ミステリ映画にはクルマがよく似合う

うーむ、また3日ほど間があいてしまった。日記を書くコトに飽きたわけではなく、けっこう書いておきたいことは多いのだけど。1日書かずにいると、その1日分が気になって、当日の日記が書けなくなってしまったりする。日記に振り回されないようにしてきたツモリだが、どこかでそうなってしまっているのかも。


8時半起き。午前中は『進学レーダー』の図書館記事の原稿を書く。12時すぎに書き上げる。昼飯は、旬公のつくったパスタ(シーフードミックスとイカの塩辛乗せ)。1時半に出て、阿佐ヶ谷へ。〈阿佐谷南口駅前のふるほんや〉(これが店名)で、小関智弘『大森界隈職人往来』(朝日文庫)200円、川端要壽『昭和文学の胎動 同人誌「日暦」初期ノート』(福武書店)800円、板橋区美術館『やさし恋と労働歌の街 東京の肖像1920’s』展図録800円を買う。〈ラピュタ阿佐ヶ谷〉で、福田純監督《情無用の罠》(1961)を観る。飛鳥高の『死を運ぶトラック』が原作。陰謀に巻き込まれる元ヤクザのトラック運転手を佐藤允が、いかにも佐藤允らしく演じる。それを見守る刑事役の中谷一郎もイイ。殺し屋は田中邦衛広瀬健次郎の音楽は軽快なジャズ。この前観た《死の十字路》といい、ミステリ映画には車が付き物だ。この種の映画でぼくがもう一度見たいのは、中平康監督《殺したのは誰だ》(1957)。あの作品で鬼気迫る表情で車を運転する西村晃を、ぜひもう一度。


終わって、南口に新しくできた古本屋〈風船舎〉へ。11月23日に通りがかったときには、まだ開いてなかった店。あの日の日記にはナゼか〈風船虫〉と書いてますが、メモの字が汚くて読み間違えたらしい……。昨日の岡崎武志さんの日記を見て、「コレは行かねば」と駆けつけたのだった。内装も自分たちでやったのだろうか。棚の一つ一つへの手の掛け方に感心する。手前は空間をゆったり、奥は適度に入り組んでいるという配置もイイ。買った本は、外の均一で、中平邦彦棋士・その世界』(講談社文庫)100円、店内で、『ノーサイド』1994年12月号(特集「黄金の読書」)300円、海野弘『流行の神話』(光文社文庫)250円、赤塚不二夫『いま来たこの道帰りゃんせ』(東京新聞出版局)800円、福島正実編『日本SFの世界』(角川書店)600円、『ノラ』1977年7月創刊号、8月号、9月号、10月号が500円〜1000円。久しぶりに1店の合計で5000円以上使った。


『日本SFの世界』は福島の死の翌年に出ているが、巻末に本書に収録された作歌による「福島正実氏と私」という追悼文集が付いている。その書き手を挙げると、安部公房荒巻義雄生島治郎石川喬司石原藤夫久野四郎サッポロビール宣伝部)、高斎正河野典生小松左京田中光二筒井康隆都筑道夫豊田有恒半村良平井和正星新一眉村卓光瀬龍矢野徹、山田好夫。そして、息子の加藤喬による「作家と息子」という文章が付いている。これは好資料だ。『ノラ』は「首都圏の新しい女性誌」をうたう、小型の雑誌。何冊か持っているが、揃えてみたい雑誌だ。〈風船舎〉には他にも欲しい本がかなりあったが、いま全部買ってしまうのは惜しい、という気がしてやめておく。もっとも、ぼくがいたときにも3、4人の客さんがいたので、次来たときに目をつけた本が残っているかは判らないがそれでもイイ。


ブックオフ〉を覗くがナニも買わず、中央線に乗ってウチへ。電車の中で『棋士・その世界』を読み出し、そのオモシロさにしびれる。生協で買い物して帰る。晩飯は、鶏肉とキャベツの炒め物に、昼に残ったイカの塩辛の汁をかけたものをつくってみた。意外にうまい。


〈ポラン書房〉さんから、「松坂屋古本フェスタ 銀座ブックバザール」(http://www.bookbazar.jp/index.htm)のチラシが送られてきた。12月22日(木)〜28日(水)、銀座松坂屋・7階催事場にて。プロの古本屋さんのほか、賛助会員の「古本応援隊」による「おみせやさん」を特設。といっても、なんのことやらでしょうが、要するに、オンラインの古本屋や個人が古本などを売ることのできるブースが置かれるのである。EDI、北尾トロSUMUS月の輪書林(売るのは自著)、トムズボックス日本古書通信社、ポポタム、リコシェほかが参加。南陀楼&内澤も古本を出します。まだ、なんも準備してませんが。