愛嬌ある動物でいたい

ちょっと寝坊。届いていた〈月の輪書林〉からの荷物を開ける。長岡光郎の旧蔵書が数点当たる。『日本読書新聞』の合本はデカい。大修館書店の『月刊言語』4月号が版元から送られてきていた。臼田捷治さんが『ナンダロウアヤシゲな日々』を紹介してくださったと聞いていたのだが、開けてみてビックリ。巻頭カラーでドーンと書影(カバーを開いたところも)が載っている。改めて写真で見ると、じつに妙な本だなあ。次ページでは、「たくまざる上質のユーモア」として、臼田さんがこの本の装幀とイラストレーションについて書かれている。ココに引用すると(旬公もぼくも)赤面してしまいそうなほど、ありがたいコトバだった。最初の本で思い切り遊べてよかったと思う。そういえば、しばらく前に臼田さんにお会いしたとき、「あの動物は、なんという種類ですか?」とマジメに尋ねられて、「カワウソです」とお答えしたのが、本文では「愛嬌ある動物」となっていた。このところ、いろいろ面倒なコトが多く、なかなか冷静でいられないのだけど、やっぱり愛嬌のある動物でいたいものですよ。


誕生日に旬公からベルトと万歩計をプレゼントされたので、それを装着して出かける。自分がふだん一日に何歩歩いているかなんて、考えたコトなかったな。〈古書ほうろう〉で神原さんと立ち話。「古書モクロー」は最近わりとよく売れている。一箱古本市の日には、全部新入荷本を並べますんで、どうぞよろしく。ほうろうの棚から、小林信彦『つむじ曲りの世界地図』(角川書店)、ちょっとヤブレがあるが1000円は安い。ほかに、赤瀬川原平『少年とグルメ』(講談社文庫)と種村季弘『書物漫遊記』(ちくま文庫)。どちらも単行本は持ってるけど、つい手が出た。そのあと〈往来堂書店〉で、笈入さんと話す。多川精一『焼跡のグラフィズム』(平凡社新書)を買う。


仕事場では、取材の整理とか、いろいろ。4月21日から古書会館で開催される「古本屋の書いた本」展の目録が届く。都崎友雄『新貸本開業の手引き』(1954)は読んでみたいなあ。ほかにも、キヌタ文庫の著書とか、巌松堂書店の『我楽苦他亭主人の記』とか、未見の本がけっこうある。スムース文庫八木福次郎さん聞き書きも載せてくれたが、南陀楼綾繁は聞き手・構成なのだから「編」としてほしかった。配列が著者別なのも使いづらい。年代別にして、著者名索引をつけてほしかった。週末のトークショーは聴きに行くつもり。


7時ぐらいまで仕事して、帰る。万歩計のカウントは4000歩程度。けっこう歩いたのにおかしいと思って、改めて計ってみたら、ちゃんとカウントされていなかった。リセットして感度を変更する。また、ほうろうに行き、ミカコさんと話しながら、足を前後に動かしてみたが、それはカウントされず。店内を一周して帰ってくる。旬公が、万歩計がウェブに連動して(?)、東海道五十三次のドコまで行ったとか、伊能忠敬の歩いた道をたどるとか、あるらしいと云うので、「じゃあ、菅江眞澄コースとか、宮本常一コースとかも用意してくれないかな」と云ったら、アキレられてしまった。