ナンダロウアヤシゲな日々

◎この日記は、ライター・編集者の南陀楼綾繁が書いています。
◎新刊『町を歩いて本のなかへ』(原書房)発売中です。
◎著書『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『谷根千ちいさなお店散歩』(WAVE出版)、『小説検定』(新潮文庫)、『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)、『路上派遊書日記』(右文書院)、『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『老舗の流儀 戦後六十年あの本の新聞広告』(とうこう・あい監修、幻冬舎メディアコンサルティング)、編著『チェコのマッチラベル』(ピエ・ブックス)、共著『ミニコミ魂』(晶文社)。
◎ご感想・ご連絡は南陀楼綾繁 まで。
◎「不忍ブックストリートの一箱古本市」は毎年春に開催します。
詳細は不忍ブックストリート公式ホームページもしくは、しのばずくん便りをご覧ください。
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2005-04-30 一箱古本市、無事終了しました

おはようございます。現在朝6時ですが、天気にまったく問題がないので、予定通り「一箱古本市」を開催します。それでは、店主の皆さんとは10時に、お客さんとは11時にお会いしましょう。販売は11時スタートです(フライングはナシよ)。今日一日が楽しい日でありますように。


(その21時間後)

一箱古本市は無事終了しました。11時の開始時間から、多くの人が来てくださり、次々に売れていきました。途中、トラブルもなく、大盛況のウチに6時に終了。そのあと、各スポットでの計算がまたタイヘンで、時間が押しましたが、7時半に打ち上げイベントを開始、9時前に終了しました。売上や冊数の合計などは、近く発表しますけど、予想を超えた金額だったコトをお知らせしておきます。人出、反響も凄くあり、大盛況でした。そのあと、専従スタッフでお疲れさん会。帰ってきたら3時でした。以上、アウトライン。また明日にでも報告します。


ともかく無事終了しました。熱心に本を売ってくださった店主の皆さん、快く場所を提供してくださった大家さん、ご近所の皆さん、わざわざ来てくださったお客さん、通りすがりで本を買ってくださったかた、スタンプ制作藤本和也さん、イベントを盛り上げてくださった桂牧さん、プレゼンテーターの岡崎武志さん、セドローくん、畠中理恵子さん、写真展をやっていただいた高野ひろしさん、大沼ショージさん、取材に来てくださったメディアのかた、そして専従スタッフの皆さん。皆さんの力があればこそ、こんなにうまく行きました。発起人として、南陀楼綾繁より心からのお礼を申し上げます。ホントーに楽しかったです。でも疲れました。これから寝ます。じゃあ。


(以下は5月1日・記)

2時間ほどトロトロと眠ったと思ったら、携帯電話。笈入さんからだ。「晴れてるので決行でーす!」。寝ぼけ眼をこすって、ぼくも旬公もそれぞれのサイトに「開催」を告知する。目覚ましをかけてまた眠り、8時半に起きる。ぼくはさきに出て、古書ほうろうの前へ。まだ誰も来てないのでしばらく待ち、やってきた宮地さんに荷物を渡してから、自転車根津へ。


ナニか腹に入れておこうと、〈赤札堂〉脇のカウンターのそば屋でタヌキそばを急いでかきこみ、オヨヨ書林へ。すでに高野ひろしさんが来て、写真展の準備をしていた。店内には専従スタッフが集まっている。オヨヨ担当のオヨちゃん、NOMAD担当の内沼くん、花影抄担当の三五さんと榎本さん。三カ所に配分する荷物を仕分け、簡単なミーティング。各自腕章を装着。ぼくは詩人の阿瀧康さんにいただいた、いまはなき「中野サンプラザ古本まつり」のエプロン(未使用のビンテージもの)も。コミさんの帽子をかぶり、腕章とエプロンをして自転車で走っていると、すぐにぼくだと判るらしく、声を掛けてくださる方が多かった。ついでに「身体はもう大丈夫ですか?」と心配してくれるヒトも。ありがたいなあ。


そうこうするウチに店主の皆さんが集まってくる。枝川公一さんの姿も。10時から店主ミーティング。ホントはオヨちゃんがやるほうがイイのだが、スタッフ全員が不安そうなので、代わりにぼくが説明を。そのあと、花影抄とNOMADの人たちは出発。オヨヨ前の設営に移る。箱を並べてみると、なかなか壮観。女性の店主は箱の周りを装飾したり、植物を添えたりしたりと工作感覚で楽しんでいるが、男性陣は質実剛健というか、箱を開けたらそのまま開店という風情。あまりにもそっけないので、箱の上部に屋号ぐらい書いたらと云ったら、古書桃里の寺田さんが赤マジックで店名を殴り書き。ますますおじさんくさいテイストが高まった(もっとも、ぼくも月夜と眼鏡に出てた「古書ういろう」の屋号をマジックで殴り書きしてしまった。ナイよりマシと思いまして)。郵送で送られてきた、ユトレヒト山本善行さんの本を、スリップの確認がてら眺める。山本さん、いい本ばかり出しているが、こういう屋外イベントにしては強気な値段。山本さんらしいなあと可笑しくなる。


オヨヨの前にはいつもの均一台があるし、店ももう開けちゃってるので、10時半にはすでにお客さんが来ている。それも古書会館初日派というカンジの濃い男性が多い。10分前には15人ぐらいになってしまった。ヤバイ、このままだと混乱すると思い、手近なモノで箱にフタをしてもらう。最初の店番は枝川公一さんなので、つり銭の入ったお財布を渡す。そして11時になり、フタをとり除いて、「古本市スタートです!」と宣言する。とたんに群がる人々。すごい勢いで本を選びはじめる。スタンプを押してほしいヒトも何人か。しばらく見てから、花影抄→NOMAD青空洋品店→ギャラリーKINGYOと回っていく。まだ客が来ていないスポットもあれば、少しずつ増えているスポットもあり。花影抄は階段の前の狭いスペースで、荻原魚雷さんが階段に座っていたのが妙に似合ってた。NOMADはベンチがあり、内沼くんが一冊一冊本を説明しながら売っていた。青空用品店は日差しの中で立ちっぱなし、一方、ギャラリーKINGYOはギャラリーの正面に特設の台を出してもらって売っていた。スポットによって環境は大きく違うが、みんなそれぞれ工夫して店番をしていた。


往来堂書店に行くと、20人ぐらいの客が前にいる。笈入さんのハナシでは、つつじまつりからの客が相当立ち寄っているらしい。店番は柳瀬くんと森まゆみさん。森さんはスタンプを押してあげる係りだった。次に乱歩前。EDIの藤城さんが店番。あとから岡崎さん、にとべさんが帰ってくる。岡崎さん黄色い袋を持っているので、「ブックオフに寄ってきたんですか?」と訊くと、「そうや」とこともなげに。まだはじまって1時間なんすけど……。月夜と眼鏡も盛況で、店番の大井さんに売れたスリップを何枚か見せてもらう。箱の前にしゃがむ人たちの後ろを通って、大沼ショージさんの写真展をやっている部屋へ。大沼さんと田端くんがいる。銭湯写真の印画紙がいい感じに展示されていた。次にやなか珈琲店。スペース的にはいちばん狭いので心配していたが、なんとか収まっていた。そこで携帯に連絡が入り、古書ほうろうへ。読売新聞のSさんと落ち合い、路上で取材を受ける。ほうろうの前はかなりの混雑。17箱がうまく置けるか心配だったが、数箱ずつ固めて置くやり方でいい動線ができていた。


花歩に行く。セドローくんが店番。立ち話していたら、前を通ったおじさんが「ウチに要らない本があるけどあげようか?」と。「今日は本を売るだけなんです」と云うも、なんだかよく判ってないようで、さらにタダであげるからと云う。古本市のエプロンしてたので、古本屋だと思ったのか。断るツモリだったが、ヨコにいた「彷書月刊」の田村さんが「行ってきなさいよ」と云うので、おじさんについて目の前のアパートへ。ひょっとしてイイ本がタダでもらえるかも……とちょっと甘い期待を抱いてしまう。しかし、「それ持っていってイイよ」と指差した十冊ほどの山を見てガックリ。『五体不満足』『暮らしのヒント』『恍惚の人』、◎◎健康法、仏教の法話集……。どう転んでも売れそうにないし読みたくない本ばかり。「ちょっといま持っていけないので」と抵抗を試みるも、「オレが一緒に持っていってやるよ」と親切におっしゃる。しかたなく10冊だけ袋に入れてもらってくる(『五体不満足』はサスガにお返ししました)が、セドローくんに見せたら鼻で笑われ、「いらないって云えばいいじゃないですか!!」と云われる。それができりゃあねえ。


しょうがないので、その袋を持ってウチに帰り、おにぎり食ってちょっとだけ休憩。旬公から電話があり、おにぎり買って持って行き、地図がなくなったというのでほうろうまで取りに行ったら、ほうろうの人手が足りなくなってしばらく専従を代わり、そのあと「新文化」の石橋さんに会って取材された。最後のスポットであるルシェルシュに着いたのはもう3時過ぎていたか。それからもう一度逆にたどり直し、チラシや地図を補充して回る。スタンプラリーをしているヒトが多く、用意していたプレゼントが次々になくなっていると報告を受ける(最終的には特製マッチ150個と台湾で買ったハガキ100枚がすべてなくなり、50人ぐらいがプレゼントなしになった)。


5時前にほうろうから連絡で、売れた数が多すぎて早めにスリップの仕分けにかかるので、ほうろうの専従を代わってほしいと連絡があり、途中何カ所かに寄って、ほうろうに到着。最後の一時間はワリと人が少なく(ほうろう店内の客は多かったが)、いっしょに店番してた人と話ができた。6時に販売を終了し、各自の箱を閉じてもらう。さて、そこからがタイヘンだった。ミカコさんと小森さんは、牛イチロー先生に手伝ってもらって奥で集計に入る。宮地さんは店のシャッターを下ろし、イベントの設営に。ここでは店主でありBOOKMANの会のメンバーである野口さん、助教授に手伝ってもらう。ぼくは、店主に生産が遅れていることを告げ、30分後まで解散してもらう。コレもBOOKMANの藤田さんに手伝ってもらって、荷物を預かっていく。各スポットにいる専従スタッフは、そっちの精算に時間がかかってなかなかほうろうまで戻ってこられないので、ぼくの友人にずいぶん手伝ってもらった。


店内では桂牧さんがチューニング開始。6時半になるとヒトが集まってくる。他のスポットからもだんだんと戻ってきて、財布がレジに集まる。6時45分、ようやくほうろう前の集計が終り、全員に売上を渡していく。ぼくはイベントの準備に入り、牧さんやプレゼンターと段取りを打ち合わせる。7時15分、客入れ開始。どんどん中に入ってくる。マイクの1メートル前まで並んでもらう。全員立ち見なので、こちらがみんなに取り囲まれているような圧迫感がある。全員が入ってくるまでいたたまれず、何度も奥に入ったり出たりする。7時半、イベントスタート。ぼくの挨拶のあと、プレゼンターに一人ずつ出てもらい、個人賞を授与してもらう。その結果は以下の通り。


★セドロー賞=浅生ハルミンさんのオリジナル色紙

森茉莉かい堂(オヨヨ書林前に出店)

書肆アクセス賞=明治時代鉄道双六の復刻版

 笹文庫(ルシェルシュ前に出店)

岡崎賞=平凡ソングブック(キャンディーズ表紙、1978年)と、タイムスリップグリコ思い出のマガジン3冊

 旅猫書房(オヨヨ書林前に出店)

★内澤賞=しのばずくんの紙粘土細工

 オホンゴホン堂(月夜と眼鏡前に出店)

谷根千賞(仰木ひろみさん)=『谷根千』1年分と〈NOMADビール1杯分

 ふぉっくす舎(乱歩前に出店)

★南陀楼賞=マッチラベル貼込帖とサイン色紙

 BOOK DESIGN/BOOK STORE(ギャラリーKINGYO前に出店)


 ほかにも、オモシロイ箱のつくり方や本のセレクションの店主が多く、それらを一つ一つ紹介したかったが、時間がないコトだし、桂牧さんのライブへ。立っている客を前にしてやりにくかったと思うが、さすが場数を踏んだベテラン不思議な声とギターで、きっちりと客を桂牧ワールドに惹きこんだ。5曲やってくれる。最後にやった「ふり」という曲の歌詞は、孤独な街歩きという風情で、ちょっと泣けました。そして最後に、売上金額のトップと点数のトップを表彰する。

★売上金額部門

1位 古書碧鱗堂(やなか珈琲店前に出店) 59,930円

2位 室賀書房(乱歩前に出店) 47,130円

3位 トンブリン(やなか珈琲店前に出店) 33,510円

★売上点数部門

1位 トンブリン(やなか珈琲店前に出店) 74点

2位 文壇高円寺古書店(花影抄前に出店) 72点

3位 森茉莉かい堂(オヨヨ書林前に出店) 64点


旬公がトップになったのは、製本関係やチェコの本に相当強気な金額をつけ、それらがかなり売れたからだろう。専従スタッフが受賞してしまうのはマズイのだけど、みんな笑って許してくれたようだ。ちなみに、点数の最下位はこれも専従スタッフの、野良猫ブック、つまりオヨちゃんの2点。しかし、金額は2万近くというのだから、やっぱりタダモノじゃない。


9時前に閉会を宣言。終わったとたん、安心してその場にへたり込みそうになる。片づけをしたり、東京新聞の取材を受けたりしていると、客は全員帰り、スタッフだけになる。手の空いたヒトから〈大栄〉に行ってもらう。桂牧さんが機材を片付けるのを待って、ぼくたちもそちらに向う。入ったらすでにみんな飲みまくっていた。森まゆみさんも来てくれていた。片づけをしていたほうろう、オヨちゃん、笈入さん、小森さんも合流して、全員で乾杯。そのあと、みんなテンションが上がりっぱなし(あの冷静な笈入さんまで相当ハシャいでいてビックリ)で、マジメな話からくだらない話までで盛り上がる。最後は、急遽専従スタッフになってくれた加福さん(文句堂という名前で〈豆腐room Dy's〉に古本を置いているヒト)に彼女がいるかどうか、みんなで賭けることに。結果はヒミツ。なにやってんだろうなあ。で、解散は2時。牧さんを谷中アパートまでお送りし、ウチに帰って、簡単な報告を書いて3時に寝た。


古本市でお会いしたヒト(店主以外)は以下の通り。西秋学さん、西尾彩さん、前田美紀さん、奥成達さん、アライユキコさんとよねみつさん、ポプラ社の鎌田さん、高橋茅香子さん、吉田勝栄さん、ほかにも数人のかたとすれ違いました。例によって顔を覚えるのへタだから、久しぶりに会ってトンチンカンな顔してたと思いますが、すいません。他に来ていたらしいが会えなかったヒトは、濱田研吾さん、上原隆さんほか多数。あと、退屈男さんと四谷書房さんがいらしてたそうだけど、ちょっとでも話せたらヨカッタなー。


今日の古本市スタッフ側だったので、客としての目で古本を見ることはできなかったが、それでも何冊かは買ってしまった。

とんち書房(往来堂書店前)で、

古本ぐらし』第7号(時刻堂)800円

古本ぐらし スーパーブックオフマニア』(時刻堂)1000円

文壇高円寺古書店(花影抄前)で、

吉行淳之介スラプスティック式交友記』(角川書店)300円

書函アクアリウム古書ほうろう前)で

梅本巧光追悼文集編集委員会『ウメちゃんと泪橋を渡った!?』1000円

ビッグピンク古書ほうろう前)で、

『絶体絶命』1978年2月号(野坂昭如特集)、800円

タコシェギャラリーKINGYO前)で、

林月光月光秘宝館』(タコシェ)850円(新刊)

大沼ショージ写真展示(月夜と眼鏡)で、

『SENTO』『廃墟博物学』パンフ、『SENTO』ハガキ、計1000円

あと、買ったんじゃないけど、「売れ残ったから」と「水牛」の八巻美恵さんにレコード[Cynical Hysteria World]をもらってしまった。作詞、歌は玖保キリコ、演奏はピッキー・ピクニック。

2005-04-29 いよいよ明日です

朝起きて、すぐ行動開始。「モク通」の残りを封入→投函し、小沢信男さん宅で古本市の段取り説明し、谷中アパート古本市に出す本を選ぶ。昼飯はレストランパスタ。ウチに帰り、専従や店主に配布する書類の作成。それやってる間に、とりあえず「モク通」を数十部、ほうろうに届ける。「東京新聞」に不忍ブックストリートの記事が出たコトを聞く。帰って書類をプリントし、コピーを取り、ほうろう(二回目)、往来堂、オヨヨに届ける。またウチに帰り、ほうろう内での「古書モクロー」用の値付けをやって、ほうろうに持っていく(三回目)。〈鳥ぎん〉で釜飯食べて、99円ショップで買い物してウチに帰る。「古書モクロー」追加分の値付けをし、旬公の箱に提供する本を選び、合い間にいろいろメールする。ここまでで12時半。これから風呂に入るが、そのあと、自転車部隊として持ち歩く荷物をまとめる。明日のイベントの段取りもあった。そのほか諸々ある。明日は6時に古本市決行の連絡が入る。少しは眠りたいが。


いよいよ明日は(と書きたかったが、もう日付け変わってた)、一箱古本市の日です。企画から4カ月、たちまちのウチに過ぎ去りました。明日一日が無事に終わりますよう。そして、参加してくれる店主の皆さん、来てくれるお客さん、我々スタッフがこの一日を楽しく過せるよう、無神論者のぼくがいろんな「存在」に祈ります。


ぼくは雑用を受け持つ自転車部隊として、12の大家さんのあいだを自転車で流しています。黄色い腕章をしてるので、見かけたら声をかけてやってください。オヒネリなんかも歓迎しちゃいます。では明朝、谷中根津千駄木の「不忍ブックストリート」でお会いしましょう。

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2005-04-28 回復へ、そして準備

今日も午後まで寝ていて、なんとか回復してきた。といっても、まだ本調子ではない。そろそろと、いろんな準備を始める。今回の「モクローくん通信」は地図とチラシを封入して、古本市の数日前に届くよう送るツモリだったが、いつもの読みの甘さで、今日コピーするコトになってしまった。しかも、セブンイレブンとの悲しい別れ(詳しくは今度また)があり、別の場所で印刷する。約半分ぐらい投函したが、コレ、届くのは古本市の当日だろう。しかも、あと半数はたぶん翌週に届くという間抜けぶり。


7時から谷根千工房で、専従スタッフ会議。運営委員会に加えて、当日専従をお願いしているヒトも数人来てくれた。当日朝、配布するモノを、三店舗ごとに分けて行き、足りないものは極力その場で調達する。その後、段取りの打ち合わせが続き、一段落したら12時半。体力が落ちているので、さすがに辛く、一足先に失礼する。ウチに帰り、店主の皆さんへの最終連絡をメールで送る(開催日が一日間違っていたコトを翌朝知り、慌てて訂正メールを出した)。寝たのは何時だっけ?

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2005-04-27 初点滴

一昨日の夜から、腹の調子がどうもおかしい。一日経っても腹がいたいのが治らず、しかも熱まである。それで、近所の医者で診察してもらう。生れて初めて点滴というのを打たれた。40分ぐらいかかると聞いて、そんなにヨコになってるの退屈だなあと思ったが、すぐに寝ちゃったらしくて、看護婦さんに起されて気がついた。帰って寝る。やらねばならないコトが山積みなので、ときどき起き上がって手を動かす。でも、調子のいいときと違い、明らかに動作か鈍い。困ったもんである。


一箱古本市まであと3日。早く治さねば。

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2005-04-26 いろいろやってた

この日も、いろいろやってました。夜は神保町のそば屋で、堀切直人さん、右文書院の青柳さん、書肆アクセスの畠中さん・青木さんと、ある企画について。ようやく具体的になりだしたかな。


ところで、思いついてこの日記アクセスカウンター設置したのは、二ヶ月前の2月26日です。それから2カ月後の今日までに、3万9500ぐらいのアクセスがあったようです。これがブログアクセス数として多いのか少ないのかは判りませんし、ウェブアクセスがすなわち「読んだ」というコトではないのは知っていますが、それでも何人かが頻繁にこのブログを訪れてくれたことは確かなようです。今後も細々と続けますので、ヨロシクお付き合いください。


【後記】ココまで書いた夜に調子が悪くなってぶっ倒れた。なので、この日記をアップしている28日にはカウンターは4万を超えています。

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2005-04-25 ふたりのデザイナーに会う

11時に仕事場へ。徳島の創世ホールの小西昌幸さんが、「駅前シネマニュース」を何号か送ってくださった。雑用をいくつか片づけ、都営新宿線京王線直通で明大前井の頭線に乗り換えて三鷹台へ。山崎浩一さんと待ち合わせ。駅を出たら、雨が降っていた。ちょっと判りにくい場所だったが、なんとか到着。「本コ」の連載のために、デザイナー羽良多平吉さんにお話を伺った。メインのハナシはもちろん、余談が抜群におもしろい。『新宿プレイマップ』のこと、YMOのこと、まえから構想していて近々創刊することになった雑誌『点国』(http://www.tengocu.com/)のこと……。こういった余談(といっても、そのひとつひとつがデザイン史的に貴重な証言だ)をライブで聴けるのが、編集者としての役得なのだ。


久我山まで歩き、電車に乗る。下北沢山崎さんと別れ、渋谷へ。〈カフェフーケ〉で、これも「本コ」に掲載する記事のための、杉浦康平さんへのインタビュー。奥さんの加賀祥子さんとぼくが聞き手。いつもながら、杉浦さんのお話は一気に宇宙サイズにまで広がり、こちらの固定観念を突き崩してくれる。終わってから、和食の店で食事。久しぶりに美味い日本酒を飲んだ。杉浦さんが南陀楼綾繁の今後について、いろいろ助言をくださる。ホントにありがたい。二人と別れて、渋谷山手線に乗って帰る。夕方から夕刊の見出しで「電車マンション激突」というのを何度も見て、いったい何だろうと思っていた。ウチに帰り、尼崎電車脱線事故があったことを知る。


閉店前のほうろうに行ったり、メールを書いたりしていると1時半。疲れたので、もう寝よう。そうそう、今日の歩数は1万3775歩でした。

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2005-04-24 日曜の午後、五反野に集う

10時ごろ起きて、朝風呂に入り、ちょっと仕事。12時過ぎからNHKFMの《日曜喫茶室》を聴く。「ラジオはぼくたちの学校だった」というテーマで、きたやまおさむ、河内紀さんが出演。半レギュラーとして池内紀も出てるので、そっくりさん名前が二人並んだ(池内さん自身がそのことをネタにしていた)。途中、昼飯をつくったり、一瞬テレビを見たりしたが、河内さんが映像の世界でも音から発想するということがよく判った。


3時に自転車で出かける。今日は5時から足立区の五反野で『酒とつまみ』の取材があるのだが、そこまで自転車で行ってみようという計画。南千住までの道にはもう慣れた。南千住図書館に立ち寄り、千住大橋を渡る。この辺で、前を走っていた自転車が、警官に呼び止められた。若い男が尋問されている。ナニか事件があったのか、そのあともやたら警官を見かけた。さらに進み、北千住に出る。ついでなので、〈カンパネラ書房〉を覗くがナニも買わず。その先、千住寿町のバス停近くに、『下町酒場巡礼』に載っていた〈三忠酒場〉があるハズだが、それらしき看板はない。入口に「三忠」と書かれたビールケースが置いてあるので、ココだと判る。今日は休みだが、まだ営業してるようだ。


荒川にかかる千住新橋を渡る。川からの風が気持ちイイ。梅田交差点を右折し、五反野へ向う。ちょっと早く着いたので、今日回る古本屋を確認しておこうと、駅前にある東武ストアへ。このなかに〈浩文堂〉という古本屋が入っているのだ。しかし、あれ? 東武ストアがあるハズの場所がシートで覆われ、営業していない。もっと奥のほうにあったかと探すもやっぱりない。前に回ってみると、3月半ばに閉店したのだとある。昨年11月にココに初めて入り、何冊かいい本を安く買った。それ以来、もう一度行きたいと思っていたのだが……。駅の反対側にも東武ストアがあり、そっちに移ったのかと思い、回ってみったが、違っていた(それなのに入口には、いまだに「洪文堂」と店名を間違えたママの表示が残されている)。うーん、残念。


自転車で周辺を流して、新古書店を一軒見つけ、駅に戻ってくる。5時にエンテツ、セドロー、そして本日のゲスト浅生ハルミンさん登場。セドローくんとハルミンさんは二日連続で会う。4人で〈四季書房〉に行く。ハルミンさんがいい本買えたと喜んでくれてヨカッタ。ところで、ほんの数時間前に晩鮭亭さんがこの店に来ていたコトをあとで知る(http://d.hatena.ne.jp/vanjacketei/)。しかも、先に北千住で〈カンパネラ書房〉に寄ったようだ(閉まっていたそうだけど)。なんたるグーゼン。もし、その場でお会いしていたら、急遽「緊急ゲスト」(ただ一緒に飲むだけだけど)としてお迎えしてたのだが。


もう一軒の新古書店に行き、そのあと〈幸楽〉へ。『酒とつまみ』の大竹さんも合流。ココも11月に見つけた店。まだ6時前なのにほぼ満員で、しかもデキあがっているオヤジが多い(帰り際に「キム・ジョンイルばんざーい」と叫んでるヤツまでいた。なんなのか……)。2時間ほどウダウダ話し、駅で皆と別れる。さて、自転車に乗って帰ろうと思ったが、少し寒くなってきたし、暖かいものを腹に入れようと、駅前の〈正華〉という中華料理屋で、鳥そばを食べる。それとシューマイを持ち帰りで。


そこから来た道を、自転車に乗って引き返す。行きと違って、すっかり夜道なので寂しくはあるが、まあ順調に西日暮里まで戻ってきた。1時間以内で五反野まで行けるコトが判ったので、次は竹ノ塚あたりまで行ってみるか。今日は腰の辺りに万歩計をつけていた。足をどういう風に振ったら感知されるのかは判らないが、ウチに帰ったら1万300歩だった。これだけ歩いたワケではないけれど、運動量としてはコレぐらいということで。本を読みながら、フィッシュマンズのベスト盤を聴く。二種類あって、どちらも二枚目が出もテイクやライブ音源中心になっている。まだまだ、いろんな方向に広がっていく可能性を持っていたバンドだったのだと、再認識。


遅くなりましたが、不忍ブックストリートの一箱古本市に出品する「店主」の一覧がサイトhttp://yanesen.org/groups/sbs/1hako/)で公開されました。箱を設置するポイント(「大家」)別にまとめてあります。屋号、出品する本、古本市抱負が読めます。コレを見れば、当日、どこから回るかの目星が付けられます。それにしても、いやー、もう6日後には本番なのですね。いい天気になって、なんとか無事に終ってほしいと思います。

2005-04-23 古本市・古本講義・古本パーティー

朝、洗濯などを済ませ、山手線池袋へ。水曜日から開催されている「池袋西口公園古本まつり」へ。初日は雨のため中止だったが、今日はイイ天気。広いスペースをいっぱいに使っており、数軒ごとにひとつのシマになっている。シマからシマへと渡り歩くカンジ。土曜日にしては客は少ないか。ゆっくり見られてイイのだけど。野外で古本を見るのは、とにかく気持ちがイイ。売る側も、屋内のと較べて、全体にゆるい、というか、アットホームな雰囲気が漂っている。


オモシロかったのはアナウンス。本部席でずっとマイクを握っているおじさん(名札見に行ったが見えなかった)がいて、丁寧に説明してるのだが、ときどき余計なコトも云ったりする。それで本を見ながら耳はそっちに集中していたら、そのうち、お客さんの探求本を会場の書店にマイクで知らせる、というサービスをやりはじめた。「はい、セイワ辞典ありますか、スペイン語辞書(西和辞典)ですよ」「あと、六法全書を持っている店は本部席まで」などと云うと、ほうぼうから本を持って駆け寄ってくる。どっちが早いか競争までして。コレは楽しい。書名が判らないものもある。「最近話題になった本で、父親が娘に刺青をして……」というと、「あっ、判りました!」という声が上がって、若いアンちゃんがその本を持って掛けてきた(こちらからは書名は見えず)。その後も、宮部みゆき模倣犯』とか、誰だかという画家の図録とか、いろんな本を求めるアナウンスが。すぐ見つかるものもあり、何度もアナウンスされるものもあり。


あまり時間がなかったので、じっくり見なかったが、それでも何冊か買う。〈朝文堂書店〉で、奥成達怪談のいたずら』(KKベストセラーズ)100円、〈國島書店〉で、佐藤嘉尚『ぼくのペンション繁昌記』(集英社文庫)100円ほか、〈東京書房〉で、小田実開高健『世界カタコト辞典』(文春文庫)など5冊で300円。このコーナーはなかなかヨカッタ。〈古本 遥〉で、河野典生『群青』『陽光の下、若者は死ぬ』(角川文庫)各367円。柳生弦一郎のカバーがカッコよすぎるぞ!


そのあと〈ヴァージンメガストア〉に入るが、丸井の地下にあった時期と違い、狭くなったのはしょうがないが、あまりにやる気のない品揃えに呆れる。適当に歩いて、中華料理屋でチャーハン。〈芳林堂書店コミックプラザ(本店は閉店したがココだけは残っている)で、田中圭一『鬼堂龍太郎・その生き様』第1巻(集英社)、サラ イネス『誰も寝てはならぬ』第3巻(講談社)、『comic新現実』第4号(角川書店)を買う。丸の内線お茶の水へ。〈ディスクユニオン〉で、フィッシュマンズのベスト2種[空中][宇宙]、キリング・タイムの[IRENE][Filling Time with Killing Time]、マザー・グース[インディアン・サマー][パノラマ・ハウス]を買う。あー、見事に過去の音源ばっかりだ。


古書会館、今日は書窓展。駆け足で回り、上司小剣『U新聞年代記』(中央公論社昭和9)3000円を買う。函があるのかもしれないが、裸本。ジャーナリスト作家が多く登場する「モデル小説」としてよく紹介されるので、一度読んでおきたかった。2階で開催している「古本屋の書いた本」展にあわせて、7階でトークショーが行なわれる。上にあがると、客層は平均年齢50代以上。八木福次郎さんと青木正美さん、小林静生さんの予定だったが、小林さんは急病で休み。はじまると、司会(司書房の中野さん)が、では「この目録に沿って」と云い、青木さんが「では口絵ページの◎番をご覧ください」と云うので、ずっこける。大学講義じゃありませんことよ。じっさい、その目録を持ってきてないヒトも多く、隣のヒトはずっとぼくの持ってきたのを覗き込んでいた。話そのものは初めて知るコトが多く勉強になったが、講義調なので長時間聞いているのはツライ。目録に自分が持っている本を記号で書いていったら、100冊近くになった(あとで海月書林さんに見せたら、「ナニやってるんですか」と笑われた。だってヒマだったんだもん)。あと、この目録がいかに使いにくいかもよく判った。たとえば、高知タンポポ書店の『古本屋タンポポのあけくれ』を引こうと思ったら、書名でも店名でもなく、著者の片岡千歳で引かなければならない。


山王書房・関口良雄さんの話になったとき、青木さんが、「今日は奥さんがいらしています」と紹介する。と、ぼくの三つ右に座っていた上品な女性が立ち上がって礼をされた。この方だったのか。ほかに、上笙一郎さんやアン・へリングさんがコメントしたり、いちばん前の老人二人が壇上を無視してずーっと喋ってたり(なんでスタッフが注意しないの?)と、いろいろあり、終ったら4時10分。関口さんの奥さんにご挨拶をと思ったら、前に座っていた山口書店のご老人(三島由紀夫文献の蒐集で有名だと、今日知った)が奥さんに話しかけられ、そのままハナシがつづく様子だったので、諦める。今度、手紙を出そう。2階の展示をざっと見て、外に出る。


ドトール〉で休憩して、お茶の水の〈丸善〉で藤本和也さんと待ち合わせ。〈ミロ〉に入り、一箱古本市スタンプラリーで使うスタンプを受け取る。消しゴムに彫ったもので、藤本マンガキャラがひとつに一人ずつ、計12人揃っている。こんなに小さなサイズなのに、よくやってくれました。そのあと、スムース文庫古本漫画』に入れるマンガの進行状況を聞く。……まあ、もう少し待ちますよ。藤本くんは、アイデアの段階でいろんなことで悩んでしまうらしく、どうすればその辺を突破できるかというハナシになる。そんなの判ったら、ぼくにも教えてほしい。藤本マンガは集団劇系と同棲系のふたつの系譜があるとぼくは思っていて、『古本漫画』のは後者なのだが、次は前者のカンジでガーッと突っ走る話を描いてほしいと思う。


書店を少し覗き、7時前に〈名舌亭〉へ。浅生ハルミンさんの最初の本の出版を祝う会。地下の座敷に行くと、ぼくが一番乗りだった。待つうち、みんなが揃う。主賓の猫ストーカー浅生ハルミンさん、岡崎武志さん、セドローくん、紀伊国屋書店の大井さん、アクセス畠中さん、少し遅れて海月書林市川さんの総勢7名。ハルミンさんには花や本のプレゼント、本へのサインや色紙のリクエストが殺到。しまった、なんにも持ってこなかったなあ。例によってハナシはあっちこっちへ。ハルミンさんが本を買った人を追跡して猫ストーカーから読者ストーカーになるとか、畠中さんが神保町を発信地にラジオ局を開設するとか(ホリエモンには失望したそうだ)、温厚で知られる岡崎さんの「ダークサイド・オブ・岡崎」を暴露しようとか、今朝配信された「早稲田古本村通信」の『古本道場』特集で、山本善行さんが「ああ、私もはやく弟子がほしい!」と書いてるが、きっと弟子の買ったイイ本を取り上げる大人気ない師匠なのに違いないとか。閉店だと追い出されてからも、きっちり二次会へ行き、11時半に解散。


西日暮里に着いたところで万歩計を見ると、9500歩。今日はたくさんの荷物を抱えてけっこう歩いたハズなのにナンか納得いかない。もう少し歩くかと思ったとたん、12時になってカウントがゼロになってしまった。ウチに帰り、布団を敷いていると、旬公が帰ってくる。以前、ゲイミニコミを送ってくれた一文字カルトさん(現・影坂狩人さん)の誕生日と、彼が関わっている『薔薇族』の再刊を祝うパーティー新宿が行なわれ、そこに顔を出していたのだ。とても楽しかったらしい。『薔薇族』の復刊号(メディアソフト)ももらってきたが、海野弘さんが「薔薇の騎士たち ホモセクシャルアーティスト」という文章を寄稿されている。さすがだ。旬公のハナシを聞いているうちに眠くなって、寝る。

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2005-04-22 絶賛値下げ中

今日は自宅で仕事。午前中、郵便局に行ったついでに、〈古書ほうろう〉に寄る。「古書モクロー」はこれまで値下げをしなかったが、しばらく経っても動いてないものを数日前にちょっと値下げしてみた。そしたら昨日、いきなりそれが売れていた。やっぱり値ごろ感というのはあるのだねえ。味を占めて、その場で3、4冊値下げしておく。さて、どうなるか。


彷書月刊』5月号が届く。特集「ラジオのひろば」。ぼくの連載、今回は「書物サイト」に関係なく、岡山出雲古本の旅の模様を。書庫で働くセドローくんの写真も載ってるよ。「ハルミン&ナリコの読書クラブ」では、浅生ハルミンさんが新刊『私は猫ストーカー』について書いている。


文章を書くということについて、小学生だった頃からずっとしずかに思い続けていたことがあります。女友達たちで集まった時、私が感じた事を話すと私以外の友達は顔を見合わせていっしゅん間を置き、他の話題に移るということがよくあります。(略)また、それと同じことを文章で書くと、不思議なことにもっと向き合って読んでくれるようになったのです。私の脳味噌の中にあるものは変わらないのに、文字だと面白く読んでもらえるのはなぜなのか考えるのは身体に悪い気がしますが、今このような場があって、しかもお金までもらえることが、とてもうれしい昨今です。

おお、コレはハルミンさんの「文筆家宣言」ではないか。「私の脳味噌の中にあるもの」を、もっとイロイロ見せてほしい。そういえば、編集後記で夷さんが、ハルミンさんに「2冊目は小社よりの刊行、よろしくお願いします」と書いてるが、コレは、「彷書月刊サイトプロフィール欄に載っている、「現在小誌に連載していた、『浅生ハルミン読書日記』の単行本化作業に奮闘中」のことなのかなあ。伝言広告には、前号に続き、一箱古本市広告を。皓星社発売の『トスキナア』創刊号の広告、「香具師社会主義運動」という文章が読みたい。


仕事しながら、木村千歌『パジャマデート』(講談社)を読む。身も蓋もなくほのぼの系だが、細かい観察眼が伊藤理佐にも通じるか。眠るハナシと食べるハナシがよく出てくる。読んでたら、なんかパスタが食べたくなり、ベーコンとニンニクの芽、ホワイト舞茸を塩、ショーユで味付けしたパスタをつくる。旬公が出かけてるので一人前だが、少ないほうがうまくできる。けっこうウマかった。そのあと、ちょっと眠ってしまった。


半分ぐらい読んでいた、小沼丹風光る丘』(未知谷)の残りを読む。明朗な青春小説。登場人物が全員魅力的だ(とくに、大食い杉野と、その親戚のキメツケの激しいばあさんが好き)。後半に登場する主人公の恋人もいい感じ。もし当時に映画化されていたら、きっと名作になったことだろうに。ラスト直前の次の一節には、ちょっとホロリときた。


合唱があまりにも楽しかったので、終点についたとき、一同はもっとバスに乗っていたい気がした。車掌も残念そうな顔をしてこう云った。

「もう終りだなんて、つまりませんわ」

すると、中年の運転手はにこりともせず云った。

「ものごとは、何でもそのぐらいのところがいいんだ。余韻があると云うもんだ」


この作品が、1968年に一度単行本化されたきりで、著作集にも入らず文庫にもなってないのは、もったいなさすぎる。それを読めるようにしてくれた未知谷はエライ(でも、解説かしおりぐらい付けてほしかった)。


6時過ぎに出て、大塚へ。〈ブックオフ〉で、とがしやすたか『私立探偵村田三郎』『めざせ!!プロゴルファー金太郎』第1巻、色川武大『恐婚』(文藝春秋)、小林信彦『私説東京放浪記』(筑摩書房)、近藤恵『ミニコミのつくり方』(情報センター出版局)が、どれも105円。ぼくはあまり丹念に棚を見るほうじゃないので、ブックオフで掘り出し物といえる収穫を得たためしがあまりないのだが、昨日、今日はナカナカだった。少しはヒキがつよくなったのか? 


P社で打ち合わせ。チェコ人で演劇研究者のペトル・ホリーさんに、翻訳をお願いするコトになった。相変わらずデッカイな、このヒトは。〈あゆみブックス〉で、かんべむさし理屈理屈 神は神』(講談社)を見つけて買う。宗教体験を書いたノンフィクションらしい。へえー。イラスト(平田利之)と装幀(城所潤)がイイ。〈世界飯店〉で、ビールと豚バラそばを食べて、ウチに帰る。今日は万歩計を忘れて出てしまったが、さほど歩いてないので3000歩ぐらいだったろうな。


【今日の郵便物】

竹内栄美子『批評精神のかたち 中野重治武田泰淳EDI

第一部には「アナーキズムからアヴァンギャルドへ――大杉栄中野重治・村山知義――」が。第三部には、中野重治全集未収録文がいくつか収録されている。

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2005-04-21 万歩計のご利益?

朝、コンビニ産経新聞を買いに行く。文化面(20面)に不忍ブックストリートMAPと一箱古本市についての記事が載っている。1面の4分の1ぐらいあるから、けっこう大きい扱いだ。見出しは「『谷根千』を“本の街”に」。取材を受けたのは、ほうろうの宮地さんとぼく。オレって「古書街案内本なども手がけ」てたっけ? と思うが、これは毎日ムック散歩の達人ブックスに書いたという意味なのでしょう。写真はマップの表紙。「しのばずくん」もちゃんと見えてます。全国配信のはずだが、実家の親のハナシでは、「出雲では載ってないよ」と云っていた(見落としの可能性もあり)。関西方面ではどうでしょうか? ご覧になった方はメールくだされば幸いです。【後記】記者の方からの連絡で、今回の記事は東日本のみの掲載だと教えていただきました。わざわざコンビニまで買いに行ってくださったにとべさん、すいません。訃報欄に、丹羽文雄が死去したと出ている。100歳だった。アルツハイマーになってから十数年来、作家としての仕事はできなかったのだが、戦前からの活動してきた作家としては、ほぼ最後の生き残りだったろう。この人こそ「最後の文士」と呼べるのでは。


仕事場へ行き、あれこれやって、1時半に神保町へ。〈ふらいぱん〉でむつ煮定食(煮過ぎたか、グズグズだった)を急いで食べ、〈FOLIO〉へ。ポプラ社の矢内さん来る。『古本道場』のハナシをしていると、海野弘さん登場。コーヒーを注文するなり、店のヒトが水のグラスに手を引っ掛けて、倒してしまい、大騒ぎになる。気を取り直して、矢内さんを紹介。打ち合わせ……だったんだが、例によって、海野節が炸裂し、いろいろ拝聴してるウチに時間切れとなった。でも、ある企画が決定したのでヨカッタ。ちょうど同じ時期に出るという新刊を2冊いただく。一年間かけた書きおろし『ホモセクシャル世界史』(文藝春秋)と『アール・デコの時代』(中公文庫)だ。前者の装幀は、スキャンダラスなカンジ。


神保町書店を少し回って、資料本を探す。そのあと、新宿経由で小田急線経堂へ。〈ロバロバ・カフェ〉(http://www15.ocn.ne.jp/~robaroba/)に置いてもらっていた地図がなくなったと聞いたので、補充に来たのだ。アイスコーヒーを飲みながら、オーナーの女性と話す。お客さんで、「一箱古本市に出したかったけど、間に合わなかった」というヒトが複数いたらしい。オンライン古書店をやっている女性もいたそうだ。そんなに話題になってたとは、当人たちはまったく知らなかった。経堂の反対側に出て、〈遠藤書店〉の北口店で2冊買う。〈大河堂書店〉は休み。


代々木上原千代田線に乗り換え、そのまま綾瀬まで。東西横断だ。〈デカダン文庫〉に地図を置いてもらおうかと思ったのだが、閉まっていた。万歩計をつけてることだし、もうちょっと歩くかと、しかたなく(?)〈ブックオフ〉へ。末井昭東京デカメロン 風俗異人見聞録』(角川文庫)105円は、けっこう珍しいかも。この店はオープンのときに来て以来だが、単行本の棚がずいぶん増えたような気がする。なんだか濃い本がありそうな気がして、丁寧に見ていくと、種村季弘の本を発見。それは買わなかったが、ほかにも種村本がありそうと目を凝らしたら、なんと、『書国探検記』(筑摩書房)があるではないか! 650円。このあいだ図書館で一部をコピーしたが、やっぱり通しで読みたいからオンライン古書店で買おうかと思っていたトコロだった。20年前に出たその本に、ブックオフで出会えるとはとても嬉しい。コレも万歩計のご利益かな。


調子に乗って、駅の周辺をしばらく歩き、綾瀬から千代田線でウチに帰る。今日の歩行は1万3000歩。ふだんからけっこう歩いているコトが明らかになったが、しかし一向に体重減にはつながらないのであった。三ノ輪ギョーザ豆腐などで適当に晩飯を済ませ、この一週間ずっと持ち歩いていた、堀切直人『浅草 江戸明治篇』(右文書院)の残り100ページを一気に読む。アタマの中に同時にいろんな引用が入り込んできて、楽しいけど疲れる、疲れるけど刺激的。でも、これからこの本の書評書くんだよなあ。歯が立つんだろうか。


【今日の郵便物】

★亀鳴屋の勝井さんより 

『藤澤清造貧困小説集』の編者である西村賢太氏が、文学同人誌『煉瓦』(青木正美さんも同人のようだ)に発表した小説二編のコピーを頂戴する。読ませていただこう。また、金沢の『駅前シネマニュース2005年3月号も同封されていた。やっぱり、住所は笠市町だった(なぜか電話番号が載ってない)。たった4ページだが、すごく小さな文字で組まれた映画コラム批評が6本も載っている。コレはすごいぞ。

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2005-04-20 一箱古本市まであと10日

朝、〈古書ほうろう〉に寄り、神原さんと話す。金曜日からの「池袋西口公園古本まつり」の会場で、一箱古本市のチラシを置かせてもらうことになり、その発送を依頼する。千駄木弁当屋でチキン南蛮弁当を買い、仕事場へ。


「本コ」の連絡を取ったり、資料をまとめたり、『レモンクラブ』の書評を書いたり、某誌の編集者ソウルの話をしたり。こういう日は、やるべきことを書き出しておいて、終ったら消していかないと、とても覚えきれない。


ポプラ社から角田光代岡崎武志古本道場』が届く。おおーっ! この造本はいいぞ。最近の古本本は、時流を反映してソフトカバーで薄めの本が多かったが、この本はハードカバーでページ数も多い。表紙のデザイン写真もいい。内容も書きおろしが加わっており、通しで読むのが楽しみ。あとで、〈往来堂書店〉の笈入店長に見せたら、「これは絶対売れますよ!」と太鼓判を押していた。数日中には書店に並ぶと思うので、あとは見てのお楽しみ。


ドタバタしてるうちに7時半になり、タクシーに乗って千駄木へ。〈ジョナサン〉で「一箱古本市」の打ち合わせ。全員が揃う会議はこれが最後になる。細かいことまでその場で決めないとまずいので、時間がかかってしまう。それでも、事前準備、当日のタイムテーブル、表彰イベント(打ち上げイベントとしていたが、飲み物を出せないのでこう名称変更します)を確定できたので、まあ、ヨカッタ。終って、先日も行ったお好み焼き屋さんへ。午前1時までに入店すれば大丈夫、というのがスゴイ。さっと食べて帰ろうとみんな思っていたハズなのに、気がつけばハナシが弾んで3時前。今日はあまり長距離歩かなかったから、3700歩。少ないな。

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2005-04-19 本屋があればの1万2千歩

今日は早稲田仕事の調べものをするコトに。万歩計を着けて、早稲田行きのバスで出発。大学の東門ヨコの脇道から、図書館へ。書庫に入り、いくつか調べもの。金沢でお会いした〈亀鳴屋〉の勝井さんにお会いしたとき、〈南陽書店〉(閉まっていたので行けずじまい)のことが、種村季弘の本に出ていますよと教えてくださった。で、昨日、『書物漫遊記』『食物漫遊記』の両方を引っくりかえしたのだが、出てこない。ぼくも読んだ覚えはあるので、ドコかに入っているはずと、『書国探検記』(筑摩書房)にアタリをつけて、閲覧してみたら、たしかにあった。冒頭の「シークレット・ラビリントス」という、古本屋についての断章風の文章(初出は『ブルータス1983年3月15日号)。


泉鏡花の生家を探して崩れかけた土塀の続く小路の間をうろついていると、突然大通りに出て、目の前に菓子舗森八のがっしりとした店構えがせり上がった。お土産は森八のお菓子と考えていた矢先なのでそちらを向くと、そのつい真向かいにふと古本屋が目にとまった。こっちを先に覗いたところで、まさか森八が逃げるわけでもあるまい。(略)

店内は薄暗く、昔風の丸笠で覆った電球がぶら下っている。(略)二十年か三十年来、整理の手をつけていないらしい。いや、本そのものが一冊も動いた形跡がない。誰も本を抜き出さなくなってしまったコーナーなのだ。(略)

雑誌の山をほじくっていると『犯罪公論』が出てきた。その他何が出てきたかはもう憶えていない。日本戯曲全集の『石川五右衛門狂言集』『化政度江戸世話狂言集』を買ったと思うが、あとは忘れた。外に出ると日が暮れていて、森八はくろぐろと鎧扉を下していた。


けっきょく、種村氏は何度出向いても、森八に寄れずに、古本屋に寄ってしまうのだった。よし、次に金沢に行ったら、この二店をセットで訪れよう。それにしても、この「シークレット・ラビリントス」は、古本古本屋通いの魅力をずばりと書いていて、再読してよかったと思う。「古本屋にあって、新本屋にないものの一つは土地柄である」など、思わず感じ入る指摘が多く、「古本金言集」とでも呼びたくなる。種村季弘の著作集は二種あるが、「古本」という観点で編まれたアンソロジーはまだないと思う。ちくま文庫あたりで出してくれないかなあ。


図書館を出て、西門へ。そこからエクステンションセンターがある細い道を通る。早稲田通りに出て、〈あゆみブックス〉で『早稲田文学』(これが雑誌としての終刊号)ほか数冊買う。ワリとカワイイ女の子が『早稲田文学』と『ユリイカ』のブログ特集を手にとっていた(買わなかったが)。さらに歩き、ふだんはメッタに行かない神楽坂寄りの方面へ。目についた洋食屋で、チーズハンバーグを食べ、〈ブックオフ〉へ。「古書モクロー」で置いてもいい本が数冊見つかった。袋が二つに増える。万歩計は3000歩ぐらい。


ついでなので、文学部の前の道から、脇道に入ってみる。このあたりは入り組んでいて、容易に向こう側に抜けられない。大きな道に出たと思ったら、また文学部の道だった。こういう風に迷うのがイヤで、いつも大きな道ばかり通ってたんだよなあ。どうやら古本屋街に出て、〈古書現世〉へ。店の前でアキヒロくんとばったり。「不忍ブックストリートMAP」を渡す。セドローくんから、「こんなの知ってます?」と、『不惑彷徨 長谷川泉第2詩集』という薄い冊子を渡される。発行者は伊達得夫、版元は書肆ユリイカ、1960年刊。長谷川泉は近代文学研究者で、医学書院の経営者でもあった。昨年亡くなったが、その蔵書のなかにこの本が十数冊あったらしい。オヤジさんが100円均一に出そうとしたのを、セドローくんが止めたらしい。このオヤジさんには、開高健のサイン本を300円で売ろうとした前歴もある。豪快さんだなあ。今度、オヤジさんが店番で、止めるヒトがいないときに行ってみよう。ぼくの目の前で、小林信彦の『エルヴィスが死んだ』あたりを、無造作に100円均一の棚に突っ込んでくれないかなあ。


ドローくんがもうちょっとしたら休憩だというので、それまで古本屋を覗く。〈三楽書房〉で枝川公一『ニューヨークの読み方』(ゴマブックス)300円、三島由紀夫『不道徳教育講座』(角川文庫)100円、村松友視『風の街夢あるき』(徳間文庫)200円。〈五十嵐書店〉で、高橋睦郎『詩人の買物帖』(平凡社)1500円。こんな本、知らなかった。〈二朗書房〉で『話の特集』一冊100円で5冊。また荷物が増えてしまった。歩数を増やすために早稲田を歩いているのに、どうして、つぎつぎと本を買ってしまうのか。でも、古本屋か新刊書店がなければ、歩いていてもつまらないしなあ。逆に云えば、本屋が目的だったら、ぼくはいくらでも歩くのだ。砂漠で死にそうになったら、「数キロ先に古本屋があるよ」と囁いてください。とりあえずそこまでは頑張りますから。


古書現世に戻り、お母さんとハナシ(セドローくんは「アラメ」という出雲の海草をやたらに気に入って、東京に買ってきたが、モノの調理についてもお母さんにうるさく指導したらしい)する。そのあと、セドローくんと最近できた〈南方郵便機〉という喫茶店で雑談。そこからグランド坂に向って歩き、都電荒川線に乗る。ナンにも目的はない。ただ、いつか「早稲田古本村通信」のネタに使えるかと思って。ずっと満員なので、途中で降りようかと思ったが、沿線風景や車内の会話がおもしろくて、けっきょく終点の三ノ輪橋まで。一時間ぐらいかかったか。三ノ輪の商店街で買物して、開いたばかりの〈中里〉でチューハイ飲んで、バスでウチに帰る。けっこう歩いたと思ったら、やはり1万歩は超えていた。


書評用の本を読み、晩飯(旬公がつくった金沢の麩・油揚げ・タケノコ・ニンジンの煮物と、三ノ輪で買ったギョーザ)を食べる。「早稲田古本村通信」の原稿を書き、雑用やってたら2時前だ。今日の歩数は1万2060歩でした。

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2005-04-18 愛嬌ある動物でいたい

ちょっと寝坊。届いていた〈月の輪書林〉からの荷物を開ける。長岡光郎の旧蔵書が数点当たる。『日本読書新聞』の合本はデカい。大修館書店の『月刊言語』4月号が版元から送られてきていた。臼田捷治さんが『ナンダロウアヤシゲな日々』を紹介してくださったと聞いていたのだが、開けてみてビックリ。巻頭カラーでドーンと書影カバーを開いたところも)が載っている。改めて写真で見ると、じつに妙な本だなあ。次ページでは、「たくまざる上質のユーモア」として、臼田さんがこの本の装幀とイラストレーションについて書かれている。ココに引用すると(旬公もぼくも)赤面してしまいそうなほど、ありがたいコトバだった。最初の本で思い切り遊べてよかったと思う。そういえば、しばらく前に臼田さんにお会いしたとき、「あの動物は、なんという種類ですか?」とマジメに尋ねられて、「カワウソです」とお答えしたのが、本文では「愛嬌ある動物」となっていた。このところ、いろいろ面倒なコトが多く、なかなか冷静でいられないのだけど、やっぱり愛嬌のある動物でいたいものですよ。


誕生日に旬公からベルトと万歩計プレゼントされたので、それを装着して出かける。自分がふだん一日に何歩歩いているかなんて、考えたコトなかったな。〈古書ほうろう〉で神原さんと立ち話。「古書モクロー」は最近わりとよく売れている。一箱古本市の日には、全部新入荷本を並べますんで、どうぞよろしく。ほうろうの棚から、小林信彦『つむじ曲りの世界地図』(角川書店)、ちょっとヤブレがあるが1000円は安い。ほかに、赤瀬川原平少年とグルメ』(講談社文庫)と種村季弘『書物漫遊記』(ちくま文庫)。どちらも単行本は持ってるけど、つい手が出た。そのあと〈往来堂書店〉で、笈入さんと話す。多川精一『焼跡のグラフィズム』(平凡社新書)を買う。


仕事場では、取材の整理とか、いろいろ。4月21日から古書会館で開催される「古本屋の書いた本」展の目録が届く。都崎友雄『新貸本開業の手引き』(1954)は読んでみたいなあ。ほかにも、キヌタ文庫の著書とか、巌松堂書店の『我楽苦他亭主人の記』とか、未見の本がけっこうある。スムース文庫の八木福次郎さん聞き書きも載せてくれたが、南陀楼綾繁は聞き手・構成なのだから「編」としてほしかった。配列が著者別なのも使いづらい。年代別にして、著者名索引をつけてほしかった。週末のトークショーは聴きに行くつもり。


7時ぐらいまで仕事して、帰る。万歩計のカウントは4000歩程度。けっこう歩いたのにおかしいと思って、改めて計ってみたら、ちゃんとカウントされていなかった。リセットして感度を変更する。また、ほうろうに行き、ミカコさんと話しながら、足を前後に動かしてみたが、それはカウントされず。店内を一周して帰ってくる。旬公が、万歩計ウェブに連動して(?)、東海道五十三次のドコまで行ったとか、伊能忠敬の歩いた道をたどるとか、あるらしいと云うので、「じゃあ、菅江眞澄コースとか、宮本常一コースとかも用意してくれないかな」と云ったら、アキレられてしまった。

2005-04-17 金沢古本めぐり・完結篇

けっきょく寝たのは4時半。9時半に起きて、フロントから宅急便(取材のために借りたを資料。……買った古本もあるけど)を出し、チェックアウト。さて、ドコから歩こうか。昨日思い出した〈駅前シネマ〉を検索してみたら、笠市町にあるらしい。とても映画館があるような界隈じゃないんだけど。その辺りをウロウロを歩き回ってみたが、まったく見つからなかった(しかし、東京に戻ってから届いた、徳島の創世ホールの小西昌幸さんのメールでは、「駅前シネマは今もご健在です。今月、ニュースを出しておられて、これが抜群に面白いです」とのこと。小西さんは数年前、金沢に行ったときに支配人藤岡さんに会ったそうだ。してみると、探し方が悪かったか。


地図を見て、浅野川に掛かる彦三大橋を渡る。そこから川沿いに歩く。それにしても、金沢には、古い木造住宅や古いビルが多い。歴史的建造物として保存するほど珍しいモノではないのだろうが、そういう建物が無造作に残っているために、かえって、昔の金沢が想起できるのだ。「秋聲のみち」というのを通って、今年4月に開館したばかりの〈徳田秋聲記念館〉へ。入館料300円。うーん。ちょっと展示物が少ないなあ。梅ノ橋を渡り、泉鏡花記念館(入らず)の脇を通って、尾張町の交差点へ。商店街の入り口にある〈近八書房〉へ。寛政元年(1789)創業だという由緒正しい店。仏教書が多いが、古い文学書もある。本を見ていると、お寺から買い取りの依頼が入っていた。


魚屋などが並ぶ近江町市場へ。日曜日なので、開いている店は少ない。〈弥生〉という店に入り、「マグロソースカツ丼」というのを食べる。揚げたマグロのでっかい切り身が3つ、ご飯の上に乗っているという質実剛健なメニュー。ソールをかけて食べる。これはウマイ。百万石通りをずっと歩き、一昨日も行った三店合同経営古本屋へ。〈本の広場〉という名前だった。昨日、田川さんと話していて、「あそこに清水誠の小冊子がありましたよ」と云われたので。その確認だ。郷土関係のパンフレットや雑誌があるあたりで探して、『清水先生伝』(清水先生顕彰会、1965)2000円を発見。昨日見た卯辰山の碑ができたあとに発行されている。清水誠の小伝、息子の清水武雄「父の思い出」、履歴書、年譜、顕彰事業の記録など。これを読んで、市内の玉泉寺に清水誠の墓があるコトを知った。次に来たら、お参りしよう。ほかに、小松で暮らした作家・森山啓の文学碑竣工記念(1975)のパンフレットを1000円で買う。年譜を見ると、このとき、まだ存命だったのだ。これは、この間ぼくもしおりの文章を書かせてもらった『市井作家列伝』(右文書院、5月刊)の著者・鈴木地蔵さんにお送りしよう。ぼくは森山啓のことを、この本のゲラで初めて知ったのだった。 


そこから南へ下り、犀川大橋を渡ってしばらく先にある〈ダックビル〉(http://www.duckbill.co.jp/)へ。わりとこぢんまりとした店だと思ったら、レジの奥にももう一室あり、そこにも本棚があった。テーブルがあり、座って本を読むこともできる。石川県文学史の本を買い、店主の女性と少しお話しする。この先にある〈やまくら書房〉は店売りをせず、予約者にだけ棚を見せるそうなので、電話をかけてもらったが、不在のようだった。残念。石川県書籍組合サイトhttp://ishikawa.kosho.gr.jp/)に載っている地図プリントアウトをいただく(あとで見たら、このサイト、どこに地図が載っているか判りにくい)。


桜が満開で、花見で盛り上がっている犀川のほとりを歩き、新竪町へ。この辺は骨董屋、雑貨屋が多い。その先、住宅街のちょっと判りにくいところに、〈ぶらり〉(http://blogs.dion.ne.jp/burari/)という店がある。木造一軒家をそのまま店にしており、1階と2階で、「和の書籍ガラクタ」を売っている。本に関しては古本好きを相手にしていない品揃えと値段だったが、ガラクタソフビ人形、郷土玩具マッチ、ポスター、ガラス皿など種々雑多でオモシロイ。上野桜木町の〈エキスポ〉に似ている。店主は金沢の〈ヴィレッジヴァンガード〉出身だそうで、本やがらくたに無造作に付けられたPOPがモロに〈ヴィレッジヴァンガード〉ぽいのが可笑しい。


中央通り片町のほうへ。途中、左側に古風な建物(けっこう大きい)が見える。〈ぼたん〉という純喫茶だ。外観だけでなく、中もイイ。4人掛け、2人掛け、明るい席、暗い席などさまざまなタイプがあって、選べる。柱やテーブルも生半可でなく古い。コーヒーはあまり美味くなく、ババロアなどという妙なメニューがある。「ザッツ・純喫茶」と呼びたい店である。コーヒーババロア(ウマい)のセット680円を頼み、地図を見ながらしばらく過ごす。空港行きのバスに乗るまで、あと3時間ぐらいある。もっと時間がかかると思っていたのだが、意外に早く回れてしまった。


そのあと、〈明治書店〉に寄って一冊(石川県文学全集の森山啓篇)買い、〈一誠堂野瀬書店〉に行こうと思ったが、それよりも遠いから今回はヤメようと思っていた、金沢市郊外古本屋へ急速に行きたくなってきた。そこで亀鳴屋の勝井さんに電話する。〈やまびこ書房〉へのバスでの行き方を教えてもらうためだが、「ひょっとして車に乗せて行ってくれないかなあ……」という気持ちがあった。その下心がすぐに伝わってしまい、勝井さん、お客さんを待っているのに、車で来てくださった。ホント、すみません。5キロほど離れたトコロの街道沿いに、3軒が並んでいる。いちばん手前の〈宝の本〉で下ろしてもらい、勝井さんと別れる。


小さな店に入ると、典型的な新古書店タイプ。しかし値段が破格に安い。文庫はほとんど100円。単行本は200円〜500円、マンガも100〜300円ぐらいだ。亀和田武『寄り道の多い散歩』(光文社)200円は安い。持っているような気もするが(→日記検索して持ってるコトは判明。これは「古書モクロー」に出します)。文庫3冊、マンガ4冊、単行本1冊をレジに運ぶ。勝井さんが「ここの店番のおばあさんは、一冊ずつ確かめたり拭いたりして、すごい時間がかかるんです」とおっしゃっていたが、ホントにその通りだった。値段を見る前に、なぜか全ページをめくり、なにかを確認している。そのあと値段を見る。全冊それをやって、なにやら計算して、「全部で1500円です」と云う。ぼくの計算では1150円なので、「いや違うでしょう?」と云い、値札を見せる。「すると、ああココにあったんですか」とおっしゃる。じゃあ、さっきのは何の仕草だったのか。それからが大変で、一冊ずつの値札を見せ、計算機に打ち込み(何度か「消しちゃった」といって、最初から繰り返した)、手取り足取りで、ようやく合計金額を出してもらった。レジに出してから店を出るまで、20分ぐらいかかったのではないか。要介護古本屋だ。トボけたおばあさんだったから、なんだかオモシロかったけど。


少し歩いたところにチェーンの〈ブックマート〉がある。ここでは1冊。その斜め向こうに、〈やまびこ書房〉がある。店内は広いが、棚と棚の間が狭く、天井いっぱいまで本が並べられているので、圧迫感がある。いかにもオンライン中心という風情。店主は戦前歌謡曲を聞きながら、パソコンをいじっている。木山捷平玉川上水』(津軽書房)800円ともう一冊を買う。これで金沢市内の古本屋は、開いてなかった〈南陽書店〉〈やまくら書房〉、行けなかった〈一誠堂野瀬書店〉〈内田書店〉以外は全部行ったことに。わずかな時間で、コレだけ回れたのは、田川さん、勝井さんのおかげです。感謝します。



バス停に行き、金沢行きのバスを待つ。しかし、一向に来ない。早めに待っていたのだが、金沢行きに限らず、30分ぐらい一台もバスが通過しないのだ。車はひっきりなしに通るが、タクシーはまったく通らず、このままバスが来なければちょっとヤバいなあと思った頃に、やっと到着。金沢駅には5時過ぎに着いた。駅のうどん屋で腹ごしらえして、小松空港駅のバスに乗る。フライトは7時半。羽田に着き、モノレール経由で西日暮里に着いたのは9時。〈大栄〉で旬公と待ち合わせ、久しぶりにサンギョプサルを食べ、ウチに帰って荷物を整理したら、ドッと疲れが押し寄せる。郵便宅急便がいろいろ届いていたが、すべては明日にして、早めに寝る。

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2005-04-16 亀鳴屋、清水誠、もっきりや

9時前に起きて、出かける。どこも同じだが、駅前の大通りはクルマが通るだけで、ヒトの姿はない。朝やってそうな食堂もなく、目についた喫茶店に入る(モーニングセットはワリと美味しかった)。観光案内所でもらった地図を見て、玉川公園のナカにある玉川図書館へ。開館と同時に入り、郷土関係の棚を眺める。『マッチ清水誠』という小冊子(ぼくも持ってる)を見て、日本マッチ産業の創始者は金沢出身だと思い出す。あと、以前書評した藤岡紫浪『映画番外地』(能登印刷出版部)を見つけ、このヒトが経営していた「駅前シネマ」はどうなったのかな、と思う。


大通りまで戻り、〈リファーレ〉という大きなビル(オフィスや住宅、ショッピングモール)の1、2階にある〈リブロ〉に入る。店のレイアウト、置いてある本が、東京リブロっぽいことに驚き、その一方で、せっかくこれだけ広いのだからもうちょっと手を入れればイイのになあと思う。しかし、児童書コーナーに行くと、様子が違う。「阪田寛夫追悼」というPOPの、上下にひしゃげたような独特の文字、コレは明らかに荒木幸葉の手になるもの。隣には、堀内誠一の絵本が復刊されたのを機に、堀内コーナーが。ちゃんと選んで置いているのが判る(しかし、堀内レタリングによる絵本『しずくのぼうけん』は別の場所に置かれていた。まだアマイな、アラキ)。


駅のすぐ近くにある〈ブックオフ〉で何冊買う。11時に〈亀鳴屋〉(http://www.spacelan.ne.jp/~kamenaku/)の勝井隆則さんが迎えに来てくださり、車に乗る。勝井さんとはじめてお会いする。以前、『本とコンピュータ』の座談会の出席をお願いしたとき、「任でない」と断られたコトがあり、まだ、出版物の内容・造本から、話しにくい人なのでは、と緊張していた。しかし、現実の勝井さんは、どこにあのエネルギーがと思うほどの、ごく普通の方だった。とはいえ、車の中でいろいろハナシを聞くうち、やっぱり一筋縄ではいかない、出版への執着ぶりが感じられた。


車は山に向って走り、湯谷原という場所へ。勝井さんの友人が、ココで川魚の養殖と食堂〈かわべ〉を営まれているというのだが、車を降りて目の前に現われたのは、川べりに建っている小屋みたいな建物。食堂は「気が向いたときだけ」営業し、めんどくさいときは客が来ても断るのだという。まさしく「オレの店」だ。入ると、店主の河崎さんが出迎える。座敷に上がるが、ビールや皿は勝井さんが自分で運んでくる。出てきた料理は、イワナ、ヤマメなどの刺身、塩焼き、天麩羅に、豊富な山菜。どれも素晴らしくウマイ。圧巻はヤマメ(? すいません、魚は詳しくないので…)まるまる一匹と一緒に燗をした日本酒。最初は魚のエキス入りでのみ、後半は身を崩して食べながら飲む。運転する勝井さんにはワルイが、すっかりいい気分。中島らもが「せんべろ探偵」のために金沢にきたとき、勝井さんがココに連れてきたのだという。ほかにも、種村季弘岡本喜八との交流についてもお聞きした。昼間から飲みながら、好きな著者について話すのほど、楽しいコトはない。二人の好きな著者がほぼ一致しているのだから、なおさらだ。気がつけば、河崎さんがヨコでインスタントラーメンをすすっている。ヒトにこんなウマイものを食べさせて、ご本人はほぼ毎日コレだという。いやあ、徹底した「オレの店」だ。でも、以前書いた高円寺の某店とまったく違い、河崎さんの直球ぶりは見ていて気持ちいい。また、来たいものだ(河崎さんは亀鳴屋サイトで「イワナ売ります」という連載も持っておられる)。


また市街に戻り、勝井さんの自宅兼亀鳴屋の事務所へ。6年前に建てたというモダンなお宅と美人の奥さんがお出迎え。でも、勝井さん本人はほぼ無収入だというフシギ。そういえば、「本の原価計算ってされているんですか?」と尋ねたら、「やりません」ときっぱり。まるで「お金のコトは知りません」と宣言したEDIのハチローくん(松本八郎さん)みたいではないか。きちんと本が整理された書庫を見せていただく。このナカに次の企画が眠っていそうだ。5月には『人譽幻談 幻の猫』に続き、伊藤人譽の本(室生犀星のコトを書いたもの)を刊行するそうだ。コレは即予約だな。


勝井家を出て、近くの〈H〉へ。プラモデル古本の店だが、文庫が全部50円均一なのだ! さすがの『ミステリーファンのための古書店ガイド』にもココは載っていなかった。数分歩いて、〈金沢文圃閣〉に到着。ココで、ぼくのお守りは勝井さんから田川さんにバトンタッチ。田川さんの車で、ダイエーの5階にある古本コーナーへ。1フロアの三分の一ぐらいを占める広さで、文庫は一冊100円〜150円程度。色川武大が何冊か見つかる。あと、花森安治の表紙の雑誌『文明』500円とか、とにかく安い。去年の11月にできたので、ココも『ミステリー〜』には載っていない。


そのあと、昔の遊郭跡を抜けて、浅野川にかかる中の橋を渡り、〈あうん堂〉(http://www.aun-do.info/)へ。店の一部が古本の棚、残りが喫茶スペースになっており、そこに飾られている本もその場で読める。いい感じ。お客さんも多い。田川さんの紹介で、店主の本多博行さんと奥さんに挨拶。サラリーマンをやめて、自宅を改造し、この店を始めたのだという。本多さんの友人が桂牧さんと親しいというコトもあって、すぐにハナシが通じる。一箱古本市のチラシを見せると、激しく喜んでくれる。金沢でも古本市をやりたいと考えているのだそうだ。すっかり話し込んでしまった。


本多さんに、「マッチ産業の創始者の清水誠の碑があるそうですが?」と訊くと、卯辰山にあると教えてくれる。そこで、また車に乗り、スーパーの中にある100円均一の古本コーナー(大西巨人巨人雑筆』が100円!)に寄ってから、卯辰山へ。どこにあるか判らなかったが、登っていくウチに発見。かなり大きな碑。昭和39年9月に清水先生顕彰会が建立している。もう暗くなったが、そのヨコにあった、比較的最近につくったらしい案内の碑の前で、写真を撮る。うー、コレを期に、なかなか進まないでいた、日本マッチラベル・コレクターについてのスケッチに着手したい。


山を降り、明治初期にできたステンドガラス入りの山門の尾山神社を見て、柿木畠のライブハウス〈もっきりや〉(http://www.spacelan.ne.jp/~mokkiriya/)へ。前で田川さんと別れ、中に入る。かなりヒトが入っていたが、どうにか座れる。オープニングは、京田由美子(元マザーグース)とその仲間たち。歌も演奏もなかなかイイ。リードギターがとくにウマイ。マザーグース金沢出身の女性3人のグループで、1970年代レコードを出していたという(今月、再発CDが出るそうだ)。よしだよしこが加わって一曲やり、休憩を挟んで、よしだよしこの歌とギター。昨年オフノートクリスマスライブで、数曲やったのを聴いたときから、気になっていた。まさか金沢で聴けるとは。今回は10数曲たっぷり聴けたが、深く感銘を受けた。琴のような「マウンテンダルシマー」という楽器でやった、「道端で覚えた歌」には凄みを感じた。聴きながら、『ぐるり』連載の次回で、このヒトのことを書きたくなった。


最後の曲の前に、「私を歌えるようにしてくれた高田渡に」と云い、その口調が追悼みたいだったので、驚く。終ってから、よしださんのCD[ここから]を買い、普段メッタにしないのだが、サインをしていただく。そのときに高田渡のことを訊いたら、昨夜夜中に亡くなったのだとおっしゃる。そうだったのか……。2年前、「げんげ忌」の会場で数曲聴いたのが、ぼくの唯一の高田渡ナマ体験になってしまった。


仕事を終えて、途中から入ってきたアラキと店を出て、すぐ近くの〈いたる〉という店へ。刺身の盛り合わせ、豚角煮、たけのこ煮など。酒は石川の「手取川」。アラキにいまの仕事のハナシを聞き、こちらは東京での動きを。旬公のワークショップを金沢で開きたいというと、喜んでくれた。11時半までいて、タクシーに乗り、ホテルで降りる。そのままタクシーに乗って帰るアラキと別れるときに、握手した。いろいろタイヘンだろうが、頑張れアラキ。「書評のメルマガ」の連載もちゃんと続けろよな。


部屋に帰り、メールのチェック。一箱古本市で処理を要するめんどうなコトがあり、旬公と電話で相談。そのあと日記を書くのにやたら手間取り、3時前になった。これじゃ、ウチにいるときと変わらないな。

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2005-04-15 金沢にやってきた

朝7時に起き、7時半にウチを出て、山の手線で浜松町へ。駅の立ち食いそば屋で朝飯。自動チェックイン機でチェックインを済ませる。モノレールに乗ったが、途中で熟睡してしまい、起きたら車両に誰もいなかった。ちょっと早く着きすぎたので、空港の〈丸善〉を覗いたり、土産を買ったりしてヒマつぶし。ゲートに入ってからも、喫茶コーナーでコーヒーを飲む。


10時フライトのはずが、空港が混んでいて出発が遅れる。機内では、さっき買った、『マンガの道 私はなぜマンガ家になったのか』(ロッキング・オン)を読む。安野モヨコ山本直樹江口寿史らへのインタビュー集。「マンガ家という生き方」にスポットを当てており、普通におもしろく読める。これはこれとして、同じメンバーに作品自体についてしつこく訊くインタビューも読みたい(インタビュアー、構成、注釈はぜひ竹熊健太郎で)。あと、ANAPR誌『翼の王国』4月号をめくっていると、椎根和の「植草甚一 その一」というエッセイが目にとまった。「ICON68-72」という通しタイトル、コレは椎根氏の連載なのだろうか?


植草サンは、古本屋を“フルボンヤ”とフランス語のように発音した。それは、今の女の子が“ディズニーランド”という時と同じ種類の、あの無垢の嬉しさが、ただよっていた。


はたして「同じ種類」なのかはワカランけど、ぼくの知り合いで、古本屋を「フルボンヤ」と呼ぶのヒトは、エンテツこと遠藤哲夫さんだ。ちょっと眠ったりしてると、小松空港に着く。快晴だ。


直通バス金沢駅へ。金沢には大学生のとき、青春18切符の旅の途中、駅に泊まったことがある。それと、その数年後、能登半島に行くときに金沢にも寄ったはずだ。……じつは、よく覚えてないんだけど。どっちみち10年以上前のハナシだ。駅はすっかりキレイになっているし、自分がどちら側の口に降りたかもはっきりしない。


金沢音楽堂の前で待つうち、〈金沢文圃閣〉の田川浩之さんが迎えに来てくれる。メールでやり取りしていたが、お会いするのははじめて。じつはもっと年輩の方だと思いこんでいたが、ぼくよりも2歳年下で、同じ時期に早稲田にいたという(ほかにも、もっといろんな因縁があることが、あとで判った)。香林坊にある、〈滉葉〉という落ち着いた料理屋に案内され、お造りのランチを食べる。


そのあと、〈金沢文圃閣〉の店の上の事務所インタビュー。奥さんと5ヶ月の赤ちゃんにも会う。興味深いハナシ、いろいろ聞けた。途中、荒木幸葉さんがやってきたので、しばらく待ってもらう。去年、神戸で会って以来だが、元気そう。いまは中尾さんだけど、ココではアラキと呼ぼう。取材を終えて、店の本を拝見する。いやー、びっくりした。世代が近いせいだろうか、田川さんが中央線に長く住んでいたせいだろうか、全体にいまの東京の品揃えのイイ古本屋さんにとても近いのだ。それで値段は、けっして高くない。真鍋博『たびたびの旅』(文藝春秋)1200円・献呈署名入り!、真鍋博(絵)『英絵辞典』(カッパブックス)1200円、河原淳『絵の楽しみ』(ダヴィッド社)1500円、『本の雑誌』3号と1976年春号(号数不明)各500円。いちばん高かったのは、『生島治郎の誘導訊問 反逆の心を取り戻せ』(双葉社)で2000円。でも、この本、野坂、吉行、田中小実昌佐野洋らとの対談集で、オモシロそう。こんな本、知らなかった。和田誠の装幀もイイ。それと、インタビュー中の事務所で発見した、奥成達『3時間笑いっぱなしの本』(かんきブックス)。奥成さんへのインタビューを予定しているので、コレは見逃せない。値段をつけてくださいと頼んだのに、タダでいただいてしまった。


金沢文圃閣の出版物もお借りしたので、たちまち荷物が増える。そのあと、田川さんの御案内で、アラキも一緒に古本屋回り。アラキは金沢引っ越してもうすぐ一年経つが、はじめての店もあったようだ。〈加能屋書店〉ほか2店で共同運営している古本屋で、100円の文庫本を数冊。〈広坂書房〉でも、100円均一で3冊。いずれも「古書モクロー」で売れそうな本。店の女性が、たった200円の客に、カバー、しおりをしてくれ、丁寧にお礼まで云ってくれた。すばらしきかな、金沢


21世紀美術館のヨコを通り、メインの商店街へ。そこからヨコに入ったあたりの〈M〉というおでん屋へ。おでんが豊富なだけでなく、ほかのメニューも充実。どれもウマイ。地元の人が連れ立ってくる店らしく、ずーっと満員だった(なので、店名は伏せておこう)。地元の〈菊姫〉も飲んで、いい気分。書店のこと、出版のこと、いろいろとハナシが弾んだ。10時過ぎに店を出て、車に乗る。


途中、道端の看板に「天狗乃肉」とあったので、驚いて田川さんに訊くと、「ああ、肉屋ですよ」と。そりゃそうだろうけど、スゲエ名前だな。人魚の肉を食べると寿命が延びるという俗信を思い出した。あとで検索してみると、サイトがあった(http://www.tenguhonten.co.jp/index.htm)。由来のところに、こうある。


創業当時(明治41年)は、食肉の習慣が普及していないこともあり、創業者の中田岩次は、自ら天狗の朱面をつけて馬にのり、手には大きな団扇を持って街を練り歩き、店名及び「天狗乃肉」の周知はもとより、食肉の消費拡大に努めました。


いや、だから、その啓蒙活動が「天狗の肉」を売っていると勘違いされなかったのか、心配なんすけど……。名前って、地方によって受け取り方が違って面白いよな。あと、テレビを見てたら、CMで「森にペリカン」と連呼していた。これ、ナンだと思います? パチンコ屋の名前ですよ。略称「森ペリ」。フシギな言語センスである。アクセスの畠中さんあたりは、「それ、よく判るわー」と云いそうだが。


途中でアラキと別れ、田川さんに駅の西口にあるホテルまで送ってもらう。このホテルLANで部屋からネットにつなげられるので、助かる(ナゼかバスタオルというものがないのだが→ずっと上のほうの棚で見つかりました)。一箱古本市関係のメールが十数通届いており、返事を書くのに1時間ぐらいかかった。テレビをつけていたら、《探偵ナイトスクープ》をやっていた。今日で立原啓祐番組をヤメるそうだ。なんと16年もやってたとのこと。その後も、なんやかんややってると、1時過ぎた。あ、もう、誕生日が終ってしまった。

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2005-04-14 幼児退行しながら図書返却

おいおい、昨日はついに5時回ってから寝たよ。カンベンしてくれ。朝、出がけにポストを見たら、『日本古書通信』の最新号が。4月20日(水)〜26日(火)の「池袋西口公園古本まつり」の広告に、岡崎さんとぼくが「応援メッセージ」を寄せている。古書通信の樽見さんから「岡崎さんのはこうですよ」と見せられて、それに対抗して書いたのだが、岡崎さんのはリズミカルなのに、ぼくのはどうもダラダラしてる。コピーライターの才能はありません。それにしても、あちら(池袋)は50店、30万冊、片や、こちら(一箱古本市)は75店、5000冊(?)程度でしかないが、同じ週に野外でという共通点がある。この週はずっと晴れていてほしいなァ。記事では矢部登さんが「EDI叢書」完結について寄稿されている。


仕事場に行き、明日からの金沢行きの準備。ここんところ、毎週出かけているのでその前にカタをつけなければならない用事がけっこうある。その間をぬって、一箱古本市の店主からの回答をまとめる。これらは順次、「不忍ブックストリート」のサイトにアップして、こんな店主・こんな本が出ますよと、告知していく。みんな、屋号や品揃えにアタマをつかってくれているので、楽しく読める。今日届いた回答で、オモシロすぎるのがあったので、この場で先に公開してしまおう。


屋号:普通女子の本棚

名前:畠中理恵子

本の傾向:最近出版された普通の漫画、最近出版された普通の小説など。どこにでもある本を安く販売。

抱負:普通の本を初めて売ってみる快感、そして定価でない本を初めて売ってみる快感を体験したいです!

http://www.bekkoame.ne.jp/~much/


なんなんすか、その「普通女子」というのは! さすが、酔っ払って、自分のことを「黒いでっぱり」と命名しただけのコトはある。見事な言語センスです。こんなに「普通」を強調されるとかえって見てみたくなる。


6時ごろ出て、〈古書ほうろう〉へ。打ち上げイベントの参加人数が日に日に増えていくことへの対応を話し合う。昨年の「第一回モクローくん大感謝祭」は50数名だったが、アレは座ってもらったから、今度はオールスタンディング(というとカッコいいが、ただの立ち見)であのスペースに何人まで入れるか。「イナバの物置」のCMみたいな実験になりそうである。〈サミット〉で買い物し、ウチに帰って晩飯(豚コマとニラ、しめじの炒め物)をつくって食べる。


テレビ香港映画インファナル・アフェア》を観る。ぼくはビデオで観ているが、旬公は初めてでかなりオモシロがっていた。今度公開する三作目を見に行くコトに。雑誌新聞が溜まっていたので、縛って外に出す。そのあと、返却期限の過ぎた本を、日暮里図書館まで自転車で返しに行く。旬公はついてきてくれず。夜の図書館ってブキミで怖い。とくに、日暮里図書館の周辺は薄暗い。幼児退行気味になりながら、返却ポストに投入し、自転車に飛び乗って去る。イイ歳してコワガリなんですよ。


ウチに帰り、またメールの返事を書く。いつまでも終らないなあ。日記を書いたら、もう1時だ。明日は10時に羽田フライトで、金沢に行きます。これから荷物をつくります。明日、明後日の日記更新できるかどうか、判りません。では、行ってきます(ここんところ、しょっちゅうこう書いてる気がする)。


さっき日記をアップして気づいた。もう日付けが変わっているから、4月15日だ。ぼくの誕生日なのだった。ことしで38歳。なのに幼児退行。しかも、寝ようとして、「本のメルマガ」の原稿を忘れてたことも気づく。明日は書けそうにないので、急いで書いてしまう。ああ、眠い。

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2005-04-13 腰が落ち着かない

昨夜、「早稲田古本村通信」の増刊号(角田光代岡崎武志古本道場』ポプラ社、の刊行記念)に載せる原稿を書いて送る。ちょっとフザケすぎたかな。でも、ホントのことだから、ま、いいか。ほかにもいろいろあって、寝たのはまた4時。せめて3時には寝たい。


今日は自宅で仕事することに。著者との連絡を取りながら、不忍ブックストリート関係の連絡も。朝はおにぎり屋で、昼はコンビニラーメン買ってきて、旬公と食べる。4時に、〈古書ほうろう〉で産経新聞のIさんと待ち合わせ。宮地さんと三人で〈花歩〉に行き、取材を受ける。いきなり大きなクマンバチが室内を飛び回ったので、一同ビックリ。花歩の奥さん、一箱古本市を楽しみにしていると云ってくれ、嬉しい。


また、ほうろうに戻り、Iさんは写真撮影。そこに内澤がやってきて、Iさんと話す(以前からの知り合いなのだ)。そのあと、ほうろうの4人と、ブックストリート関係の連絡事項あれこれ。メーリングリストを使って、毎日連絡を取っているのだけど、こうして会うほうがやっぱりハナシが早く進む。雨も上がったので、自転車で〈往来堂書店〉へ。吉見俊哉・若林幹夫編著『東京スタディーズ』(紀伊國屋書店)、伊藤理佐チューネン娘。』第2巻(祥伝社)を買う。前者には若林氏による「『シティロード』と七〇年代的なものの敗北」という文章が入っている。


ウチに帰り、図書館で借りっぱなしになっていた、高橋輝次『原稿を依頼する人、される人』(燃焼社)を読む。60人ぐらいの編集者についての思い出、編集者としての思い出が載っている。まったく面白くない文章と、リアルで臨場感のある文章に分かれる。よかったのは、松永伍一、関川夏央、保昌正夫、八木義徳、長部日出雄、粉川哲夫松本八郎といったあたり。海野弘「最初の依頼」は、最初の著書である『アール・ヌーボーの世界』を出した造形社の田島義明というヒトの思い出を書いている。海野さんが小学校のときに絵を習った須山計一の展覧会を見に行き、そこで、造形社が出した須山の著作に会う。そこからはじまる回想は、感動的だ。


今夜は久しぶりにじっくり本を読もうかと思うが、メールの返事を書いたり、晩飯(鶏肉とトマト、タマゴ炒め)をつくったり、「書評のメルマガ」の編集をしたりしてると、たちまち時間が過ぎる(いつもこんな愚痴を書いてるなあ)。オヨちゃんの尽力により、不忍ブックストリートサイトhttp://yanesen.org/groups/sbs/)のコンテンツがずいぶん増えた。これからも、店主のプロフィールなど、いろいろ追加していくつもり。当分のあいだは、腰を落ち着けて本を読むのはムリそうです。


【今日の郵便物】

★『レモンクラブ』5月号

今回の書評は、吾妻ひでお失踪日記』(イースト・プレス)を。こないだ三省堂神田本店の一階のワゴンで、同書が山積みされているのを見た。売れているらしい。


【お知らせ】

こないだの大阪行きで、買った本をそれぞれの日にアップしました。

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2005-04-12 「月の輪書林古書目録」を読む

4時に寝たので、眠い。起きぬけ一発目の作業は、地図の郵送。関係者に二部ずつ封入する。「モクローくん通信」読者の皆さんには、来週発送します。もう少しお待ちを。『ユリイカ』4月号の特集「ブログ作法」に書いた文章は、予想通り、ほとんど反応がナカッタのだが、今日になって、「ホッチキスカンガルー」(http://d.hatena.ne.jp/sniff/20050412)さんが、特集が「正直にいって、ぜんぜん何の話なんだか分らなかった」なかで、ぼくの書いた一文に「共感できた」と書いてくれた。たしかにこの特集、どのあたりに読者を設定しているのかよく判らない。冒頭の座談会は、固有名詞にまったく説明がついていないが、注をつけるなり、参照ページを示すなりしてほしかった。こういうときこそ、デジタルメディアとは違う、紙の媒体の特性を生かすチャンスだったと思うのだが、それをまるまる放棄してしまっているのは、どうしたワケか。「ブログ作法」の前に「雑誌作法」をやったほうがイイのでは。


11時過ぎに出て、〈古書ほうろう〉で地図を300部受け取る。コレを持って、千代田線に乗り込む。車中読書は、月の輪書林古書目録14『田村義也の本』。これまでの目録であれば、竹中労なら竹中の著作に関連する文献や、そこから連想できる本を合わせて行くのが「月の輪流」なのだが、今回は、田村の装幀本、書き込み本、旧蔵書を分けて載せている。その整然さは、田村の蔵書がすでに大学や市場に出回っており、目録の本が「残り物」であることへの忸怩たる思いからきたのでは、と最初は思った。しかし、田村と言葉を交わしたかもしれないという「妄想」だけで、一誠堂の小梛精以知の旧蔵書が登場するアタリから急速に面白くなっていく。次章は、田村と田所太郎を通じてつながる(?)長岡光郎の旧蔵書。このヒト、花森安治の旧制松江高校での後輩にあたるのだ。いまだ着手していないとはいえ、松高時代の花森に興味のあるぼくとしては見逃せない。そして最終章は「『田村義也』の本」。これは書き込み本でも旧蔵書でもない。月の輪さんが「田村義也」から連想した本を集めているのである。民俗学部落問題、明治風俗史、文学……と広がるその目録は、田村の蔵書を使わずして、田村の仕事の幅広さを見渡すものになっている。「田村義也の世界をつかんだ」という月の輪さんの自信がうかがえる。入魂の13号とはまた違うスタイルで、ぼくはけっこう気に入った。


表参道で降り、〈古書日月堂〉へ。佐藤真砂さんはまだいらしてなく、隣のお店に地図を託して出る。仕事場に行き、もろもろ。「書評のメルマガ」を仕上げて発行する。6時に出て、神保町へ。古書会館でセドローイチローコンビに会うことになっていたが、仕事が終らないようなので、一足先に、その近くの〈YuriKayato〉へ。「餃子と世界のビール」という看板が以前から気になっていた。ナカに入ると、ソウルレコードジャケットがたくさん飾られ、音楽ソウル。そして世界のビール。なのに、つまみは餃子というフシギな店。チェコビールを飲み、餃子を食べていると、二人が到着。イチローくんが開口一番、「尾の店、昨日も来て、12時半までいました」だと。


日の出雲での買い取り、最終結果が出たので、そのお金を受け取る。合計でほぼ40万、二人の取り分と市場の手数料を引いても、26万ほど残った。予想より高く売れたという。イチローくんが出雲で、深夜までかかってヒネリを入れてくれた成果だろう。売上伝票を見せてもらったが、「竹中労 他 3冊」とか、「ボクラ小国民大正美人伝 他 2本口」とか、「映画関係 3本口」というように、まとめられていて、興味深い。自分が古本屋だったら、「横山やすし、たいめいけん 他 2本口」「中公・学術文庫 他 3本口」あたりには、思わず札を入れてしまいそうだ。ともあれ、コレで一区切りついた。二人ともお疲れさまでした。


出雲での買い取りはまだ二週間ほど前のコトだけど、すでに遠い昔の思い出になりつつある。この日記では触れられなかった、岡山出雲レンタカー屋のヒドイ対応とか、ぼくの母親のオモシロ発言とか、新築の家に本だけ運び込む異常さとか、松江屋形船の客、あれはナニモンなんだとか、いちいち思い出しては大笑いする。そのほかに、ココには書けないが、横腹が引きつるようなハナシが続出。ひとつだけ云っておくと、セドローくんは「右翼古本屋」として認知されつつあるらしい。近々、保守ケーブルテレビ(?)にも出演するらしい。話をするのが楽しくて、名残惜しくて、けっきょく11時半まで。


ウチに帰ると、月の輪書林さんから目録注文へのお礼のファックスが。「次号は平凡寺。三脚を買って写真版にチャレンジします。妄想は色々ひろがりますが、手持ちで遊んでみます。我楽他宗にならって三十三号と飛ばします。1000部つくって500部の発行予定。いや500部限定にした方が面白い?」。さっそく次に向けて、動いているようです(実際にできてみたら、まったく違うテーマになってるかもしれないが)。一日中、古本のハナシができて、とても楽しく過すことができた。毎日こうならイイのになァ。

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2005-04-11 『堀内さん』に出会えた

4日も家を留守にしていたのでサスガに疲れたか、ぐっすり眠る。地震があったらしいが気づかず。今日は雨が強く降っている。10時に〈古書ほうろう〉に寄り、地図とチラシのセット400部を受け取る。神保町に出て、古書会館。今日から「新宿展」なのだが、会場を見るヒマもなく、セドローくんに地図を渡す。イチローくんから、出雲の蔵書処分の最終結果をいただく。思ったよりずっと高く売れた。市場で買われていったあれらの本は、今度はどこで売られていくのだろうか。


神保町ではほかに、〈かげろう文庫〉、〈三省堂書店〉、〈岩波ブックセンター〉で地図の配布をお願いする。アクセスにも寄って、入ったばかりの『本の雑誌』を買う。「自在眼鏡」欄に、一箱古本市の紹介が載っている。見出しは「ネットワーク古本市現る!」。苦し紛れにつけたキャッチフレーズだったんだが、こんなに大きく使われると、それらしく見えるな。〈ふらいぱん〉でマイタケハンバーグ定食を食べ、仕事場へ。座談会の日時調整、アンケートの依頼、その他。


6時に出て、中野へ。雨、いっこうに止まず。こういう日に紙モノを持って歩くのは気が思い。〈タコシェ〉で中山さんに地図を渡す。そのあと、吉祥寺の〈トムズボックス〉へ。先日の「げんげ忌」でお会いした店員の笹倉さんが、地図を置きたいと云ってくれたのだ。ココに来るのは二年ぶりぐらいか。ちょうど片山健さんの「水彩花粉店」という展覧会が開催中で得した気分。水彩なのに油絵みたいに厚塗りして見える、不思議な絵。思わず、しげしげ見入る。『犬、猫、魚、その他』(トムズボックス)、『夜の水 朝の水』(架空社)、絵本『3びきのくま』(千野栄一訳、ミキハウス)、展覧会にあわせてつくられたマッチを買う。ほかに、どこかのミニコミ展で見かけて気になっていた、近藤みわ子『私家版 成瀬巳喜男映画絵読本』(トムズボックス)も。


これらの本を抱えて、入口付近の平台を目をやって驚愕。なんと、堀内誠一の追悼文集『堀内さん』があるではないか! 1997年刊の私家版で、〈青猫書房〉の目録で注文したがハズレてしまった。それがまっさらの新本として目の前にある。笹倉さんにお聞きすると、最近何冊か預かったとのこと。もちろん、ありがたく買う。3500円。あと一冊残っていたが、堀内誠一が好きなヒトがうまく見つけてくれればいいがなあと願う。本書の装幀は、「堀内大学」の卒業生である新谷雅弘さん。印刷・製本は精興社だ。


あとから店に入ってレジで話している人、どうも声に聞き覚えがと思ったら、〈ギャラリーアートスペース〉の篠原誠司さんだった。恒例の「ライブラリー展」のハガキを置いて回っているとのこと。こちらも地図を手渡す。西荻に行き、〈興居島屋〉へ。地図を渡し、1977年に出た女性向けリトルマガジン『ノラ』(婦人生活社)の3、4号を各1000円で買う。創刊号はたしか持ってる。〈ハートランド〉〈音羽館〉でも地図配り。後者では、今柊二さんとばったり。このヒトとはよく遭遇する。最後に、阿佐ヶ谷の〈よるのひるね〉で門田さんに地図を渡して、今日持って出た分はすっかりなくなる。


帰りの電車で、浅生ハルミン『私は猫ストーカー』(洋泉社)を読む。新書判で、すっきりした造本。抑制の効いた文体に絶妙なくすぐりが混じる文章もイイ。ぼくなんか、最初の本にはアレもコレも入れたいとなってしまったが、ハルミンさんは猫いっぽんで押し切った。でも、2冊目は雑文集が読みたいよ。余談だが、ぼくは数年前に、まだ本を出したことのない女性の一冊目を出すシリーズの企画書を書いたコトがある(誰にも見せてないが)。実現すれば、最初の著者としてハルミンさんにお願いするつもりでいた。ともあれ、おめでとう、ハルミンさん。


ウチに帰ると、モーレツな眠気が襲ってきて、少しヨコになる。そのあと、「不忍ブックストリート」のサイトhttp://yanesen.org/groups/sbs/)に載せる記事を書いたり、日記を書いたりしてると3時になってしまう。今日は、月の輪書林から目録14『田村義也の本』が届いていて、ゆっくり目を通したかったのだが、それも適わなかった。


【今日の郵便物】

★『ifeel 読書風景2005年春号

タイムスリップグリコ「思い出のマガジン開発者インタビューに並んで、南陀楼綾繁が「第二弾を勝手に遊ぶ」企画をやってます。ナニを選んだかは、見てのお楽しみ(サイトにも掲載されているハズ)。これを選ぶために、記憶をたどったり調べたりした時間が、とても楽しかった。ほかの皆さんもやってみて、そのセレクトをぼくに教えてください。

★古書目録 泰成堂書店、月の輪書林

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2005-04-10 梅田で迷う

朝、前田くんの家を出て、梅田に出る。ちょうちょうぼっこの福島杏子さんと、〈紀伊國屋書店〉の近くで待ち合わせるコトになっていたのだが、途中で迷ってしまってとんでもないことに。ぼくが方向音痴なせいもあるけど、警備員やインフォメーションで2回聞いて、「あっちをずっと行けば」とか、「その先を地下にもぐって」とか方角を指し示すだけで、2回ともちゃんと場所を教えてくれなかった。大阪人には常識なことを、ほかの地方から来る人にわかるように伝えるコトに慣れていないのだろうか。


ともかく、「オレはなぜココに?」状態になり、福島さんに電話して、現在地まで来てもらう。喫茶店インタビュー。これで4人全員にハナシが聞けた。いつもの取材とは違い、各自の見方を浮かび上がらせるような聞き方につとめた。それがうまく文章にまとめられればイイと思う。


JR天王寺。駅ビルで昼飯を食べ、阪和線で杉本町。大阪市大学の中谷礼仁さんの研究室で、「編集出版組織体 アセテート」(http://www.acetate-ed.net/)の取材。中谷さんは自然体で、カッコイイ。いろいろと刺激を受け、帰りの電車でも妄想が膨らんだ。ホントは、〈リブロ〉の堺店に寄ろうかなと思っていたが、時間がなさそうなので諦めて、天王寺御堂筋線に乗り換えて新大阪へ。駅のカフェで時間つぶし、6時半ののぞみ号に乗る。


ウチに帰ったのは9時半。なぜかいつも天王寺駅で買うコトになる〈HORAI551〉の豚まんとシューマイ。うまい。留守中に完成した「不忍ブックストリートMAP」を見る。色校はさんざん見たが、やはり本物はイイ。ハナシが出てから4ヵ月で、みんなよくココまでやったよなあ、と感無量。昨日からもう近辺での配布を開始している。土日だけですごい勢いで持っていかれているそうで、嬉しい悲鳴だ。その他、滞りがちだったメールの返事を書く。「東京スムース友の会」の参加者は、同人を除いて現在17名。まだ余裕がありますので、お早めに。そういえば旅先で、この席でやる余興をヒトツ思いつき、「おお、こりゃイイ企画だ!」と悦に入ったのだが、いまさっぱり忘れているコトに気がついた。なんだったっけ……? 思い出したら、ココで提案します。


小沢信男さんからお知らせいただき、「東京新聞」のサイトhttp://www.tokyo-np.co.jp/doyou/)を見る。「土曜訪問」というコーナーで、小沢さんの記事が載っている。『彷書月刊』の皆川さんのハナシでは、次号(?)の俳句特集で、小沢さん宅で句会をやるそうな。『みすず』の連載も好調だし、『季刊・本とコンピュータ』最終号にもご執筆いただくし、いつも以上に忙しい小沢さんなのだった。

2005-04-09 大阪二日目

11時に、堀江の〈ちょうちょぼっこ〉へ。真治彩さんのインタビュー。そのあと、肥後橋に行き、建築専門の〈柳々堂〉へ。探している本について、いろいろ教えていただいた。〈calo〉で古本フリーマーケットを覗く。『ポケットパンチOH!』一冊500円は安かった。編集部に缶詰中の『エルマガジン』イナモリさんが駆けつけてくれ、ちょっと話す。谷町六丁目に行き、ちょうちょの次田史季さんと待ち合わせ。喫茶店インタビュー。終わって、天神橋筋六丁目に移動し、前田君と三人で焼き鳥屋(種類がたくさんあり、安くてウマイ)に入る。ご歓談中にセドローくんから前田君に、原稿催促の電話。ぼくへのメッセージは、「いったいイツ帰ってくるんですか!?」。すいません。明日の夜には東京に帰ります。


この日買った新刊は次の通り


京町堀・肥後

◎柳々堂

ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ『ピラネージ建築論 対話』アセテート、1400円

『いつかの、だれかに 阪神大震災・記憶の〈分有〉のためのミュージアム構想展』[記憶・歴史・表現]フォーラム、1300円

風景・記憶・建築 建築家宮本佳明氏に聞く』震災・まちのアーカイブ、300円(税込)

『Ahaus アーハウス』第1号(特集・前川國男と弘前)、アーハウス編集部(青森市)、933円


◎calo Bookshop & Cafe

『Pocketパンチ Oh!』1969年10月号、500円 →古本

『ミス・ペテン 鴨居羊子の世界』カタログ、1200円

『四月と十月』12号、500円

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2005-04-08 大阪一日目

朝、近鉄特急難波へ。行ってるところだけ挙げるだけで、時間がかかってしまうほど、いろいろ回って、6時ごろに本町の大阪会館へ。関西の出版人の勉強会(?)「剄版会」で話す。終わってから、二次会へ。大阪京都のいろいろな版元さんとお話できて、楽しかった。前田和彦くんのところに泊めてもらうので、今里まで一緒に帰り、そこの中華料理屋でちょっと飲む。前田家に着き、2時ごろに眠る。


この日買った古本は以下の通り。


天神橋筋五丁目

青空書房

三好徹『近代ジャーナリスト列伝 天馬の如く』上・下、中公文庫、500円

結城昌治『炎の終り』広済堂ブルーブックス、100円

千林大宮

◎ブックマート

尾辻克彦『父が消えた』中公文庫、100円

中島梓ベストセラーの構造』ちくま文庫、100円

谷沢永一『えらい人はみな変わってはる』新潮社、700円

【ひとこと】

野村宏平『ミステリーファンのための古書店ガイド』(光文社文庫)には記載のない店。100円均一の量が多いのに驚き、年代が古い本が多いのにもビックリ。新古書店っぽくない。


◎楠書店

石子順造『表現における近代の呪縛川島書店、800円

→マッチラベルについてのエッセイあり

梅田晴夫『淑女のライセンス読売新聞社、800円

【ひとこと】

棚と棚のあいだが狭い店だが、筋のいい本が見つかる。


◎BOOKS CHIGA

ラスプーチンが来た 山田風太郎明治小説全集11』ちくま文庫、200円

山口文憲『空腹の王子新潮文庫、100円

尾辻克彦『吾輩は猫の友だちである』中公文庫、100円

【ひとこと】

ココも均一が豊富。数軒隣に本店の〈千賀書房〉があるが、そっちはほとんどビニールパックされているし、値段も高め。ネット販売対応っぽい。


◎ほんけ書店

山川方夫『愛のごとく』講談社文芸文庫、300円

【ひとこと】

野村本に、看板に「らくだ書店」と「魁歩堂」の二店が載っている「古本屋の一人二役トリック」と書かれていたが、じっさいに行ってみたら、そこにあったのは「ほんけ書店」だった。住所も同じだし、「らくだ書店」と「魁歩堂」はドコに入ったのだろうか? 一人二役、しかし、犯人はべつのヤツだった、というところか?(店自体はごくフツーだった)


山口書店

田中小実昌カント節』福武書店、300円

【ひとこと】

商店街の中の古い木造の店。しかし、文庫コミックよりも、山の本や文学書が目立つ。五反野の「四季書房」を思い出す。


◎OBPツイン21古本フェア(京橋

『世界の雑誌研究講談社、1500円

河原淳『雑学人生のすすめ』新人物往来社、300円

三橋乙揶(シバ)『笑えいっ!! 科学の法則集』創拓社、300円

河盛好蔵『あぷれ二十四孝』新潮社(装幀・花森安治)、300円

青英舎編『元気印大作戦 学校解放文庫角川文庫、200円

海野弘『黄金の五〇年代アメリカ講談社現代新書、200円


北浜

◎アトリエ箱庭(とらんぷ堂)

JOSEF LADA『DIE ABENTEUER DES BRAVEN SOLDATEN SCHWEJL IN BILDERN』3500円

→『兵士シュベイクの冒険』のドイツ語版。プラハ出版社らしい。見返し、本文のイラストが美しい。やっぱりラダはええのぉ。


◎海文堂書店店長手渡し) ★新刊

中村よお『洋楽ROCK関西実況70’s』幻堂出版、1500円

オヤジ芝田『神戸ハレルヤ! グルめし屋』幻堂出版、1200円

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2005-04-07 名張にて

どこに行ってる、行方不明だ、という声がありましたので、所在情報のみお送りします。


朝8時の新幹線で、三重県名張市へ。名張図書館嘱託の中相作さんの取材。夜は、江戸川乱歩も泊まったという〈清風亭〉で、夕食をご馳走になる。ホテルに帰り、関西ローカルテレビを見て、眠りに就く。

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2005-04-06 ようやく一段落

昨夜、ヘッダの部分がおかしいと泣きを入れたら、「Tagedieb」(http://blog.goo.ne.jp/sknzxxx)のnz00さんがすぐに教えてくれて、解決。感謝します。そのあと3時までかかって、短い原稿を書く。ある著者の単行本に入れる「しおり」の文章なのだが、こういうのは初めてなので、文章の方向性を定めるまでに時間がかかってしまった。寝たのは今日も4時。


朝は神保町へ。〈書肆アクセス〉に寄るが、畠中さんには今日も会えず。珍しく体調悪いみたいで、心配(いつもコッチが心配してもらっているのに)。「一箱古本市」のチラシを、青木さんに渡す。書店を数軒覗き、〈ディスクユニオン〉で、旬公に頼まれたDuck Tails [Fm Yokohama Presents Crazy Kenのゴロッコン・キュー・イイネ]という、なんだかよく判らないタイトルCDを買う。ダックテイルズクレイジーケンバンドの前身。あと、KILLING TIMECDが5枚も再発されたので、[BOB]と[SKIP]を買う。ワールドミュージック+アヴァンギャルドの実験的なサウンドだった。


仕事場に行き、書きかけの『本の雑誌』の原稿をまとめる。台湾のモクローくんに会ったハナシ。今回は「モクローくん」とは使ってないけど。カットされなければ、彼とぼくの衝撃のツーショットそっくり写真が誌面を飾る予定。そのあと、「本コ」最終号の取材。伝説ライターYさんが、これまた伝説エディターAさんに話を聞く……予定が、互いが質問し、互いに話し合う対談みたいになった。出てくる人名雑誌名、すべてが興味深く、この場に立ち会えたコトに密かにコーフンした。4時間近くかかったけど。


ウチに帰って、セドローくんの日記を見たら、今日から突然「はてなダイアリー」に移行していてビックリ。「古書現世店番日記」(http://d.hatena.ne.jp/sedoro/)。岡崎さんといい、この数日で「はてな」仲間が増えてしまった。『ユリイカ』のKさんからメールで、某バンドの特集が決まったと知らせてくる。今日、メンバーのS氏と打ち合わせてきたと、コーフンした風情だった。役得と云わば云え、仕事にかこつけて会いたいヒトに会えるのは、編集者という職業の特権である。それにしても、Kさんの企画書には、いつも「【徹底討議】◎◎◎(その号のテーマ)、その可能性の中心」という仮題が入っているのが、オモシロイ。つい、使っちゃうんだろうなあ、「その可能性の中心」。


晩飯のあと、いつもどおり遅れている『彷書月刊』の原稿を書く。今回は、岡山出雲古本旅行のこと。ネタは十分だが、一度日記で書いてしまったことを、独立した別の文章として書くのは、案外難しい。どうやら書き上げ、明朝からの関西行きに持っていく荷物を用意したら、2時前。それでも少しは眠れそうだ。


というワケで、また数日間、更新をお休みします。留守中もメールは見ていますので、「東京スムース友の会」の申し込みをお待ちします(本日の時点で13人参加)。また、「一箱古本市」についての連絡も受け付けます。


8日(金)の夜7時からは、大阪の「勁版会」の例会で、「ぼくが〈小さなメディア〉にこだわる理由」と題して、ささやかなハナシをさせてもらいます。事務局は川口正さんです(TEL&FAX 06−6554−9499)。当日参加でもOKみたいなので、よかったらおいでください。

2005-04-05 原稿にかかれない……

昨夜は、一箱古本市の店主へのメールを送った。75人を出品する場所ごとにグループ分けし、アドレス帳にそれぞれ別のフォルダをつくって、まとめて送信していく。とはいえ、いろんな例外があり、その人には個別にメールしなければならない。メーリングリストをつくっておくべきだったろうか。そのあと、旬公がつくったチラシをチェックする。寝たのは4時半。


今朝は、小川町の簡易印刷の店にチラシの原稿を持っていく。B4一枚にチラシ三枚を面付けしてあるので、印刷したときに微妙なズレが出てしまう。しかたないので、端っこイラストホワイトで消してしまう。文字にかかってなかったのが幸いだった。〈キッチン南海〉(小川町にも店があるのだ)でカツカレーを食べ、ドトールで本を読む。小沼丹風光る丘』(未知谷)は気分がよくなる小説だ。ずっと読んでいたい。できあがったチラシ1200枚(カットしたら3600枚になる)を受け取り、仕事場へ。


明後日から出張するので、今日明日で数本原稿を上げねばならない。にもかかわらず、仕事・私事の両方で、連絡しなければ次に進まないコトが山ほどある。そして、そっちを先にやるコトが原稿からの逃避にもなるという悪循環。夕方、ようやく一本目の途中まで書いたところで時間切れとなり、仕事場を出る。谷根千工房にチラシを置き、〈千尋〉で食事して、ウチに帰る。


ちょっとだけ眠り、さて原稿だとパソコンに向うが、さっきよりもさらに連絡事項が増えている。いちばん大きなのは、東京スムース友の会の開始時間が2時に繰り上がったこと。3時からの古書会館でのトークのゲストに林さんが出ることを、すっかり忘れていたそうだ。あの緻密精密几帳面な林さんが、こんなド忘れするとはじつに珍しい。各方面に連絡して、2時開始に変更する。この会のお知らせを、この日記のヘッダに持ってこようとするが、どうもうまく行かない。フォントのサイズを大きくすると、なぜか日記本文のフォントが小さくなる。こういうときは、いじらないに限る。しかし、メールアドレスリンクした部分が「南陀楼綾繁までご連絡ください。」という一文全体にかかってしまっているのが、最後まで直らなかった。この解決策、誰か教えて下さ〜い(もうすっかり他人任せ)。


原稿が土壇場のときに限って、注意を要する用件が増えるのはどういうワケだろう。いや、もちろん、締め切り前にちゃんと書き始めていれば、こんなつらい思いをしなくてすむのは判ってるんだけど。今日はグチだらけの日記になってしまった。すいません。さて、気を取り直して、書きはじめるか。

2005-04-04 「東京スムース友の会」をやります

【お知らせ】

東京古書会館での「アンダーグランド・ブック・カフェ」の開催に合わせて、「東京スムース友の会」を開きます。スムース同人と読者が一緒になって、楽しく過ごしましょう。好評の「岡崎 vs 山本 100円均一・十番勝負」などの企画もあります。

日時  5月8日(日) 午後2時から4時半(予定)

           *ご注意! 時間が1時間早まりました(4月5日

場所  「南欧市場 Ole Ole〈オレ・オレ〉」千代田区神田神保町1-4−B1(パチンコ屋「人生劇場」隣り) 電話 03-5280-1137

会費  3500円

本日(4月4日)より、参加者を募集します。「東京スムース友の会」という件名で、南陀楼綾繁kawakami@honco.net)までご連絡ください。予約が30人に達した時点で締め切りますので、お早めにご応募ください。


このお知らせは、明日からヘッダ部分に移し、しばらく掲載します。


さて、今日の日記です。今日は一日、ウチで仕事していた。昼過ぎに、旬公と田端の〈がらんす〉に行ったのだが、お休み。ランチはやめたのだろうか。大通りを渡ったところにある喫茶店で、パスタを食べる。飛込みで入ったが、なかなかウマイ。ウチに帰り、原稿の続き。


夕方、気分転換に自転車で出かける。西日暮里5丁目から新三河島に出て、明治通りをずっと行き、尾久橋通りを越えて、〈神谷酒場〉の先を右に入る。しばらく走るウチに、大きな商店街に出た。西尾久から東尾久にかけての、ふたつの長い商店街である。その先は、都電荒川線熊野前駅。自転車で初めての街をふらふらと走って、突然、こういう場所に出会うと、異次元に迷い込んだような感覚になる。昨日読んだ、八木橋伸浩『都市周縁の考現学』(言叢社)という、荒川区都市民俗を研究した本(街頭紙芝居映画撮影所、南千住の演芸場など)に、「温泉尾久三業」という節があった。「三業」は料理屋・芸妓屋・待合のこと。この本に、「尾久三業入口 田端新町仲通り商店会」という看板の写真が掲載されているのだが、その場所にまではたどり着けなかった。


ウチに帰ったら、昼間にアップした「東京スムース友の会」にさっそく申し込みが。夜までに6人に。岡崎武志さんの日記でも紹介され、「京都編ではできなかった「スムースができるまで」を、同人で語り合いたいと思います」という新企画が。また、岡崎VS山本対決は、100円均一から300円か500円に値段を上げるらしい(それにしても安いよ)。


夕飯を食べ、〈古書ほうろう〉で「不忍ブックストリート」についてちょっと話し、帰ったから一箱古本市のチラシに手を入れる。これから、本の出品者(店主)への連絡もしなければならない。個人でやるべきコトよりも先に、これらのことをこなさねばならず、けっこう疲れる。自分から進んでやってることだから、誰にも不満は云えないけれど。

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2005-04-03 ポスターができました

今日は短いです。午前中、昨日のゲラの続きを読む。昼飯は出雲そば。2時ごろに読み終わる。3時ごろから自転車で出かける。一箱古本市のポスター(といってもA4判・コピーシンプルなもの)を、古本市の大家さん(場所を提供してくれる店)に配って回る。地図の色校を見せると、みなさん、「これは見やすいね」と云ってくれるのがウレシイ。日曜日なので、どの店もお客さんが多く、ぼくの担当分を回るのに2時間以上掛かってしまった。

ウチに帰り、原稿に取りかかる。もう少し取っ掛かりがほしい。晩飯はチャーハン。食べ終わった頃に、ワークショップを終えた旬公が帰ってくる。ぼくはそのあと、一箱古本市の店主(古本の出品者)に送るメールの文章をつくったり、どの場所にどの店主が出るかという配置表をつくる。こういうの、やたら時間かかるんだよねェ。気づいたらもう3時になっている。さっきちょっと地震もあったし、今日はこのぐらいで寝ます。

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2005-04-02 「菅原克己」が広がってゆく

朝10時に出て、神保町の古書会館へ。今日は和洋会。時間がないのでグルリと一回り。森長英三郎『史談裁判』(日本評論社)300円。この著者の『山崎今朝彌』(紀伊国屋新書)は名著。平凡社ライブラリーあたりで復刻してほしい。今日買った本も、「出歯亀事件」「砂風呂お春殺し事件」「ギロチン社事件」「ピス健事件」など、近代の思想事件、猟奇事件の裁判を紹介している興味深い本。


書肆アクセス〉を覗くと、吉田勝栄さんが青木さんと話していた。青木さんに「不忍ブックストリート」の地図を見せると、「これは見やすいですねー」と云ってくれた。そのあと、「東京スムース友の会」の会場探し。「アンダーグランド・ブック・カフェ」のイベントが両日とも7時開始なので、それ以前に開いている店を見つける必要がある。前に食べに行った某店に飛び込み、店長に相談すると、なかなか好感触。来週か再来週には、この日記と林さんの「デイリー・スムース」で、募集を開始できると思う。


ウチにいったん帰り、荷物を持って出る。途中、『ぐるり』の五十嵐さんから電話が入り、慌てて千駄木へ。今日は、谷中の〈全生庵〉というお寺で開かれる「げんげ忌」に出席するのだ。亡くなった詩人の菅原克己を偲ぶ会で、今回で17回目。ぼくは幹事の小沢信男さんに誘われて、7、8年前から参加している。今回は、谷根千工房の山崎さんも来ていた。受付でお金を払うときに、出席者名簿に「山川直人」という名前があった。ふーん、山川直人ってマンガ家にも映画監督にもいるよなあ。そのヨコで、菅原克己の詩を題材にしたマンガを本にして売っている人たちがいて、何気なく手に取ったら、ぼくもよく知っている、あの山川直人の絵が目に飛び込んできた。思わず、目の前の人に「山川さんですか?」と聞いたら、ご本人だった。400円払って、一冊買う。あとでサインもいただいた。


今回のげんげ忌で、「若い人たちが菅原克己についてのマンガを売る」と案内のハガキに書いてあったのだが、そのときは、学生コピー誌でも売るんだろうと思って、期待せずにいた。ところが、山川さんのほか、内田かずひろ、保光敏将の二人が参加している、この『夜のもひとつ向うに 菅原克己の風景』は、わずか40ページの小冊子ながら、菅原克己の詩の世界を自分たちの絵として表そうとしている。ぼくは山川さんのファンで、『シアワセ行進曲』『コート青空』などの自費出版本をタコシェで買っていたので、菅原克己をマンガにしてくれたコトがとても嬉しい。会場には、内田かずひろさん(http://www.h4.dion.ne.jp/~uka/index.top.html)もいらしていたが、旬公は『ロダンのココロ』の大ファンなので、さっそく話しかけていた。この冊子、近々タコシェに入荷するそうだし、山川さんのサイトhttp://www5a.biglobe.ne.jp/~naoto-y/)でも販売しているので、ぜひ買ってください。


それと、もう一冊、菅原克己の本が出ていた。先年でた全詩集からのセレクトで、『陽気な引越し 菅原克己のちいさな詩集』(西田書店)という、新書判よりも一回り大きい、かわいいサイズの本。オビ以外は活版印刷で、編集とレイアウト担当した「猫車配送所」がボール紙でつくった建物の写真を、詩のあいだに配置している。これが、とてもいいコラボレーションになってるんだな。小沢さんも云っていたが、菅原克己という著者にべったり付くのではなく、詩に敬意を払いながら、べつの要素を加えた、まったく新しい本になっている。その詩を読み、継承していく人たちによって、「菅原克己」は広がっていく。なお、会場では明かされていたが、「猫車配送所」は名前を挙げると誰でも知っている評論家のこと。この匿名性もいい。


ここ数年のげんげ忌は、ゲストの談話や、高田渡さんをはじめとした歌をあいだに挟むカタチで進行していたが、今回はもっとシンプルに、参加者がめいめい好きなことを話すという形式に戻していた。みんなハナシがうまいので、ゼンゼン退屈しない。ぼくも飛び入りで前に出て、小沢さん聞き書きの載った『サンパン』の余りを配ったり、「不忍ブックストリート」の宣伝をした。4時ごろお開きになり、五十嵐さんと旬公で〈乱歩〉でコーヒーを飲む。そのあと、五十嵐さんと谷中墓地で行なわれている、げんげ忌の二次会に参加。今日は寒いし、桜はまだつぼみであったが、30人近くの参加者は元気に飲んでいた。〈ならまち文庫〉の宇多滋樹さんが参加している同人誌『黄色い潜水艦』の宮川芙美子さんなど、ぼくの知り合いとリンクする人たちが何人かいた。


6時ごろ先に失礼して、五十嵐さんと別れて、ウチに帰る。林さんの日記を見たら、岡崎さんが「はてなダイアリー」で「okatakeの日記」(http://d.hatena.ne.jp/okatake/)をはじめたとあり、ビックリして見に行った。ちゃんと使えているじゃないですか、岡崎さん。7時半頃、自転車小沢さんのお宅へ。図版の資料を拝借し、聞き書きの今後の展開について少し相談する。帰って、ある本のゲラを読む。11時近くに旬公が帰り、出雲で買ったラーメンで晩飯。書かねばならない原稿に取り掛かることはできなかった(ゴメン)けど、今日はいろいろ得ること、考えることの多い一日でした。

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2005-04-01 お私事は大繁盛

眠い目をこすりながら起き、小川町の簡易印刷屋さんへ。印刷といっても、リソグラフの機械が奥にあるだけで、印刷の知識はあまりなさそうなおじさんが、「うちはコピーと変わりないですから」と云う。「データ入稿? なんですか、それは」というカンジだった。その代わり、安いぞ。色紙を使っても、1万円ちょっと。一箱古本市の告知チラシにはコレで十分だ。ここで刷ることに決めた。なお、「不忍ブックストリート」の日誌は、今日少し更新しました。今後はワリと頻繁に更新し、進行状況を報告するので、ご覧ください。

http://yanesen.org/groups/sbs/


仕事場へ行き、次号の連絡など。「書林雑記@淡路」(http://d.hatena.ne.jp/ginzburg/)と、「生活日報」(http://d.hatena.ne.jp/mashco/)で、「月曜社が人文書から撤退」というニュースを紹介していた。慌てて、同社の小林さんの「ウラゲツ・ブログ」(http://urag.exblog.jp/)に行ってみると、たしかに「月曜社は人文書や芸術書から撤退して、実用書版元として生まれ変わることをご報告します」として、新刊2点を告知している。おいおい、どうなったんだよと、編集部のタケナカくんに見せると、「うーん、エイプリル・フールじゃないですか?」。たしかにこの2点、タイトルも著者もアヤシイ(固有名詞を検索してもヒットせず)。あとで、同ブログを見たら、エイプリル・フールという一言が。しかし、大胆な冗談やるよなあ。一人で見ていたら、信じ込んでしまったかもしれない。ブログであっても、眼光紙背に徹せよ、という教訓……なのだろうか? 小林さん、この記述に引っかかって、何人ぐらいがメール電話を送ってきたか、ぜひ後日譚をお書きください。


夕方、ナカマタさんと一緒に、H大のRさんの研究室へ。座談会の打ち合わせ。出席いただけるコトになって、ヨカッタ。電車でウチに帰り、自転車で出かける。大きいほうの自転車は旬公が乗って出かけたので、先日、〈月夜と眼鏡〉さんから譲ってもらった、折りたたみのほうだ。コンパクトでいいのだが、カゴがないので荷物が重いとつらいのと、丸くて足の短いぼくが乗っていると、猿が曲芸しているみたいな感じで、我ながら笑ってしまう。あんまり遠出はできないな。


〈往来堂書店〉に行き、雑誌マンガをまとめて数冊購入。近頃、単行本や文庫だけでなく、雑誌まで積ん読するようになっている。とくに、力の入った特集や気に入った連載がある雑誌ほど、後回しになってしまい、「あれ、読んだっけな」と思って探すと、どこかに埋もれてしまうコトが日常的になっている。これじゃ、せっかく買っている意味がないので、雑誌は買った日になるべく目を通すコトに決めた。今日は、『ロック画報』(特集・フリクションクレイジーキャッツ)、『THE DIG』(特集 YMO)を。後者の安田謙一さんのコラムで、3月にマーティン・デニーが亡くなっていたことを知った。また、鈴木さえ子インタビューが載っていた。『ケロロ軍曹』というアニメサントラを二枚も出しているのだという。聴いてみるか。この雑誌オーディオ会社とタイアップしているのか、記事の一部に視聴するシーンが入っているのが、ちょっとフシギ。


雑誌ではないが、ピエ・ブックスの『本の街 神保町古書店案内』もざっと見る。うーん。内容がユルユルなのはしかたない(靖国通り北側の「裏神保町」をやたら押してるけど、冒頭以外は神保町全体のハナシだ)けど、この本、ビジュアルがひどくないか? 写真に魅力がないし、レイアウトはシロウトくさいし、フォントもおっさんっぽい。地図はまったくダメ。神保町のガイドブックとして使えるレベルではないのだから、せめて、見た目で楽しませてくれなければどうしようもない。高野マユタンが、交通新聞社時代につくった『東京古本コーヒー巡り』のほうが、内容は云うまでもなく、ビジュアル的にも10倍、いや100倍勝っている(そのマユタンもなぜか登場してますが)。予告チラシで、「お姉さん店主に聞く」とあったので妄想が膨らんでいた、「女性店主・スタッフに聞く、ウチのお店、イチオシ本」では、ぼくもよく知っている「お姉さん店主」(アクセスの畠中さん、キントトの山本さん、呂古の西尾さん)ばかりなので、笑ってしまう。ともかく、どうせなら、オビにあるとおり「オトメも満足」するようなオシャレな本をつくってくれよ。そしたら、おっさんも満足するからよ。マイナス100点。


ほかに、菊池直恵鉄子の旅』第3巻(小学館)、小田扉団地ともお』第4巻(小学館)、西原理恵子毎日かあさん2 お入学編』(毎日新聞社)など。『鉄子の旅』はまったく知らない線や駅を紹介してくれて楽しいのだが、ときどき妙にセンチメンタルになるのが好きではない。もうちょっと自分を突き放してほしい(その点で、あびる義明『東京タイムマシン』はスゴかった。まったく売れなかったけど)。晩飯は、スープの残りと出雲そば、焼いたサバ。


更新された岡崎武志さんの日記http://www3.tky.3web.ne.jp/~honnoumi/frame.okadiary05.03.htm)を見たら、ブログへの移行を宣言しているではないか。すばやいなあ。にとべさんが上京してブログのやりかたを教えるまで、待ってるかと思ったんだが。こうなると、東京在住のブログ体験者が岡崎家に出張講習に行くしかないのでは。やはり、云いだしっぺの晩鮭亭さんが行くしかないんじゃない? 時間が合えば、ぼくも一緒に行きますよ。ああしかし、ぼくにはもうひとつ、「東京スムース友の会」の幹事というお役目もあったんだった。非営利の私事ばかりが大繁盛なのであった。


郵便物】

留守中の郵便物、全部は紹介しきれない。

★『ぐるり』最新号

南陀楼の「ふたたびの音」。今回は渡辺勝について。

★エルマガ・稲盛さんより 『エルマガジン

★古書目録 黒崎書店、八勝堂、文学堂、荻文庫山田書店下町展、杉並展、新宿展、山猫屋

→とても見きれない!

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