープと、出雲そばを食べる。片付けなどしてから、「夕焼けだんだん」の近くの〈シャルマン〉へ。マスターは今日もテレビを見ていた。入口には「ワインコーヒー」とあるが、旬公がコーヒーを頼むと、懸念していた通り、「コーヒーはない」とのお答え。ジャズ喫茶ではなくて、ジャズ・バーなのであった。ウィスキーを頼む。今日のリクエストは、エディ・コスタ&ヴィニー・バーグのトリオ。このトリオではCDを持っているが、このジャケットではない。でも、なんだか聴いたコトがあるような。この店の音はとてもイイ。とくに「ゲット・ハッピー」でエディ・コスタがピアノガンガン叩きまくる音が腹に来る。そのあとにかかった、スティーブ・レイシー&ドン・チェリーの[Evidence]もよかった。しばらくのあいだ、ジャズは家ではなくこの店で聴くコトにしよう。本を読みながら1時間ぐらい過す。


これも久しぶりの〈古書ほうろう〉に寄り、「不忍ブックストリートMAP」のハナシなど。明日夜に色校正が出るコトになっている。ぼくはまだ色付きの状態で見てないので、ワクワクしている。家から送った宅急便の整理や、原稿に使う資料を探していると、1時半。

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2005-03-29 みんなが『1960年代日記』を持ってる会

9時半に起きて、朝食をいただき、チンと一緒に前田家を出る。北浜で降り、ビルの6階にある〈ワークルーム〉(http://www.workroom.co.jp/)へ。チンによれば(しかし、こいつ24歳なのになんでも知ってるな)、いまはなきフリーペーパー「花形文化通信」の元編集発行人らが運営しているカフェギャラリーで、レクチャーなどもやっているという。広い窓から大阪の街が望めるカフェスペースには、壁際に本棚があり、そこには1970〜80年代サブカルチャーファッションなどに関する単行本、雑誌ミニコミ、図録などが並んでいた。しぶいマンガも多い。ぼくが持っている本も多く、「こんな風に並べられたらイイだろうなー」と思う。


コーヒーを飲みながら、何冊かパラパラ。『見たい映画のことだけを』(有文社、1977)は、映画監督原将人映画評論集。西部劇映画についての文章がウマイと思った。有文社は、「青春街図」シリーズの発行元だが、いつまで出版活動をやっていたのか、編集者はその後どうしたのかなどを知りたい。もう一冊は、みうらじゅん手塚能理子亜細亜恋人』(CBSソニー、1986)。アジアにも恋人にもまったく関係ないフシギな本。みうらじゅんは、この時期の方がサエていたと思う。「インテリの編集後記」という章で、編集者自己満足を皮肉っているのがとくにオモシロかった。本も、空間も気に入りました。今度は、近くの〈ギャラリー箱庭〉とセットで来よう。


京阪電車三条へ。荷物をコインロッカーに放り込み、地上のブックオフへ。いまにも、山本さんが出てきそうな雰囲気。本を売った直後なので、さすがにあまり買う気は起きず。〈ブックファースト〉で『ユリイカ』4月号を買い、新京極の〈スタンド〉まで歩くも、まだ開いていない。周りは若者向けの店ばかりだが、しばらく歩いて、〈更科本店〉という看板を見つけ、入ってみる。きしめんとミニ木の葉丼を頼んでいると、正面のテーブルに変わった格好の男性が座った。注文する様子がごくフツーなので、しばらく気づかなかったが、歌舞伎みたいな装束をつけ、アタマにはピンクカツラ(脇についてるワンポイントの花がカワイイ)、そして懐にはなぜか人形を二体、大事そうに入れている。体に鈴をつけているらしく、動くとチリンと音がする。食べ終わると勘定して出て行ったが、帳場の方を向いていたチンによれば、店のおばちゃんたちの眼はずーっと釘付けだったそうだ。


そのあと、寺町通に出て、〈三月書房〉の前まで来るが、定休日だった。こないだ聞いたばかりなのに忘れていた。〈中井書房〉と〈水明洞〉を覗き、地下鉄の入り口で、いったんチンと別れる。某大学図書館で、Iさんとお会いし、「本コ」次号の原稿について打ち合わせる。終わると6時前になり、あせってタクシーで、木屋町通と三条の角まで。そこからワリとすぐのビルの4階に、「スムース友の会」の会場である〈ディラン2〉が入っている。店に入ると、すでにみんな着席している。会費3000円を払い、出席者リスト、『CABIN』の最新号などをもらう。飲み放題食べ放題(メンバー以外の出席者にはお土産付き)でこの値段は破格だ。マスターは岡崎武志さんの弟さん。ヒゲこそ生やしてないが、笑うと表情がそっくりだった。


出席者は、同人の林、山本岡崎、扉野、荻原、南陀楼を含め、26人。その顔ぶれは、林さんの日記http://www.geocities.jp/sumus_co/daily-sumus0503.html)にお任せするが、ぼくとしては、岡島昭浩さん、晩鮭亭主人さん、オンライン古書店風流夢苑」の黒川さんら、これまでメールでやり取りしたり、サイトブログを見たりしていたヒトたちと直接対面できたのが嬉しかった。ほかに、四天王寺古本市で店番されている樋口レイ子さんや、〈カフェ・ド・ポッシュ〉(http://cccc.raindrop.jp/cdp/)という本のイベントをされている小西佐紀子さん(ナンとさっき打ち合わせに行った大学図書館司書なのだった)と話す。


歓談のあとは、「岡崎 vs 山本 100円均一・十番勝負」。いままで100円均一で買った本を一冊ずつ挙げながら、どっちにより手があがるかを競うもの。現物を見せずに、スケッチブックタイトルなどを書いて見せるのが、かえって妄想をソソっていいぞ。10冊を選ぶために徹夜してしまった(ナニやっとんねん、おっさん)山本さんの入れ込みぶりと、岡崎さんの自然体との勝負。ほぼ互角の勝負だったが、結果は岡崎さんが1勝多かった。この中で、岡崎さんが小林信彦1960年代日記』(ちくま文庫)を出すと、山本さんがすかさず「おれは2冊持っとるよ」と切り込み、岡崎さんが「ぼくも2冊持っている」と返す。会場のみなさんも、(さすがに100円で買ったヒトは少ないでしょうが)ほぼ全員が持っているらしく、さほど感心していない。みんなが『1960年代日記』を持ってる集まりって、メッタにないぞ。すごい、というより、ヘン。


ほかにも、いろいろオモシロかったけど、長くなるので略。参加者各自が、それぞれの視点で報告してくれるでしょう。ところで、この「スムース友の会」、いつの間にか、5月の「アンダーグラウンド・ブック・カフェ」に合わせて、東京でもやるコトが決まっており、いつの間にか、ぼくが幹事に決められていた。はあー。忙しい時期だけど、場所と日時を調整するのが仕事なので(林さんみたいに、プログラムつくったり、お土産を用意したりはできませんからね)、魚雷さんにも手伝ってもらって、なんとかヤリましょう。いったんシメたあと、10人ほどが残ってこの場所で二次会岡崎日記ブログ化推進委員会が発足したり、「原稿料をもらうのが大好きな山本さん」がキャラとして確立しそうだったりと、テープを回さなかったのが悔やまれるほどに楽しい時間だった。


今夜は枚方うらたじゅんさん宅に泊めていただくので、もう出なければならない。三次会は諦めて、うらたさん、にとべさん、チン、魚雷さんと京阪電車に乗る。途中で別れて、牧野駅で降り、そこから歩いて、うらたさんの団地へ。ユズルさんと三人であれこれ話していると、1時半過ぎる。メールをチェックさせてもらい、そのあとすぐ眠った。

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2005-03-28 大阪へ向う

昨夜は布団に入ってから、木村千歌の『ルート3』と『カンベンしてちょ!』全3巻を読む。名作『マイニチ』の作者が、講談社でティーンズマンガを描いていたとは知らなかった。前者は『マイニチ』+アルファという感じ、後者はビックリするほどHなのだが、同時に微妙な心の通い合いを描いていて、とてもイイ。そんなこんなで寝たのは4時。


8時に起きて、最後に残った作業にかかる。ヒモで縛った本を、新しい家の二階の屋根裏に運び込む。母屋との往復で、50本以上を運ぶ。ほかに、高校の頃からのカセットテープ数百本(どうしても捨てられなかった)を詰めた段ボールを数箱。コレがかなり重かった。階段を上ったり、屋根裏で腰を屈めたりするので、かなりのダメージが。終わると、ドッと疲れる。やれやれ、ぼくが移したい荷物はどうにか片付いた。といっても、家自体の引越しはこれからなのだが。母親の運転で、ヤマト運輸に行き、東京に送る荷物(うち二箱は〈ディスクユニオン〉の買い取りセンターへ)を発送。戻ってきて、小森さんがファクスしてくれた「不忍ブックストリートMAP」の校正を見る。ウチのファクスだと縮小されてしまうが、パッと見はなかなかイイ感じ。ぼくはこの帰省のために、入稿に立ち会えず申し訳ない。スタッフの皆さん、お疲れ様でした。


数日分の日記をアップし、昼飯を食べて、駅に向う。特急やくものナカではよく眠る。岡山で乗換え、新大阪には5時に着いた。地下鉄心斎橋へ。アメリカ村の〈アセンス〉で、『WiLL』の新しい号を買う(毎度だが、日垣隆向井透史の連載以外は読むトコロなし)。約束の時間より早いけど、北堀江に出て、〈ちょうちょぼっこ〉の入っている第一北堀江ビルへ。4階に上がろうとしたら、3階以上はシャッターが閉まっていた。どこかでコーヒーでもと思うが、堀江だけにやっぱりオシャレカフェばかりで入りづらい。結局、さっきのビルの二階の沖縄料理屋〈ポーポー屋〉で、オリオンビールを頼む。それが来ないうちに、シャッターが上がる音がしたので外に出ると、郷田貴子さんだった。つまみがウマそうな店だけど、またの機会にして、ビールを飲んでから、4階に上がる。


ちょうちょぼっこ〉、今日は休みなのだが、郷田さんへのインタビューのために開けてもらった。これを皮切りに、メンバー4人への取材を開始する。たぶん、きっと、いつか詳細が発表できるであろう書き下ろしの一章を成すものだ。最近、『エルマガジン』でライターモデルとしても活躍中(?)の郷田さんのハナシはとてもオモシロかった。5月には、ちょうちょぼっこ中野の〈タコシェ〉が選んだミニコミを展示販売するイベントが行なわれる。それに合わせて小冊子を制作中だ(ぼくも書いている)。郷田さんに、「ぜひ、タコシェ中山さんを囲む会をやってくれ」と云っておく。終わってから、真治彩さんを呼び出して、4人で近くのおでん屋へ。おでんの他、料理が豊富で、若者が多い店。メンバーの性格の違いや、それぞれの兄妹のことなど。楽しかった。


11時過ぎに解散して、今里の前田家へ。今日で二度目。オモロイお母さんと話し、風呂に入ってしばらくしたらモーレツに眠くなる。

2005-03-27 思い出をリセット

kawasusu2005-03-27

今朝はゆっくり寝て、9時に起きる。荷物を片付けたり、ぼくが高1のときにつくっていた新聞記事のスクラップブック(古墳関係と、沖雅也自殺などのショッパイ事件、文学関係というメチャクチャな取り合わせ)を見せたりする。11時過ぎに、二人を車で駅まで送る。彼らはこれから岡山回りで京都に出て、『sumus』の人たちと会うそうだ。3日間、お疲れ様でした。


ウチに帰り、まだ残っていた本を整理。百科事典子ども向けの本など、売れそうもないものばかりだが、いちおうブックオフに持っていく。昨日の精算がまだだというので、いったんウチで昼飯を食べ、またブックオフへ。1200冊ほどで1万9600円だった。古い本ばかりだったから、まあ妥当かな。倉庫を掃除したり、残しておく本をヒモで縛ったり、書類をまとめたり。晩飯をはさんでゆっくりやる。セドローイチローが待ち構える前で本を整理していたときと違い、一人になると、捨てるつもりの雑誌をついパラパラめくったりしてしまう。高校のときのノートとか、卒論修論のときの論文コピーなども出てきて、感慨深し。生まれたときからずっとこの家だったので、今回の引越しで、思い出がいったんリセットされるような気分になっているのだ。11時には終わり、風呂に入り、日記をまとめてつける。明日の朝にはアップしよう。


写真は、カラッポになった母屋の本棚。上の棚は、父親がつくりつけたもの。左側には『星新一の作品集』と『筒井康隆全集』、右側には中学生以来のコミックスが入っていた。

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2005-03-26 松江の休日

kawasusu2005-03-26

朝、父親に起される。ヤマトが8時半に来ると電話があったとのこと。慌てて起き、本を運ぶ。家の外にシートを敷き、並べ終わったところで、トラックが到着。カーゴに本を積み込むと、全部は入りきれなかった。残りはブックオフで売るコトに。飯を食って、二階のマンガを縛り、軽トラックと乗用車の二台に載せて、ブックオフへ。入口に横付けして、ナカに運ぶ。イチローくんは、バイトの本の運び方が気に喰わなくて、「俺が教えてやる」って云っていた。精算は明日。


ともあれ、これでほとんどの本を処分が終わった。セドローくんに聞くと、市場で売る本とブックオフで売った本をあわせて、3500冊ぐらい処分したのではないかという。残ったのは4分の1だけだ。中高生で買った本と、大学以降に買った本が集積していたとはいえ、それだけの冊数を溜め込んでいたことに驚く。こんな田舎に育ったせいか、一度手にした本に次はどこで会えるかが心配で、どうしても本への執着が強くなっていた。だから、読み捨ての文庫マンガまで、わざわざ送料を払って実家に送り込んでいた。しかし、これを期に、手放すべき本の判断をもっと早くしなければならないと反省した。


父親の運転で出雲大社へ。途中、島根ワイナリーでワインの無料試飲をしたり、土産を買い、大社の駐車場で下ろしてもらう。大社に参拝し、昔、大晦日アルバイトしたそば屋〈おくに〉で、割子そばの五種を食べる。参道に出て、一畑電鉄に乗り、川跡で乗り換えて、松江温泉駅へ。バスで城山に行き、堀川遊覧船に乗る。城の周りの堀を小舟で回るのだ。ぼくもはじめて乗るが、低い橋の下を通るとき、船の屋根が下がってくる(客の頭も下げないといけない)のがオモシロかった。船から上がり、武家屋敷、小泉八雲記念館を見て、「松江堀川地ビール館」のレストランで、「ビアへるん」という地ビールの三種類を飲めるセット、モツのビール煮、ソーセージを食べる。ビール料理も美味く、ほかに客がいないからゆったりできる。まだ昼間なのに、すっかりイイ気分。今日は車じゃないから、古本屋に寄ることもできず、かえって本に関係ない休日を過すことができる。


タクシーで、宍道湖畔の〈C・S・ティファニー庭園美術館〉(という恥ずかしいのがあるのだ)の先にある、うなぎ屋〈おおはか屋〉へ。「うな丼・二段かさね」というのは、スゴイぞ。うなぎの下のご飯の下にまたうなぎがあるのだ。酒を飲んで、う巻きも食べて、大満足。一畑電鉄の駅(ここも「C・S・ティファニー庭園美術館前」という駅名になっていた。日本でいちばん長い駅名だとか。ただし、車内アナウンスではたんに「ティファニー前」と略されていた。ざまみろ)から電車に乗り、出雲に戻ってくる。夜は、ビデオで《殺人狂時代》を観たり、テレビを見たりして過ごす。


《セドロー割り込み日記

堀川で遊覧船(小舟)に乗りました。重い俺と南陀楼さんが二人とも同じ側に乗ったせいで、タイタニックのように沈みそうになっておりました。ステキだ!


《牛イチローの「いろ艶筆」》

はじめまして、牛イチローです。岡山から米子まで三月も終ろうというのにまさに雪中行軍、余裕を見せたふりをしてましたが、運転かなり怖かったです。無事に着けてよかったです。寒い中、倉庫でセドローくんをにらみつつ、仕分けをしましたが、やっぱり本好きな人の本を整理するのはたのしいなぁ。牛イチローの名前の由来は、僕の口からは言いたくありません。


写真は、堀川端の古い家。三層にかさなったような造りになっている。入り口には「ミシン教室」の看板が。いまもやってるのか?

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2005-03-25 すさまじき買い取り

kawasusu2005-03-25

8時起き。朝飯を食い、本を置いてある場所を見てもらう。母屋の二階と一階と、庭の書庫の三カ所に分散されている。ホームセンターに行って、ヒモやガムテープを購入。ぼくはなぜか2800円のCDラジカセと、中古ビデオ(《殺人狂時代》と《実録・私設銀座警察》)を買ってしまう。いや、安かったもんで。そのあと、トーゼンのように〈ブックオフ〉へ。二人とも相当買っていた。ヤマト運輸で相談して、カーゴ一杯に荷物を詰めて3万円というのを利用するコトにした。これだと、本を箱詰めせず、しばったまま発送できる。レンタカーを返し、ウチに帰って作業開始。


書庫からかかるコトになり、ぼくが売る本と残す本を分けるところからスタート。背表紙を見ながら分けていく。20分ぐらいその作業を見ていたセドローくんが一言。「そのレベルの選び方だと、3万円かけて送っても損になりますよ」。ようするに、「いいトコロ」の本は残して、いらない本を売ろうとするさもしい根性を見抜かれたのだ。たしかに、もっと思い切らないと量は減らないし、せっかく二人に来てもらった意味もなくなる。判ってはいるんだけど、落ち込んでしまった。しばらく黙って仕分けするが、そのうち吹っ切れてきて、バンバン売るほうに回す。4分の3は売るコトになったはずだ。


残すことにした本は、箱に詰めて、隣に建っている新しい家に持っていく。ここに置いておき、書庫をクレーン移転させたあと、また戻すという寸法。昼飯を食い、今度は1階の仕分け。こっちはスグ終わった。二人は書庫で、本をまとめている。見ていると、サイズごとに分け、そのあとジャンルごとに分け、適当な冊数で縛るのだが、その判断の早さ、手つきの鮮やかさに感心する。やっぱりプロだよなあ。ぼくは、二階の本(マンガ文庫の仕分けにかかる)。


その後、休憩を挟み、8時までやるが、なかなか書庫が終らない。あとで聞いたら、市場に持っていってそのまま売れるように、かなり凝ったまとめかた(セドローくん曰く「ヒネリを入れる」)をしていたそうだ。父親と一緒に、駅前の温泉に行き、夕飯のあとまた作業。縛った本を、新しい家に運ぶ。まだ電気が入ってないので、ライトをつける。風も出てきた。1階の本と2階の文庫を先に運び、さらに書庫の作業。ぼくはしばらくリタイヤしていたが、1時前にやっと終わった。それでも、まだけっこう残っている。


寝る前に雑談していたら、イチローくんがものすごくマンガに詳しく、個々の場面やキャラクターにまで精通しているコトが判明。セドローくんと相談の上、『包丁人味平』の牛次郎ビッグ錠コンビにちなみ、「ビッグ・一郎」と命名。すぐに「やっぱ牛イチローのほうがイイ」ということになり、マンガの語り部「牛(ぎゅう)イチロー」としてデビューさせることになった。近々、某所でデビュー予定。


《セドロー割り込み日記

一日倉庫で本の仕分けでした。隙あらばマンガを読んでサボっているため、南陀楼さん、イチローくんの二人に「視線」でボコボコにされました。


写真は、まだ縛ってない本の山に埋もれるセドローくんと牛イチロー。これらはブックオフに叩き売る本。

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2005-03-24 古本王国・岡山を満喫のち遭難

kawasusu2005-03-24

3日ぶりの更新です。いろいろあって日記を書くヒマがないうえに、実家電話回線でダイアルアップしていると、大容量のスパムメールのせいで、メールダウンロードできず、不便極まりない。仕事の連絡をするのが精一杯だった。今回の旅は、次号の『彷書月刊』で書くつもりですが、簡単にメモしておきます(といいながら、長くなってしまった)。

けっきょく、1時間しか眠れず。早めに出て、東京駅新幹線口で、イチローくん、セドローくんと待ち合わせ、8時50分ののぞみに乗る。斜め前の座席で、子どもが騒いでいる。泣いているならしょうがないなと思うのだが、このガキはなんか興奮していて、やたら絶叫するのである。それを止めようともせず、ピコピコ音を出してスーパーマリオに興じる両親。こんなとき、塩山さんの霊が乗り移ってくれたら、即座に怒鳴りつけ、有無をいわさずヤメさせるんだけど……。


岡山に12時過ぎ着。けっこう寒い。イチローくんがレンタカーを借りるときに、営業所のオヤジに「山間部が凍結する可能性はありますか?」と聞いたら、「大丈夫ですよ」というので安心(が、のちにとんでもないウソだと判る)。途中の駐車場に止めて、「岡山シンフォニービル」の古本市へ。一階の小スペースでやっているが、吹きさらしなので恐ろしく寒い。場所は狭いが、本が二重三重に置かれているし、戦前の本が多く、中身は濃い。ただし、値段のほうも相応で、欲しいと思って手に取るが、値札を見て棚に戻してしまう。買わなかったもの、佐藤巌『新聞遍路』(千葉亀雄、松崎天民序文)2000円、『ルンペン社会研究』1万2000円。買ったのは文庫本。斬馬剣禅『東西両京の大学』(講談社学術文庫)、石川達三『最近南米往来記』(中公文庫)、佐藤忠男長谷川伸論』』(中公文庫)、阪田寛夫『わが小林一三』(河出文庫)など7冊。いずれも100〜250円と安い。最後のは数日前に亡くなった著者への追悼の意味で。


腹が減ったので、裏通りのほうでメシ屋を探す。以前からこの辺りに来ると、岡山独特のカツ丼(デミグラスソースがかかっているヤツ)を食べていたので、二人にもそのハナシをしていたら、〈やまと〉という店が見つかった。寂れたカンジの店なのに、ナカに入ると満員でビックリ。カツ丼を頼んで回りを見ると、みんなラーメン焼き飯とか、カツ丼(小)とラーメンとか組み合わせで食べている。カツ丼もウマかったが、ラーメンにもちょっと未練が残った。そのあと、〈南天荘書店〉で『胡桃割り 寺島博之詩集』(新日本文学出版部)を見つける。跋文は菅原克己。そういえば、来週ある「げんげ忌」(菅原克己をしのぶ会)の幹事は寺島さんだった。値段がないので聞いてみたら、500円と。ありがたく買う。


その裏にあると、野村宏平『ミステリーファンのための古書店ガイド』(光文社文庫)と書いてある〈リトルハウスまんが王国〉に行くも、看板だけ残して、ナカは空っぽだった。閉店してしまったらしい。その先の〈古本ハウス〉は、同書に「戦前大衆小説が最近の一般書に混じって置かれている」とあるが、マンガエロ本だけで、一般書は影も形も見えず。同書は紹介されている店も地図も充実しているが、「二〇〇四年秋に営業を再確認」したあとに閉店したり、品揃えを変えたりした店は多いのだろう(とくに新古書店系は動きが激しそう)。ちなみに、同書で「山陰随一の本格派古書店」と紹介されている島根県松江市の〈ダルマ堂書店〉は、この日記で触れたとおり、昨年末に閉店している。


岡山の街ではもう一軒、〈烏城文庫〉に行きたかった。ぼくはこれまで2回行っているが、住宅街のフツーのウチの玄関を開けると、その土間と上がり口の部屋に本が並んでいるのだ。戦前小説、評論、随筆のいい本が多く、そのワリに値段が安かった。あのお爺さんは元気かなと、電話してみたら、娘さんらしき人が出て、「移転しました」と云う。「古本屋さんはやってますか?」と聞いたら、店はやってないとのこと。ぶっきらぼうでハナシにならないので、本人に代わってほしかったが不在。二人を連れて行きたかったのだが、残念。


雨が降り出してきた。いよいよ本日のメインである〈万歩書店ツアーへ。まずは市内(久米)にある本店へ、と思ったら、カーナビ見てるのに目的地からずれて、南のほうに行ってしまった。迷ってるときに「本」という看板を発見。『ミステリーファンのための古書店ガイド』にも載っている、〈ブックスフロンティア〉だ。入ってみて驚いた。奥が見えないほど広い。棚と棚の床には、レコードおもちゃがじか積みされている。大ざっぱに分類しているが、途中で力尽きたのか、完全に混合している棚もある。これはナニかあるかも。セドローイチロー、ぼくはすぐさま散開。掃討作戦を開始。30分後、一通り見終わって、数冊をレジに持っていく。「値札のないのは150円です」という表示のある棚で、『わんだーらんど通信』のひさうちみちお特集や吾妻ひでおマンガを見つけたのだが、それを見て、店員が「これは未整理のものだから……」と云いはじめる。もっと高めにつけたかったらしい。未整理もナニも、店全体が未整理みたいなもんだろが! 値段を訊くと、前者は500円、後者は300円と。買えないコトはないが、なんだか応対のしかたがイヤで、このまま従うのは業腹なので、ヤメておく。買ったのは、『タモリのカセット面白術』(21世紀ブックス)500円など3冊。


ココまで来たら、万歩の奥田店のほうが近いというコトになり、そっちへ。広い店だが、最近のマンガ文庫が中心。それでも、『漫画の手帖』の初期の号(飛び飛びで)10冊3000円というのを見つけてしまった。そして、5キロほど走り、今度こそ〈万歩書店〉本店へ。気持ちが急いていたために、駐車場に乗り入れる前にシートベルトを外してしまい、レンタカーアラームに注意される。二人に大爆笑された。さて、入ってみると、たしかに迷宮だ。あまりに広いので、ジャンルごとの分類とは別に「◎丁目」という表示がある。あと、通路の上にスピーカーが設置されていて、店内連絡をこれでやるのだが、すごい音量なのでビクッとする。とにかくすごい量で、たとえば戦前の実用本だけで百冊単位で並んでいる。うーん、スゴイ。だけど、その一方でだんだん気分が醒めていった。なるほど量はすごいが、本はあまり整理されていないし、値段もはっきり云って高い。以前から探していた本が何冊か、あっさり見つかったのは嬉しかったが、これだと買えないよ。1時間ぐらいいたが、買ったのはマンガも含め7、8冊。細野晴臣レコードプロデューサースーパーマンをめざす』(徳間文庫)150円、陳舜臣神戸というまち』(至誠堂新書)250円といったところ。そのあと、倉敷店に行きたかったが、もう暗くなってきたのでパスして、総社店へ。ここはあまり見るべきものナシ。それでも、陳舜臣『崩れた直線』(廣済堂文庫)150円を見つける。コレで、陳舜臣ミステリものの文庫コンプリートしたはず(単行本はあと2冊)。


腹が減ってきたが、なるべく先まで行っておきたいというイチローくんの意見で、高速に乗る。ところが、途中まで来たら雪がチラホラ降り始める。落合の近くでは、少し積もっている。「岡山古本買ったあとで、交通事故で死んだら殉職扱いになるのかなあ」などと冗談云ってるウチはよかったが、すごい吹雪になってシャレじゃなくなってくる。それでもイチローくんが真剣に運転してるヨコで、ぼくとセドローくんは馬鹿話。蒜山を越え、米子に近づいたあたりで、ようやく雪がなくなる。よかった。そのあと、米子−宍道を高速で、そのあと国道を走り、出雲実家に着いたのは10時半。そばを食べて、風呂に入り、明日の段取りを相談してから眠る。初日からハードだった。


《セドロー割り込み日記

ナンダロウ家は、お母さんがステキです。南陀楼さんはガンガン駄目だしされています。「煮しめたような服着て!」「もう本は買わせん!」ステキだ!


写真は、万歩書店・本店。ボケてますが。

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2005-03-23 やっと出られそう……

朝9時過ぎに、自転車日暮里図書館へ。本とビデオを返却する。近くの立ち食いそば屋で、天玉そばを食べる。郵便局に行って、溜まっていた振込みを済ます。ウチに帰り、ちょっと寝てから、仕事場へ。いろいろやらなきゃならないコトはあるが逃避して、某誌の編集者から相談された、ある特集の執筆者を考える。他人の雑誌だと、なんぼでも書いて欲しい人が浮かぶなあ(それが通るかは別だが)。ナニやってる。


夕方になって、ようやくエンジンが掛かり、原稿が進みはじめる。6時過ぎ、キリをつけて外に出ると大雨。西日暮里の〈大栄〉で旬公と待ち合わせ。タコ炒めやソルロンタンで元気をつけて、ウチに帰って仕事にかかる前に、資料の捜索。あるべき場所に見つからないことで落ち込んでいたのだが、なんと、すっかり存在を忘れていた箱の中で発見。コレでなんとかなりそう。机の前に張り付いて、いろんな資料を引っくりかえしながら、ともかく前に進める。朝までかかる覚悟でいたが、3時過ぎにはカタチになる。ああ、よかった。全部の資料を実家まで持っていかなくて済んだ。あとは、コンビニで資料を発送し、風呂に入って、出かける準備をするだけ(だけ?)だ。


 というワケで、あと4時間ほどしたら、家を出て、東京駅でセドローくんとイチローくんと待ち合わせます。そして、岡山古本屋を回り、出雲実家で本の買い取り&整理の数日を過します。月曜は大阪インタビュー、火曜は京都で打ち合わせと、スムース友の会への出席とくらあ。体力が持つだろうか? 日記は余裕があれば、更新します。


 それと、「不忍ブックストリート」のサイト、オープンしたまま、情報更新できずにすみません。いま、地図の制作が佳境なのです。来週には、店主の皆さんへの連絡も含め、もろもろの動きをお知らせできるハズなので、もうちょっとお待ちください。

http://yanesen.org/groups/sbs/


【今日の郵便物】

★『彷書月刊

特集は「山のあなたに」。ぼくの連載、今回は「不忍ブックストリート」に絡めて、千駄木の「ふるほん結構人ミルクホール」(http://kekkojin.heya.jp/)を取材。伝言板広告ページに、「一箱古本市」の広告も出しました。

★古書目録 四季書林、和洋会

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2005-03-22 部活動みたいなカンジ

11時に仕事場へ行き、『進学レーダー』の残り一本に手を入れて、送る。そのあとは、「本コ」次号の準備。午後の打ち合わせで、大ざっぱな目次が決まったので、続けざまに依頼を出す。そのうちの一本について、29日に京都で著者と打ち合わせするコトになった。ホントは、前日夜に大阪である人にインタビューして、この日には東京に帰るツモリだった。その前に岡山出雲と動くので、とても体がタマランと思ったからだ。しかし、やはりココまで来て「スムース友の会」に出ないワケにはいかないだろう。うらたじゅんさんに電話して、一夜の宿を乞い、ついでにうらたさんも会に誘う。


関西といえば、その二週間後にも、取材がらみで大阪に行く。以前に、京阪神出版社書店など、出版業界関係者の研修・懇親会である「勁版会」でナニか話すよう、幹事の烏本舗・川辺佳展さんに云われていたのを思い出し、連絡すると、スグに日時が決まってしまった。以下、要項です。本に興味があれば、誰でも参加できるそうなので、気が向けばいらしてください。


テーマ : ぼくが「小さなメディア」にこだわる理由

南陀楼綾繁(=河上進

雑誌本とコンピュータ」を編集するかたわら、ミニコミフリーペーパーメールマガジンブログなど、アナログデジタルにかかわらず、一貫して〈小さなメディア〉に携わってきた。その経験をもとに、これからの「出版」について、ささやかな提言をおこなう。

■日時:4月8日(金) 19:00開始

■場所:<大阪会館 第一会議室> いつもと会場が違います。要注意!    

http://www.o-kaikan.com 

phone : 06−6261−9351  

541−0053 大阪市中央区本町4−1−52

本願寺津村別院(北御堂)の石垣の中 ※会場へは18:30頃から入場可

◆参加費 : 会場費を参加聴講者で頭割り◎終了後懇親二次会・会費割り勘


ま、「提言」というほどポジティブなハナシができるかは、判りませんけど。7時前に仕事場を出て、南北線駒込へ。山手線に乗り換えるとき、間違えて反対方向に乗ってしまう。田端で降りて、また戻ってくる。そんなこんなで、ちょっと遅れてP社へ。Oさんが分類した資料を見ながら、どういう構成にしていくか話し合う。それと、どれを翻訳してもらうかも決める。ちょっとずつ前に進んでるカンジ。Oさんは「毎週ミーティングしてると部活みたいですね」と云うが、若いヒトばっかりのP社にいると、サークルの部室にいるような気分になる(9時過ぎてるのに、まだまだ大勢残ってるんだよなあ)。


ウチに帰ると、〈荻文庫〉から本が届いている。志水松太郎『売れて行く本の話』(峯文荘発行、栗田書店発売、昭和11)3000円。タイトルがオモシロそうなので、注文してみたが、大当たりだった。志水は峯文荘の経営者で、前年に『出版事業とその仕事の仕方』という自著を出している。本書はその姉妹編で、前著がどのような過程を経て世に出て、どれだけ売れ、返品がどれぐらいあったかを、詳細に記している。つまり「売れて行く本」とは、自分の本のコトなのだ。自分で出した出版広告転載したり、印税小切手を図版で入れたりと、まったくいい気で手前味噌な本ではあるが、印刷部数、印税、売上、返品部数などのデータを隠さず書いているので、戦前の出版流通を知るためにとても役に立つ。発売元(取次)の栗田書店との契約についても、詳しく書いているようだ。


さらに、「出版業絶対成立法」という節では、出版社を立ち上げるために必要な資金、支出と入金のバランス、返品のタイミングなど、これだけ判っていれば絶対成立するという基礎知識をまとめているし、「新本と夜店風景」「同人雑誌の作り方と経営」「図書博物館を建設しては」などの節も興味深い。文章も読みやすい。国会図書館で検索すると、峯文荘(ほうぶんそう)は昭和12年には「大日本出版社峯文荘」というご大層な社名になっているが、出している本はほとんど、手紙の書き方、広告のつくりかた、人生読本などの実用本である。こういうタイプの版元は大好き。この本、実家に持って帰って読もう。


雨が止んだので、久しぶりに旬公と夜の散歩田端新町の〈ブックマーケット〉まで歩く。雨上がりで空気が澄んでいるのか、電車の音が、いつもより響いてくる。前にも書いたかもしれないが、この道は、左右をJR新幹線含む)と京成線の線路にはさまれており、最高のトレインビュー・スポットになっているのだ。


仕事の合間に、ビデオ豊田四郎監督《泣蟲小僧》(昭和13)を観る。原作は林芙美子母親邪魔者扱いされた少年が、母親の妹たちの間をたらいまわしされる。少年の哀しみと、それを判ってやる余裕さえない都市の細民の生活をこまやかに描いている。売れない小説家の次女の夫が、改造社らしき出版社原稿の売込みに行くシーンもある。 隣の部屋で編集者が売れっ子作家原稿を頼んでいるのを聞きながら、ひたすら待つしかない辛さ。郊外に住む妹を訪ねて、少年と二人とぼとぼ歩く横を電車が通る場面もよかった。あれは、ナニ線なのかなあ? また、この映画河野鷹思が美術を担当しているが、どの辺りまでディレクションしているのだろうか(ポスターも描いている)。豊田四郎の映画ははじめて観たが、他の作品も観たくなった。いま、〈シネマアート下北沢〉(http://www.cinekita.co.jp/)で上映中の特集「監督 豊田四郎」には、ナンとか時間をつくって、1、2本観ておきたいなあ(とくに戦後コメディ)。


【今日の郵便物】

青土社より 道場親信『占領と平和 〈戦後〉という経験』青土社、4200円

道場氏は大学時代の知人。一時期、同じサークルにいたこともあった。いまでも早稲田古本屋街では「顔」らしい。その彼の初の単著。本文720ページ(うち50ページが注)、参考文献30ページというボリューム。帯によると、「〈戦後〉はいかにうみだされ、どのように生きられてきたのか」がテーマらしい。全部読み切れるか自信がないが、少なくとも第四章「ベトナム反戦運動とパラダイム革新」はじっくり読みたい。

★『クイックジャパンマンガ特集

★古書目録 萩書房

★K美術館さんより、『BRUTUS』で近代ナリコさんが書いた、金沢古書店ガイドのカラーコピーが送られてくる。同時に『青春と読書』の旬公の担当さんからもファクスで送っていただく。お二人ともありがとうございます!

〈近八書房〉は8年ほど前に行ったと思う。〈ダックビル〉と〈あうん堂〉はチェック済み。〈やまくら書房〉にも行ってみたい。この記事にはないが、金沢古書店(オンライン専門も含む)の共同のサイト「おてんこ」(http://www.otenco.com/)は以前に『彷書月刊』でちょっと紹介したことがある。

2005-03-21 地道にちょっとずつ

朝、夢うつつのなかでインターフォンの音が鳴る。旬公が出て、荷物を受け取っている。不機嫌な声で、「なんかデカイものが届いてるよ」と云う。やばい、「フジサワ湘南古本まつり」で注文した本だ。連休中にどうしても藤沢まで行くコトができず、電話して発送に変更してもらったのだ。一冊は徳間書店の社史だが、それ以外はすべて、角川書店雑誌バラエティ』のバックナンバー全44冊。全部揃っていて2万円は、まあまあの安さ。現物を見て、この雑誌が、創刊の頃はA4で、途中からB5になり、末期にはまたA4に戻っているコトを知った。ぼくが愛読したのはB5時代らしい。


たちまち目が覚め、旬公の目を盗んで(思い切りバレてるが)、奥に運び込む。昨日の段階でもはや、棚にも床にも置ける場所はなく、机の下、ぼくの足を置く辺りにとりあえず立てかけておく。そういう状態なので、とても全部を広げてみるコトはできない。今日のところは、数冊ずつビニールパックされてるのをひとつかふたつ開けて、何号かざっと見るにとどまる。創刊号は角川映画の宣伝一色。冒頭の五木寛之角川春樹の対談で、角川がこの雑誌について、ものすごーく大風呂敷を広げているのが笑える。まるで世界征服せんというばかりのイキオイだ。あと、1982年の号を見て、連載の一つに、大友克洋の「饅頭こわい」というページがあったのを思い出した。けっこう好きだったんだよな、コレ。せっかく買ったので、この雑誌の創刊から終刊まで目を通してみたい。少しずつ読み進めて、ときどきこの日記で紹介しようかと思っている。


そうこうしてると12時。〈古書ほうろう〉で置きっ放しの荷物、最後の二つを引き取る。自転車にくくりつけて、谷中アパートへ向う。今日は連休の最後で、めちゃくちゃイイ天気とあって、谷中はものすごい人出。歩道自転車で抜けるコトができず、脇道に回ったら、そこもヒトが歩いている。「一箱古本市」の日も、これぐらいイイ天気なら万々歳なのだが。


荷物をアパートに置き、根津の〈オヨヨ書林〉へ。外の均一台を見ていたら、小森さん来る。そのあと、高野ひろしさんが、ペンギンを入れたカートとともにやってくる。その直後にオヨヨさんも到着。「一箱古本市」のときに、オヨヨの前で高野さんに写真展をやってもらうので、その打ち合わせ。いろいろ検討して、それならどうにかイケる、というカンジになる。この数日で、一箱古本市の関連企画がほぼ決定したので、ホッとする。


自転車谷中銀座に行き、昼飯でもと思ったら、どこも満員。〈ヤマネ肉店〉でコロッケとハムカツを買って帰り、食べる。ちょっと休んで、『レモンクラブ』の書評。今回は吾妻ひでおの『失踪日記』(イースト・プレス)。このマンガのとてつもないオモシロさを伝える文章がなかなか書けず、難渋。6時ごろ、ようやく上がる。〈ときわ食堂〉まで行き、チューハイを飲む。ウチに帰ると、ほうろうでのワークショップを終えて帰っていた旬公が、「鍵が開いてたよ」と云う。ちゃんと締めたハズだけどなあ。どこかボケているんだろうか。


夕飯(鶏肉とごぼう炒め)をつくって、ビデオ大島渚監督《青春残酷物語》(1960)を観ながら食べる。うーん、しょっぱいハナシだ。『進学レーダー』の図書館原稿。今回は同時に2本。1本は書き上げたが、もう1本は途中まで。明日仕上げて送るコトに。地道にちょっとずつ書いてはいるが、この連休で終わらせるべき原稿がもう一本、完成まで持っていけなかった(Fさん、もうちょっと待ってください)。ううううう。

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2005-03-20 「不忍ブックストリート」公式サイトがオープン

まずは、お知らせ。

「不忍ブックストリート」の公式サイトがオープンしました。URLはこちら。

http://yanesen.org/groups/sbs/

このサイトは、「谷根千ねっと」が提供しているシステムを使っています。管理人は、オヨヨ書林http://www.oyoyoshorin.com/)のオヨちゃん(山崎さん)です。いくつかのコーナーがありますが、最新の情報や雑談は、「不忍ブックストリート日誌」をご覧ください。これは簡易的なブログで、コメントも書き込めます。いずれ、この日誌をトップページに持ってくる予定です。

まだ十分なコンテンツとは云えませんが、少しずつ増やしていきますので、どうぞよろしくお願いします。

今後、「不忍ブックストリート」の動きについては、この公式サイトをメインに、ぼくのこの日記は補足としてご覧ください。


今日も午前中は寝てた。12時前にやっと起き出す。鎌倉から旬公の両親が、墓参りのために上野まで来るので、西日暮里で昼飯を食べるコトになっている。不忍通りの〈サミット〉の近くにあるイタリア料理屋へ。いつも名前を忘れてしまうのだが、気楽に入れて、ちゃんと美味い料理が食べられる店。休日の昼はパスタだけだが、予約すると前菜をつけてくれる。今日のもウマかった。ウチに帰り、またヨコになる。ようやく布団は上げたが、仕事にかかる気力は出ず。「早稲田古本村」の連載、いつもギリギリには入れていたのだが、今回はどうしても書けず、休載にしてもらう。楽しんで書ける文章のハズなのに……。


そうこうしてると5時前になり、〈古書ほうろう〉へ。桂牧さんとほうろうの宮地さんとで相談。「一箱古本市」の打ち上げイベントで、桂さんに数曲歌っていただくことになる。心配だったのはアンプのことだが、桂さんがご自身で持ってきてくださるコトに。ありがたい。そのあと、店内に置きっ放しにしていた段ボール箱を整理する。最近のほうろうは買い取りに力を入れており、店内に買い取り本を詰めた箱が増えてのを知っていたのに、ココまでズルズル引き伸ばしてしまった。中身は、昨年の「モクローくん大感謝祭」用に値札をつけた本の残りや、展示用のミニコミ花森安治の装幀本など。本をいくつかの箱に詰めなおし、自転車で数往復してウチに持って帰る。奥の本棚の上にわずかなスペースをつくり、そこに載せる。これでまた、我が家から空間が消滅した。


昨日の豚汁の残りを食べながら、《新シルクロード》を見る。11時からは《情熱大陸》で角田光代さんの密着を。この種の番組は、ディレクター勝手によくできたおハナシをつくってしまうのがイヤだが、今回はそんなこともなく、角田さんの人柄がよく伝わる構成になっていた。朝8時から仕事をすること、締め切りに絶対に遅れないことなどは知っていたが、ボクシングジムに何年も通っているとは知らなかった。角田さんは、「うまく喋れないことがコンプレックス」だとおっしゃるが、たしかに流暢な話し振りではないにしても、まっすぐに伝わる話し方のヒトだ。今回のインタビューのなかでは、「小説作家を重ねて読むのは、いちばんつまらない読み方です」と話すシーンが、つよく印象に残った。このところ、なんとなく勝手に一人で落ち込んでいたのだが、角田さんの足元にも及ばないにしても、自分にできることをやるしかないよな、という気持ちになった。とはいえ、今日のところは溜まっていた日記を書き、短いアンケートの回答を書くので精一杯だった。そう簡単に、ヒトは変わらない。

2005-03-19 ドコにも行けず、ナニもできず

朝起きると、アタマとノドが猛烈に痛い。あー、完全に風邪だ。薬を飲んで昼まで大人しく寝ていたが、好転しそうにないので、右文書院の青柳さんに電話。今日は、午後に堀切直人さんと三人で打ち合わせし、そのまま、夕方からは堀切さんの新著『浅草 江戸明治篇』(右文書院)の完成記念飲み会に出るコトになっていた。そして、そのあと入谷の〈なってるハウス〉で「ふちがみとちの」(渕上純子+千野秀一)を聴くつもりだった。それが全部パーである。


夜まで、眠ったり本を読んだりして過ごす。原稿が何本もあるが、こういうときは手が着けられない。自己嫌悪にひたりながら、ひたすら逃避。だいたい最近、仕事も私事も遊びも詰め込みすぎなんだよなー。そんなにキャパシティが広くないし、勤勉でもないのに、手を広げすぎ。それで、対応できない・間に合わないという気分が、ストレートに体調に反映してしまう。コレをなんとかしなければ、フリーとしての生活はできないぞ、と反省するも、そのまま眠ってしまった。困った野郎だネ。

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2005-03-18 社長になるには

昼間は自宅で仕事。あまり進まない。夕方、神保町に出て、〈高岡書店〉でマンガを数冊と『映画秘宝』最新号、〈ディスクユニオン〉で、[イエローマジック歌謡曲][テクノマジック歌謡曲](前者は3枚組、後者は2枚組。YMO周辺のこの手の発掘モノを買うのはそろそろヤメたい)、それと、いとうたかお[いとうたかお]を買う。〈さぼうる〉で、M出版のYさんと会う。雑談しながら、いくつか案を出すが、果たして受け入れられるか。


半蔵門線銀座線日比谷線と乗り換えて、三ノ輪へ。〈遠太〉に入り、座敷で、ほかの人を待ちつつ、飲み始める。『映画秘宝』の岡本喜八特集(力が入っている!)を読み終えたところに、『酒とつまみ』の大竹さん登場。そのあとエンテツさんも。主賓のマユたんこと高野麻結子さんは、仕事のため、9時ごろに到着。「プチグラ・パブリシング」という新天地で、早くもいろいろ動いているようだ。みんなで大竹さん(大竹編集事務所社長)に、社長になるための秘訣を聴く。


看板までいて、店を出る。みんなと別れ、日暮里方面に歩きはじめるが、ヤタラと寒い。荒川区役所のあたりでタクシーに乗る。ウチに帰ったら、なんだかノドが痛い。また風邪引いたんじゃないかなあ……。


【今日の郵便物】

★古書目録 モダン古書展(大阪

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2005-03-17 「朝ジュンク」で1980年代を考える

朝、電車の中で、出掛けに届いていた『Hot Wax 日本映画ロック歌謡曲』第1号(ウルトラ・ヴァイヴ発行、シンコーミュージック発売)を読む。「烏本舗」(http://homepage2.nifty.com/hon-karasu/)の川辺佳展さんが一冊余ってるからと送ってくださった。アリガタイ。最近の雑誌のように、レイアウト優先で内容よりセンスが先行しているのではなく、論やデータにたっぷりスペースを取った上で、必要な図版が入っている。読みごたえあるから、塩山さんがコーフンするのも、よく判る。メイン特集の「日活ニューアクション」を読んでいると、ココで取り上げられている映画を片っ端から観たくなる。この足で〈TSUTAYA〉に入り、まとめて借りようかとも思うが、かろうじて堪える(いま借りても、観るヒマがない)。付録のCD(《野良猫ロックセックスハンター》のテーマほかが入っている)でも聴いて我慢するか。


新宿の〈ジュンク堂書店〉へ。久しぶりに「朝ジュンク」だ。昨日メモしておいた小沼丹風光る丘』(未知谷)を新刊コーナーで探すが見つからず、もう出てるハズだがなあと端末で検索すると、「現代文学」の棚に面出しされていた。この端末は、慣れると使い勝手がいいが、入力したときの反応が遅いのがタマに傷。新刊コーナーでは、康芳夫『虚人魁人 国際暗黒プロデューサーの自伝』(学研)、石塚純一『金尾文淵堂をめぐる人びと』(新宿書房)、『東海林さだおの満腹大食堂 「丸かじり」グルメガイド』(朝日新聞社)を見つけた。いずれも出ていたのを知らなかった本。ほかにも欲しい本はあったが、今日はこのぐらいで。とはいえ、合計が一万円超えたので、コーヒー券をくれた。


8階で仕事用の本を一冊買い、カフェコーヒーを飲みながら、レジでもらったPR誌『草思』4月号をパラパラ。「八〇年代の意味」という特集。三浦展「八〇年代渋谷論から現代のショッピングモール論へ」という文章がすごくイイ。三浦氏は1980年代パルコの『アクロス』の編集長だったひと。内部からパルコの動きを見ていた立場から、学者による「八〇年代―消費社会渋谷パルコ公園通り」という言説(1985年柏木博が書き、2002年北田暁大が引き継いでいる)が、いかに図式的なものであるかを批判する。


パルコは「周辺の店舗をとり込み、自らのイメージに染め上げ、都市全体を広告的空間にしてしまう」だって? パルコの隣にゃ東急ハンズもあるよ。その隣にはルノアールもある。あの、だっさーい、とりわけ八〇年代には嫌われた喫茶店だよ(今もまだある)。そして二十年前の公園通りには、ホルモン屋もあって、豚の脳味噌や陰茎や睾丸も食わせていた。そんな公園通りで、「一木一草」までがパルコ的空間になっていたって言えるのか? そういう、自分のパルコ論に都合の悪い現実の公園通りの風景を捨象して、公園通りは外部に対して閉じられた虚構の消費空間を作ったというのはナンセンスではないか。


その論拠として、三浦氏は、渋谷パルコパート1の売上は1979年がピークであり、公園通りを歩く人の数は1981年がピークであると、具体的なデータを挙げる。その先のハナシの展開は、じっさいに読んでほしいが、パルコディズニーランドと同じ「虚構の空間」と断じ、1980年代をわかりやすくまとめてしまった言説に対する、説得ある反論だと思った。まあ、当事者ならではの身びいきも、多少はあるのだろうが。三浦氏は、最近では、地方で進行している全国一律のロードサイド化を批判しているが、彼が監修した洋泉社ムック『検証・地方がヘンだ!』は、地方での凶悪犯罪の根源は郊外ショッピングモールが増えたコトにあり、てな調子のまさに図式的な内容で、こりゃ、トンデモ本だと、途中で読むのをヤメてしまった(このムックのもととなった、洋泉社新書の『ファスト風土化する日本』は未読)。だけど、『草思』のこの文章は、図式化を避け、地に足をつけて書かれていると思う(結びがややアヤシイが)。これに比べると、竹熊健太郎氏の「八〇年代的消費の限界と新たな可能性」は、ちょっと食い足りなかった。


「朝ジュンク」の時間を終え、新宿線市ヶ谷へ。次号の取材の段取りが、決まっていく。4月前半に、名張大阪金沢に行くコトになった。金沢は久しぶりなので、ついでに古本屋も見て帰りたい。昨年出た『ブルータス』で、近代ナリコさんが金沢古本屋を回る記事を書いているハズだけど、買わなかったのが惜しまれる。どなたか、コピーさせてもらえればウレシイっす(コレが云いたかった)。


3時半に仕事場を出て、四谷三丁目ポプラ社へ。市ヶ谷から近いと思い込んでいたが、四谷から丸の内線に乗り換えねばならず、こりゃ間に合わんと判断して、タクシーに乗る。昨年引っ越したばかりの新しいビルの4階に、編集部がある。打ち合わせスペースも複数あり、なかなか使い勝手が良さそう。編集の矢内さんと、ある著者の本の打ち合わせ。先日、企画が会議で通り、具体的に目次やスケジュールを詰める段階に入った。とてもイイ本になりそう。今年秋には出したい。新刊の立川談四楼『大書評芸』と早川紀代秀・川村邦光『私にとってオウムとは何だったのか』をいただく。前者は、ぜひ読みたくでぼくからおねだりした本。目次を見るだけで、取り上げている本の範囲が広いコトに驚く(あの、藤木TDCブラボー川上東京裏路地〈懐〉食紀行』まで書評している)。後者は、矢内さんが編集した本。第七サティアンを撮った宮本隆司の表紙写真が印象的。


今日はこのあと、荻窪の〈グッドマン〉で、小川美潮渋谷毅デュオを見るツモリで、その前に〈ささま書店〉でも寄って、どこかで腹ごしらえして……と、段取りまで考えていたのだが、昨夜からなんだかノドが痛いし、仕事も終ってないしで、残念ながらヤメることに。丸の内線千代田線経由で千駄木に出て、「一箱古本市」の大家さんになってもらう〈ルシェルシュ〉さんにご挨拶。そのあと、ウチに帰り、鳥とキャベツスープをつくって食べる。早めに布団に入り、本を読む。


【お知らせ】

神戸・海文堂書店より

(1)「林 哲夫 装幀も仕事!」展

とき:4月1日(金)〜 4月30日(土)

ところ:海文堂書店(1F・東入口横コーナー)

 林哲夫『歸らざる風景 林哲夫美術論集』(神戸・みずのわ出版)が刊行されました。本書は、画家としてだけでなく、装幀家、文章家、さらには“本を散歩する雑誌”「sumus」の編集人(2月には「スムース文庫」として『読む人』を刊行)として幅広い活動を行なう林さんの手になる初めての美術論集です。装幀から本文レイアウト、図版、奥付検印紙の貼付等々、細部に至るまで林さんの美学を体現した作りとなっています。

 本書刊行を記念して、上記ブックフェアをおこないます。林さんの装幀・装画による書籍の数々を展示・販売するほか、カヴァー原画、制作風景を捉えた写真等々の“お宝”も展示いたします。


(2)みずのわ出版&幻堂出版 合同 大サイン会

とき:4月16日(土) 午後2時〜4時

ところ:海文堂書店 (当店前“路上”にて)

林哲夫 装幀も仕事!」展が折り返しを迎える時、上記のとおり<大サイン会>を敢行いたします。いま、神戸圏内でガンバっている小出版社は、「みずのわ出版」と「幻堂出版」(明石市)だと断言してもいいでしょう。それぞれのカラーは異なりますが、どちらも出版哲学をしっかりと持った出版社です。今春、この両出版社から下記の新刊4冊が生まれました。それを記念しての、著者4人による大サイン会です。みなさま、ぜひ今回のサイン会においでください!

* なお、サイン会終了後、当店店長福岡が入りびたっているという噂の元町「松屋本店」にて、“打ち上げ大酒宴”に突入いたします。こちらにもどうぞご乱入ください。

サイン会出席者 】

<みずのわ出版> 陣営

林哲夫(『歸らざる風景 林哲夫美術論集』) 

和田作郎(『水晶の海』)

幻堂出版> 陣営

中村よお(『洋楽ROCK関西実況70’s』)    

オヤジ芝田(『神戸ハレルヤ!グルめし屋』)


海文堂書店

〒 650-0022  神戸市中央区元町通3-5-10

TEL(078)331-6501 FAX(078)331-1664

http://www.kaibundo.co.jp

books@kaibundo.co.jp

担当福岡 宏泰


昨年夏の合同サイン会を思い出す。ぼくも見に行きたいけど、その時期は金沢に取材にいっていて、ちょっとムリかもなあ……。

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2005-03-16 書きたいことは数あれど……

この日記は毎日30分以内で書く、というのを原則にしているのだけど、最近、それ以上かかってしまう日が多い。必然的に長くなるし、寝る時間は遅くなるしで、あんまり良くない傾向です。ホントは、自分の行動以外に、あちこちのブログサイトで得た情報をココで紹介したい(というか、それが「はてな」をはじめたキッカケのひとつだった)のだけど、なかなかそこまで手が回らない。今日はちょっとだけメモしておく。


読書日記川崎追分町」(http://d.hatena.ne.jp/kokada_jnet/)で、元『ガロ編集者の白鳥千夏雄さんのブログが紹介されていた。「白鳥特急検車場」(http://blog.goo.ne.jp/shiratori-chikao)という名前で、さかのぼって読むと、なかなかオモシロイ。とくに「『出版不況』 細く長〜く…ではダメか?」と題された、6回にわたる(まだ続くかも)長文は、前半は出版流通のお勉強的な整理だが、後半がかなり興味深い。あと、「黌門客」(http://d.hatena.ne.jp/higonosuke/20050314)の、串間努少年探偵手帳 完全復刻版』(光文社文庫)を紹介した中で、ぼくが『ナンダロウアヤシゲな日々』で書いた串間さんについての文章を、「出色の『串間努』論」だと書いてくれていて、かなり嬉しかった。それから、『ユリイカ』4月号の特集「ブログ作法あるいはweblog戦記」の目次が、あちこちのブログで紹介されている。ぼくの名前もそのナカに入っているので、この数日、なんかアクセスが増えているようだ。「ブログ作法」というが、ブログよりもブログの「外」について主に書いている原稿なので、期待しないでください(って、この日記読んでるヒトなら、そんな文章にならないコトは先刻ご承知ですよね)。


今日更新された岡崎武志さんの日記http://www3.tky.3web.ne.jp/~honnoumi/frame.okadiary05.03.htm)で、三鷹上々堂〉の長谷川洋子さんが昨日で店を辞めたことが書いてあった。そうなんです。ぼくも店内で「古書モクロー」というささやかな棚を持っている関係上、しばらく前にこのハナシを聞いていた。長谷川さんの今後に期待しよう。なお、この件について、「晩鮭亭日常」(http://d.hatena.ne.jp/vanjacketei/)で、「「書評メルマガ」に連載されていた長谷川さんの日記も愛読していたし、それが上々堂ブログに取って代わっても、気が向けばチェックしていた。」とありますが、コレはちょっと違います。上々堂ブログがスタートしたあとも、「書評メルマガ」の日記は並行して(別内容で)連載しています。ただ、2月号だけは、辞めることにともなっての連絡の行き違いで、原稿が届かなかったのですが。昨夜発行した3月15日号では、辞めるということを公表しないまま(これは長谷川さんの希望だった)「最終回」と付けてしまったので、ぼくとしてはややモヤモヤした気分が残った。開店準備の時期から上々堂を応援してきた岡崎さんがこのことを公表してくれたから、ぼくも書くコトができる次第。


やっぱりココまで書くのに30分かかってしまった。今日の行動に戻る。仕事場で、次号の企画会議。追加で出した執筆者、何人か実現しそう。ほかに、4月前半に関西に取材に行くので、その段取りを組む。6時に出て、谷中小沢信男さん宅へ。聞き書きの資料を拝借する。そのうち2冊はぼくも持っているのに、いくら探しても見つからなかった本。まったくイヤになる。


待ち合わせまで45分ほどある。谷中銀座につづく「夕焼けだんだん」を降りると、右下にあった屋台村が完全に取り壊されて、残骸のみになっている。いつできたかの記憶がないが、一年持たなかったんじゃないかな。店も客もルーズなカンジが気に入っていたのだが、残念。その斜め前を見ると、ジャズ喫茶〈シャルマン〉の看板が前に出ている。営業中だ! この店、ずっと前からあるらしいが、ぼくが見つけたのは昨年夏。そのときから入りたかったのだが、いつ行っても開いていたためしがなく、ひょっとして閉店したのではと危ぶんでいた。


ギシギシいう階段を上り、ドアを開けると、そこは古いバーである。店主は初老の男性、客は誰もいない。店主はテレビを見ていたが、ぼくが入ると、レコードを掛けた。ダラー・ブランドアルバムで、ベースの響きがイイ。看板には「コーヒーワイン」とあったが、ウィスキーのボトルがたくさん並んでいる。ウィスキーロックを頼む。レコード棚に収納しきれないのか、カウンターの上にも、レコードが積んである。その山の上に、ギタリストのタル・ファーロウの[スウィンギング・ギター]を見つけたので、リクエストして掛けてもらう。エディ・コスタのパーカッシブなピアノ、ビニー・バーグの力づよいベースCDも持ってるが、LPを大きなスピーカーで聴くと、やっぱり迫力あるなあ。大満足。勘定してもらうと1000円だった。これもリーズナブル。「毎晩6時から11時半までやってます」と店主はおっしゃっていたが、本当かねえ。今度は旬公を連れてこよう。


8時に、OさんとTくんと待ち合わせ、〈T〉へ。「一箱古本市」の関連イベントとして考えた企画の打ち合わせだが、正式に成立するまでは、とりあえず伏せておく。うまく行きそうではあるが。〈T〉のMさんに、旬公の誕生祝をいただき、ウチに帰る。晩飯はカレーの残り。二週間ぶりに《やりにげコージー》を見る。そして、今日は早めに寝るか、と思いながら、日記を書き出すと、やっぱり30分では終らず、2時過ぎてしまった。どうして、こうなるの?


【今日の郵便物】

★古書目録 みはる書房、中央線古書展

★『日本古書通信』(昨日届いていた)

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2005-03-15 豆腐と古本

朝11時に、自転車で〈往来堂書店〉へ。店長の笈入さんと、「一箱古本市」の場所を提供してくれる「大家さん」への挨拶回り。地図ラフを見せ、企画書を手渡す。すでに一度は話しているので、皆さん、「頑張ってね」と云ってくれた。西日暮里の〈花歩〉から根津の〈花影抄〉まで8店。残りは開店前や休みだったので、改めて回るコトにした。


笈入さんと〈豆腐room Dy's〉で昼食。ランチメニューは三種で、いずれも豆腐スープ豆腐プリン(?)、おから茶の三点セットがつく。ぼくはまぜご飯、笈入さんはハヤシライス。ちょっと高めではあるが、豆腐はたしかにちゃんとした味がするし、料理もウマかった。店内に「文句堂」という屋号で、古本を置いている棚がある。音楽映画欧米文学の単行本や文庫小林信彦山口瞳文庫もあった。値段はお手頃。ぼくは、安岡章太郎小説家小説論』(福武文庫)を買った。店のヒトに聞くと、友達が置いているそうだ。食事や喫茶のお客だけが古本を見られるようだ。けっこう広い店だから、自由に出入りできればイイのに、と思った。


笈入さんと二人で話すのは久しぶりなので、本の仕入れのコトや棚づくりについて、いろいろ聞く。仕事とはいえ、やっぱり深いところまで考えているんだなあ。つくづく思うのだが、新刊にしても古本にしても、ぼくはいつまで経ってもプロの目で見ることはできないママだろう。それで行くしかない、とも思う。何人もに説明したのでやや疲れ、ウチに帰って少しヨコになる。


本駒込図書館文京区)で本を探し、久しぶりに〈千尋〉へ。待ち合わせから30分遅れて旬公がやってくる。今日は彼女の誕生祝い(誕生日は明日)なので、文句も云えない。焼酎のお湯割りを飲みながら、境港で獲れた鰆の刺身サザエのつぼ焼き、だし巻き卵などを食べ、旬公はウニ丼(高いぞ)、ぼくはミニ海鮮丼でシメる。当然、大満腹であった。


そのあと、テレビニュースを見たり、「書評メルマガ」を編集したり、日記を書いたりしていると、2時前になった。読みたい本が溜まっているのだが、なかなか手が伸ばせないなあ。


【今日の郵便物】

★古書目録 趣味の古書展

四季書房より 小林信彦『夢の街その他の街』(文藝春秋)2000円

小林信彦の純文学作品短編集は、これ以外は全部読んだ。図書館でも見つからなかったので、手に入って嬉しい。装幀は平野甲賀

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2005-03-14 オフノートのライブにへとへと

疲れているのに、なかなか眠れない。6時ごろまで転転とする。《インソムニア》な気分である。それでも朝はやってくる。バスで区役所に行き、健康保険証の件で相談。健康保険料は住民税との関係で決まるから、その説明を聞きたかったのに、「住民税はもう決定してますから」の一言で説明をすっとばされる。もちろん、これまでほったらかしにしておいたコチラが悪いのだが。


区役所前の蕎麦屋でカツ丼食べて、バスに乗る。いつもの西日暮里駅行きではなく、三河島経由の日暮里駅行き。違う路線のバスに乗ると、トクしたような気分になる。日暮里から秋葉原乗換えで、市ヶ谷へ。仕事場に着くと、アマゾンからムーンライダーズの[アマチュア・アカデミー~20th Anniversary Edition~ ]と[No.9 ]が届いていた。前者は、オリジナルアルバムと、ライブシングルバージョンが入ったディスクの2枚組。後者は、映画東京ゴッドファーザーズ》(観てない)のテーマ曲らしい。この二つを聴きながら仕事ゲラ直し、メールの返答、取材の依頼、新書の構成案、「本コ」最終号の企画、「書評メルマガ」の編集など、いくつも同時並行でやったらアタマが痛くなった。


5時半に出て、吉祥寺へ。〈MANDA-LA2〉でオフノート主催のライブを聴くのだ。会場前に来たら、数人が待ってるだけで、誰も並んでない。「さかな」のときは、この時間にはもう50人以上並んでいたのだが。ちょっと拍子抜け。『ぐるり』の五十嵐さんが来て、あまり待たずに、会場に入る。今回はテーブルがいくつも並べられ、椅子もパイプ椅子じゃなくて木の椅子だ。満席で50人程度だろうか。客の立場では、ゆったり聴けるのはアリガタイけど、出演者が15人もいることを考えると、コレで成り立つのかと心配せずにはいられない。開演前に〈古書ほうろう〉の宮地夫妻もやってくる。


日の出演は、ウタタネ(薄花葉っぱの3人娘+水晶+小暮はな)、いとうたかお鈴木翁二の3組。これに、渡辺勝ピアノギター)、関島岳郎(チューバリコーダートランペットなど)、中尾勘二(ドラム)、船戸博史(ベース)、honziヴァイオリン)、ウエッコ(ギター)、山田吉育(ブルースハープ)がぶっ通しでバッキングする。今回の印象は、ウタタネ=△、いとうたかお=◎、鈴木翁二=△だった。ここで細かく書くことはできないが、ウタタネは5人のコーラスという形式を生かしきってナイのではと思ったし、鈴木翁二は(あれが個性なのはたしかなのだが)ハナシも曲も長すぎる。いちばんヨカッタのは、はじめて聴くいとうたかおだった。力づよい、ストレートな歌い方に、バックもよく応えていた。今日の渡辺勝は何曲かでエレキギターを弾いていたが、なんだか独特な弾きかたでオモシロかった。休憩はほとんどなかったが、それでも7時半開始で、終わったのは11時だった。オフノートライブは、中身が濃いのだが、いつも長すぎる。関西在住のミュージシャンが多く、スケジュールを合わせるのが難しいなどの理由はあるんだろうけど、2組で長くて2時間半ぐらいが、ライブハウスでの限度じゃないかなあ。疲れました。


出口で、神谷さんから、いとうたかおライブ盤[Folk of Ages](これはオフノートではなくMIDIから出たもの)を買う。ウタタネのCDは制作が間に合わず、4曲入りのCD-Rを客に配っていた。五十嵐さん、宮地さんと別れて、中央線新宿、そして西日暮里へ。帰ったら12時過ぎていた。そのあと、「本のメルマガ」の原稿を書いたら、2時過ぎた。さすがに眠くなってきたぞ。


【今日の郵便物】

赤田祐一さんより 飛鳥新社の新刊、スケートシング『涙の怪獣パーティー

これ、ウルトラ怪獣を使いながら、まったくオリジナルな世界をつくってしまったというすごい奇書なのだ。ちゃんと読んでからまた紹介します。

★今柊二さんより 『ガンダムモデル進化論』(祥伝社新書

順調に売れているそうで、なによりです。

★古書目録 荻文庫、古書めぐ里(書林かみかわ)

★『ちょうちょぼっこ図書目録』第5号

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2005-03-13 三鷹のハナシが長くなって

昨夜遅く、風呂に入ったとき、剃刀であごの下を切ってしまった。よくあるコトなのだが、切り方が悪かったか、けっこう血が出た。旬公が眠っているヨコで、ティッシュを出血場所に当ててしばらく待っていたが、いっこうに止まらない。軟膏を塗りこみ、バンドエイドを貼ったらようやく止まった。ちょっとアセった。


11時前に出て、新宿で乗り換え、三鷹へ。ちょっと時間があるので、南口の通りにある〈三鷹書房〉という小さな書店にはじめて入る。どうせ、ありきたりの品揃えだろうと思っていたら、かなり地味な版元の新刊があったり、地元の書き手である西江雅之さんのコーナーがあったりと、なかなかあなどれない。POPの立て方も、ドコがどうというのではないが、ちょっとオモシロイ。吾妻ひでおの失踪時代の投稿が紹介されているという、『ニッポンの投書』(宝島社)を買う。


そのままズーッと歩き、〈上々堂〉へ。開店時間の12時ジャスト長谷川さんが入口にマットを敷いていた。店内で「古書モクロー」という棚をやらせてもらっているので、もっと頻繁に来て、本の補充をしたいのだが、西日暮里在住者にやはり三鷹は遠く、この間来てからもう2カ月経ってしまった。岡崎さんやハルミンさんほどではないが、少しずつ売れており、今日はじめて精算分をもらった。ストックしてもらっていた本は、もう全部棚に出してしまったというので、急いで補充しなければならない。ほうろうの方もやらなきゃならないし、けっこうタイヘンだ。岡崎さんの棚から小谷野敦片思いの発見』(新潮社)、ほかにウェストレイクの文庫を2冊買って、店を出る。


三鷹に戻る途中、さっきの〈三鷹書房〉の隣に、〈江ぐち〉という看板があるのを見かけた。そういえば、「大阪のチン」こと前田くんが東京に来たとき、「あの〈江ぐち〉は久住昌之が書いている、あの店ですね!」とハフハフ騒いでいた。たしかに、久住昌之がこの店の名前を冠した長ったらしいタイトルの本をずっと前に出していて、ぼくも読んだような気がする。で、入ってみることにし、ビルの地下に降りる。入った瞬間、「ここは大丈夫だ」という安心感を覚える。食券販売機もなければ、うるさい貼り紙もない。水もセルフじゃなくて、おばさんが水道水を汲んで出してくれる。12、13人座れるカウンターは満席で、2人が待っていたが、スグに座れた。チャーシューメンを食べたのだが、硬めに茹でた麺といい、あっさり味のスープといい、小さく切ったチャーシューとタケノコといい、「ごくフツーにうまいラーメンを食べた」という満足を味わえた。店の人も、過剰に声を張り上げたり、客に何かを押し付けたりせず、自然に応対している。ああ、いい店だったなあ。食べ終わって外に出て、コレから三鷹に来たらこの店だな、と一人合点する。


駅前のなんだか横文字のビルに入り、〈啓文堂書店〉で、大倉崇裕『やさしい死神』(東京創元社)を買い、地下の食品売り場で、饅頭や桜餅を買う。一個50円。せっかく中央線まで来たので、吉祥寺ジャズ喫茶とか、西荻古本屋に寄りたいという「せっかく欲」がうずくが、ココでどこかに寄ったら、ウチに帰るのは夕方になるので諦める。切符を買って改札を入ったら、携帯で話しながら歩く女の子が小銭入れを下に落とした。まったく気づかずにそのまま行ってしまうので、拾って急いで追いかけて渡した。すると、ビックリした表情になり、「ああ」と云って去っていった。まるで、自分のモノをしもべが拾うのはトーゼンであるかのように。いっそのこと、「姫、落としましたぞ」と片膝ついて渡すべきだったか。


やたらと三鷹のハナシが長くなったが、ウチに帰ったのは2時前。まだ時間はある。自転車南千住図書館へ。席を取って、『ユリイカ』のゲラを見る。この原稿が載るブログ特集のことは、すでに多くのブログで話題になっているが、そこにそのまんま日記の延長のような文章を載せてしまって大丈夫だろうかなどと悩み、直すのに時間がかかってしまった。そのあと、パソコン聞き書きのまとめ。いくつか資料を参照する必要がある。こういうとき、蔵書の豊富な図書館にいると便利だ。そうこうしてると閉館。自転車図書館への往復をするとき、なるべくはじめての道を通るコトにしている。今日も、行き当たりばったりに走っていたら、三ノ輪に抜けるガードにぶつかった。荒川区役所脇の定食屋〈三岩〉で、ほうれん草のおしたしなどで、チューハイを飲み、ウチに帰る。


疲れたので、少しヨコになって眠り、晩飯(ブタ肉とにら炒め、あさりとしめじスープ)をつくって、テレビ映画インソムニア》(アル・パチーノ主演)を観る。じめじめ。アラスカの陰鬱な街を舞台にしたからこそ、成立した映画だろう。「不忍ブックストリート」に関して、ごく簡単な文書しかつくっていなかったので、正式な企画書を書く。なるべく短くしたかったが、不特定多数の人に意図を伝えるためには、どうしてもある程度の分量が必要になる。書いては削除したり直したりして、2時間掛かってしまう。そのあと、メールを書き、この日記を書いたら、もう2時だ。土日で終らせるツモリだったノルマの半分しかできなかった。もっと時間がほしいなあ。

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2005-03-12 先達への敬意と恨み

風邪で寝込んで以来、就寝のペースがなかなか元に戻せない。昨夜も寝たのは4時前だった。10時に起きて、午後の打ち合わせに備えて、資料を読む。いつか買っておいたハズのチェコ語-日本語辞書が見つからず、プラハ旅行のときに買ったポケット版のチェコ語英語辞書を引く。専門的な単語が載ってないので、あくまでもイメージをつかむための作業だ。


電話が鳴り、ファクスを受信するが、プリントが出てこない。パネルには「シアンとマゼンタのインクが切れています」と出ている。このファクスでモノクロしか使ってないハズなのだが。補充するのはイイとして、それを完了するまでは、モノクロの紙一枚でもプリントできないようなのだ。マニュアルを見ても、この指令を解除するやりかたはドコにも書いていない。なんと杓子定規なしくみであることか。最近の家電はどんどん機能が複合的になっているが、そのためにかえって、ひとつの機能が故障すると、ほかも一緒にフリーズしてしまうらしい。「使わない機能のコトを忘れて、とりあえず一番単純な機能だけが使えるモード」を、ぜひ用意してほしい。


今日届いた五反野の〈四季書房〉の目録にぜひ欲しい本があり、先着なので、あと5分で出かけなければという間を縫って、注文ファクスを書いたのだが、これも送信できない。悪態をつきながら、ウチを出て、駅の改札でラデクと会い、近くのコンビニからファクスを送信。一安心して、〈カフェ・ド・パルク〉へ。P社のOさんとの3人での打ち合わせ。今日はラデクがチェコサイトで調べてきたコトや、渡しておいた資料の概要をその場で説明してもらう。資料はプラハへの旅行以来、ずっとぼくの手元にあったが、チェコ語が読めないので、そのママほったらかしになっていたモノだ。やはり宝の山だったと、確信する。チェコの関係者に問い合わせのメールを送るコトも決まり、どうやら、一歩前進である。


一度ウチに帰り、山手線品川へ。高輪プリンスホテルのヨコの坂を上がり、〈書肆啓祐堂〉へ。最終日前日、林哲夫さんの展覧会「読む人」に間に合った。この店は前面が古書、奥がギャラリーになっている。展示スペースは小さめだが、素描をたくさん並べるという、今回の展覧会にはふさわしい会場だったかも。絵葉書セット(500円)をふたつ買う。男性が「南陀楼さんですか」と声をかける。「モクローくん通信」の読者のOさんだった。大学図書館に勤務されているというコトで、情報電子化のことなど少し話す。帰り際に、吉田勝栄さんが来た。芳名帳を見ると、昨日か今日、ハマびんこと濱田研吾くんも来ている。盛況ですな。古本を見ようと思ったが、店の常連らしい方々が座って店主と話している、ちょっと苦手な雰囲気なので、ざっと眺めて店を出る。もうちょっと置いてある本が(ぼくにとって)魅力的だと、足を運ぶ回数が増えるんだけど。高輪台の駅近くにある、昔ながらの〈石黒書店〉の外で均一台を眺め、中に入ると、なんとなく落ち着いた。


都営浅草線新橋に出て、土橋(小沢信男さんが生まれたアタリだ)の方向へ歩く。銀座八丁目を歩いていると、狭い路地があり、そのナカに〈第二くまゴロー〉というラーメン屋が。昼飯を食べ損ねて腹が減っていたし、オモシロそうなので、入ってみる。奥に細長いつくりで、あまりキレイな店ではない。相当のご高齢らしき店主の受け答えも明快でなく、ちょっと心配。ビールを飲むうち、シューマイが登場。肉がつまってプリプリしている……ものではなく、シューマイの皮が全体を制しているような変わったもの。決してまズくはないのだが、微妙な味。今回はラーメンを食べずに店を出たが、うまいんだろうか? 有楽町駅まで歩き、〈ビックカメラ〉でファクスのインキを買う。ポイントだけでまかなえた。山手線でウチに帰る。


今度は自転車でお出かけ。〈オヨヨ書林〉に行き、昨日ネットで注文した本を受け取る。大瀧啓裕『魔法の本箱』(青土社、1994)。オビの背に「ビブリオマニアの蒐書日誌」とある。しかし、ナカを見ると、『ユリイカ』の連載をまとめたものであり、『奇想天外』のように日録っぽい文章ではない。やはりあの連載は本になってないようだ。残念。ただ、この本はこの本でオモシロそう。ところでこの本、オヨヨさんではなく〈古書桃李〉に注文したのだが、桃李さんの事務所オヨヨの2階にあるので、下に取り置いてくれたのだ。オヨヨさんの店は、もともと桃李さんの店舗であり、その時期からオヨヨさんの本が委託で置いてあった。そして、オヨヨさんの店として開店したあとも、ときどき桃李さんが店番していて、来る人を混乱させた。イマでも、この二軒の関係をワカってないヒトは多いようで、ぼくもたまに訊ねられる。今日はほかに数冊、オヨヨさんの棚から買う。


次に〈往来堂書店〉に寄り、岩田次夫同人誌バカ一代』(久保書店)と、今日発売のDVDマガジン渥美清の泣いてたまるか』(ディアゴスティーニ)を買う。後者は昭和41年放映のテレビドラマDVDを各冊につけたパートワークだが、テレビCMを見て、ちょっと欲しくなった。一冊目だけ特別定価790円だったので、買ってみる。そのあと、〈古書ほうろう〉へ。こう書くと、いつものごとくの本屋めぐりだが、オヨヨ、往来堂、ほうろうの三軒ともで、それぞれ「不忍ブックストリート」についての相談をした。メーリングリストでも毎日意見交換しているが、細かいところは直接あって話すほうがやはり早いし、たしかだ。その点では、主催の三店をまとめて自転車で回れるのが大きな利点である。


サミット〉で食料を仕入れて帰り、晩飯をつくる。今日はトマトとベーコンのパスタと、アサリのスープ。我ながら、よくできた。原稿を書き始めたいのだが、その前にメールやら、「書評メルマガ」の編集やら、いろいろ雑用がある。書棚から、まとめて置いてある『奇想天外』の最終号(1981年10月号)を取り出し、大瀧啓裕の「BOOK WORM」を見ると、「来年どこかの出版社から刊行される拙著『書斎の中の冒険』」とあった。思いだした! 当時この文章を読んで、しばらくの間、律儀にこの本が刊行されるのを待っていたのだ。いま、このタイトルで検索してもヒットせず、やはり刊行されなかったと思われる。いまからでも、ドコかの出版社が出しませんか(ちくま文庫とか)。ネットオークションなどで「コレクションとしてモノを買う」行為がフツーとなったいま、1980年代初頭の先駆者の足跡をたどってみるのは、ムダでないだろう。最終回の結びは、こうだ。


参考文献は値段のはるものが多いが、自分に必要な書物は値段を気にせず思いきって入手すること。これが集書の骨法でもある。思いきりと気長さと神経の図太さが必要である。ちなみにわたしが今年になって八月七日現在までに入手したのは、雑誌ペーパーバックを除き、洋書が一一三冊、和書が二二〇冊、借金をも含めると書籍代はおよそ一七二万円になる。どうやらこれは立派な病気であろう。合掌。


中学生のときにこの連載に、そして、高校大学にかけて、『BOOKMAN』に連載された荒俣宏の「ブックライフ自由自在」に出会ったコトが、ぼくが古本の海にどっぷり首まで使って溺れることになるキッカケだったのかもしれない。すっかり忘れていたが、どうやらそんな風に思えてきた。先駆者たちに敬意を表すとともに、アンタたちのおかげで「立派な病気」になったんですよ、と恨みのひとつも云いたくなった。


【今日の郵便物】

★古書目録 四季書房、シンフォニー古本まつり岡山

後者は、グーゼンにもぼくが岡山経由で出雲に帰る日に重なっている。……行くか。

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2005-03-11 古本ではじまり、古本で終る

朝10時に出て、古書会館へ。今日は城南展。相変わらず初日の人込みはすごいが、それでも今日はワリとじっくり見ることができた。いつもよりオモシロイ本が出ていたような気がする。最近、谷根千エリアの郷土史に興味を持ちはじめているので、台東区編『台東叢書 下谷・浅草町名由来考』(1967)3000円を見つけて、買うことに。あとがきに、協力者として喜多川周之の名前があり。ほかに、別冊奇想天外『SFマンガ全集』の1と2、堀川直義『面接紳士のブン屋紳士録』(秋田書店サンデー新書)1000円を。後者は、新聞記者あがりの心理学者(だから「面接紳士」らしい)が、自分が出会った作家政治家について書いたもの。タイトルはなんだか判らないが、中身はオモシロそう。久しぶりに、ある程度の古本を買ったという手ごたえがあった。


そのあと、〈田村書店〉の前に行くが、雨が降っているので、均一箱がビニールシートの奥に入っている。そこに昨日買い逃した『季刊藝術』が何冊か見える。手を突っ込んで取ろうかなと思ったが、田村だし、うるさいかなと思ってヤメておく(この古本好きの風上にも置けぬ軟弱者が!)。彷徨舎に寄り、伝言広告欄(1ページを8分割している)に1ワク出す、「不忍ブックストリート」の広告版下を渡す。広告料は原稿料から引いてもらうコトに。ちょうど、青木正美さんがいらしていたので、「テレビアド街ック)見ましたよ」と話す。〈エリカ〉の一本北の通りにある中華料理屋(名前忘れた)にはじめて入り、きくらげ炒め丼(700円)を食べる。なんのヘンテツもない料理だが、ちょうどイイ感じにうまかった。仕事場へ行き、次号の依頼状を書いたり、決まってない部分を話し合ったり。


6時過ぎに出て、高円寺へ。昨日『Hot Wax』のコトを書いたら、『ぐるり』の五十嵐さんが「〈高円寺文庫センター〉にありましたよ」と教えてくれた。で、店内をくまなく探したのだが、見当たらず。その時点で雑誌名もうろ覚えになっていたが、レジで訊いてみたら、ついさっき売り切れて入荷待ちだとか。塩山さんからも神保町で置いてある店を聞いたので、そっちで買おう。いま、吾妻ひでおの『失踪日記』が品薄状態で、あちこちのblogに「手に入らない」という嘆きが書かれているが、たまに、ライトな飢餓状態を体験すると、欲望が喚起されて新鮮ではある。カフェではなく、あえて「純喫茶」を50ページも特集した『ミーツ・リージョナル』4月号を買う。取り上げている店の数が、ハンパじゃないぞ。


近くの〈大将〉に入り、ビール焼き鳥、煮込み。この店は、ほかの支店に比べて広いし、メニューも豊富な気がする。そのあと、〈コクテイル書房〉の「上野茂都ナイトこりゃたまらん、と」へ。店内でポスター展覧会を開催中の〈興居島屋〉の石丸澄子さんが、上野さんの大ファンで、実現した企画。ほぼ満席だったが、石丸さんが譲ってくれて、座れた。あとからオヨちゃんも来ていた。上野さんの三味線と歌は、何度かライブで聴いているが、大きいところよりもこれぐらい小さな場所のほうが、微妙なニュアンスまで聞き取れるし、飲んだり食べたりしながら聴くほうが、歌詞が身に染みる気がする。いわしのつみれやワンタンを食べつつ、キャベツの芯やおでんをうたった歌を聴くのは、なかなかオツである。目当ての「ふるほん節」ばかりか、『おに吉』1号掲載の渕上純子作「古本屋のうた」も聴くコトができたのは、ラッキーだった(石丸さんによれば、後者は今年出るふちがみとふなとアルバムに収録が決まったそうだ)。


9時半に店を出て、ウチに帰ったのは10時半。二日前に届いていた、「本のバザール」展の目録を見る。古書会館で3月20日から開かれる、新しい展覧会。〈ポラン書房〉さんら浦和伊勢丹のメンバーをコアに、イキのいい古本屋が集結。小エッセイあり、日記風ありで、愉しんでいる様子がうかがえる。〈港や書店〉の特集「実録・駅前団地」はわずか2ページだが、スゴイ。(遅れに遅れているけど)今月中に出す「モクローくん通信」の大賞は、この目録に決定! 最近では珍しく、一日中、古本を中心に動いた日だった。

【今日の郵便物】

★『レモンクラブ』4月号

今月の書評は、藤岡大拙『出雲人 改訂版』(ハーベスト出版)。隠し味に、殿山泰司日本地図』(角川文庫)を挿入。「凡人回想録」に、塩山さんが話者となった、先日の「BOOKMANの会」の模様が。濱田研吾くんが「高橋悦史にそっくり」とか、「M社のKさん」を「男殺しタイプのああいう美女」などと。

うらたじゅんさんより 『虚無思想研究』第19号

特集「小野庵保蔵」。うらたさんのイラストと絵「帰郷」。これは連載なのかな?

★古書目録 本のバザール展、夢の絵本

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2005-03-10 時間が素早く過ぎていく

朝、小沢信男さん宅へ。打ち合わせがてら、雑談。先日行なわれた「新日本文学」解散パーティーの模様を聞く。ぼくも招待状をいただいていたが風邪やら何やらで、すっかり忘れていた。大西巨人さんのハナシがよかったそうだ。12時前に辞して、仕事場へ。午後、昨日発生した問題について、電話で話し合う。雑誌編集者責任の重さを痛感させられる出来事だった。自戒しよう。


夕方までアレコレやって、出かける。神保町書店を回る。〈日本特価書籍〉で、ちくま文庫の新刊の田沢竜次『B級グルメ大当りガイド』を買う。田沢氏と云えば、「B級グルメ」というコトバをつくったヒトと云われ、食だけでなく「B級的なもの」に目をつけた先駆者として、串間努さんが尊敬する人物である(「sumus」11号のインタビュー参照)。今回の本は、『ヤングアニマル』での長期連載をまとめた文庫オリジナル。解説はトーゼン串間さんだろうなと思ったら、なぜか解説ナシでちょっと拍子抜け。


久しぶりの〈書肆アクセス〉で、『歸らざる風景 林哲夫美術論集』(みずのわ出版)サイン入りを買う。静かだけど、存在感のある装幀。本体をくるんでいる秩(巻き秩)に、タイトルが箔押しされている。この紙の手触りがイイね。畠中さん、ご両親の具合が悪かったようだが、お二人とも快方に向っているということで、まずはヨカッタ。〈書泉グランデ〉で、塩山芳明さんが「日活ファン号泣させてる(俺も)」とホメた、シンコーミュージック(http://www.shinko-music.co.jp/)が発売元の新雑誌『Hot Wax』を探す。サイトによれば、「1970年代日本映画ロック歌謡曲が手軽に読めるカルチャー誌」というコトで、安田謙一さんも執筆している。遅まきに探したのだが、見つからず。サイトでは「品切れ」とあるし、ドコで探せばいいんだろう?(〈ディスクユニオン〉にもなかった)。


〈田村書店〉の均一コーナーの前を通ったら、どっかで見た表紙の雑誌が。古山高麗雄が編集していた『季刊藝術』だ! 20冊以上あって、一冊100円だ。飛び飛びに数冊持っているのだが、どの号を所持しているか、いますぐには判らない。それで表紙を見て、持ってなさそうなのを(自信なさげに)10冊ほど抜き出す。もっと買いたかったが、この雑誌、B5判で一冊の重量がハンパじゃないのだ。


隣の〈ぶらじる〉に入り、コーヒー飲んで待つウチに、濱野奈美子さんと編集者のYさん到着。Yさんが企画するムックに、何かアイデアが提供できないかというお話。具体的な企画というよりは、古本ミニコミの現状について、ぼくなりのまとめかたでレクチャーするカタチになった。2時間近く話して疲れたけど、あるテーマについてあまり知らないヒトに対して判るように話すと、自分の考えを整理するコトにもなるので、タマにはやっておくとイイかもしれない。


ウチに帰ると、さっき買った林さんの新刊を、ご本人が送ってくださっていた。嬉しい……が、どうしていつも、タイミング悪く本がダブるんだろうな。テレビジャッキー・チェン(久々に香港で撮った新作が公開、ということで、ここのところ、各局で旧作をやっている)の《酔拳》を見はじめるが、冒頭の10分で睡魔が襲う。一時間ほど眠り、晩飯(ホッケ開き焼き、大根味噌汁)をつくって食べる。一月以上溜まっていた新聞雑誌をくくって出し、さて、今日買ってきた本をナニか読もうかな、と思っているうちに、日付けが変わってしまった。とにかく、時間が過ぎていくのは早すぎる。

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2005-03-09 あちこち奔走、もろもろ心配

ここのところ、夜にぐっすり眠ったという気分がなかなか味わえない。今朝は取材があるので、朝8時に起きて、千代田線に乗る。下北沢小田急線に乗り継いで、ある駅で降りる。そこで『進学レーダー』のIさんとカメラマンと待ち合わせ、K学園へ。図書館の取材。ここは中高一貫の女子校だが、学校指定の制服がナイので、生徒の半分が私服、半分がいろんなタイプ制服を着ている。ナカにはおいおい、マズイんじゃないの、と思うぐらい短いスカートの子もいた。制服マニアにはたまらない学校かもしれない。


一足先に学校を出て、下北沢井の頭線に乗り換えて、渋谷へ。マークシティのヨコにある立ち食いそば屋でおろし山菜そばを食べる。〈旭屋書店〉に入り、三省堂百科辞書編集部編『婦人家庭百科辞典』上・下(ちくま学芸文庫)、藤田嗣治『腕(ブラ)一本・巴里の横顔』(講談社文芸文庫)を買う。いずれも『文学界』で狐氏が書評していた本。今日は、なんとなく本を買いたい気分だったのだが、店内を隅から隅まで回っても、ほかに買っておきたいという本は見つからなかった。もっとも、上の3冊だけで合計5000円を超えてしまった。


ココで、『ifeel』の大井さんと待ち合わせ、駅近くのビルの喫茶店に入る。先日渡した原稿の図版として使う雑誌を、数冊渡す。コレ以外の雑誌は、大井さんが自分で古本屋を回って探してくれるそうだ。ご苦労さま。中学一年生のぼくの投稿が載っている『奇想天外』を見せると、ウケていた。自分ではあまりの幼さに、シラフでは読み返せなかったのだが。電車のナカで、この『奇想天外』を読み返し、小説以外の評論、コラムエッセイがいかに充実していたかを、改めて感じた。なかでも、翻訳家の大瀧啓裕が海外の古書店や書物のコトを書いていた連載「ブック・ワーム」に、多大な影響を受けたコトを思い出した(いつか本にまとめてほしいと思っていたのだが、まだ単行本化されてないようだ【注】)。


1時半に出て、大井さんと別れ、池袋駅経由で東武東上線の某駅へ。ここでは男子校のJ中学高校の取材。午前中とはタイプが正反対の図書館で、オモシロかった。終わって、途中にあった古本屋を覗き、そこでIさんと別れて、ウチに帰る。一日中、動き回ったので、ぐったり疲れた。しかしあまり休むヒマもなく、8時に不忍通りの〈ジョナサン〉へ。「不忍ブックストリート」の会議


今日は夜に大事な電話をかける用事があったので、早めに切り上げたいと思っていたが、そうは問屋が下ろさない。イラストマップに入れる店の場所の確認だけで、4時間かかる。その間、某新聞記者に、この企画の趣旨をお話しする。地図の確認が終わったあとは、印刷や地図以外の要素のハナシが続き、気がつけば1時過ぎていた。いちおう解散し、宮地夫妻とぼく、旬公は残って、遅い晩飯を食べる。覚悟していたとはいえ、ファミレスのメシはやはりマズい。体調が悪いこともあったのだが、食べ終わって、ウチに帰るときに吐きそうになった。帰ってすぐ寝ようとするが、もろもろの心配事があって眠れず。一度も熟睡しないまま、うつらうつら過ごしているうちに、朝になった。


【注】翌日、オンライン書店で検索すると、『魔法の本箱』(青土社、1994)という本が見つかった。コレだけだと内容が判らないなあと、「日本古本屋」で検索すると、この本があり、「ビブリオマニアの蒐書日誌」という副題(?)も載っていた。『奇想天外』の連載をまとめたものかどうかは判らないが、注文してみるコトに。

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2005-03-08 扱いに困る「雑誌熱」

朝、「一箱古本市」の広告版下を〈谷根千工房〉に持って行き、サトコちゃんに渡す。工房の近くの坂にタムロしている高校生の集団がジャマだった。団子坂のおにぎり屋(ココは種類が多い)でおにぎり買って、仕事場へ向う。今日は16号(最終号)の会議。いくつか案が出るが、決定には至らず。とりあえず先に、ぼくが自分で書くルポの準備にかかろう。『ifeel』の原稿、書き上げて送る。字数が短くてまとめに苦しんだが、楽しい仕事だった。昔の雑誌について書くのは、どうしてこんなに楽しいのか。


6時ごろ出て、一度ウチに帰り、自転車日暮里図書館へ。小腹が減ったので、近くの立ち食いそば屋で、コロッケうどん。歯ごたえある麺で気に入った。図書館で『谷根千』のバックナンバーをコピーしたり、『文学界』の新しいのを読んだりする。狐の文庫本書評を読んで、買うかどうか迷っていた、ちくま学芸文庫から復刻が出た『婦人家庭百科辞典』全2巻を買うコトに。やっぱりこのヒトは、紹介がうまい。


ウチに帰り、ちょっと休んでから晩飯(大根味噌汁とブタ肉キャベツ炒め)をつくって食べる。まだいくつか原稿が残っているが、一息入れられるようになったので、溜まっていた古書目録をまとめ読み。雑誌について書いたら妙に「雑誌熱」が高くなり、角川書店の『バラエティ』(1977〜83)の全揃いを注文してしまった。まだ貰ってない『ifeel』の原稿料が、一撃で吹っ飛ぶ。もし当たったら(って、書くところがヘンだけど)、ドコに置けばイイんだろう? それにしても、考えてみたら、古書展目録で注文するのは2カ月ぶりだ。このところ大人しくしてたのだが、そろそろ古書展通いを復活してしまうかも。


【今日の郵便物】

★古書目録 五反田遊古会

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2005-03-07 二週間ぶりの神保町

2時間ほど寝て目覚めたら、10時半。やばい、今日は「本コ」の発送作業の日だ! と慌てて出かける。仕事場に着いたら、作業開始が1時だと知ってがっくり。途中まで書いていた『ぐるり』の原稿を仕上げる。今回は渡辺勝について。発送作業を終え、昼飯を食べてから、次号の連絡を取りながら、今度は『彷書月刊』の原稿にかかる。2時間ほどでどうやら書き上がる。おお、珍しく今日は2本も書いたぞ(ライターならフツーの仕事なんだけど)。


6時前に出て、神保町へ。先週はずーっと臥せっていたし、その前もしばらく行ってない。いま確かめたら、この前行ったのは2月21日だった(〈ラーメン二郎〉にヘキエキした日)。アレから二週間も行ってないとは、ちょっと信じられない。〈日本特価書籍〉で2冊、〈高岡書店〉で4冊買ってから、日本古書通信社へ。樽見さんと雑談。奥から八木福次郎さんが出てきて、4月21日〜24日に古書会館で「古本屋が書いた本」という展示をやるコトになったと教えてくれる。戦前から現在まで、古本屋さんが自分で書いた本を一堂に並べるそうで、ギャラリートークもあるとのこと。


数日間、新刊書店を見てなかったので、〈書泉グランデ〉と〈三省堂書店〉を覗く。まだ体調が万全でなく、裏通りの古本屋まで回る気力はなかった。丸ノ内線の新御茶ノ水駅まで歩き、本郷三丁目へ。駅前の〈麦〉に入る。名曲喫茶なのに無音だし、議員候補の後援会かなにかで大人数のグループがビール飲んでるしで、すさんだ雰囲気。その中でこちらもビールを飲みながら、さっき買った日垣隆『売文生活』(ちくま新書)を読みはじめる。アタマの部分はこのヒトにしてはちょっとかったるいかな(と思ったら、4章に入ってから面白くなる)。


本郷4丁目にある、「谷根千ねっと」ウェブマスターの守本善徳さんの自宅で、オヨちゃん、ほうろうの宮地さんと、「不忍ブックストリート」のサイトについての打ち合せ。こないだは既成のブログサービスを使おうということに決まりかけていたが、守本さんにハナシをうかがううちに、「谷根千ねっと」と連携するメリットが大きいことが飲み込めた。そこで、守本さんの提供するシステムで、サイトブログ機能+α)を持つことに決定。オヨちゃんがデザインを少し直したうえで、今月半ばにはアップすることに決まった。近々URLを公開します。


オヨちゃんと湯島まで歩き、千代田線千駄木まで。〈千尋〉で晩飯をと思ったら、休みで残念。この辺は、10時過ぎると入れる店が少なくなる。〈蟻や〉でビールを飲みながら、古書業界のことなど、あれこれ話す。オヨちゃんがこの世界に入ったのと同じ、22、23歳の新人がまた出ているようだ。旬公も合流するハズだったが、ぼくの携帯で連絡がつかず、〈蟻や〉でおにぎりをつくってもらい、持って帰る。


旬公が『谷根千』に載せる「一箱古本市」の広告で格闘しているヨコで、菊地直恵『鉄子の旅』第1、2巻(小学館)を読む。まあまあ。そのあと、吾妻ひでお失踪日記』(イースト・プレス)を読みはじめたら、とまらない。何度かにわたるホームレスアル中の現実の経験を描いたものなのに、キャラクターストーリーも、まぎれもなく吾妻ひでおの作品そのものだ。いやー、コレはすごいぞ。そのあと、吾妻ひでおを特集した『Comic新現実』3号のインタビューを読むが、こちらはマンガほどオモシロくなかった(聞き手の大塚英志のせいか)。けっきょく、そのまま眠れず、広告が上がったのを確認してようやく眠ったのは6時過ぎ。ここんところ、昼夜逆転気味だ。


【今日の郵便物】

★古書目録 フジサワ湘南古書まつり、水曜荘文庫古本倶楽部、愛書会

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2005-03-06 四苦八苦にて脱稿

けっきょく寝たのは4時。12時前からズーっと無為に過したわけだ。しかも今朝になっても、書き出せず。もはや絶体絶命。金曜日の夜は楽天的になり、「土曜日に頑張ってアゲてしまえば、日曜日は〈啓祐堂〉の林哲夫さんの個展に行って、そのあと帰って、別の原稿に取り掛かって……」と思っていたのだが、まさにまさに取らぬ狸の皮算用であった。当然、〈啓祐堂〉には行けず、明日京都に戻るらしい林さんとも会えずじまい。午前中はちょっとだけ書きはじめるが、たちまち詰まり、ごろ寝に撤退。

昼飯も食わず、恒例の《噂の東京マガジン》も見ずに、頑張った。といっても、実際に書いてるのではなくて、寝転んで考えているだけなので、傍目には怠けているようにしか見えないだろう。旬公はさすがに呆れたか、外に出てしまった。4時になるちょっと前、ようやく「やるか」という気になる。確信もって書き出せたわけではないが、ときどき紅茶お茶を入れながら、ポツポツと書くうちに、どうやらこの方向でなんとか……という筋が見えてくる。これが見えたら、(まったくの方角違いでないコトを祈って)そっちに突き進むしかない。

10時までに18枚書き、旬公のつくった晩飯(小あじのてんぷらと、ふろふき大根)を食べてから、また戻る。あと2枚書いて、どうやら日付が変わる前には、書き上げることができた。20枚といっても、この日記からの引用を一部含むものだが。特集のカラーとあまりにも違うのではないだろうかと恐れつつ、編集のKさんに送信する(翌朝、OKの返事が来てホッとする)。


そのあと、本格的に眠ることができず、寝たり起きたりしながら、ミステリの続きを読んだり、次に書く原稿メモをとったりする。

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2005-03-05 何も進まず

どうもまだ、体の調子が悪い。と、すべてを風邪のせいにして、午後まで眠る。いやー、もう恐ろしいぐらい眠れるぞ。そのあと起きるも、原稿に取り掛かれる気持ちではなく、『シャインニング』の続きを読む。


夕方、本駒込図書館文京区)と谷中コミュニティセンター台東区)に行き、本を返す。後者は、土曜日でも夜9時まで開いているのが、ありがたい。今日返した本に、松村喜雄『乱歩おじさん 江戸川乱歩論』(晶文社)がある。乱歩を叔父にもつ著者による乱歩論で、デビュー以来の全作品の解読と、身近にいた者としての回想がバランスよく織り込まれている。なお、乱歩の「怪人二十面相」シリーズに出てくる小林少年フルネームは「小林芳雄」であり、乱歩は甥である著者の表記を「松村芳雄」と勘違いしていた。そこで「私は、自分が小林少年モデルなのでは、という気持を長く捨てることができなかった」そうだ。それを乱歩に尋ねることはせず、自分だけの思いにとどめていた、というのもいい。


10代の後半、乱歩邸に通って探偵小説のハナシを聞いた仲間に、花崎清太郎という人がいた。のちに花咲一男として風俗史の本を書く人物だ。彼は乱歩邸で男色関係の文献を見せてもらったという(『雑魚のととまじり』近世風俗研究会、という本のナカにそのことが出ているようだ)。また、著者の出征を見送りに来たときに出会ったのが縁で、乱歩と江戸庶民文化研究者岡田甫の交流が始まったというのも、オモシロイ。


その頃、岡田氏は早稲田グランド坂上で「オランダ書房」という古本屋を開業していた。そこが一種の社交場となり、私などは昼食、夕食を御馳走になって、一日中駄弁っていた。岡田氏は江戸文学のみならず、内外の文学にもくわしく、とくに探偵小説は活字になったものはほとんど読んでいるほどの探偵小説通であった。


本書は、松村氏があとがきも含む原稿をすべて書き終えて、亡くなったあとに刊行されたもの。その事情を記す山前譲氏の解説に、松村氏が推理小説を書いているとあった。それで、先日、町屋図書館で検索して、やはり没後に出た、『ふたりの乱歩』(コスモノベルス)というのを借りて読んでみた。しかし、これが驚くほどつまらない。乱歩の作品を読み込んだ上で、ミステリを書こうとしている努力は伝わるが、ハナシが突然飛んだり、伏線がまったく張られてなかったりで、ミステリ云々よりは、物語として成立してない。結末まで読まずに放り出してしまった。本人がきちんと推敲する前に亡くなったのだろうか(だったら、別の誰かが手を入れるべきだったのでは)。乱歩をテーマにしたものとしては、もう一作『江戸川乱歩殺人原稿』という作品があるらしいが、そちらはどうだろうか。


ウチに帰っても、書くにいたらず。明日早く起きて書く、と決めて、寝てしまう。ところが、眠れないは、なんか気持悪くなってちょっと吐いたりするはで、タイヘンだった。そんなイヤな気持ちになるぐらいなら早く書けば、とヒトには云われるし、自分でもいつもそう思うのだが、最初のキッカケがつかめないので、苦しむしかない。

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2005-03-04 おずおず復帰

今日は4日ぶりに仕事場に行く日……なのだが、外を見ると雪が激しく降っていて、気後れさせられる。それでも、11時には出発。仕事場に着くと、『季刊・本とコンピュータ』15号の見本が出ていた。今回ぼくが担当したのは、枝川公一さんのエッセイと、辺見じゅんさんのインタビュー、新刊書店員紀田順一郎さんの座談会。山崎浩一さんの連載、今回は小学館の学年別学習雑誌を。いよいよ次が最終号である。


休んでいたあいだのメールに返事を書いたり、次号の企画を立てたり、原稿依頼の電話を受けたりしてると、7時過ぎた。まだ本調子じゃないらしく、座っているだけで節々が痛い。おまけに、駅に向って歩いているときに、横腹の筋肉が吊ったような感じになり、元に戻すまで苦労した。塩山芳明さんが日記http://www.linkclub.or.jp/~mangaya/nikkann.html)で、しばらくぼくの日記がアップされないから、死んだかと思い、「嫌われ者の記」で追悼文を書く予定だった、とのたまっているが、ホントに死ぬかもしれないので、そのときは漫画屋から追悼文集を出版してくださいネ。


ウチに帰り、昨夜から読みはじめた、スティーブン・キングシャイニング』上巻(文春文庫)の続きを。例のホテルに冬が迫ってくるシーンに差し掛かったので、今日はムード満点(すぎる)。戯れ句をひとつ。「雪の日や お布団で読む シャイニング」。……まだ、あんまり社会復帰してないカンジである。明日は頑張って一本原稿を書き上げよう。


【今日の郵便物】

★古書目録 城南展、矢野書房

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2005-03-03 布団が友達

これでもう4日間、寝込んでいる。ちょっと調子が良くなって来て、これまで忘れたフリをしてきた仕事や締め切りのことを思い出して、ゾーッとする。夕方、生協まで自転車で出かけて買い物。晩飯は牛肉を焼いてごま油と塩で食べる。久しぶりに、まともな食べ物を喰った気がする。

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2005-03-02 一進一退

午後になって薬が効いて来たか、熱が下がってくる。しかし、やむを得ない用事で大塚まで行き、戻って来たら、また熱が上がっていた。つらい。

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2005-03-01 熱上がる

今日は仕事場に行く日だったが、計ってみると熱がある。医者で薬を貰って来て、あとは寝て過ごす。妙な夢ばかり見てしまう。起きているときは、本を読んだりテレビを見たりするが、断片的にしかアタマに入ってこない。

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