ナンダロウアヤシゲな日々

◎この日記は、ライター・編集者の南陀楼綾繁が書いています。
◎新刊『町を歩いて本のなかへ』(原書房)発売中です。
◎著書『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『谷根千ちいさなお店散歩』(WAVE出版)、『小説検定』(新潮文庫)、『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)、『路上派遊書日記』(右文書院)、『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『老舗の流儀 戦後六十年あの本の新聞広告』(とうこう・あい監修、幻冬舎メディアコンサルティング)、編著『チェコのマッチラベル』(ピエ・ブックス)、共著『ミニコミ魂』(晶文社)。
◎ご感想・ご連絡は南陀楼綾繁 まで。
◎「不忍ブックストリートの一箱古本市」は毎年春に開催します。
詳細は不忍ブックストリート公式ホームページもしくは、しのばずくん便りをご覧ください。
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2006-11-27 明日から海野弘展inポポタムです

kawasusu2006-11-27

8時半起き。コンビニ産経新聞を買ってくる。月曜読書面(なんてのがあるんだね)で、枝川公一さんが『路上派遊書日記』について書いてくれている。10時半、牛イチロー先生が来て、本の引き取り。昨夜から降り続いている雨が、一瞬止んだので本を濡らさずに運べた。そのあと、ごちゃごちゃとあり、1時過ぎに出かける。〈旅猫雑貨店〉が雑司が谷にショップオープン、ということで、地図を送ってくれた。


神保町の〈ぶらじる〉で、『彷書月刊』の取材。興味深いハナシが聴けた。〈三省堂書店〉で『銀花』を買う。『路上派』の紹介があり。都営新宿線新宿で乗り換え、目白へ。歩いて7、8分のところにある〈ブックギャラリー ポポタム〉(http://www6.kiwi-us.com/~popotame/)へ。ポポタムの大林さん、右文書院青柳さんと、明日からの「海野弘 私の100冊の本の旅」の展示準備をやる。


壁には棚を付け、その下にテーブルを置く。それらに海野さんの著作100冊を並べていく。一方で、海野さんに提供していただき、「海野弘のひとり一箱古本市」で売る本の値づけも行なう。海野本の値づけはぼくが担当。ホコリで汚れているが、どれもほぼ新品状態。蔵書の方は青柳さんが値づけしていたが、値札を見てぶっとぶ。安すぎる……。青柳さん、〈田村書店〉の外台じゃないんだから。でもお祭だから、コレでもイイのだ。手先の不器用な男二人を、大林さんが苦心して指導して、どうにか8時すぎにカタチは整う。


というワケで、明日から〈ポポタム〉での展覧会がはじまります。12月8日(金)には海野さんと岡崎さんのトークもあります。席数が限られていますので、お早めにポポタムまでご予約ください。


海野弘 私の100冊の本の旅」展


このたび刊行となった海野弘さんの新著『歩いて、見て、書いて―私の100冊の本の旅 』(右文書院)の刊行を記念した展覧会が開催。本は、海野さんの著作100冊を誕生エピソードを交えて紹介するという貴重なもの。処女作アール・ヌーボーの世界』から『海野弘 本を旅する』まで、本の成り立ちや、さまざまな編集者との出会い物語が綴られています。

この展覧会では、自著100冊の展示に加え、「海野弘 ひとり一箱古本市」と題し、海野さんの、自著を中心とした蔵書の販売、またトークショーも。ぜひどうぞ。


東京篇】

■日時

11月28日(火)〜12月9日(土)

営業時間 12時〜18時 定休日 日・月曜日


■会場

ブックギャラリー ポポタム

http://popotame.m78.com/shop/

〒171-0021 豊島区西池袋2-15-17 電話 03-5952-0114


■トークショー

 海野弘×岡崎武志 

12月8日(金)18:30〜20:30

入場料 1,000円(要予約、ご予約はポポタムまでお願いします)


あと、『図書新聞』に奥成達さんが『路上派』の書評を書いてくださいました。このヒトがいかに日記本が好きかがよく判ります。


では最後に、今夜も「路上少年遊書日記――1981年出雲」です。


1981年2月22日(月)

創元推理文庫早川書房に資料を頼む。*1

少年ビッグコミッククイズと『みゆき』の感想のため【ハガキを】2枚出す。


今日読んだ本

『偽原始人』【井上ひさし

この本を読んで教育ということについて、深く考えさせられた。

ただただ知識をつめこみ、有名な学校にいれようという親。それにつけこみ、受験のために金をもうける大人。

「親の愛情」というもののもとで、子供を自分の言うとおりにさせ、勉強だけをやらせる大人。

子供にも権利はある。自由な権利はある。

有名学校に入って、一流会社につとめるよりも、たとえ貧しくても、自分の一番好きな道をすすむのがいいのではないか。

その点、主人公の父親はものわかりがいいと思った。もっとその考えをおしだせばいいのに、親にもあきれたのがいるなあ。

そういうのは親ではないと思う。

幸いにして、うちの親は、そういう種類ではない。この本は世の教育ママどもに読ませてやりたい。

特にラストは泣けてきた。

こういう本のように深く自分に影響を与えてくれる本こそが、僕にとっての「名作」であると思っている。


★夕方に下じきを買いにいく。

中に紙がはさめるやつだ。

何をはさむかというと、これはもう『みゆき』の絵に決まっている。


なんだか教育について熱く語っていると思ったら、また『みゆき』のハナシかよ……。(続く)

*1田舎では、新刊情報雑誌広告か、刊行目録あるいはPR誌で得るしかない。この時期はやたらと出版社に資料請求ハガキを出していた。

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2006-11-26 DVDがフツーに観られる幸福

朝8時半起き。朝飯(しらすうどん)のあと、自転車図書館に行き、リクエストの本を受け取る。一度戻り、旬公と千駄木へ。いろいろと用事があり。昼はベーコントマトソースパスタ。〈コシヅカハム〉で買ったベーコンは、やはりウマかった。なんだか眠くなって、4時前までゴロ寝。


有楽町の〈ビックカメラ〉へ。ビデオDVDハードがついに壊れたので、代替機を買いに来たのだ。HDD付きのビデオDVDが4万円で出ていたので、こないだの「ブックオカ一箱古本市への売り上げを投入して、買う。ウチに帰り、さっそくテレビにつなぐ。つなぐ作業そのものよりは、棚を移動させたり埃を払ったりするので、疲れてしまう。しかし、コレでレンタルDVDが観られるようになった。いままではレンタルのものはナゼか画像が乱れてしまい、セルDVDしか観られなかったのだ。最近ではセルDVDも観られなくなっていた。


さっそく、途中で停止してしまったハワード・ホークス監督《リオ・ブラボー》(1959・米)を最後まで観る。旬公に頼まれたドラマ氷点》をHDDに録画しつつ、DVDが再生できる。すでに持っているヒトにはアタリマエのことだろうが、コレは文明開化だなあ。


では最後に、今夜も「路上少年遊書日記――1981年出雲」です。

1981年2月21日(土)

今日はたいしたこともなく平和な一日だった(ただし学校でだけ)。*1


今日買った本

『笹舟日記三浦哲郎(NO.163)320円 新潮文庫

この本は教科書に一部が載っている。

読んでみたいので買ってもらった(母上に)。


今日買った漫画

『月とスッポン』第17巻 柳沢きみお 370円 秋田書店*2

すくらっぷ・ブック』第3巻 小山田いく 370円 秋田書店

どちらもぼくの愛読書の一つ。どちらも末長くつづいてほしい。*3


今日買った雑誌

少年ビッグコミック』NO.4 180円 小学館*4

みゆき』を読むために買った。『みゆきオールカラー、30ページだった。おもしろかった。

他のも、けっこうおもしろいが、ギャグのものはつまらない。

これからは、この雑誌を読むことにしよう。いまのところは、なにがなんでも『みゆき』が読みたいのだ。


と、今夜も力強く『みゆき萌え宣言をしたところで、次回に続きます。

*1:ウチではなにかあったのか?

*2マンガの購入には通しナンバーを振ってないようだ。

*3:両作とも当時、愛読していた『少年チャンピオン』に連載されていた。

*4:創刊当時は『マンガくん』。1987年に『ヤングサンデー』と改称。「Wikipedia」に解説あり。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%91%E5%B9%B4%E3%83%93%E3%83%83%E3%82%B0%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF

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2006-11-25 牛イチロー先生いわく、「いい本ばかりですね、じゃ、あと100冊!」

kawasusu2006-11-25

朝8時半起き。「まぼろしチャンネル」の「帝都逍遙蕩尽日録」(http://www.maboroshi-ch.com/cha/nandarou.htm)が更新されている。今回は湯島上野クリント・イーストウッド監督父親たちの星条旗》(2006・米)を観たことなど。昨日の日記を書き、部屋を掃除する。


11時過ぎに、牛イチロー先生こと岡島一郎くんが到着。倉庫に入れておいた段ボール箱5つ+縛ってない本を車に積み込む。そのあと、根津の〈赤札堂〉に付き合ってもらい、透明ケースを大5つ、小3つ買って車に乗せる。「それ全部に本を入れるつもりですか!?」と牛先生は大笑い。谷中アパートで透明ケースを3つ下ろし、本を50冊ばかし積む。また西日暮里に戻ってもらい、ココでも透明ケースを5つ下ろす。


先生から12月21日(木)〜22日(金)の「立石書店オープニングイベント 古本市/夜・昼」のポスターを受け取る。〈にわとり文庫〉の西村さんのデザインで、なかなかイイ出来だ。「200冊以上渡したから、こんなもんでイイよね?」と牛先生に云うと、「いい本が多いから売れますよ、きっと。だから、あと100冊は欲しいっすね!」と明るく返される。早稲田進出で張り切っているおかげで、ずいぶん押しが強くなったなあ。


1時過ぎたので、〈ときわ食堂〉へ。エビフライ定食。その近くの建築会社の入り口前に、段ボール箱が3つ置いてあり、なかに本が入っている。すわ、臨時の「一箱古本市」かと思えば、不要な本をタダで提供しているのだった。実用本が多かったが、一冊だけ、大宅壮一編『わが青春の記』(青春新書)をいただく。


そのあと〈古書ほうろう〉に寄ると、「古本すなめり」コーナーに、小林信彦東京ロビンソン・クルーソー』(晶文社)があた。一箱古本市にも出してたときは5800円だったが、今回は8000円。ちょっと高い。でも、買い逃したほうが悪いので、おとなしく買っておく。ともあれ、コレで『東京ロビンソン・クルーソー』『東京ドン・キホーテ』『われわれはなぜ映画館にいるのか』が揃った。あとは懸案の『エルヴィスが死んだ』を入手すれば、「晶文社四部作」は揃うのだが。しかし、すなめりさんは『ロビンソン』を一体何冊持ってるのか? 「すなめり」コーナーは明日が最終日とのこと。


ウチに帰ると、みずのわ出版から林哲夫高橋輝次・北村知之編『神戸古本力』が届いている。〈海文堂書店〉での3人のトークの記録をベースに、神戸古本屋についての諸氏のアンケート(南陀楼も回答)、八木福次郎さん、内堀弘さんのエッセイなどを収録。巻末の神戸古書店リスト地図は、各時代の資料から採録しており、時代ごとの変化が読み取れる。表紙には、昭和14年の『全国主要都市古本店分布図集成』から地図を拡大して載せている。これは八木福次郎さんからぼくが借りて、カラーコピーして送ったもの。編集からデザインまで林哲夫さんの目が行き届いており、みずのわの柳原さんには悪いが、『sumus』の別冊のように思える。読んで楽しいとともに、今後10年、20年と使える資料になっている。大阪京都でも「古本力」シリーズを出してくれないかな。東京は広すぎるけど、エリアを区切ってやってみてもオモシロイかも。


そういえば、昨日は同書刊行記念で、〈海文堂書店〉で「三箱古本市」が行なわれ、かなり盛り上がったようだ。それは、ご同慶の至りだが、このイベント名はちょっと「?」である。「一箱古本市」に敬意を表してくれたのかもしれないが、アレは一箱という制限の中で本を並べるから面白いのであって、一人三箱だったらフツーの古本市でしょう。ちょっと釈然としないネーミングであった。


少しゴロ寝。そのあと牛先生の忠言にしたがい、また「けものみち」の整理を再開。8時ごろまでかかって、新たに100冊以上掘り出した。晩飯はサバの焼いたのと、こないだのギョーザの具の残りを炒めてご飯に掛けて食べる。明日の産経新聞読書面に、『路上派遊書日記』の書評が載るそうです。評者は枝川公一さん。どんな取り上げ方か、楽しみだ。【すいません27日付だそうです。月曜日に書評が載るとは思わなかったので、間違えました。】


では最後に、今夜も「路上少年遊書日記――1981年出雲」をお届けするが、その前に昨夜掲載の『Sage』について、書誌鳥こと森洋介さんよりメールが来たので、転載する。


Sage さぁじゅ』(情報出版→三共社)は、學生時代(一九九一年)に古本で知って、今まで大分蒐めました。あんな「かなりいい加減な編集雑誌」を物好きなと思はれませうが、何度目のリニューアルなのか、一九八四年一月號からA4の大判になって、羽良多平吉府川充男デザインで内容もニュー・アカ寄りに刷新されたのが目を惹きまして。まあちょっと、薄い『GS』といった感じ。これは古書目録にも出る位ですからご存知でせう。

 cf. http://www.tokyo-zukan.com/catarogue/00SpeEdit1st1.html


 もっとも讀者投稿欄を見るとこれにも贊否兩論、その後雜誌そのものが長く續かず七月號限りで廢刊になったやうで、消える前の蝋燭の輝きか。とはいへリニューアル前でも、連載訪問記事「本をめぐる奇人変人」に故・福島鑄郎が載ってゐたりしたのは拾ひ物です。その一九八三年五月號表紙には「スーパーストア警備員は本の気狂」、目次には「スーパーストア警備員の正体は本の虫」、本文見出しには「スーパー・ニチイの警備員、実は書誌研究家」とあり、中に入るほど段々と表現がおとなしくなるのがまた可笑しい。同じ連載で一九八三年一月號に、府川充男が「編集する雑誌が次々休刊になる渡り鳥編集職人」として紹介されてゐるのは前兆らしく、これも微笑を誘ひます。


「このあとの日記でも誌面への憤懣が多し」といふのは、後になって『Sage』を知った者としては、同時代の讀者の反應を知れさうで樂しみです。

Sage』の名が出たのが嬉しく、ツイ書きつけました。


(2伸)一九八三年五月號までが『SAGE[サージュ]』といふカタカナを角括弧内に入れて添へた表記、六月休刊で七月號から『さぁじゅ SAGE』と平假名の方を大きくし英字を副へた表記にリニューアル


ってコトで、森さん、いつもありがとう。では、日記本文を。『みゆき』への愛は募るばかり。


1981年2月20日(金)

今日、槙原(ツンコ)が『みゆき』はすごくよかったと言ってくる。

女までいいとなるとこれはよっぽどいい作品だろう、ちょっとスケベではあるが、これは問題外。これも充分におもしろいし、そんな所がなくてもいいものはいい。*1

早く2巻が出てくれないと、待ちくたびれてしまう。少年ビッグコミック(『みゆき』連載)でも買って読もう。

この作品のことばかり、ここしばらく書いているが、それはこれが良いからだ、こうして書いて気をまぎらわさないといけない。

この調子で他の人にも見せれば喜ぶだろう。

いっそのこと、「みゆきF・C(ファン・クラブ)でも作ろうか。*2


★そろそろ「星新一ショートショートコンテスト」の結果が出ているはずだが、まだない。*3

落選か入選か。入選だったらいいのだが。


などと、すぐに甘い期待を抱くところは、いまでもあんまり変わってない。(続く)

*1:なにが「問題外」かは不明。『みゆき』のエッチなところが好きなんじゃない、と自分を納得させているようだ。

*2:それだけはヤメてくれ〜!

*3星新一責任編集雑誌ショートショートランド』(講談社)で作品を募集していた。コレが初めて書いたショートショート。ただし、「おはなし」レベルだと、小学校3年生で書いている。そのときのも星新一の「かがみのなかのいぬ」に影響を受けて書いたものだった。

2006-11-24 対談のちお銚子10本

8時半起き。今日の対談用に本を引っ張り出したりして、メモを取る。昼前に一段落したので、千代田線に乗る。ポストに届いていた『彷書月刊』を眺める。特集は竹中英太郎弥生美術館展覧会も行かなくちゃ!)。グレゴリ青山さんのマンガがいい。ぼくの連載は拡大版として4ページで「ブックオカ」ルポを。なお、ココには「黒いでっぱり」こと畠中さんの行状は載ってないので、期待しないよーに。11月3日に、本郷ペリカン書房〉の品川力さんが亡くなったとある。103歳。10年ほどになるが、たまたま店が開いていて入ったことがある。物静かなお爺さんが店に座っていたが、その頃は品川さんの著書も読んでなくて、買える本もなかったので、なんだかフシギな店だなあと思っただけだった。いまとなっては、あのとき話しかけておけばよかった。 


経堂へ。昨日書いたが、〈遠藤書店〉支店が今日で最終日。少し時間ができたので、覗いてみる。入り口には「閉店」と「20パーセント引き」の張り紙が。客はけっこう多く、レジで「寂しくなるね」など声をかけていくヒトもいた。中央の棚の左側、文芸評論や文学史関係を置いているあたりが、ぼくのお気に入りだった。前から気になっている、山名文夫装幀の『探偵小説年鑑』(岩谷書店)4500円も残っていたが、ウチもいまは本が増やせる状況じゃないので見送る。その代わり、海野弘『世紀末のスタイル』(美術公論社)と、外の均一で伊藤理佐モモちん』全3巻(講談社)を買う。後者は〈立石書店〉の古本市に出そう。レジのお姉さんに一言云おうと思ったが、気の利いたことばは思い浮かばず、「どうも……」というだけにとどめる。


その先の〈大河堂書店〉を覗き、すずらん通りに出て中華料理屋で昼飯。ザーサイラーメンギョーザ。〈遠藤書店〉本店の外台だけ見る。小田急線新宿へ。ルミネ2の〈ブックファースト〉へ。駅からいちばん近い大型書店なので、ときどき来るが、どうも肌が合わない。今日も買わず。総武線飯田橋へ。神楽坂を登っていくと、喫茶店〈パウワウ〉の前後の店の前に「閉店」の張り紙が。まったく同じ文面、レイアウトなのが不気味。あとで聞くと、一人の地主の持ち物でいっしょに手放したのだそう。東京理科大が買い、ココに高層の施設を建てようとしているらしい。実現したら、この坂の風景は異様なものになるだろう。その前に〈パウワウ〉がなくなるコトがイヤだ。


〈ムギマル・ツー〉(http://www.mugimaru2.com/)に寄ると、この店の看板絵などを描かれている植田幸平さんの展覧会をやっていた。油絵とは思えず、一瞬コラージュと思える。それぐらい、描かれているモノのひとつひとつのフォルムが際立っていた。ご本人もいらした。今度、茅場町の〈森岡書店〉(http://www.moriokashoten.com/)で個展をされるそうだ。ムギマルの早苗さんに、海野弘展のチラシを渡す。早苗さんは12月29日(金)に友部正人さんのライブをやると張り切っている。「でも、お客さんが入りきるんですか?」と訊くと、「2階と1階に客がいて、友部さんは階段を登ったり降りたりして歌うのよ」と答える。冗談かと思ったらマジで、見えないときのためにプロジェクターまで用意するらしい。なんだかすごいライブになりそうだ。


出版クラブの2階で、『週刊読書人』の対談。編集のAさんが先に来ている。お相手は津野海太郎さん。しばらく待つが、いつまで経っても津野さんが現われないので、Aさんがあせりだす。ぼくは『本コ』時代から津野さんの遅刻には慣れっこなので笑っていたが、1時間近くたっても来ない。4時前にやっと到着。なんと、入り口の表示が間違って1時間遅くなっていたのだ。それで外で時間をつぶしていたのだとか。すぐに対談開始。テーマ新書で、こちらは用意したネタを話すので精一杯。終始、津野さんにリードしてもらった。考えてみると、ミニコミ以外ではこれが雑誌に載る初めての対談だ。


終ってから、津野さんと近くにある平野甲賀さんの家にちょっとお邪魔し、そのあと二人で飲みに行く。『本コ』の頃にときどき行っていた、鳥料理の店。津野さんはカキフライうまいともう一皿追加する。こないだの浦和でのハナシの続きで、ぼくのことを心配してくれている。それがたんなる説教でなくて、具体的な企画(こういう方向に行ったらどうか)に結びついて出てくるところが、さすが全身編集者。最後に冗談みたいに出てきた案がおもしろくて、すぐにでもやりたくなる。ノセるのがウマイひとだよなあ。気がついたら、津野さんに付き合ってぼくもふだんは飲まない燗酒をぐいぐい飲んでいた。お銚子で10本以上は二人で飲んだだろう。4時間ぐらい飲んで、勘定するときに店の人が「お二人とも強いんですねえ」と呆れていた。津野さんは平気そうだったが、ぼくはかなり回っており、吐き気をこらえながら電車でウチに帰った。いろいろと思うところあり、な一日でした。


では最後に、今夜も「路上少年遊書日記――1981年出雲」を。


1981年2月18日(水)

坂本(もげ)君が『みゆき』は最高だったと言ってくる。やはり、僕の自己満足だけではなかったようだ。学校でも見たくてしかたがない。

とにかく最高の作品だ。今までに五、六回はくり返して読んだ。

夜、雑誌に載っていた『みゆき』の絵を見て、画用紙に描く。我ながら上出来。


今日読んだ本

ディオゲネスは午前三時に笑う』

プラトンは赤いガウンがお好き』【小峰元

どちらも面白かったが、僕としては後作の方が明るくて好きだ。*1

推理というより青春小説として読んでもおもしろいだろう。


2月19日(木)

★昨日の『みゆき』の絵を持っていくと、「うまい」「かわいい」と大反響

やはり出来がよかったようだ。どこかにはっておこう。

今日みゆき 1』を槙原(ツンコ)に貸した。


★『Sage』のバックナンバー1号が送ってきてあった。これで『Sage』1〜4号がそろった。*2


なんと、中1で「萌え絵」を描いていたとは! 現物がこの世から消えてしまってよかった……。それにしても、あだち充女の子の絵を天真爛漫に模写し、それを教室で見せて回るとは、いかにも「おたく概念が普及する前の出来事だよなあ、という気がする。

*1:後年読み返すと、明らかに『ディオゲネス』の方が傑作だ。

*2:『サージュ』は新刊情報中心の読書雑誌1980年創刊。どっかの協会が出していたような気がする。中学生が見ても、かなりいい加減な編集雑誌で、リニューアルするたびにひどくなっていった。このあとの日記でも誌面への憤懣が多し。森雅裕推理小説常習犯』はこの雑誌に連載されたもの。単行本には同誌への悪口(原稿料の未払いも含めて)が書き連ねてあり、笑った。【これは間違い。『オーパス』に連載されたものでした。12月9日訂正】

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2006-11-23 「入谷洋食ストリート」を行く

朝8時半起き。朝飯を食って、ひとつ用事を済ませてから、自転車入谷へ。台東区中央図書館2階のビジネスルームで、懸案の原稿をまとめる。ココは電源はあるし、無線LANはできるし(今日はつながず)、同じ部屋に事典類はあるしで、資料を使った原稿書きには最適。途中、『思想の科学』のことを調べようと、OPACで検索してみたら、創刊から終刊までのバックナンバーが(少し抜けはあるにしても)ほとんど揃っているコトが判り、書庫から出してもらう。目的の号が見つかり、原稿書きのスピードが上がる。こういうときにつまづくと、途端に進まなくなってしまいがち。それにしても、『思想の科学』は1950年代からすでに「雑誌」(論文を並べるだけでなく、コラムや時評を備えた体裁になっているという意味での)だったんだなあと思う。


1時半に一区切りつき、館を出る。腹が減ったので、入谷交差点を渡ったところの〈河金〉へ。祝日だけどやっていた。客は誰もいず、店主が食事中。有名な店だが、小上がりには猫が陣取っていたり、その辺に雑誌スポーツ新聞が投げ出されているといった、日常の延長感覚がいい。なごんだので、黒ビールポテトサラダを頼み、「河金丼」(750円)を食べる。カツカレーを丼に盛ったものだが、カレーカレーうどんに掛っているとろみのあるルーだ。小さく切ったカツもウマイ。これで計1400円は安い。しみじみイイ店だ。


ちなみに、この通りには入谷から鶯谷にかけて、なぜか洋食屋がいくつもある。現在確認しているだけで、6、7店はあるだろう。ぼくが入ったのはせいぜい3、4店だが、どれもかなりハイレベルだと思った。近くに食器類を扱うかっぱ橋道具街があるからかどうかは不明。「入谷洋食ストリート」と名づけたい。


また自転車でウチに帰り、ちょっと昼寝してから、原稿の続き。資料やメモをひっくり返しながら、9時前にカタチになる。遅れに遅れていた、という表現では間に合わないぐらい遅れていた(どんなやねん)ものだったので、やっと一息。夜は旬公が明太子クリームソースパスタをつくる。明太子のツブがブロッコリにからんでウマイ。博多で買ってきた一箱分の明太子がコレでなくなった。


「とり、本屋さんにゆく」(http://d.hatena.ne.jp/tori810/)に、経堂の〈遠藤書店〉支店が閉店とある。遠藤書店ブログhttp://koshoendou.exblog.jp/)は見ていたが、この数日は読んでいなかった。明日24日が最終日のようだ。『酒とつまみ』の連載で書いたコトもあり、愛着のある店だった。最後に行けないのが残念だ。


では最後に、今夜も「路上少年遊書日記――1981年出雲」を。教育制度への提言があります。


1981年2月16日(月)

今日は実力テスト第一日。英・理があった。がんばらねば。


★『みゆき 1』おもしろくて何度も読み返している。こんなおもしろいのは久しぶり。学校でも、いろいろな人におもしろい、おもしろいと言ってまわっている。明日、坂本(もげ)君*1にかしてやる予定。


★このごろ、僕の影響かどうか、この組にSFファンがふえてきた。沢田は星新一を読むようになって、沢田*2のおかあさんから家の母上に礼を言われたそうだし、園山(しげる)君はかんべむさし筒井康隆小松左京星新一などのファンになって、僕と同じ本を買いはじめている。

だが、元祖SFファン(すくなくともこの組での)は僕に決定である。*3こちらもまけないようにがんばろう。


2月17日(火)

今日は実力テストの二日目。国数社で特に数がむずかしかった。


バレンタインチョコをもう一つもらう。打田殿からである。ありがとうございました。


今日読んだ本

火星人ゴーホーム』

さすがフレドリック・ブラウン星新一が好きな作家だということもうなずける。

海外SFもおもしろいということがわかった。

これからは、このF・ブラウンレイ・ブラッドベリロバート・シェクリイなどの本を読みたい。この前、創元推理文庫にめぐりあったが、あの文庫にはおもしろい作品がいっぱいつまっている。

そのうち読んでいきたい。


テストがおわって一安心、と思うひまもなく3月2、3、4日にはもう期末テスト。なんと中学生の身の苦しさよ。いつも思うのだが、自分で自分がいちばんいい分野をみつけ、それを専門に教えてくれればいいのに*4

そうすれば、さぞかし、みんな熱心にやるだろうと思うのだが。


いきなり『みゆき』の伝道師になっています。おもしろいものを見つけたときに、ヒトに勧めて回る性癖はこの頃からあったのか。明日の更新分には、『みゆき』がらみでもっと衝撃のエピソードあり。お楽しみに。

*1:同級生で吹奏楽部チューバ担当

*2:同級生で吹奏楽部トランペット担当

*3:まさに「井の中の蛙」状態。田舎だからこそ、一方的に威張れた。

*4:自分が徹底的に理数系に弱いコトを自覚していた。

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2006-11-22 倉庫の中身が明るみに

朝9時起き。倉庫に入っている本の整理は週末にと思っていたが、天気予報を見ると明日から雨が降るようなので、急遽やってしまうコトに。ベランダ新聞紙を敷き、その上に本が詰まったダンボール箱を出す。かなり広いベランダだけど、下が濡れていたり、泥で汚れていたりで、使えるスペースは意外と少ない。


残しておくものを透明ケースに移し、売る本を段ボール箱に残していく。3時間かかって、150冊ぐらいを売るほうに回せた。透明ケースだと外からでもナニが入っているか見当がつくので、精神衛生上にいいことが判った。その後、テレ東の《リーサル・ウェポン2/炎の約束》(1989)を眺めながら、自室の「けものみち」にもちょっと手を着ける。そこから50冊ほどを発掘する。合計でダンボール箱5つ分にはなった。土曜日牛イチロー先生にコレを取りに来てもらい、空いたスペースにまた透明ケースを入れるという算段。うまく行くとイイが。


一区切りつくと、疲れがドッと襲ってくる。図書館で借りた、鏑木蓮東京ダモイ』 (講談社)を読むが、恐ろしくつまらない。もともと、江戸川乱歩賞は題材重視の傾向があるが、本作はシベリア収容所捕虜を取り上げていること以外には、ナニひとつ新しいところがない。だいたい、ストーリーはあっても、描写がゼロ小説になってないと思う。駅前まで出かけ、〈ホルモン道場 喜多八〉でチューハイともつ焼き。再読中の椎名誠本の雑誌血風録』(新潮文庫)はいちばん盛り上がっている箇所に差し掛かった。ウチに帰り、9時まで爆睡。明日中に決着をつけねばならぬ原稿が。


では最後に、今夜も「路上少年遊書日記――1981年出雲」を。


1981年2月14日(土)

今日バレンタインデー。つまらないことにも思えるが、やはりもらうとうれしい(チョコレートを)。というのも、なんとチョコレートをもらったからだ。*1それも、なにもこちらから言ってない人から。

有富という人*2から、かしたテープのおかえしにともらった。「だれからもチョコのもらえないかわいそーな河上くん。テープのお礼に」ということだ。


他にも、2人もってきてくれていたが、まだもらっていない。月曜日にもらうことになる。

夕方、HOK(ホック*3で安売りしていたので、テープ3+スペアケース1+カード*4980円とテープ2本・1本で295円買う。*5あとでかえす約束で母上にたてかえてもらう。


2月15日(日)

今日部活吹奏楽部】が休みで、昼から父上といっしょに買い物にいった。

今日はかなりの収かくがあった。


今日買った漫画

みゆき』1 あだち充 340円 小学館

今日の一番の収かくはなんといってもこれだ。

いっぺんでこの作品のファンになった。

2、3の書店をさがして、やっと見つけた。

早く2巻がでればいいのに。


今日買った本

(今までつけていたNOは少なかったので、今日から正確なものに直す)*6

天使宇宙船フレドリック・ブラウン 小西宏訳(NO.159)320円 創元推理文庫

梅田地下オデッセイ堀晃*7(NO.160)460円 ハヤカワ文庫JA

ディオゲネスは午前三時に笑う』小峰元(NO.161)340円 講談社文庫

『偽原始人』井上ひさし(NO.162)400円 新潮文庫


フレドリック・ブラウン短編16編の入ったこの本。この前買った『火星人ゴーホーム』は、まだ半分しか読んでないが、すごくおもしろかったので、また買った。

創元推理文庫は初めて。新しい文庫だと思っていたけど、*8この作品集などは’60年に初版が出ている。目録を見ると、たくさんのいい作品がならんでいる。これらの本を読んでいなかったとは。

堀晃の本は始めて。この本は、つい、この間文庫本として出た。さがしていたので、すぐ買った。


小峰元の本は3冊目。

井上ひさしの本は2冊目。

両作品とも、図書館の本で読んだが、もう一回読みなおすつもりだ。そこからなにか新しい気持がわきあがる気がするからだ。

今日買った本は4冊とも、その作者の本は2冊とか3冊目だというのばかりだ。

先はいくらでもあるから、じっくりと読んで大人になるころには、一応あらゆる分野の本を読んでいきたい。

本当に読書こそは僕の生命であり、いきがいである。僕からこれをとったらふつうの人だ。*9


漫画だってすばらしい。今日までに、何冊も読んでいるが、親(世間、一般の親)の言うように、くだらなくはない。

これだって、いいものがいくらでもある。

漫画から何かを得たり、考えるようになったりすることはざらにある。

家(うち)の親は幸いにして、ものわかりが良い。*10

だから、これまでこうしてこられた。


ついに、あだち充みゆき』が登場! この先、どういう展開になるか目が離せないぞ!(ムフ……)。「先はいくらでもあるから、じっくりと読んで大人になるころには、一応あらゆる分野の本を読んでいきたい」と意気込んでいるのが、コワイ。(続く)

*1:なんというアタマの悪い文章だ……。

*2:この子は名前にすら心当たりがない。

*3:ウチから10分ほどのところにあったスーパー。当時は市内でいちばん大きかった。

*4:「g」なのか「9」なのか判読不明。どっちにしろ、ナンだかかわからん。

*5:この計算式も意味不明

*6:といっても、わずか3冊程度のズレでしかない。少しでもたくさん本を持っているように思いたかったのだ。

*7堀晃の「堀」をずっと「掘」と間違えている

*8:まったくの勘違い。

*9:自分は普通じゃないと思っていたらしい。

*10:それが25年後に「こんなにフラフラさせるために東京に出したんじゃない!」と怒られるとは。

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2006-11-21 収納ケースを求めてうろうろと

kawasusu2006-11-21

昨夜、11月17日日記http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20061117)で書いた、『東京35区地名事典』について、著者の岩垣顕さんからメールをいただく。やはり刊行は2冊で止まっているが、資料は集まっているそうなので続刊を期待したい。街と暮らし社の「江戸東京文庫」で、『歩いて楽しむ江戸東京旧街道めぐり』『神田川遡上』という本を出されていると教えてもらう。bk1で検索して、著者プロフィールを見ると、同じ歳だった! うーん、すごいヒトがいるもんだ。


昨日の「路上少年遊書日記」について、ふぉっくす舎のNEGIさんから、以下のメールをいただいた。


今日、取り上げていたNHKSF朗読番組ですが、私も好きでよく聞いていました。門倉純一さんという方がパーソナリティを務めていた「ラジオSFコーナー」という番組でした。確かに「太陽風交点」は放送されました。ナレーターは誰がやったか憶えていませんが、ヴァン・ゲリスの音楽が使われていたのは憶えています。(あとのメールで、伊武雅之(現・伊武雅刀)の朗読だったと教えてくれた)。


その他に、堀晃梅田地下オデッセイ」「蜜の底」(この頃、堀晃が大好きだったので憶えています)、森下一仁「若草の星」、神林長平「騎士の価値を問うな(戦闘妖精・雪風)」、梶尾真治「百光年ハネムーン」、亀和田武朝日のようにさわやかに」(亀和田武さんの名前は、この番組で初めて知ったかもしれません)を聴いたのを憶えています。


また、その頃の若手作家大原まり子火浦功)に朗読用のオリジナル作品を書かせる試みもありました。これらは『銀河の夢』のタイトルコバルト文庫から発売されました(これは持っています)。テープ等は一切手元に残っていませんが、もう一度聞きたいものです。


というワケで、NHKFMではなくNHK第一番組でした。「腰痛日記川崎追分町」さん(http://d.hatena.ne.jp/kokada_jnet/)からも同様のご指摘をいただいています。だけど、ぼくは番組名もここで朗読されていたほかの作品についても、まるっきり記憶がないなあ。


8時半起き。だんだん寒くなる。ご飯とみそ汁明太子で朝飯。自転車で出かける。や仲コミュニティセンター図書館リクエストの本を受け取り、〈往来堂書店〉へ。入り口のところに笈入さんがいて、チェコ関連書のコーナーに手を入れていた。『旅』と『フィガロジャポン』がチェコ特集というので、つい買ってしまうが、あまり読まないような気がする。それにしても、もう一度プラハに行きたいものだ。ほかに『映画秘宝』を(書き落としたが、前号の大西祥平による新井英樹徳弘正也インタビューは熱かった。読み終わって思わず、いままで肌が合わなかった徳弘の『バンパイア』を買っちゃったもの。そろそろ、大西祥平マンガ評&インタビュー本を出すべきではないか?)。


根津の〈赤札堂〉に行き、透明の衣装ケースを3つ買う。ひとつ680円は安い。これをふらふらしながら、自転車谷中アパートに運ぶ。〈立石書店〉での古本市のコトもあり、とにかくダンボール箱に入っている本を外に出して、売る本を別にして、残りは中身の見えるケースに移してしまおうという作戦。1時間ほどかけてより分けるが、結果はキビシイ。昨年ここでやった「一部屋古本市」のときに、かなり大量に放出しているので、あとは持っておかないとマズイ本ばかり。なんとか50冊ほど売る本に回す。


〈一力〉でラーメンを食べてウチに帰り、今度は田端の〈昇陽堂〉へ。ここでもケースを探すが、高くて予算オーバー。テレビ東京で《リーサル・ウェポン》(1987・米)を横目で眺めつつ、ゲラ戻しやらメールやら。〈青猫書房〉の目録で2点注文するが、どちらも品切れ。「晶文社スクラップ通信」の「営業の友」で、Tさんが先日の「ブックオカ」について書いている。


4時すぎに神保町へ。〈東京堂〉で海野弘さんが新刊のサインをしているところに行き、そのあと、〈ぶらじる〉で青柳さんやアクセスの畠中さんと。今月28日からの〈ブックギャラリー ポポタム〉と来年1月の〈海文堂書店〉での「海野弘 私の100冊の本の旅」展のチラシができてきた。置いてくださる書店カフェには郵送します。南陀楼か右文書院青柳氏までご連絡ください。トークの予約もお待ちしています。なお、この展覧会はもうひとつの都市でも開催される可能性がでてきました。決まり次第お知らせします。


書肆アクセス〉で『路上派遊書日記増刷分にサインする。この2刷のスリップは、イラストを描いてくれたnakabanさんの手づくりなのだ。初版のときは思いつくのが遅くて、間に合わなかった。この微妙な線がイイのです。解放出版社で作業中の旬公を見舞い、水道橋まで歩く。上野に出て、丸井の地下の〈無印良品〉を覗くと、やっぱりココも透明ケースが高い。しかたないので、今朝行った根津の〈赤札堂〉にまた戻り、一回り大きなケースを5つ購入。ホントは10個買うつもりだったが、安いだけあって強度に不安があり、本を入れて積み重ねることができるか判らないので、5つにしておいた。文京区台東区無料配達するが、荒川区には対象外だというので、タクシーで帰る。


では最後に、今夜も「路上少年遊書日記――1981年出雲」を。もういかにも中学生っぽい日記で、顔から火が出ます……。


1981年2月12日(木)

★この前から打田*1バレンタイン・デーにチョコレートをくれると言っていたが、どうなったのだろうか。今日、打田が昨日買いに行って240円もしたよ、と恩きせがましくいったが、いつごろくれるのか。


今日読んだ本

『乱調文学大辞典』

とにかくこの本には笑わさせられた。文学辞典のパロディとはすごい。

まさに筒井康隆でなくては、できないことだ。

なにせツタンカーメンエジプトラーメンという風だからよっぽど気をつけて読まないと、本当のようなこともあって、区別がつきにくい。

巻末付録がまたおもしろい。

「あなたも流行作家になれる」と題して方法を書いている。本文もおもしろいがこちらもおもしろい。

かなり調べてあるから、作家をめざす時には、これを読まなければいけない。*2


2月13日(金)

板倉(女)が『WE ARE』OFF COURSEをレコードからテープに録音してきてくれる。


★読んだ本

水素製造法』【かんべむさし

これは2冊もっている。1冊はこれで、もう1冊はこれと同じ内容の単行本(980円)。解説を読むためともう一度読みたかったため。それに文庫本は安いから。*3これがこの反対に文庫本をもっていて単行本があれば、買わないにきまっている。


さて、翌日のバレンタインデーで、河上少年チョコレートをもらえるのか!? ってところで、続きは明晩。

*1:すいません、どんな女の子だったか、すっかり忘れてしまいました。

*2:けっこう本気で「作家になりたい」と思っていたらしい。

*3:だからといって、わざわざ買うこたぁない。

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2006-11-20 牛イチロー、はじめての店内古本市

朝8時半起き。朝飯を食べて、仕事に取り掛かる。1時半までかかって、『進学レーダー』の書評と、『酒とつまみ』原稿を書く。昼飯は冷凍しておいたギョーザを焼く。テレ東映画がおもしろくなさそうなので、誘惑に駆られることもなく、またパソコンの前に戻る。「まぼろしチャンネル」の原稿を書き、いくつか連絡メールを書くと、5時になった。


一日中家にいると、夕方になるとちょっと出かけたくなる。雨の中を歩いて、谷中コミュニティセンター図書館へ。遅れていた本を返す。裏道を通って、〈一寸亭〉に入り、チューハイを飲む。〈ブックオフ〉に寄り、都築響一夜露死苦現代詩』(新潮社)800円などを買う。


晩飯は、谷中銀座〈すずき〉(雨の日は並ばずに買える)のメンチカツコロッケ。食べ終えて、また仕事に。12時までに『COMIC Mate』の書評を書く。そういや、旧聞に属するが、この「活字本でも読んでみっか」が元々連載されていた『レモンクラブ』が、ついに廃刊になったそうだ。まあ、塩山さんのコトだから、愚痴をたれつつも、次の手を考えていることだろうが。ともあれ、これで今日ノルマはなんとかこなせた。どれも書きやすい原稿とはいえ、一日に4本はへたれライターにはかなり重荷である。


一昨日の東京堂トークの模様を、〈リコシェ〉のアベちゃんが「豆子の切貼り手帖」(http://d.hatena.ne.jp/kiribari-mameko/)で報告している。打ち上げカラオケでは「ナンダロウさんが踊り付きで『ラムのラブソング』を披露」とあるが、ほかにも、YMOの「キミに胸キュン」を振りつきで歌いました。タイトルの「はじめてのギュウ」は、アニメソングがいつのまにか牛イチローテーマソングとなったもの。ほかに、「書物蔵」(http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/)さんも来てくれた。なお、書物蔵、退屈男、本の街の三氏が参加した書物ブログ座談会が、毎日ムック『吟遊書人 神田神保町古書ガイド』に掲載されています。同書の表紙はなんだかなあ、で、表紙から本文まで目黒考二さんの名が誤植されていたりしますが、内容的には読みごたえあると思いますよ。


牛イチローといえば、〈立石書店〉がついに早稲田に進出するのだ。穴八幡の〈メープル・ブックス〉のあとに入居。コレはめでたいというので、オープニング記念に古本市が行なわれます。なんと店内で、ほかの古本屋古本市を行な打という企画。南陀楼も「けものみち」から発掘された本を出品します(何度もやってるので、いったいどこまで深い道なのか、と問う声多し)。初日は夕方オープンです。


■■立石書店オープニングイベント 古本市/夜・昼■■


◎日時

12月21日(木)〜22日(金)

21日(木)古本市・夜 19:00〜23:00

22日(金)古本市・昼 12:00〜17:00


◎会場

立石書店(メープルブックスのあった場所)

新宿区西早稲田2−1−2−1階(電話番号は後日発表します)


特別企画

路上派遊書日記』刊行記念 南陀楼綾繁けものみち放出セール

南陀楼さんの蔵書から約300冊を放出予定。


◎参加書店

海月書林 http://www.kurageshorin.com/

古書現世早稲田

三楽書房早稲田

にわとり文庫西荻窪

古書往来座(池袋http://ouraiza.exblog.jp/

ハルミン古書センター浅生ハルミンhttp://kikitodd.exblog.jp/

書肆アクセス神保町http://plaza.rakuten.co.jp/accesshanjoe/

リコシェ http://www.ricochet-books.net/

旅猫雑貨店(雑司が谷)http://tabineko.seesaa.net/


◎立石書店の正式オープンは12月26日(火)となります。


では最後に、今夜も「路上少年遊書日記――1981年出雲」をお届けします。


1981年2月9日(月)

★昨晩は11時半まで全くねむれず。朝、無理をして起きる。

晩、早く寝る。


2月10日(火)

今日はあまりいい気分ではない。

明日は休みだ。何時間もねるぞ!


今日読んだ本

『ショージくんのほっと一息』

この人はマンガ家でありながら、ゆかいな文を書く。本当に楽しくなってくる。


2月11日(水)建国記念日

★朝12時半まで寝て、それから活動する。


今日読んだ雑誌

SFアドベンチャー 3月号』

最初、小説感想から。

地獄」【西村寿行】はおもしろい。実名小説というのがいい。

メディア9」栗本薫は本当に何でもやる人だ。『僕らの時代』はすごくおもしろかったし、他のもおもしろい。*1

豊田有恒と高齋正のショートショートもなかなかよかった。

だけどなんといっても、ジャズ中村誠一が小説を書いていたので、びっくりした。ジャズをやる人はなんでもできるのか。

「第一回 日本SF大賞」を受賞したのが堀晃とは思わなかった。でも、『太陽風交点』をラジオで聞いたとき、*2ハードSFのおもしろさがわかったので当然かもしれない。

今度、『太陽風交点』は文庫になるので読んでみよう。*3

SFアドベンチャーを2カ月続けて買ったけど、これを元にして他のSF雑誌も読んでいきたい。SFASFM【『SFマガジン』】や奇想天外のように吾妻ひでおとか手塚治虫とかを入れればいいのに。

*1小説の読後感を表す語彙は、とても貧弱。さすがに中学生だ。

*2NHK FM朗読を放送したような気がする。←FMではなくAMでした。11月21日日記を参照。

*3:この文庫化がきっかけで、いわゆる「太陽風交点事件」が起こる。「Wikipedia」に解説あり http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E9%A2%A8%E4%BA%A4%E7%82%B9%E4%BA%8B%E4%BB%B6

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2006-11-19 「路上派少年遊書日記――1981年・出雲」連載開始します

kawasusu2006-11-19

朝8時頃、妙に寒くて目が覚める。もう冬の気配だなあ。静かに雨が降っている。東京新聞を開いたら、読書欄で『路上派遊書日記』が取り上げられていた。無記名の9行ほどの紹介だが、ありがたい。ぼくが雑誌連載を担当した、山崎浩一さんの『雑誌のカタチ』(工作舎)が隣に並んでいたのも、嬉しい偶然だ。


タコシェ〉のブログhttp://blog.taco.shop-pro.jp/)で、岩井澤健治『石井輝男闘病日誌』(600円)という冊子が出たのを知る。「「2005年8月12日に他界した、石井輝男監督の最期の日々を、学生時代に『地獄』にスタッフとして参加したことを切っ掛けに監督のもとに出入りするようになった若者が記録したもの。監督が肺癌で緊急入院してから、亡くなるまでの一ヶ月ほど、ほぼ毎日、見舞いや看病に通い、やりとりした会話や監督の様子を綴ったもの」。コレはぜひ読んでみたい。旬公が出かけているので、昼はトマトソースペンネをつくって食べる。


書評で取り上げる、津原泰水ブラバン』(バジリコ)を読む。1980年吹奏楽部に属した広島高校生青春と、その25年後を交錯させて、ハナシが進む。作者はぼくよりも3つ上(1964年生まれ)だが、自分も同じ時期に中、高とブラバンにいたので、ひとつひとつの記述に「あったあった」と同意しつつ、一気に読む。ブラバンが出てくる作品には、小説有明夏夫『俺たちの行進曲』(文春文庫)、マンガ柏木ハルコブラブラバンバン』(小学館)があって、どちらも傑作だが、この『ブラバン』もブラバン小説として素晴らしい。


夕方、〈古書ほうろう〉へ。入れ替えがあるたびに注視している「古本すなめり」コーナーで、『牛次郎劇画原作入門』(日音)400円を買う。〈立石書店〉の牛イチロー先生に、新店舗開店祝いにあげようと思う。カバーの著者名が帯で隠れて、「牛」の一文字だけ見えているのには、激しく笑える。ほかに、山田宏一・宇田川幸洋訳『汚れた顔の天使 ジェームズ・キャグニー自伝』(出帆社)900円、ドナルド・オグデン・ステュアート浅倉久志訳『ハドック夫妻のパリ見物』(ハヤカワ文庫)500円を。先日も書いたが、最近のほうろうはじつにイイ本をいいタイミングで出してくれるなあ(とくに木曜日以降)。〈サミット〉で買い物して、立ち飲み屋〈ワン・ツー〉でチューハイ(150円)飲んで、ウチに帰る。


晩飯は、福岡で買った明太子を使い切ろうと、ウェブで見つけた、「ささみクリームチーズ和え」というのをつくってみるが、ささみがなくて胸肉を使ったり、クリームチーズを和えるのが難しかったりで、ちょっと失敗。ローランド・エメリッヒ監督デイ・アフター・トゥモロー》(2004・米)を、旬公とさんざんツッコミを入れつつ観る。そのあと、原稿を一本書く。


さて、ココで「ナンダロウアヤシゲな日々」からお知らせです。昨日のトークの打ち上げの席で、ハナシのネタ用に持ってきた、ぼくの中学時代の日記帳をみんなに見せたところ、異様にウケ、「中学生から行動がまったく変ってない」「こんなにもあだち充を愛してたんですか!」「このまま本にしてほしい」などの賞賛(?)の声をいただいてしまいました。で、今日になって、津原泰水ブラバン』を読み終えた余韻もあって、その日記を読み直してみると、恥ずかしい文章ではあるものの、1980年代田舎少年の生活記録としてはそれなりに面白いものではないかと思えてきました。そこで、今日からしばらくの間、この日記転載していきます。タイトルは、〈往来座〉のセトさんの提案をちょっといじって、「路上少年遊書日記――1981年出雲」とします。


B5サイズのノートに書かれたこの日記帳には、『メモノート』というタイトルが付いています。これは当時、愛読していたかんべむさしが、大学時代につけていたノートと同じ名前です。なぜか1冊目は手元になく、「NO.2」「NO.3」の二冊が残っています。「NO.2」は1981年2月7日〜6月8日まで。4カ月で100ページのノートを使い切っています。もう25年も前のコトなので、固有名詞も含め原文そのままで引用しますが、一部匿名にする場合もあります。また、簡単な注記は【】で示し、長いものは注釈にします(「はてな」の注釈機能を使うのはコレがはじめてです)。句読点適当に補い、書名は『』にします。明らかな書き間違いは訂正します。では、全文掲載までに何日掛かるか判りませんが、よろしくお付き合いのほどを。


1981年2月7日(土)

今日土曜日学校は三校時でクラブでは本を読んだ。

今日なぜかたくさん注意された。学級委員に3回、日直に1回。まったくどうしたことだ。

夕方、エレクトーン*1。まだへただった。

7時15分、「セッション‘81」【NHK FMライブ番組】録音。山下洋輔トリオ+国仲勝男。良かったので大満足。山下洋輔たちまち好きになる。


2月8日(日)

★午前中、部活動へ。

昼から二時間ほど寝て、弟と図書館書店へ。

その前に武田書店*2に行って注文した本はまだかと聞いたら、調べて「現在発行されておりません」と言った。2カ月もほったらかしにして、このざまだ。もうあそこでは本買わないからな。だいたい、本当は発行されているはずだが。

図書館で本一冊借りる。阿刀田高の『食べられた男』だ。一回読んだことがあるが、もう一回読んでみる。


今日買った本

『ショージ君のほっと一息』東海林さだお(NO.152)*3320円、文春文庫

火星人ゴーホーム』フレドリック・ブラウン稲葉明雄・訳(NO.153)360円、ハヤカワ文庫SF

プラトンは赤いガウンがお好き』小峰元(NO.154)300円、講談社文庫

『乱調文学大辞典』筒井康隆(NO.155)280円、講談社文庫

水素製造法』かんべむさし(NO.156)340円、徳間文庫


今日買った雑誌

SFアドベンチャー 3月号』徳間書店、590円


今日は久しぶりに町に出たせいか、いろいろと本を買った。*4

ショージ君シリーズは五冊、あと一冊で全部がそろう。早くそろえたい。

フレドリック・ブラウンは初めて。この本は、僕がSFファンになってから、初めて買った海外SF(もちろん『宇宙戦争』などの子供向け【「子供向け」になぜか傍点】は読んだが)。これからは、いろいろな海外作品も読みたい。

小峰元は二冊目。この本や、この作者のほかの作品はほとんど全部読んだが、また買って読み直している。

筒井康隆のこの本。これはおもしろいぞ! 雑誌に移って『SFアドベンチャー』。これは2冊目。SFAだけでなく、他のも読みたい。


当時は月に2000円ぐらいしか小遣いをもらってなかったハズなのに、一日で文庫5冊、雑誌1冊も買っている……。しかも、一度図書館で読んだ本を、わざわざ自分の本として買っている。気に入った本を何度も読み返すクセが、中1の頃からもうあったとは思わなかった。(続く)


写真は、カラオケのときの〈往来座〉のセトさん。「ベルトがないので、ビニールヒモでしばってます!」とさわやかに言い放つ好青年だ。

*1小学生から中学2年ごろまで、ヤマハエレクトーン教室に通っていた

*2出雲市内でいちばん大きかった新刊書店

*3:買った本に通しナンバーを振っていたらしい

*4:自宅から市の中心部までは歩いて40分、自転車で15分ほどかかった

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2006-11-18 トーク2時間、打ち上げ7時間(カラオケ付き)

kawasusu2006-11-18

朝8時半起き。朝飯(田舎でもらってきた「モロヘイヤそば」。緑色というおそるべき色の麺だが、味はまあまあ)のあと、『進学レーダー』の原稿。12時までになんとか上げて、今日のトークのメモをつくる。一人で話すときと違い、相手がいるので、キーワードメモする程度。出がけに「不忍ブックストリートMAP」がナイことに気づき、あわてて〈古書ほうろう〉にもらいに行く。


1時半、旬公と出かける。神保町の〈ドトール〉で、サンドイッチコーヒー。〈東京堂書店〉に着くと、右文書院青柳さんが待っていた。6階に上がり、奥の控え室へ。今日のお相手の向井透史さんと、未来社の天野さんが待っていた。『路上派遊書日記』の第二刷を受け取る。気になっていた間違いがいくつか直せて、ヨカッタ。雑談しているウチに、開場時間に。


店長に呼ばれて、セドローくんと二人で前に出て行く。思っていたより多く(50人ほど)お客さんが集まっていて、少し緊張。二人の新刊のハナシからはじまり、『路上派』の成り立ち、同書に出てくる出雲実家買取ツアーのことへと続く。子どものとき、いかに本がない環境で本を求めて動いていたかというハナシが意外にウケたので、ちょっと長くなってしまった。そのあとセドローくんの『早稲田古書店街』の話へ。このあたりは彼のお手の物で、自由自在にお客さんを笑わせつつ、同書の裏話を語っていく。『彷書月刊1986年早稲田特集で、セド父(向井佑之輔さん)の書いている文章がすごく良いというハナシをしたところ、驚愕の事実が判明。一瞬、考えていた展開が吹っ飛ぶほどの驚きだった。詳しくはセドローくん自身に書いてもらいたい。すこーし時間オーバーしたかなというあたりで、トークは終了。客席にいた岡崎武志さんから一言いただき、あとは本を買ってくれた方にサインする。


セドローくんが相手だと非常に話しやすく、用意してきたハナシを消化しながら、ときどき脱線することもできた。客席の反応も上々だったように思う。これまで何度かトークをやらせてもらっているが、終ってみるとどうも後悔が残るコトが多かった。しかし、今回は自分でも満足だ。なんだかねー、喋りに関して一段だけステップアップしたような気がするよ。セドローくん、本当にありがとう。聞きにきてくださった方々にも感謝です。


終って、残っていたみんなで〈和民〉で打ち上げ堀切直人さん、鈴木地蔵さん、〈立石書店〉の牛イチロー先生、〈往来座〉のセトさん、〈リコシェ〉のアベちゃん未来社の小柳さん、晶文社に新しく入った編集のMさんら(あとで、上京してきた前田和彦くんもちょっと顔を出す)。なんだか盛り上がって、9時すぎまでいろいろ話す。


そこでいったんシメるが、残った連中でカラオケに行くことに。しょっぱな、セドローくんが「古本せどり旅」をかますので、対抗上、ぼくも「西日暮里の一箱おやじ」(「東京の花売り娘」の替え歌)をでっちあげて歌う。高田渡の「生活の柄」をみんなで合唱したり、セトさんが中島みゆきの「蕎麦屋」というフシギな歌(でもどことなく彼にぴったり)を歌ったり。たまーに行くと、カラオケ楽しいね。「わが心のけものみちソング」である、電気グルーヴの「N.O.」が歌えなかったのはちょっと残念。12時にお開き。トーク終ってから、7時間も打ち上げだよ。最終電車でウチに帰る。


というワケで、無事終わりました。『路上派遊書日記』はこれから増刷分が注文できますので、どうぞよろしく。しばらくイベント続きだったので、このあと年内はなるべくウチにこもって、仕事に専念したいと思っています。

2006-11-17 名コンビ、誕生す

朝8時半起き。午前中に『ぐるり』の原稿、午後に『進学レーダー』の原稿を書く。やればできる、とはいえ、まだ残っているもの多し。木村衣有子さんから『わたしの文房具』(KKベストセラーズ)をいただく。文房具についてのコラムや、料理研究家漫画家の文房具の使い方のインタビュー東郷青児山名文夫などの絵葉書の紹介、といった構成。この人が、文筆家としてだけでなく、企画者・編集者として優れていることを、新しい本を見るたびに確認している。なお、青山に〈机〉という名の居酒屋があるそうだが、『机』というタイトル雑誌もありますね。紀伊國屋書店のPR誌です。


5時半に出て、神保町へ。ほとんど一週間ぶりだ。この間、電車にはまったく乗らず、自転車での移動しかしていない。〈ディスクユニオン〉に寄り、ムーンライダーズの新作[MOON OVER the ROSEBUD]と、『ミュージックマガジン』増刊の「ムーンライダーズの30年」を買う。ムーンライダーズに関してはもはや惰性となっているか。〈書肆アクセス〉で、鈴木義昭『夢を吐く絵師 竹中英太郎』(弦書房)、岩垣顕『東京35区地名事典 小石川区・本郷区編』を買う。『東京35区地名事典』は古い地名を調べている者にはありがたい資料だが、いちばん欲しい神田区編は未刊だった。というか、3冊出て刊行が止まっているらしい。〈ぶらじる〉で右文書院青柳さんと打ち合わせ。『路上派遊書日記』の増刷分は、明日の東京堂書店でのトークで初売りとなるらしい。海野弘さんの新刊『歩いて、見て、書いて』をいただく。待ちに待った一冊だ。


7時、〈八羽〉にて、濱田研吾くんと藤田加奈子さんの結婚を祝う会。濱田くんは『徳川夢声と出会った』(晶文社)や『脇役本』(右文書院)の著者。藤田さんは戸板康二愛好サイトの主宰者にして、ブログ「日用帳」(http://d.hatena.ne.jp/foujita/)の主。二人が付き合っていたことは昨年から知っていたが、結婚を知らされたのはつい最近だ。今日は二人とも付き合いのある人だけ、ということで、2人と西秋学さん、畠中理恵子さん、藤田晋也さん、青柳さん、そしてぼくの計7人という少人数の会になった。


夢声愛好家と戸板愛好家がドコで出会ったの? と訊いたら、「ナニいってるんですか、南陀楼さんが紹介してくれたんじゃないですか」という。『彷書月刊』の連載で、藤田さんのサイトと一緒に濱田くんのミニコミ職業“雑”の男 徳川夢声百話』を取り上げ、それでお互い連絡を取り合うようになったのだとか。いやあ、ゼンゼン覚えてなかったよ。あとでパソコンから該当の原稿を引っ張り出してみると、たしかに、二人を並べて紹介している。「戸板康二といい、徳川夢声といい、名前の大きさにひるまずに、しかも部分でなくいきなり全体像に取り組むとは、恐るべき二十代だ」なんて書いているじゃないか。二人の出会いには、また、藤田晋也さんも一役買っている。こうしてみると、直接ではないといえ、「BOOKMANの会」から生まれたカップル、という見方もできる。


会は、本人そっちのけの古本屋話からはじまり、畠中さんの毎度のご乱行(あっ、お金がない! など)で盛り上がる。最後に、全員から二人にプレゼント。ハマびんには、杉浦幸雄が描いた徳川夢声イラスト藤田さんには、戸板康二の生原稿。ふたりとも狂喜し、しばらく見入っていた。ぼくからは、『錯覚』という雑誌映画演劇関係者が書いている雑誌で、夢声も寄稿している。以前、ハマびんにコピーをとらせてあげたことはあるが、ぼくが持っていてもしかたないので、彼に渡すコトにした。けっこう古書価は高いよ(ぼくは2900円で買ったけど)。この雑誌パラパラめくっていた藤田晋也さんが、「あっ、この発行所の住所は!」という。なんと、二人の新居と、この雑誌の発行所の住所が同じだったのだ。すげえ偶然。献呈者のぼくが見落としていたのは、とても残念。


ほかにもいろいろ書きたいが、長くなるので略。ともあれ、濱田くん、藤田さん、おめでとう! 最強の趣味を持った名コンビ誕生だ。


11時すぎに散会して、青柳さんと千代田線で帰る。ウチに帰り、洗濯をしてから寝る。明日は3時から〈東京堂書店〉でのトークショーだ。どうなることやら。

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2006-11-14 原稿が「半落ち」?

先週から継続中のスランプ(生意気な)だが、『かんだ』(マッチラベルから見た神保町)、『彷書月刊』(ブックオカのルポ)を遅れに遅れて、ようやく書き、某誌の企画もなんとかまとまりそうで、なんとか一息。でも、いまだ遅れてる原稿が何本かあるんです。もはや「半落ち」状態。「全落ち」にならぬうちに、書かねば。


この三日間、西日暮里から出てないので、世間の動きがよくワカラナイ。昼1時半になると、仕事をやりながら、テレビ東京の「午後のロードショー」を観ている。今週は、チャールズ・ブロンソン特集で、昨日も今日も観てしまった。昨日の《特攻サンダーボルト作戦》(1977・米)は、パレスチナゲリラ飛行機を乗っ取るハナシ。アフリカの某国(明らかにウガンダ)に着陸して、ゲリラ大統領アミンならぬアーモンという名前)に援助を受けるのだが、この大統領C調ぶりが笑える。アメリカ映画だからイスラエルびいきなのはしかたないが、ブロンソンが登場してからの展開がすさまじい。その某国に軍用機で潜入しアジトを襲撃、間違って人質を殺したりしながら、パレスチナゲリラを全員殺害。他の国なのに、迫撃砲まで持ち出し、しかも某国の軍隊にも発砲! すごいぜ、イスラエル! それだけ沙汰の限りを尽くしておいて、ブロンソンは部下が一人死んだという知らせに悄然とするんだから……。今日の《地獄で眠れ》(1984・米)は、途中電話があったりしてちゃんと観られなかった。


岡崎武志さんがブログをやめた件が話題になっているが、好きで書いているものなのだから、「やめる」とか「続ける」とか宣言しなくてもいいし、いきなりスタイルを変えても構わないと思う。告知だけに限るとか。もっとワガママに、もっとやりやすいように、するのがイイと思う。ぼくはといえば、この二週間ばかり、いつもの「日記」を書く気が起きず(主に生活が単調なので)、ときどきしか書いてないが、そのうちまた前のペースに戻るんじゃないかと思っている。ぼくはいろんな方面でまるっきり根気のない人間なのだが、それでも完全にヤメてしまうということはめったになく、一度停止しても思い出したように復活させたりしている(「モクローくん通信」とかね)。


そういえば、セドローくんが今日日記で、ぼくと会ったときのことを書いている。これ、トークのときに話そうと思ってたんだが……。前フリのつもりなのかな。「学校で同級生だったら、同じグループにはいないのではないかと思います」とあるが、そうかもしれない。だいたい、旬公にすら、「大学生のときにアンタと会ってたら、友達にならなかったでしょうね」と云われてるんだから。「付き合ってなかった」ならともかく、「お友達」にすらさせてもらえないとは。まあ、そんなヒトたちが、友達になっていたり、結婚していたりするのだから、世の中はオモシロイと思うのだ。そんな、ひょっとして気の合わない(?)二人がお届けするトークは18日です。まだ席は充分にありますので、どうぞよろしく(ぶっちゃけ、あと10人ぐらい来てくれると「いいカンジ」なのです)。


■■『路上派遊書日記』『早稲田古本屋街』刊行記念■■

路上古本宣言! 〜古本屋のある街で〜」

南陀楼綾繁ライター)×向井 透史(古書 現世)トークショー


■開催日時

2006年11月18日(土曜日

15時00分から17時00分(開場14時45分)


■開催場所

東京堂書店 神田本店6階 http://www.tokyodoshoten.co.jp/


■参加方法

要予約。参加費500円

電話または、メール(tokyodosyoten@nifty.com)にて、

件名「南陀楼綾繁 向井 透史 イベント希望

お名前・電話番号・参加人数、をお知らせ下さい。

11月17日以降は、お電話にてお問合せください。

電話 03-3291-5181


夜、「書評のメルマガ」を編集して発行。ココには載せられなかったが、毎日新聞社神保町ムックがそろそろ書店に並ぶ模様。ぼくは今回、自分の提案した企画で、11ページを取材・執筆している。さて、「書物ブログ座談会」には、どのブログが登場しているでしょうか? それから、「ブックオカ」の一箱古本市の記事が、佐賀新聞11月10日に載った。電話取材されたので、送ってきてくれた。本文4段の大きな扱いで、スタッフ参加者にもきちんと取材している。とてもいい記事です。驚いたのは写真カラーで、キューブリック前に出店しているぼくが載っている。お客さんと交渉しているところ。下のほうには、箱の横に立っている「モク村さん」(プレーリードッグ人形)もばっちり写っている。っていうか、コレ、モク村さんにピンと合ってるんじゃないの?


あと、右文書院からの新刊『歩いて、見て、書いて』刊行を記念して、東京神戸で、海野弘さんの展覧会が行なわれます。今年5〜6月に大阪東京で行なわれた展覧会を「海野さんが読んだ100冊」展とすれば、今度のは「海野さんが書いた100冊展」です。東京では岡崎武志さん、神戸では橋爪節也さんとのトークもあります。海野さん蔵書の放出セールもやります。東京は今月末からです。どうぞおいでください。


海野弘 私の100冊の本の旅」展


 1968年デビュー以来、超人的なペースで本を出し続けている海野弘。このたび『海野弘コレクション』第3巻として、自著100冊を回想した書き下ろし、『歩いて、見て、書いて』(右文書院)が刊行されました。処女作アール・ヌーボーの世界』から最近刊の『海野弘 本を旅する』まで、本の成り立ちや、さまざまな編集者との出会い物語が綴られています。

 本展では、自著100冊の展示に加え、「海野弘 ひとり一箱古本市」と題し、海野さんの、自著を中心とした蔵書の販売、またトークショーも企画しています。

 この機会にぜひ、「本の旅」へおでかけください。


東京篇】

ブックギャラリー ポポタム

会期 11月28日(火)〜12月9日(土)


トークショー 海野弘×岡崎武志 

12月8日(金)18:30〜20:30

入場料 1,000円(要予約、ご予約はポポタムまでお願いします)


〒171-0021 豊島区西池袋2-15-17

電話 03-5952-0114

E-mail popotame@kiwi.ne.jp

http://popotame.m78.com/shop/

営業時間 12時〜18時 

休日 日・月曜日


神戸篇】

海文堂書店

会期 2007年1月16日(火)〜2月28日(水)1F東入口横コーナー


トークショー&サイン会 海野弘×橋爪節也 進行:南陀楼綾繁 

2月10日(土)15:00〜17:00(2F〈Sea Space〉)

入場料 1,000円(要予約、ご予約は海文堂書店までお願いします)


〒650-0022 兵庫県神戸市中央区元町通3丁目5番10号

電話 078-331-6501

E-mail books@kaibundo.co.jp

http://www.kaibundo.co.jp

営業時間 10:30AM〜7PM 年中無休

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2006-11-12 図書館で熟年離婚

書いておきたいことはたくさんあるのに、どうしても書けない、もしくは、書く気が起こらないということが、ある。福岡から帰って、風邪を引いてしまい、そのあと仕事がなかなか進まないまま、一週間近くが経ってしまった。ほかのライターに比べるとゼンゼンたいした量ではないが、それでも複数の原稿を抱え、それがどれも進まないとなると、一人前に「スランプじゃあー!」と叫びたくなる。いつもだと、原稿は書けなくとも日記スイスイ書けるのだが、今回はそれもできなかった。


その間、『路上派遊書日記』(右文書院)の増刷が決まった。うれしい。〈東京堂書店〉で一度圏外に出た同書が、11月1日調べでまた9位に返り咲いていた。こんなコトってあるのか(と思ったら、翌週には再び圏外に)。18日のトークショー、まだまだ受付中です。南陀楼はともかく、セドローくんのハナシは爆笑を呼ぶので、ぜひおいでください。


塩山芳明『出版業界最底辺日記』(ちくま文庫)が岩波の『図書』で取り上げられたと、本人はご満悦だ。いつぞや、ぼくに「今後、岩波書店の本はいっさい取り上げるな」と厳命したことをお忘れか。塩山氏は『記録』で、拙著(特に注)を念入りにほじくってくれていて、ありがたくはあった。この辺のコトは、12月にやるらしい(ホントかよ? なにも連絡ないぞ)コクテイルでの塩山&南陀楼トークで、話すことにしよう。


ブックオカ」のサイトに、参加者感想リンク集がつくられている。そのひとつ(http://www.kokeshi-m.com/blog/archives/2006/11/06-215641.php)に、青柳さんに店番を替わってもらったときの写真が。コメント欄に「手前のおじ様が、いかりやさんかと思った……」とありました。


昨日、図書館に調べ物に行ったら、レファレンスカウンターで、本を検索してもらっている老人がいた。係の人が、「『夫婦で読む熟年離婚』という本がありますが……」と云うと、「あ、それです。借りたいです」と。いま貸し出し中でリクエスト出さないと、と説明するも、目先の問題にとらわれているせいか、ほとんど上の空で、手続きをしてもらっていた。図書館にはいろんなヒトが来るなあ。


あと、いつの間にか、このブログは45万ヒットに達しました。


というあたりで、また仕事に戻るか。

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2006-11-06 福岡でも伝説を生む女

kawasusu2006-11-06

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8時過ぎに起きる。荷物をまとめて、1階で朝食バイキング。二日同じものだと、さすがに少し飽きる。西鉄天神駅の北口で畠中・Tコンビと待ち合わせていたのだが、改札に着いたあたりに携帯電話。「CKBチケットがなくなったの〜」と畠中さん。いま捜索しているので、待ち合わせには間に合わないと云う。昨日もトークや打ち上げにことごとく遅刻していた畠中さんに付き合うのには、コレぐらいで動じてはいけない。あとで石風社で待ち合わせるコトに。


地下鉄天神駅まで歩き、コインロッカーに荷物を入れ、また戻って、西鉄で平尾という駅へ。駅を出てスグのところにある〈リブロ西鉄平尾店へ。リブロにしてはたぶん最小規模の小さな店だったが、よく手入れがされているなと思った。「ブックオカ」を特集した『kyusyu eyes』を買う。店長のクリタさんは不在で残念。まあ、昨日、畠中さんに「アクセスの黒沢さんに似てる女の子がいるよ」と云ったら、「会いたい〜」と叫んでいたのに、本人がすっぽかしているのだから、しかたない。


西鉄で隣の薬院へ。ココから歩いて数分のところに石風社があるはず。駅前の書店を覗いていたら、また畠中さんから電話。「石風社の藤村さんが用事で遅くなるって〜」。12時に行くコトにして、路線図を眺めて、地下鉄六本松に向かう。古本屋が数軒ある地域だ。〈三和書房〉(奥さんとは昨日「ふるほにすとの古書市」でお会いした)で4冊、〈葦書房〉で2冊を100円で、その近くの新古書店で、椎名誠銀座カラス』上・下(新潮文庫)を1冊80円で。反対側にある〈ブックオフ〉〈天導書房〉も覗く。


さて、薬院にはバスで行こうか、地下鉄で戻るかと思案していると、またまた畠中さんから電話。「藤村さんがカレー屋に連れて行ってくれるっていうんだけど、会社からけっこう歩くみたいだから、店で会いませんかって」。カレー屋とは、一箱古本市打ち上げ会場だった〈ヌワラエリア〉のことらしい。畠中さんは昨日の〈ふぁーむ〉での打ち上げで、店主の前田さんと会い、興味を示していた。


じゃあ、ソコでということになり、警固への行きかたを訊くために藤村さんに電話すると、「カレー屋ってどこですか?」と訊かれる。おいおい、ハナシが付いてたんじゃないの? よく聞いてみると、藤村さんは畠中さんがカレーが食べたいというので、会社の近くの店に案内するつもりでおり、〈ヌワラエリア〉でというのは、完全に畠中さんの思い込みなのであった。福岡に来てもオレ流で行動とは、さすが「黒いでっぱり」(畠中さんの異名。命名は本人)である。ぼくは食事はパスすることにして、さっき歩いていて目をつけた中華料理屋へ。〈吉祥飯店〉という店で中国人の夫婦(?)がやっている。チャンポン定食と、羊肉串と鳥皮串を頼む。串は1本39円という安さ。スパイスが利いてウマかった。ビールも飲んでしまった。


バス国体道路(けやき通りもここに含まれる)を通り、警固交差点で降りる。〈田口商店〉という中古レコード屋(品揃えがかなりイイ)を覗き、〈ヌワラエリア〉へ。畠中さん、Tさんが先に来ている。CKBチケットはけっきょく見つからず、当日券を手配する模様。その畠中さんに付き合っているTさんは、何かを悟ったように静かに笑っている。


畠中さんは昨夜、「ホテルの壁の向こうで音が聞こえる」と騒いでいたが、朝起きてみると、窓の下が墓場だった、など、わずか2日でエピソードを着々と増やしつつある。昨日は打ち上げに若い連中がたくさんいることに感激して、「若いヒトはいいわねえ」などとまるで母親のような感慨をもらしていたし、ホテルに帰るときには普通に反対方向に歩いていくし……。素晴らしすぎます。畠中さんに「書評のメルマガ」で、「黒いでっぱり報告書 私、失敗しちゃうんです」(仮題)を書くように命じる。


藤村さんと、〈丸善〉のTさんが来て、食事しながら藤村さんの取材。なるほど、と思うハナシがいろいろ出た。〈アポロ計画〉に寄り、買った本を送る箱に入れる。チェコマッチラベルの撤収もお願いした。ブックオカおよびふるほにすとのデザイナーである酒井さんはオカッパで、ちょっとプードルっぽい。旬公に擬獣化してほしいキャラクターだった。


畠中さんたちと別れ、藤村さんに「キャナルシティ」まで送ってもらう。そこの地下の〈福家書店〉で高倉さんに挨拶。『路上派』を平積みしてくれていた。そこから福岡駅まで歩く。途中、〈ブックオフ〉に寄る。JR香椎へ。昨日「ふるほにすとの古書市」で〈あい古書店〉さんと会ったので、行ってみたのだが、名刺に載っている地図は曲がる目印が書かれていなく、かなり先の大通りまで出てぐるっと戻ってくるハメに。店にたどり着くと、いかにも地方の小さな古本屋さんの造りながら、文学書がほとんどを占めている。ふた回りしたが、ちょっと手が出なかった。店番のお母さんと、奥でネットをやっていたIさんに挨拶して駅のほうに戻る。〈ブックオフ〉があったので寄ってみたが、ココでも買えず。


博多に戻り、地下鉄天神へ。コインロッカーから荷物を出し、〈丸善〉へ。福岡ビルという、天井の高さとか壁のカンジとかがいかにも古くからあるビルで、ぼくなんかは落ち着く。丸善も「本の本」が充実していたり、岩波みすずのコーナーがあったりで、とてもいい本屋だった。バスに乗って、警固交差点へ。昨日、今日で、この辺の地理がだいたいアタマに入った。やはり、ヒトに連れられてではなく、自分で歩いてみると街がよく判る。


ブックオカの会場だった、〈手の間〉に行こうと思ったら、今日休み。しかたなく(?)、一昨日も行った〈けやき食堂〉へ。おばさん一人でテレビを観ている。青柳さんオススメの卵焼きを食べ、焼酎のお湯割を2杯飲む。〈ブックスキューブリック〉に行き、近くのケーキ屋で大井さんに取材。終わりごろに大雨が降り出す。「これが一昨日だったら……」と大井さん。雨の中でタクシーを拾い、空港へ。


レストラン街の外れに、うどん屋があり、入ってみる。野菜の天ぷら3種類入りのうどんおにぎりを食べる。惰性でビールも頼んだが、さすがに飲みきれず、残してしまった。飛行機のなかでもコーヒーを飲む気がせず、スープをもらう。10時20分に羽田着。ウチに帰ったら11時過ぎだった。今回は50人以上と話し、30人近くと名刺交換した(最後には手持ちの名刺がなくなった)。ちょっと疲れたけど、充実した3日間でありました。呼んでくださった「ブックオカスタッフの方々、福岡の皆さん、ありがとうございました。また来年、行きますよ!


*右は二次会の会場前で、「全国食いしん坊友の会」への入会を決意する畠中さん。中央は「アポロ計画」の顔ハメで記念撮影。左は屋台でまどろむ三人娘

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2006-11-05 ブックオカ速報その2 南陀楼トーク&打ち上げ

kawasusu2006-11-05

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★朝8時起き。今日のトークのメモをつくる。ホテルの一階でバイキングの朝食。天神方向に歩き、天神コアの〈紀伊國屋書店〉へ。そのあと、隣のビブレに〈福家書店〉が入っていると思い探すが、見当たらず。コアに戻ると、地下にあった。同じビルのなかに二つの書店があるのは珍しい(ビレッジバンガードとの共生はあるが)。ココでは「福岡読書人が選んだオススメの3冊」フェアに、南陀楼セレクトの本が並んでいる。塩山芳明『出版業界最底辺日記』、鈴木地蔵市井作家列伝』、志賀浩二古本屋残酷物語』の3冊。同じセレクトはキューブリックにも置かれている。その裏のジュンク堂へ。2階でSさんに挨拶。『路上派』の平積みPOPをやってくれている。3冊サイン本をつくる。


★戻る時間になり、ホテル近くの古書店〈入江書店〉へ。充実した品揃え。入ったら、青柳さんがいた。一緒にトークの会場である〈自然食品の店 ふぁーむ〉へ。ココの二階を使わせてもらうのだ。アポロ計画に荷物を取りに行き、弁当を食べて、セッティング。しかし、ぼくのマシンにケーブルが刺さらず、メモリースティック画像を映して、別のマシンで見ることになる。


★2時前に続々ヒトが集まってくる。うしろのほうは立ち見だ。それにしても、お客さんがみんな若い!(ブックオカボランティアスタッフもいたようだ)。「街に出て本と遊ぼう」というタイトルでトーク開始。例によって、始まるなり、メモの順序がすっ飛ぶ。画像を見せつつ、次に話すコトを考える。展開がとーとつに聞こえたら、ごめんなさい。でも、だいたい話したいコトを話し、見せたいモノを見せたつもり。3時半に終わり、『路上派』や『チェコマッチラベル』にサインする。このときにいた方が「正式の証明」さん(http://d.hatena.ne.jp/u-sen/)だったとは! もっと話したかったです。


★お役目も終わったので、荷物をアポロ計画に戻し、青柳さんとタクシーに乗って柳橋連合市場というところへ。活気のある市場だった。辛子明太子を買いたいが、明日もあるのでやめておく。魚フライ(50円)を立ち食いしたが、ウマかった。


★その裏の木造アパートの2階で、「ふるほにすとの古本市」を見る。オンライン古書店数店が出品している。場所も品揃えもレイアウトもなかなか。福岡市文学館の「カフェ文学」というような図録を1200円で買えたのはヨカッタ。しばらく歩き、〈書肆 幻邑堂〉へ。格のある古本屋。点数も多い。


タクシーで警固交差点に戻り、青柳さんが昨日行ったという〈痛快洞〉へ。狭い通路、積み上げられた本。それでいて棚には魅力的な本がたくさん刺さっている。しかも値づけが安い。コーフンして、6、7冊抱え込む。レジに出すと、その場で500円も引いてくれた。痛快洞、最高です! その先のビルの地下にある〈バンドワゴン〉にも行く。ここは痛快洞に輪をかけて乱雑で、箱の中に雑誌や単行本が投げ込んである。それを掘り返していると、ミニコミサブカル雑誌にけっこういいモノがある。昨日、リブロのクリタさんから「いつもAIKOを掛けてるんですよ」と聴いたが、入ったらその通りAIKOがずっと掛かっていて、可笑しかった。


またまたアポロ計画に戻り、買った本を置いて、打ち上げ会場の〈ふぁーむ〉に戻る。すでにスタッフボランティアが揃っている。ぜんぶで50人ぐらいいたか。東京からCKBライブを見るついでにブックオカにやってきたアクセスの畠中さんと晶文社のTさんも参加。乾杯があり、立食で飲んだり食べたり。ぼくと青柳さんは『路上派』の泣きバイ(買ってくれないと、青柳さんの出張費が出ません、など)に掛かる。快く買ってくれるヒトが続出し、その場で10冊売れた。ありがとうございます。ボランティア女の子たち(大学生が多い)とも話す。「握手してください」とか「写真を一緒に撮らせてください」とか云われ、生きててヨカッタと思う。もっとも、東京からやってきた珍獣との記念写真のつもりかもしれない。近くの中華料理屋に場所を移し、二次会。最後に博多流の一本締め(リズムが判らなかった)で終わる。みんな、疲れているだろうに、とてもハイテンションだった。不忍ブックストリートでもいつもそうだから、よく判る。


★畠中さん、晶文社Tさん、丸善福岡のTさんと、屋台へ。警固交差点の〈けいじ〉という店。ビールラーメン。やっと食べた博多ラーメンはウマかった。値段も安くて、今度また行きたいものだ。別の方向のホテルに泊まる畠中さんたちを別れて、ホテルに帰る。旬公と携帯でショッパイ話をしたあと、疲れたから今日は寝ようかと思ったが、すでに昨日、今日感想を書いているブログを見て、こうしちゃならんと、一風呂浴びた後、2日分のメモを書く。今日、あるヒトから「ブログは一日何時間ぐらいで書くのですか?」と訊かれたが、こういう書き方だと30分で二日分書けることを発見。でも、間違いがあるかもしれない。


*右はジュンク堂書店福岡店での『路上派』の平積みPOPサイン本入ってます。中央は〈痛快洞〉。左は「ふるほにすとの古書市」。

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2006-11-04 ブックオカ速報その1 けやき通り一箱古本市

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連日の打ち上げで酔っ払っているので早く寝たいし、『彷書月刊』にルポを書くことになっているのだが、ブックオカの成功に興奮冷めやらぬ者としては感想を述べておくべきだと思い、箇条書きモードで書きます。間違いとかあったら、あとで訂正します。写真も後日アップ。

夜行バスで7時前に天神バスセンター着。24時間営業のうどん屋で朝食。けやき通りまで歩くと、〈ブックスキューブリック〉の前に人だかりが。NHKの取材である。「ブックオカ仕掛け人の石風社・藤村さん、キューブリック・大井さん、ふるほにすと・生野さんに挨拶。福家の高倉さんとは久しぶり。


アポロ計画へ。チェコマッチラベル展の会場でもある。9時からのミーティングに参加。一箱古本市だけでなく複数のイベント今日一日で同時進行させるということに、驚く。スタッフはみな若い。


★荷物を持ってキューブリックへ。10時から店主ミーティング。さくさく進む。キューブリック前は、ぼくとキューブリックの店員さん(2箱)と「読んだ 聴いた 見た」のヒトなのだが、「読んだ 聴いた 見た」は共同参加者病気で不参加。別の場所から一箱移ってくる。


★11時よりも前からおじさんたちがうろつき、箱に手を突っ込みはじめる。イベントは開始のタイミングが大事と思うので、ぼくは紙をかぶせていたが、それでも覗きたがる輩多数。11時スタートと同時に、ヒトが流れ始める。


キューブリック箱が新しい本を安く出し、どんどん売れていくのに比して、ぼくの「古本けものみち」は、やや古めの本が多いので、動きが遅い。しかし、箱の前に出した、マッチラベルの詰め合わせ(200円)がどんどん売れ、また、マスコットプレーリードッグ人形(コミさん帽とめがねを装着。ウチでの呼び名は「モク村さん」)がキャッチーとなり12時前から売れ始める。追加をかなり持ってきたので、入れ替えていく。屋号は事前申し込みでは「古書モクロー」としていたが、それを忘れて「古本けものみち」で準備してしまった。


★1時、スタッフの方に代わってもらい、ほかの場所を見にいく。けやき通りは大きな道路で、歩道も店の前のスペースも広い。その通りの1キロぐらい(?)の左右に21箇所の大家さんを配し、80箱を出しているのだ。一箇所が3〜6箱程度の配分。場所によっては二階や奥まった場所もあるが、ブックオカデザインの入った案内板が立てられ、すぐに判るようになっていた。会期前から、目に入るデザインを先行してガンガン使っていたことが功を奏している。


★途中、右文書院青柳さんと会う。しばらく店番に戻り、青柳さんに代わってもらって、残り半分を見る。ぼくがいいと思ったのは、「やまか古書店」「魚屋」「浮木堂」の三つ。やまかでは福田純一『純粋一等国民序曲』(誠文堂新光社デザイン羽良多平吉)を1000円、「魚屋」では中田耕治『ソウルフルサーカス』(昭文社出版、装幀は高松次郎)を300円で購入。この二冊だけで、福岡までやってきた甲斐があった。南陀楼賞はやまか古書店に決定。


★腹が減ったので昼飯をと、目についたのが、〈けやき食堂〉という古ぼけた大衆食堂。オシャレな店が立ち並ぶなかで、この一角だけ取り残されたカンジ。中に入ると、丼モノ、定食がすべて「普通」と「大」で表示されている。カツカレービールを頼む。カツカレーのカツはスプーンでちぎれないものだったが、店の雰囲気とあいまって、なんだかとてもウマイ。あとで青柳さんが「さっき、いい店で飲んじゃいましたよ」というので、「けやき食堂じゃない?」と訊いたら、その通りだった。


★4時ぐらいからヒトの流れが鈍り始める。すでに完売し、撤収する箱も。キューブリック前には、ほかの場所に出していた人が移動してくる。最後はガンガン値下げして、残り20冊ぐらいで終了時間となる。約4万1千円、80点(マッチラベルがあるから)の売り上げか。ホームじゃなくてアウェイの成績としてはかなりいい方でしょう。


★撤収始まり、アポロ計画に荷物を戻す。階段のところにあった、宇宙飛行士の顔ハメで記念撮影高倉さんに連れられて、大名のプルミエホテルチェックイン。素敵な本棚のあるカレー屋〈ヌワラエリア〉で、報告会。各賞の発表に盛り上がる。店主さんたちはそれぞれ満足いく一日だったようで、よかった。そのあと残った人で、立食パーティ。さらに別の店で二次会リブロ西鉄平尾の店長のクリタさん、聡明で話題への食いつきもよく、カワイイ。なんか、元書肆アクセスの黒沢さんを思い出す(顔もちょっと似てる)。高倉さんと同僚の女性が酔っ払い、高倉さんにキスされてしまう。責任とってネ。大井さんたちにホテルまで送ってもらう。風呂に入り、1時半ごろ就寝。


写真右は、「古本けものみち」の前の、南陀楼とマスコットのモク村さん。中央は、モク村さんをつかんでしばらく離さなかった女の子。左はけやき通りのあちこちに掲示されたブックオカ看板

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