ナンダロウアヤシゲな日々

◎この日記は、ライター・編集者の南陀楼綾繁が書いています。
◎新刊『町を歩いて本のなかへ』(原書房)発売中です。
◎著書『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『谷根千ちいさなお店散歩』(WAVE出版)、『小説検定』(新潮文庫)、『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)、『路上派遊書日記』(右文書院)、『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『老舗の流儀 戦後六十年あの本の新聞広告』(とうこう・あい監修、幻冬舎メディアコンサルティング)、編著『チェコのマッチラベル』(ピエ・ブックス)、共著『ミニコミ魂』(晶文社)。
◎ご感想・ご連絡は南陀楼綾繁 まで。
◎「不忍ブックストリートの一箱古本市」は毎年春に開催します。
詳細は不忍ブックストリート公式ホームページもしくは、しのばずくん便りをご覧ください。
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2006-01-27 第2回「一箱古本市」のお知らせ

公式サイト往来堂、ほうろうのサイトで告知済みですが、自分のトコロに載せるのをコロッと忘れていました。遅まきながらお知らせです。


★第2回「不忍ブックストリート一箱古本市」のお知らせ

 昨年4月に発行した「不忍ブックストリートMAP」の改訂版を、今年春に発行します。これにあわせて、第2回「不忍ブックストリート一箱古本市」を行ないます。

これは、谷中根津千駄木エリアの書店雑貨店、ギャラリーカフェなど15店舗の軒先をお借りして、青空古本市を開くものです。100人の出品者が一箱ずつ古本を持ち寄り、販売します。

不忍ブックストリート MAP」を片手に、街を散歩しながら、古本に出会えるという、日本初(?)のネットワーク古本市です。前回に引き続き、スタンプラリーも行ないます。


不忍ブックストリート一箱古本市

2006年4月29日(土・祝)11:00〜17:00

雨天の場合は5月3日(水・祝)に順延


 この一箱古本市に出品される方(店主)を募集します。前回は75人でしたが、今回は100人募集です。また、先着順ではなく抽選になります。

 前回は、遠隔地などやむを得ない事情で本人が来られなくても店主になれましたが、今回は、当日店番ができる方に限ります。また、売上金の受け渡しは、古本市終了後の午後7時頃になります。あらかじめご了解ください。

 

◎応募方法

以下の要項に記入の上、hitohako@yanesen.org までメールしてください。


1 氏名(本名をお書きください。匿名希望の場合、その旨をお書きください。また公表してもいいハンドルネームがあれば、お書き添えください)

2 屋号(かならず付けてください)

3 住所

4 電話番号

5 メールアドレスケータイ不可)

6 どんな品揃えにするかというPR(決まっていれば)を200字以内で


◎応募期間

応募開始 2月1日(水)

締め切り 2月28日(火)必着

応募者多数の場合は抽選となります。

発表は 3月10日(金)に当選者に通知します


◎参加費

1000円(当日にお支払いただきます)


その他、詳細は「不忍ブックストリート公式サイト」に順次アップされます。

不忍ブックストリート | 本と散歩の似合う街


◎「助っ人」(ボランティアスタッフ)募集

事前の準備から当日の運営まで、できる範囲で「一箱古本市」を手伝って下さる方を求めています。古本イベントの隅々まで体験できるいい機会です。なお、古本市当日は、「助っ人」と出品者(店主)を兼任することは可能です。


問い合わせ 不忍ブックストリート実行委員会<一箱窓口> 

hitohako@yanesen.org


各所で触れられているとおり、1月半ばに告知したときとは多少変更点があります。大きくいって、一度は、「店主」が自分の責任で店番・会計をする、と発表しましたが、それを前回どおりの店番交代制・各スポットでの集中レジ方式に戻したのです。これにともない、「店主」とボランティアの「助っ人」は兼任できない、という告知も、店主と助っ人は兼任できる、に変更しています。ややこしくて、すみません。


来週水曜日2月1日から受付開始ですが、先着順ではなく、応募数が多ければ抽選になるので、エントリーを急ぐことはありません。むしろ、屋号や売る本を自分なりに考えてから応募してくださるほうが、実行委員会としてはありがたいです。

では、たくさんのご応募をお待ちしています。


で、今日日記。朝9時起き。仕事場に行き、会議の資料をまとめる。3時から会議。3時間も話し合うと疲れる。ま、やりたい企画が通ってヨカッタが。夜はウチで日記本の原稿直し。《タモリ倶楽部》に『中南米マガジン』が登場。金安編集長ユニークキャラクターがよく伝わる。この番組、以前はマイナー出版社を取り上げていたが、最近は『酒とつまみ』などミニコミをよく取り上げている。次は『畸人研究』? それとも『野宿野郎』? ひょっとして(最近出してないけど)「モクローくん通信」とか……。

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2006-01-26 横浜から下北沢へ

8時半起き。9時に出て、東海道線横浜みなとみらい線馬車道へ。車中、嵩元友子『銀座並木座 日本映画と歩んだ四十五年』(鳥影社)を読了映画プロデューサー藤本眞澄の肝煎りで1953年に開館し、1998年に閉館した名画座歴史をたどる。支配人や株主だった小林桂樹、もぎりのスタッフへのインタビューも含め、丹念に取材している。プログラム「NAMIKI-ZA Weekly」の内容紹介や、全上映作品リストも役に立つ。「名作日本映画学校」という〈並木座〉のイメージとは程遠いエピソードも。三代目支配人小泉作一は、土方鉄人監督飯島洋一主演の《戦争の犬たち》(1977)に、マイホームの購入資金だった2千数百万円を出資している。また、1970年代後半から80年代前半にかけては、実録ヤクザ映画にっかつロマンポルノを多く掛けている。


ただ、これだけの歴史を持つ映画館についての本にしては、ちょっと薄味で、もっとたっぷり読みたいという気がした。たとえば閉館までの10年間がわずか2、3ページで片付けられてしまうのは、この頃になってやっと〈並木座〉に通うことのできたぼくなんかには、納得いかない。あと、全編にあふるる名画座日本映画へのセンチメンタル感傷にも辟易した。そんなに強調しなくても……という気がした。


10時すぎに、日本郵船歴史博物館へ。学芸員の方に面会。そのあと、展示を見る。戦前の船内メニューが、船の形につくられていて驚く。ミュージアムショップでは、オリジナル旅行タグと一筆箋を購入。そこから、赤レンガ倉庫へ。横浜市アート施設〈BankART 1929〉はこの近くにあると思って行ったのだが、見つからず(あとで見たら、馬車道駅の近くだった)。ついでだから散歩だと、中華街まで歩き、〈秀味園〉で魯肉飯(500円)を食べる。相変わらず素朴な味でウマイけど、ちょっと量が減ったような気も。店にいた3歳ぐらいの娘が、お母さんに中国語日本語で話しかけていた。隣の食材屋でビーフンを買い、中華街駅から電車に乗る。


渋谷井の頭線に乗り換え、下北沢へ。南口の〈幻游社〉で、『別冊暮しの設計2 珈琲紅茶研究』を見つける。つまんなそうな表紙だが、ナカを開くと図版が多く、銀座にあった「ラスキン文庫」という喫茶店に関する文章など、興味深い記事が多い。300円は安い。中山久民『多量な音の時代』(音楽之友社)200円。著者は『新宿プレイマップ』に在籍したことがあるようだ。未所持だった海野弘日本アール・ヌーヴォー』(青土社)も1000円と安かったので買う。踏切を渡り、北口の方へ。〈白樺書院〉を覗く。その向いにイイ感じのおでん屋を発見。


スズナリ〉の近くまで来ると、「古本」の看板が目に入った。この辺に古本屋ができたと、しばらく前に誰かから聞いていた。〈古書ビビビ〉という店で、音楽タレント映画マンガ雑誌などが中心。どのジャンルもけっこうオモシロイものを選んでいる。「ワニの豆本」がかなり揃っていたりと、好きな客にはたまらないだろう。今日は買わなかったが、次はナニか買えそうな気がする。〈シネマアートン下北沢〉の隣というのもイイね。そのアートンで、「初笑いだよ!お正月映画大集合!」という特集をやっている。今日観るのは、川島雄三監督の《縞の背広の親分衆》(1961)。潰れかけたヤクザ一家が、道路工事で取り壊されようとする「お狸様」の祠を守って……というハナシ。南米帰りのヤクザ森繁久彌が、ヤクザ坊主フランキー堺が演じる。森繁がいきなりデパートクレーム係りになったりする唐突な展開が最高にオモシロイ。徹頭徹尾ナンセンスで、最後までふざけ倒している。初見だと思っていたら、ラストシーンまで来て、一度観ているコトに気づいた。いつドコで観たんだろう?


千代田線経由でウチに帰る。国書刊行会から斎藤昌三『少雨荘書物随筆』が届く。山口昌男監修「知の自由人叢書」の2回配本。定価は1万2000円だが、知り合いがいるので少し割り引きしてもらった。桂牧さんからは2枚目のソロ[BGS]が届く。また、〈青猫書房〉からは、『仁丹物語 生薬の「仁丹」生誕100年記念』(非売品)1500円が。なんとも節操のない取り合わせだ。図書館に行き、帰りに〈ときわ食堂〉でチューハイ生協で買い物して帰ってくる。


世田谷文学館〉で開催される「花森安治と「暮しの手帖」展」(http://www.setabun.or.jp/kurashinotecho.htm)のオープニング招待状が届く。ぼくも、暮しの手帖社の宮岸さんに頼まれ、手持ちの花森装丁本を提供した。図録には、装幀本の一覧も載っているハズだ。これまでにない規模の展示になると思われるので、ぜひ行ってみてください。宮岸さんや松浦弥太郎氏のトークもあるようだ。

花森安治と「暮しの手帖」展

2006年2月4日[土]−4月9日[日]

世田谷文学館

本展では、花森安治の表紙原画カット作品はもちろん、世田谷作家たちとの交友も交えて、戦後の文化、ライフスタイルに大きな影響を与えた「暮しの手帖」と、編集長花森安治のエディトリアルスピリッツを探ります。

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2006-01-25 先輩方のハナシを聞く

9時起き。仕事場に行き、資料まとめなど。こないだ、中野朗さんと「西村賢太小説はオモシロイねえ」と話していたら、中野さんが今度単行本が出るコトを教えてくれる。取次の速報を見ていたら、たしかに2月1日に刊行されるようだ。『どうで死ぬ身の一踊り』(講談社)。コレは楽しみ。


午後、千代田区図書館へ。最近、ここで検索して、戦前の単行本を借り出している。いろいろ調べものをしていたら、夕方になった。〈ぶらじる〉に行くと、禁煙席に、海野弘さん、堀切直人さん、右文書院青柳さん、アクセスの畠中さんが勢ぞろいしていた。ほかに客がいないと思ったら、この部屋を貸しきりにしてるとのこと。たしかに、こんなに賑やかな面々がいたら、ほかの客はたまらないだろう。海野さんと打ち合わせをしたあと、雑談。いつも独演会になる海野さんの喋りの要所要所に、堀切さんがツッコミを入れる。いやあ、いいモノを見せてもらいました。


お茶の水駅前の〈ディスクユニオン〉で、アーリー・タイムス・ストリングス・バンドライブ・アット・神戸1973]を買い、丸の内線池袋へ。まだ時間があるので、モスバーガーに入り、ちょっとゲラを見る。7時に〈丸井〉の前で、オフノートの神谷一義さんと、渡辺勝さん、『ぐるり』の五十嵐さんと待ち合わせ。神谷さん、渡辺さんの行きつけだという沖縄料理屋〈赤い鼻〉へ。料理が安くてうまく(麩を使った「フーチャンプルー」がウマかった)、泡盛の種類も多い。それなのに、我々以外に客はいなかった。神谷さんが考えている新しい試みについて、ハナシを聞く。おもしろい。おもしろいけど、それにぼくがどう関わっていくかも含めて、タイヘンそうだ。さて、どうなるか。その話題にはさまれて、渡辺さんと神谷さんが交わす音楽についての会話を聴けてヨカッタ。それにしても、このところ、出版や音楽について、年上のヒトたちから直話を聴く機会が増えてきたのは、本当にウレシイ。ささやかながらこの10年間、書いたり調べたりしてきたことへのご褒美のような気がするからだ。


札幌(そういえば、来月には札幌の〈キコキコ商店〉と小樽文学館で渡辺さんのライブがある)から帰って以来、ちょっと疲れ気味なので、まだ飲み足りないお二人と別れ、五十嵐さんと辞去する。帰ってから、[ライブ・アット・神戸1973]のライナーを見る。渡辺さんが「1万2000字も書いちゃった」と云われたので。中村よおさんの文章に続き、たしかに「幻想のEarly Times Strings Band」という裏表に続く文章が載っていた。渡辺さんは、再結成後のアーリーの演奏が、フラフラ・ダラダラしてるコトを「タンポポの綿毛のようである。捕虫網で捕らえてみても、いつの間にかスルリと抜け落ちている」と書く。そして、とらえどころがなく、毎回新鮮な感覚をメンバーは楽しんでいるのだ。「アーリーのステージ上には、そんな真新しい、綺麗な、なるべく破りたくないような包装紙を慎重に剥いでいくときの匂いが、いつも流れている気がする」。そのあとも、だらだらと続く文章の中に、キラリと光るフレーズを見つけながら、22年前のライブを聴いていた。

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2006-01-24 東京は寒いよ

朝9時に目覚ましを掛けていたが、あまりに寒いのでもう少し寝てしまう。札幌にいたとき、地元のヒトに何度も「寒いでしょう?」と訊かれたが、東京の寒さのほうがぼくにはコタエる。仕事場に行き、あれこれ。『週刊読書人』に、田村七痴庵さんが『ブックカフェものがたり』の書評を書いてくれている。短い字数なのに、自身の古本喫茶店に関わるいろんなエピソードを惜しげもなく盛り込み、それが本書の紹介にもなっているという素晴らしい文章。ホントにこのヒトの書評はうまいなあ。田村さんに書いてもらって、とてもウレシイ。


神保町に出かけたら、靖国通りに出たところで古書通信社の樽見博さんにバッタリ。こないだ〈田村書店〉前で借りた100円を返す。その田村の外台に寄って、高見順編『銀座』『浅草』(英宝社)各300円。〈書泉グランデ〉の地下で、嵩元友子『銀座並木座 日本映画と歩んだ四十五年』(鳥影社)、『映画秘宝』3月号を。上で、中原昌也ほか『嫌オタク流』(太田出版)、『エスクァイヤ』3月号(特集「美しい本、230冊」)を買う。〈書肆アクセス〉では、『「新青年趣味』第12号(特集「夢野久作」)が入っていた。特集よりも、『子不語の夢』の脚注を書いた村上裕徳氏の「脚注王の執筆日記」が読みたくて買う。『フリースタイル』第3号では、鏡明「マンハントとその時代」が始まった。


6時半に仕事場を出て、ウチに帰る。電車の中で、『嫌オタク流』を読む。目次のところが袋とじみたいになっていて、ワザとかと思ったら裁断ミスだった。中原昌也高橋ヨシキと、オタク側の二人(海猫沢めろん更科修一郎)との座談。このところの「萌え」関係本のなかではダントツにおもしろい。マジメにオタク批判する高橋に、あくまで茶化そうとする中原昌也のタッグが最高で、前半に自己分析のできないオタクを、後半に冷静なオタクを配した構成もいい。「自分の好きなものが認められると自分自身の価値が底上げされる」という錯覚は、オタク界だけでなく、いろんなところに見られるので、他人事ではない。


晩飯の後、「まぼろしチャンネル」の原稿を書いてから、長くなるから書かずにおこうと思った札幌滞在の日記をやっぱり書き始めてしまい、予想通り、時間が掛かった。もう2時半だ。

2006-01-23 帰ってきました

しばらくぶりです。札幌にはパソコンを持って行かず、泊めていただいた家でメールを確認するだけで精一杯でした。まあパソコンを持っていっていたとしても、連日深夜にわたる飲み会のあと、文章なんか書けるワケありませんでしたが。この三日間のことは書き出すとゼッタイに長くなることが判っているので、今日は書かずにおきます。明日以降、気力があれば書きます。なお、『彷書月刊』には2回にわたって、北海道ネタを書く予定です。


で、今日のこと。人名については説明ナシで進めます。昨夜は中野朗さんのお店に泊めていただく。9時に起きて、布団を片付け、中野さんの車で真駒内駅まで送ってもらう。須賀さんと地下鉄に乗る。途中で須賀さんと別れ、札幌駅へ。10時半の快速エアポート号というので新千歳空港へ向かう。雪のせいで3分ほど遅れ、空港には11時半過ぎに到着。そそくさと土産を買い、すぐチェックインしてナカに入ると、数分後には機内にいた。なかなか慌しい。機内で、空港で買った鯵の押し寿司を食べる。


1時半、羽田空港着。重いリュックを背負って、モノレール浜松町大門から浅草線東日本橋新宿線神保町と移動。コインロッカーが見つからず、大荷物を持ったまま、ある研究所でT教授の取材。とても興味深く、時間を忘れる。終わると4時半。電車を乗り継いで帰る気力がなく、タクシー西日暮里へ。ウチに着くなり、2時間ほど爆睡。晩飯はカレー


9時ごろ、〈古書ほうろう〉に行き、札幌土産(「マルセイバターサンド」で有名な六花亭の「マルセイチーズビスケット」)を手渡す。札幌滞在でたっぷり本を買ったハズなのに、ついつい棚を見てしまう。高橋新吉ダダと禅』(宝文館出版)1000円と、210円均一で、板坂元編『日本の名随筆 別巻31 留学』(作品社)と平野威馬雄西江雅之『貴人のティータイム』(リブロポート)を買う。平野・西江の対談集はかなりオモシロそう。


2月8日(水)にほうろうでやるブルースシンガーAZUMIさんのライブのチラシができていた。ぼくも一言寄せている。


『ぐるり』& 古書ほうろう presents

   AZUMI Live at HORO

映画『地下の日だまり』上映付き)


日時:2月8日(水)19時30分より

場所:古書ほうろう

入場料:1500円(振る舞い酒あり。持込み可)

問い合わせ先:03-3824-3388(古書ほうろう

http://www.yanesen.net/horo/


ほうろう今年最初のイベントとして、大阪からAZUMIさんをお迎えすることが決まりましたのでお知らせします。AZUMIさんは関西音楽好きならみんな知ってるブルース・マン。シブい喉、イカしたギター楽しいおしゃべりの、魅力的なおっさんです。寒い日が続いていますが、お酒でも飲みながらAZUMIさんの唄に耳を傾ければ、身も心も暖まること請け合い。仕事は早めに切り上げて、ぜひ古書ほうろうまでお運びください。


また、この日は、演奏の前に映画の上映も行います。旅人でもあるAZUMIさんは、一年の大半を、行く先々で演奏しながら暮らしているのですが、そんな日々を、インディーズ映画世界でその名を知られる小沢和史監督が追ったドキュメンタリー映画、題して『地下の日だまり』です。


 ブルースなんてよく知らないけど、

 AZUMIさんの歌声には心惹かれる。

 ぼくがいちばん好きなのは「黄昏ビヤホール」という曲です。

 ほうろうのライブでも演ってくれるとウレシイなあ……。

 (南陀楼綾繁


 悪魔から魂を譲り受けた男、アズミ。

 彼の奏でる音楽はすべて「アズミ」という名の音楽になる。

 ジャンル分けなんて意味がない、何とも形容に困る人/音楽だ。

 その唯一無比のギターと歌は体験するのが一番。

 さあ、「アズミ・ワールド」へようこそ。

 (五十嵐洋之/『ぐるり』編集人)

コメントしたとおり、「ブルース」の定義はよくワカラナイけど、AZUMIさんの歌は好きだ。あと、徹底したサービス精神に満ちたステージングも。きっとこの日も盛り上がることだろう。ぜひお出でください。


この『ぐるり』を発行している大阪のビレッジプレスから、『雲遊天下』第41号が届いた。特集は「日々のバラード」。編集後記を見ると、「この号限りで休刊」とあり、驚く。発行人の村元武さんが「もうそろそろ……」とおっしゃっているとは、『ぐるり』の五十嵐さんから聞いてはいたが、こんなに早いとは。村元さんはその理由をくだくだしく書いていないので判らないのだが、その前にある「昨今、まさに日記が大氾濫している時代なのだ」という一文に休刊の理由があるのかもしれない。ビレッジプレスでは昨年末に、1974年に刊行された糸川耀史写真集『グッバイ・ザ・ディラン供戮鯢刻増補したが、村元さんはこのタイトルに引っ掛けて、「何度目かのグッバイです」と書く。何度目かのグッバイということは、何度目かの「ハロー」もあったワケで、これからは単行本に精を出すという村元さんが、いつかまた新しい「ハロー」を云う可能性も大いにあるだろう。それまでは、というか、それとは別のものとして、『ぐるり』には頑張ってほしいし、ぼくも手伝えるコトはなんでもやっていきたいと思っている。

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2006-01-22 小樽と真駒内、ふたつの街で

kawasusu2006-01-22

朝9時起き。小笠原さんはまだ寝ていたが、先に出させてもらう。札幌駅に向かって歩く。雪の上を歩くのはだいぶ慣れてきたが、それでもときどき転びそうになる。20分ほどで到着。リュックコインロッカーに入れ、須賀さんの到着を待つ。小樽まで一緒に行ってくれるコトになっているのだ。途中、10分遅れるという電話が入り、しばらく経つと、知らないうちにまた着信していた。ぼくの携帯電話はときどき、なぜか音が鳴らないまま伝言に切り替わるコトがある。携帯を持っていない相手だと掛けなおすこともできず、非常に困る。この日もそれが祟り、伝言にしたがって移動するが、須賀さんもその場所から移動した後で(ちょっと待っててくれるとヨカッタんだけど……)、もう一度移動してようやく会うことができた。


そんなこんなで、札幌発の電車に乗ったのは10時半、小樽に着いたのは11時過ぎていた。車内では須賀さんといろいろ話す。札幌以外の小樽旭川古本屋事情とか、これから行く小樽文学館で須賀さんが講演をしたハナシとか。須賀さんの話し方は独特で、ときどき、話の内容にほぼ関係なく「ハハハハ!」と笑うのである。いや、関係なくはないかも。これから話すことをアタマに思い浮かべた瞬間、笑ってしまうのかも。最初はとまどったが、これが癖なのだと判ると平気になった。そういえば、東直己小説にも、こういう話し方をする人物が出てきた。車窓から海が見えてきたので、「あれは本州の方向ですか?」と聞くと、いやイマ向かっているのはこっちで、向きがこうだから、と教えてくれる。北海道の地形は知っていても、小樽がどっち側のどの辺りにあるかワカラナイから、とんちんかんなコトを云ってしまう。


小樽に下りると、海のそばだけあって寒い! 札幌に比べると底冷えがする。海のほうに向かって歩き、飲み屋が固まっている路地を抜け、廃線になった「手宮線」(雪で埋まっていたが)を越えて、小樽文学館に着く。向かいの、戦前に建てられた日銀小樽支店の荘厳な建物と対照的に、小ぢんまりとした古いビルで、予算がないのだろう、階段のクロースなどはワタが露出していたが、これはこれで歴史を感じさせる建物である。それもそのはず、昭和27年に「旧郵政省小樽地方貯金局」として建てられた戦後モダニズムを代表する建造物なのだ、と副館長の玉川薫さんに教えてもらった。小樽美術館も入っているこのビルの二階に、小樽文学館(http://www4.ocn.ne.jp/~otarubun/index.html)がある。


以前からこの館でユニーク展覧会が開かれていることが気になっており、一度来てみたいと思っていた。入ったところには「JJカフェ」という喫茶コーナーがあり、そこで玉川さんにお話を伺う。ぼくは、かつて徳島北島町「創世ホール」の小西昌幸さんと、三重名張市図書館中相作さんに取材しているが、玉川さんはいっけん物静かだが、この二人に負けず劣らず、自分のやりたいことを予算の枠を超えて実現してしまうスゴイ人なのだった。この取材の模様は、次号の『彷書月刊』で書きます。いま展示中の「小樽論・2 まち見て歩き」もオモシロかった。ホントは2月2日(木)〜4月2日(日)の「小樽映画館の時代」が見たかったんだけど。受付で、まだ持っていない図録を物色し、『伊藤整青春のかたち』1000円、『小樽高商小樽商大90周年展』300円と、大石章『渚のコーヒー 私の昔喫茶店案内』を買う。『渚のコーヒー』は喫茶店展覧会に合わせて出された、小樽喫茶店についてのエッセイ


館内には、かなりの量の古本が並べられている棚もあった。ココは「古本バザー」のコーナーで、自分で決めた額を寄付すれば一人5冊まで持っていってイイそうだ。あんまり欲しいのはないかも……と思いつつ見たのだが、いきなり真鍋博『たびたびの旅』(文藝春秋)を発見! そして、けっこう長らく探していたジャック・フィニイ『五人対賭博場』(ハヤカワ・ミステリ文庫)も! あとは北海道の老舗同人誌『北方文芸』や、古本屋〈じゃんくまうす〉の目録などで5冊にし、ありがたく500円寄付する。


館を辞去して、運河のほうへ。倉庫群はまあこんなもんか、という眺め。運河の見えるところまで歩き、街のほうに戻ってくる。商店街をしばらく歩いたところにある〈ブックス2分の1〉へ。須賀さんが若店主に紹介してくれる。新古書店風だけど、古い本も置いてある。帰りの飛行機で読もうと、大倉崇裕『丑三つ時から夜明けまで』(光文社)750円、をまず手に取る。また、田村隆一対話集『青い廃墟にて』(毎日新聞社)500円、上司小剣『木像』(文潮文庫昭和22)300円。そのあと、あまり期待せずに文庫の棚を見たら、山村正夫推理文壇戦後史』(双葉文庫)の1、2巻が激安で見つかる。すでに持っているが、「古書モクロー」のサービス品として購入。若店主に、昼飯が安く食べられる店を教えてもらう。

その〈まるた寿司〉は二階にある、座敷の広い店。値段を見るとたしかに安い! ビールを飲みながら、ホタテのザンギから揚げのこと)290円をつまみ、525円のいくら丼を食べるとけっこう満腹になる。それでも、隣のヒトがラーメンを食べているのを見て、あっちがよかったかなと少し後悔する。今度はゆっくり腰を落ち着けて飲み食いしたい店だ。そのあと、〈岩田書店〉に寄ってから、小樽駅に戻る。そうだ、旬公が小樽に行ったら〈十一や〉という喫茶店に行け、と教えてくれたが、玉川さんに聞くと離れたところに移転したそうだ。商店街には〈光〉という純喫茶もあり、そこも良さそうだったが、今回は入れず。


小樽でゆっくりしたので、札幌に戻ったら4時回っていた。地下鉄に乗って、中心街の古本屋石川書店〉へ。入った瞬間、「ココは来たことある!」と思い出した。階段の感じが以前と同じだった。1階では、八木義徳『私の文学』(北苑社)1500円、阿部牧郎『大阪迷走記』(新潮社)500円。前者は室蘭出身のいわばご当地作家。二階はもっと専門的な本が多い。杉山平助『文学的自叙伝』(中央公論社昭和11)2000円、川嶋康男『北の昭和放浪芸』(太陽選書)1000円。後者の解説は、歴史学者で『北方文芸』の編集同人でもあった森山軍治郎。蛇遣い、女相撲アイヌ一座などが登場。そのあと、〈リーブルなにわ〉を見る。中央部で唯一、頑張っている店。かつて名物店長がいたという。


札幌駅に戻り、荷物を取って、須賀さんと地下鉄南北線に乗る。終点の真駒内中野朗さんが待っていてくれる。車で〈かま吉〉というすし屋へ。出るもの出るもの全部ウマかった。とくに「タチ」(白子)の寿司には舌がとろけた。ココで、中野さんの友人の杉村悦郎さんにお会いする。杉村さんは、新撰組生き残りの永倉新八のひ孫、というスゴイ経歴の方で、永倉についての著書もお持ちだ。いま、新聞記者だった父上の戦前日記を出版すべく準備中というコトで、興味深いハナシを伺う。杉村さんは広告代理店勤務だが、以前は情報誌ステージガイド札幌』を編集していたこともあるという(あとでバックナンバーを数冊いただいてしまった)。中野さんと杉村さんの構想を聞き、須賀さんの古本屋裏話も出て、みんなすっかり酔ってしまう。そのまま隣の〈櫻珈琲店〉という尋常でなくシャレた店(なにしろ店内は真っ暗でテーブルに小さなランプがあるだけ)に入って、大声で談笑するという嫌われ者になってしまった。


12時半にタクシーで、中野さんのお店へ。ここは中野さんのもともとの実家だった。一階は床暖房も入って暖かい。ココでさらに2時まで飲み、すっかりロレツが回らなくなったところで、風呂に入れてもらい、雑魚寝する。みんなで布団を敷いてるとき、酔った須賀さんがあんまりハシャイでいたので、「うるさいよ、須賀さん」とコッチも酔いつつも注意したら、ちょっとシュンとして一人でソファに寝ていたので、気の毒なことをした(しかし、翌朝また同じテンションに戻っていたので、覚えてなかったみたいだ)。そんな風にして、長い長い一日は終わった。

写真小樽文学館に再現されている、『日本文壇史』執筆時の伊藤整書斎

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2006-01-21 札幌の変わっていて肝臓の丈夫な人たち

kawasusu2006-01-21

午前中、ホテルの部屋でAさんと打ち合わせ。12時前に札幌駅に行き、Aさんをお見送り。そのあと、駅ビルの5階に入っている〈旭屋書店〉で、〈さっぽろ萌黄書店〉(http://www.d2.dion.ne.jp/~moegi/)の坂口仁さんと待ち合わせ。『日曜研究家』を読んでメール手紙をいただいてから、7、8年間やりとりしていたが、お会いするのは今日がはじめて。坂口さん曰く、札幌でも書店郊外化が進んでいて、以前は中心街にあった〈旭屋〉〈紀伊國屋書店〉〈丸善〉が、この数年ですべて札幌駅周辺に移転してしまったそうだ。この旭屋には、坂口さんの肝入りで『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)をかなり長期間にわたって置いていただいている。


坂口さんの運転で、まず北大病院前の〈弘南堂書店〉へ。札幌でも老舗の古本屋。店の外にガラス入りのケースが備え付けてあるので、ナニかと思えば、これが均一台なのだった。あとで聞くと、雨が吹き込んでくるのを防ぐためだとのこと。日本一カネのかかった均一台ではないか。ココから、佐木隆三ジャンケンポン協定』(晶文社)250円、『別冊新評 梶山季之世界』(新評社)150円、を。店内は落ち着いた雰囲気。棚につくりつけのガラスケースには、武井豆本も入っていた。日本文学の初版本がよく揃っていて、何冊か買いたいのもあったが、ちょっと手が出ない(『平林初之輔遺稿集』平凡社昭和7が2万8000円とか)。その代わり、和田義雄の豆本コーヒー物語』(ぷやら新書刊行会、1984)を2000円で買う。自身がオーナーだった喫茶店〈サボイア〉のマッチ箱に、豆本コーヒー豆3粒を収める。和田には『札幌喫茶昭和史』(財界さっぽろ)という名著があるが、同書と『コーヒー物語』は「コーヒー3部作」を成しているらしい。もう一冊『喫茶半代』という上下巻の自分史があるのだが、今回手に入れるコトはできなかった。ちなみに、和田は『窓』という文庫サイズの雑誌も出しており、ぼくも数号持っている。なんだか、和田義雄のことをもっと調べてみたくなった。


お茶と菓子をご馳走になり、店を出る。そのすぐ近くの〈薫風書林〉へ。キリスト教社会主義関係の本が多い。通路には本が積みあがり、レジ前も本でうずまっていて、店主の顔も見えない。北方文献で知られる〈サッポロ書店〉も近くにあった(意外と小さな店だった)が、寄らずに先を急ぐ。コーヒー豆本音楽CDの〈キコキコ商店〉(http://www1.odn.ne.jp/fks/) へ。オフノートなどマイナーレーベルの新譜をまとめて通販で買えるので、何度か利用したコトがある。お店は一軒家の一室で、靴を脱いで上がる。10人入れば一杯になるぐらいの、妙に落ち着く空間。ときどきライブもやっている。豚肉の角煮(?)、スープサラダなどのランチを食べる。コーヒーも美味しい。OKIDOKI[Don’t walk on the cat side](BAKAMO RECORDS)を買う。北海道文学館に寄り、『林芙美子・北方への旅』の図録を買う。そうだ、坂口さんにも函館市文学館の『函館「不良(モダン文学」は元町育ち 長谷川海太郎久生十蘭水谷準』展の図録をいただいた。ほかに、渋さ知らズなどを入れたCD-Rも。坂口さんは相当ディープな音楽好きでもある。


次に、坂口さんオススメの〈はろー書店〉(http://www.hellobookstore.com/blog/)へ。南3西1の和田ビルという古いビルの3階にある、洋書とアンティークの店。いま海外に買い付けに行っているというご主人がチェコ好きで、店内にはかなりチェコの本があった。値段もリーズナブルだったが、これ以上チェコ本を買うのはマズイので目をそらす。レジ前には、ディック・ブルーナ装丁したペーパーバックが200冊ぐらい箱に入れてあった。どれもとてもキレイだ。LODEWIJK WINDSTOOT『en het mysterie van de naaktfoto’s』(MAEBA、1967)1500円、を買う。


だいぶ薄暗くなり、寒くなってきた。琴似にある〈くすみ書房〉(http://www.kusumishobou.jp/)へ。「なぜだ!? 売れない文庫フェア」として、ちくま文庫中公文庫河出文庫の全点フェアを行なったり、「本屋のオヤジのおせっかい 中学生はこれを読め!」というフェアをやっているユニークな店。一見フツーの店構えだが、奥に行くにしたがってフェア台(可動式・面出し)の数がどんどん増え、文房具コーナーまで増殖しているトコロにむやみな活気を感じる。地下一階には、昨年9月にオープンした〈ソクラテスカフェ〉というブックカフェがある(『ブックカフェものがたり』の巻末リストにも掲載)。本棚と喫茶の席とのスペースの配分がちょうどいい、という感じ。本の量がけっこう多いのもイイ。単行本は定価の3分の1、文庫は80円。和田由美『いつだってプカプカ』(亜璃西社)600円、島村利正『妙高の秋』(中公文庫)、河野典生『緑の時代』『狂熱のデュエット』(角川文庫)、『他人の城』(講談社文庫)が各80円。『緑の時代』『狂熱のデュエット』の装丁は柳生弦一郎。こんなイイ本が80円とはウレシイ。店長久住さんにご挨拶し、コーヒーをご馳走になった。


そのあと〈さっぽろ萌黄書店〉に行くが、ゆっくり見る時間がなくて残念。狸小路に行き、その近くの〈B・C・S〉へ。アート系の本や雑誌が、棚やテーブルの上に置かれている。コーヒーハーブティーを飲みながら、本を読むこともできるし、買うこともできる。これはまさにブックカフェだ。Bは「books,bread」、Cは「card,coffee,chair,cloth」、Sは「something」だとのこと。札幌映画館〈JABB〉が発行していた『BANZAIまがじん』のバックナンバーも定価で置いてあり、たぶん所持してないと思われる第11号を買う。ココで、〈古書須雅屋〉の須賀章雅さんとお会いする。ブログ須雅屋古本暗黒世界」(http://d.hatena.ne.jp/nekomatagi/)についての取材。すっげえユニークな人なのだが、なかなか一言で形容しにくい。翌日もずっと一緒だったので、そのユニークさはおいおい判ってくるでしょう。東京を出る前に注文しておいた『パンドラの匣』(牧神社)の創刊予告号と創刊号を受け取る。この時期はB5サイズだったのだ。


須賀さんと飲み会の会場まで歩いている途中、ツルッと足を滑らせ転んでしまう。転ぶ瞬間って、なんか時間の動きが遅くなったように感じられる。中学校運動会で転んだときのコトが頭をよぎったりして。リュックを背負ったまま、派手に横転し、肩と頭を地面にぶつける。痛ってえー! 後ろから来た坂口さんが、「見てましたよ。札幌のいい思い出になるでしょう」となぐさめてくれる。〈結び亭〉というジンギスカンの店で飲み会。「山口瞳の会」の中野朗さんと、もと「札幌タイムス記者小笠原淳さん、坂口さんと須賀さん。


中野さんとは、2年前に『山口瞳通信』の原稿を依頼されてからメールでやり取りしていた。丁寧で礼儀正しいヒトというイメージがあり、じっさい、その通りのヒトだったが、一方で、○○罪で警察のご厄介になる(「ただし不起訴です」とのこと)など、すっげえゴーカイな面も併せ持っている方だった。中野さんは25年間生命保険会社に勤め、大阪などで単身赴任生活を送っていたのだが、数年前に会社を辞め、家業はちみつ店を継がれている。その辺のプロフィールを聞いていると、めちゃめちゃオモシロイ。そういうハナシをしてるうちに、小笠原さんが中野さんの後輩だというコトが判明し、中野さんのテンションがさらに上がる。小笠原さんはぼくの1歳下で、新聞記者という仕事が好きで好きでたまらないのだが、給料遅配で生活できないのでしかたなく辞めたそうだ。ハナシ好きで人好きで、みんなに愛されるタイプだ。東直己さんともときどき飲むらしく、いくつか逸話を聞いた。〈ケラーオオハタ〉のモデルの店は、経営不振で閉めてしまったらしい。


ジンギスカンはさすがにウマイし、勧められるままにじゃんじゃん食べてしまったので、腹いっぱいになる。シメのおにぎり(たらことバター入り)もうまい。中野さんが「もう一軒行こう!」と云い、歩いてススキノの方へ。中野さんの友達がやっている〈やきとりジャンボ〉へ。ミュージシャンなどがよく来る店らしい。全員酔っ払っているので、ハナシが同じところをループしてしまうが、それもまた愉しい。しかし1時すぎるとさすがにグロッキーになり、小笠原さんと一緒に先に失礼する。残りのみんなは3時まで飲んでいたそうだ。北海道のヒトの肝臓は丈夫だ。

写真は〈結び亭〉にて。左から、須賀さん、南陀楼、坂口さん、小笠原さん、中野さん。

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2006-01-20 雪国へ到着

朝までかかるかと覚悟していた原稿が意外とすんなり書け(こんなコトはめったにない)、どうにか2時過ぎには眠れる。8時に出て、9時に羽田空港で、同行の作家Aさんと待ち合わせ。11時ごろ、新千歳空港に到着。すごくいい天気だ。快速エアポート号で札幌に出て、駅の地下の〈ぼるつ〉という店で、スープカレーを食べる。札幌ではなんだかスープカレーが人気みたいだ。オニオンリングが乗っていて、普通においしかった。


タクシーに乗ってMさん宅へ。道路の左右には除雪された雪が積みあがっている。雪国にやってきたと実感。道に迷い(目印の公園が雪で埋まっていた)、遅れて到着。Mさんはノンフィクション作家で、5年前から札幌に移住されている。今日のインタビューでは、終戦直後の東京のお話を伺ったのだが、Mさん自身の履歴も興味深く、話は尽きなかった。5時半に辞去して、Oホテルに入る。室内からネットに接続できるのだが、マシンが持ってこなかった。フロントネットカフェの場所を聞き、あとで行こうと思ったが、Aさんと〈炙屋〉という居酒屋に行き、かなり飲んでしまったため、ネットカフェには行けずじまい。

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2006-01-19 着々たる受け入れ態勢

朝8時半起き。昨日に続き、「一箱古本市」関係の連絡もろもろ。遅れていた『レモンクラブ』の原稿を書く。今回は『やられた!猟盤日記』(東京キララ社)。前の巻を引っ張り出して参照していたら、時間が掛かってしまった。


1時に旬公と出て、〈古書ほうろう〉で書類を受け取る。不忍通りにあった〈ジャニー〉という喫茶店が閉店し、そのあとにブックカフェができるらしい、という情報が、この数日、周囲で飛び交っている。みんな、前まで行って確かめているのがオモシロイ。ぼくも行ってみたら、すでに店名入りの看板もかかっていた。いつ、開店するのだろう? 楽しみだ。


〈三里〉で鴨セイロを食べる。感動的にウマイのだけど、1470円と高いし、量も抑え目なので、なかなか来られない。古本市の「大家さん」(場所を提供してくださる店)2軒に挨拶する。どちらも快く引き受けてくださる。〈往来堂書店〉に行き、書評の本を数冊買う。高橋呉郎『週刊誌風雲録』(文春新書)、橋爪紳也絵はがき100年 近代日本のビジュアルメディア』(朝日選書)、レイ・ブラッドベリ『さよなら、コンスタンス』(文藝春秋)ほか。


ウチに戻り、ヨコになって、東直己『さらば愛しき女と男よ』(光文社文庫)を読む。以前、札幌で刊行された2冊のエッセイ集の再編集版なので、一度は読んでいるのだが、明日から札幌に行くというときに読み返すと、感興が深まる。今回の札幌行きは、二日目と三日目の宿泊の斡旋を、〈さっぽろ萌黄書店〉の坂口さんにお願いしていたのだが、その結果、お名前も知らない方のアパートに泊まることになった。その方は、東直己氏の知り合いらしい……。さっき、やはり札幌でお会いするコトになっている〈古書須雅屋〉の須賀章雅さんからメールが来て、ぼくを泊めて下さる方のお名前が判明。その小笠原淳さんのブログhttp://ch.kitaguni.tv/u/10387/)を見ると、仮名ではあるが明らかにぼくを泊める準備をしてくださっている。すいません、巻き込んでしまいまして……。ちなみに、二泊目は、急に連絡して『山口瞳通信』の中野朗さん宅に泊めていただくことになった。ぼくなんかのために着々と受け入れる態勢をつくってくださっている皆さんには、申し訳ない。なんだか、とても濃密な札幌滞在になりそうだ。


早稲田古本村通信』の原稿を書く。晩飯(鶏肉と里芋、ニンジンの煮物)を食べながら、《けものみち》を見て、荷物を少しそろえる。これで準備万端、あとは寝るだけ……ならイイのだが、これから某誌の原稿を書き上げなければならない。

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2006-01-18 『さっぽろ喫茶店グラフィティー』で旅情を

9時半起き。昨夜遅かったので寝坊だ。メールチェックだけして、出かける。谷根千工房に行き、ある企画の打ち合わせ。ぜひ実現させたいもの。昨夜の会議に参加したサトコさんは、朝4時まで付き合ってしまって体調が悪く、白い顔をしていた。団子坂のイタリア料理屋〈ターボラ〉に入り、パスタ(ツナとクリームソース)とコーヒー。けっこうウマイ。


昨年の「一箱古本市」で場所を提供する大家さんになってくれた〈ルシェルシュ〉が、来月閉店してしまうので、店主のクメさんに挨拶。店を借りたとき、内装も直し、壁に棚などをつくり付けているので、あとに入る店が使えるのだけど、まだ決まってないそうだ。1月末までに決まれば、そのまま引き渡せるというコトだが。興味があれば紹介しますので、南陀楼までメールください。ちなみに、入居には家賃の10カ月分の保証金が必要だとのこと。


仕事場に行き、あれこれ。明後日、取材(インタビュー)で札幌に行くので、その準備をしなければならない。7時半、〈書誌アクセス〉で電話で取り置いてもらった、和田由美『さっぽろ喫茶店グラフィティー』(亜璃西社)を買う。札幌でお世話になる〈さっぽろ萌黄書店〉の坂口さんに、つい最近出たと教えてもらった。1970〜80年代にかけて、札幌にあった喫茶店を紹介。スデになくなった店も健在な店も。口絵には各店のマッチの図版も。あとがきにあるように、札幌喫茶店に関しては、和田義雄『札幌喫茶昭和史』(財界さっぽろ、1973)という名著がある(沼田元氣『一杯の珈琲を飲むためだけに行きたくなる 札幌小樽カフェ喫茶店案内』ギャップ出版、に再録)のだが、本書はそれを継ぐもの。パラパラ眺めただけだが、ガイドとしても読み物としても優れた本だと思う。デザインもいい。それもそのハズ、この著者は、かつて札幌初のタウン誌『月刊ステージガイド札幌』を創刊し、『札幌青春街図』(亜璃西社)を編集・発行したヒトなのだ。なんか、札幌に行くのが愉しみになってきたなあ。


書泉グランデ〉で、『野性時代』2月号を買う。今朝、朝刊を読むヒマがなく、ネットニュースで知ったのだが、今回の芥川賞絲山秋子直木賞東野圭吾に決まったそうだ。いつもはあまり気にしないのだが、今回の芥川賞は候補が公表されたときから気になっていた。候補に西村賢太「どうで死ぬ身の一踊り」(『群像』九月号)が挙がっていたからだ。この作品については、以前に感想を書いた(http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20050901)。新しいタイプ私小説だと思ったので、受賞してほしかったのだが。文藝春秋サイトで西村氏のプロフィールを見ていたら、『野性時代』に小説を書いているので、買った次第。この作品「潰走」は、16歳で一人暮らししたときのアパートの大家との抗争を描いた短いもので、帰りの電車で読んだ。大家の老夫婦が自己中心的なエグい存在として描かれるが、客観的に見ると、家賃を滞納して根拠なく「まだ大丈夫」と構えている主人公のほうがヘンである。それがかえって、ユーモアを生んでいる。芥川賞はどうでもイイけど、このヒトの小説集が早く出ないかなあ。


西日暮里に帰り、〈サミット〉で買い物。火事があったらしく、不忍通り消防車が集結していた。豚肉と厚揚げ炒めをつくる。ショーガと出汁に肉をひたしてから焼いてみると、けっこうウマイ。そのあと、昨日の話し合いにもとづき、「一箱古本市」関係の文書に手を入れる。去年もそうだったが、これからしばらくはこの手の用事が増えることになる。

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2006-01-17 朝まで生激論

朝9時起き。このところ、遅くまで日記本の直しをやってるので、朝がツライ。ウチで朝飯を食べるヒマがなく、新御茶ノ水に着いてから、東京電機大近くの〈松そば〉でコロッケそばを食べる。ココは老夫婦が二人でやっていて、かなりウマイ。カウンター椅子に座れるのもイイ。仕事場に行き、いろいろまとめる。2時、神保町でMさんに会う。実現したら絶対オモシロイはずの、あるノンフィクション企画について。どうなるか。その関係で、帰りに〈三省堂書店〉で『SF JAPAN』(徳間書店)の最新号を買う。


6時半までやって、神保町の〈なにわ〉へ。〈書肆アクセス〉でやった「東京者」フェアの打ち上げ。堀切さん、青柳さん、南陀楼とアクセスの美女三人。そして、栞文庫の古舘さんというメンバーでなごやかに飲む。堀切さんが今年やりたいことをどんどん宣言する。そのナカにはぼくも関わるかもしれない企画があるが、果たして、あのスピードについていけるか。不忍ブックストリート会議があるので、先に失礼する。


青柳さんから、できてきたばかりの海野弘『私の東京風景』(右文書院、2600円)の見本をいただく。「海野弘コレクション」の1冊目。装幀は高麗隆彦、写真高梨豊。これはイイ本ですよ〜。まず、これまで単行本未収録だった、東京に関する文章だけ集めたというトコロに価値がある。目に付きにくいPR誌やマイナー誌に載った文章も読める。そして、あとがきにあるように、この本は、これまで自己に言及することを避けてきた海野さんが、あえて、自分と東京との関わりを語った文章を中心にセレクトされている。だから「私の」東京風景なのである。現在、P社で、海野さんのやはり自分を前面に押し出したエッセイ集を編集中のぼくとしては、正直やられた、という気もするし、同じ方向性で青柳さんが海野さんの本を編集されたことに、わが意を得た思いもある。


千代田線に乗って根津でおり、根津神社近くまで歩く。今度「不忍ブックストリートMAP」に載せるかもしれないギャラリーの名前を確認する。〈古書ほうろう〉まで歩くと時間がかかるので、しばらく待って、バスに乗る。10時前にほうろうに着くと、シャッターを閉めた奥で、会議が白熱していた。今回の焦点になったのは、「一箱古本市」の運営について。昨年末会議で、今回から出品者自身が会計するという形式に決め、「書評のメルマガ」や公式サイトにはそう告知したのだが、話し合っているうちにいくつか問題があるコトが判ってきたのだ。二つの運営方式のメリット、デメリットを洗い出し、多数決を取るも、同数で決まらず。この時点で12時。みんな疲れきっていたが、もう一度話し合って、なんとか合意に達する。基本的には、前回のやり方を踏襲することになった。詳細は、数日中に公式サイトにアップしますが、募集のスケジュールは変わりません。


終わると1時半で、そのままその場で酒を飲み始めるヒトたちもいた(朝4時ぐらいまで飲んでたらしい)が、ぼくと旬公は先に帰って寝る。体力が許せば、とことん付き合いたいのだけど……。もう歳ですね。

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2006-01-16 ご近所でハシゴ酒

朝8時半起き。机に座って、マジメに仕事する。「書評のメルマガ」を編集したり、単行本に掲載する図版関係の連絡を取ったり、日記本の原稿をまとめたり。5時ごろに一段落


6時、三河島駅前で遠藤哲夫さんと待ち合わせ。すぐ近くの通りにある〈豚太郎〉という焼きトン屋へ。ある原稿ネタにするためなり。いつも前を通っていて、何度か入ろうとしたのだが、あまりにディープな店構えに「常連客以外禁止」と云われてるような気がして、敷居をまたげなかった。でも、誰とも数分で仲良しになってしまうエンテツさんが一緒なら安心だ。じっさい、しばらく経ったら、オヤジさんと世間話してた。店の内部も、焼きトンもとてもヨカッタ。また来よう。


そのあと、三ノ輪まで歩き、〈遠太〉へ。ココ数ヶ月のこの店は、なぜかのれんを内部に掛けているのだが、でも普通に営業している。今日なんか、ほぼ満席だった。エンテツさんは、週末に千葉に古墳を見に行っていたそうだ。牧野伊佐夫主宰の同人誌『四月と十月』に「古墳部」というのがあるらしい。「そんとき一緒だったヒトで、あんたを知ってたヒトがいたよ。大阪のcaloで小さな本を売っているって」。一瞬判らなかったが、よく聞くとnakabanさんのことだった。エンテツさんとnakabanさんが仲良く千葉の古墳を見学……。フシギな光景だ。


ワークショップを終えた旬公から電話が入り、エンテツさんと別れて、根津の〈千尋〉へ。今年初めて。あまり飲まなかったとはいえ、三河島三ノ輪根津と三軒もハシゴしてしまった。

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2006-01-15 新阿佐ヶ谷会のボケとツッコミ

9時半起き。どうも眠くて困る。午前中は『進学レーダー』の書評を書く。合間に、紀伊國屋書店の『ifeel』を眺める。山本善行さんの「すでに古本の匂いのする文庫」、おもしろし。『バーナード・リーチ日本日記』(講談社学術文庫)が読みたくなった。ほかに、11月にやった「SHINJUKU FEST 2005」のレポートが。たしかにいいイベントだったが、「一部の映画上映から多くの観客が集まり」はウソ。少なくとも三部までは、かなり空席が目立っていた。ところで、もう知られているコトだが、編集後記に、『ifeel』は次号で休刊とあった。100ページ以下の小冊子なのに、特集と単発記事、連載をあんばいよく配置した編集ぶりが気持ちいい雑誌だった。ぼくも古本特集で一度エッセイを書き、『ナンダロウアヤシゲな日々』が出たときに取材され、「タイムスリップグリコ」がらみでコラムを書くというように関わらせてもらった(ついでに云うと、新宿特集では旬公が1960年代新宿イラストマップを描いている)。編集のOさんの人柄もあり、たのしく仕事ができた。記憶に残る雑誌となるだろう。


昼飯は旬公がつくった卵かけうどん。ちょっとダシが濃かった。《噂の東京マガジン》を見て、出かける。荻窪から7、8分ほど歩き、杉並区中央図書館の手前にある〈かん芸館〉(かんは「行」の中央に「干」)というホールギャラリーへ。西荻にいたころ、自転車でしょっちゅう前を通っていたはずなのに、こんな施設あるとは知らなかった(と思ったら、今年で6年目だそうだ)。


今日はココで「新阿佐ヶ谷会」の集まりがある。青柳瑞穂のお孫さんのピアニスト青柳いづみこさん、川本三郎さんをはじめとして、中央文士によるかつての阿佐ヶ谷会に関わったり、シンパシーをもつ人たちが集まっている。今年、幻戯書房(今年からG社をやめて正式名称で書きます)で、阿佐ヶ谷会に関する本を出すことになったので、ぼくも呼んでもらったのだ。まず、青柳さんによるドビュッシーの「前奏曲集」の演奏。作品の背景を語りながらの演奏だったので、感興も高まった気がする。そのあと立食パーティー上林暁の妹さんの徳広睦子さん、木山捷平の息子さんの木山萬里さんにご挨拶。二人ともとてもお元気だった。出席者は数人を除いては知らない方ばかりだったので、最初のうちは緊張したが、そのうち話せるようになった。「モクローくん通信」の読者で、メールをやり取りしてた白水社小山英俊さんにも初めてお会いする。


7時ごろ、場所を阿佐ヶ谷青柳邸に移して、いよいよ宴会の開始。20人近くが一部屋に集まって、がやがや話しながら飲む。名古屋から戻ってきた岡崎武志さんも参加。ぼくの隣には、もと新潮社カメラマンの田村邦男さんが。豪快なおじさんだった。川本さんがいろんな失敗談を披露すると、ヨコにいたフランス文学者野崎歓さんがすかさずツッコミを入れる。このタイミングが絶妙で、どんな小さいボケも丁寧に拾い上げるその反射神経は素晴らしい。川本さんだけでなく、ほかの人のボケも見逃さない。遠くにいても、ちゃんと聞こえるように突っ込む。このヒトがあの『谷崎潤一郎と異国の言語』〈人文書院〉の著者なのかというのが、今日いちばんのオドロキだった。


まだまだ宴は続くようだったが、岡崎さんに誘われて辞去する。日本酒の飲みすぎでギブアップ寸前だったのでありがたい。〈よるのひるね〉にまだ行ったことがないというので覗いてみるが、残念ながら貸し切り。ホームで岡崎さんと別れて、新宿経由で帰ってくる。知らない人が多い会ではいつも緊張してしまうのだが、今日の会はフランクな感じで居心地がよかった。

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2006-01-14 雨の日はラロ・シフリン

9時起き。午前中は書評の本を読んでしまう。旬公は谷中アパートワークショップがあるので、出かけた。ぼくは、新宿の〈損保ジャパン東郷青児美術館〉で東郷青児の装幀展に行こうと思っていたら、雨がヒドくなってくるし、やっておかなければならない仕事もあってパスしてしまった。昨日、〈アトリエ箱庭〉の幸田さんから教えてもらったのだが、今日が最終日なのだった。


ネットで注文していた、関根弘『パビリオンTOKYOの町』(創樹社)800円と、『新潮社一〇〇年』(非売品)2500円、が届く。前者は種村季弘編『東京百話』地の巻(ちくま文庫)に、この本から何篇か収録されていて読みたくなったため。後者は『本の雑誌』の坪内祐三さんの日記で見て、「日本古本屋」で検索したら安く見つかったので。


夜は、ジャン・ギャバンアラン・ドロンの《地下室のメロディー》(1963・仏)を、図書館で借りたビデオで観る。オリジナルはモノクロだが、これはカラー着色されたバージョン。さほど不自然ではない。おもしろかったが、犯行に及ぶまでが長く、その結果も一瞬、というのが、フランス映画っぽい。


遅れていた「書評のメルマガ」はじめの号を編集して、発行する。「この版元がエライ!2006」の回答募集。今年で5回目。通常号だけでも手一杯なのに、よくやるよなあと自分でも思う。でも、こういう企画をするのが好きなんだよな。よくよくミニコミ体質なのである。そのあとも、メールを数十通書き、終わったのが1時すぎ。BGMに流していたのは、奈良で買った《ダーティー・ハリー》と《ブリット》のサントラ。どちらもラロ・シフリン音楽で、ノリノリのゴキゲン(古い)。気に入ったので、《ガントレット》のサントラも買おうと思っている。

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2006-01-13 70点でも生きている

kawasusu2006-01-13

8時半起き。出勤日。まだ1月半ばだというのに、すでに複数の仕事が並行して進んでいて、アタマの中が混乱する。もっと、ゆっくりじっくり仕事したいのだけど、それだと本は出ないし。


7時すぎにようやく出られて、東西線高田馬場へ。ちょっとだけ、〈BIG BOX〉の古本市を覗く。今官一『想い出す人々』(津軽書房)600円。山之口獏上林暁坂口安吾らについての回想。一編が短いので読みやすそう。ほかに、杉浦康平装幀の石田一志『モダニズム変奏曲 東アジアの近現代音楽史』(朔北社)2500円、ポチ『浅草ラビリンス』(ペンギンカンパニー)700円、『わたしの吉川英治 その書簡と追憶』(文藝春秋新社)300円、を買う。


FIビル地下にある〈紫蘇の実〉へ。塩山芳明さんを囲む飲み会。すでにみんな、かなり飲んでいる。塩の字は今夜はいつも以上にハイテンションで、うるさい。〈三楽書房〉のアキヒロくんが気に入ったらしく、ヨコにはべらしている。稚児か。「古本関係の書き手を採点する」とか云い出して、セドローくんが82点、濱田くんが75点、魚雷さんが76点、アキヒロくんが77点と云う(点数はうろ覚え)。で、「南陀楼はまあ70点だな」と。なんで、文章書かないアキヒロくんより下なんだよ。70点でもなんとか生きてるので、ほっといてください。いつものコトだから慣れてるけど、ワリと根に持つほうなので、塩の字は気をつけるように。


やるべきことが何重か、アタマに引っかかってるので、二次会パスして家に帰る。《タモリ倶楽部》の「空耳アワード」を見て、ちょっと仕事したらもう2時だ。寝ますか。

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2006-01-12 ついに揃った!『髫髪(うない)歓賞』

kawasusu2006-01-12

8時半起き。10時ごろに電気屋さんが来る。もともと据え付けてあったエアコンが調子悪いので見てもらうのだ。足の踏み場もなく、業者が来るといつも呆れて帰るため、この数日、旬公が奮闘して床が見えるようにした。しかし、それでもまだヒトが呼べる状態ではない。それなのに、なぜか大家のおじいさんが、べつに用事もナイのに一緒に上がりこんでくる。本人には悪気はないのだろうが、困る。だからといって強く云っても、その場は謝ってもまた同じコトやるんだよなあ。


バス浅草へ。〈松屋浅草店〉の古本市へ。今回はいい本が多く、けっこう買ったが、べつのところで書くつもりなので略。ただ、目録で注文した板祐生の『髫髪(うない)歓賞』全6冊、2万5千円が入手できたコトだけは書いておきたい。板祐生は鳥取県西伯郡西伯町(町村合併により現在は南部町)で、孔版画を描き、謄写版で印刷の冊子を発行した人物。ポスター、手ぬぐい、マッチラベルなどのコレクターでもあった。ぼくは数年前から、祐生のコレクションを所蔵する〈祐生出会いの館〉に何度か通っており、資料調査もさせてもらっている。祐生の冊子でいちばん長く出たのは『富士乃屋草紙』だが、昭和8年から10年にかけて刊行された『髫髪(うない)歓賞』6冊も、完成度の高いものである。今回出たのは、あるコレクターからまとめて出た郷土玩具関係の資料のナカにあったもので、全冊をまとめたオリジナルの秩をつくり、さらにそれを和紙で包んでいる。どちらにも手書きの題箋が付けられており、愛情が感じられる。久しぶりに、大物を獲たという気がする。大事に所蔵し、有効活用したい。


銀座線日本橋に出て、東西線竹橋へ。取材までちょっと時間があるので、神保町をうろつく。もと〈北沢書店〉の一階にできた〈ブックハウス神保町〉に初めて入ってみるが、ウワサどおり、つまらない。B本(自由価格本)主体でやりたいのか、児童書主体なのかがよくワカラナイ。坂口三千代『ひとりという幸福』(メタローグ)を半額の600円で買う。〈@ワンダー〉で、1970年代の『SFマガジン』2冊と、創刊〜3号の復刻版を買う。昨日、国会図書館コピーした号だが、現物も安かったので。最初からココに来ればヨカッタかな。〈田村書店〉の100円均一BOXで、1971年雑誌デザイン』を発見。石子順造の「日本のKITSCH」、草森紳一江戸デザイン」、海野弘建築から演劇へ」などが連載され、当時、新進気鋭のデザイナー画家写真家評論家が総動員されている。A4サイズで重く、松屋で買った荷物をあわせるとイヤになるのだが、しかたがない。


さらに、先日行った〈ソラリ〉にも顔を出す。建築デザインシリーズ喫茶店1』(井上書院)1000円。1950年代の〈アマンド〉〈千疋屋〉〈らんぶる〉など12店の店内が。マッチラベルデザインを紹介したページもある。このシリーズ喫茶店の巻はあと3冊あるらしいので、集めたい。それと、『VIRGIN VS Express』というパンフレットを1200円で。1stアルバムの発売の宣伝として1981年に出されたもので、A4判・8ページ。A児(あがた森魚)をはじめとする、メンバー紹介も。そういえば、こないだ案内ハガキが来ていたが、先週ライオンメリィが久々にライブをやったらしい。こういう1980年代サブカルものの紙モノ(チラシとかパンフとか)は、いまやってるコトに直接関係ないので買わないようにしたいのだが、懐かしさからつい手が出てしまう。


2時に、〈誠心堂書店〉へ。店主の橋口さんも協力しているプロジェクトに関する取材。終わって、水道橋駅まで歩き、総武線山手線を乗り継いで帰ってくる。荷物が重くて、へとへと。少しヨコになり、伊藤理佐の新刊『女いっぴき猫ふたり』『おるちゅばんエビちゅ』第13巻(双葉社)を読む。ささやか幸せ。このヒトはいま、絶好調だなァ。雑用をこなしながら、夜は松本清張原作ドラマけものみち》を観る。以前にNHKドラマ化したのも、たぶん映画のほうも観ていて、どちらもオモシロかった。なによりタイトルが「けものみち」とくれば、本で埋まったウチの部屋のことのようで他人事とは思えず(そういうハナシではありません)。初回は、米倉涼子佐藤浩市も熱演だったし、演出もねちっこくてなかなかヨカッタ。

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2006-01-11 国会図書館でとまどう

kawasusu2006-01-11

8時半起き。ウチで雑用をすませ、千代田線国会議事堂駅へ。国会図書館で調べものをする。久しぶりに来たので、システムの変更にとまどう。登録カードを持ってはいたのだが、そのときはまだ新システムが動いてなかったのだ。入口の機械に登録カード差し込んで、入館証を受け取る。ナカに入ると、この入館証でOPAC検索から本の請求、到着状況の確認、コピーの申し込みまで、オンラインでこなすことができる。ハナシには聞いていたが、コレは便利。以前は新刊と本館を行ったり来たりしながら、請求票を出していたのだが、一台のOPACから動かずに両方に請求票が出せる。オンラインになった分、本が出てくるまでの時間も明らかに短縮された。しかし、こうやってすべてがオンライン・ベースになると、けっこうめんどくさいコトも多い。コピーは、コピーの申請書をプリントアウトしてそこに手書きでページ数を書き込むという二度手間。いろいろ細かい制限がある点は変わっておらず(まあお役所だからアタリマエだが)、その上にコンピュータを操作せねばならぬとあって、不機嫌な顔になっている老人が多かった。ぼくも、よく判らずにヨコにいる館員に注意されること、しばしば。まあ、そのうち慣れるのだろうが。


3時ごろまで、単行本と雑誌新聞の調べを行ない、仕事場へ。あとはメールを書いたり、書類をつくったり。こないだから、「ブログで見ましたがNさんの連絡先を教えてほしい」などの安直な依頼が多く、ちょっとキレる。テレビ製作会社出版社というそれなりに情報源を持っている立場のヒトが、まず自分で調べてもみないで、メール一本で済まそうとする姿勢はどうなのか。教えない、というのではなく、順序の問題だ。


いろいろやってたら出るのが遅くなってしまった。7時半ごろ出て、都営新宿線新宿小田急線経堂へ。こんな時間にやっている〈ロバロバカフェ〉の古本市に行くのだ。到着して、あまり広くないスペースなのに案外、本が多いことに驚く。個人でやっているオンライン古書店など8店が参加。海外ものでウーンと唸るいいモノもあり、ありふれた本に強気の値段つけてますなあというモノもあり、さまざまだが、店ごとに特徴があって楽しかった。ナカでも、〈ninon books〉〈booby bookstall〉、そして先日取材させてもらった〈a2g+(books)〉がとくにヨカッタ。買ったのは、1950年代(?)のアメリカレシピファイル。3800円。自分で書いたレシピを、あらかじめ綴じこまれている封筒に収めるようになっている。表紙もキレイ。「封筒本」をつくっている旬公にプレゼントしよう。それと、『INVENTORS STAMPS』というアメリカのスタンプブック。1100円。テキストのヨコにスペースを空けておき、そこに蒐集した切手の現物を貼るようになっている。こういう本自体はよく見かけるが、この本に関しては、切手の貼り方が異様にザツなのが笑える。ぼく並みに不器用なヤツの手になるものか。それと500円均一の棚から、吉本晴彦『どケチ生活術』(サンケイビジネス)を買う。「大日本ケチ教の教祖」だという著者が、ソロバンを持ってポーズを決めている写真と、関西弁の本文に惹かれて。


店主のいのまたさんから、古本市にあわせて出された『ENQUETE』という小冊子をいただく。参加した8店に加えて、〈海月書林〉〈蟲文庫〉ほかの店に共通の質問を出し、それに答えてもらうというアンケートを掲載。それぞれの店の写真も載っている。ぼくも、「2005年 独断と偏見で選ぶ古本市ベスト5」というコラムを書いている。この冊子のデザインは〈a2g+(books)〉さんが手がけているので、彼女がこれまで出してきた小冊子と同じく、カラープリントアウトしたものを二つ折りして、クリップで留めている。


店内には若い男女が静かに本を見ている(その一人が〈ブックピックオーケストラ〉の川上さんで、あとで挨拶された)。そこに、「ふーん、こんな風になってるんだあ」とでかい声で独り言を云いながら、「黒いでっぱり」こと〈書肆アクセス〉の畠中理恵子さんが登場。経堂に住んでいるので、ココで待ち合わせたのだ。場の雰囲気をいっきに畠中テイストの染めて、なごませてくれた。二人で近くの〈太田尻家〉へ。エンテツさんに連れてきてもらって以来、お気に入り。今日も込んでいたが、どうにか座らせてもらう。酒も料理もすばらしく美味しい。最後のパスタも、酒を飲みながら食べるのに最適。しかも、ビックリするほど安かった。畠中さんと二人だけで飲むのって、考えてみると初めてじゃないだろうか。いろいろ話したが、いちばん盛り上がったのが、「狭い店っていやだよねー、(この体型だと)身動きが取れなくって」という話題だったのはヒミツだ。その点でも、十分なスペースを取っている〈太田尻家〉は合格だ。


いい気分で飲んでたら、11時半になった。経堂駅まで戻り、新宿行きの電車に乗り込む。最終、一歩手前だった。新宿から山手線で帰る。ウチに着いたのは1時前。旬公が、仕事机にコタツをセットしたのを見せてもらう。正月出雲で掘りごたつを体験して以来、こたつに取り憑かれている。ナベツマならぬコタツマだ(ウマイ)。

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2006-01-10 寝不足ののち、初神保町

9時10分発の東京駅行き夜行バスは、「青春ドリーム号」という名前から想像付くとおり、5000円という格安料金の代わりに、座席は二人掛け、足を伸ばす場所も少なく、スリッパも付いてないものだった。ホントは8000円でもう少しゆったりしたタイプを予約していたのだが、料金の支払いを忘れていてパーになったのだった。二階建てのバスが満席で、暖房が効きすぎて暑く、さらに100円ショップで枕を買うのも忘れてしまったので、いっこうに寝られず。消灯後は本が読めないので、旬公から借りたiPod音楽を聴きつつ、懸案となっている諸々の件を考えてみる。けっきょく2時間ぐらいしか眠れなかったが、いくつか具体的なプランが生まれたので、寝不足でもまあイイか。


6時半ごろ東京駅着。ウチに帰り、2時間ヨコになってから仕事場へ。やるコト多いなあ。1時すぎに神保町へ出かける。今年はじめて。〈書肆アクセス〉に寄り、『読書人』1月13日号を買う。坪内祐三『極私的東京名所案内』の書評を書いたのだが、掲載紙が届かなかったので。昨年末にうんうん唸りながら書いたもので、ぼくとしては頑張った、というトコロか。この本に出てくる芝の紅葉館については、もっと知りたくなって、文中に紹介されている池野藤兵衛『料亭 東京芝・紅葉館 紅葉館を巡る人々』(砂書房)を、「スーパー源氏」で見つけて買った。新刊コーナーには、なぜか木山捷平玉川上水』(津軽書房) が一冊。1991年刊行なのにまだ買えるのか。畠中さんに訊くと、「なんか入ってくるんだよねえ」と。古本で持ってるハズだけど、ある種の感動を覚えて仕事用に買った。ちなみに、名張市図書館の『江戸川乱歩執筆年譜』『江戸川乱歩著書目録』も何冊か積んであったので、未入手の方はこの機会に買っておいてはどうですか。


書泉グランデ〉で『散歩の達人MOOK 東京がわかる300冊!』(交通新聞社)、〈田村書店〉の外台で『内田百聞集成7 百鬼園先生言行録』(ちくま文庫)200円、『都筑道夫恐怖短篇集成3 雪崩連太郎全集』(ちくま文庫)300円、を買う。靖国通りを渡り、久しぶりに〈書肆ひぐらし〉を覗く。ご主人とは年末松坂屋で会っている。1月末に単独では初めてとなる目録を発行するとのこと。楽しみ。買ったのは、安藤鶴夫三木助歳時記』(旺文社文庫)。ちょっとカバー背に難アリだが、500円は安い。


〈彷徨舎〉に寄って田村さんと話したあと、近くにできた古本屋へ。愛知から進出した〈がらんどう〉(http://www.garando.jp/)で、絶版漫画おもちゃから文学まで幅広い。〈くだん書房〉だった店舗なのでさほど広くはない。雑多だけど、人目で見渡せるところがぼく好み。この規模で、常時モノを入れ替えてくれると面白いだろう。初山斗作編『初山滋の世界 コドモノクニの頃』(すばる書房)2100円、藤沢桓夫『随筆 人生座談』(講談社)840円、松居桃楼『ゼノ死ぬひまない 〈アリの町の神父〉人生遍歴』(春秋社)500円、を買う。藤沢桓夫エッセイ集には文学者が多く登場するようだ。一昨年、松濤美術館でやった「谷中安規の夢〜シネマとカフェと怪奇のまぼろし」の図録があった。扉に、版画家大野隆司のサイン入りで3800円。けっこう安いと思うので、未入手の方はこの機会に買っておいてはどうですか。


仕事場に戻り、8時すぎまであれこれやる。〈渥美書房〉から、斉藤英子『安成二郎おぼえがき』(新世代の会)が届く。伊多波英夫『安成貞雄を祖先とす ドキュメント・安成家の兄妹』(無明舎出版)の余波なり。『安成貞雄 その人と仕事』(不二出版)とあわせて読もう。晩飯は旬公がアメ横で買ってきた冷凍餃子で、水餃子をつくる。そのあと、関西行きの日記を書いたり、写真を整理したりしていたら2時になった。さすがに眠くなり、布団にもぐりこむ。

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2006-01-09 奈良では、大量買いと大騒ぎの祝宴

kawasusu2006-01-09

朝9時起き。今日もいい天気。扉野さんとバスに乗り、三条へ出る。〈六曜社〉でコーヒートースト(マーマレード付き)。地下はまだ営業していない。オクノ修さんのコーヒーが飲めるのは、いつの日か。よくネタが尽きないものだと自分でも呆れるが、ココでもしばらく話し、10時半ごろ、三条京阪の〈ブックオフ〉へ。新書2冊で100円というフェアをやってたので、中町信ミステリ浜村淳『星影の飛鳥』(羊書房)を買う。後者浜村淳が、例の口調で飛鳥時代の出来事を解説してくれる。冒頭からして、「中大兄皇子は、いま花吹雪の飛鳥寺の庭に立っておりました。ただいま十九才」という名調子である。ほかに、乾信一郎『おかしなネコ物語』(ハヤカワ文庫)、十返千鶴子『夫恋記』(新潮社)を各105円で。


扉野さんと別れ、京阪丹波橋まで行き、近鉄に乗り換えて奈良駅へ。今夜のバスJR奈良駅発なので、とにかく荷物をそこまで運んでしまう。コインロッカーに放り込んで、移動開始。いつも奈良古本屋情報を教えてくれる〈高畑文庫〉の関さんから、もちいどの通りに新しい古本屋ができたと聞いたので、そこに行ってみる。〈智林堂書店〉という店で、12月にオープンしたらしい。開店当初にはだいぶいい本があったようだが、いまはかなり抜かれてちょっと棚が寂しい。それでも文庫を中心にイイ本が安い。以下、買った本です。渋川驍『書庫のキャレル 文学者図書館』(制作同人社)800円、谷田昌平『回想 戦後文学』(筑摩書房)400円、枝川公一上海読本』(西北社)600円、北川冬彦『現代映画論』(三笠書房)300円、依田義賢『スクリーンに夢を託して』(なにわ塾叢書)300円、ユーシェル・モリナーロ『盗作者』(角川文庫)200円、フィリップ・ロス乳房になった男』(集英社文庫)100円、ジョージ・ミケシュ『スパイになりたかったスパイ』(講談社文庫)150円、カミ『エッフェル塔の潜水夫』(講談社文庫)300円、吉行淳之介(絵・米倉斉加年)『男と女をめぐる断章』(集英社文庫)100円、山本容朗編『今昔温泉物語』(福武文庫)300円、長谷川四郎印度洋の常陸丸』(中公文庫)300円、野尻抱影『星三百六十五夜』上・下(中公文庫)500円、橘外男『ベイラの獅子像』(教養文庫)300円。いずれも思わず手が出てしまう値段だ。とくに、1970年代の海外文学文庫が100円〜300円なので、つい買ってしまった。


そのあと、この通りの古本屋を見て、カレー屋でチキンカレーを食べる。そして、ならまちの〈酒仙堂〉へ。いつもの通り、ご主人が飲みたそうな顔をして出てきて、すぐに酒になった。奈良地酒を何杯か飲ませてもらう。今日は2割引だというので、木山捷平『長春五馬路』(旺文社文庫)500円、ほかを買う。ちょっといい気分になって、もちいどの商店街に戻る。奈良に行くと必ず寄るレコード屋〈ジャンゴ〉(http://blog.livedoor.jp/recordshopdjango/)が閉まるらしいと聞き、行ってみる。たしかに「ネットでのダウンロード配信などに押されてやっていけなくなった」旨の貼り紙がしてある。好きな店だったのに惜しい。ディスプレイしてあるCDの中から、《ダーティー・ハリー》のサントラ盤を選び、レジに持っていくと、「ラロ・シフリンだったら、こんなのもありますよ」と《ブリット》のサントラを見せられる。こういう風に店主が適度に親切で、マニアックなのがよかった。最後だからと両方買ってしまった。この店はしばらく借りておき、夏ごろまでには再開したいというハナシだった。


近鉄奈良駅の反対側に出て、4時ちょっと前に〈古書喫茶ちちろ〉に到着。川崎彰彦さんの『ぼくの早稲田時代』(右文書院)の刊行を祝う会。主宰は同人誌『黄色い潜水艦』だが、同時期に同人の三輪正道さんが『酒中記』(編集工房ノア)を出し、林田佐久良さんも自分史の本を出されたので、共同でお祝いの会となった。すでに30人以上が集まっていた。宇多さんとうらたじゅんさんは準備に忙しい。川崎さんと当銘さんに挨拶する。林哲夫さん、右文書院の三武社長青柳さんもやってくる。ぼくの隣には、『虚無思想研究』の久保田一さんが。お会いするのははじめて。本業は金工さんで、最初に修行したのが谷中だったと話してくれる。その向かいに座っている、じつに陽気な女性は誰かと思えば、同誌の編集委員の山本薫さんだった。久保田さんの奥さんだ。青柳さんは山本さんに気に入られたらしく、「はやくそれアケて、こっち飲みなさいよ。美味しいんだから」などと世話を焼かれている。この女殺し(写真はその証拠)。山本さんは「南陀楼綾繁という名前の字面を見たときに感動した。あの文字の並びは素晴らしい」とたいそうホメてくださるが、「江戸時代の戯作者の名前を借りた」と云ったらガッカリしていた。「でも、この名前を選んだセンスを褒めてください」と云っておく。


川崎さんの本をずっと出してきた、編集工房ノアの涸沢純平さん(今回の本の「しおり」にも寄稿してくれている)はゴキゲンで、すっかり陽気になっていた。ノア=シブイ版元と刷り込まれているぼくなんかにしてみると、意外な面を見たような気がする。だって、編集工房ノアの社主が「ヒロシです……」と芸人の真似をするなんて、誰が想像するだろう! 涸沢さんとゆっくりハナシをできたのは、とても嬉しかった。『海鳴り』の次号に、『ぼくの早稲田時代』について書くよう云われたけど、まさか酔ったイキオイではなかったと思いたい。


6時に散会の予定が、すっかり盛り上がり、川崎さんは歌うは、うらたさんたちは「おてもやん」を踊るはの大騒ぎ。気取らずに楽しい会だった。林さんや青柳さんたちが辞去したあとも、ぼくはしばらく付き合い、7時半ごろ失礼する。まだ少し時間があるので、JRのほうに行き、蕎麦屋に入る。そして9時10分発の夜行バスに乗って、東京に向かうのだった。

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2006-01-08 京都では、古本屋めぐりとオフノート奇談

朝8時起き。荷物を詰め込んで、9時に出発。9時半ののぞみで、京都に向かう。車中、東京駅から出るときにはいつも買う「チキン弁当」を食べる。朝飯は食べたので、昼前まで待とうと思っていたが、一緒に缶ビールも買っていたので、出発してしばらくしたらつい手が伸びてしまった。その代わり昼飯は抜いたが。


12時すぎに京都駅着。地下鉄烏丸御池に出て、京都市役所に向かって歩く。米原の辺りですごく雪が積もっていたので、京都寒いんじゃないかと思ったら、天気はイイし風もさほど冷たくない。散歩にはいい日和だ。〈三月書房〉に行くと、宍戸立夫さんが店番していた。相変わらずの毒舌でいろいろ話しかけてくれるのだが、ほかにお客さんがけっこういるので、ジャマにならないかちょっと心配。「あ、来てたんですか」と云って、あとで待ち合わせていた右文書院青柳さんが入ってくる。京都に来て三月書房バッタリというのは、神保町の〈書肆アクセス〉で出くわすのと同じぐらい、ありふれた光景なのかもしれないが。『水声通信』第3号(特集「村山知義とマヴォイストたち」)と『黒』第10号(特集「向井孝」)を買う。後者向井孝の死の翌年に出たもので、多くの人の追悼文が収録されている(向井が母方の祖父だという、「書誌鳥」こと森洋介氏も寄稿し、血縁を超えたフシギな関係について書いている)。編集後記には、『黒』は向井が80歳のときに創刊した、とある。


寺町通りを南に歩き、途中からヨコに曲がって〈アスタルテ書房〉へ。ぼくはどこで曲がればイイかいまだに迷ってしまうのだが、青柳さんはスッと正しい道に入っていった。ココでは、「日本の女子カルチャー」を特集し、近代ナリコさんが座談会に出ている『daitxt.』第14号(新刊)と、『別冊新評 平井和正豊田有恒集』500円、を買う。それと、都築響一京都残酷物語』というパンフレット的な本を500円で買う。観光客の目から遠ざけられている京都の裏側を、写真と文で紹介するもの。1992年、テレスコープ叢書。


四条通りに出て、阪急四条烏丸駅地下にある〈くまざわ書店〉で、林哲夫さんと待ち合わせ。同じく地下にある、やたらに満員の〈イノダコーヒ〉に入り、青柳さんと林さんの打ち合わせに同席。要件はすぐに終わり、あとは雑談。林さんから、小川菊松『いしずえ』(昭和16)をいただく。誠文堂新光社創業30周年記念として、ベストセラーを記録した本の内容抜粋がメインになっている。加藤美侖の『是丈は心得るべし』も登場し、口絵には加藤美侖写真と、墓前での記念撮影が載っていた。この墓がドコなのか知りたいなあ。加藤美侖の追悼文集『水菴集』(昭和3)には年譜がないので、じつに困る。


林さんと別れ、タクシーに乗って北白川へ。「入口にクルマが突っ込んでいる建物を探してください」というアバウトな指示で、〈ガケ書房〉にたどり着く。店長山下さんは、去年病気したと聞いていたが、もうすっかり元気だというコトでよかった。今日はやたらと客が多く、「善行堂」をはじめとする古書委託も順調なようだ。長新太絵本画家日記2』(BL出版)と、ムーンライダーズムーンライトリサイタル1976]を買う。そこから北に10分近く歩き、〈文庫堂〉へ。入るなり、『別冊太陽 浪花繁盛』を見つける。大阪演芸や食についての写真とルポ。年頭に亡くなった河原淳が「なにわ式広告アラカルト」を書いている。また、戦前の出版物の内容見本やパンフレットが、かなり多く出ている。昭和11年の『冨山房五十周年記念祝賀会 来賓各位祝辞』が300円、小学館の『現代ユウモア全集』内容見本が500円、ガリ版刷りの森瀬雅介『土鈴随想 土鈴は郷土玩具の何なのか』が500円、そして杉浦非水『非水百花譜』の内容見本が300円、とお買い得だった。ほかにも数冊買ったが、略す。東京を出たときには、着替えしか入ってなくて軽かったバックパックがいきなり重くなった。


ちょっと南に戻り、西に向かう。〈欧文堂〉を覗いてから、ガケ書房で教えてもらった〈Bee〉という店へ。〈ぐるぐるカフェ〉とかいう店の二階にあり、靴を脱いで部屋に入ると、半分が服で、奥の畳敷きの部屋で古本を置いていた。とはいえ、はじめて間もないようで、まだまだ本が少ない。さほど食指が動かされなかったが、吉野源三郎『君たちはどう生きるか』(新潮社)の復刻版を400円で買っておく。ひたすら北に向かって歩き、一乗寺に出て、〈恵文社〉にたどり着く。まっしぐらに奥のギャラリーへ。音に聞く恵文社の古本市にやっと来ることができた。モダンジュース古書部、ハルミン古書センターちょうちょぼっこ、書肆砂の書sumusらが、ひとつずつ棚を使っている。ほどほどの量だ。最終日の一日前なので、目ぼしいものは売れてしまったようだが、それでもヒトは多かった。〈三月書房〉の出品は初日に見たかったなあ。沼田元氣さんの棚で、『men only1952年3月号を500円で見つける。お色気グラビアあり、マンガあり、広告ありでイカニモ沼田さん好みの雑誌だ。あと、菊田一夫『数寄屋橋々畔』(河出新書)を100円で。レジで、この古本市の告知のしおりをもらうがナカナカいい。「不忍ブックストリート」でも、しおりをつくろうかというハナシがあったが、いくら掛かるか調べてみよう。


恵文社で扉野良人さんと待ち合わせていたが、もう少し時間があるので、〈萩書房〉まで歩く。ココで長年探していた『月刊Asahi』1993年1・2月合併号を発見。「日本近代を読む[日記大全]」という特集で、ぜんぶで200以上の日記が紹介されている。巻頭グラビア植草甚一の貼雑日記山口昌男谷沢永一の対談(司会は山野博史)。「日記魅せられて」というインタビューでは徳永康元が登場。執筆者も豪華で、日記に関する雑誌の特集としては完璧すぎるほど。この特集を企画したのは、もちろん坪内祐三さんである。これが500円とはウレシイね。ほかに小型判時代の『プレイガイドジャーナル』が2冊、各300円だった。同じ道をえっちらおっちら戻り、恵文社へ。ここまでいったい何キロ歩いたのだろう? 青柳さんは文句も云わずついてきてくれるが、内心アキレてることだろう。扉野さんと会い、歩きだすと雪がチラチラ降ってきた。ちょっと先にある蕎麦屋に入る。つまみも酒もウマイ店。近代ナリコさんもあとから来て、いろいろ話す。シメにそばを食べ、近代さんが友達に会いに行ったあとも、まだ話す。


店を出たあとも話し足りない気分で、タクシーに乗り、扉野さん宅の近くの居酒屋へ。〈まほろば〉という店で、入るなり、なんかいい感じだなと思う。ぼくが座ったヨコにCDの販売コーナーがあり、オフノートCDが多くあった。日本酒を飲みながら、話しているうちに、奥のテーブルに座っているヒトの声に聞き覚えがある。チラチラ見ていたら、マスターが「ひがしのさん」と話しかけたので、「歌うたい」のひがしのひとしさんだと判った。一度、江古田の〈Buddy〉でライブを見たことがある。カウンターに座っていたのは、オフノートからCDを出している藤村直樹というヒトらしかった。マスターに「道理でオフノートCDがあると思いましたよ」と云うと、「彼女CD出してるよ」とカウンターに入っている女の子を指差す。云われて改めて見ると、おお、「薄花葉っぱ」のボーカル・下村ようこじゃないか! 最初見たときキレイ女の子だなと思ったのだが、気づかなかったよ。下村さんには何度かライブに行っているのは伝えたが、『ぐるり』で薄花葉っぱについてエッセイを書いたコトは云いそびれた。マスターは、『謄写技法』の坂本秀童さんの友達で、坂本さんが住む徳島出羽島に別荘を持っているのだという。なんつーか、世間は狭いねえ。


京都駅近くのホテルに泊まる青柳さんをタクシーに乗せて別れ、ぼくは扉野宅へ。今夜は泊めてもらうのだ。焼酎を飲みながら、3匹の猫をいじりながら、さらに話す。扉野さんはナニを聞いても打てば響くように教えてくれるので、話すのが楽しい。「ブッダハンド」の蔵書も見せてもらい、満足。2時ごろ、眠りにつく。

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2006-01-07 ひとりぼっち荒川線

朝8時半起き。寒いなあ。午前中は宅急便の片付けと部屋の掃除年末年始新聞をまとめ読みしていると、河原淳氏の訃報が。76歳。イラストレーター、現代デザイン研究所代表。食道がんのため死去。河原氏は、1970年代の売れっ子イラストレーターパロディストで、宮武外骨の「外骨忌」にいらしていたのだが、お話したコトはなかった。しかしこの数年、奥成達梅田晴夫ら、いろんなテーマに手を出す書き手の一人として、河原氏の本を少しずつ集めるようになり、いずれお会いできればと思っていたのだった。残念。


昼前に今年初めての〈古書ほうろう〉。「古書モクロー」棚の追加。たんに松坂屋古本市で売れなかった本を持ってきたのだが、トコロ変わればお客さんの反応も変わる、というのが、この一年間、いろんな場所で古本を売ってみての感想であり、あちこちに動かしてみるのは悪くない。復刻マッチも追加。


新入荷のコーナーに、『ひとりぼっち荒川線』(東京都交通局)という写真集を見つける。わずか30ページなのだがハードカバーで、都電荒川線歴史写真でたどっている。この写真集が出された1978年の3月31日には、荒川線は「赤帯のチンチン電車」が廃止され、車掌制度もなくなり、ワンマンカーとなった。タイトルの「ひとりぼっち」とあるのは、ほかの路線が廃止されてただひとつの都電になったコトだけでなく、一両編成のなったことへの思いも込められているのだろうか。それにしても、なんとも印象的な題名だ。1500円なので、ウーンと悩んだが、コレが買っておくべきだと購入。ほかに、こうの史代『ぴっぴら帳 完結編』(双葉社)、『こっこさん』(宙出版)、福島正実『離れて遠き』(ハヤカワ文庫)600円、などを買う。


こちらも今年初めての〈往来堂書店〉。フェア台では「往来堂スタッフが選んだ年末年始おすすめ本」をやっている。日垣隆『使えるレファ本150選』(ちくま新書)、四方田犬彦『「かわいい」論』(ちくま新書)、小田扉団地ともお』第6巻(小学館)、押切蓮介でろでろ』第6巻(講談社)、『文学界』2月号を買う。『文学界』には、小林信彦「うらなり」が一挙掲載。ウチに帰ると、八木福次郎『斎藤昌三と書物展望社』(平凡社)が届いている。『日本古書通信』の連載を大幅に増補したもの。某紙から書評を依頼されたのである。心して読まねば。


出雲そばで昼飯。そのあと、旬公にipod shuffleの操作法を習う。明日から関西に行くので、借りることにしたのだ。好きなCDを何枚かiTuneに取り込み、そこからipod shuffleに移すのだが、意外にめんどくさい。もっとカンタンにできると思ってたよ。


4時ごろ、マフラー、手袋、帽子で防御して、寒い中を自転車で出かける。久しぶりに、道灌山通りを荒川区役所方面へ。途中、〈肉のきたじま〉(水泳選手の北島選手の実家)の前を通ると、道を挟んで向かいに、二号店ができていたのでビックリ。やっぱり儲かってるのか。南千住図書館に行き、パソコン右文書院日記本のまとめ。2時間ほど集中し、少し進んだ。


三ノ輪に出て、〈中ざと〉でチューハイ、ムツの刺身カウンターの隅っこで、酒を飲みながら本を読むのは楽しい。それが気になるのか、ヨコにいた常連さんが連れに「最近本読んでないなあ。オレも昔は本が好きでさあ」と話し出す。吉川英治山岡荘八をごっちゃにしてたのは、ご愛嬌だが。常連と店の奥さんの会話を聴いていると、「あと2、3年で閉めるから……後を継ぐ人もいないし」と云っていた。ホントだとすれば残念だ。近くの古本屋〈えどや〉で、ナニかないかなと見ていたら、井上ひさし喜劇役者たち』(講談社文庫)があった。堀切直人浅草 戦後篇』で印象的な引用があり、読んでみたいと思ったのだが、図書館にはナカッタなのだ。探していた本がヒョイと見つかるのが、この店のイイところ。ほかに諸星大二郎妖怪ハンターシリーズ文庫版などを買う。


中町通りの肉屋で豚肉を買い、ウチに帰る。旬公は仕事相手と食べるというので、豚肉と白菜の合わせ煮というのをつくって食べる。明日、明後日と所用で、京都奈良に行ってきます。

2006-01-06 今年最初のバス

朝食のあと、義父の車で大船駅まで送ってもらう。10時前に西日暮里着。荷物を置いてから、本駒込図書館に行き、調べ物をする。昼は田端の〈ひらの〉。夜は飲み屋。ずーっと以前から入ってみたかったのだが、なんとなく敷居が高そうで入れなかった。ランチ秋田稲庭うどんと丼もののセットでなかなかウマイ。


坂下バス停で、東京駅行きのバスをかなり待つ。やっと来たのに乗り込み、本郷お茶の水を通り、神田錦町で降りる。仕事場のすぐ近くで便利だ。今年初めての仕事場で、年賀状の返事を書いたり、取材の段取りをしたりして、7時前まで。


ウチに帰り、カレーをつくる。久しぶりなので、けっこうウマイ。年末松坂屋古本市売れ残りや、出雲からの荷物を整理しているうちに夜が更ける。


神戸〈海文堂書店〉の福岡さんから、年頭のフェアのお知らせです。いろいろとオモシロイこと思いつくよなあ。

(1)『ビッグイシュー日本版』バックナンバーフェア

〜 全国の書店ではじめてのブックフェア 〜

1F・「階段下」コーナーで、1/16(月)〜2/28(火)

●ブックフェア担当者から

ビッグイシュー』という雑誌をご存じですか? ホームレスの人の<救済>ではなく、仕事を提供し<自立>を支援するための雑誌です。この雑誌1991年ロンドンで生まれ、2003年9月に「(有)ビッグイシュー日本」より“日本版”が創刊されました。20代〜30代前半の人を読者として想定し、若者立場から社会問題を取り上げ、マイナスの条件をプラスに切り変えていくようなオピニオン誌をめざしています。

定価200円の『ビッグイシュー日本版』をホームレスである販売員さんが路上で売れば、110円(55%)が販売員さんの収入になります。最初の10冊は無料で提供され、その売上げ(2000円)を元手に、以降は一冊90円で仕入れるという仕組みになっています。現在、販売員さんは東京京阪神を中心に100人余り。神戸では元町で一人(JR元町駅東口)、三宮で二人(三宮駅近辺)が販売に当たっておられます。

 このように、『ビッグイシュー日本版』はホームレスの人が自ら販売する雑誌であるために、書店等では一切販売されていません。バックナンバーも、販売員に申し込むか、通信販売で購入することになっています。

このたび、当店から「(有)ビッグイシュー日本」様に【書店での『ビッグイシュー日本版』の販売】をお願いしましたところ、“より広くより多くの方に同誌の記事内容を知っていただければ”とご快諾をいただきました。書店での販売は、全国初となります。完売号を除く第41号までのバックナンバーを販売いたします。このブックフェアの収益の一部は、販売員さんの福利厚生のためにお使いいただきます。最新号につきましては、販売員の方からお買い求めください。

このブックフェアを第一歩として、趣旨に賛同してくださる全国の書店で『ビッグイシュー日本版』バックナンバーフェアが行なわれることになれば……と思っています。「(有)ビッグイシュー日本」様のURLは、http://www.bigissuejapan.com/ です。なお、本紙『海会』(カイエ)の編集協力をいただいています〈シースペース〉さんは、『ビッグイシュー日本版』のデザイン担当されています。 (福岡 宏泰)


(2)【 ちんき堂棚 】 常設開始!

〜 海文堂で古本が買えま〜す 〜

昨年10月、<元町古本屋ちんき堂」、海文堂に見参!>と題したブックフェアを開催しました。これが、大好評でした。ふだん新刊書店では見ることのできない古本を、新刊書店にいながらにして買える……というのでお楽しみいただいたのではないかと思います。ならば、「ひと月だけで終わらせず、いっそいつでも海文堂で古本が買えることにしましょうよ」と、ちんき堂店主・戸川昌士さんと鳩首相談。で、今月から、新刊本のニオイのなかに古本のニオイも漂う海文堂になります。

まずは、古き良き時代に出た『暮しの手帖バックナンバーや大衆読物雑誌、『ガロ』に『奇譚クラブ』まで……。1月3日(火)、海文堂“古本劇場”の開幕であります!【ちんき堂棚】は、東入口スグ、「1F・レジ前」です。


(3)【 S氏コレクション 】による<古書・古物販売>、始めます!

ちんき堂棚 】に続いて、またまた古本好きの方にはたまらないことをやります。<S氏>は、当店のお客様。ある日の雑談。「変わった昔の本がいっぱいあるんやけどなぁ。ちょっと処分しようか思うてなぁ……」と。すかさず、「ほんじゃ、海文堂で売りましょ!」。「新刊書店でそんなことできるんかいな?」。「はいな。海文堂は、古物売買の鑑札も持ってますんで、ぜ〜んぜん問題おまへん」。「ほーか。ほな、頼むか!」。こんなやりとりで実現した企画なのです。

 話が決まると、S氏は毎日のように当店に古書や古物を持ち込んでこられました。これがまた、珍しく、面白いものばかり! さあ、どんなものがありますか、お楽しみに!

 1月16日(月)から、「1F・中央カウンター」でいろいろと“物色”なさってくださいませ。

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2006-01-05 お家でホームレス気分

こんな夢を見た。

どこかの喫茶店(?)で、Y氏(古本関係の本を多く出している人。ぼくはまったく面識ナシ)と落ち合う。やたらと自慢されるので辟易する。一緒にどこかに行こうというので、気乗りしないまま移動する。どこかのビルエスカレーターに乗ったら、途中が踊り場のようになっていて、そこに本が並んでいる。なんと、ワゴン竹熊健太郎(同じく面識ナシ)の『色単 現代色単語辞典』が平積みになってるじゃないか! とっくに絶版になってるハズなのになぜ? と手に取ろうとしたら、エスカレーターのスピードが速くて、隣の本を取ってしまった。その本も竹熊氏の同人誌(誌名は不明)だった。『色単』が気になるので、Y氏がいろいろ話しかけてくる相手にならず、頂上に着くなり、下りのエスカレーターで下へ。さっきの踊り場に着くと、『色単』のみならず竹熊氏のレア本が何冊も並んでいる。おお、すげえ……と喜んでいると目が覚めた。


Y氏も竹熊健太郎も実在の人物で、『色単』も実在する(竹熊氏の同人誌というのは、ホントにあるのか知らない)。会ったことのないヒトが登場するのは、ぼくの夢としては珍しい。ナニを暗示してるのか。


2006年1月10日注】『色単 現代色単語辞典』は、昨年11月にポット出版から復刻版が出ています。竹熊さんのサイトで見て知ってはいたのですが、現物は一昨日、京都の〈三月書房〉で初めて見ました。ちなみに共著者は友成純一イラストひさうちみちお


午前中、東京に着き、荷物を降ろす。年賀状多数。すいません、返事はしばらくお待ちください。10時過ぎに出て、東京駅から東海道本線大船へ。ホームに下りると雪が降っている。20分ほどバスに乗って、旬公の実家へ。この家は二階にリビングがあるのだが、板張りでとても寒い。義母は「体を鍛えていれば寒くない!」とおっしゃるのだが、すいません、凡人には寒いです……。板の間の片隅にホットカーペットとマットを出してもらい、その上に、旬公と二人で毛布をかけて座る。お家なのにナゼかホームレス気分。


夜は、義父が取り寄せた日本酒焼酎を飲ませてもらい、《古畑任三郎》を観る。3日連続の最終日、そしてコレで古畑シリーズは終わるらしい。2時間付き合ったけど、初日と印象は変わらず。やっぱり潮時なのでしょう。寝るときも、カーペットの上に二人分の布団を敷いて眠る。旬公は羽毛布団を与えられたが、ぼくは普通のかけ布団だったのでかなり寒く、しばらく眠れず。出雲よりも鎌倉寒いとはねぇ。

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2006-01-04 出雲での一週間

朝8時起き。今日が出雲で過ごす最終日。書庫から、ライ・クーダーCDを引っ張り出し、それをBGMにしながら、原稿を一本書く。午後は、東京に発送する荷物の整理。今回は、読書ノルマは果たせたし、編集仕事も半分ぐらいは進んだので、まあまあだった(ただし年賀状は書けず。東京に戻ってからまとめてやるコトに)。もっとも、そのために家のことに気を使わなかったので、旬公からお叱りを受けたが。


新しい家は快適だが、家の裏側では、山が切り崩されて新しい道が付いたり、これまであった家が移動していたりと、風景が大きく変わっている。だから、窓から外を見ても、その風景になかなか慣れずにいる。次に帰って来たときには、さらに眺めが変わっているだろう。しかたがないコトなのだろうが。


明日の午前中には東京に戻り、一度ウチに寄ってから、鎌倉の旬公の実家へ行く。

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2006-01-03 続・掘りごたつから離れられない

8時起き。今日も掘りごたつで。宮崎三枝子『白く染まれ ホワイトという場所と人々』(IBC)を読了1975年に四谷で開店し、86年に六本木移転していまでも営業する〈ホワイト〉というバーに通った、作家ミュージシャン映画演劇関係者その他の人々の手記、対談、座談会で構成された本。編集高平哲郎奥成達さんが山下洋輔ミュージシャン引き込み、「全冷中」をはじめとするアホなイベントの相談を行なったり、タモリ密室芸の上演場所でもあった。上村一夫やも通って、ギターを弾きつつ陰々滅滅たる唄をうたっていたそうだ。錚々たる人々の証言で語られるホワイトという「場」は、非常に魅力的。だけど、ヘタなふるまいをすればはじきだされるという緊張感も伝わってきて、自分は行けないだろうなという気にもなる。版元のIBCの社長は賀川洋さん。発売元の洋販の社長だ。ついに出版にまで進出したのだろうか。


午後は、右文書院から出るセドローくんこと〈古書現世〉の向井透史くんの単行本のゲラを読む。やっぱり、ウマイなあ。「しおり」の原稿を頼まれたのだが、ホントは先に自分の日記本のまとめをやらなきゃならない。ようやくやる気になって、2カ月分の日記に手を入れる。この本は、右文書院のチラシやホームページなどで、『アヤシゲ日記』『あやしげ日記』『アヤシゲ日記』など違ったタイトルで、二月に刊行されると予告されてますが、ココで断言します。タイトルも刊行時期も決まってません!(いばるな) ただし、収録範囲を2005年一年間に絞り、なるべく厚いものにする、という基本方針は決まったので、近いウチに詳細がお伝えできるのでは。それまでに伝えられている情報はすべて「未確定」ですので、取り扱いにご注意くださるようお願いします。


弟一家が帰り、家の中が静かになる。旬公と外に出て、医大通りの〈味巣亭〉でパスタでも食べようと思ったら、もう閉店時間だった。大通りに戻って、ありがちな飲み屋に入り、串焼きなどを食べる。ウチに帰り、風呂に入ったあと、《古畑任三郎》を観る。なんだよ、これ。田村正和の喋り方がどんどんヒドくなってくる。あれはもう「味」で処理できる範囲じゃないだろう。西村雅彦のいじりかたもかなりムゴい。まあ、意図的なものなのだろうが。

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2006-01-02 掘りごたつから離れられない

8時半起き。午前中は、出雲大社の近くにある島根ワイナリーへ。出雲そばを買い、数箇所に発送。そのあと、弟も行きたいというので、〈ブックオフ出雲渡橋店へ。子どもたちが児童書コーナーで立ち読みしててくれたので、ゆっくり見て回れる。高橋丁未子『羊のレストラン 村上春樹の食卓』(CBSソニー出版)、『続キダタローのズバリ内証ばなし』(ナンバー出版)、亀和田武『愛を叫んだ獣』(白夜書房)が各105円と、ワリといいものが見つかる。『愛を叫んだ獣』は甲斐バンドの追っかけ本。こんな本、出してたのか。正月フェアということでくじを引かされ、メモパッドをもらう。そのあと2ヶ所で買い物して、帰ってくる。


昼飯は、卵かけご飯。県内にある吉田村で、卵かけご飯にあう醤油というのが売り出され、村で「卵かけサミット」とかいう催しをやったりして、けっこう人気らしい。品切れ続出というその醤油卵かけご飯をしてみたのだが、さあ? ごくフツーの味の醤油でした。


掘りごたつに寝っ転がって、『考える人』を読む。お目当ては、特集「一九六二年に帰る」。津野海太郎「時代の空気 ロゲルギストと花森安治」。ロゲルギストってなんだ? と思ったら、東大物理学研究室系の7人の学者が共同で使ったペンネームで、『物理学散歩道』というシリーズを10冊出したのだという。木下是雄さんもその一人。恥ずかしながら、知らなかった。津野さんは、論理的な日本語科学を語ることをめざしたロゲルギストの活動と、『暮しの手帖』が似ている、という。しかも、その相似はお互いの関心から来るものではない。「この人びととのあいだに可視的なネットワーク存在していなかった。おなじ時代の空気をバラバラに呼吸していただけ。そこがおもしろい」。ふんふんと頷きながら、次のページをめくると、佐野洋子インタビューに、武蔵野美術大学の同級生として平野甲賀さんが出てくる(ちなみに上村一夫も同級生だったという)。当時の写真も載っている。まったく関係ない記事なのに、おなじ特集の中に、1962年の津野さんと平野さん(二人が出会う前だろう)が同居する。これが雑誌のおもしろさだ。


夕方、伊多波英夫『安成貞雄を祖先とす ドキュメント・安成家の兄妹』(無明舎出版)を読了。470ページもあるカタそうな内容なので、時間がかかるかと思っていたが、とても面白い本だった。安成貞雄は数々の雑誌新聞に関わり、社会主義者と交流した評論家。弟の安成二郎は、怠け者ですぐ仕事を投げ出し、ヨタ話でヒトを煙にまいた兄を、いつもフォローしながら、自らも歌人作家としても活動した。ほかに、資生堂に入った安成三郎と妹、弟がいる。彼らが出会ったヒトたちが、また奇抜で一筋縄ではいかない連中ばかり(人名索引がないのが惜しい)。いろいろ紹介したいエピソードは多いが、ひとつだけ。大正元年に貞雄が「やまと新聞」に勤めていた頃のハナシ。


(貞雄は)たいして働きもせず、毎日南鍋町の売文社近くにあるカフェー・パウリスタに入りびたって本を読んだり、仲間と駄弁って日を送っていた。(略)いつも二階の窓際に陣取って、みずから「ヤスナリ・ウィンドウ」と自嘲していたが、知った顔があらわれると自分の席に引き込み、得意の毒舌をとばして談論風発に及ぶことしばしばであった。

 たとえば、〈安成貞雄、荒畑寒村、和気律二郎の徒は、自らスリー・フェーマス・ヨタリスツ・イン・ジャパンと称し、カフェー・パウリスタを本城として、毎度盛んにヨタを飛ばしている由、其のヨタ的談論を称してヨタ・トークというとかや(略)実に大正の聖代に於ける逸民と謂うべきである〉」


この〈〉内は、貞雄の友人だった堺利彦の言。「ヨタ・トーク」には噴き出した。本書は、秋田在住の著者が、地元出身の安成兄妹の事跡を40年近くにわたって追った成果だが、文章はとてもうまく、諧謔の味もある。安成貞雄が吹き込んだというSPレコードを、二郎から「君に上げるから大事に」ともらったのに、帰りしな割ってしまい、「せめて一回でも聴いてからなら諦めもつくが、それもしてない」と悔やむあたり、気の毒だが、ちょっと笑ってしまった。そういう具合に、探索の過程をところどころで明かしてくれているのもヨカッタ。本書を読み終えると、去年買ったまま読んでない『安成貞雄・その人と仕事』(不二出版)が読みたくなり、さらに、斉藤英子『安成二郎おぼえがき』(新世代の会)を「日本古本屋」で見つけて、注文してしまった。


夕飯のあと、P社の海野弘エッセイ集のゲラをチェック。集中して2時間ほどで終える。一日中、掘りごたつから出ずに、読んだり書いたり考えたりしている。

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2006-01-01 元旦は読書三昧

元旦は朝寝して9時起き。雑煮とお屠蘇のあと、弟一家は出雲大社に出かけていったが、ぼくと旬公はパスして、相変わらず2階で本を読む。『男の隠れ家』2月号の特集は「愉悦の読書空間」。好きな本のアンケートを中心とした特集だが、この手のものとしては、たっぷりページ数があって、なかなか読ませる。城山三郎インタビューで、学生時代、図書館が臨時休館だったのがきっかけで、のちの奥さんに出会ったという微笑ましいハナシが。また、書庫の整理をしていて見つけた梶山季之責任編集雑誌『噂』をパラパラ見る。1973年3月号には「石川達三『流れゆく日々』で槍玉に上がった人々」という記事が。『新潮』に連載されていた日記で、石川山本周五郎川端康成野坂昭如らをこきおろしたことについて、本人や関係者に話を聞いたもの。おもしろい。


大村彦次郎時代小説盛衰史』(筑摩書房)を読了。520ページを一気に読んだ。作家の自伝やエッセイ、評伝などの資料を大村流にミックスして、通史としたもの。大日本雄弁会(のちの講談社)の野間清治のもとに、二人の青年が講談雑誌企画を持ち込んだことからハナシがはじまる。そこから、時代小説を載せる雑誌の伸張、新しい作家誕生純文学と大衆文芸の相克などが語られていく。作家たちが全員といってもいいほど、食えるまでは新聞社に籍を置きながら小説を書いたのが興味深い。本書は昭和30年代の吉川英治野村胡堂長谷川伸らの死で終わるのだが、そこに冒頭に出てきた二人の青年の一人である、望月茂(紫峰)の死が出てくる。その記述を読んで、望月が、筑波四郎の筆名で時代読み物を手がけ、田中光顕への聞き書き『維新風雲回顧録』や『生野義挙と其同志』を書いたことを知る。前者は河出文庫に入ったし、後者は、山口のマツノ書店が復刻したので、どちらも見たコトがある。ちなみに、グーグルで検索してみると、三康図書館の蔵書目録で、筑波四郎『佐藤三吉翁(汁粉王)』(佐藤三吉翁表彰会、昭7)が見つかった。これも同じ人物なのだろうか?


天気がイイので、書庫を整理したあとで、近所の神社初詣。弟に頼んで買ってきてもらった、『エル・ジャポン』2月号の「2005年を彩った名作・傑作」というベスト特集で、岡崎武志さんがぼくの『チェコマッチラベル』を取り上げてくれている。ほかは近代ナリコインテリア・オブ・ミー』、高橋徹月の輪書林それから』、橋爪節也モダン道頓堀探検』、浅生ハルミン『私は猫ストーカー』で、「著者の趣味生き方が結びついたユニークな5冊」。うれしい。そのあと、豊田有恒日本SFアニメ創世記』(TBSブリタニカ)を読む。草創期のアニメ界にシナリオライターとして参加した体験を描いたものだが、うーん、文章が粗いなあ。


晩飯のあと、海野弘日本遊歩記』(沖積舎)を読了日本のさまざまな土地を旅して書いた文章を集めたもので、編集堀切直人さん。あえて一枚の絵も使わずに、文章だけで構成している。海野さんがある場所、街に関連して取り出してくる本の引用のしかたは、じつにうまい。ささいな、見過ごされがちなエピソードを引くことで、その土地の性格が直にイメージできる。とくに、名古屋のモダニズムについての2つのエッセイがおもしろかった。


という具合に、本に没頭するうちに一日が終わった。残っている仕事のコトさえ気にしなければ、じつに幸福元旦だった。

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