ナンダロウアヤシゲな日々

◎この日記は、ライター・編集者の南陀楼綾繁が書いています。
◎新刊『町を歩いて本のなかへ』(原書房)発売中です。
◎著書『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『谷根千ちいさなお店散歩』(WAVE出版)、『小説検定』(新潮文庫)、『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)、『路上派遊書日記』(右文書院)、『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『老舗の流儀 戦後六十年あの本の新聞広告』(とうこう・あい監修、幻冬舎メディアコンサルティング)、編著『チェコのマッチラベル』(ピエ・ブックス)、共著『ミニコミ魂』(晶文社)。
◎ご感想・ご連絡は南陀楼綾繁 まで。
◎「不忍ブックストリートの一箱古本市」は毎年春に開催します。
詳細は不忍ブックストリート公式ホームページもしくは、しのばずくん便りをご覧ください。
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2005-11-30 ヤケクソでDJやります

まずは告知。12月11日(日)に、ヘンなことをやります。


立ち飲みと、古本夕焼け市」

高円寺の「古本酒場コクテイル」で12月9日夜から12月11日まで立ち飲み古本音楽にまつわるイベントがあります。そのひとつとして、以下のトークを行ないます。


★オヨちゃんとモクローくんの「古本ジェットストリーム

12月11日(日) 午後2時〜4時

出演:山崎有邦オヨヨ書林

   南陀楼綾繁編集者ライター

入場無料


根津古書店オヨヨ書林」(http://www.oyoyoshorin.com/)の店主にして、「不忍ブックストリートのニセ平井堅」の異名を取る「オヨちゃん」こと山崎有邦と、本のコトならドコでも首を突っ込む編集者ライターの「モクローくん」こと南陀楼綾繁が、東京高円寺古本酒場コクテイルをキーステーションに、周囲3メートル四方の皆様に向けて、思いついたハナシを喋ります。二人の絶妙にかみ合わない会話をお楽しみください。最近の収穫本や、好きな音楽を掛けるコーナーもあり。


なお、この番組では、視聴者の参加も歓迎します。当日、高円寺の古書会館で開催中の古書展に寄り、なんでもイイので古本を一冊買ってくるか、もしくは、最近の収穫本をお持ちください。それを話のネタにさせてもらいます。


この日は6時から、中川五郎さんほかのライブがあります。また、9日、10日にもイベントがありますので、チェックしてみてください。共催者のミニコミ『ぐるり』のブログhttp://blog.livedoor.jp/gururi_vp/)に告知が載っています。

ご予約・お問い合わせは、vpress@zas.att.ne.jpまで。

じつを云えば、春の「一箱古本市」打ち上げの司会、大阪の〈calo〉および東京の〈NOMAD〉でのトークショーなど、今年は人前で喋る機会が多かったのだが、自分としてはハナシのヘタさを痛感し、「もうしばらくはやりたくない」と思っていたのだった。だから、『ぐるり』の五十嵐さんからこのハナシをもらったときも、正直、逃げたい気持ちが強かった。しかし、先日、狩野さん、五十嵐さん、そして9日に出演する荻原魚雷さんと会って相談したときに、「オヨヨくんと話すのはどうですか?」と云われたとき、「ちょっと面白いのかも……」と思ってしまったのだった。もちろん、ぼく自身がオモシロイと思ったとしても、お客さんもオモシロイと思ってくれるかどうかは判らない。幸いなことに、〈コクテイル〉は酒場だし、この日は昼からカウンターを使って古本市が行なわれる。ってコトは、ダラダラやってもいいんだなと思って、こんなタイトルにしたのだった。たくさんの皆さんに来てくださいとは云えないのですが、ちょっと、この日ヒマだから、というヒトは覗いてみてください。入場料ナシだしね。


今日はもうひとつ告知を。クローバーブックス(http://www.cloverbooks.com/)の平林享子さんからの『アート仕事出版記念イヴェントのお知らせです。


★『太陽レクチャー・ブック004 アート仕事』(平凡社)刊行記念

会田誠×八谷和彦×小谷元彦 トークセッション


太陽レクチャー・ブック・シリーズ」(平凡社)の最新刊004『アート仕事』が2005年11月10日に発売になりました。本書は、アーティスト写真家デザイナー、ギャラリストによるレクチャーおよびインタヴュー集です。池袋コミュニティ・カレッジで2004年4〜8月に行われた「講座太陽 アート仕事」でのレクチャーに、追加インタヴューを加えて構成したものです。

発売を記念して、著者のうち、お三方にお越しいただき、トークイヴェントを行います。もしご興味ございましたら、ぜひぜひお越しくださいませ!


2005年12月10日(土)18:00〜20:00

会場:青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山

定員:100名様

入場料:¥1,000(税込)

お問い合わせ 03−5485−5511

http://www.aoyamabc.co.jp/events.html#ao20051210_1


太陽レクチャー・ブック004 アート仕事

著者:会田誠 池松江美辛酸なめ子) 小谷元彦 グルーヴィジョンズ 

     小林孝亘 都築響一 八谷和彦 MOTOKO

ブック・デザインgroovisions

2005年11月10日発行  

232ページ(巻頭口絵カラー16ページ)

定価:1890円(本体1800円+税)

発行:平凡社


で、今日の日記。8時半起き。出勤日。カバーの色校を戻すために、いろいろとチェック。また、来年企画のために調べもの。夜は、早めに晩飯(オムレツ)を食べ、〈古書ほうろう〉へ。最近動きのなかった「古書モクロー」棚に、旬公のとっておきのアイテムを導入。売れたらおもしろい。均一で3冊買う。ナカでも、濱川博『荒魂の人びと 記者の手帖』(永田書房)210円は、朝日新聞学芸部の記者だったヒトの人物回想録。雨田光平、金子光晴上林暁美土路昌一といった興味深い名前が並ぶ。少線引きアリだが、なかなかの収穫。

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2005-11-29 新宿で「新宿映画」を観た日

この3、4日、夜帰るのが遅く、朝も早く出かけるので、書きたいコトが溜まっているにもかかわらず、日記を書く余裕がありませんでした。その間に(28日の深夜ごろ?)、当ブログアクセスが20万件に達していました。アクセスカウンターを設置したのが今年の2月26日なので、9ヶ月で20万件。つまり、一日平均で約740ぐらいのアクセスがあったことになります。一日に数回アクセスしてるヒトもいるようなので、人数にしたら一日500人ぐらいなのでしょうか。それらのヒトたちに感謝しつつ、今後も続けていこうと思っています。なお、今後もコメント欄を設置するつもりはありませんが、ご感想・ご意見メールトラックバックは歓迎します。


8時起き、出勤日。朝風呂に入ってから出かける。仕事場でもろもろやってから、11時半に出て、都営新宿線新宿三丁目へ。〈紀伊國屋書店〉までの時間を読み違え、4階の紀伊國屋ホールには12時5分に到着。今日は紀伊國屋主催する「SHINJUKU FEST 2005」というイベントが、一日中ある。若松孝二監督DVD-BOXリリースを記念して、新宿に関する映画や、新宿文化人のトークが行なわれるのだ。場内に入ると、大島渚監督新宿泥棒日記》(1969)がはじまっていた。いままで観る機会がなくて、通しで見るのは初めて。冒頭、紀伊國屋書店の棚のあいだを回遊する横尾忠則。まったくのゲリラ撮影ではないのだろうが、ふつうに客がたくさんいる。偽書店員横山リエは妙に色っぽい。横尾は万引きを見つかって、横山社長室に連行される。そこで田辺茂一が登場するが、セリフがモロに棒読み……。そのあとも、渡辺文雄、戸浦六宏、佐藤慶大島組の役者や、唐十郎の状況劇場など、1960年代新宿文化をつくった連中が続々登場。ストーリーはさっぱりワカランが、なんだかやたらと力強くてオモシロかった。性科学高橋鐡が横尾や横山カウンセリングをする(勝手にしゃべって、竹久夢二春画を見せるだけだったが)シーンでは、高橋鐡が横尾に「君はキジャクだ」と何度か云っていた。「脆弱」をゼイジャクではなくキジャクと読み間違える知識人を、呉智英があげつらっていたのは1980年代のコトだが、その間違いはもっと前から流通していたのだなあ。


あと、横山リエが深夜の紀伊國屋店内で、手当たり次第に本を抜き出すシーンがある。抜き出された本の文章をナレーションが語り、それが重なっていく。いちいち覚えていないが、バタイユ吉本隆明スターリンなどの本、版元でいえばみすず書房思潮社などの出版物が出ていたと思う。2005年日本映画で、コレと同じシーンがあったとしたら、そこで抜き出される本は、どんな著者のどの版元が出したものになるのだろうか。それとも、そのシーンに必要とされるのは「本」ではなく、別のモノ(あるいは、イメージ)なのだろうか?


次に、予告では「スニーク上映」となっていた短編映画、《夢のサンフランシスコ》(1969)を上映した。コレは、1969年紀伊國屋サンフランシスコ店が開店した際、田辺茂一柴田練三郎、梶山孝之、安岡章太郎作家立川談志、野間省一、池島信平戸川昌子秋山庄太郎、吉岡康弘らと銀座クラブママらを連れて、「文化講演」を現地でした際の模様などを撮影したもので、上映されるのは今回がはじめてらしい。監督若松孝ニで、《新宿泥棒日記》で田辺と若松が知り合ったのが、依頼のきっかけだと、ナレーションで田辺が云っている。このナレーションは、田辺と立川談志映像を見ながら放談するもので、田辺のしゃべりのダルな雰囲気がイイ。上映が終わって、元〈新宿文化〉の支配人で、ATGプロデューサーだった葛井欣士郎氏の挨拶があった。


そのあと、第2部をやっているあいだに、市ヶ谷へ行き、〈ルノアール〉でカバー、帯の色校を受け取る。神保町に出て、〈田村書店〉の外台で、保高徳蔵『作家と文壇』(講談社)300円を買う。お、献呈署名入りだ。同人誌文芸首都』を主宰した作家エッセイ集。青野季吉、宇野浩二広津和郎への愛憎入り乱れる人物スケッチ、自分の体験した文壇の厳しさ(ショッパイ面とも云える)を綴った「怖るべき文壇」など、かなりオモシロそう(夜までに読み終えてしまった)。仕事場に戻り、色校を置いて、また新宿へ。


「SHINJUKU FEST 2005」第3部は、若松孝二監督天使恍惚》(1972)。テロ集団の内ゲバを描くもの。何を話すにもいちいち「世界革命の路線に沿って思考すべきだ」云々のコトバが飛び交い、正直云ってついていけない面も多いが、破壊に向かって突き進む後半は、山下洋輔トリオの演奏とあいまって、なかなかスリリングではあった。ちなみに、この山下トリオ中村誠一(サックス)、森山威男(ドラム)の第一期で、痩せた森山が「なないろ文庫」さんにちょっと似ているので、笑ってしまった。上映が終わると、渚ようこミニライブがあり、ギター伴奏で、出口出(足立正生作詞、秋山ミチヲ作曲映画主題歌を歌った。


このあと、第4部として、足立正生唐十郎末井昭ほかが出演するライブイベントがあったが、そこまで付き合わず、外に出る。久々に〈ジュンク堂書店新宿店に行き、書評で取り上げる本を探す。4冊と『ユリイカ』の野坂昭如特集を買う。買わなかったけど、『「新日本文学」の60年』(七つ森書館)が気になる。『新日本文学』のアンソロジー編集代表は鎌田慧。4700円なので今日は見送る。この店のマンガコーナーが、以前よりもかなり充実してきているように思った。〈ディスクユニオン〉のジャズ館で、エッセンシャル・エリントン[アイランドヴァージン]、渋谷毅武田和命カルテット[OLD FOLKS](別テイク収録のディスクユニオンプレミアCD付き)、SALT[86,90,91]を買う。SALT早川岳晴、石渡明広、藤井信雄によるジャズロックトリオ大学に入ったばかりの頃、あるオムニバスでこのトリオを聴き、コーフンした覚えがある。


ウチに帰り、さっそく[アイランドヴァージン]を聴く。1枚目はドラムレスだったが、今回は外山明のドラムと、林栄一のアルトが、ゲスト参加。ゲストとはいえ、ライブではいつもこのメンバーだから、息が合っている。1作目も好きだったが、このアルバムでは、より緩急自在になったようで、とてもイイ。今年のベストアルバムになるかも。

アイランド・ヴァージン

アイランド・ヴァージン

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2005-11-25 来年に向けて、「不忍ブックストリート」が始動する

朝8時半起き。溜まった雑誌新聞を縛って、ゴミに出す。出勤日。仕事場で書類をつくっていたら、金沢荒木幸葉さんから電話。昨日から東京に来ているとのこと。新宿にいるというので、G社まで来てもらう。社内のヒトに紹介し、一緒に神保町に行って、〈スヰートポーヅ〉で昼飯。〈書肆アクセス〉に寄り、『映画論叢』第13号と、上坂高生『賞の通知』(武蔵野書房)を買う。前者には、ハマびんこと濱田研吾くんが「宮口精二と『俳優館』」を寄稿。後者は、たしか坪内祐三さんが『本の雑誌』でホメていと思う。それを読み、ちょっと気になっていた。アラキは「東京者」の棚から、『創作 山手線』(上野のれん会)を買ってくれた。この本はコレで完売なり。もう版元の倉庫にもナイよ。


畠中さんとコーヒーでも飲みに行こうと思ったら、いま昼飯だという。青木さんが「さっきまで仕事してたけど、突然『お腹が空いてアバレたくなった』と云ってご飯を食べに行きました」と教えてくれる。さすが、「黒いでっぱり」。空腹の表現までシュールである。出ようとしたら、右文書院の青柳さんが、上下ジャージ姿というフシギな格好で登場。これから倉庫整理なのだとか。外に出たら、塩山芳明さんとバッタリ。彼もまたアクセスに来たところ。なんで、こうも濃いメンツがグーゼン集まるのか。〈ぶらじる〉で話していたら、畠中さんも合流。明日のBOOKMANの会には、アラキも来ることに。前田くんと〈アトリエ箱庭〉の幸田さんも参加する。にぎやかな夜になりそう。


久々に古書会館に行き、古書展を見る。今日は和洋会【ホントは「趣味古書展」でした。26日追記】。花森安治が絵と文を書いた「歩くスタイルブック 銀座流行通信」の載っている、『婦人文庫1946年9月号(鎌倉文庫)を見つける。2冊目だが500円なので買っておく。ほかに『彷書月刊1992年5月号の特集「早稲田古本屋界隈」が200 円。あと、以前から手元に置いておきたかった、『現代日本朝日人物事典』がたった1500円で出ていた。出品者の畸人堂さん、ありがとう。オヨちゃんと月の輪さんに挨拶して出る。市ヶ谷に行き、先日と同じメンツで、表紙類の入稿。終わって仕事場に戻り、あれこれやってるウチに6時半。


7時前に、西日暮里駅で前田くんと待ち合わせ、〈大栄〉へ。来年の「一箱古本市」の打ち合わせ。いろいろ話し合い、決まったことも未定のままのことも多し。とりあえず、来年の「一箱古本市」は4月29日(土)を予定しています。店主の募集などの告知は、来年1月アタマに行なう予定です。今日は先日〈往来堂書店〉で行なわれた「不忍ブックストリートの選ぶ50冊」の打ち上げも兼ねている。笈入さんから、冊数の上位や売れ方がおもしろかったものの表彰がある。単行本部門の2位は同率で、ぼくの選んだ『消えた赤線放浪記』と旬公が選んだ『ペルセポリス』第1巻が受賞。往来堂で使える1000円の金券を受け取る。ちなみにフェア全体では、231冊、23万円以上売れたらしい。1ヶ月のフェアとしては、ナカナカの成績だったらしい。そのあとは、ひたすら馬鹿話に終始。不忍ブックストリート恒例(?)、〈文句堂〉の加福さんをいじるトトカルチョも行なわれた。11時半に解散。さて、来年に向かって、動き出しますか。

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2005-11-24 銀座、四谷、市ヶ谷、神保町、神田錦町、そしてまた神保町の一日

9時起き。10時半に出て、銀座へ。〈旭屋書店〉に寄ったら、小泉武夫『ぶっかけ飯の快感』(ビジネス社)という本が目に付く。このタイトルはエンテツさんの『ぶっかけめしの悦楽』とものすごーく、よーく似ている。パクリに近いと云ってもいいほどだ。タイトルバリエーションは限られているとはいえ、もう少し、なんとかアレンジできなかったものか。


ggg〉で「祖父江慎+cozfish展」を見て、コーフンする。祖父江さんのデザインが大胆で斬新なのは誰もが思うことだが、その発想がどこから生まれたのかを後追いするコトができる展示になっているのだ。壁面にはデザインのカンプや色校、天井からは手がけた本がぶらさがっている。ぼくの大好きなとがしやすたか『竹田副部長』(集英社)も置いてあった。下品デザイン金字塔なり。地下への階段にも本が立てられている。地階には、恩田陸『ユージニア』と京極夏彦『どすこい(仮)』の造本を巨大化させたものがあり、壁際には本文組みをやった本の指定書と現物が並ぶ、という具合に、数がたくさんある。デザインの展示はやっぱりバリエーションが多くないと。また、ほとんどすべてが手にとって見られるのがスゴイ。祖父江さんがデザインし、漫画も描き、しりあがり寿が「望月・寿」の名で漫画を描いている多摩美大まんが研究会漫画雑誌タンマ』(1980年)なんてえのも、あっさり現物が置かれている。男らしい。


いちばん興味深かったのは、祖父江さんが書いた装幀や本文の設計書だ。メチャクチャに好きなことをやっていると思われがちだが、それを可能にするために、コトバでイメージを具体化していっているのだ。デザイナー志望者はこのパートだけでも必見でしょう。モニターでは、柱やノンブルのバリエーションを流している。トイレの前には、ここだけ重々しくガラスケースが置かれ、なかには『うんこ』という本が置いてあった。もう、全力で遊んでいる。この展示は26日(土)までやってるので、ぜひ見てください。なお、近日中にピエ・ブックスからこれらの仕事を総括した『祖父江慎+cozfish』が出るそうだ(8,190円)。会場に間に合わなかったので、束見本だけ置いてあったが、B5判(?)の大きい本だった。出るのが楽しみ。


丸の内線新宿御苑駅へ。打ち合わせまで時間があるので、近くの四谷図書館に行ってみる。区民センターの7階にあり、けっこう大きな館だ。新聞書評コピーし、本を眺める。そのあと、P社でYさんと、海野弘エッセイ集の打ち合わせ。デザイナーはKさんに決まる。これまでの海野本とは大きく違う、大胆な造本になるかもしれない。次の約束まで時間があり、四谷方向にぶらぶら歩く。途中、新宿歴史博物館の表示があったので、久しぶりに寄ってみる。入り口には老婆の団体がたむろしていて、うるさいことこの上なし。誰かこいつらに、公共の場での振舞い方を教えてやってくれ。常設展(前に見たのとほとんど同じだった)を見て、2階の閲覧室に行ってみる。資料はカード目録で請求できる。今日は棚に置いてある、昭和初期の雑誌新宿』や『大新宿』のコピー本パラパラ見る。『大新宿昭和5年10月号に、C記者「四谷図書館」という記事あり。さっき行った館と同じだろうか? 当時は「第二小学校」に同居し、教室が閲覧室になっていたという。一日の利用者は200人。記事では利用法を詳しく説明している。戦前の公共図書館に関する記事として、ちょっと面白いものかも。この雑誌には松崎天民が「新宿印象記」を連載している。受付で、『安藤鶴夫 四谷に住んだ直木賞作家』展の図録(900円)を買い、外に出る。


靖国通りに出て、鼻歌で「自衛隊に入ろう〜」と歌いつつ、防衛庁の横を通って市ヶ谷に出る。〈ルノアール〉で、デザイナーKさんと打ち合わせ。カバーの最終案をもらう。束見本に巻いてみるとイイ感じ。神保町に出て、古書店で資料探し。〈小宮山書店〉で、『街の記憶 1989 KANDA JIMBOCHO』(石橋総合印刷)1000円、J・P・クレスペル『モンパルナス讃歌 1905-1930 エコル・ド・パリ群像』(美術公論社) 1000円、ハンフリー・カーペンター『失われた世代、パリの日々 一九二〇年代の芸術家たち』(平凡社)1500円、を買う。また、金曜日でもないのにナゼかやっていた同店のガレージ古本市で、中桐文子『美酒すこし』(筑摩書房)、『五木寛之の本』(KKベストセラーズ)、奥野健男『現代文学風土記』(現代日本学大系別冊、筑摩書房)を3冊500円で買う。『美酒すこし』は、詩人・中桐雅夫との思い出をつづった本。解説は鮎川信夫。コレはちょっと拾い物だった。


仕事場に行く途中、竹尾の前を通りがかると、2階のギャラリーで某団体の装幀展をやっていたので覗いてみる。一通り見たが、一点として心に響くものはなし。編集者として一緒に仕事をして見たいヒトは皆無だった。むしろ「こうしてはいけない」という悪い例に使えそうな装幀のほうが多かったような気が……。仕事場に寄って、連絡数件。「『ブックカフェものがたり』公式ブログ」(http://kawasusu.exblog.jp/)に、「読者書評の募集」を書き込む。自前のメディアを持っているヒト、先着15人に見本ができ次第、本を送り、自由に書評(紹介記事)を書いてもらうという試み。すぐお二人から申し込みがあった。


7時前に出て、〈書肆アクセス〉。『ふるほん福岡』第3号を買う。柳瀬徹さんと待ち合わせ、3軒隣の〈浅野屋〉へ。1時間ほど話していると、今日大阪からやってきた前田和彦くんが合流。さらに、畠中さんも加わり、11時半まで飲みながら話す。あー、気の置けない連中と本音を話すのって、気持ちイイっす。前田くんを谷中アパートまで送り届け、ウチに帰ったのは1時だった。


ウチには、掲載誌が複数届いていた。『彷書月刊』12月号の特集は「明治クリスマス」。ぼくの連載は「ウラゲツ☆ブログ」(http://urag.exblog.jp/)の小林浩さんを取材。『暮しの手帖2005年冬号には、「暮らしと本と 不忍界隈本棚めぐり」が掲載。7ページで、写真たっぷりの記事。「不忍ブックストリート」から派生した記事では、ぼく自身がいちばん納得できるものになった。取材に協力してくださった皆さん、編集のMさんとカメラのHさん、ありがとうございます。次のページには、林哲夫さんが次号で「楽しい挟み込みコレクション」を紹介するという予告あり。『銀花』2005年冬号の「書物雑記」では、『和本入門』(平凡社)の著者である誠心堂書店・橋口候之介さんをインタビューしました。その数ページあとに近代ナリコさんに『モダンジュース』のコトを聞いた2ページの記事があるが、しばらく新しい号の出ていないこのミニコミを「いま、なぜ取り上げるのか」という視点が不在なのが惜しい。あと、コレは掲載誌ではないが、「影への隠遁Blog」(http://blog.7th-sense.sub.jp/)で書かれていた、山崎邦紀さんが企画出版した畑中純『ミゝズク通信』(1979年、茫洋社発行。850円)を注文したのが、届いていた。かなり立派なつくりの本で、驚いた。

2005-11-23 「誰かに贈物をするような心で書けたらなあ」(小山清)

朝8時半起き。来年P社から出る海野弘さんのエッセイ集の、書きおろし部分を入力したゲラが一部分出てきたので、そのチェックをする。たまたま付けていたNHKで、《ふたりでマゴまご!》というバラエティ番組をやっている。泉谷しげるとか柳生博などの孫を持つ有名人をスタジオに呼んで、彼らの孫自慢を聞かされるという恐ろしい内容。そのセットには、「カフェ・ド・マゴ」とある。電気グルーヴに「カフェ・ド・鬼」という曲があったよなあと思って、笑ってしまう。そのあと、「あっそうか、コレは、カフェ・ドゥ・マゴのシャレなのか」と気づいて、旬公に云うと、「いまごろ気づいたの?」とアキレられた。


フロに入って11時半に出かける。阿佐ヶ谷に着き、駅前の〈丸長〉で半チャンラーメンを食べて、今日も〈ラピュタ阿佐ヶ谷〉のミステリ映画特集。先日買った当日券の3回券(2700円)の1回分が残っていたので、それを提示し、新しい3回券を買おうとしたら、受付に「水曜日は1000円均一」の表示が。それを見たら、なんだか得な気がして、3回券を引っ込めて1000円で2枚買う。買った直後に気づいたのだが、3回券なら1回900円になるのだから、考えるまでもなくそちらが安い。わざわざ高い方を選ぶなんて……。大失敗だった。まず、堀川弘通監督《悪の紋章》(1964)。例によって、暗くなって5分で気持ちよく寝てしまったので、目覚めてからストーリーを飲み込むのに時間がかかる。山崎努刑事が、麻薬での贈賄の罪を着せられ、2年間服役する。出所後、背後にある事情を探るために、非情な男になって立ち回る。しかし、橋本忍脚本のせいなのか、妙に間延びしてハナシがくどい。どうみても130分の長さの題材じゃないだろう。中盤に玉造温泉松江駅が出てきたのは、出雲人としてはよかったけど。


もう一本は、蔵原惟繕監督《ある脅迫》(1960)。原作は多岐川恭。《悪の紋章》のちょうど半分の長さしかないが、コレがおもしろかった。直江津銀行支店を舞台に、栄転を間近に控えた金子信雄と、その幼馴染でうだつのあがらない平行員の西村晃との葛藤を描く。ワンシーン、ワンシーンがきびきびしていて、無駄がなかった。拾い物だった。


終わってから、北口の通りを7、8分歩いたトコロにある〈元我堂〉という古本屋へ。以前から行きたかったが、なかなかコッチのほうまで来る機会はなかった。しかし、たどり着いてみたら、シャッターが閉まっている。貼り紙を見ると、日替わり店長とかで、開店時間も曜日によって違う。今日は5時開店というコトなので、その辺を散歩したり、中古CD屋に入って時間をつぶし、5時過ぎにもう一度行ってみるが、まったく開く気配ナシ。どこにも電話番号が書いてないし、しょうがないので今日はあきらめる。しかし、このまま帰るとなんとなく落ち着かないカンジがして、〈TSUTAYA〉を覗いてみたり、南口のほうをちょっと歩いたりする。〈ホープ軒〉の通りの先に、開店準備中古本屋を発見。〈風船虫〉という名前で、絶版文庫文学幻想、怪奇、美術雑誌などを扱うとある。「11月中旬オープン」ともあるが、もう下旬に入ってます……。開店までときどき覗いてみるか。その近くの〈栗田書店〉に7、8年ぶりに入ってみる。エロ雑誌文庫が中心の店というイメージしかなかったが、意外と硬めの本がかなり多く、しかも安い。マキノ雅裕『マキノ雅裕女優志 情』(草風社)1000円、松本清張『突風』(中公文庫)70円、ルネ・ドゥ・ベルヴァル『パリ1930年代 詩人の回想』(新潮文庫)50円、を買う。


ラピュタへの行き帰りに読んでいた、小山清作品集『日々の麺麭・風貌』(講談社文芸文庫)をウチに帰ってから最後まで読む。一編一編が身に染みた。とくに、浅草の新吉原で育った幸福少年時代を回想する「桜林」が絶品。他の作品で、青年になってから以後の小山清の苦労多き人生を知っているからこそ、この「私たちのたけくらべの時代」が輝いて見える。また、主人公女の子と一緒に、山谷から橋場を通り、墨田堤沿いに歩いて、堀切四ツ木まで歩くシーンは、当時の下町のスケッチとして貴重。堀切直人さんの『浅草シリーズには、小山清の作品は入っていただろうか、とパラパラめくってみるが、探しようが悪いのか、見つからなかった。小さなエピソードを重ねていく「落穂拾い」には、「誰かに贈物をするような心で書けたらなあ」という一節があった。このコトバ、覚えておこう。小山清がもう少し読みたくて、手近の山を探ってみると、奇跡的にスッと、新潮文庫の復刊『落穂拾ひ・聖アンデルセン』と、エッセイ集『二人の友』(審美社)が出てきた。コレはもう読むしかない。


夜は、ホタテ、エビ、イカなどのシーフード・カレー。食べ終わって、海野弘エッセイ集に収録する雑誌掲載文を整理する。これも入力を始めてもらうことにする。旬公と田端新町まで歩き、〈ブックマート〉の100円均一で、内田百間まあだかい』(福武文庫)を買う。

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2005-11-22 沖至=渋谷毅セッションに酔う

8時半起き。出勤日。デザイナーからファクスで届いた入稿前の最後の直しをチェック。ようやく仕様が固まったので、メディア関係に送るリリースを作成する。右文書院の青柳さんから電話があり、『ぼくの早稲田時代』の装幀原稿林哲夫さんから届いたという。すぐに見たいので、〈ぶらじる〉で待ち合わせる。そして見せてもらった装幀は、素晴らしいの一言。表紙には早稲田大学の大隈通りの写真(新刊の〈稲門堂〉が見える)を使い、タイトルは書き文字。背表紙ピタッと決まっている。本扉、表紙にはべつの早稲田写真を使用。仕上がりがとても楽しみだ。


〈田村書店〉の外台で、清水徹都市解剖学 都市を歩き、都市を読む』(ポーラ文化研究所)を400円で。清水氏がホストで、塩野七生ローマについて、小池滋とロンドンについて、前田愛東京について、というように、各都市を語っていく。縦長変型の造本(若山嘉代子+縄田智子)もイイ。こんな風に思い切った判型の本を、いちどつくってみたいと思う。〈高岡書店〉では、諸星大二郎『魔障ヶ岳 妖怪ハンター』(講談社)、サラ イネス『誰も寝てはならぬ』第4巻(講談社)、『映画秘宝』12月号を買う。


新宿線市ヶ谷へ。〈ルノアール〉で、デザイナーKさんと印刷会社のYさんと待ち合わせ。『ブックカフェものがたり』の本文を入稿し、カバー類の用紙を打ち合わせる。こっちもようやく出来上がりのイメージができてきた。仕事場に戻り、いろいろやってると6時半。竹橋から東西線茅場町日比谷線に乗り換えて入谷で降りる。台東区中央図書館で本を眺めて時間をつぶしていると、『ぐるり』の五十嵐さんがやってくる。歩いて1分のトコロにある〈なってるハウス〉へ。今日は沖至=渋谷毅セッション。この店にしては珍しく、予約席が用意されていて、10人ほどの客が入った。


今日のメンバーは、沖至(tp)、渋谷毅(p)、立花秀輝(sax)、望月英明(b)、外山明(ds)。沖至については、何十年前かにパリに渡り、向こうで活動している伝説トランペッターという印象しかない。あと、神代辰巳監督壇の浦《夜枕合戦記》(1977)で音楽担当していて、かなりヨカッタ記憶がある。ナマの音を聴くのは初めてだ。なんとなく、フリージャズ一本やりのヒトかと思っていて、今夜もヘンなかたちのトランペットマウスピースや和笛を吹いたり、ホースを振り回してマウスピースで吹きながら音を出したりとアバレてくれたが、その一方で、ブリジット・フォンテーヌの「ラジオのように」とか、スタンダードの「ライク・サムワン・イン・ラヴ」(だったかな?)では、じつにメロディアストランペットを聴かせてくれた。一曲だけ渋谷・沖のデュオがあったが、コレもヨカッタ。開演前に、カウンターで沖さんが渋谷さんに「昔、二人で地方のライブハウスをよく回ったねえ」というようなハナシをしているのが聞こえたが、その再現のようであった。ラストは「御嶽山」。あの木曾のナー、というやつ。


他のメンバーもよくノッてたと思う。とくに、ぼくの大好きなドラマーである外山明は、今日もスゴかった。「エッセンシャル・エリントン」のときには、立ってドラムを叩くという、「立つ動物」ならぬ「立つドラマー」なのだが、今日は座って演奏していた(スタンダードの一曲だけ立っていた)。しかし、足でスネアをミュートしたりと、相変わらず変わっている。おせじにも「ゴキゲンにスイング」というリズムではなく、吃音的なリズムなのだが、それが他のメンバーの演奏と重なると、たまらなく心地いい。


終わると10時半。鶯谷まで歩き、〈信濃路〉に入る。つまみ200円台が基本の超安い店。ホッピーを飲みつつ、五十嵐さんに『ぐるり』の今後の展開など、いろいろ聞く。最後にコロッケうどんを食べて、勘定すると二人で2400円。安いなあ。ウチに帰ったのは12時半。

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2005-11-21 勝手に絶版にしないでよ

朝7時半に起きる。溜まっている原稿を書こうとするが、その気が高まるまで、20分ほどネットで時間つぶし。相撲の立会いみたいなもので、書くことはだいたい決まっているのだが、実行に移すまでに間合いが必要なのだ。で、なんとなく自分の名前を検索したら、「復刊ドットコム」の復刊リクエストに、単行本『ナンダロウアヤシゲな日々』が挙がっていてビックリ(http://www.fukkan.com/vote.php3?no=31531)。まだ絶賛在庫中なのに、勝手絶版にされちゃったよ……。無明舎の本は地方・小出版流通センター扱いなので、アマゾンbk1での扱いがない場合もあるだろうが、版元のサイトhttp://www.mumyosha.co.jp/essay.html)では、ちゃんと購入できる。自分の欲しい本を探す努力もせずに、ウェブでの登録一発で復刊を希望するのは、あまりにもムシがいいんじゃないの? もし希望の本が復刊されたとして、このヒトはその本をちゃんと買うのだろうか、という疑問まで生まれる。ちくま文庫の場合もそうだが、復刊は普通の新刊よりもリスクが大きいのだから、復刊されたら自分だけは買う、という姿勢は持っていてほしい。だいいち、ウソ情報を流されては、著者にとっては大迷惑だ。とりあえず削除依頼を出しておく。


やっと原稿にかかり、11時までに2本書き上げる。「一箱古本市」の店主でもある「ふぉっくす舎」(http://negitet.at.webry.info/)のNEGIさんから、以下のメールが。


入谷コピー文庫のこと、南陀楼さんのブログで知りました。小学館から出ている「寅さん完全読本」に川本三郎さんと山田洋次監督の対談が収録されています。その中で、川本さんが入谷コピー文庫に言及されていました。寅さん映画の中で、必ず商人宿の女将さん役をやっていた大部屋女優の方(名前失念しました)の聞き書き入谷コピー文庫から出ているそうで、山田監督も、知っているということでした。


おお、そうでしたか。川本さんは、うらたじゅんさんの『眞夏の夜の二十面相』(北冬書房)を毎日新聞書評欄で取り上げたりと、マイナーなものへの目配りがある。


ポプラ社の矢内さんからは、1月に刊行される本の「読者モニター」の募集のメールが届く。以下、はしょって紹介します。


さて、今日は皆さんにお願いがあります。ある本の、読者モニターになっていただきたいのです。モニターをお願いしたい本は『素晴らしい親 魅力的な教師』。カナダで20万部、ブラジルで15万部のベストセラーとなり、大きな反響を呼んだ本です。著者は精神科医、心理学者教育者として、多くの子どもと親に触れてきたアウグスト・クリ氏。子どもと接するとき、「良かれ」と思いつつ、誰もが陥りやすい間違いについて、具体的な例をあげながら、解決法と注意点について示してくれます。約200ページという本ですが、その中身はとても深く、子どもを持つ親や教師だけでなく、部下を持つ上司自己啓発書としても、広く受け入れられました。日本でも、多くの人にこの本が届くよう、紹介していきたいと思っています。


ご協力をいただくのは、簡単なアンケートです。この作品を読んで感じたことを、どうぞ率直にお聞かせください。皆さんからのご意見、ご感想は、本づくりの参考にさせていただきます。ご応募くださった方の中から30名の方に、校正ゲラをお送りさせていただきます(11月25日頃到着予定です)。アンケートは、12月7日までに必ずご返送ください。アンケートにご協力いただいた方全員に、出来上がった『素晴らしい親 魅力的な教師』の本を一冊プレゼントいたします。

申し込み方法は以下にあります。

http://www.poplarbeech.com/pickup/051118.html

読者の声を本に反映させるというのは、編集者なら誰でも考えるコトだが、ではどの段階でそうするかはナカナカむずかしい。読者に送るのは再校ゲラらしいが、モニター意見がどのように参考にされ、どのように本に反映されるのか、とても興味がある。矢内さん、ぜひあとで「書評のメルマガ」にレポートを書いてください。出版への読者の声の反映といえば、月曜社小林浩さんも、「ウラゲツ☆ブログ」(http://urag.exblog.jp/2277788/)で一般参加の「公開編集会議」を提唱している。こういう動きには注目したい。なお、「ウラゲツ☆ブログ」については、今週末発売の『彷書月刊』で紹介しています。


書き終わって、一休み。寒いので布団をかぶっていると、鎌倉実家に行っていた旬公が帰ってくる。ま、いろいろあったようだ。駅近くのフランス料理屋に行き、ワークショップの材料費でランチをおごっていただく。そのあと、ぼくは荻窪へ。3日連続で中央線に来ているなあ。北口の〈ブックオフ〉で、ロバートエヴァンズ『くたばれ!ハリウッド』(文藝春秋)、木村千歌『メープルハイツ#201』(講談社)を各105円で買う。前者は図書館で読んでいるが、安かったのでつい。南に出て、〈ささま書店〉へ。外の105円均一で、島尾敏雄『夢の系列』(中央大学出版部)、色川武大『怪しい来客簿』(話の特集)、江崎誠致『囲碁放浪記 懸賞打ち』(ケイブンシャ文庫)を見つける。ナカに入ると、青山毅・浦西和彦編『谷沢永一書誌学研叢』(日外アソシエーツ)があった。全900ページに、書誌関係のエッセイ論文、文献案内、事典項目、書誌を集約。これ一冊で谷沢永一の書誌学の成果が満喫できる、以前から欲しかった本。5250円は手ごろなので買っておく(あとで見たら、数箇所に線引きがあったが)。


西荻に移動し、〈にわとり文庫〉に行くも、月曜定休。〈音羽館〉に寄ってから、K校へ。『進学レーダー』の図書館取材。広報のH先生は、ぼくがG社で仕事をお願いしており、ココにも何度か来ているので、気が楽だった。図書館の棚を見てるときに、編集のIさんが、大阪の某校で藤沢桓夫の縁者に会ったというハナシをする。藤沢の本を読んでみたいというので、「さっき、ささま書店に10冊近く並んでたよ」と云うと、「じゃ、帰りに寄ってみる」と。こんなマニアックな会話を聴いて、ヨコにいる司書教諭の方は呆れたかもしれない。ところで、いま見たら、『谷沢永一書誌学研叢』には、20ページにわたる「藤沢桓夫著書目録」が収録されているではないか。なんというグーゼン。今度コピーしましょうか、Iさん。南口の中華料理屋でビールを飲み、ささまに行くIさんと別れて、〈信愛書店〉に寄る。レジ前に杉並北尾堂の出張古本棚ができていた。星野之宣自選短編集『MIDWAY 歴史編』(集英社文庫)を買って、中央線に乗ってウチに帰る。

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2005-11-20 映画は短いほうがイイ

朝8時起き。寒いのでちょっと布団のナカで本を読んでから、起きる。9時20分に出て、今日も阿佐ヶ谷へ。〈ラピュタ阿佐ヶ谷〉でモーニングショーと、そのあとの2回分のチケットを買う。この映画館整理券制で、満員のときはあとから行くと入れないコトもありうる。「芦川いづみスペシャル」、牛原陽一監督《堂堂たる人生》(1961)。石原裕次郎おもちゃ会社企画部員で、すし屋の娘の芦川と協力して、つぶれそうな会社を立て直す……という、まあ、ありがちなハナシ。しかし、こんなベタストーリーでも、芦川いづみはヒカっている。すねるとカワイイんだなあ。同僚役の長門裕之の、小回りの利く演技も良。


12時に終わり、外に昼飯を食べに行く。〈千章堂書店〉で、村松梢風『現代作家傳』(新潮社、1953)を600円で買う。谷崎、実篤、久米正雄、白鳥、荷風広津和郎吉井勇高浜虚子の8人の評伝。最後に、自伝「梢風物語」が収録されており、自身の出版社「騒人社」についても触れているようだ。ラピュタに戻り、1時10分前に開場。特集「ミステリ劇場へ、ようこそ」。小泉博、越路吹雪ほか出演の《姿なき目撃者》(1955、日高繁明監督)。なんだか眠くなって、前半眠ってしまったので、後半になってストーリーの把握に時間がかかる。ミステリものは寝たらダメだな。ま、たいした謎じゃナカッタけど。三木鶏郎音楽は、ラテン系なのだがどこかブキミというおもしろいものだった。


そのあと、仁木悦子原作《猫は知っていた》(1958、島耕二監督)。この小説のファンなので期待してみたけど、原作のカラッと明るいカンジをおどろおどろしくしてて、あまりおもしろくなかった。なので、また寝てしまう。映画館の中だとよく眠れるんだなあ。主演の仁木多鶴子は、たしか仁木悦子にちなんだ芸名のハズと、ウチに帰って検索すると、1957年大映に入社、本名の鶴田和子でデビュー。『猫は知っていた』に主演する際に、原作者仁木悦子から名前を貰って改名したと、「改名の泉」というサイト過去ログhttp://www.geocities.co.jp/Hollywood-Cinema/5784/siryousitu/kaimeinoizumi.html)にあった。


終わったのは4時半。今日観た3本は、96分、89分、86分といずれも1時間半前後に収まっている。コレぐらいの時間だと、集中して観ていられる(といいつつ寝てたけど)。長さを必要とするタイプの作品もたしかにあるけど、映画はなるべく短いほうがイイ。


総武線山手線田端に出て、〈ときわ食堂〉でチューハイ。読んでいるのは、黒川博行の長篇『暗礁』。やっぱりこのヒトはウマイなあ。ウチに帰り、晩飯(タラと大根豆腐の鍋)をつくりながら、テレビモーガン・フリーマン主演の《スパイダー》(2001、米)を観る。まあまあか。旬公から電話があり、平塚のワークショップは無事終わったが、鎌倉に泊まるとのこと。今日は久しぶりに「休んだ!」という気がする一日だった。でも、これから原稿を書かなければ……。

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2005-11-19 ナニかを選ぶことは、ナニかを捨てることなのだ

朝8時起き。朝風呂に入って、阿佐ヶ谷に出かける。〈ラピュタ阿佐ヶ谷〉に10時10分に着くと、モーニングショーチケット売り場にヒトが並んでいる。満員に近い盛況。「芦川いづみスペシャル」だからだろうか? 小声で告白すると、ワタシ、芦川いづみの顔がすごく好きなんです(キャッ)。とはいえ、未見の映画が多く、この特集も楽しみにしてたのだが、やっと来るコトができた。


今日は、中平康監督《あした晴れるか》(1960)。冒頭、石原裕次郎神田の青果市場(やっちゃ場)でセリのフリ手をやっているシーンで、一度観ていることに気づく。裕次郎が若手のカメラマンで、さくらフィルムの「東京探検」という企画に抜擢され、宣伝部員芦川いづみ東京を回る、というオハナシだった。中平康らしい、目が回るようなテンポと意表をつく展開の連続東京探検テーマだけに、深川八幡佃島銀座など、東京風景が楽しめる。芦川いづみは、眼鏡を掛けた気が強い才女というありがちな設定。自分の思い通りにいかないと口の端をゆがめる表情が絶品なり。脇の中原早苗(バーの女給)、杉山俊夫(芦川の弟)、西村晃(宣伝部長)らもイイ。裕次郎が夜の街で意気投合するオヤジは、殿山泰司助監督は西村昭五郎。初見のときよりももっと楽しめた気がする。


この特集は12月まで続くが、ラピュタでは同時に「ミステリ劇場へようこそ」という特集をやってるコトを、今日になって知った。このラインナップがすごい。仁木悦子原作の《猫は知っていた》、井上梅次の傑作(むかし〈大井武蔵野館〉で観た)《死の十字路》、福田純の《情無用の罠》、鈴木英夫《悪の階段》、新東宝の《憲兵とバラバラ死美人》など32作品。どれも上映される機会の少ない作品だけに、観ておきたいもの多し。あと、レイトショーの「渥美マリ伝説」も気になる。12月はさらに、〈シネマアートン下北沢〉の「美術監督特集」、〈シネスイッチ銀座〉の「松竹110年祭」などもある。そうだ、昨日は〈フィルムセンター〉で斎藤寅二郎監督《思ひつき夫人》[短縮版](1939)をやってたのだが、行けなくて残念。原作(平井房人)は持ってるんだけど……。フィルムセンターでは今日から中川信夫特集もやってるではないか! マジに体が二つほしいです。ナニかを観ることを選ぶということは、別のナニかに費やす時間や可能性を捨てることなのだ。まあ、あまりそんなコトを考えすぎると、それはそれで窮屈な生活になってしまうけど。


吉祥寺に行き、〈げんせん館〉で、小田基『二〇年代・パリ あの作家たちの青春』(研究社)1800円、中井英夫中井英夫中日記 彼方より〈完全版〉』(河出書房新社)1200円と、レジ前にあった文庫版の川上不盡編『川上澄生の世界』(二見書房)800円、を買う。その通りにある餃子屋〈ハルピン〉で、エビ餃子の定食。鮭が入っている餃子が食べたかったが、売り切れ。餃子は皮が厚くて美味しかった。そのあと〈上々堂〉で、「古書モクロー」棚の精算分をもらう。5000円近い画集が売れ、復刻マッチがよく売れているので、今回は7000円ちょい。その金で、いしかわじゅん『いしかわ式』(アスキー)800円、小林勇『遠いあし音』(文藝春秋新社)1000円、富島健夫『早稲田阿呆たち』(集英社)300円、唐十郎下谷万年町物語』(中公文庫)500円、T・コラゲッサン・ボイル『ケロッグ博士』(新潮文庫)105円、を買う。しばらく(もう半年ぐらい)五反田古書展に行ってないので、このあと回ろうかと思っていたが、あとのコトが気になってヤメて、素直にウチに帰る。


ちょっと休んだり、選択したり、日暮里図書館に行ったりしたあと、原稿を一本書く。7時に出て、〈古書ほうろう〉で国枝史郎『怪しの館』(講談社)1500円を買う。未知谷全集が刊行される以前、この「国枝史郎伝奇文庫」全28巻は古本屋でとても高かった。ココでしか読めない作品ばかりだった上に、横尾忠則の装幀が強烈だったからだ。揃いで5万円以上ついていたんじゃないかな。一時期は真剣に借金しての購入を考えたものだ(そのくせ、未知谷全集が出たときは、買わずに済ませてしまった)。ぼくが持っているのは『蔦葛木曾桟』全3巻のみ。第28巻のこの短編集は初めて見た。〈往来堂書店〉で、黒川博行の新刊『暗礁』(幻冬舎)を買う。


NOMAD〉に行くと、山田さんが「『チェコマッチラベル』がいま出ている『Pen』に載ってたね」と教えてくれる。見てみると、たしかに書評欄に載っている。発売後しばらく経つのに、取り上げてくれてウレシイ。少しまっていると、先日のトークショーに来てくれたもたい涼子さんが来る。チェコ人の友人が来日しているというので、ここで待ち合わせていたのだ。その二人、ペトルさんとエレーンさんに挨拶。ペトルさんは昔マッチラベルを集めていたといい、バラのラベルを持って来ていた。欲しいのをくれるというので、何十枚か頂戴する。彼は子どものとき、マッチ工場の町・スシツェに行ったコトがあるそうだ。うらやましい。ぼくの拙い英語聞き取り力ではワカラナイところもあったが、いろいろハナシが聞けておもしろかった。ペトルさんはドイツ在住だが、いずれチェコで会いましょうと約束して、別れる。そのあと、ブックカフェ本のゲラをもう一度見直す。ブックカフェリストもどうにか完成した。《やりすぎコージー》を見ていたら、2時半になってしまった。

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2005-11-18 魚雷さんと見る東京ローカルホンク

朝7時半起き。バス早稲田へ。バスの中で手を左右に振りながら、ぶつぶつ喋っているおじさんが。まるで交通整理みたい。バスを降りた後も、信号のトコロで同じ動作をしてた。また、千石二丁目のバス停前には、古い洋館があり、以前から気になっていた。最近、門の前に建築反対を訴える看板がいくつもあって、近くになにか立つのだろうかと思っていた。今日通ったら、隣にかなり高いマンションが建ちつつあった、


早稲田大学内の某機関で資料拝借。手続きがめんどくさい。久しぶりに、旧図書館の中に入り、早稲田学生生活を撮った写真の展示を見る。文学部前の〈まんぷく食堂〉の写真には懐かしさを覚える。道からちょっとだけ高い場所にあり、数段ほど石段をあがったところにあったのだ。とはいえ、ぼくは入ったことはなく、いつの間にか消えていた。大学構内はあちこちで工事をしている。


あゆみブックス〉で、小山清作品集『日々の麺麭・風貌』(講談社文芸文庫)と、『同和利権の真相4』(別冊宝島Real)を買う。なんつー組み合わせだ。レジの女の子に、『早稲田文学』のフリーペーパー置いてますか? と訊いたが、きょとんとされる。毎日新聞には11月中旬から配布とあったように思うが。いま『早稲田文学』のサイトhttp://www.bungaku.net/wasebun/)を見たら、20日(日)に秋葉原で行なわれる「文学フリマ」(http://bungaku.webin.jp/)で配布されるらしい。


仕事場に行き、ブックカフェ本のあれこれ。昼飯は、小川町のすし屋でうなぎまぶし丼。古書会館は今日は古典籍の展観会なので入らずに、すずらん通りへ。〈田村書店〉の外台に行こうとしたら、向こうから来る塩山さんにバッタリ。「いっぱい群がってて入れないんだよ」と先に小宮山書店ガレージのほうへ行った。ぼくは田村に行き、隙間を見つけて入って、車谷弘『わが俳句交友記』(角川書店)200円、関根弘『針の穴とラクダの夢』(草思社)300円、淀川長治映画と共に歩んだわが半生記』(近代映画社)400円、ほかを買う。塩の字に買われる前にと思ったら、つい……。〈書肆アクセス〉に寄って仕事場に戻る。


6時に出て、千代田線直通で下北沢へ。〈CLUB QUE〉で東京ローカルホンクのライブ。ココには以前から行ってみたかったが、ずっと二の足を踏んでいた。予約の名を告げてなかに入ると、椅子は30ほどであとはスタンディング。開演前はずっとDJが流れていた(選曲はかなりよかった)。あとから、今日誘ってくれた荻原魚雷さんが来る。バンドメンバーとは以前からの友達らしい。会場にもあちこちにバンド関係の知り合いがいたみたい。開演になると、後ろは立っている人でいっぱい。トイレに行こうにも身動きがとれず。やっぱり苦手な雰囲気だ。


しかし、東京ローカルホンクのライブはよかった! いま、一言で書くことはできないけど、とても楽しみました。歌も演奏も最高にうまいのだが、メンバー全員がごく普通の40男なのにも好感。客とのコール&レスポンスなんて、いつもはゼッタイ参加しないが、今日はちょっとだけ声を出してみたりして。休憩を挟んで約2時間。出がけに、前身バンドうずまきの[ヒコーキのうた]を買う。


魚雷さんと二人で、台湾料理〈新雪園〉へ。寒いので暖かいものを頼む。紹興酒ロックがウマイ。「BOOKMANの会」の今後とか、ちょっとした密談。代々木上原で別れ、千代田線で帰ってくる。この週末は、旬公が平塚でのワークショップのため不在。ああ、眠い。最後に「書店員ナイトin東京」のお知らせ。「業界人限定」などというイベントではありません。気軽にご参加を。


書店員ナイトin東京

 12月10日頃、幻戯書房より、矢部智子・今井京助ほか著『ブックカフェものがたり 本とコーヒーのある店づくり』(1900円)が刊行されます。同書は、東京大阪京都の9店のブックカフェ店主へのインタビューを中心に、ブックカフェの開業や経営についての基礎知識、全国ブックカフェリストなどを収録し、「ブックカフェという新しい空間スタイル」の現状を明らかにするものです。


 同書の刊行を記念して、執筆者のひとり、石川あき子さんが経営する大阪の〈Calo Bookshop and Cafe〉の恒例イベント「書店員ナイト」が行なわれます。5回目の今回は、はじめて東京での開催です! 本に関わるお仕事の方や、出版に関心をお持ちの方ならどなたでもご参加いただける、ゆるやかに関係者の交流を深める会です。今回は大阪での通常スタイル通 り、特に余興や出し物などはございませんが、これからの本と本屋について、ご参加の方々で前向きに意見を交わしていただければと思います。


日時: 2005年12月12日(月) 19:00〜21:30

会場:A/Z Books&Cafe(エーゼットブックカフェ

東京都千代田区麹町3-12-6 1F

phone:03-3512-3910

会費:2000円(フリーフード付) ※ドリンクは別です(1ドリンク500円)


お問い合わせ:Calo Bookshop and Cafe 

e-mail: info@calobookshop.com

phone: 06-6447-4777


また、『ブックカフェものがたり』の内容やブックカフェ情報を掲載する公式ブログオープンしました。ご覧になってください。

http://kawasusu.exblog.jp/

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2005-11-17 好もしき秋葉原ヨドバシビル

7時起き。短い原稿を一本書く。ファクスのインクが切れていたので、朝9時からやっている秋葉原の〈ヨドバシカメラ〉に行ってみる。先日のオープン時から話題になっていたが、秋葉原に用事がないのでいままで行く機会がなかった。秋葉原駅電気街口と反対方向に下りると、真正面にヨドバシビルがある。たしかに1フロアがものすごく広くて、驚く。平日の開店直後というコトもあり、やたら静か。


インクを買い、上の階にあがってみる。7階には〈タワーレコード〉と〈有隣堂〉が入っている。書店はともかく、朝9時半から開いているタワレコなんて、ほかにあるのか? 当然客は少なく、かなりゆったりとスペースが取ってあるので、まるで自分ひとりの店みたいな錯覚を覚える。なかなかイイ気分になって、高校生のときによく聴いた、立花ハジメの[Hm]と[MR.TECHIE&MISS KIPPLE]、西岡恭蔵「ろっかばいまいべいびい」、渋さ知らズLost Direction]、フィッシュマンズDVD[若いながらも歴史あり 96.3.2@新宿LIQUID ROOM]と買い込んでしまう。ああ。さらに、向かいの〈有隣堂〉を覗くと、ココもガラガラ。果たしてやってけるのだろうか? と思いつつ、ゆっくり棚を見て回る。大村彦次郎時代小説盛衰史』(筑摩書房)、伊達得夫詩人たち ユリイカ抄』(平凡社ライブラリー)、ちくま文庫復刊の種村季弘編『東京百話』天の巻、野中英司『魁!!クロマティ高校』第15巻(講談社)を買う。またしても買い込んでしまった。このところ、カード払いをしないようにしてたのに……。〈有隣堂〉のレジで、「ヨドバシカメラポイントカードが使えません」と大きく表示しているのが、どことなくオカしかった。


ゼンゼン期待してなかったのだが、思いのほか堪能してしまった。大手電器店とレコード屋と本屋が同じビルに入っている例はほかにもあるが、ぼくにとって余計な店(服屋とか雑貨屋とかスポーツ用品屋とか……ようするに、上記3店以外のすべて)が入っているのがジャマだ。このビルは、そういった余計な要素を入れてないのが好もしい。あとは、同じビルか、それがムリなら隣あたりに〈TSUTAYA〉と〈ブックオフ〉ができれば完璧だ。仕事場からも近いし、けっこう通うコトになるかもしれない。……と思わずホメてしまったが、〈有隣堂〉の品揃えはいまのところ、とりあえず全部並べたというだけで、まだまだ変更の余地あり。まあ、そのうちカタチができてくるでしょう。


ウチに帰り、谷中アパートへ。机の上を片付けて、12時半に根津駅で暮しの手帖社のMさんと待ち合わせる。昭和30年代に入社し、花森安治にシゴかれたという歴史存在来年2月4日から、世田谷文学館で「花森安治暮しの手帖展」(仮題)が開かれるのだが、Mさんはその図録に収録する花森安治の装幀本リストを作成中で、ぼくが多少持っていると聞いて、わざわざ見にいらっしゃったのだ。1時間ほどかけて、作成中のリストと照合し、何点かはリストにない本を提供できた。これらは展示用にお貸しするコトにした。そのあと、一緒に日暮里駅に向かうが、71歳にしてはお元気なMさんが、あっちを見たりコッチを見たりしてしばしば道の真ん中に動いてしまうので、車にハネられないか心配した。この辺は、細い道が抜け道になっていて、車がひっきりなしに通るのだ。そういえば、Mさんと根津を通ったときに、おにぎり屋の〈いなほ〉の入口に「貸し店舗」の掲示があったようだ。しばらく行ってなかったのだが、閉店したのだろうか。だとすれば、ショックだ。


またウチにとって返し、今度は西日暮里駅へ。『散歩の達人』の取材で、高野ひろしさんや編集女性と会う。まず写真を、というので、旬公と二人で富士見坂で撮影。カメラマンがやたらこの辺りに詳しいヒトだと思ったら、谷中銀座にあった〈ボンフォト・スタジオ〉の方だった。『ボンフォト通信』を出してたトコロですか? と訊くと、その通りだった。いまは谷中銀座の店は閉めて、尾久写真の店をやっているそうだ。そのあと〈花歩〉で取材される。うまく喋れたかどうかはワカランが、高野さんは古本も詳しいし、一箱古本市に一日中参加してくれたので、信頼がおける。取材のあと、日暮里図書館で本を返却。今日はやたらと風が冷たい。


晩飯は、図書館の近くの製麺所で買ってきた焼きそばに、鶏肉やゴボウキャベツを入れたもの。たぶん未見だった《バック・トゥ・ザ・フューチャー3》を脱力しながら観て、「書評のメルマガ」の編集をする。しばらく前から考えていた、こんな企画を発表した。


ちくま文庫20周年復刊フェア記念、「この版元がエライ! 番外篇」募集

 今年ももう11月。早いですねー。「書評のメルマガ」では、毎年1月に前年にすぐれた出版物を出したり、ユニークな活動を行なった版元を勝手にほめたたえるアンケート企画「この版元がエライ!」を、増刊号として配信しています。今年は12月上旬発行号で、回答者を募集します。たくさんのご参加をお待ちします。今回はこの企画と関連して行なうツモリの、特別企画のお知らせ。


 筑摩書房ちくま文庫が20周年を迎えたことを記念し、先日から同文庫のフェアがはじまっています。その目玉が復刊フェアです。これは、数ヶ月前からサイト上に品切れ本のリストを公開して、読者から復刊希望アンケートをつのり、その結果をもとに9点・14冊を刊行するというもの。

 サイトの報告を見ると、「ホームページ・ハガキをあわせて約700件、投票数では延べ5800票におよび、書目に換算すると実に600点以上が候補に上がった」そうです(http://www.chikumashobo.co.jp/top/fukkan/index.html)。読者の声が復刊企画に反映されたコトが嬉しいことです。

 しかし、あくまで仮定のハナシですが、もし、せっかく復刊されたこれらの本がやっぱり売れずに終わってしまった、としたら? 復刊フェアという好企画じたいが見直しになり、続いての復刊は難しくなるかもしれません。また、ちくま文庫の動きを見てウチも……と考えているかもしれない他社の文庫も二の足を踏むでしょう。


 さて、そこで。

書評のメルマガ」では、「この版元がエライ!」の番外篇として、「ちくま文庫復刊フェア・スペシャル」を年内に発行したいと思います。

この企画では、(1)復刊フェアに対する感想と、(2)復刊対象本の読書感想文、のふたつを募集します。字数はそれそれ800字前後。とくに(2)については、9点すべてについての感想文が揃うコトを希望します。締め切りは12月15日(木)です。ちなみに、私(南陀楼)はちくま文庫には無関係です。辛口の批判も歓迎します。

 ブログサイトで、ちくま文庫の復刊フェアを歓迎した皆様には、ぜひともお一人一冊ぐらいは感想文をお願いしたいです。刊行後に読者からの反応があってこそ、版元の企画は継続が可能になるのですから。書いてくれないと、コッチから依頼にいきますよー。


回答は以下までメールでお願いします。

kawasusu@nifty.com


補足しておくと、今回の復刊フェアについて紹介したり、アンケート投票したというブログはいくつも見かけた。そうやってフェアが盛り上がっていくのは、いいことだと思う。だけど、出版社にとってみれば、本当の勝負は復刊が刊行されたあと、きちんと売れたかどうかだ。その結果の責任を読者が負う必要はないのだけど、たんに煽っておいて終わりじゃ、せっかくの試みが可哀想、という気がする。だから、こんな企画をやってみようと思うのだ。ぜひ、協力をお願いします。各自のブログで書いたものを、そのまま送ってもらっても構いません。


長くなったので、「書店員ナイトin東京」のお知らせは明日にします。

2005-11-16 カンベンしてくれー

出勤日。午前中はデザイナー、午後は印刷所の営業さんと打ち合わせ。その間、リストの修正、返事の催促、メールキャッチコピーの文案、その他その他で眼が回るような忙しさ。夜も早めに寝てしまった。

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2005-11-15 「入谷コピー文庫」に出版の原点を見る

朝方、地震があったりして、8時に目覚め、書評の本を読む。今日は出勤日。昨日に続き、仕事場から外に出るヒマがまったくない。またテイクアウト弁当で済ます。午後、Nさんが来て、ゲラのチェック。ぼくはリストの整備。ひたすら書式を合わせていく作業で、眼が痛くなった。


5時半に出て、東西線阿佐ヶ谷へ。〈書楽〉で芦原すなお『雪のマズルカ』(創元推理文庫)、大塚英志大澤信亮『「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか』(角川oneテーマ21)を買う。開店前の〈よるのひるね〉に行き、カメラマンのOさんの撮影に立ち会う。ついに風邪を引いたのか、どうも体がだるく、ウチに帰ってヨコになる。小林信彦東京少年』(新潮社読了。コレも書評の本。そのあと、ゲラをもう一度通しで読む。書かなければならない原稿が数本あるのだが、今夜はどうしても手が着けられず。


フリー編集者堀内恭さんから、彼がやっている「入谷コピー文庫」の新刊が届く。キング亀田編『勝手にタカダワタル的語録』と、阿部清司『その手は語る 日暮里町工場を歩く』の2冊。後者は「谷根千ねっと」(http://www.yanesen.net/)で連載されていたときから、気になっていた。「入谷コピー文庫」は「私個人が書き手として強く興味を惹かれた市井の方々や仲間に執筆をお願いして、毎回15部のみを作る個人的なコピー小冊子です。《ひたすら手作り・どっぷり思い入れのテーマ》でいきたいとおもいます。これからも、いつ出るか分からない、まさに《超》不定期に発行していきますので、何卒宜しくお願いします」というもの。こういう本の出し方に、出版の原点を見る思いがする。今後は、阿部清司『東京お菓子屋さん』、濱里史明『ニッポン・レトロ映画館巡礼記』などが「ひとまず予定」されている。

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2005-11-14 オレは暗示にかかりやすい

kawasusu2005-11-14

9時半起き。朝飯食べながら、テレビインフルエンザへの対策についてやっているのを見る。今日は出勤日ではないのだが、仕事場へ。刊行が近づくと、無限にやるコトがあるのだ。昼は、近くのカレー屋のテイクアウトを、会社女性が買ってきてくれる。全員同じモノを食べたのだが、1時間ぐらいして、一人が気分が悪いと云いだし、もう一人も調子が悪いという。ぼくはナンともなかったのだが、青い顔をしているヒトを見ると、なんだか自分もお腹がおかしいようなカンジになってくる。気分に流されやすい体質というか、暗示にかかりやすいのだった。


4時過ぎに出て、右文書院へ。青柳さんに川崎彰彦本のゲラを渡す。そのあと、白山通りから入ったところにある〈AMULET〉へ。近くのそば屋で堀切さんとよく飲むので、前は通っていたが、入る機会がなかった。あるヒトの文章を読んで2階がカフェになったと知り、ブックカフェ本のリストへの掲載をお願いにきたのだ。入口のところにチェコマッチラベルが、十数枚1セットで売られている。世田谷の〈norinoko〉というショップが扱っているもので、11月21日(月)〜12月3日(土)までは「チェコマッチラベル展覧会」も行われるとのこと。この〈norinoko〉さんが今年(?)に神戸の〈トリトンカフェ〉で展覧会を行なったときのパンフレット『DESIGN OF CZECH MATCHES』(1050円)や、旅で集めたアイテムのコラージュ集であるles deux『clip trip』(mille books)などを買う。次に来たときには、カフェにも寄ろう。


書肆アクセス〉で「東京者」の棚を見る。新刊コーナー右の棚を全面に使っている。モクローくん人形も鎮座している。青柳さんが選んだ、鬼海弘雄写真集『ぺるそな』(草思社)、堀切さんが選んだ、高田文夫江戸前で笑いたい』(中公文庫)を買う。『ぺるそな』は2003年に出た大判写真集『PERSONA』の普及版。この本を見かけたのは、閉店直前の大阪〈ブックセラー・アムズ〉だった。このとき、いま〈calo booshop&cafe〉をやっている石川さんに初めて挨拶したのだった。欲しかった本が手頃な値段(2300円)で出たのはアリガタイ。〈田村書店〉の外台で、内田百間阿房列車車輪の音』(六興出版)を200円で買い、なんとなく調子が悪いような気持ちになって(たぶん気のせいだが)、ウチに帰る。


メールをチェックすると、「文化通信」のニュース速報で、「【訃報中村勝哉氏 73歳(なかむら・かつや=晶文社代表取締役社長)」とあり、非常に驚く。以前に一度だけお会いしたコトがある。ご病気だったのだろうか? 小野二郎、津野海太郎をはじめ、多くのクセモノ編集者にいい仕事をさせ、数々の名著を世に送ってきた名プロデューサーの死を悼む。昨日、晶文社に縁の深い植草甚一経堂にいたのは、たんなる偶然なのだが。


徳島の〈創世ホール〉から『創世ホール通信』届く。10月30日紀田順一郎さんの講演の報告。ミステリ幻想文学をめぐる個人史というべき内容だったようだ。同封のチラシによれば、紀田さんの新刊『戦後創世記ミステリ日記』(松籟社)が12月に刊行されるようだ。大伴昌司らとの交流について触れられているようで、コレは楽しみだ。晩飯は、豚肉とタマネギ炒めと、厚揚げ炒め。


そういえば、先日の知恩寺で、ジャン・グルニエ井上究一郎訳『孤島 改訳新版』を3冊500円で買ったコトを書いたが、先週末に「モクローくん通信」の読者であるTさんから、以下のメールが届いていた。


高いことで有名なA書房目録に、改訳新版「孤島」が出ており、

筑摩書房 1991年2月 四六判角背並製 カバ

≪「孤島」とは極度に孤独精神、卑俗なまでに謙譲なある魂が回帰する「至福の島々」である。---人生における特権的瞬間を美しい文章に結晶させた啓示の書。絶版後再刊待望久しかった、アルベール・カミュ文学の道に導いた名著の名訳書改訳新版。---本書はなぜか発売後即時店頭から回収(元版翻訳権者との揉?)された【店頭回収本】≫とあり、売価11,340円(税込)となっていました。

真偽のほどは確かめようがありませんが、割と珍しい本なのではないでしょうか。私自身はネット販売で3380円で購入しました。


気になって、本を見てみると、奥付の前に「本書は、前翻訳権所有者株式会社竹内書店竹内博氏との話し合いを経て、新たに翻訳権を取得し刊行するものです。(筑摩書房編集部)」とあった。わざわざこんなコトを記載すること自体珍しい、という気がする。やはりナニかあったのだろうか。

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2005-11-13 のんびり姫のお供でせっかち侍従は焦る

朝9時起き。午前中は「まぼろしチャンネル」の原稿を書き、川崎彰彦本の三校をチェック。赤字がだんだん少なくなってきた。うどんをつくって食べ、1時半に出かけて、高田馬場へ。〈BIGBOX〉の古本市を覗き、河野典生『続・街の博物誌』(早川書房)250円、を買う。各章に新井苑子による動物の絵がカラー別丁で入っている。ぜいたくな造りだなあ。セドローくんと2階のパン屋に上がり、雑談。「最近、いろいろ働いてるじゃないですか」と云われる。そうだよ、オレだってたまにはマメに働くんだよ。怠け者の節季働きというやつだけど。


昨日に続き、次田さん登場。このヒトのテンポは独特で、気を抜くと一緒になってのんびりしてしまう。今日も吉祥寺に寄ってから美術館に行くツモリだったのに、吉祥寺をうろうろしていたら時間がなくなって美術館に寄れなかったのだとか。こちらがタイムキーパーにならないと危ない。このあと、目白に行き、4時までに経堂に着いてなければならないからあと5分でココを出ようと思いながら話していると、その段階になって次田さんが飲み物を買いに行く。お、おい、ちょっと待て……と云いたくなる。ぼくは、時間がたっぷりあるときにも、この後どう動くかをつい考えてしまうせっかちな人間なのだ。セドローくんは笑いをこらえていた。


高田馬場から山手線目白へ。歩いて7、8分のところにある〈ポポタム〉(http://popotame.m78.com/)へ。今日は澤田さんが店番だった。カフェもやっているが、「ぼくの店番のときは、(奥さんの)信用がなくってカフェは休みなんですよ」と。11月23日(水・祝)〜12月18日(日)までは、トーナス・カボチャラダムスさんの「空想カボチャドキヤ」展が開かれるとのこと。古本で、平野威馬雄日本怪奇物語』(日本文芸社)1000円、檀一雄青春放浪』(ちくま文庫)105円、を買う。前者はよくある恐怖体験モノだが、著者が珍しい(平野ファンのTくん、持ってる?)。「幽霊に会った有名人」という章で、体験を語るのは、淡谷のり子ガッツ石松戸川昌子西丸震哉渡辺はま子、石坂浩二柴田錬三郎横尾忠則森村誠一アン・ルイス森田健作手塚治虫滝田ゆう佐伯俊夫、水木しげる、十返千鶴子、ジュンとネネ、媒図かずお、淀川長治ほかのステキな面々である。


スズキコージの「COHJIZUKIN BANK NOTE」(525円)というのも買った。一筆箋なのだが、表に「50 ZUKING」「100 ZUKING」と単位が書かれていて、「感謝の気持ちにあわせて高い金額のを使うとイイ」そうだ。おもしろいけど、それ、相手に伝わるのか。例によって次田姫がゆっくりと棚をご覧あそばしているので、せっかちな侍従としては「あと5分で出かけますよ」とお伝えする。急いで目白に戻り、山手線に乗る。新宿駅で友人と待ち合わせている(というのも、さっき聞いた)ので、小田急線のホームで待っているように電話してもらう。新宿に着くと急いで小田急に走り、待っていた友人とともに発車直前の電車に駆け込む。大学時代の同級生の田中さんという女性で、次田さんと対照的にとてもシャキシャキしている。田中さんに「彼女、昔からあんな感じなの?」と訊くと、「あんまり変わってませんねー」と。


そんなこんなで、経堂駅の待ち合わせ時間にはすべり込みセーフ。ビール片手にすでにゴキゲンのエンテツさんと、荻原魚雷さんに会う。焦っていたのは、この二人が携帯電話というものを持たないヒトだからでもある。今日はこの5人で『酒とつまみ』の取材。といっても、古本屋居酒屋に行くだけなのだが。まず農大通りの〈遠藤書店支店〉〈大河堂書店〉、駅の反対側に行き、すずらん通りの〈遠藤書店〉へ。〈遠藤書店〉はこの近くに住んでいた植草甚一の行きつけの店で、日記にもしばしば登場する。植草にならって、今日は雑誌中心に攻めてみた。そのあと〈ロバロバ・カフェ〉にちょっと寄り、エンテツさんオススメの〈太田尻家〉(http://www.ne.jp/asahi/ootajiri/ke/index.htm)にまだ開店前なのに入れてもらって、ビール乾杯。連載のほうで書くが、〈太田尻家〉は酒も料理もウマく、店の雰囲気もヒトもイイ感じだった。さすがエンテツさん、である。今日のことは「ザ大衆食」(http://enmeshi.way-nifty.com/meshi/)にも書いてある。


7時ごろ、『酒とつまみ』の大竹さんがやってきて、そのあと8時半の新幹線に乗る、という次田さん(途中で妹さんに会うと云ってたが、無事出会えたのだろうか?)を送って、田中さんも帰る。病み上がりの魚雷さんも帰り、代わりに経堂在住のアクセスの畠中さんが来る。畠中さんは、明日からの「東京者」フェアの棚づくりをしていたそうだ。休みなのに、ご苦労様。できあがったばかりの小冊子をいただく。全12ページで全タイトルのリストと、選者のことばが載っている。それぞれの本の紹介は、畠中さんがまとめてくれた。表紙は片岡知子さんのゴムはん。飲んで食べてしゃべってイイ気分になり、11時ごろ解散。千代田線経由でウチに帰る。楽しき一日。

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2005-11-12 台東区中央図書館さん、ありがとう

朝5時半に起きて、遅れに遅れた某誌の原稿を書く。8時に書き上げて、急いで準備をして出る。外は雨。バスに乗って、西浅草三丁目で降り、歩いて台東区中央図書館へ。今日はこの館の廃棄本セールの日だ。先日、ホームページで告知を見つけ、楽しみにしていた。同じ思いの連中は多いと見えて、20分前に到着したのに、館の前にはすでに50人ほどの列が。最初から10番目ぐらいには青柳さんがいる。熱心なヒトです。ぼくの後ろのおじいさんたちは、他区の図書館の廃棄本フェアにも行ってるようで、「文京区は◎月だ」とか「墨田区はもう終わった」などと情報交換してる。


9時、入口が開く。一階のロビーに、机が置かれ、その上にジャンル別に本が並べられている。最初の数十人にはカゴが与えられたが、ぼくの前でなくなり、本は抱えるしかない。目についた本をどんどん抜いていると、たちまち山ができてしまう。それを抱えて、人込みのナカを移動するのはタイヘンだった。机の下にも、本の詰められた箱が置いてある。区の職員は「下からは抜かないで下さい」と注意するが、本が見えているのに手が出ないワケがない。触らせたくないのなら、布でもかぶせておくべきだろう。


30分ほどで20 冊ぐらい見つけ、会計してもらう。単行本は50円、文庫雑誌は10円。もっとも、図書館シールが貼られているので、セドリには向かない。単行本以外には全集もあり、『荷風全集』や、国書刊行会の『世界幻想文学大系』の全巻揃いがあったが、ちょっと考えた末にヤメておく。そのあと、〈月夜と眼鏡〉のコンビに会ったら、しっかり『荷風全集』を全巻抱えていた。どうやって持って帰ったんだろう?


買った本を持って館内へ。いまのフェアの興奮覚めやらず、新入荷の棚の本も一冊50円で売っているような錯覚に陥った。休憩していると、青柳さんから電話が入り、近くの〈合羽橋カフェ〉とかいう喫茶店へ。モーニングサービスを頼み、お互いに収穫を見せ合う。青柳さんは、集英社吉田健一著作集とか、それ欲しかったなあ、という本を何冊も買っていた。話してるウチにむずむずしてきて、もう一度会場に戻る。〈ちょうちょぼっこ〉の次田史季さんとの待ち合わせもそっちのけで、新たに出された本を物色。文庫を中心にさらに15冊ほど買う。以下がその全リスト


田村隆一20世紀詩人日曜日マガジンハウス

鮎川哲也『こんな探偵小説が読みたい』晶文社

安岡章太郎『活動小屋のある風景岩波書店

田中小実昌新宿ゴールデン街の人たち』中央公論社

野一色幹夫『夢のあとさき』潮流社←青柳さんに教えてもらった本

百目鬼恭三郎『風の文庫談義』文藝春秋

四方田犬彦映画はもうすぐ百歳になる』筑摩書房

長谷川郁夫『われ発見せり 書肆ユリイカ伊達得夫』書肆山田

『回想のロシア・アヴァンギャルド』新時代社

井上章一『南蛮幻想文藝春秋

矢川澄子野溝七生子というひと』晶文社

伊藤精介『浅草最終出口』晶文社

唐十郎特権的肉体論白水社

岡本綺堂日記青蛙房

田辺聖子道頓堀の雨に別れて以来なり』上・下、中央公論社

スタンリイ・エリン『特別料理早川書房

(以上、各50円)


永倉万治『昭和30年代通信』ちくま文庫

都筑道夫『やぶにらみの時計中公文庫

三島由紀夫『行動学入門』文春文庫

二葉亭四迷『平凡・私は懐疑派だ』講談社文芸文庫

日影丈吉『狐の鶏』講談社文庫

木々高太郎『光とその影・決闘』講談社大衆文学

小峰元ピタゴラス豆畑に死す』講談社文庫

小峰元ソクラテス最後の弁明』講談社文庫

いしかわじゅん寒い朝』ちくま文庫

小林信彦家族漂流文春文庫

五味康祐スポーツマン一刀斎』講談社大衆文学

内田魯庵『魯庵の明治講談社文芸文庫

河野典生『いつか、ギラギラする日々』集英社文庫

阿佐田哲也『無芸大食大睡眠集英社文庫

九條今日子『ムッシュウ・寺山修司ちくま文庫

ユリイカ2002年2月臨時増刊号(特集「絵本の世界」)

ユリイカ2002年10月臨時増刊号(総特集「矢川澄子・不滅の少女」)

ユリイカ2003年10月号(特集「煙草異論」)

(以上、各10円)


全35冊。ホントはもう一回りしたかったのだが、持参した袋やビニール袋3つが一杯になり、コレ以上は物理的に持てないので諦める。それにしても、複本(複数の館で購入した本)だとは思うが、最近の本が多く廃棄されているのには驚く。買う側としては嬉しいのだが、今日買われなかった本たちがそのままツブされるであろうコトを思うと、複雑な気分でもある。ともあれ、欲しい本を安く分けてくれて、台東区中央図書館さん、ありがとう。来年も必ず行きますので。


青柳さんと別れ、次田さんとタクシー三ノ輪駅の交差点へ。雨は上がった。国際通りのあたりで、アセテートの中谷礼仁さんと待ち合わせ。中谷さんは現在大阪在住だが、生まれも育ちも三ノ輪だという。80歳になるお父さんも一緒に、行きつけだというそば屋へ。まだ開いてなかったので、国際通りをちょっと入ったところの古本屋田中書房〉へ。狭いながらも、文庫が充実していい店。また来よう。また戻って、〈角萬〉というそば屋へ。1階はスデに満席で、2階の座敷に上がる。大阪で会ったとき、「ぼくはココの蕎麦で育ったんです」と中谷さんがしきりに云っていたが、東京蕎麦なのに、麺が太い。まるで、うどんかホウトウだ。ぼくは冷し肉そばというのを頼んだが、ずいぶん食べでがあった。戦前からこの地に住んでいるという、中谷さんのお父さんのハナシはじつにオモシロイ。この年で、お上に頼らず一人暮らしで、しかも反権力志向。昔は市民運動ミニコミも発行されていたという。この親にして、アセテートの中谷さんアリ、という気がしました。


二人と別れて、次田さんとバスに乗って西日暮里へ。荷物が重すぎるので、一度マンションに下ろしに行き、〈古書ほうろう〉へ御案内。そのあと目白高田馬場に向かうツモリだったが、夕方に銀座に行きたいというので、不忍ブックストリート巡りに切り替える。〈いせ辰〉→〈ショップnakamura〉→〈往来堂書店〉→〈結構人ミルクホール〉(『東京人1992年12月号〈特集「東京うまいもの屋さん列伝」〉と、久住昌之小説 中華そば「江ぐち』新潮OH文庫、を買う)→〈青空洋品店〉→〈NOMAD〉→〈オヨヨ書林〉(江国滋『語録・編集鬼たち』産業能率短大出版部、を買う。650円)と回る。オヨヨで旬公と待ち合わせ。千代田線で次田さんと別れて、歩いてウチまで帰る。


旬公がオヨヨで買った、『牧神』(牧神社1977年11月の特集「都市の肖像」を眺める。天沢退二郎荒川洋治の「わが都市体験」、片山健の絵、ベンヤミンの「パリ・鏡のなかの都市」、池内紀の「橋人間 カフカプラハ」、そして海野弘パリの地下都市 バルザックユゴー」など。なかなか読ませる特集だなと思って、奥付を見たら、編集人は堀切直人さんだった。牧神社嘱託(?)だったとは聞いていたが、こんな特集もやってたのだな。さすがである(ホントはココで、右文書院の『本との出会い、人との遭遇』がパッと出てくればイイのだが、例によって見つからず。各自、参照されよ)。内容もさることながら、巻末に載っている各社の広告がおもしろい。その版元は、白水社幻燈社、南方社、れんが書房新社、国書刊行会奇想天外社、すばる書房、南柯書局、立風書房青土社、イザラ書房、サバト(本来は漢字)館、青銅社、森開社、北冬書房沖積舎、月刊ペン社、書肆山田社会思想社。どこもイイ本出してるんだよなあ。いま残っているのは、このうち8社ぐらいか。


本駒込図書館のポストに本を返し、生協で晩飯の買い物。夜は、キムチ鍋の残りと、〈マミーズ〉で買った豆腐ラザニアビデオで《ギガンティック》(2000、ドイツ)を観る。ハンブルグの街でウダウダしている三人組の青年の、ある一夜を描く。『中退アフロ田中』のようでもあり、『THE三名様』みたいでもある。映像がおもしろかった(とくにサッカーゲームのシーン)し、テクノ中心の音楽もヨカッタ。これは拾い物。


長くなってしまいました。ココまで付き合ってくださった方に、プレゼント。ダブリと知りつつ買った、長谷川郁夫『われ発見せり 書肆ユリイカ伊達得夫』を欲しい方に差し上げます。東京在住で、先着1名さまのみ受け付けます。神保町書肆アクセス〉に預けておきますので、受け取ってください。畠中さん、勝手に受け渡し場所にしてしまって、ごめん。

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2005-11-11 神保町で出会ったヒトたち

朝9時起き。出勤日。午前中はブックカフェ本の連絡や、企画のまとめなど。書類をまとめているウチに出る時間になり、すきっ腹を抱えて神保町へ。昨日に続けて、〈Folio〉へ。P社のYさんが先に来ている。そのうち、海野弘さんが来る。新刊の『陰謀幻想の大アジア』(平凡社)をいただく。装幀は間村俊一さん。筑摩書房などでの間村さんの装幀とは違うが、コレはコレでかっこいい。P社で出す単行本の打ち合わせ。現時点での目次案を見せる。来年3月刊行に向けて、遅れた分を取り戻さねば。Yさんが帰ったあと、G社での企画の相談。打てば響くように答えを返してくれるヒトなので、さっそくいくつか具体的なアイデアが出た。それやこれやで3時間近く。


店を出ようとしたら、坪内祐三さんに声をかけられる。お目にかかるのは久しぶり。「今度ゆっくり話しましょう」と云ってもらい、なんだか嬉しかった。そのあと、〈三省堂書店〉で資料を探していたら、右文書院の青柳さんから電話。「いま、〈ぶらじる〉で堀切さんといるんですが、来ませんか」と。店に行き、青柳さんから、『ぼくの早稲田時代』の三校を受け取る。堀切さんには、今月中に刊行の『浅草』第4部の目次を見せてもらう。戦後芸人列伝の章には、いまから大期待。


3人揃ったからと、〈書肆アクセス〉に行き、今度の「東京者」フェアで使う写真を撮影される。そのあと、水道橋方向のそば屋(堀切さんのお気に入り)に行き、鈴木地蔵さんと合流。飲んでいると、今度は旬公から電話神保町にいると。先に失礼して、〈クラインブルー〉の前で旬公と会い、南欧料理〈Ole Ole(オーレ・オーレ)〉へ。5月の「東京スムース友の会」の会場に使った店。店長が「お客さん、前にもいらっしゃいましたか?」と訊くので、そのコトを云うと、「ああやっぱり、お顔に特徴があるので……」と云われる。遠慮せずに、「丸い顔」だって云えよ。


今日は神保町でやたらとヒトに会い、賑やかな一日だった。こんなグーゼンはめったにない。それもあって疲れたので、仕事は朝早く起きてやるコトにして、早めに寝た。

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2005-11-10 神保町で書店回遊&打ち合わせ

9時起き。今日は出勤日ではないが、昨日終わらなかった仕事があるので、10時半ごろに出勤。あちこちに連絡してるウチに1時半になり、急いで出かける。ここ数日、えらくバタバタしてるなあと、自分でも思う。たぶん神保町一まずいと思うが出てくるのはやたら早い某店で、モヤシ炒めとチャーハンという妙な定食を食べる。〈Folio〉でライターのYさんとK社のIさんと会い、ある連載を単行本にまとめるハナシ。うまく行きそうで、ホッとする。


書肆アクセス〉に寄り、季村敏夫『木端微塵』(書肆山田)、『トスキナア』第2号、『本の雑誌』12月号を買う。季村氏の詩集は、活版印刷、鬼海弘雄写真、間村俊一さんの装幀という、完璧に美しい本で、先日海文堂で見かけたときに強烈に欲しいと思ったもの。『本の雑誌戸川安宣さんの連載「少年の夢、夜の夢」、今回はミステリ同好会SRの会」について。桂千穂も出てくる。戸川さんにSRの会を紹介したのは、「HMMFC(ハヤカワ図・ミステリ・マガジン・ファン・クラブ)で知り合った関西在住の今朝丸真一さん」とあって、ビックリ。この方、「モクローくん通信」(サボっててすいません)の読者でもあるのだ。〈書泉グランデ〉では、小林信彦テレビ黄金時代』(文春文庫)、『東京少年』(新潮社)、杉作J太郎『男の花道』(ちくま文庫)、本田透萌える男』(ちくま新書)ほかを買う。数冊は書評用の本なり。杉作本の表紙やナカの写真は、阿佐ヶ谷〈よるのひるね〉で撮影されている。ちくまのコーナーには、20周年記念復刊が並んでいた。種村季弘編『東京百話』全3巻も。初刊時には680円だった「天の巻」が、今回は1313円、つまりほぼ倍の値段である。コレを高いと見るか、妥当と見るか。とりあえず、そのうち1セット買っておこう。


〈ぶらじる〉に入り、〈田村書店〉の外台で買った、臼井吉見『残雪抄』(筑摩書房)300円、をパラパラ。この本には、筑摩の創業者・古田晃の追悼文が2本入っているが、「たいへんだったね」という一編からは、晩年古田の苦悩が伝わってくる。右文書院の青柳さんがやってきて、川崎彰彦『ぼくの早稲田時代』の再校戻し。栞のゲラも書いてくれた方に発送した。


ウチに帰り、ちょっとだけヨコになるが、自転車に乗って〈往来堂書店〉へ。ココでも書評の候補として、橋爪紳也『あったかもしれない日本 幻の都市建築史』(紀伊國屋書店)、P・K・ディック『ウォー・ゲーム』(ちくま文庫←これも20周年復刊)、太陽レクチャーブックス『本屋さんの仕事』(平凡社)、間羊太郎『ミステリ百科事典』(文春文庫)を買う。そのあと、〈ブックオフ〉で、仁木悦子仁木兄弟の探偵簿2』(出版芸術社)105円。〈古書ほうろう〉で、伊丹十三『再び女たちよ!』(文春文庫)100円。


夜は、以前からやっている、ある単行本の収録原稿を選定する。どれを入れても良さそうなので、外すのに苦労する。コピーをあっちに持ってきたり、こっちに持ってきたりで、どうやら流れがつくれたかな、と思う。明日はその打ち合わせ。「書評のメルマガ」を編集して発行し、日記を書いたら1時半だ。


書評のメルマガ」でも紹介しましたが、〈書肆アクセス〉でフェアがあります。少しでも売上があがればイイと思ってますので、どうぞよろしく。


 神保町すずらん通りの書肆アクセスで、11月14日(月)〜12月3日(土)まで、「東京者〜とうきょうもん〜 青柳隆雄・南陀楼綾繁堀切直人東京セレクション」と題するフェアを行ないます。

 文芸評論家で『浅草』4部作を刊行中の堀切直人氏、その担当編集者古本好きである右文書院の青柳隆雄氏、そして地方出身なのに東京がやたらと好きな南陀楼綾繁の三人が、東京について書かれたエッセイ・ルポ・評論・小説など48冊を選びました。それをアクセスが【浅草】【まち】【ひと】【時代】と分類してくれました。

 期間中、フェア対象書籍をお買い上げの方に「東京者〜とうきょうもん〜」フェア・リスト差し上げます。

 ちくま文庫の復刊で、待望の種村季弘編『東京百話』全3巻が出たコトでもあり、この機会に、東京に関する本を読んでみたいという方は、ぜひ覗いてみてください。

書肆アクセス 千代田区神田神保町1-15

電話03-3291-8474

http://www.bekkoame.ne.jp/~much/

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2005-11-09 石井輝男の東京

朝9時起き。メールブログを見て、ほおが緩む。まず、山本善行さんから「びっくり」という件名のメールで、「驚きました。私が隠してた本は、ジャン・グルニエ『孤島』だったのです。確か、井上究一郎訳でしたね。河上君が買っていたとは。くやしいので今から酒のみます」だって。わーい、ソムリエに勝ったあ、と無邪気に喜ぶ。それにしても、あれだけ掘り出しものをしてて、さして珍しくないハズの本を買われたことをくやしがるとは、このファイトは見習いたい。


もうひとつ。「Web読書手帖」(http://yotsuya.exblog.jp/)で、平岡正明哲学落語家!』(筑摩書房)に、ぼくの名前が出ていたとある。


<P.S. − 担当長嶋さんからWEBサイトから拾った記事だとFAXが来た。「有明夏夫さん死去(二〇〇二年十二月十七日)。好きな作家を挙げろと云われたら、おそらく20番までには入るであろう小説家が66歳で亡くなった。肝不全とのこと。新聞訃報欄に小さく載っただけで、その後、文芸欄でもまったくフォローがない。」発信者は南陀楼綾繁有明作品を近時目にしないのを不思議に思ってのことだった。亡くなったのか。>p231


コレにはビックリしたなあ。じつは、この本、筑摩の長嶋さんが送ってくださっていたのだが、続いて出た『東京ジャズ喫茶伝説』(平凡社)に先に取り掛かったので、まだ中身を見てなかったのだ。一言教えといてくださいよ〜、長嶋さん。それにしても、桂枝雀主人公とするこの本に、有明夏夫が出てくるとは。有明の『大浪花諸人往来』がNHKドラマ化されたときに、枝雀が主演だったのだが、そこまでハナシが広がっているのはスゴイ。ちなみに、「好きな作家を挙げろと云われたら、おそらく20番までには入る」というのは本音で、デビュー作の『FL無宿の反逆』から最後の作品『誇るべき物語 小説・ジョン万次郎』までぜんぶ好きだ。『季刊・本とコンピュータ』でエッセイを書いてほしくて、「デジタル捕物帖を夢想する」(有明氏はハッキング小説も書いているほどなので、コンピュータに強いのではと想像していた)というテーマまで立てていたのだが、依頼に至らず終わったのが残念だった。そのヒトの名前と並んで、平岡氏の本に引用されたのは、とてもウレシイ。


仕事場に行き、ブックカフェ本のゲラしゃかりきでやる。確認すべきコトが多すぎて、昼飯を食いに行くヒマもない。会社女性が買ってきてくれた麻婆豆腐テイクアウトがウマイ。5時半にようやく区切りをつけ、市ヶ谷へ。〈ルノアール〉でKさんにゲラを渡す。表紙のラフも見せてもらう。ナカナカいい感じの本になりそう。打ち合わせを終え、急いで有楽町線に乗って池袋へ。〈新文芸坐〉での石井輝男特集。明日からは興味のない作品なので、ぼくにとっては実質今日が最終日。入ると、一本目がはじまったところ。《女体桟橋》(1958)という題名はイカニモだが、中身はつまらん。20分ほど寝た。


しかし、2本目の《セクシー地帯(ライン)》(1961)は、スゴかった! 冒頭から最後までずっと三原葉子に引きずられっぱなしの吉田輝雄の「好男児かつヌケ作」な演技には、ほおを緩めっぱなし。吉田の「ぼくは猟奇的なことにとても興味があるんだ」というセリフは、10年後の石井映画で彼が残酷&異常&猟奇の実践派として再登場する経緯を知っているだけに、複雑な気分(この頃はまだ純情だった……)。二人が監禁され、ナイフで紐を切るときの、意味なくセクシーなシーンも可笑しい。平岡精二クインテット音楽もノリノリ。


そして、この映画の最大の見所は、予算のない新東宝映画ならではの、屋外ロケの多様ぶりだ。銀座の飲み屋街の路地や、浅草浅草寺近く、新橋SL広場、東京駅の丸の内改札など、群集の中で普通に撮影している。《黒線地帯》でもそうだったが、この映画にも川のシーンが出てくる。銀座松竹を見上げる川に、貸しボート屋があったんだなあ。場内でグーゼン会った塩山芳明さんも、この映画を絶賛。「新橋のシーンで、『笑いの泉』って雑誌イルミネーション看板のあるビルがあったろ。あれは(エロ雑誌出版社の)一水社が借りていたビルだよ。あそこは、あれで儲けたんだから。あのビルの中に、赤瀬川原平なんかの展覧会をやった画廊があったんだよ」。この画廊は、宮田内科という医院がやっていた「内科画廊」のことだ(http://www.tctv.ne.jp/sparabo/edt_tk/editor3-202.html に詳しい)。ともあれ、1961年東京の空気をじかに感じられる映画だった。《珈琲時光》が2004年東京を描いていながら、なんの空気も感じられないのと対照的だった。


塩山さんに飲みに誘われるが、やるコトが残っているので、ウチに帰る。残り物で夕飯を食べ、取材先からの直しをゲラに反映する。

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2005-11-08 買った本あれこれ

関西旅行中に買った本を、以下に挙げておく。冊数は多いけど、単価は安い。以前に比べると、やはり高い本に手が出しにくくなっている。


◎いとへん(新刊)

浜七重『天の継糸』(SKKY)1800円

浜本隆司『シェイプス』(SKKY)525円

『SOME TENDERNESS』(BOOKLUCK publishing room)1260円

『日々』第1号、600円


古本喫茶 伽羅

内田百間『友達』(開発社、昭和17)1000円


西宮大谷記念美術館

『生誕100年 今竹七郎大百科展』図録、1500円


口笛文庫

中野日出男『銀ぶら読本3 銀座随筆』(銀座案内社)400円

『婦人の就職案内』(『婦人倶楽部』昭和28年11月号付録)600円←表紙・目次は亀倉雄策

色川武大『唄えば天国ジャズソング 命から二番目に大事な歌』(ミュージック・マガジン)1000円

海野弘パリの手帖』(マガジンハウス)1200円


◎宇仁菅書店

古木鐡太郎『大正作家』(桜楓社)1500円


◎海文堂書店(新刊)

植村達男『ある情報探索人の手記』(創英社)1800円


◎知恩寺・古本市

中谷孝雄『無名庵日記』(朝日書林)1000円

草野心平『凹凸の道 対話による自伝』(文化出版局)3冊500円

中島河太郎・紀田順一郎編『現代怪奇小説集1』(立風書房)3冊500円

ジャン・グルニエ『孤島 改訳新版』(筑摩書房)3冊500円

田中小実昌香具師の旅』(泰流社)3冊500円

百目鬼恭三郎『現代の作家一〇一人』(新潮社)3冊500円

『W-Notion NO.2』(UPU)3冊500円

『現代風俗学研究』第5号(特集「風俗学の巨匠たち」)3冊500円

果物(あれ)の一ばんおいしい食べ方』(『人魚昭和27年10月号付録)3冊500円

菊村到『山を見るな』(集英社)3冊500円←装幀・勝呂忠

野田宇太郎『新東京文学散歩』(角川文庫)3冊200円

小島政二郎『眼中の人』(角川文庫)3冊200円

獅子文六青春怪談』(新潮文庫)3冊200円


◎思文閣

平山三郎『実歴阿房列車先生』(朝日新聞社)800円

城夏子『水上音楽』(講談社)200円

丸谷才一伊東光晴編『新著百選』(朝日新聞社)50円

伊藤整小説の方法』(新潮文庫)50円


京都パラダイス林哲夫展)

『SHAPES OF BOOKS TETSUO HAYASHI』500円×2冊


阪急百貨店古本ソムリエ山本善行ノ世界)

巌谷國士映画の一季節』(青土社)1200円


◎ミハス・ピトゥー

ヨゼフ・ラダの塗り絵冊子、294円


◎calo・石川さんにもらったチェコの本

『kniha pritel cloveka』←本をネタにしたマンガ集(?)


◎酒仙堂

『ヤングエース』1968年7月号、800円←タイガー立石が「ストンコ・チンコ商会」という32ページにわたるパロディ記事を書いている。

プレイガイド・ジャーナル編著『神戸青春街図』(有文社)350円←初版を所持していたが、これは改訂3版。どう変わったか、見ておきたい。


◎ならまち文庫

藤本義一『大いなる笑魂』(文春文庫)100円


◎古書喫茶 ちちろ

ユーカリ編集部『追想・福田正夫 詩と生涯』(冬至書房新社)900円

子母澤寛『愛猿記』(文藝春秋)500円←旬公へのお土産。口絵の写真がお気に入り。


はい、以上。で、今朝は9時起き。出勤日。これまでに集まったブックカフェ情報をもとに、リストへの掲載許可の依頼状を出す。午後は、野口英司さんに来ていただき、社内のパソコンネットワークの整備。野口さんから、新刊の『インターネット図書館 青空文庫』(はる書房 http://www.harushobo.jp/)1500円、をいただく。野口さんが編者になり、青空文庫のこれまでの歴史や、かかわってきた人たちへのインタビューをまとめたもの。付録DVDには、著作権切れの4843作品を収録している。以前、HONCO ONDEMANDで『青空文庫へようこそ』という本を編集したコトがあるが、あれから5年経った時点での問題が整理されている。


7時半に出て、西日暮里へ。〈サミット〉で買い物して帰る。晩飯は、鶏肉とゴボウ、コンニャク、かまぼこの煮物。テレビ大林宣彦監督の《理由》を見るが、テレビ放映用特別バージョンだとかいう、正気とは思えないような浮ついた構成にうんざりして、テレビをつけたままゲラのチェックをする。もう12時半だ。一日が短くて困る。

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2005-11-07 朝10時に京都で、午後には西日暮里だった

9時に起きて、宇多さん宅をあとにする。近鉄奈良駅の地下で土産を買い、京都行きの特急に乗る。体力があれば、もう一度大阪に戻って、行きたい場所があったが、明日は仕事だし、まっすぐ帰ることにした。ちなみに、今回行けなかったのは以下の場所。


大阪市立近代美術館準備室の「旅するエキゾチシズム」展

ATCミュージアムの「吉原治良」展

★ブックカフェ〈大大阪〉(ちょうちょ福島さんに教えてもらった)

古本屋〈一色文庫

★5ショップ合同スタンプラリー「東欧生活ザッカ物産展」

なかでも、京都アンジェ河原町店で、チェコマッチラベルを販売と、神戸の〈チェドック・ザッカストア〉でチェコ絵本音楽CDを販売。

梅田かっぱ横丁古本屋ワゴンセール山本さんに教えてもらった)

★その他、ブックカフェ3、4店


……これ全部行くのには、あと2日は必要だった。


京都からのぞみに乗る。車内で、持ち歩いていた小林信彦『1960年代日記』を読了。三回目ぐらいだが、また新しい発見があった。この日記は本人による抄録なので、批判する場合には固有名詞はイニシャルにしてある。しかし、一人だけ、実名で強烈に批判されているヒトがいる。さて、それは誰でしょう?


12時半、東京駅に到着。架線事故とかで山手線が止まっているので、京浜東北線で帰る。ウチにたどり着くと、ゲラが待っていた。書評を書いた『コンフォルト』、コメント取材されたのに一向に雑誌を送ってこなかった某ムックも届いていた。メールをチェックして、しばらく眠る。夜は、旬公のつくった豚汁と、土産の京漬け物で晩飯。ビデオで、ジム・ジャームッシュ《ダウン・バイ・ロー》(1986、米)を再見。最初見たときには、カッコイイ映画だと思っただけだが、今回は大いに笑う。そのあと、関西での日記を書く。買った本はまだ届かないので、あとで書きます。

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2005-11-06 午前11時に大阪の古本屋に入れず、午後11時に奈良の古本喫茶だった

朝9時起き。かなり激しい雨が降っている。買った本の発送を前田くんに頼み、前田家を出る。日本橋で下りて、千日前の辺りをぶらぶら。〈ジュンク堂書店〉で、蛭児神建(元)『出家日記 ある「おたく」の生涯』(角川書店)を買う。前田くん・北村くんが激賞している島之内の〈一色文庫〉に行くツモリで、電話するが、開店時間の11時過ぎても電話がつながらず。いまさらほかの場所に行く時間もなく、道頓堀を歩いて時間をつぶし、店の辺りまで行ってみる。スナックのあるものすごく細い路地を入ったところに、看板があったが、シャッターが閉まっていた。大通りまで戻って、〈元祖ぼてぢゅう〉でブタ・イカ入り焼きそば。どこが元祖なのか知らんけど、けっこう高いワリには、味も量もいまいちでした。そのあと、〈昭和書籍〉という古本屋があったので覗き、また〈一色文庫〉に電話してみるがつながらず、断念する。旅先で、営業時間を守らない店にぶつかると、予定が来るって困る。


近鉄に乗って、西大寺で乗換え、郡山に1時半着。青柳さんが先に来ていた。バスに乗って、川崎彰彦さん宅へ。迷わずに着けた。青柳さんを引き合わせ、いくつか確認をするのもソコソコに、ビールが登場。当銘さんの料理はうまい。そのあと、ワイン焼酎チャンポンに飲み、4時ごろ辞去する。東京に帰る青柳さんと西大寺で別れ、奈良へ。もう薄暗くなっている。もちいどの商店街の〈フジケイ堂〉→〈朝倉文庫〉→〈十月書林〉と回るが、ナニも買わず。〈酒仙堂〉に行くと、宇多さんが来ていた。ご主人にお茶をいただく。〈ならまち文庫〉も見るが、半分は河瀬直美ショップになっていて、本は文庫がほとんど。うーむ、前のほうがヨカッタなあ。


〈よつばカフェ〉に行き、ケーキコーヒー来年3月に、ココで「チェコマッチラベル展」をやらせてもらうことになったので、二階にあがって、展示の方法を検討する。なんとかイケそう。7時すぎまで休憩して、また駅のほうに戻り、CDショップジャンゴ〉に寄る。点数は少ないが、毎回、欲しいCDが見つかる店だ。渋谷系ソフトロックな店なのに、店長がぼくとつなカンジなので、居心地がいい。QYPTHONEの2枚組(これまでの全アルバムに新曲をプラスしたもの)[キップソーン エピソード1]を買う。


〈蔵〉に行き、予約していたカウンター席で飲んでいると、宇多さん、カメラマン太田順一さん、『ぶらり奈良町』の島田さんが来る。あとから〈酒仙堂〉のご主人も顔を出す。太田さん、今日は沖縄のイベントがあって、かなり泡盛を飲んでいたらしく、熱っぽくいろんなハナシをしておられた。10時ごろに店を出て、宇多さん宅、つまり〈古書喫茶 ちちろ〉へ。開店して半年経って、少しは店らしさが出てきたようだ。一階に布団を敷いて寝るが、夜中に猫がやってきてニャーニャー鳴いたり、蚊がいたりで、安眠とはいかなかった。

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2005-11-05 朝10時に京都の古本市で、夜11時に大阪の飲み屋だった

kawasusu2005-11-05

朝8時に起きて、前田くんと出かける。北浜京阪に乗り換え、京都へ。出町柳で降り、10分ほど歩くと、京都大学が見えてくる。まだ10時前だというのに、古本屋の前に棚が出ている。それを横目で眺めつつ、知恩寺に到着。おお、もう開いてるじゃないか。山門を入って、参道の左右にテントが展開している。多くの店は、棚のほかに、均一台を設けている。なぜか3冊500円というのが多いのが、オモシロイ。扉野良人さんから教えてもらった〈赤尾照文堂〉〈キクオ書店〉などを見ていると、山本善行さん登場。そのあと、どの均一台の前にも山本さんの姿あり。〈赤尾照文堂〉の均一は、最初は3冊1000円で、数日後に500円に下げるのだそうで、初日に見つけて隠しておいた本を誰かに買われてしまったと、山本さんは不満げ。「アレ、ぼくの本やったのになあ」と。11時半に集まる約束だったので、最後は駆け足になってしまった。それでも、音に聞く京都の屋外古本市を体験できたので、嬉しかった。


山本さん、前田くん、北村くん、右文書院の青柳さんというメンバーで、〈進々堂〉でカレーセットを食べる。あとから、扉野さんと東京からやってきた〈西秋書店〉の西秋さんも合流。いつものコトながら、山本さんのリアル古本泣き笑い日記」に抱腹絶倒。そのあと、前田、北村、青柳と近くの〈思文閣〉へ。ココでも古本市をやっているのだ。といっても、量は大したコトがないが、50円、100円、200円、500円と小刻みに均一台があった。


タクシーに乗り、京都市美術館の辺りで降りる。〈山崎書店〉2階の〈京都パラダイス〉で林哲夫さんの展覧会を観る。今回は自分で装丁した本や雑誌と、林さんが選んだ文字の使い方のいい古書を展示している。後者を手にとって、「これ、いくらですか?」と訊く人が多いとか。ぼくも欲しい本あったので、「知恩寺と同じように、最終日に一袋500円のセールをやったらどうですか?」と進言するも容れられず(アタリマエだ)。昨日グーゼンお会いした中嶋さんもいらして、みんなでお茶を飲む。ここの縁台は妙に和む。林さん、青柳さんと、川崎彰彦さんの本の装幀の打ち合わせ。


またタクシーに乗り、八坂神社で下りる。あとで行く店の場所を確認して、河原町阪急百貨店へ。5階で「古本ソムリエ山本善行の世界」を見る。一冊ずつ面出しで展示されている。デパートでこのスペースの使い方は、かなりゼイタク。上品デパートの女店員さんがいらっしゃると思ったら、山本さんの奥様であった。「今度ウチにも遊びに来てください」とおっしゃってくださる。行きます、行きます。


これから大阪古本屋を回るという青柳さんを、前田くんに案内してもらうことにして別れ、その辺を歩く。売却され、新しい店の建築中の〈丸善〉の前を通る。新京極に出て、〈スタンド〉でビールを飲む。ココで飲む昼酒はたまらなく好き。〈ジュンク堂書店〉を覗いたり、漬物屋で漬物を買ったりして、4時半に〈ミハス・ピトゥー〉へ。1階と地下は雑貨と服。2階がカフェだが、観光客の多い時期の土日は対応できないので閉めているとか。もったいない気もするが、ひとつの見識だろう。


四条から京阪に乗って、大阪へ。買った本を持って、立っているとつらくなってくる。以前は一日中歩いても平気だったのに、さすがにトシかなあ。北浜に着いて、〈アトリエ箱庭〉へ。華雪さんの篆刻教室の最中だった。お茶を飲んでちょっと休ませてもらい、タクシーで北堀江へ。〈ちょうちょぼっこ〉で、青柳・前田と合流。あとから北村くんも。さらに、編集出版組織体アセテートの中谷さんと北浦さんも。


ちょうちょの福島さんと真治さんの案内で、歩いて10分ほどのトコロにある、〈大坪商店〉(だったかな?)という飲み屋の座敷に落ち着く。あとから、箱庭の幸田さんと、京都で〈café de poche〉という本のイベントをやっている女性(お名前失念)、caloの石川さん、ちょうちょの次田さんが来て、総勢12人になった。女性率高し。ふだんのぼくは、大人数の飲み会は苦手なのだが、関西に来るとこの機会にと、いろんなヒトに声をかけてしまう。勝手なモノなり。ハナシはあっちこっちに行ったが、これからぼくがやりたいコトのヒントをもらったような気がする。


11時半頃に解散。この時点で終電がけっこうヤバイ。梅田ホテルに泊まる青柳さんをなんば駅に送るが、えらく遠くて、荷物が重く、途中ではぐれてしまう。携帯で連絡とって前田くんと落ち合い、阪急鶴橋まで行き、そこからタクシーに乗る。前田家には1時着。楽しかったけど、疲れた。もう38歳なのだから、旅先での予定は1日3ヵ所まで、会うヒトは1日3人まで、としたいのだが、きっと守れないだろうなあ。

写真は知恩寺前で。左から前田くん、山本さん、青柳さん、南陀楼。撮影は「エエジャナイカ」北村くん。

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2005-11-04 朝6時に大阪で、夜10時は神戸だった

kawasusu2005-11-04

昨夜は8時半にウチを出て、山手線に乗る。旅先で再読しようと持ってきた、小林信彦『1960年代日記』(ちくま文庫)を開くとたちまち引き込まれ、新宿で降りるハズが、間違えて高田馬場で降りてしまう。新宿に着いて、急いで西口の地下通路を歩く。都庁の駐車場が見えてこずに焦るが、出発15分前にはなんとか到着。ずーっと前に、だだっ広い駐車場の近くの大衆食堂でバスの出発を待っていたら、置いていかれて焦る、という夢を見たコトがあるが、この駐車場の広さと殺風景に似てる。ココを出発して、ディズニーランドに回り、それから京都に向かう。


バスは1席ずつ独立ではなく、二人掛けで隣はおじさん。足を伸ばす空間も少ない。前の座席が後ろに倒してくると、膝が押し付けられてくる。5000円だからしょうがないが。しかも、後ろに大学生らしい男女のグループがいて、出発前から大騒ぎしている。いやな予感がしたが、こいつら、消灯後、1時近くなっても喋っていた。小型のラジオを聴くが、バスのナカでは雑音が入って、聴き取れない。それでもいつの間にか眠ったらしく、眼が覚めたら大阪だった。


終点のなんばには6時到着。地下鉄で今里へ。いつも世話になる、「大阪のチン」こと前田和彦くんの家へ。まだ6時半で非常識なのだが、時間のつぶしようもなく、電話して家に入れてもらう。1時間ほどヨコになって休み、前田くんと出かける。天神橋筋六丁目で降りて、商店街をブラブラ。〈プランタン〉という喫茶店に入ったり、〈天五古書店〉を覗く。そのあと、〈いとへん〉へ。ギャラリーカフェ+ブックショップという形態。〈古本喫茶 伽羅〉も近いですよ、とAさんが云うので、場所を聞いて行ってみるが、さんざん探しても見つからず。店に電話して場所を聞き、さらに歩いていて偶然お会いした中嶋大介さん(8月のcaloでのトークショーにいらした方)にも教えてもらって、たどり着く。小さいけど、いい本を置いている。奥に喫茶スペースあり。


ココから阪急神戸方面へ。西宮北口で降り、うどん屋に入る。関西に来ると、1回はうどんが食べたくなる。絵本を置いているカフェ〈SHIOSAI〉で、コーヒー喫茶コーナーと食事コーナーで入口が別の広い店。あとで、ちょうちょぼっこの次田さんに、「あそこのパスタ食べなかったんですか。美味しいのに……」と云われるが、あのときは、うどんが食べたかったのだった。また阪急に乗り、夙川で降り、川のほとりの遊歩道をちんたら下り、西宮大谷記念美術館http://www9.ocn.ne.jp/~otanimus/)へ。「今竹七郎大百科展」を見る。「オーバンド」などの商品パッケージや企業ロゴを手がけたデザイナーの回顧展。戦前新聞広告や、戦後キャバレー広告がおもしろかった。また、金持ちで多趣味なヒトだったらしくミニチュア機関車レコードカメラなどのコレクションも展示されていた。2フロアをたっぷりと使った、贅沢な展示のやりかただった。しかし、このヒト、出版関係の仕事はホトンドしてないんですね。本好きが展覧会に行くときは、雑誌や単行本を見るのが楽しみなのだが、学生時代の同人誌以外に本の類がなかったのは、ちょっと残念。


また夙川に戻り、六甲で降りる。「エエジャナイカ」北村くんのお気に入りの〈口笛文庫〉に初めて行く。「ジャズ古本」だっけ、「古本ジャズ」だっけ、看板に書かれている。本はサブカルチャーから哲学文学まで多岐にわたる。大きな店ではないが、中央に棚でなく、低い台を置いているせいか、広く感じた。ジャズ中古CDほか、「澤野工房制作ジャズCDも扱っている。〈古書ほうろう〉をギュッと縮めたみたいで、ぼく好みの店だった。店を出ると、辺りは暗くなっている。さらに下り、〈宇仁菅書店〉も見る。


JR六甲道から元町へ。〈ちんき堂〉で戸川昌士さんに挨拶。飲み会に誘う。南京街の裏に入り、小さな服屋、雑貨屋が並ぶ一角のビルの4階にある〈vivo,va bookstore〉に初めて行く。狭いスペースに直販の単行本、雑誌がたくさん。古本も置いている。店長のMさんに挨拶すると、「『チェコマッチラベル』、売れましたよ」と云ってくれる。Caloから復刻マッチも仕入れている。〈海文堂書店〉に行き、福岡さんに会う。そのあと、いつもの〈松屋〉3階で、海文堂の皆様、戸川さん、〈烏本舗〉の川辺さんたちと飲み会。前から聞きたかった、古本屋になる前の戸川さんの経歴を教えてもらい、一同驚愕。とてもビックリ。


10時過ぎまで飲み、ぼくと前田くんは先に失礼する。JR大阪に出て、環状線に乗り換え、玉造で下りる。そこから20分ほど歩いて、12時前に前田家に帰着。風呂に入らせてもらい、メールだけチェックして、すぐ眠る。以上、買った本については、改めて書きます。

写真は〈古本喫茶 伽羅〉の均一台。

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2005-11-03 神田古本祭りで花森安治本に出会う

8時起き。原稿のアカ入れを30分ほどやり、池袋へ。〈新文芸坐〉の石井輝男特集。今日は天知茂三原葉子コンビの《黒線地帯》(1960)と《黄線地帯(イエローライン)》(1960)。どちらも傑作! とくに前者は、ロケを多用することで、東京オリンピック以前の東京の街を写している。亀戸横浜といった猥雑な街が舞台となっている。また、冒頭からクライマックスにいたるまで、川や海がよく出てきて、この時期の東京にはまだ水辺があったことがよく判る。後者では、神戸のカスバ(貧民街)が舞台となる(パンフによれば撮影したのは横浜らしいが)。このセットはよく出てくるが、《やさぐれ姐御伝 総括リンチ》(1973)の貧民窟のほうが、もっと汚くて精気があった。


丸の内線お茶の水へ。駿河台下へ歩き、〈ザ・ハンバーグ〉でハンバーグランチを食べる。そのあと、今日で終わる神田古本まつりへ。神保町交差点はヒトだかりが多く、とてもゆっくり見てられない。さくら通りの〈ブックパワーRB〉の外の台で、小澤栄太郎・松本克平・嵯峨善兵・信欣三『四人でしゃべった』(早川書房)300円、荒俣宏・倉本四郎『マタさんクラさん世紀末でたとこ膝栗毛』(講談社)400円などを買う。〈三省堂書店〉の会場へ行くと、こちらは少し人が少ない。外で、八木義徳『一枚の絵』(河出書房新社)500円。ナカに入って、東京大学学生新聞会編『私の卒業論文』(同文館)600円という本を手にして、オッと思う。花森安治の装幀だ。ナカを見ると、花森のほか、上林暁渡辺一夫梅崎春生阿部知二らが自分の卒業論文について回想している。こんな本、知らなかったなあ。今日いちばんの収穫なり。


3時ごろウチに帰り、原稿のアカ入れを最後まで。そのあと、国会図書館データベースで書誌事項の確認。ほかに原稿の入力や、メールでの連絡その他。6時半になった。今夜は、9時半の夜行バス大阪に向かう。明日から3日間、大阪神戸京都奈良を回ることになっている。予定はたくさん。体力が残っていれば、日記更新します。では、行って来ます。

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2005-11-02 この空間は誰のもの

8時半起き。出勤日。今日は仕事場のレイアウトを変えることになっている。机の位置は変えずに済んだが、棚を移動させたり新しく入れたりするので、けっこうな肉体労働である。ぼくの机の後ろにも、奥の深い棚が二つ設置された。べつに自分のモノになったわけではないのに、本が入れられる空間ができたというだけで、ウキウキする。棚の上の空間にブックエンドを置けばココも使えるぞ、などと、いろいろ思い描く。半年後にはすべて埋まっているような気がするが。


6時に出て、淡路町から丸の内線池袋へ。〈新文芸坐〉の石井輝男特集。すでに予告編がはじまっていて、暗い中で座席を探す。平日の夜なのに、かなりの人が入っている。今日は《いれずみ突撃隊》(1964)と《ならず者》(1964)。いずれも高倉健主演だ。つまらなくはなかったのだが、昼間の疲れからか、どちらも15分ぐらい眠ってしまった。


10時に終わり、西日暮里に帰って、〈大栄〉で旬公と待ち合わせ。サンギョプサルとドガニタン(牛のスープ)、石焼ビビンバで満腹。ウチに帰ると、五木寛之氏から川崎彰彦『ぼくの早稲田時代』のオビに入れる文章が、ファクスで届いていた。郵便では、金沢〈あうん堂〉の本多さんより、金沢の店のヒトたちがつくるミニコミ『そらあるき』第2号と、「石川古書店マップ」が到着。ちなみに、〈あうん堂〉では来年3月に「チェコマッチラベル展」をさせてもらえるコトになった。

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2005-11-01 西荻で古本によだれ

8時半起き。出勤日。ゲラのチェックを進めながら、「『ブックカフェものがたり』公式ブログ」(http://kawasusu.exblog.jp/)を更新する。リストに追加するつもりの候補を挙げたが、まだまだ漏れがあるような気がする。それと、このリストは「ブックカフェ」だけでなく「ブックギャラリー」も含んでいます。どう違うかといえば、後者は飲み物を提供せず、本を見せることに徹しているワケです。しかし、この辺の定義はあってないようなモノ。結局は、この本に入れたい店を、自分たちで選んでいくしかないだろう。


1時に出て西荻窪へ。K校でH先生と打ち合わせ。具体的なリストが出てきた。そのあと、〈花鳥風月〉で、佐々木嘉信『刑事一代 平塚八兵衛の昭和事件史』(新潮文庫)330円を見つける。三億円事件についても載っている。あと、『ノーサイド1994年5月号を300円で。まだ総合雑誌っぽい時期のものだが、「昭和の日記」という特集があったので。次に〈音羽館〉へ。新刊書店で見かけて買おうかどうか悩んだ、坪井正五郎『うしのよだれ』(国書刊行会)が出ていた。山口昌男監修「知の自由人叢書」の第一回配本。定価8000円が5000円だったので、ちょっと悩んだ末、買うことに。もう一冊、堀切直人『野に属するもの』(沖積舎)1200円。『月の輪書林それから』で引用されている本だ。帯は坪内祐三さんが書いている。さらに、〈興居島屋〉へ行き、石丸さんと立ち話しながら、『茂田井武画集 1946-1948』(JULA出版局)に眼が釘付け。漫画カットまでを網羅した画集のほか、別冊が二冊(漫画の復刻と解説)が付いているのだ。ほ、ほしい……。しかし、1万8000円なので諦める。いつかドコかで(文化祭古本市とか)で出会える日を夢みて。


ウチに帰り、自転車で『おに吉』を配布して回る。〈往来堂書店〉で、「異色作家短編集」2のフレドリック・ブラウン『さあ、気ちがいになりなさい』(早川書房)を見つけた。往年の名シリーズの復刊。デザインも一新している。持っている巻が多いが、星新一訳のブラウンはたしか持ってなかったので、買う。題名を「狂人」とか「サイコ」とかにせず、昔のママにしたのは、見識でしょう。ほかに、『散歩の達人』11月号(特集「80年代東京を歩く」)とムック東京大人のカフェ時間』を。〈古書ほうろう〉では、加太こうじ『街の自叙伝』(日本図書センター)800円と、ウタタネのCDkira kira そっと夜の国](オフノート)を買う。今日はナンだか散財してしまった。


郵便で、〈荻文庫〉から『唖蝉坊の会のこと』というパンフレット(3500円)が届く。わずか24ページの薄さだが、添田唖蝉坊顕彰の会のようすが判る資料。末尾の名簿には知ってる名前がゾロゾロ。阿瀧康さんより詩誌『ガーネット』第47号届く。「今、わたしの関心事」というアンケートにぼくも一文寄せた。行数計算して書いたハズだが、あと5行アキがあった。もうひとつエピソードが入れられたなあ。晩飯(ブリ大根)を食べたあと、原稿のアカ入れを1時ごろまで。ようやく200枚まで終った。

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