ナンダロウアヤシゲな日々

◎この日記は、ライター・編集者の南陀楼綾繁が書いています。
◎新刊『町を歩いて本のなかへ』(原書房)発売中です。
◎著書『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『谷根千ちいさなお店散歩』(WAVE出版)、『小説検定』(新潮文庫)、『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)、『路上派遊書日記』(右文書院)、『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『老舗の流儀 戦後六十年あの本の新聞広告』(とうこう・あい監修、幻冬舎メディアコンサルティング)、編著『チェコのマッチラベル』(ピエ・ブックス)、共著『ミニコミ魂』(晶文社)。
◎ご感想・ご連絡は南陀楼綾繁 まで。
◎「不忍ブックストリートの一箱古本市」は毎年春に開催します。
詳細は不忍ブックストリート公式ホームページもしくは、しのばずくん便りをご覧ください。
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2005-07-31 高円寺には杉作J太郎がよく似合う

朝9時に起きる。午前中は原稿メモを取ったり、日記を書いたり。そういえば、昨日、『酒とつまみ』最新号が来ていた。インタビューは、最初狙っていた某氏ではなく、なぎら健壱氏になっていた。ぼくの「古本屋発、居酒屋行き」、今回は五反野。どんどんマイナーな土地になっていくが(笑)ゲスト浅生ハルミンさんです。


昨日受け取れなかった宅配便を再配達してもらおうと、S便のセンター電話。折り返し配達担当者から電話があり、「今朝ドアのところの籠に入れましたけど」と。たしかに「不在のときは籠に入れてください」と書いてある。でも、今日はウチにいるのに呼び鈴は鳴らなかった。「呼び鈴を鳴らしましたか?」と訊くと、「鳴らさずに入れました」と答える。なんじゃそりゃ。ウチは外出が多いし、大きな荷物も来るから、宅配便のヒトにはいつも苦労をかけていると思う。とくにS便は激務だと聞いてはいるし同情はするけど、配送時間を間違えたり、再配達がなかなか来なかったりと、スムーズに行かないコトが多すぎる。こういうときは、強く出ておくのが、後々のためになるのだろうが、その場が納まるとまあイイやとなってしまう。システム自体がダメと知っていながら、銀行員を1時間もかけて説教する日垣隆はエライ。


昼は明太子パスタ。3時ごろに旬公と出かける、駅の切符売り場は、ポケモンスタンプラリーに並ぶ家族で混雑。一昨日に続き、高円寺へ。古書会館で、注文していた多田基『内田百間先生の憶い出』(私家版)1000円を受け取る。この著者の名前は、山口瞳の「内田百間小論」(『小説吉野秀雄先生文春文庫、に収録)で知った。二日目の夕方なので、もう発送する荷物のナカに入れられていた。もう一点注文した山村正夫『推理文壇戦後史』第4巻(双葉社)はハズレ。4500円もするのに、複数注文が入ったらしい。3巻までは文庫版を持っているが、この巻だけは文庫化もされていないのだ。会場を回って、「日本の名随筆」シリーズ田中小実昌編『酔』(作品社)300円を買う。


あづま通りでは、昨日今日と「あづまフェスティバル」(http://www.koenji-azuma.com/index.shtml)が開かれている。フリマやイベントがあり、そのひとつとして、吉田豪杉作J太郎のトークというのがあった。会場はどっかの会社の入口のあたりで、すでに数十人が階段に座って待っている。こんなところ、よく貸してくれたな。C社のMさんや、〈よるのひるね〉の門田さんらに声をかけられる。本のサイン会をやっていて、まだトークは始まらない。旬公はすぐにリタイアして喫茶店に行った。荻原魚雷さんと奥さんがやってきた頃、トークが始まった。杉作がひたすら自分のハナシ(本人曰く「決定的にどうでもいいハナシ」)をして、それに吉田豪が突っ込むという展開。終わったら三分後にすべて忘れるようなハナシだったが、けっこう笑った。会場で販売していた杉作の『L.L.COOL J太郎』(マガジン・ファイブ)には、今日のみの特典として未収録マンガ(記事?)が付いていると云っていたが、すでに持っているからなあ。途中、『映画秘宝』方面では有名な俳優中山和也が来て、挨拶していった。それをしおに抜ける。


魚雷さんと〈ナジャ〉に行き、先に入っていた旬公と雑談。そのあと、新宿に出て〈TSUTAYA〉でビデオを返す。一階に「返却BOX」というがあるので、そこに入れようとしたが、どうしても入らない。角度を変えるなどしてアレコレやっていたら、旬公が「ヒトが待ってるよ」と止める。本数が多いからゼッタイ入りそうもないのに格闘してるから、呆れて見ていたそうだ。だって、サルなんだもん、そういうコトに関しては。しかたないから、上に上がって返却。そのあと、〈紀伊國屋書店〉で、大西巨人『縮図・インコ道理教』(太田出版)を買う。128ページだから、一気に読めそう。


日暮里に出て、夕焼けだんだんを下る。こないだまで屋台村があったトコロの隣のビルに、飲み屋ができている。全部380円(だったかな)均一で、チープな感じの店。今度行ってみよう。久しぶりに〈千尋〉に行き、刺身定食などを食べる。ウマイなあ。ウチに帰り、数ヶ月ぶりに「まぼろしチャンネル」の原稿を書く。日記と内容がダブるとか、図版を用意しなきゃなどとアレコレ考えているウチに、書けなくなっていた。今度は、あまり日記体にこだわらないカタチで再開する。

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2005-07-30 充実の50冊

kawasusu2005-07-30

朝8時に起きる。朝飯は残りご飯にMさんからいただいた京都の漬物を乗せ、だしをかける。コレがうまいのだ。昨日買った[電気グルーヴスチャダラパー]を聴く。昭和子ども心が爆発してる感じでイイなあ。深夜ラジオDJの心無い受け答えを再現してる曲では笑いが止まらなかった。


9時半、牛イチロー先生から電話。旬公に「じゃあ、取材のようなものに行ってくる」と云い置いて出かける。下に降りて、車に乗り込む。今日の「せどりツアー」は、牛センセが運転から、ルートの確認、段取りまで一人でこなしてくれるのだ(というか、他にできるヤツがいない)。最高に優秀なツアーコンダクターなのである。早稲田に出て、セドローくんを拾う。昨夜3時まで飲んでいたとかで、まだ眠そうだ。そのあと西荻窪に行き、〈にわとり文庫〉の前で、大井由紀子さんを拾う。大井さんはこのツアー、すでに2回目だ。コレで今日のメンバーが揃った。これから八王子方面に向かい、この周辺の〈ブックセンターいとう〉を回るのだ。以下、この日あったことを時系列で書いていくと、いつまでも仕事に取り掛かれないので、行った店と買った本のみ書く。物足りないと思うヒトは「古書現世店番日記」(http://d.hatena.ne.jp/sedoro/)を参照されたし。


◎ブックセンターいとう東中野本店

「最初に東中野に行きますから」と牛センセが何度も云うので、西荻窪に行ってからまず東中野ブックオフに行くのだろうか、それがこのツアーの決まりなのだろうか? と思っていたが、八王子東中野なのだった。そりゃ、そうか。本店は2階建て。エッセイのコーナーで思わぬ拾い物あり。

【買った本】計6冊

和田誠『また、近いうちに』大和書房、500円

植草甚一長新太、山名文夫らの人物スケッチ。

五木寛之作品集22 ゴキブリの歌』文藝春秋、300円

→解説は小沢信男さん

山口瞳『善の研究角川文庫、『木彫りの兎』集英社文庫、各150円

その他、マンガ2冊


ブックオフ八王子堀之内店

牛センセが自宅から持ってきた本をココで売り、7000円になった。単行本の均一が充実。刊行年度が古く、状態のいい本がバカスカ見つかる。

【買った本】12冊

五木寛之デビューのころ』集英社

山内義雄『遠くにありて』毎日新聞

百目鬼恭三郎解体新書文藝春秋

島尾敏雄『過ぎゆく時の中で』新潮社

和田武『時間街への招待状』光風社出版

エディター的思考』北宋社

猪野健治『気になる仕事の本 雑誌編集者』実務教育出版

佐賀純一『浅草博徒一代』新潮文庫

ビートたけし漫才病棟』文春文庫

小林泰彦アウトドアライフ入門』新潮文庫

戸板康二家元の女弟子』文春文庫、『黒い鳥』集英社文庫

以上、全部105円


ブックオフ八王子片倉店

バーミヤン〉での昼飯(牛センセのおごり)のあと、最初に行った店。まあまあ。

【買った本】4冊

今東光青春放浪』光文社

文藝春秋編『無名時代の私』文春文庫

ほか2冊。いずれも105円


この辺りまで来ると、動体視力に「古本」がインプットされているから、いとうやブックオフ以外の古本屋もよく見つかる。いとう元八王子店に行く途中、リサイクルショップみたいな店の外に大きな均一台を発見。看板は〈さわやか記念文庫〉とあった。同乗者に告げるも、「なんなんすか、その『記念』は」と云われてしまう。でも、あとで検索したら、やっぱりこの名前だったのだ。次回のツアー(もう行く気になってる)では、この店に寄ることを提案しよう。


◎ブックセンターいとう元八王子

この店はセドローくんがお気に入りだという。1階も2階も奥は家具売り場とつながっているヘンなつくり。他の店に較べると狭いが、たしかに品揃えはオモシロイ。本店でもここでもいとうチェーンのカードの有無を訊かれなかったので、「カードをつくりたいんだけど」と云うと、9月にシステム改正するのでそれまで新規加入は断っているとのこと。牛センセもセドローくんも、持っているカードを満杯にしたうえに、新しいのを更新しているのに、残念である。

【買った本】7冊

田村隆一『対談 砂上の会話』実業之日本社、500円

野坂昭如平野威馬雄鮎川信夫らとの対談

池内紀温泉日記徳間文庫、250円

海渡英祐『閉塞回路』集英社文庫、150円

海渡英祐『事件は場所を選ばない』徳間文庫、200円

永六輔『街=父と子』角川文庫、150円

ほか1冊


◎ブックセンターいとう立川羽衣店

規模としてはココはかなり大きい。2階には少ないがクロっぽい本もある。1階には文庫がかなり揃っている。レジ前には駄菓子やバリの民芸品など謎の販売物がある。ぼく以外の3人は本と一緒に駄菓子を買っていた。店を出るころには、外は暗くなっていた。この時点で7時回っていた。

【買った本】7冊

藤木TDC醜聞聖書洋泉社、700円

→なぜかドコでも見つからず、探していた本。

陳舜臣『桃源遥かなり』ケイブンシャ文庫、260円

五木寛之『深夜草紙3』文春文庫、100円

→「わが喫茶店前史」という文章あり

中井英夫人形たちの夜』講談社文庫、100円

牛次郎小説 包丁人味平光文社文庫、190円

牛イチロー先生に敬意を表して

ほかマンガ2冊


◎ブックセンターいとう桜ヶ丘店

ココは3階建て。さすがに疲れてきたし、現金も残り少ないので買わずにおこうと思ったら、大物が。クレジットカードで買う。セドローくんが杉村春子サイン本を発掘。

【買った本】4冊

海野弘カリフォルニアオデッセイ『LAハードボイルド』『ハリウッド幻影工場』『めまいの街』『ハイウェイの誘惑』グリーンアロー出版社、各1000円


ブックオフ聖蹟桜ヶ丘

疲れた、もう座りたいと思いつつ、それでも全部見てしまう。

【買った本】10冊

真崎・守『ジロがゆく』第1、2巻、三崎書房

奥成達怪談の仕掛け人』ワニの本

藤原審彌『恐喝こそわが人生』上・下、角川文庫

海渡英祐『忍びよる影』徳間文庫、『仮面の告発』『罠の中の八人』集英社文庫

河野典生『殺人群集』徳間文庫

以上105円 ほか1冊


ぼくが買ったのは、ピッタリ50冊。それでも金額は1万ちょっとだったから、いかに安いか判るだろう。最近本を処分したから、買うのをセーブしたので、以前だったらこの倍ぐらい買ってしまったかもしれない。たしかに〈いとう〉もスゴイのだが、この周囲のブックオフもかなり充実しているのだ。車の後部に、各自のいとうのオレンジの袋とブックオフの黄色い袋が積まれている。色とりどりで、まあキレイ(詩的な表現)。というか、すさまじい光景。4人の合計は200冊近く行っているのではないか。


そこから三鷹まで戻り、〈華屋与兵衛〉で晩飯。みんな鰻を食べる。ぼく一人、瓶ビールを飲む。西荻窪で大井さん、早稲田セドローくんを落とし、西日暮里には11時半に到着。牛センセは「今日は12時前に帰れる」と喜んでいた。一日のツアコン、お疲れ様でした。ウチに入ると、旬公が眠っていたので、急いで古本の袋を置くに運び込む。ガサガサ云うから、スグにバレたけど。こないだ本を処分したとき、「もう床に本は置かない」と誓ったのに、当面の置き場所がなく、早くも床に置いてしまった。腰が痛くなったので、布団を敷いて1時前に眠る。

2005-07-29 コクテイルでブルースを

朝8時半起き。あることを調べるためにグーグルで検索していたら、「アンティークウォーカー」(http://www.a-walker.co.jp/)というサイトが出てくる。ドコかで聞いた名前だなあと思ったら、岡山の〈万歩書店〉が運営するサイトだった。3月の岡山出雲ツアーのときには、URLが公開されているにもかかわらず、工事中だった。見てみると、これは名前通りのオークションサイトで、ぼくが知りたい店舗情報は下の層(http://www.a-walker.co.jp/about_shop.php)まで行かないと出てこない。最低限の情報提示ではあるが、ないよりマシであろう。


午前中は『進学レーダー』の原稿中学入試の面接についての記事。まったく知らない世界なので、先生のハナシをまとめる前に、資料を読み込むので時間がかかった。それでも2時間ほどで書き上げる。どんなテーマでも、字数通りに原稿が書けると気持ちがイイ。昼飯はチーズを乗せたトースト。そのあと、手紙を書くなどの雑用。ビレッジプレスより『ぐるり』最新号が到着。ぼくの連載「ふたたびの音」、今回はふちがみとふなとを。冒頭インタビュー渋谷毅。めったに雑誌などで見かけないヒトだけに、貴重な記事だけど、このまとめは内輪すぎるのでは……。ちょっと惜しい気がする。


3時半に旬公と出て、有楽町へ。〈ギャラリーアガペー〉というトコロで、「洲之内徹コレクション もうひとつの気まぐれ美術館」という展示をやっているのだ。聞いたことないギャラリーだと思い、調べると銀座教会の中にあるのだった。行ってみると、プランタンの並びに教会があり、その中にたしかにギャラリーがあった。しかし、壁面はたしかに「もうひとつの気まぐれ美術館」として、洲之内コレクションらしき10点が飾られていたが、その下では焼き物の展示即売会をやっていて、落ち着かないコトはなはだしい。絵の展示のほうも、洲之内の名前もないし、絵のタイトルと作者が表示されただけのじつにそっけない展示だった。洲之内の本はだいたい読んでいるが、展示されている絵のうちですぐ思い当たるのは峰村リツ子だけだった。


銀座線三越前まで行き、乗り換えて半蔵門線神保町へ。〈書肆アクセス〉に行くと、畠中さんが「『チェコのマッチラベル』初回入荷はぜんぶ売れましたよ」と云ってくれる。といっても10冊だけど、嬉しいね。新刊の大屋幸世『追悼雑誌あれこれ』(日本古書通信社)と、勝川克志さんの手づくり豆本『漫画小夜曲(セレナーデ)』(魔法堂)を買う。〈ぶらじる〉へ行き、じりじりと進んではいるらしい「神保町路地裏マップ」の打ち合わせ。ぼくは関わってないので、畠中さんと旬公のハナシにときどき茶々を入れる。そのあと、濱田研吾さんと右文書院の青柳さんが『脇役本』にサインを入れにやってきたのを機に、ぼくは店を出る。お茶の水まで歩き、〈ディスクユニオン〉で、[電気グルーヴスチャダラパー]と[陽気な若き博物館員たち]を買う。


中央線高円寺へ。駅前のめったやたらと安い八百屋で桃を買う。500円で10個を大袋に詰めてくれる。今日は〈古本酒場 コクテイル〉で、ブルースシンガー(でいいのでしょうか?)のAZUMIさん(http://azumisroom.at.infoseek.co.jp/)のライブがある。すでに『ぐるり』の五十嵐さん、荻原魚雷さんほかが来ていた。AZUMIさんのギターは繊細で複雑な響き、歌はしぶい。アップテンポのときに踏み鳴らす足は、バスドラを踏んでいるぐらいにタイトだ。いやー、かっこいい。コーヒーについての曲が2曲もあったし、アンコールの最後にやったフォーク調の曲もヨカッタ。演奏のはじめと最後に、「よろしくお願いします」「ありがとうございました」とじつに丁寧に挨拶されるのも、人柄のよさが感じられる。


ライブが終わってから、向かいのカウンターに石丸澄子さんが来る。その隣にいた青年に紹介される。「ささま書店野村くんです」。はいはい、よく存じてます。店でも何度も見かけているが、挨拶するまでにはいたらなかった。これからは声をかけます。そのあと、魚雷さんの奥さんも加わって、あれこれ話す。11時、先に店を出る。ほかのヒトはみんなこの辺に住んでいるのだ。ウチに帰り、片づけをしたり、メールを書いたりすると2時前になった。明日は朝から「せどりツアー」だ。

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2005-07-28 バルサンと古本市

朝8時に起きて、食器類や衣服をゴミ袋に詰める。捨てるのではない。こないだから小さな虫が発生して、バルサンを焚くコトになったので、その準備だ。1時間ほどかけて、なんとか用意が出来たので、二カ所にバルサンを設置して、液を噴霧してから二人で家を出る。ぼくは千代田線代々木公園へ。クラクラするような暑さのナカ、駅から10分ほど歩き、オリンピック記念青少年総合センターに到着。ロビーで涼んでいると、『進学レーダー』の編集者カメラマンが到着。1時間半ほど取材。


終わって、センターの前から新宿西口行きのバスに乗る。新宿中央公園とか、十二社(じゅうにそう)とか、昔からの新宿を感じさせるルートを通る。バスのナカから京王百貨店を眺めたら、古本市の垂れ幕が。おお、今日からだったか。ココの目録は最近なぜか送ってこなくなったので、いつからやるかも知らなかった。せっかくなので、7階催物売り場へ。初日の午後イチだが、思ったよりはヒトが少なかった。出品店数が多いので、一回りするだけでも1時間以上かかった。


買ったのは以下の6冊。関根弘『わが新宿!』(財界展望新社)1000円、グループ・コア編著『新宿24時間全部の本』(文潮出版)500円、田村隆一『すばらしい新世界』(新潮社)800円、堀切直人『ヘルメスは自転車に乗って』(沖積舎)315円、『映画秘宝 エド・ウッドとサイテー映画の世界』(洋泉社)500円、永島慎二漫画家残酷物語』第1巻(ふーじょん・ぷろだくと)600円。どれも適価でしょう。


新宿から目白へ。腹が減ったので昼飯でもと思うが、2時半なのでドコも開いてない。すきっ腹を抱えて、〈ブックオフ〉を覗くが買わず。池袋方向へ歩き、〈ブックギャラリー・ポポタム〉(http://popotame.m78.com/)へ。住宅街のなかに、ひっそりという感じで、営業している。木のフロアがいい。手前は絵本を中心とした古書、ミニコミの販売スペース、奥がギャラリーになっている。現在ココでは「高地遺産 失う前に、もう一度」展が開催中だ(8月14日まで)。高知の街中で見つけたヘンな建物、気になる店、美しい風景などを、地元のアーティスト30人が撮影したもの。すでに閉店した〈タンポポ書店〉の写真もある。自動的に投影されているスライドも、しみじみといい写真が多い。ギャラリーでは関連イベントもある。第一回はもう終了したが、8月7日(日)6時半より「沢田マンションナイト」が開かれる。沢田マンションとは、こういうトコロです(http://www.sawaman.com/)。


もともとは高知で行なわれたこの展覧会をまとめた『高知遺産』(ART NPO TACO)1800円を買う。ポポタムの共同経営者である大林えり子さんに挨拶。ミニコミ『harappa』など子どもをめぐる出版を手がけている。この店は今年4月からはじめたそうだ。貸ギャラリーとしても使えるらしい。かなり広いので展示もイベントも十分できそう。こちらのDMを置かせていただいた。そのあと、大林さんに教えてもらった「骨董通り」(目白にもあるのだ)の〈貝の小鳥〉という絵本専門の古本屋を覗く。おもちゃも置いていた。駅まで戻り、立ち食いそば屋で、冷し天ぷらそば。山手線で帰ってくる。


ウチの近くで、ちょうど帰ってきた旬公と会い、部屋の中へ。さて、バルサンの効果は……と見るが、死んでる虫はあまりいない。でもまあ、少しは駆除されただろう。何年も敷きっぱなしの床マットを新しいのに取り替え、干しておいた布団を取り込む。少しは人間らしい生活に近づいたか。ちょっとヨコになったら、2時間ぐっすり寝てしまった。林哲夫さんから『coto』、松本八郎さんから追手門大学にできた「宮本輝ミュージアム」の絵葉書をいただく。一昨日、新刊を買ったコトを書いたら、山川直人さんから2冊ともサイン入りで贈っていただいた。もう一冊は新作の『コーヒーもう一杯』第1巻(エンターブレイン)だ。


晩飯は、昨日の味噌汁をご飯にぶっかける。のどごし、さわやか。ビデオロバート・アルドリッチ監督《クワイヤ・ボーイズ》(1978、米)を観る。ほぼ全員が落ちこぼれという警察署が舞台になっていて、下ネタホモゲイ差別性差別、黒人・プエルトリカン差別のオンパレード。前半は、後年の《アニマル・ハウス》を髣髴させる(ジョン・ベルーシみたいなバカも出てるし)乱痴気騒ぎで、くだらないけどけっこう笑える。しかし、後半30分ほどで一気にへヴィになる。

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2005-07-27 天からお金が降って来た!

今日はちょっと寝坊して9時半起き。旬公が布団の上を見て、「ナニ? このお金」と云う。見れば、封筒に入った13万円もの現ナマが。おお、ビンボーになった二人を神が哀れにおぼしめして、当座の生活費を授けてくださったのか、と思ったら、先日、セドロー牛イチローに市場で処分してもらった本の売上(一回目)じゃないか。二回目のは、封筒から少しずつ出して使っているが、一回目の現ナマ封筒はどこかに置いたツモリでそのままになっていた。こないだ「アレはどうなったのか?」と突然不安になって探したが、見つからず、「きっと家賃でも払ったんだろう」と自分をムリヤリ納得させていた。出てきてヨカッタ。ビンボーなのにカネの管理に無頓着なのは良くない。


午前中は短い原稿(本の紹介)を書く。そのあと昨日届いた『gui』第75号をパラパラ。岩田和彦「気まぐれ読書ノート」に、国立の〈キャット・フィッシュ〉という店での飲み会で、山口瞳未亡人や、息子の正介氏らと会ったハナシがあり、「岡崎武志氏が遅れて入って来て偶々私の隣に座った」という記述が。しかし、この文章、やたらと誤植が多い。「田中千さんの近刊『踏切趣味』」は石田千さんだろうし、『口笛の歌を聞け』嵐山光三郎著、は『口笛の歌が聴こえる』でしょう。「彷書月間」は「彷書月刊」だ。半分は合ってるだけに、こういう間違いが妙に気になる。


12時に出る。藤田晋也さんから、『四季の味』に載った荻原魚雷さんのエッセイコピーが届く。読みたくて、頼んでおいたもの。「料理男の日常」というタイトルで、自炊生活について事細かに書いている。自炊の要諦は「冷蔵庫の中のものを腐らせないこと」「早く安い料理をどれだけ作れるか」だと魚雷さんは云う。二つともまったく正しい。しかも、この二つをクリアしながら、料理を楽しんでいるコトが伝わってくる。ぼくも自炊は長いけど、魚雷さんほどこまめではなかった。手持ちの材料で適当料理できるようになったのは、結婚してからのことだ。それにしても、ぼくと同世代の男で、学生時代は自炊してたのに、結婚後はナンにもしないヤツがけっこう多いことには驚く。得意不得意はあるかもしれないけど、共稼ぎなら(いまはたいていそうだ)分担するのがアタリマエじゃないのかな。まあ、家によってそれなりのルールがあるのだろうが。〈bk1〉からは、鈴木博文『僕は走って灰になる』『九番目の夢』(新宿書房)が届く。どちらもまだ新刊で手に入るとは、気づかなかった。


千代田線淡路町に出て、丸の内線茗荷谷へ。ちょっと早く着いたので、〈魚滝〉という定食屋へ。適当に入ったのだが、メニューが多く、サラリーマンOLで満員。しょうが焼き定食を食べるが、フツーにウマかった。駅で野口英司さんと待ち合わせ、〈寿和苑〉まで歩く。一昨日の大雨で、自転車を預かってもらっているのだ。無事引き取って、途中まで一緒に走り、神保町経由で六本木に向かうという自転車の達人・野口さんと別れる。


白山通りの〈あおい書店〉へ。『ユリイカ』8月号(特集「雑誌黄金時代」)、正岡容小説 圓朝』(河出文庫)、いしいひさいち大阪100円生活 バイトくん通信』(講談社)を買う。いったん会計したが、出口のところに『五木寛之ブックマガジン』夏号(KKベストセラーズ)というのを見つけて買う。まるごと一冊、五木寛之という雑誌だ。今回は1960年代の作品を特集していて、仕事の資料になりそうなので買った。500円で300ページという厚さもいい。その先を、東大農学部のほうへ上がり、根津に出る。〈花影抄〉→〈青空洋品店〉→〈ギャラリーKINGYO〉(飯田真樹さんという方の洋服・アクセサリー展が、31日まで開催中)→〈往来堂書店〉と回って、DMを置かせてもらう。往来堂では、マイク・モラスキー戦後日本ジャズ文化 映画文学アングラ』(青土社)という本が気にかかって、買ってしまった。ちゃんと読みこなせるかしら。


ウチに帰り、少し休む。郵便局に行かねばならないので、3時半に再び出る。郵便局で振込み(奨学金の返済)を済ませ、南千住図書館へ。いつも行く道よりもどうも近道らしいので、今日はサンパール荒川の先を左折してみる。すると3分ほど走ったら、見慣れた道へ。おお、こうつながるのか。コレまでみたいに三ノ輪を経由しなくても、荒川区役所のほうから来れたのだ。ウチから自転車で15分という近さだったのだなあ。自転車東京を走ると、日々発見があって楽しい。


南千住図書館で、リクエストの本を受け取る。一昨日会った田端ヒロアキくん(南千住在住)が、図書館と同じ建物にある〈荒川ふるさと文化館〉で小松崎茂の展覧会をやりますよ、と教えてくれた。サイトには何も情報が載ってないので、ひょっとしてもうやってるのかと思ったら、30日からだった。「下町の空想画家 小松崎茂」展というもので、小松崎南千住出身だというコトもあり、かなり力の入った企画のよう。図録も出るらしい。ついでなので、以前の展示『移りゆく街並み 王電・都電の車窓から』(2003年)の図録を買う。250円。図録に王子電車のスタンプを押すスペースがあり、受付の女性の指導のもと、ぼくもスタンプを押した。荒川区役所前の立ち飲み屋〈なごみ〉でレモンハイを飲み、帰ってくる。


ユリイカ』の特集をパラパラ。冒頭の四方田犬彦坪内祐三の対談「雑文家渡世」で、気になる単語だけ拾ってみる。終りのところで、四方田氏が「『gui』って同人誌は、かなり「買い」ですね」と激賞。嬉しくなる。方や、坪内氏は中尾務さんの『CABIN』を紹介。「原稿依頼の手紙が素晴らしいんです」と。他の記事は、まだ目を通してないが、安田謙一さんの文章が気にかかる。あと、『大阪100円生活 バイトくん通信』は、この数年間のいしいひさいちマンガで、もっともオモシロイと思う。この本については、またいずれ。


晩飯は旬公がつくったゴーヤチャンプル。『チェコのマッチラベル』の献本やDMの宛名書きをしていたら、12時過ぎる。コンビニ宅急便出しに行き、日記を書いてるともう2時だ。久しぶりに夜更かしした気分。

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2005-07-26 眠りカワウソ

8時半に起きると、雨が激しく降っている。雑用の合間に昨日の日記を書く。やたらと長くなってしまった。12時ごろ、雨がおさまったようなので、出かける。千代田線表参道へ。地上に出ると、激しい雨が。ずぶ濡れになりながら、〈青山ブックセンター〉へ。再開後、二度目だ。たしか前に来たときにはなかったと思うが、一番奥のところに洋書コーナーができていた。ワリとイイ感じ。『チェコのマッチラベル』は、入口の新刊コーナー(なぜか隣がよるひるプロの『バサラ人間』だった)とデザイン書のコーナーにけっこう高く平積みされていた。ありがたい。マンガを3冊買う。


少し小降りになったので、急いで〈日月堂〉へ。DMを渡して、雑談。日月堂さんは今年も「印刷解体」を9月にロゴスギャラリーでやるそうだ。お互い、もうちょっとラクして儲けるやり方を見つけたいね、と話すが、「でも、儲かってもおもしろくないコトはやりたくないんですよねえ」と佐藤さん。同感ですが、それだとやっぱりラクはできないよねえ。近くのギャラリーにもDMを置きに行き、そのあと有楽町ギャラリーで開催中の洲之内徹コレクション展を覗くツモリだったが、台風上陸が近いようなので、まっすぐ帰る。


テレビ台風情報を見ながら、マンガを読む。田中圭一ヤング田中K一』(日本文芸社)は、著者が某大手オモチャ会社の営業マンだった時代を描く。なんつーか、メチャメチャな会社だ。というより、田中圭一がメチャメチャなのか。実生活を描いていても、エロネタが中心というのはスゴイ。いましろたかしラララ劇場』(エンターブレイン)は、6ページ1話の短編集。ドコからはじまってドコから終わっても変わりがないような、アンチクライマックスのハナシばかり。でも、なんだか身にしみる。山川直人『口笛小曲集』(エンターブレイン)は、自費出版の作品集などからのベストセレクション。15年間に描いた作品に、絵柄もテーマもほとんどブレがないところが凄い。山川氏は現在〈タコシェ〉(http://www.tacoche.com/)でフェア開催中、いましろ氏も31日にタコシェサイン会があるが、行けないだろうから先に買ってしまった。


チェコのマッチラベル』献本第一弾が到着したようで、岡崎さん、林さんが日記に書いてくれる(林さん、『プラハへの出奔日記』は、内澤の指導のもと、ワタシが自作したものですよ。ま、ずいぶん内澤センセのお手を煩わせはしましたが)。山本さんもメールをくれた。『sumusメンバーの紙モノ心をくすぐる本にはできたようで、ホッとする。晩飯は一昨夜のカレービデオで《大列車強盗団》(1967、英)を観ていたら、単調さに眠くなってきた。途中でヤメて、まだ9時なのに布団を敷いてしまう。そのあと寝たり起きたりで、12時前には本格的に眠る。今日はあんまり生産的じゃない一日だったな。

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2005-07-25 古本買い入れのちカエル直後に台風

朝8時半に起きて、残りご飯に豆腐をかけて食う。土曜日に話し合ったアクセス東京本のリストをまとめる。オンライン書店で、書名や在庫の有無を調べる。まだあるだろうと思った本が意外と品切れだということは、よくある。だから、新刊書店で何かテーマ性を持ったフェアをやるのは、タイヘンなのだ。それにしても、サイトによって定価の表示が本体価格、税込価格とまちまちなのは、リストをつくるのにものすごく困る。bk1は両方表示しているが、アマゾンは税込価格だけだ。出版社サイトも、税込だけのトコロが増えてきた。世の中の流れがそうなるのなら仕方ないけど、消費税導入以来、広告でも記事でも、ずっと本体価格表示できたのだから、あとでこの10年ぐらいの本の定価動向をまとめるときに、きっと混乱すると思うぞ。


12時に出て、渋谷へ。ハチ公前でセドロー牛イチローと待ち合わせ。もっともこの場所に似合わない三人組だ。東急文化村の裏を通って、松涛のお屋敷街を歩き、山手通りを越えたトコロにある工作舎へ。かなり大きな一戸建てである。工作舎はココで28年活動してきたそうだが、今度、月島に移ることになった。それで、不要な本を処分したいと編集のIさんからぼくに相談があり、セドロー牛イチローを紹介したのだ。


では、ナゼ古本屋ではないぼくが同行したのか? それは、ヒトから「古本屋さんを紹介してくれ」と頼まれると、以下のような条件を付けているからだ。


1)スケジュールが合うなら、南陀楼も買い入れ(引き取り)の現場に立ち合わせてもらう。そして、あとで、書ける範囲で、日記あるいは原稿ネタにさせていただく。

2)古本屋さんに先んじて、南陀楼が欲しい本を一冊だけ、無料で頂戴する。記念品みたいなものなので、高額なものは戴きません。


というワケで、同行したのであった。まず、Iさんに中を案内してもらう。造りの大きな建物なので、階段の脇に大きな本棚を設置してある。そこにかなりの冊数が入っていたようだ。2階から屋上に抜ける通路の脇にも、かなり高い位置まで本棚があった。引越し中とあって、ほうぼうに段ボール箱が積み上げてあった(雑誌『遊』関係の資料もあった)が、奥の部屋では、社員の皆さんがまだ仕事中である。


ナニはともあれ、条件2にあるぼくの取り分を確保させてもらう。積みあがった本をざっと眺める。セドローイチローがスグにでも縛りにかかろうと待っているので、ゆっくり見るワケにはいかない。Iさんが「何冊でもいいですよ」とおっしゃるので、まず5冊抜き出したが、あとで本を運んでいるときに一冊見つけ、縛ってあるヒモから本を抜き出してしまう。イチローくんにその現場を見つかり、「あー、やっぱりやってますね」とからかわれる。戴いた本は以下です。

矢川澄子『風通しよいように…』(新宿書房)

平野威馬雄銀座物語 街角のうた』日本コンサルタントグループ

種村季弘池内紀編『温泉百話』東の旅・西の旅(ちくま文庫

種村季弘『一角獣物語』大和書房

◎矢代梓『フユトン・クリティク 書物批判への断片』北宋社

小野耕世ほか監修『マッド傑作選2』TBSブリタニカ


温泉百話』『一角獣物語』はいつか買おうと思いながら、機会がなかった本。矢川澄子にこんなエッセイ集があるなんて知らなかった。『フユトン・クリティク』なんて本は、ぼくの趣味からはもっとも遠いのだが、著者の矢代梓は、中央公論社編集者であった笠井雅洋氏のペンネーム。ちなみに、弟は作家笠井潔だ。笠井さんは、旬公が下宿した家の大家さんだった。その縁で、順天堂病院に入院されていた笠井さんをお見舞いしたコトがある。その後、しばらくして亡くなられたのだが。


ほかにも、洋書雑誌のバックナンバーが多くあったが、いちいち見るのはタイヘンなので、諦める。二人は本を縛りはじめ、ぼくはそれらを二階から玄関まで下ろす。しかし、昨日までやや涼しかったのに、今日は本格的に暑い日で、室内にはクーラーが入っていたが、それでも汗が吹き出る。10往復したぐらいでヘトヘト。階段にあった椅子を持ち出して、屋上で休む。セッセと働いているセドローくんの目が怖い……。自動販売機お茶を買いに行き、そのあとも少し運んだが、やはりシロウト中途半端に手を出さないほうがイイと判断し、先に撤退するコトに。Iさんから、工作舎制作した『季刊ソフトマシーン』創刊号(1979年9月)をいただく。B4判・16ページというデカイもので、荒俣宏らが寄稿。トーキング・ヘッズインタビュー(ものすごく短い)も。ビジュアルな文化情報誌という感じだが、書店で販売したんだろうか? デザイン羽良多平吉が参加している。


駒場東大キャンパスを抜けると近い、と教えてもらったが、どこの門から入るのか判らず、けっきょく駒場公園のほうからグルっと回ってしまった。この辺りは以前、仕事近代文学館に行くために、よく通っている。駅前のそば屋で、カツ丼を食べる。ココは食券制なのだが、あとから入ってきたおじさんが食券を買わずに、「生ビール」と注文。そのあと、財布から500円玉を出して、テーブルの上に置いた。そのあともナンかごそごそやってるので、500円じゃ足りないのかなと思ったら、さっき置いた500円玉を財布に引っ込めてしまった。そして、ちょっとしてから、店の姉さんに「さっき500円支払いましたっけ?」と訊く。「まだです」と返されると、ふたたび財布から500円を出して、テーブルに置いた。せ、せこい。アレでごまかせるつもりだったんだろうか?


DMを置きに何ヶ所か回るツモリだったが、疲れてとてもムリ。渋谷から山手線でまっすぐ帰宅する。人形写真家の石塚公昭さん(http://www.kimiaki.net/)から『乱歩 夜の夢こそまこと』(パロル舎)2000円を贈られる。実在の人物の人形をつくり、それを街や建物に置いて撮影するという手法で、数々の作品をつくってきたヒト。ぼくも『本とコンピュータ』で一度仕事をお願いしたコトがある。今回は乱歩の作品ひとつごとにふさわしい場所を選び、そこで撮影している。旧乱歩邸や神保町喫茶〈エリカ〉も舞台に使われている。「D坂の殺人事件」の〈三人書房〉も再現されていた。あと、『エルマガジン』9月号も到着。「京阪神本棚通信」で『チェコのマッチラベル』が紹介されている。山本善行さんの「天声善語」は講談社文芸文庫について。


1時間ほど眠る。ネットのニュースを見ると、杉浦日向子さんが亡くなったとのこと。46歳。杉浦さんのマンガはどれもヨカッタが、近年では『とんでもねえ野郎』(ちくま文庫)が好きだったな。江戸や明治の東京をきっちり学んだからこその、でたらめさ、アナーキーさが爆発していた。昨年だったか、「本コ」でエッセイをお願いしたいと思い、お手紙を差し上げたコトがあるが、ご家族の方が出られて「病気で療養しています」と答えられた。あの頃、すでに闘病中だったのか。


自転車で出かける。BOOKMANの会の会場は、春日の〈寿和苑〉だが、ウチからココに行くには、どこかの駅で丸の内線に乗り換えて、茗荷谷に出て、そこから15分近く歩かねばならない。それが面倒で、自転車で行ってみることにしたのだ。この時点で、台風が近づいていたコトは知っていたが、曇っていても降りそうではないし、まあ大丈夫だろうと思っていた(あとからすれば大間違いだったが)。千駄木から団子坂を上がり、白山に出て、そこから白山通りへ。富坂を登り、まっすぐ行けば到着。直線距離にしたら大したことはないが、坂が多いので、ちょっと疲れる。それでも30分かからずに到着した。


〈寿和苑〉に着くと、今日の幹事である濱田研吾くんと、ゲストさえきあすかさん、田端ヒロアキくんがいた。他のメンバーは、セドロー牛イチロー野口藤田、エンテツ、柳瀬、大橋、畠中。前回の例会のとき、予約してあったのに〈寿和苑〉が閉まっていて使えなかった。そのお詫びということで、ビールに漬物、おしぼりが用意されており、ワインも出た。なんか、かえって申し訳ない。今日のテーマは、コルゲンコーワのカエルのキャラクターの変遷を追ったもの。いつ、ナニがきっかけで誕生したかから、人形がどう変わって行ったかなどを、判りやすく説明する。濱田・さえきが持ってきた、レアもののカエル人形の現物も続々登場(濱田くんが5万円で買ったという、偽物説のある陶器のカエルも)。テーブルの上は、ビールとカエルでなんだかよくワカラナイことになった。みんなもアレコレ知ってることを話して、オモシロかった。


終わった頃に、すごい勢いで大雨が降り出す。コレは自転車どころじゃないぞ。管理人さんに頼んで、野口さんとぼくの自転車ガレージに入れさせてもらう。傘も借りてしまって、大通りまで出てタクシーを拾い、分乗して〈さくら水産〉へ。いつものごとく、ハナシはあっちに行ったりこっちに行ったり。11時半に外に出たら、少し小降りになっていた。池袋に出て、田端くんと山手線で帰る。ウチに着いたら、すぐ布団を敷いて眠った。

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2005-07-24 内輪話はほどほどに

朝8時半に起きる。遅れていた『チェコのマッチラベル』献呈本を、メール便で発送する。「sumus」の皆さん、明後日には届きますからね。また手持ちの本が足りなくなった。また注文せねばならぬ。そのあと、この本のPOPをつくる。旬公先生が手ずからつくってはくださらなかったので、不肖・ワタシメの自作。絶望的に下手な字だが、マッチラベルカラーコピーを貼ってごまかす。まあ、中身のイメージはつかんでもらえるのでは。


昼は旬公がつくった、明太子パスタ岡崎武志さんから、「おに吉」の原稿依頼。「ここはひとまず『うん』と言ってください」とあったので、「うん」と返信する。いや、そんなエラソウにではなく、ちゃんとお返事しましたが。創刊号から「おに吉」ファンなので、ホントに嬉しい。古本者として一人前になった気分だ。


2時半ごろに出て、西荻窪へ。〈音羽館〉でDMとPOPを渡す。音羽館開店して五年経ったそうで、広瀬さんに五周年記念のバッヂをいただく。看板に使われているイラスト(本を読む女の子)をバッヂにしたもの。カワイイ。15年後(つまり開店二十周年)あたりには、レアな価値を生んでいるかも。広瀬さんと立ち話。あとで「とり、本屋さんに行く」(http://d.hatena.ne.jp/tori810/)を見たら、店内にとりさんがいらっしゃったようだ。小さな声で話したつもりだが、古本屋での常連客と店主の会話は、お客さんのジャマになりがちなので、不快に思われなかったか心配。ぼく自身、常連客がなれなれしくデッカイ声で喋っているのを聞くと、「なんだコイツは」と思うたちなので、なおさらである。


久しぶりに〈森田書店〉に寄ったら、なんだか本の量が増えている。棚自体は相変わらずあまり動きがないのだが、床に置いてある本がけっこうオモシロイ。買わなかったけど。そのあと、〈三月の羊〉〈興居島屋〉と回り、DMを置いてもらう。


次に荻窪へ。北口の〈ひなぎく〉で、DMを置いてもらうようお願いする。海月書林のイベントなど、何度も来ているのだが、店のヒトに挨拶するのは初めて。〈ブックオフ〉に寄る。この店はとにかく量が豊富で、見て回るのに時間がかかる。じっくり見るか、と思ったが、単行本の棚の辺りに、店員が何人か集まっていて、デカイ声で世間話をしている。客の存在なんか、目に入ってない様子だ。うるさいので他の場所に行ったら、そこでも女の店員二人が人生相談みたいなのをやっている。その合間に「いらっしゃいませ〜、こんにちは〜」だけは怠らない。挨拶なんかどうでもイイから、客のジャマはしない、っていう教育だけはしといてくれ。おじさんはもう少しでキレそうでした。買ったのは、青柳いづみこ『青柳瑞穂の生涯 真贋のあわいに』(新潮社)950円。阿佐ヶ谷会のコトが出ているので。あと、殿谷みな子『アローン・トゥゲザー』(集英社文庫)、かんべむさし『38万人の仰天』(朝日新聞社)が各105円。


阿佐ヶ谷中野にも寄るツモリだったが、どうやら限界。中央線新宿へ出て、〈TSUTAYA〉の半額セールビデオDVDを借りる。レジは長蛇の列だった。ウチに帰り、旬公が「今日も虫がいるよ」と云う。数週間前から、豆粒ほどの小さな虫がやたらと部屋の中にいるのだ。しょうがないからバルサンでも焚くか、と話し合ってた直後に、旬公が奇声を上げる。慌てて駆け寄ると、台所の引き出しに入れてあった、バリ島で買った豆の袋から例の虫がうじゃうじゃ湧いていた。コレが原因だったのか! その引き出しごと水に漬けて虫を処分し、旬公には異国の食品をそのままほって置かないよう、厳重注意。


やっと落ち着いたので、カレーをつくる。食べながら、DVDでジョン・ブアマン監督《脱出》(1972、米)を観る。じつに妙な映画。ジョン・ボイドら四人組が、もうすぐダムが建設される川をカヌーで下る。そこで妙な男たちに出くわして、対決するコトになる。しかし、その男たちがなんで主人公らを襲うのか、また四人組の一人(バート・レイノルズ)がなんだか腹に一物ありそうなのも、あるいは川の近くの住民が環境汚染のせいで病気にかかっているのも、ナンにも説明されない。ジョン・ボイドは何のために崖に登ってまで男を殺したのか、ホントにその男は四人組を狙っていたのか、それさえ判らないママに終わってしまった。それでいて冒頭から最後まで、不気味な空気と緊迫感が全体に張り詰めていて、まったく飽きさせない。だから妙な映画なのだ。本編を見たあと、ヒントを求めて、メイキング予告編を見るが、「男と男の対決を描いた」などと表面通りの説明になっていて、よけい混乱した。

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2005-07-23 浅草にて地震

朝7時に起きる。今日は、〈書肆アクセス〉の企画東京者」(仮題)の打ち合わせがあるので、その候補リストをつくる。東京に関する本で、いま販売できるものを選ぶのだが、考え出すとアレもコレもと出てくる。バランスを考えて、25冊ぐらいに絞る。一昨日の煮物を温めて、遅い朝飯。


12時に、三河島の〈稲垣書店〉へ。カウンター中山信如さんが座られている。「古本屋の書いた本」で使うため、写真撮影をお願いしたのだ。写真を撮りながら、著書の裏話などを聞く。『古本屋おやじ』(ちくま文庫)は2冊分の原稿からセレクトしたものだとか、『古本屋「シネブック」漫歩』(ワイズ出版)は毎回取り上げる本を全部読む(読み直す)のが地獄の苦しみだったとか。後者など、増補して文庫化してほしいと思うのだが、きっとタイヘンな作業になるだろうから、あまり気楽にはお願いできない。なお、先日の日記で最近、土日開けるようになった、と書いたが、去年のうちから土曜日一日だけは開けていたそうです。気づかなかった。『色川武大の御家庭映画館 映画ビデオ・ガイドブック』(双葉社)1000円、色川武大寄席放浪記 なつかしい芸人たち』(廣済堂文庫)400円、中野翠『会いたかった人、曲者天国』(文藝春秋)350円を買う。同じ映画書専門店でも、神保町の某店(こないだ正面からトラックが突っ込んだとか)とは比較にならないぐらい安いなあ。


三ノ輪に出て、駅に向かっていたら、目の前に青柳隆雄さんが。古本屋に寄ってたみたい。改札で堀切直人さんに会う。荒川線・三ノ輪橋駅前の地味な喫茶店で、「東京者」の打ち合わせ。各自がつくってきたリストを見せ、意見を云い合う。堀切さんは選択の基準が厳しいので、青柳、南陀楼の出した候補で、何冊か却下された。その場で思いついたヒト、本も何冊かあり、最終的には60冊近くになった。とりあえず第一段階には達したかな。


喫茶店を出て、昭和通り浅草方向にぶらぶら歩く。千束で〈おもしろ文庫〉を覗いたり、野坂昭如田中小実昌の集った〈かいば屋〉を眺めたりして、六区のほうへ歩く。競馬の日だから、人出がスゴイ。伝法院通りの先の〈ニュー浅草〉に入る。ココは昼間でも酒が飲める。二階のテーブル席が落ち着く。ビールとつまみを数品頼み、雑談していると、急に地面が揺れだした。地震だ、とスグ判ったけど、いつもより揺れが激しいし長い。時に4時35分。足立区が震源地で、震度5だという。揺れが収まっても、なんだかまだ地面が揺らいでいる気がする。ウチがどうなったか、心配だ。


一足先に辞去して、自転車で帰る。西日暮里駅の前を通ると、電車が止まっているせいで多くの人が駅前で立っている。再開を待っているのか、タクシーに乗ろうとしているのか。駅前にあんなにヒトがいるのは、初めて見た。マンションに帰り、恐る恐るドアを開ける。入ってスグのところは、見た目に変化がない。しかし、枕元に積み上げた書類の山が崩れていた。さらに、台所の上のほうに置いていた棚が倒れ、塩や砂糖の入れ物が床に落ち、中身が散乱していた。もったいないけど、掃除機で吸い込むしかない。奥の部屋に入ると、やっぱり崩れている。押入れの奥に積み上げた本が前に飛び出し、床に落ちているのだ。横積みにした中公文庫が100冊ぐらい散らばっていて、肌色の表紙がまあキレイ……なんて云ってるバアイじゃない。机に置いていた本、CDも散乱。とにかく応急処置のツモリで、積みなおしてしまう。こうして、また行方不明の本が増えていくのだが。でも、この程度で済んで良かったよ。あとで見たら、ほうぼうの書物ブログで、本が崩れたハナシを書いているのが、なんだかオモシロかった。あんまり笑い事にしてはいけないけど、いちばん激しく崩れたのは誰だろうなあ。一等賞は晩鮭亭さんかな?


旬公から一度電話があり、御茶ノ水駅で足止めされているとのこと。テレビを見ると、たしかに山手線京浜東北線千代田線と運休している。一通り片付けて疲れたので、『映画秘宝』を読む。映画逆境ナイン》が公開中の島本和彦インタビューが最高。『映画秘宝』はインタビューや対談のまとめがウマイんだよなあ。大槻ケンヂソニンの対談では、角田光代の『空中庭園』が映画化され、ソニンも出るのだが、小泉今日子の演じる主人公の夫が、ナン板尾創路だという。おお、コレは観てみたい。《魁!!クロマティ高校》といい、板尾は最近、映画づいているのか。先日亡くなった林由美香の追悼記事も(ちょっと感傷過多だったけど)ヨカッタ。


大阪の〈calo bookshop and cafe〉より、「チェコのマッチラベル」展のDMが届く。月曜日入稿したのに、もう出来てきたのだ。早い。表面は4色カラーで、いいカンジ。これを書店古書店に置いて回らなければ。「ウチで置きたい」というお店はメールでご連絡いただければ、お持ちするか送付します。どうぞヨロシク。


少し眠ってしまう。9時半に旬公が帰ってきて、自転車で出かける。すずらん通りの〈鳥ぎん〉で、釜飯。珍しくガラ空きだった。〈古書ほうろう〉にDMを届け、そのあと〈NOMAD〉へ。DMを500枚渡し、山田さん(奥さん)と打ち合わせ。土曜日の夜はいちばん忙しい時間なのに、邪魔して悪かった。12時にウチに帰り、スグに布団敷いて眠る。

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2005-07-22 書店めぐりと『脇役本』

朝8時半に起きる。今日も味噌汁ぶっかけ飯。単行本の企画を考え、2時間ほどかけて文書にまとめる。『彷書月刊』8月号が届いている。特集は杉山茂丸。ぼくの連載、今回はゲイライター・影坂狩人さんのブログhttp://karuto.blog8.fc2.com/)を紹介。ざっと目を通したら、誤植を発見。最後から3行前、「愛称がイイ」→「相性がイイ」です。いかにもな変換ミスで恥ずかしい。


11時過ぎに出て、池袋へ。車中、青猫書房の目録を見る。今回はイイのが多かったなあ。大久保栄吉『私の創刊号物語』(私刊本)4500円とか、植草甚一ジャズ前衛と黒人たち』真鍋博への献呈署名本が7000円とか。池袋駅の構内から電話して、「浅草六区の世相」「都下のカフェーとバー」などの文章が入った、吉野臥城『諸国拝見 日和下駄』(日本評論社大正9)7500円と、戸板康二の古希記念に出された『戸板康二著作一覧』毛筆署名入り、2000円を注文するが、いずれも品切れ。クヤシイなあ。青猫の目録は、いつも朝イチで見るようにしているのに、かならず先に注文されている。ホントに同じ日に届いているのかねぇ? 


久しぶりに〈リブロ〉へ行く。文芸フロアの奥に、「本の本」や古本本コーナーがあるのだが、ここのところ、ホトンド手が入っていない。今日なんかは、平積みの本の上に、品出しの途中らしい別の本が積み重ねられていた。ダメだ、これじゃ。紀田順一郎『カネが邪魔でしょうがない 明治大正・成金列伝』(新潮選書)、コミック売り場で、安野モヨコ働きマン』第2巻(講談社)を買う。2階のアート本コーナーで、『チェコのマッチラベル』の面出しを確認。売れてほしいなあ。ココでは、桂千穂『多重映画脚本家 桂千穂』(ワイズ出版)と、『映画秘宝』最新号を買う。


西口に出て、〈八勝堂書店〉の均一を見る。昔の『宝石』が一冊300円で出ていたので、何気なく手に取ったら、真鍋博の表紙だった(1964年3月号)。ナカには「ある作家の周囲 河野典生篇」という記事があり、メインの文章を「大伴秀司」が書いている。コレはあの大伴昌司である。この連載のコピーは持っているが、掲載誌は初めて見た。もう一冊は新章文子篇だった。いま見る、この時期の『宝石』は小説エッセイも充実している。


その近くの某学園で、『進学レーダー』のIさんほかと待ち合わせ、受験の取材。畑違いなので大丈夫かと思ったが、ハナシが上手な先生で判りやすかった。終わって駅の方まで戻り、池袋には似合わないオープンカフェで、パスタランチを食べる。Iさんと今後のコトをいろいろ打ち合わせる。そのあと、丸の内線淡路町へ。錦町の〈カフェクルーゼ〉で、今度から働くコトになる会社の編集者Tさんと会い、仕事の進め方などを聞く。こちらからは、企画を10数本出す。このうち何本かが実現できれば、オモシロイのだが。


6時に〈書肆アクセス〉へ。『チェコのマッチラベル』5冊売れたとのこと。ひょっとして、この本にはサインしないほうがイイのかもと思ったが、畠中さんがススメるので5冊サインした。ですので、サイン本がほしい方はそちらへどうぞ。川崎彰彦『夜がらすの記』(編集工房ノア)を買う。そのあと、〈東京ランダムウォーク〉〈三省堂書店〉4階と回って、『チェコのマッチラベル』が置いてあるのを確認。版元がデザインものメインなので、美術デザインの棚に置かれているが、サブカルとか女性もののコーナーにも置けば、けっこう動くと思うのだけど……。


久しぶりに新刊書店をハシゴしたので、欲しい本が何冊もあった。つい全部買いそうになったが、いまの状況を思い出して、ガマンする。書名だけメモしておこう。笠原和夫『「仁義なき戦い」調査・取材録集成』(太田出版)3200円、深沢七郎『生きているのはひまつぶし 深沢七郎未発表作品集』(光文社)1600円、波潟剛『越境のアヴァンギャルド』(NTT出版)3200円、『中村とうようの収集百珍』(ニューミュージックマガジン社)2800円。中村とうようのはオールカラーで、表紙は矢吹申彦。なかなかソソられる本だ。『越境のアヴァンギャルド』には、飯島正論が入っている。


7時、濱田研吾くん、右文書院の青柳隆雄さんと待ち合わせ。三省堂の地下に行くも満席で、向かいの〈さくら水産〉へ。右文書院から出る濱田くんの『脇役本 ふるほんに読むバイプレーヤーたち』(2200円)を戴く。帯は「細川ちか子のインタビュー本、高橋豊子のパリ本中村是好の盆栽本、龍岡晋の句集、宮口精二のミニコミ誌――古本のなかの『主役』たち」とある。滝沢修有島一郎を選ばずに、よりマイナーな人(だってフツー知りませんよ、龍岡晋なんて)を帯に載せた辺りに、青柳さんの入れ込み具合がうかがえる。古本のなかの「主役」たち、は名コピーです。口絵には取り上げた役者たちの写真、本文には書影が。表紙はちょっと地味だったかな。ともあれ、ヨカッタヨカッタ。畠中さんもあとから参加して、大いに飲む。


11時ごろに解散して、青柳さんと千代田線で帰る。ウチに着くと急激に眠くなり、布団を敷いて、安野モヨコ働きマン』を読む。うう、今回もシミるなあ。《タモリ倶楽部》を半分見たところで、眠った。

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2005-07-21 まだまだあるぞ、古本屋

6時過ぎに寝たのだが、9時には目が醒めてしまう。残りご飯に、ショーガ、キムチ、ノリを入れ、昨夜の味噌汁をかけると、じつにウマイ朝飯になった。遅れている『レモンクラブ』の書評を書く。今回は木村聡『消えた赤線放浪記 その色町の今は……』(ミリオン出版)を。書き上げた頃に、『山口瞳通信』の中野朗さんからメール。OKが出たので、ホッとした。


昼飯は、ソーメンの明太子乗せ。義父がソウルで買ってきた明太子だが、ソーメンのつゆに妙に合うのだ。某誌の原稿を直して送ったり、caloとNOMADでのマッチラベル展のためにつくるマル秘グッズの案を出したりする。早起きすると、いつもより働いた気分になるなあ(遅れている原稿をこなしているだけなのだが)。


4時ごろ、自転車日暮里へ。日暮里図書館で本を返却。そのあと、『日本古書通信』の今月号の記事を見ながら、日暮里古本屋を探す。〈石川書店〉という店で、根岸に近い通り沿いにあった。間口の狭い店で、一見、エロ本文庫が中心っぽいのだが、ナカに入って驚く。エロは皆無、文庫は少しで、あとは旅、鉄道、食、芸能、落語江戸東京などの本である。ずっと売れ残っているのか、背表紙日焼けしているし、値段も安いとは云えないのだが、このような場所でこのような店が成立しているコトが奇跡的に思える(古本屋の稼ぎ場が、店のほかに市場での売買にもあることを考慮したとしても)。小島貞二『ぼくの人生、百面相 波多野栄一芸界私史』(学藝書林)1000円を買う。浅草の百面相芸人への聞き書き。こんな本があったのか。神崎夢現の装幀もイイ。


野村宏平『ミステリーファンのための古書店ガイド』(光文社文庫)によれば、この近くに〈リサイクルブックセンターあるべ〉がある。なんとなくヒッピーっぽいデザインの手書き看板が出ているが、シャッターが閉まっている。はたしていまでも営業しているか、不明だ。そのあと、尾竹橋通りを直進すると、三河島に出る。新古書店を見つけて入るが、買わず。


宮地交差点から、新三河島駅を通り、冠新道を越えて、明治通りへ。〈神谷酒場〉の前まで来たら、まだ5時前なのに開店していたので、入る。しかも、先客が3人もいて、相撲中継をも見ている。ビールの小瓶と、チューハイを飲む。また自転車に乗り、今度は田端新町へ。〈ブックマート〉で、香川まさひと(原作)・あおきてつお(画)『島根弁護士』第2巻(集英社)というマンガ(『ビジネスジャンプ』連載)を見つける。帯には「小泉八雲が愛した町・松江で奔走する新米弁護士」云々とある。松江舞台なら買わざるを得ないでしょう。あとで読んだら、あまりにベタ人情話にへきえきしたが。もう一冊は、五木寛之『風に吹かれて』(新潮文庫)。このエッセイ集にも、大学時代の回想があるらしい。


コレで終わりではないぞ。自転車を引いて、スロープを登り、田端駅に出る。そこから王子方向の坂を上がると、小さな商店街があり、そこにも古本屋があるのだ。ココも〈石川書店〉だけど、日暮里の店と関係あるのだろうか? こちらはフツーの店で、最近の読み物が中心。でも、評論集や研究書も置いてある。今日は買わなかったが、また来よう。今日回った店は、近くに住んでいるぼくでも、あることを知らなかったり、遠いので行きにくかったりした。でも、たまには思いついて回ってみるのもオモシロイ。


田端銀座で買い物して、ウチに帰る。奈良でお会いした三輪正道さんから、著書『酔夢行』(編集工房ノア)が届いていた。2時間自転車に乗ったので、少し疲れて1時間ほど眠る。夕飯は、豚肉、厚揚げ、タマネギの煮物と味噌汁。最近、旬公が気に入っている山崎豊子原作のドラマ女系家族》を観ながら、溜まっていた古書目録を眺める。中央線古書展の目録で、〈古群洞〉が戦前戦後の「速記」関係の雑誌280冊を出している。その方面のヒトには、1万円は安いのでは。また、〈オヨヨ書林〉が草森紳一ナチスプロパガンダ 絶対の宣伝』(番町書房)4巻揃いを、3000円で出していて目を疑う。この本、第3巻「煽動の方法」がメッタに出ないので、全巻揃いだと2万円以上付けているトコロが多いのだ。まさか、一巻3000円じゃないだろうね? そのあとのニュースで、ロンドン地下鉄でまた爆発があったコトを知る。

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2005-07-20 熱射病と山口瞳

朝7時、奈良からの夜行バスで旬公が帰宅。それで眼が覚めて、山口瞳の本を読む。なにが何でも今日書かねばならないのに、まだ目を通してない本が何冊かあったのだ。10時過ぎに、旬公と〈花歩〉へ行き、コーヒー。こないだから土曜日開いてませんね、と奥さんに云うと、4月から土曜日もお休みになったのだという。『谷根千』の新しい号に、4ページにわたり「一箱古本市」の記事が。仰木ひろみさんによる、かゆい所に手が届くルポだ。75人の店主リストも掲載。森まゆみさんの体験記も。店主もお客さんも、あの日参加したヒトみんなにとって、コレは保存版ですよ(http://www.yanesen.net/)。『谷根千』はこの号で80号に達した。この持続力には、頭が下がる。


自転車で、根津へ。〈好来〉で、ワンタンと半チャーハン。〈往来堂書店〉の山口瞳コーナー(があるのだ)で、『山口瞳人生作法』『やってみなはれ みとくんなはれ』(新潮文庫)を探すが、残念ながら2冊ともなし。文京区ふれあい館の図書館で、何冊か借りる。端末で検索すると、先の2冊のうち1冊は湯島図書館にあると出た。暑いからどうしようかなあと迷うが、原稿に使うかはべつにして、見ておかないとマズイ気がして、行くコトに。その前に、御徒町の〈明正堂〉に行くが、ゼンゼンない。


そこから、松坂屋のほうに出て、湯島へ。途中、いまはなき〈上野文庫〉の看板が残っているのを見つける。蔵前橋通りを、えっちらおっちら上がる。帽子をかぶってこなかったので、頭がヒートしてくる。熱射病みたいだ。湯島図書館に行くも、データ上で見つかる本が棚にない。館員に探してもらうも、見つからず。ああ、ムダだったと、本郷に出て、本郷三丁目書店で期待せずに探したら、あっさり見つかった。こういうコトもある。この店、数年ぶりに入るがマンガが増えたなあと思ったら、店名が〈ブックス・ユニ本郷店〉に変わっていた。経営者が別の人になったのだろうか? ほかに、本秀康ワイルドマウンテン』第2巻(小学館)と、『NONFIX ナックルズ』第2号(ミリオン出版)を買う。赤門前を通ったので、ついでに「落第横丁」へ。〈ペリカン書房〉の看板は健在だが、店は閉まっていた。


向丘まで走り、日医大の坂を下りて、西日暮里へ帰る。この暑いのに、二時間ぐらい走り回ったせいで、疲れてしまう。ちょっとヨコになってから、また山口瞳の本を読む。手元の本をぜんぶ見ておかないと、原稿に取り掛かれない(というか、なかなか書き出せないので、逃避している)。夕方、今度は本駒込図書館へ。そうこうしてるウチに、7時になった。


切羽詰っているにもかかわらず、晩飯を食べながら、DVD増村保造《兵隊やくざ》(1965)を観る。兵営の中で繰り返される、初年兵いじめ。その理不尽さに立ち向かう、勝新太郎田村高廣コンビ。この二人、最初から奇妙に仲が良く、最後は一緒に脱走する。男と男の友情というよりは、濃密な愛情があるかのように描かれている。これは原作にあるのか、増村の演出なのか。


原稿で書くことをメモし、なんとか取りかかれる体勢をつくる。1時間ほど眠って、2時から書き始める。途中、詰まりながらも、5時には書き上げる。『山口瞳通信』の第5号に掲載予定のもの。昨年、中野朗さんに依頼されながらも、山口瞳にほとんど関心がなく、お断わりするしかなかった。中野さんは律儀に今年も依頼してくれた。それからの一ヶ月で、にわかに山口瞳に入門し、まだ好きになったのかも判らない段階で書くしかなかった。それが、山口ファンの牙城である『山口瞳通信』に載るというのは、忸怩たるものがある。でも、書きたいコトが書けた気はしていて、肩の荷が下りた気分だ(中野さんからの返事はまだなのだけど)。ちょっと寝よう。

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2005-07-19 奈良の天然さん

朝8時半に起きる。昨夜、宇多さんが「用事があって、9時に◎◎に集合するから」と云っていたので、もう出たのかな? と思って、二階に声をかけると、まだ寝ていた。「宇多さん、用事があったんじゃないの?」と訊くと、「そうだったかなあ」と不審げだ。旬公と代わる代わる、昨夜宇多さんが云ってたコトを説明したら、ようやく思い出した。宇多さんは正真正銘、掛け値なし、ほんまもんの天然である。だから、好きなんだけど。


旬公は今日一日、ココで休んでいるという。一緒に出て、喫茶店モーニングを食べ、近鉄奈良駅で別れる。そこから京都に出て、12時過ぎののぞみ号に乗る。昼飯は、鮭寿司弁当。まあまあウマイ。〈ちちろ〉で買った、五木寛之『こがね虫たちの夜』(河出書房新社)の表題作を読む。大学時代を描いたこの作品に、同級生だった川崎彰彦が「ぼくの早稲田時代」で書いたのと重なる部分があるのだ。キザな感じがして敬遠していた作家だが、さすがに達者であり、かなり面白く読んだ。1時半に東京駅着。


ウチに帰ると、先週号の『週刊朝日』が届いていた。「読書日和」のぼくの写真は、コミさん帽をかぶって、ますます丸い。阿瀧康さんからは『ガーネット』第46号が届く。日録で「一箱古本市」に行けなかったハナシが。例の「サンプラザ古本市」のエプロンについても触れられている。溜まっていたメールをチェック。返事を書くのに時間がかかり、そのうち夕方になった。〈ブックオフ〉で、角川文庫版の『こがね虫たちの夜』を105円で。この版には、川崎彰彦さんが解説を書いているのだ。坂田靖子『時間を我等に』(早川書房)も105円で。


晩飯は、東京駅で買ったチキン弁当(好きだねェ)。ビデオで《ファイナル・ディスティネーション》(2000、米)。なんだ、こりゃ。落語みたいなハナシだなあ。怪奇現象がどれも、まずAが壊れて、それがBにかぶさってというようにドミノ倒しなのが、笑える、というか、力が抜ける。そのあと、「早稲田古本村通信」の原稿を書く。遅れてすいません。そのあと、明日書かなければならない原稿の資料をひたすら読む。


そういえば、出かけている間に、このブログアクセスカウンターが10万を超えました。あと、日記自体も6月末でまる一年に到達しています。いつの間にやら、というのが、実感です。読んでくださっている方に、感謝です。

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2005-07-18 郡山からならまちへ

朝9時に起きる。旬公のトランクがあるので、前田くんが駅まで送ってくれ、改札で別れる。隣駅の鶴橋へ。近鉄駅前の立ち食いうどん屋に入る。関西に来ると、ナゼか猛烈に立ち食いうどんが食べたくなるのだ。いつもはきざみうどんを食べるのだが、今朝はかき揚げうどんを注文する。ダシが熱々で、丼が持てないほど。もちろん満足。近鉄に乗って、西大寺奈良に向かう旬公と別れる。ぼくはココから橿原神宮方面に乗り換え。


近鉄郡山駅で降りたとき、初めて来るハズなのに、「あれ? この駅前知ってる」と思う。よく考えたら、1年ほど前に古書店地図に載っていた〈あすかブック〉という古本屋を訪ねている。わざわざ来ただけの成果はなく、すっかり忘れていた。それにしても、古本屋がある場所なら、ドコにでも行ってるなあ。ヒトゴトみたいだけど、恐ろしい男である。40分も早く着いたので、ちょっと歩いたところの〈モスバーガー〉に入り、コーヒーを飲みながら、打ち合わせの資料を読む。いくつかポイントメモする。


12時前に駅前に戻る。少しして中尾務さんが現われる。『BOOKISH』の新しいのはイツ出るんですか? と訊いたら、来月出るらしいですわ、との答え。読者の皆さんは、当てにせずに待ちましょう。そのうち、うらたじゅんさんも到着。途中で一緒になったからと、同人誌『黄色い潜水艦』の三輪正道さんと島田勢津子さんがいらっしゃる。二人とも編集工房ノアから著作を出されている。島田さんの『イルカを待つ海』を頂戴した。西友の中のレストランでソーメンを食べ、バスに乗る。山に向かってしばらく走り、大職冠というバス停で下りる。民家の向こうには田んぼが広がっている。


作家川崎彰彦さん宅に到着。車椅子に座る川崎さんと、奥さんの当銘さんが迎えてくれる。挨拶もそこそこに、ビールが出てくる。飲みながら、しかもこんなに大人数で打ち合わせしたのは初めてだ。今日の用件は、川崎さんが大阪同人誌『海浪』(花田書房)で連載した、「ぼくの早稲田時代」という小説の単行本化について。二年ほど前に、うらたさんから「この連載を出版できないか」と持ちかけられ(後ろで糸を引いてたのが中尾さん)、できる範囲で動いていた。それが、毎度おなじみ、右文書院から出るコトに決まったのだ。ぼくとしても、ホッとしている。そして、外部の立場で、ぼくが編集させてもらうコトになった。27回続いた連載で、やや厚い本になりそう。サクサク進めて、今年中には刊行したい。


打ち合わせは30分もかからず、スグに酒宴となる。あとから、やはり同人平井義英さんが来て、総勢8人となる。ビールワインちゃんぽんで飲んで、いい気分。次の用事があるので、一足早く、うらたさんと辞去する。外に出たら、まだ日がカンカンに照っていた。バス近鉄郡山に戻り、西大寺乗換えで、近鉄奈良駅へ。もちいどの通りの〈フジケイ堂〉(前は別の通りにあったが移転したらしい)、〈朝倉文庫〉、〈十月書林〉を覗くが、買わず。その先に、昨年秋にできた〈酒仙堂〉がある。普通の家が古本屋になっていて、狭い土間と、上がった二つの座敷に本やプラモデル、玩具を並べている。ご主人は会社勤めされているので、土日祝日のみの営業だという。奥では、女性のお客さんがお茶を飲んでいた。B6判時代の『プレイガイドジャーナル』を4冊見つける。各300円。それと、田中小実昌『ふらふら記』(潮出版社)650円も買う。


〈ならまち文庫〉は去年、改装して、半分が古本屋、半分が映画監督河瀬直美ショップになった。前まで行ったが、今日は休みだった。たしかに、キレイになっている。その奥は、手づくり雑貨や洋服の店、喫茶店などが入る「ならまち工房」だ。しばらく見ないウチに、ずいぶんイメチェンしたんだなあ。そういえば、ココに来る途中にも、新しくできたカフェが2軒ほどあった。


そこから、〈よつばカフェ〉(http://www.h7.dion.ne.jp/~yotsuba/)へ。二階の座敷では、旬公のワークショップがまだ続いている。今日で最終日という「カルピス祭り」のメニューから、「カルピス豆乳」とカルピス入りのケーキを頼む。どっちも美味しかった。ステレオから大瀧詠一が流れていた(三ツ矢サイダーCMソングが入っているCD)ので、Hさんに「これ、カルピスイメージですか?」と訊くと、そうです、と答える。こういうセンスが好きなんだよなあ。


7時過ぎ、上でワークショップが終わったようだ。一人ずつ下に降りてきて、支払いしつつ、できあがった革の手帖を見せている。みんなウレシそう。自分でつくったモノを持って帰れる、というのがイイのだろうね。最後のヒトが帰ってから、うらたさんにも手伝ってもらって、荷物をトランクに詰める。隣のお米屋さんから発送する手配をして、ようやく終了。


旬公が宇多滋樹さんに借りた三輪の自転車(軸が狂っているのか、やたら端っこに寄っていく)に乗って、奈良で唯一知っている店である〈蔵〉に行く。昔の蔵を改装した飲み屋。おでん刺身、鉄火巻、赤だし。どれも五臓六腑に染みわたるうまさだった。うらたさんにご馳走されてしまった。近鉄奈良駅前で、うらたさんと別れて、宇多さん宅へ。といっても、今年4月から、この家の一階は〈古本喫茶ちちろ〉になっているのだ。座敷にテーブルをいくつか置き、壁には本棚が10本ほど入っている。古本喫茶というのに、見たところ、本の並べ方に気を使ってないのが惜しい。ちょうど夜勤から帰って来た宇多さんと一緒に、駅のほうの銭湯へ。東京ほどお湯が熱くないので、ちょうどイイ感じで汗を流した。家に戻ってから、宇多さんと少し話してから、一階の奥に布団を敷かせてもらって眠る。


夜中、蚊に刺されて眼が覚める。眠れなくなったので、棚の本を抜き出してパラパラ読む。古本喫茶もイイけど、宿泊中は自由に本が読める「古本旅館」でもイイのでは? 新聞配達の音が聞こえた明け方に、ふたたび眠りについた。

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2005-07-17 今日はこのくらいにしといたるわ

朝8時に起きて、シャワーを浴び、西日暮里駅へ。東京駅に出て、新大阪行きののぞみ号に乗る。ほぼ満席。名古屋での「愛・地球博」(書くのも恥ずかしいタイトルだが)開催中のためらしい。車内のお供は、チキン弁当と缶ビール。コレだけあれば、楽しく過せる。食べ終わったら即眠り、京都で目覚める。


新大阪から御堂筋線心斎橋四つ橋線・四ツ橋駅と地下でつながっているハズなので、その通路を探すが、ドコにも表示は出ていない。ワープロで打ったようなすごく小さな貼り紙があったので、それを頼りに歩くが、途中からその表示も消え、とても不安になる。結局、方向は合ってたのだが。毎回同じようなコトを書いているが、大阪の表示は大阪人以外のヒトにはとても不親切だ。


四ツ橋駅から地上に出て、1、2分のところに、〈INAXギャラリー大阪〉がある。来るのは初めて。ココで、「肥田せんせぃのなにわ学」展(http://www.inax.co.jp/Culture/2005g/06hida.html)を観る。肥田晧三は、近世文学研究者で、関西大学の元教授。両替屋の家に生まれ、幼い頃から大阪伝統的な文化になじみ、一方で、戦前からの大阪モダニズム(映画とか宝塚とか雑誌とか)にも親しんできた。いまでも着物で通しているヒトである。上方落語カフェー、美術雑誌芸者評判記、双六など、肥田氏が蒐集してきた、近世から戦前にかけての上方の印刷文化の資料を並べているが、展示スペースは、意外と小さく、スグ見終わった。興味深いのは、奥に再現された肥田氏の本棚。三面ぐらいの本棚に、数百冊の本の現物が収まっている。稀覯本よりも、ふだんよく使っている研究書、事典、書誌などが多いようだ。何冊かナカを見たい本があったが、透明な覆いがかかっていて、手に取るコトができないのが残念。それと、戦前に肥田家が8ミリで撮影したらしい映像(大阪の街やカフェー、肥田家の人々)がビデオで流れていて、コレにも見入る。この展覧会大阪では8月19日まで。そのあと、名古屋東京と巡回するが、東京に来るのは12月だというから、イマ見ておいてヨカッタ。INAX出版からの図録もよくできている(同書に収録されている、澤田隆治コメントには、マルセ太郎が肥田氏の同級生だったという証言も)。


この会場で、「大阪のチン」こと前田和彦くんと、その大学の先輩で、最近注目のブログ「エエジャナイカ」(http://d.hatena.ne.jp/akaheru/)のakaheruこと北村知之さんと待ち合わせ。近くのスターバックスに入る。さて、akaheru氏はどんな青年だったのか? 気になるヒトは、来月号の『彷書月刊』を読んでくださいな。ま、いろいろ盛り上がった。そのあと、前田・北村コンビと一緒に、北堀江の〈貸本喫茶ちょうちょぼっこ〉へ。旬公による手づくり本ワークショップがまさに佳境に差し掛かっていた。あとで待ち合わせるコトにして、外へ。


四ツ橋から地下鉄で、肥後橋の〈calo bookshop and cafe〉へ。今日は休みだが、石川さんに鍵を開けてもらい、ナカに入る。明日からの展覧会(「カナリヤ手帖−挿し絵原画とひみつの雑貨店−」)の準備中8月16日からの「チェコのマッチラベル」展の打ち合わせ。ダイレクトメールの作成、展示の方法、まだヒミツの販売グッズなどについて相談する。8月27日(土)5時から、caloでぼくが行なうトークのゲストは、内澤旬子に決定。身内ですいません。題して「10円コンビが語る 紙モノと古本プラハ」。マッチラベルの現物を見せたり、スライド上映をしたりする予定です。よろしければ、お運びください。


Caloから北に向かって歩く。暑いし、荷物を背負っているので、汗が止まらない。堂島の〈ジュンク堂書店大阪本店へ。誰かのブログを見て知っていたが、レジの位置などレイアウトが変わっていた。不採算スペースをカットしたのだろうか、はたしてこの店の名物「編集工房ノア」コーナーは? と、そっちに向かう。前の位置に見当たらず、アセったが、ちょっと奥のほうに、ちゃんとあった。見ようによっては前よりも広いスペースだ。ジュンク堂はやっぱりエライ。美術書の棚に行き、デザイン関係のコーナーで、『チェコのマッチラベル』を発見。3冊が面出しになっている。大手書店で並んでいるのを見たのは、初めて。3階に上がり、大阪本のコーナーで、橋爪節也編著『モダン道頓堀探検 大正昭和初期の大大阪を歩く』(創元社)を見つける。橋爪氏ら8人が、人力車クラブ白粉、浪花座、カブトビール、120のキーワードについて、解説していく。大正時代の雑誌『道頓堀』から、ふんだんに図版を掲載している。コレで2000円+税はお買い得だ。林哲夫さんが日記で書いているように、索引がないのが惜しいな。橋爪氏によれば、もともと『道頓堀大百科事典』をつくりたかったというのだから、なおさら。


このまま歩いて、梅田に行き、大阪駅前第三ビルの古本屋でも覗きますか、と前田くんが提案してくれるが、大阪には年に数回しか来るコトができないのだから、まだ行ったことのない店に行ってみたい気持ちが強い。で、パッと思い出したのが、以前〈ちょうちょぼっこ〉の店内に貼ってあった古本屋のポスター。広角で撮ったような店内の写真が印象的だった。幻想文学とかサブカルにつよい店だったハズ。ちょうちょの福島さんに電話して、それだけの手がかりで思い出してもらう。折り返し電話があり、〈古書ノスタルジア〉ではないかとのコト。電話してみたら、6時半まで開いているという。前田くんの道案内で、地下街を東梅田まで急いで歩き、谷町線に乗って谷町四丁目で降りる。オフィス街っぽくて、こんなトコロに古本屋があるのかなと思ったが、ちゃんとあった。もとは骨董屋だったのだろうか、倉庫みたいに奥の広い店で、古いカメラとかアンティークのランプとかを置いている。奥で店主と客がハナシをしているが、どちらも帳場に見える机に座ってので、どちらがご主人なのか判らなかった。品揃えも値段もまあまあだったが、今回は買わず。ほかにも、古本屋を覗きたかったが、移動が面倒なので諦める。今日はこのぐらいにしといたるわ。


中央線で本町に出て、御堂筋線に乗り換え、心斎橋に戻ってくる。アメリカ村まで歩き、〈タワーレコード〉へ。ココで、前田くんが荻原魚雷さんから強力にススメられたという、東京ローカル・ホンクというバンドの[東京ローカル・ホンク]を見つける。久保田真琴プロデュース下北沢のモナ・レコードから出ている(タワレコでこのCDを買うと、モナ・レコードサンプラーCDが付いてくる)。棚を見渡していて、矢口博康の名前を見つける。まさかニューアルバムがと思ったら、1984年カセット・ブック[観光地楽団]のCD化だった。東京に帰って聴いたら、やっぱりヨカッタものの、ボーナストラックがないのはしかたないとしても、CD化への解説がないのは惜しい(当時のブックレットは復刻されているが)。冬樹社のカセット・ブック「SEED」は、[観光地楽団]のほか、細野晴臣[花に水]、ムーンライダーズマニア・マニエラ]などをリリースした、1980年代中期の重要レーベルだったのだから、関係者へのインタビューなどを入れるなどして、詳細な解説がほしかった。


また〈ちょうちょぼっこ〉に戻る。古本コーナーで、『漫画ブリッコ1985年4月号を発見。200円。奇しくも、[観光地楽団]と同時期だ。云うまでもなく、大塚英志が編集していたロリコン漫画誌。この辺りはリアルタイムで買っていたなあ。中森明夫の連載は終わっているが、竹熊健太郎の「風雲ライオン新聞」が載っている。この時期の竹熊氏は「エディパー」と名乗っていたのだ(いまは「編集家」)。あと、平野威馬雄『アウトロウ半歴史』(話の特集)1800円、塩山芳明『嫌われ者の記 エロ漫画業界凶悪編集者血闘ファイル』(一水社)600円。後者は、「古書モクロー」で売ろうっと。


旬公のワークショップの荷物を入れたデカいトランクを引きずって、移動。ちょうちょから5分ほどのところにあるカフェレストラン〈Barbes(バルべス)〉へ。料理クスクスとか鶏肉のナントカとか。ちょうちょぼっこの4人と、caloの石川さん前田くんと北村さん、そして旬公とぼく。このメンツだと、我々夫婦がダントツが歳上だ。にもかかわらず、石川さんの先を見据えた姿勢に、オトナだなあと思う。ちょうちょ郷田さん(今夜はミス・マープルをほうふつさせる髪型と眼鏡でご登場)と、チンこと前田くんとのやりとりは、まるで異次元空間が出現したようで、ドコにハナシが行くのか周りがハラハラする。たちまち三時間が過ぎて、11時にお開きに。


今夜は(今夜も)、前田くん宅にお世話になる。しかも夫婦で。いいのかコレで、38歳。もう何度も来ているので、今里に着いたら、さっさと前田家に向かって歩き出す。お母さんに挨拶し、フロに入れさせてもらう。『ぐるり』からのファクスを見て戻し、1時に就寝。古本屋を少なめにしたけど、それでもちょっとハードな一日だったかな。

2005-07-16 出発前のひと働き

6時に旬公を送り出す。午前中は、発行の遅れた「書評のメルマガ」を2号分編集して発行する。前の号には、福嶋聡さんによる後藤嘉宏『中井正一のメディア論』(学文社)の書評を掲載。ちょっと長い文章だけど、そのまま載せた。後の号では、最近、共著『海の家スタディーズ』(鹿島出版会)を出したライターの渡邉裕之さんの短期連載を開始する。今後も、新刊や新しい動きに即応した記事を、適宜載せていきたいと思う。ところが、まだ寝ぼけていたのか、後の号で大橋あかねさんの連載で、すでに載せたのと同じものを間違えて載せてしまう。大橋さんからメールで指摘があり、スグに訂正版を発行する。


じりじりと気温上昇。昼に自転車本駒込図書館に出かけ、本を返却。〈ときわ食堂〉で昼飯でも、と思うが、すでに満席。ウチに帰り、肉野菜炒めを上に乗せた味噌ラーメンをつくって食う。うまい。午後は、奈良での打ち合わせに使うゲラのチェック、某誌原稿の手直しと資料を宅急便で発送、書評の本を読む、など。ときどき休憩を入れながら、それなりに励む。BGMは、クレイジーケンバンド[soul punch]。ここ1、2年のCKBは、以前の手クセみたいなものが感じられて、あまり聴いていなかったが、この新作はイイ。添付のDVDには、横山剣本牧のスポットを案内する映像が入っていて、コレがじつにディープであり、CKBワールドの名所案内にもなっている。本牧に行きたくなったゼ。おすすめ


7時ごろ、ビデオフランシス・コッポラ監督ロスト・イン・トランスレーション》(2003、米)を観る。辛気臭いハナシかなという予断があったが、かなりオモシロかった。状況に流されるままのビル・マーレーも、《ゴースト・ワールド》の後日譚さながらに「ゴスッ娘、東京へ行く」てな感じのスカーレット・ヨハンソンホテルの部屋で、なぜか下がパンティだけなのが目に楽しい)もいい。東京の街や人をまったく理解できない異文化として描かなかったのも、この映画に共感できる理由だ。ぼくも、海外に行って、空港からの高速道路から、次第に街へと入っていく風景に、いつも期待と不安を抱くから、冒頭とラストのビル・マーレーの心情が判るように思う。


コロッケメンチカツで夕飯。そのあと、『ぐるり』の原稿を書く。今回はふちがみとふなと。新作[ヒーのワルツ]を流しながら、一気に書く。音楽について書くときは、音を聴いて受け取ったモノが文章に反映できればいいと思っている。それが多少、非論理的でも構わない。12時すぎに書きあがる。これから荷造りをしなければならないので、今日はココまで。明日は朝から大阪に行く。明後日は奈良。なので、日記は2、3日休みますが、気にしないでくださいませ。では。

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2005-07-15 帰ってくれて嬉しいわ

タイトルは、ヘレン・メリルの歌う「You'd Be So Nice To Come Home To」(1942)の和訳であります。誰も云ってくれないだろうから、自分で云ってみました。と云うワケで、一週間ぶりの日記です。この一週間は、某誌の原稿に行き詰ってしまい、読書ビデオでの映画鑑賞に逃避し、気分転換と称しては図書館へ行き、そこでも進まずに帰りに飲み屋に立ち寄ってしまうという悪循環を繰り返していました。四日間ぐらい電車に乗らず、自転車で行ける範囲でしか移動していません。でも、なんとか一段落付いたので(まだ他に待ったなしの原稿はありますが)、日記を書く気になりました。


休止中に、「産経新聞」12日朝刊で『チェコのマッチラベル』が紹介され、同日発売の『週刊朝日』ではぼくの「読書日和」が載った。また、明石幻堂出版からは、今回も書けなかったにもかかわらず、『氣刊ナンザツ7』をお送りいただいた。ありがとうございます。あと、先日ある出版社からお誘いがあり、週3日のペースで、編集者として働くコトが昨日、ほぼ決まった。とてもイイ本を出している版元だし、「生活の設計」から云ってもアリガタイ話で、ちょっとホッとしている。


さて、本日の行動です。7時におきて、某誌原稿の残りを書き上げる。わずか20枚ほどなのだが、資料を読み込むのにとても時間がかかった。どうにか社会復帰した気持ちで、メールの返事などを書く。午後、暑くなってきた頃に、西日暮里からバスに乗って浅草へ。六区で降り、〈ROX〉の〈リブロ〉を覗く。そろそろ『チェコのマッチラベル』が並んでいるハズだけど、美術書コーナーには見当たらず。ホントに配本されてるのか? 横山秀夫震度0』(朝日新聞社)、祝・講談社漫画賞受賞の伊藤理佐『おいピータン!!』第7巻(講談社)、『本の雑誌』8月号を買う。『本の雑誌』は30周年記念号。


雷門のほうへ歩き、仲見世通りヨコの中華料理屋で、遅い昼飯。ギョーザとタンメン。どちらもウマかった。〈松屋〉7階で開催中の古本市へ。目録注文していた、色川武大『街は気まぐれヘソまがり』(徳間書店)1470円と、花森安治装幀の安藤鶴夫・日色恵編『風流落語お好み版(ア・ラ・カルト)』(早川書房、1952)2000円は無事当選。久しぶりに行く大きな古書市なので、丹念に見てまわり、『朝日新聞出版局史』2100円、海野弘編『上海摩登(シャンハイモダン)』(冬樹社)735円、『るうじん』1973年つげ義春特集(座談会、北井一夫のつげ義春写真集など)630円などを買う。牛イチロー先生と、同じフロアレストランコーヒーを飲む。月末にセドリツアーを敢行するコトになりそうだ。初参加なので、腕が鳴るぜ。


松屋の前のバス停から、日暮里行きのバスに乗る。たまに乗るコースだが、西日暮里経由のバスとは微妙ルートが違うのでオモシロイ。ちょうど『日本古書通信』最新号で、浅草を含む東部の古書店を紹介しているので、行ったことのナイ店を「この辺りかな?」と見当をつける。6時過ぎているのにまだ暑い日暮里から西日暮里まで歩き、ウチで一時間ほど休憩。自転車根津に行き、カフェNOMAD〉に『チェコのマッチラベル』を5冊納品。売れるかな?


行きつけの定食屋で旬公と落ち合うツモリが満員で、同じ通りにある〈鉄兵〉に入ってみる。肉屋が二階で経営している和風ステーキの店。一度入りたかったが、なんとなく敬遠していた。入ってみると、ワリと広いつくりで値段もリーズナブルビールと揚げ出し豆腐。ロースステーキ定食200グラムを頼むと、一口大に切ったステーキと、ご飯、味噌汁、漬物、サラダ、それにつくね(しっとりして美味しかった)が出てきた。満腹じゃ。隣のテーブルに、東大先生らしき三人がいて、世にも薄っぺらなハナシ(研究者非情なくらいでないと成功しないとか、戦前日本アジアに広く展開していてエラかったとか)をしていたのが、ウザかったが。学者ってえのは、自分の専門外のコトに関しては、平気で暴論・空論を(しかもエラそうに)云って、しゃあしゃあとしてるんだよなあ。


谷中アパートに行き、明日大阪に行く旬公の荷物を自転車に積んで、西日暮里に帰る。ぼくも一緒に行きたかったが、原稿が終わらないので、明後日出発することになってしまった。

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2005-07-07 堀切で菖蒲園に行ったコトなし

朝、日暮里から京成線に乗って、堀切菖蒲園へ。この駅にはもう十数回降りているハズだが、未だにココの名勝である菖蒲園を見たコトがない。約束まで30分ほど時間があるからと、そっち方向に7、8分歩いたが、まだ掛かりそうなので引き返す。菖蒲園が見られるのはいつの日か。もっとも、いままで歩いたことのない道で、やたらとデカい昭和モダン建築病院か?)を見つけたりして、楽しい散歩だった。駅近くの不動産屋のウィンドーを覗いたら、3LDKで9万円というのが出ている。堀切駅から徒歩10分。間取りコピーをもらっておく。


〈青木書店〉で青木正美さんとお会いする。8月に日本古書通信社から刊行される、反町茂雄の晩年を描いた本のお話などを聞きながら、昨日買ったデジカメで青木さんを撮影する。資料として著書を2冊拝借して、辞去。堀切に行くとナゼか寄ってしまう〈アルー〉で、アルーカレー(挽肉、豆、卵)を食べる。その先の新しい文庫に強い古本屋も覗くが、買わず。同じルートで帰ってくる。


3時過ぎに、自転車小沢信男さん宅に寄り、『チェコのマッチラベル』をお渡しする。谷中コミュニティセンター図書館で、リクエストした本を受け取る。それから、〈千駄木倶楽部〉で、中国人記者の于前さんとお会いする。日本に来て12年という、アタマの回転の早そうな女性。不忍ブックストリートMAPを見せると、「しのばずくん」にやたら反応していた。一箱古本市については、「台湾の人もきっとおもしろがると思います」と絶賛。ただし、年一回じゃ少ないそうで、「毎月やってほしい」とのコトだった。店を出て、突然降り出した雨の中を、〈古書ほうろう〉へ。ココで写真を撮られる。もともとカメラマンだということで、かなりいろんなポーズを取らされる。最後に「しのばずくん」の粘土人形と一緒に写真を撮られ、終了。コレでもう来週には、台湾新聞「開巻」に掲載されるというのだから、すごいスピードだ。


〈ときわ食堂〉でチューハイ。帰りに生協で買い物する。晩飯は、サバと厚揚げとネギとえのきと油揚げをぶち込んで、唐辛子キムチで味付けした煮物(?)。テキトーに考えてつくったのだが、ホッとな味でおいしかった。クリント・イーストウッド監督《真夜中のサバナ》(1997、米)を観る。イーストウッドが出演しないし、長い(150分)ので敬遠していたが、なかなかオモシロイ。サバナはアメリカ南部の町で、作詞家作曲家のジョニー・マーサーの出身地。トップシーンで、サバナの公園にあるらしい、天使の像とマーサーの碑みたいなのが出て、そこに「そして天使は歌う」と彫られている。マーサーの曲のタイトルだ。「そして天使は歌う」と来れば、久保田二郎のエッセイ集もそうだ。映画を観たあと、角川文庫版を引っ張り出したら、この表紙にも天使像の写真が。コレは偶然なのか。もっとも、この本のあとがきには、「これは(ベニ−・グッドマン楽団の)しぶといセカンド・トランペットの、ユダヤ系のジギー・エルマンの快作だ」とあり、マーサーの名前は出てこない。グーグルで検索してみると、この曲はマーサ作詞エルマン作曲なのですな。なるほど。


で、映画はそのジョニー・マーサーの親戚であるマーサ将軍の屋敷で展開し、全編にマーサーの曲が使われている。マーサー邸に住む富豪をケヴィン・スペイシー、そこにやってきたニューヨーク記者ジョン・キューザックが演じる。中心となるのは、スペーシーの犯した殺人をめぐる裁判なのだが、イーストウッドの興味は、サバナという町とヒト

を描くコトにあったのではないか。犬の首輪だけを毎朝散歩させる黒人。頭にアブをたからせ、謎の毒物を所持している男。キューザックを翻弄する黒人のオカマ。ブードゥーの魔術師。黒人のための社交界も、ややグロテスクに描かれている。南部という土地は、北部のアメリカ人にとってよほど奇怪な土地らしい。なんだか、とても不思議映画だった。原作(ジョン・ベレント)は翻訳されているので、読んでみたくなった。

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2005-07-06 大森で古本屋の昔を想い、いまを歩く

午前中は雑用もろもろ。4日(日)付けの日経流通新聞が届く。「やねせんの新たな楽しみ書肆巡り」として、不忍ブックストリートの記事が最終面に大きく出ている。新たに略図をつくり、ほうろうやオヨヨミルクホールの写真などを入れている。一面のインデックスに使われている写真は、ぼくが撮ったモノだ。本文も、ぼくやほうろうの宮地さんのコメントをうまくまとめてくれている。コレで新聞は、産経東京読売日経流通と4紙に載ったコトになる。明日は台湾新聞から取材を受けることになっている。


12時半に出て、京浜東北線で大森へ。駅を出て右側のバス停へ。手前の立ち食いそば屋らしき店でそばを食べようと、ナカに入ったら、カウンター椅子席で、奥のほうはそば屋じゃなくて飲み屋になっていて驚く。昼間からおじさん5人ほどがタムロってました。天ざるを注文。そばは、その場でゆでるので少し時間がかかるが、うまい。天ぷらはちょっとアレだったけど。バスに乗り、蒲田方向へ。池上通りを進み、右折して臼田坂に入る。その入りがけのバス停の目の前に、今日うかがう関口洋子さんのお宅がある。


いまは新しい建物に変わっているが、この場所にはかつて「山王書房」という古本屋があった。関口洋子さんは、その店主・関口良雄さんの未亡人なのだ。若々しい、元気なご婦人だ。入口でご挨拶して、お宅に上がる。目の前に、尾崎士郎が書いた「山王書房」の看板が飛び込んできた。入ってすぐのところにある小部屋に案内される。関口さんの集めた本、付き合いのあった作家の書や手紙、遺品などが、きちんと飾られている。そのあと、洋子さんが生活されている部屋に案内される。仏壇には、先日ぼくがお送りした『ナンダロウアヤシゲな日々』が供えてあった。この中で、少しだけだが、関口良雄さんについて触れているのだ。洋子さんは、良雄さんが亡くなって以来、いろんなヒトが書いた山王書房や良雄さんについての文章を、ファイルに整理している。「もう2冊目になりました」と見せていただいた、そのいちばん新しいものは、先月、石神井書林の内堀弘さんが朝日新聞に書いた記事の切抜きだった。


今日うかがった当面の目的は、「古本屋が書いた本」という記事の中で、関口良雄さんのことを取り上げるので、その写真を拝借することだった。その場で何枚か出していただき、近くのコンビニコピーする。そして、もうひとつ、別のお願いもしたのだが、洋子さんは快諾してくださった。嬉しい。今日は、ご挨拶だけで失礼するツモリだったが、良雄さんのエピソードをいくつも話してくださり、ビールに枝豆、サラダまでいただいてしまったので、けっきょく2時間もお邪魔してしまった。近いウチに再訪することを約束して、辞去する。


そこから歩いて2、3分のところにある〈平林書店〉へ。前に来たのは、7、8年前になるだろうか。こんな寂れた場所にある古本屋、たいしたコトないだろうとタカをくくって入ったら、狭い店なのに欲しい本がたくさんあって驚いたという記憶がある。このときは、『小酒井不木全集』(改造社)のバラを、一冊1000円以下でかなり買っている(こないだの整理で、大半売ってしまったが)。いまはどんな感じかな、とナカに入ると、雰囲気がまったく変わってない。大田区の郷土史や、馬込ゆかりの作家の本など、いい本を安く置いている。棚の片隅に、見たことのある背表紙を発見。手に取ってみたら、エフ・スタール『山陽行脚 附東海道行脚』(金尾文淵堂、大正8年・第6版)だった。しかも1500円。おいおい、目録に出たら1万以上は軽くするぞ。持っている本ではあるが、コレはこのままにしておけない。室生朝子『大森 犀星 昭和』(リブロポート)500円、田村隆一ウィスキー讃歌』(平凡社カラー新書)100円とともに購入。あとで見たら、室生朝子の本は献呈署名入りだった。店の規模や本の傾向は違うけど、なんとなく三宿の〈江口書店〉を思い出した。というか、初めて〈江口書店〉に行ったとき、「大森の外れにこんな感じの店があったなあ……」と思ったのだった。


バスに乗って、駅近くまで戻る。〈カツミ書房〉の1階で、山川方夫『トコという男』(早川書房)を見つける。こないだ、魚雷さんの家で牛イチローくんがこの本を見て、「これ、わりと見つけにくいですよね」と云ってた(ような気がする。別の本だったらゴメン)。値段を見ると500円。や、安い。会計をして、二階に上がる。ココはオール100円で、前に来たときは買いたい本がなかったので、期待しなかったのだが、八木義徳『家族のいる風景』(福武書店)、平野謙『現代の作家』(青木書店)、小林信彦オヨヨ城の秘密』(晶文社)、鴨居羊子『のら猫トラトラ』(人文書院)と4冊も見つかってしまった。あとの2冊は「古書モクロー」で出そう。それにしても、今日はやたらとイイ本が安く見つかるなあ。あまり丹念に棚を見るほうじゃないので、掘り出し物に出会う能力は低いと自覚しているが、こないだ大量に処分して少し物欲が抜けたので、本のほうから寄ってきてくれたのか。それとも、関口良雄さんの仏前に手を合わせたお陰だろうか。


京浜東北線有楽町へ。デジカメが壊れたので、〈ビックカメラ〉で新しいのを見繕う。昨夜、ネットで調べて、必要なスペックだけは書き出してあったので、店員をつかまえてそれに見合う条件のを教えてもらい、安いし使いやすそうだったので、すぐ購入。買い物の快感は、まるでナシ。日比谷線入谷まで。降りるヒトがやたらいるなあ、と思ったら、今日から3日間、朝顔市が開催されるのだった。地上に出ると、交差点あたりにはヒトの波。それを避けて、浅草方向に歩く。ナニか食べておこうと思い、「大衆食堂」とのれんの出ている〈ふじ食堂〉へ。入った瞬間、カウンターしかなかったので、店を間違えたかと思う。店主はおばあさんで、常連女性客が一人。おせじにも親しみやすい店ではない。焼き魚定食とか丼ものとか、ごくフツーのメニューだ。あとから、朝顔市帰りらしい夫婦が入ってきたが、壁のメニューを見渡して、夫が「行こう」と立ち上がって出て行った。まあ、たしかに落ち着ける店ではないが、注文せずに出て行くとは勇気あるなあ。ぼくの食べたカツ丼は、とき卵がまるで玉子焼きみたいに甘ったるかった。


8時前に〈なってるハウス〉へ。久しぶりに聴く、渡辺勝・川下直広デュオ。いつもとステージの方向が90度違っているので、とまどう。気まぐれなのか、ナニか理由があったのか。客は最初3人ほどだったが、エンテツさんが奥さんとやってきて、あとからも入って来たので、最終的には10人近かったのでは。この店にしては珍しい。珍しいといえば、演奏はいつものごとく1時間半ぶっ通しだったが、いつも以上にヨカッタ。前半ははじめて聴く曲が数曲、このあたりで気持ちよく眠り、目覚めたあたりで、おなじみの曲が次々と。ステージの方向が変わって、こちらの受け取り方が違ったセイか、今日は渡辺さんのボーカルも、川下さんのサックスも迫力があった。「東京」も「ベアトリ姐ちゃん」も、なんだか違う感じに聴こえたなあ。


終わってエンテツさんたちと、入谷方向に歩く。入谷交差点から根岸交差点にかけて、何百メートルも、朝顔の屋台(?)が出ている。店ごとに数百鉢置いているから、ぜんぶで何万鉢あるのか見当も付かない。種類もイロイロあって、店のおじさんやおばさんが「明日の朝はこんな花が咲きます」と、カラープリンタで出力したと思われる見本を手に持って説明してるのが可笑しかった。いつもは歩いていてつまらない大通りだが、今日はたちまち鶯谷に着いた。駅ホームでエンテツさんたちと別れ、西日暮里へ。ウチに帰ったら、ピエ・ブックスから『チェコのマッチラベル』の著者贈呈本が届いていた。


昨日、知り合いの掲示板で見て知っていたが、今日の夕刊に、永島慎二さんの訃報が載っていた。まだ67歳だったのだ。「本とコンピュータ」で漫画を描いていただいたコトがあり、担当松井さん(阿佐ヶ谷在住で、もともと永島さんと知り合いだった)と一緒に、展覧会を開催中の阿佐ヶ谷喫茶店(パールセンターの洋品店の奥にある〈COBU〉)で、お会いした。そのあと、いまは亡き日本橋の〈丸善〉で、永島さんや長新太さんたちの「漫画家絵本の会」のサイン会があり、そこでもお会いした。無口な長さんと、誰にでも気を使う永島さんのコンビが印象的だった。

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2005-07-05 「チェコのマッチラベル展」を開催します

昨夜はなかなか寝付けず、手持ちの海野弘本を取り出して、所蔵リストをつくっていた。いま見つかる本だけで22冊。他の場所に置いてある本を併せると40冊は超えるだろう。もっとも『BOOKISH』(最新号はいったいイツ出るの?)4号の「海野弘書誌」を見ると、2003年の時点で著書・訳書は100冊以上あり、いまでは130冊ぐらいになっているのではないか? だから、ぜんぶ集めるなんて、とてもとても。入力していてオモシロかったのは、サブタイトルがついているものが多いことと、「世紀末」「1920年代」が入った本が多いコトだ。


午前中、ピエ・ブックスのOさんが、マッチラベル本の資料を返却しに、西日暮里まで来たので、〈ルノアール〉で会う。本に使ったラベルは約800点だが、全体はその三倍ぐらいあり、また、コレクターのカタログや台紙などもある。以前はこれらをゴチャゴチャに詰め込んでいたが、Oさんが整理してくれたので、今後はなるべく崩さないようにしたい。なお、『チェコのマッチラベル』は10日に取次搬入で、週明けから書店に並ぶようです。ピエ・ブックスのサイトにはようやく正式なデータが載りました(http://www.piebooks.com/art/index.html)が、オンライン書店などにはまだ載ってないようです。ISBN4-89444-447-X で、2200円+税 です。どうぞヨロシク!


昼飯を食べ、そのあと雑用をしているうちに、出かける時間に。根津カフェNOMAD〉で、大阪の〈calo bookshop and cafe〉の石川あき子さんと待ち合わせ。石川さんは一昨日までバリ島のウブドにいたが、フランス人の経営するブックカフェができていて驚いたという。「チェコのマッチラベル展」(仮題)の相談をする。途中でNOMAD山田さんも加わる。「sumus」の展覧会や、旬公の展示などに関わったことはあるが、ぼく自身はレイアウトデザインに関するセンスはさっぱりない。展示からDM作成まで、石川さんにお願いできるコトになって、ホッとする。マッチラベルという小さなアイテムを、いかに魅力的に見せられるか、石川さんの手腕に期待しよう。未定要素は多いけど、いまのところ以下の予定。詳細が決まったら、お知らせします。


チェコのマッチラベル展」

大阪

8月16日(火)〜9月3日(土)

Calo Bookshop & Cafe / Calo Gallary

〒550-8527

大阪市西区江戸堀1-8-24 若狭ビル5階

12:00〜20:00(土曜は〜18:00) 日曜・月曜休み

tel/fax 06-6447-4777

http://www.calobookshop.com/


*8月27日(土)5時より、南陀楼綾繁内澤旬子によるトーク「10円コンビが語る 紙モノと古本プラハ」を行ないます。要予約。お申し込みはCaloまで、メールかお電話で。


東京

9月8日(木)〜19日(月・祝)

カフェNOMAD

〒113-0031

文京区根津2-19-5

14:00〜24:00 水曜・第3火曜休み

TEL 03-3822-2341


6時過ぎにウチに帰り、取材や打ち合わせの電話数件。夕飯は、鶏肉とエノキ、トマト炒め。自分が食べた後、「胃が痛い」という旬公におかゆをつくる。ポール・ニューマン主演《トワイライト》(1998、米)をビデオで観る。気楽に観れる映画を借りたつもりだったが、友人の過去を探るハードボイルドで、けっこう重かった。

2005-07-04 早稲田も変わるよ

朝からかなり激しい雨。旬公はブツブツ云いながら、病院に出かけていった。何本かメールを書いたあと、バス早稲田へ。移転した飯島書店を覗く。谷書房、喜楽書房と同じビル。もともと早稲田には珍しく、サブカル本やエロ雑誌を扱う「軟派」な店だ。前の店はなんとなく入りづらい感じで、スルーすることが多かったが、今度の店は広いし、本が見やすくてなかなかイイ。洋泉社映画秘宝」の『映画懐かし地獄70’S』と『GOGO!バカ大将』を買う。各600円。


その数軒先、〈浅川書店〉の隣にあった喫茶店戸塚苑〉の建物が、ラーメン屋になっていた。「早稲田古本村通信」の連載第一回目に書いたとおり(http://www.w-furuhon.net/wswblog/000068.html)、数年前に閉店しているので、いつかは……と覚悟していたが、あの看板が見られなくなるのは寂しい。しかも、あとに入ったラーメン屋が、いちばんキライなタイプの、いまどきの「気合入ってます! スープも麺もこだわります! 作務衣着てます・バンダナ巻いてます!」系なので、なんだか戸塚苑の想い出を汚されたような気分になった。


そのあと、古書現世へ。明日からのBIGBOXの搬入に備えて、店は休み。半分閉まっているシャッターをくぐって中へ。某誌で使うために、セドローくんのお姿を激写。昼時なので、一緒に向いの韓国料理屋で、牛スジ煮込み定食を食べる。〈三楽書房〉に行くと、アキヒロくんがヒマそうに店番している。「今日の売上500円ですよ!」。セドローくんが棚の隅を見て、「イイのありますよ!」と云う。たしかに、中公文庫講談社文芸文庫のいいところを縛った束が数本ある。「雨の日に来たお客さんには、コレ一本500円でご提供、というのはどう?」と提案してみるが、却下される。海野弘さんの本がまとめて出ていたので、未所持の『アール・ヌーボーの世界 モダンアートの源泉』(造形社←中公文庫にも入っているが)、『都市を翔ける女 二十世紀ファッション周遊』(平凡社)、『ニューヨーク黄金時代 ベルエポックのハイ・ソサエティ』(平凡社)を買い、売り上げに貢献する。


道を渡った〈ベローチェ〉でセドローくんとアレコレ雑談。彼に「ブックオフに海野さんの本が出てましたよ」と聞いたので、そのあと寄ってみる。『世紀末の音楽』(音楽之友社)、『世紀末シンドローム ニューエイジの光と闇』(新曜社)、『都市とスペクタクル』(中央公論社)を買う。いずれも適価だった。そろそろリストをつくって整理しないと、気づかずにダブって買ってしまいそう(というか、こないだ本を整理したときに、海野さんの本で2冊あるのが3点ぐらいあってマイッタ)。


そろそろ重くなった荷物を持って、東西線に乗り、竹橋で降りる。某社に行き、近くの喫茶店で、ある相談を受ける。どうなるかなァ。神保町まで歩き、古本屋を数軒覗く。探している本は見つからず。〈ディスクユニオン〉で、[陽気な若き水族館員たち]を買う。鈴木慶一主宰、水族館レーベルオムニバスボーナストラック3曲付き(水族館オーケストラライブ)。疲れたので、〈ぶらじる〉でコーヒー。今日は3回も喫茶店に入ってしまった。〈書肆アクセス〉でもらったフィルムセンターのチラシを見る。7月19日からは「発掘された映画たち2005」で、海外などで発見されたり、修復されたりした映画を上映する。こりゃ珍品だと思ったのが、《海魔陸を行く》(1950)。「漁師に生け捕られた蛸が酢ダコにされる直前に蛸壺から脱出し、さまざまな天敵に遭遇しながらも故郷の海を目指すという荒唐無稽な実写映画」だそうだ。こう書き写しているだけでも、脱力してくる。蛸の声を担当しているのは徳川夢声。同時上映の《鉄扇公主》日本語吹き替え版(1941)でも、夢声が出ているとあれば、ほかの誰が行かずとも、わが「BOOKMANの会」の濱田研吾くんだけは駆けつけるに違いない(7月28日3時〜、8月13日1時〜)。


6時に〈東京堂書店〉で右文書院の青柳さんと待ち合わせ、頼んでおいたものを受け取る。そのあと、ウチに帰り、晩飯(豚肉としめじ入りソーメンと冷奴)をつくって食べる。「台湾のモクローくん」こと傳月庵(フ・ユエアン)さんから紹介されたとかで、台湾新聞東京駐在員が、「一箱古本市」について取材したいとメールしてきたので、ビックリ。不忍ブックストリートアジアで紹介されるとは。はたしてどんな取り上げ方になるのか、待て、続報。


ひとつ書き忘れていた。「生活日報」の「オーラルで伝わる活字」(http://d.hatena.ne.jp/mashco/20050704)。「本とコンピュータ」が読書の高尚さにのみ偏っていたとは思わないが、座談会に山の上ホテルを使う文芸誌ノリがあったことは否定できない。鋭い、と思った。

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2005-07-03 ああ憧れの、魚雷棚

午前中、宅急便を出したり、コピーを取ったりと雑用。自分のパソコンにつながるプリンタをまだ買っていないので、久しぶりに手書きで手紙を書くが、我ながらヘタなので嫌になる。鶏肉とトマトパスタをつくって食べ、《噂の東京マガジン》を途中まで見てから出かける。


高円寺に着き、古書会館へ。ココに来るのは今年まだ二回目だ。なんと不熱心なことよ。会場を一回りするが、こないだ大量に売ったばかりなので、どの棚を見ても、売った本がそのまま並んでいるような錯覚に陥り、なかなか手が出ない。けっきょくナニも買わず。お土産に最近できたカフェケーキを買い、〈高円寺文庫センター〉へ。『つげ忠男のシュールレアリズム』(ワイズ出版)を買う。牛イチローこと岡島くんと、国書刊行会の樽本くんと待ち合わせ、隣のマンション荻原魚雷さん宅へ。


玄関を入るなり、本棚が目に飛び込んでくる。リビングの片側に本棚が数本ある。中公文庫旺文社文庫のコーナーも。奥の部屋には、吉行淳之介古山高麗雄山口瞳など特に愛好する作家の著書が。どれもビシッと揃えられているし、パラフィンもかけられていて、愛着のほどが感じられる。「本棚からはみ出した本は売る」のが方針だそうで、二段になったり、山積みになったりして本が見つからないというコトはなさそうだ。コレは理想の本棚だなあ。「よし、オレも今度引っ越したらこういう本棚に……」と云いかけると、「まあ、ムリッすね」と牛センセに軽く流された。


スムース文庫古本漫画』の座談会を開始。古本古本屋が出てくる漫画、あるいは漫画古本との関係というゆるいテーマであるためと、ぼくの仕切りがうまくなかったので、なかなか座談会っぽくならない。しかし、後半では、なにかハナシが出るたびに、魚雷さんが別の部屋にある漫画本の棚から続々と持ってきてくれ、盛り上がる。6時ごろに終了。奥さま(初めてお会いしたが、カワイイ方である。しかし、漫画に関してはかなりヒトと変わった嗜好の持ち主だと見た)も一緒に出て、古本屋へ。芸能本に強い〈ZQ〉で、なぎら健壱監修・かなつ久美著『ビバ・オヤジ酒場』(ワニブックス)630円、水口義朗『こんにちは2時 です』(講談社)367円を買う。後者はもと中央公論社編集者で、野坂昭如などの担当だったヒト。ワイドショー司会者としての体験を書いたものだが、「アマゴと遡行する開高健さん」という章がある。あと、何人から名前は聞いていた〈アジアンドッグ〉へも。かなり狭い店だけど、文学エッセイなどイイ本が手頃な値段で置いてある。


〈コクテイル書房〉が休みだったので、居酒屋へ。酒もつまみも種類が多い。ここでもマンガの話になる。さっき喋ってくればヨカッタのにー、というエピソードがいろいろ出る。また、樽本くんがいま狙っているという著者(故人)を聞いて、一同「それはイイ」と感じ入る。著書も多いし、バラエティに富んでいるし、コレはぜひまとめてほしいなあ。10時に散会して、牛センセ、樽本くんと中央線山手線で帰る。こっち方向に三人も一緒に帰るのは珍しい。ウチに帰ると、猛然と眠気が。

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2005-07-02 物件ツアー・王子篇

朝、不動産屋に電話して、王子神谷の物件を見に行きたいと告げる。一昨日、旬公が根津不動産屋で発見して、あまりの広さに仰天して、その場でぼくに電話してきたものだ。いますぐ引越しするのはムリだけど、ほかと比較する上でも見ておこうかというコトになったのだ。車で送ってくれるというので、西日暮里駅の近くで待っていると、不動産屋のおじさん登場。自動スライドドア付きの車に乗せてもらう。


明治通りに出て、田端新町を通る。ときどき行く〈神谷酒場〉のあたりで、おじさんが「このあたりには昔は工業機械の店がたくさんあったんだよ。近くに町工場が多かったから」と教えてくれる。そうだったのか。自転車で通ったときに、ナニに使うのかよくワカラナイ機械が置いてある店が数軒あり、不思議に思っていた。そのあと尾久を通り、王子に出る。車だと15分ぐらいだ。おじさんの実家は、王子の商店街のジーンズ屋であり、だからこの辺の物件をよく扱っているのだとか。


北本通りという大きな道に、バイクの修理工場とかがある私道があり、その奥に、めざすマンションの入口があった。同じオーナーによる建物が、この私道の周囲にいくつかあるらしい。マンションとはいっても40年ほど前にできたというガッシリしたもので、「ビル」と云うほうがふさわしい。見に行く部屋は5階なのだが、エレベーターがない。ただ、階段は広くて、ゆるやかなので、上るのはさほどタイヘンではなかった。部屋は、台所にリビング、4畳半2つに6畳が1つという構成で、玄関の廊下も広く、収納も多い。日当たりも風通しもイイ。古い建物なので、ガラス戸には網戸が付けられなかったり、トイレが和式だったり、シャワーがなかったりして、そのコトがこの部屋が1年も空いている原因らしいのだが、もともと古いことがキライではない我々としては、それはさほどのマイナス要因にはならない。


部屋を出て、下の階に降りたら、おじさんが「こっちからも行けるよ」と案内する。奥に進むと、我々が見た部屋よりも小さい部屋がたくさんある。大きな部屋と独身者用のエリアが区切られたようになっているので、以前見た、雑司が谷の同潤会アパートを思い出した。もちろん、時代はまったく違うのだけど。その先、ビルとビルの間にすごく狭い道があり、そこが大通りに出る通路なのだった。なんか、迷路を通っているような感覚。なかなか気に入ったけど、周囲の環境が、いまいる辺りに較べて、あまりにも殺風景なのがちょっとなあ。


おじさんと別れたあと、南北線王子神谷駅まで歩く。駅の隣に〈文教堂書店〉があったので、一回り。まあ、ドコにでもある文教堂だが、あれば便利だろう。海野弘さんの「読書きのうきょう」(『古本道場』も登場)が載っている『論座』7月号を買う。また、さっきのビルの前まで戻り、今度はJR王子駅方向へ歩く。こちらは12、13分かかる。400メートルほど先に、北区の中央図書館があり、トタンに色めき立つ。ただし、ココには以前来たコトがあるが、使いやすい図書館だという記憶はない。カウンターで「館内でパソコンは使えますか?」と訊くと、「バッテリーなら……」とのこと。そりゃ、アタリマエだ。荒川区台東区図書館のほうが進んでいる。でもまあ、近くに大きな図書館があるとは安心だ。などと、まだココに引越すことを決めたわけでもないのに、本屋図書館のことばかり気にしているのであった(ちなみにブックオフはありません)。


王子駅前の寿司屋で、ランチマグロたたき丼。あっさりした味でウマイ。京浜東北線田端山手線に乗り換えて西日暮里へ。ウチに帰ると、PARCO出版から近代ナリコさんの『インテリア・オブ・ミー 女の子モダンにまつわるあれこれ』が届いていた。『modern juice』掲載のものを中心に、雑誌ミニコミに載った文章をまとめている。目次を見ると、その並べ方に、読みたいという気にさせられた。本文を開き、文字の多さに、コレはいいぞと思う。いまどきは、ビジュアルが主で、文章は従というエッセイ本が多いからねえ。ナリコさんはかなり意図的に図版をあまり載せず、東山聡(『modern juice』のイラストも描いている)のイラストをはさむことで、この本の統一的イメージをつくりあげていると思う。300ページ近くある厚さもウレシイ。ナカには、『modern juice』extra issue(6ページ)やオリジナル栞が挟みこまれている。


夕方、散歩に出かける。すずらん通りの〈ヴァルガー〉でコーヒー。〈ブックオフ〉で、十返千鶴子『ひとり暮らしの老いじたく』(海竜社)を105円で。〈往来堂書店〉では、資料本と、保坂和志小説の自由』(新潮社)、『PLAYBOY』8月号。後者は開高健特集で、『洋酒天国』を模した小冊子『開高天国』が挟み込まれている。表紙やイラスト柳原良平。目次をよく見ると、「編集協力 DANぼ」とある。田端ヒロアキくんの会社だ。『洋酒天国』の現代版をつくりたいと前から云ってたから、やったじゃん、と思う。偶然だが、近代さんも田端くんも、以前『ミニコミ魂』を一緒につくった仲間である。〈NOMAD〉に預け物をし、谷中銀座で買い物をして帰る。晩飯は、ドライカレー

2005-07-01 海野さん、月の輪さん、堀切さん

朝、昨夜の残りご飯でお茶漬け。書くのを忘れていたが、昨日の毎日新聞朝刊で、今度公開される《魁!!クロマティ高校 THE MOVIE》で、元巨人軍クロマティが「氏名を無断に使われた」と差し止め申請をした、という記事が載っていた。全国紙クロ高が……。思わず、飲んでいたお茶を噴き出しそうになった。『少年マガジン』での連載はもう数年間続いているし、アニメにもなって、それもアメリカで放映とか云ってたのに、今頃になって抗議してくるのはヘンだという気がする。いまだに、他メディアよりも映画のほうが影響力があるという認識があるのだろうか? クロマティ側は、抗議の理由として、「クロマティ高校の生徒たちは授業にほとんど出席せず、他校の生徒との抗争に明け暮れるなど素行の悪い学生として描かれている」と云っているらしい。たしかにその通りのマンガなんだけど、こうまとめられてしまうと、ナンか違うという気になる。


11時過ぎに旬公と神保町へ。途中で別れ、〈Folio〉で海野弘さんとお会いする。ぼくが完全にフリーランスになったと知って、「一日中ウチにいると腰が痛くなるから、毎日散歩したほうがいいよ」とアドバイスしてくださる。そのあと、「カワカミくんをびっくりさせようと思って」と取り出したのは、分厚い原稿の束。ポプラ社から今年中に刊行予定の海野さんの本で、書き下ろしていただく部分を、もう早々にアゲてくださったのだ。こないだ、「そろそろ掛かるから」と電話で聞いたところなのに、わずか10日で150枚書いてくださったのだ。中身はもちろん素晴らしい。フリーランス編集者として出発する日に、最高の贈り物になった。


1時半まで話し、海野さんと別れる。〈書肆アクセス〉にちょっと寄ってから、また〈Folio〉に戻る。某ムックの取材。ハナシを聞きに来た編集プロダクションのYさんは、本好きで神保町の動向にも詳しいのだが、そのムックの基本方針自体が、いまいちよく判らないもので、Yさんも困惑していた。30分ほど喋り、外で写真も撮られたが、どんな風にまとまるのか不安だ。


遅い昼飯でも食うかと、駿河台下の交差点に立っていると、向こうに月の輪書林の高橋徹さんの姿が。「いま、市場にいたんだよ。君の本もあったでしょ」と。こないだ、セドロー牛イチローに引き取ってもらった分だ。日月堂さんが、「コレはナンダロウさんのじゃないかなあ」と云ってたという。サスガに鋭い。小川町蕎麦屋に入り、昼からビール。月の輪さんにも、コレからの行く末を心配していただく。みんなに心配してもらって、ホント、果報者です。月の輪さんは先日、何年がかりかの晶文社の本の原稿を完成し、昨日編集の中川さんに渡したとのこと。350ページぐらいのボリュームで、秋頃には刊行されるらしい。楽しみだ。


ウチに帰ると、大森のいまは亡き古本屋〈山王書房〉の関口良雄さんの未亡人より留守電が入っている。先日手紙で取材をお願いしたのだ。折り返し電話すると、お送りした『ナンダロウアヤシゲな日々』で関口さんのコトを書いたのを読んでくださっており、喜んで会ってくださるとのこと。とても明るい声の方だった。そのあと、昨日原稿を送った『週刊朝日』のUさんから電話。うまく書けたか自信がなかったが、「とてもオモシロかったです」というコトバにホッとする。


6時、バスに乗って、三ノ輪へ。日比谷線の改札のところで、堀切直人さんと右文書院の青柳さんと待ち合わせ、〈中ざと〉へ。『浅草 大正篇』の完成を祝う会。表紙は織田一磨描く浅草十二階の絵。前の『江戸明治篇』ほどではないが、本作もけっこう厚い。目次に登場するのは、石川啄木室生犀星谷崎潤一郎宇野浩二辻潤正岡容江戸川乱歩堀辰雄金子光晴。堀切さんといえば、大正文学というイメージが強いので、自家薬籠中の世界で浅草をどう料理されているのか、読むのが楽しみ。10時近くまでアレコレ話すが、堀切さんが先日の「一箱古本市」に来てくださり、あの雰囲気を十分に愉しんだと云ってくれたのが、すごく嬉しかったなあ。


二人と別れ、歩いて帰る。途中、荒川区役所の近くの〈なごみ〉という立ち飲み屋に寄る。一年前にできていたが、入るのははじめて。まだ新しいカウンターで、清潔な感じ。客はぼく一人だった。つまみが110円から380円と安い。焼酎ロックとつまみ数品で、1000円でおつりが来た。多くのヒトと話したせいか、ウチに帰ったとたん、ヨコになって眠ってしまう。気づいたら1時で、《タモリ倶楽部》を見逃してしまった。完全フリーランスとしての最初の日は、なかなかエキサイティングで、実り多き日であった。明日からもこうありますように。

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