ナンダロウアヤシゲな日々

◎この日記は、ライター・編集者の南陀楼綾繁が書いています。
◎新刊『町を歩いて本のなかへ』(原書房)発売中です。
◎著書『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『谷根千ちいさなお店散歩』(WAVE出版)、『小説検定』(新潮文庫)、『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)、『路上派遊書日記』(右文書院)、『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『老舗の流儀 戦後六十年あの本の新聞広告』(とうこう・あい監修、幻冬舎メディアコンサルティング)、編著『チェコのマッチラベル』(ピエ・ブックス)、共著『ミニコミ魂』(晶文社)。
◎ご感想・ご連絡は南陀楼綾繁 まで。
◎「不忍ブックストリートの一箱古本市」は毎年春に開催します。
詳細は不忍ブックストリート公式ホームページもしくは、しのばずくん便りをご覧ください。
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2007-02-26 ブログでもしばらく安静

脂肪種のため入院していましたが、先週土曜日退院しました。入院中はネット接続できなかったので、本と週刊誌を読んでいました。入院中に読んだ本は、由良君美言語文化のフロンティア』(講談社学術文庫)、平寿美子『あなたがパラダイス』(朝日新聞社)、横山秀夫影踏み』(祥伝社文庫)、赤木洋一『アンアン1970』(平凡社新書)、太田直子『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』(光文社新書)と読みかけ文庫が1冊。あとは、仕事の資料を読んだり、大学1年のときの読書ノート入力したり。


手術は予定よりも長引いたそうですが、無事終わりました。顎のあたりが少しスマートになりました(ココで旬公からツッコミ入る。しばらくネタにします)。抜歯までヒゲが剃れないのがちょいとツライ。あと、麻酔の影響でずっとノドが痛く、舌もちょっとシビレてて、食べたり話したりするのに難あり。しばらくは、通常の人付き合いはできないかもしれません。


といいつつ、退院日は一度ウチに帰って休んでから、夕方に〈古書往来座〉の「外市」を覗いてきました。寒い風が吹きすさぶナカ、「わめぞ」メンバーが店番や呼び込みを頑張っていた。売り上げは上々だったよう。見せ方も、箱で置くのと棚に差すのをうまくミックスしていた。往来座の棚から青山光二『小説織田作之助』(現代新書)400円と、〈旅猫雑貨店〉の手ぼうきとチリトリを買う。年末の〈立石書店オープンフェアといい、このところ「わめぞ」の活躍が目立つが、不忍ブックストリートも負けていられない。


休んでいる間に、岡崎武志さんが「はてな」に復帰、山本善行さんもmixiから「はてな」に移転していた。二人の文章は広い読者に向けられているものなので、こうするほうがイイと思っていた。ヨカッタ。一方、ぼくはしばらくは日記を書く気力が出ないと思うので、このブログ更新は滞りがちになるでしょう。とりあえず、3月3日(土)の江戸川区立中央図書館での講演は、予定通り行ないますので、ちょっとスマートになった(しつこい)南陀楼をみてやろうという方は、ゼヒおいでください。締め切りまでに定員に達しなかったそうなので、お電話で中央図書館(03-3656-6211)へお問合せください。

2007-02-14 神保町でパンツを買うには

午前中はウチであれこれ。1時すぎに出て、飯田橋へ。〈島〉でモツ煮丼を食べ、近くの喫茶店で本を読む。逓信病院に行く。CTスキャンって、はじめてやったのだが、終ったあと体がフラつく。市ヶ谷まで歩き、都営新宿線神保町。〈ダイバー〉での「第1回 古本寄港市」。昨日からはじまっているが、今日はあいにくの雨。入り口の土間と店内で17の参加者が一箱ずつ本を出している。退屈男さんの箱から本山桂川文学散歩』(河出新書)300円と、ダイバーの棚から1冊買う。昨日は、若い連中が海軍制服を着て、靖国通りまでチラシを撒きに行ったそうな。


明日から入院なので、新しいパンツを買わねばならぬ。ユニクロのような店は、飯田橋には見当たらず。神保町では〈キムラヤ〉ならあるかと思えば、ナシ。その後、スーツ屋、Tシャツ屋、ゴルフ用品屋などを覗いてみるが、いずれもパンツの世話まではしていられないようだ。神保町パンツを買うのがコレほどタイヘンだとは思わなかった。最初から秋葉原ユニクロに行けばよかったか。


いったんウチに帰ってから根津の〈赤札堂〉に買いに行こうかと、西日暮里まで帰るが、途中で病院先生から携帯に着信あり。さらに悪いトコロが見つかったのかと、あわてて掛け直すと、CTの結果、手術に少し時間が掛りそうなので、入院を延ばしてほしいとのことだった。せっかく段取り組んだのに……。しかしまあ、コレばかりはしかたない。来週アタマに入院と決まった。となると、来週土曜日の〈古書往来座〉の「外市」には行けるかどうか微妙だなあ。とりあえずこの週末に、牛イチロー先生に預けてある「外市」用の本の値づけをしてしまうコトにした。夜、堂場瞬一『棘の町』(幻冬舎)を読む。


というワケで、この先いろいろゴタゴタしますので、この日記は10日間ほどお休みします。仕事関係の連絡は、入院している数日を除けば、メール電話とも普通にできますので、ご心配なく。それと「書評のメルマガ」増刊として2月に出すつもりだった、特集「この版元がエライ!」の発行は、3月になるかもしれません。ご回答いただいた方には申し訳ないです。では。


追記・『サンデー毎日2月25日号に、「古本好きの女性東京に結集 第一回〈古本女子〉サミット」という記事が掲載されました。執筆岡崎武志さんです。ありがとうございました。

2007-02-13 「先生とわたし」を読みふける

9時起き。夕方までに、『進学レーダー』の図書館と、書評原稿を書く。自転車で〈往来堂書店〉に行き、『新潮』3月号を買う。四方田犬彦先生とわたし」(400枚)を読むためだ。英文学者・由良君美のことを書いたこの長編エッセイのことは、岡崎さんや山本さんから聞いていた。由良君美の本は、青土社から出た本はだいたい読んでいる。偶然だが、今年に入ってからの五反田展で、「由良君美の祝祭」と冠された、東大由良ゼミ準備委員会編『文化のモザイック 第二人類の異化と希望』(緑書房、1989)を入手していた。由良の還暦記念の画文集で、交流のある学者詩人、教え子が寄稿している。四方田もこの本に由良との出会いについて書いた「U.R.」という文章を寄せている。この短い文章からは、すさまじいものが漂っている。


往来堂のあと、〈はやしや〉でチューハイを飲みながら、「先生とわたし」を読む。8時半から〈カフェ・ド・パルク〉で打ち合わせがあり、旬公と〈三大門〉でユッケビビンパを食べる。ウチに帰ってから、「先生とわたし」を続けて読む。ココではちょっと書ききれないほどに、初めて知ったコトが多く、うなりながら読む。布団の中で夜中まで読み、朝起きてから最後まで読む。「知」の恐ろしさと魔力を、いやというほど感じさせられた。自分に「師」というべきひとがいないことを感謝する一方で、そういう強烈な関係を持たずにここまで来たことが寂しいような気もする。この長篇は、ぜひ小谷野敦書評してほしいものだ。……と思ったら、すでにブログhttp://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/)で言及されていた。

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2007-02-12 モダン建築とうどんの丸亀

朝8時起き。サンドイッチを食べて、まちなみ保存センター(これも旧家だ)を覗くと、もう出かける時間。9時40分の船に乗って、本島を離れる。また来たいなあ。甲板に上がって小さくなっていく島を眺める。15分ほどするともう、先方に丸亀が見えてくる。近いのだ。


ギャラリーに荷物を置き、街に出かける。まず、猪熊弦一郎美術館に行ってみたが、作品にも妙にフレンドリーな美術館にも違和感を覚える。隣にある市立図書館に行ってみる。海野さんの本では、図書館丸亀城の城内にあったが、移転したらしい。ココで丸亀関係の本を見たかったけど、休館日で残念。駅の北側に出て、遊郭の跡を歩く。『光の街影の街』にも印象的な写真が載っている。いまでも、独特のデザインの窓のある建物はひとつだけ残っているが、写真にある建物は消えてしまったようだ。


そのあと、Uさんにもらったガイドマップを頼りに、うどん屋を探す。今日祝日なので休みの店が多いようだ。西平山町にあるうどん屋をめざすが、いつまで経ってもたどり着けずその辺をうろうろ。通行人に聞いても判らず。地図がずいぶんいい加減だったようだ。〈綿谷〉というセルフうどん屋にやっとたどり着いたら、周囲の駐車場は満員で、客立ち並んでいた。しかし、セルフだし席数も多いので回転は速い。「肉ぶっかけ」が名物だというので、牛肉ぶっかけ・だしだけ温の「小」を頼み、おにぎりを一皿。コシの強い麺に、よく煮えた牛肉が合う合う。おにぎりも、ふりかけを載せてノリでまいただけなのだが、なんだかイイ感じにウマイんだよなあ。


満足して店を出て、駅方向に戻る。浜町商店街に出る。このあたりは、縦横に3つの商店街があり、いまでも営業している。活気があるとは云いがたいが、シャッター通りにならずにいるだけでもスゴイ。『光の街影の街』に出てくる、さぬき信用金庫を見る。1937年に建てられたもの。この近くにある古本屋久保書店〉は休みだった。30分ほど歩くと、もう一杯ぐらいうどんが食べられそうになったが、ガイドマップに載っている店は、休みか見つからず。駅前にはうどん屋はなく、なぜかインドカレー屋がある。北側に出て、駅前にある唯一のセルフうどん屋でぶっかけを食べる。普通にウマイ。


ギャラリーに戻って荷物を受け取り、駅でうどんを買って、岡山行きの電車に乗る。岡山からの新幹線は指定が満席だというので、心配していたが、新幹線のホームで岡山始発のひかりが発車直前だったので飛び乗ると、自由席に余裕があった。よかった。『光の街影の街』を最後まで読み、ほかの都市(たとえば北九州)にも行ってみたくなる。ひかりはやはり、のぞみよりも時間がかかり、6時半に東京駅に到着。西日暮里に帰り、旬公と久しぶりに会う。『世界屠畜紀行』が朝日新聞や『ダヴィンチ』などに載ったハナシを聞く。

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2007-02-11 ペタンクに興じる島の老人たち

8時起き。チェックアウトし、駅前の立ち食いで、またも「きざみうどん」。岡山まで鈍行で行けないかと時刻表を見るが、ムリそうなので、新幹線にする。新神戸から岡山まで。瀬戸内海線に乗り換え、11時すぎに高松駅に着く。3年ぶりだ。駅に隣接した〈連絡線うどん〉で、ぶっかけうどんを食べる。店内は半分に仕切られ、反対側はホームから直結している。こんどの仕事に関する作品が展示されているので、〈高松市歴史資料館〉まで歩いていく。以前、同じ建物に入っている図書館に行ったことがあるのだが、駅からの距離をちょっとナメていて、20分以上歩く。戻りは市内を循環しているバスに乗る。


高松から丸亀へ。降りるのは初めて。今回の旅のあいだ、海野さんの『光の街影の街 モダン建築の旅』(平凡社)を持ち歩いているが、このナカで丸亀建築を紹介している。海野さんが来た1980年代半ばには、1943年に完成したという駅舎が残っていたが、いまは新しい建物になっている。南口を出て左方向は、浜町という商店街だ。その入り口に、〈重元青果物店〉という古い建物があった。右側には、〈猪熊弦一郎美術館〉があり、その先の道を渡ってすぐのところに、〈ギャラリーアルテ〉があった。今回の仕事は、このギャラリーのUさんが中心となって行なれた、「アーティスト・イン・笠島」(http://www.setouchi-a-wave.com/index.html)というアートプロジェクトの本をまとめるというモノだ。

Uさんに車で、〈さぬきや〉といううどん屋に連れて行ってもらう。かなり広い店だが、満員でしばらく待つ。ココのおすすめは「釜揚げうどん」だというので、それを食べる。「小」にしたが、2玉分はじゅうぶんある。一本の麺が恐ろしく長いので、ツユに浸けるのに苦労する(あとで地元のヒトに、「うどんの持ち上げ方にコツがある」と教えてもらう)。串おでんも3本食べる。近所の巨大スーパーで買い物して、ギャラリーに戻り、歩いて丸亀港に向かう。そこから「本島」行きの定期船に乗る。

本島は丸亀から30分ほどのところにある島で、「塩飽諸島」のひとつだ。船室から海を眺めていると、そのうち島が見えてくる。泊という港に到着。車で10分ほど走り、「笠島」へ。この地区は、江戸時代に海運で栄えたという。当時の建物がいまでも残っており、「伝統的建造物群保存地区」に指定されている。「アーティスト・イン・笠島」は、この古い町並みを舞台に、期間限定で行なわれたものだ。宿泊する家(江戸時代の建物で、いまはNPOが管理している)に荷物を置き、Uさんの案内でその辺を散歩する。「マッチョ通り」には、伝統的な工法で建てられた建物が真空パックみたいに残っているコトに驚く。海辺では、70代以上の老人が集まってナニやらやっている。ゲートボールかと思えば、「ペタンク」だという。鉄の玉を各自が投げ、目標に近いヒトが勝ちというゲーム。男女チームに分かれて、「ああ、あれは1点」とか「3点だわー」などと興じている。


宿泊所に戻り、このプロジェクトを本にまとめるやり方をUさんと話し合う。細かいところまで詰めていくと、たちまち7時になった。岡山からやってきた女性が豚肉と白菜の鍋をつくってくれる。Tさんという島の男性がやってきて、ビール日本酒を飲みながらいろいろと話す。「金陵」という香川地酒で、すっきりと飲みやすく、いささか過ごしてしまった。12時前にお開きとなり、みんなでTさんのウチまで送る。途中までくると、Tさんは後ろを振り返り、「この辺から見る夜空がいちばん好きだ」と云った。たしかに、建物の向こうに見える星が、とてもキレイだった。宿泊所に帰り、布団に入ってすぐに寝てしまった。

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2007-02-10 海野さんの独唱が響く元町の夜

朝7時半起き。扉野さんと出町柳へ。喫茶店モーニング。そこで仕事に向かう扉野さんと別れて、京大へと歩く。正門に回り、正面にある「時計台記念館」へ。建物は開いていたが、展示室はまだ開いていないので、椅子に座って、今日のトークの段取りを考えてメモする。9時半に「歴史展示室」が開く。京大歴史の展示の奥で、「ビジュアルジャーナリズムをきり拓く 元祖オタク OH 大伴昌司の世界」という特別展をやっている。大伴関係の資料が京大に寄託されたことを受けてのもの。スペース的には小さいが、『少年マガジン』図解や怪獣図解の原画などを、印刷物と一緒に並べているのがイイ。大伴がとんでもない発想をビジュアルなカタチにしていく過程が、感じられるだろう。『本とコンピュータ』の大伴特集で、ご母堂の四至本アイさんからこれらの資料を1ヶ月お預かりし、毎日のように眺めていたコトを思い出した。2月23日(金)までなので、近くのヒトは、ぜひ観にいくべし!


バス河原町四条へ。阪急に乗って梅田へ。今日から天満宮古本市が開催されるが、大荷物をしょっていくと体力を消耗するに違いないと諦めて、そのまま神戸に向かう。三宮からセンター街を歩いて、元町の〈海文堂書店〉へ。早めに着いたので、トークの下調べを少しやる。そのあと、福岡店長に教えてもらった〈寿々〉という居酒屋で、ビールと定食。ちょっと飲むのにも食べるのにも、ちょうどイイ感じの店で、気に入った。元町高架下の古本屋を2軒覗く。もっとあったようだが、閉店したのか。


大通りを海側に渡ったビルの2階に〈レトロ倶楽部〉という古本屋があるので、入ってみる。音楽映画特撮などサブカル系の本や雑誌が多い。『バラエティ』の角川映画特集を見つける。その裏にCDの棚があり、そこにミニコミが何冊も立てかけてあった。野中モモさん(こないだ「古本女子サミット」にも来てくれた)の『bewitched!」』が80円などの激安価格。そして、なんと、伝説ミニコミ『Toqqudensha 特急電車で家出』の第2号が100円で出ていた。浅生ハルミンさんと西村博子さん(当時はヒロコ)が発行していたもので、いちど見たいと思ってハルミンさんにお願いしていたが、見せてもらう機会がなかったものだ。わずか24ページの小冊子だが、じつにぶっ飛んだ内容で、ココで会えた幸福に胸を震わせる。店長に訊くと、近くにあったミニコミを置く店が移転して在庫を大量に引き取ったのだとか。ほかにも『BD』などのミニコミをタダでもらってしまった。


海文堂に戻ると、右文書院青柳さんが来ていた。2階の控え室で待つうち、海野弘さんと橋爪節也さんがいらっしゃる。雑談していると客入れの時間。東京から来てくれた岡崎武志さんをはじめ、山本善行林哲夫の『sumusメンバー、にとべさん、中嶋さんなど顔見知りが多い。25人ほど集まっただろうか。3時に開始。最初は、100冊の回想記とその展示について30分ほど海野さんとぼくで話し、そのあと橋爪さんに入っていただいてモダン大阪モダン関西について話してもらう。さまざまな街を歩きながら「同じものを見る」という海野さんと、紙モノを主体とした資料によってモダン大阪の姿を照らし出そうとする橋爪さんのアプローチの違いがわかって、オモシロかった。橋爪さんは近く創元社から「大大阪」に関する著書を出されるとのこと。トークが1時間半、そのあと30分で質問とまとめを終える。ぴったり2時間で終ったので、とても安心する。

サイン会のあと、いつもの〈松屋〉で打ち上げ。20人以上が参加。そのあと10人近くが残って、阪神元町の地下街にある、昭和20年代からあるという飲み屋街へ。3坪からの小さな店が10数軒並んでいる。最初に行った店は狭くて入れず、もう少し大きな店に移るが、最初の店のおばあさんがついて来て、一緒にサービスしてくれる。ぼくのヨコに座ったおばあさんにビールを注いでもらい、昔の神戸のハナシを聞く。やたらとカラオケを勧められたので、海野さんが「じゃあ、私が歌います」と云い、一同驚く。海野さんは早大合唱部出身なのである。アカペラで、ロシア民謡佐渡おけさを歌う。声は小さいが美声であった。例のおばあさんが、歌に合わせて手をひらひらさせるのがイイ。そのあと、みんなで古い曲ばかり歌い、12時前にお開きに。福岡さん(今夜もすっかり酔っ払い)に予約してもらったビジネスホテルチェックインし、風呂に入って眠る。

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2007-02-09 ホームグラウンドでの薄花葉っぱ

朝7時起き。ホテルの裏の歓楽街では、居酒屋がまだ営業中。立ち食いで「きざみうどん」を食べる。関西に来ると、なぜかいつも立ち食いへの欲求が高まるのだが、そのとき食べるのは決まって、このきざみうどんなのである。きつねうどんはむしろ嫌い(甘ったるいから)なのに。チェックアウトして、東梅田へ。


地下鉄から近鉄けいはんな線に乗り入れ、終点で降りる。殺風景な駅前。Kさんと待ち合わせて、バス国会図書館関西館へ。見学コースを予約してあったので、書庫の中まで見せてもらえる。そのあと、一般利用者として入館しなおし、閲覧室へ。席にOPAC検索とオンライン請求ができるマシンが設置されている。しかし、インターネットにつながっているマシンはなく、持込のマシン無線LANなどの手段で接続できない模様(未確認)。2時間ほどいろいろ調べて、退館。


バスで別の駅に向かう。このあたりは「けいはんな都市」という名前がついた新興住宅地で、バス停の名が「◎◎5丁目」から「◎◎1丁目」へとカウントダウンされるだけの、変わり映えのない風景が続く。ぼくはココには住めないなあ。近鉄の某駅にあるT校の図書館を取材。駅前でKさんと別れて、京都に向かう。車内で爆睡。この2日間、どうも疲れ気味だ。


三条京阪の地下のコインロッカーに荷物を入れ、新京極の〈スタンド〉でチューハイ。腹が減っていたので、「洋風カツ丼」というのを頼んでみたら、デミグラスソースのかかった、まったりとした丼がでてきて驚く。カツはヘナヘナだけど、けっこうウマかった。三条京阪の〈ブックオフ〉で、扉野良人さんと待ち合わせ。〈六曜社地下〉でコーヒーを飲む。マスターのオクノ修さんは一仕事終えて、カウンターで本を読んでいた。


木屋町通りのライブハウスアバンギルド〉へ。古いビルの上にあるので、狭苦しい店かと思っていたら、打ちっぱなしの倉庫みたいでけっこう広い。食事のメニューも充実している。東京ライブハウスに比べて、ゆとりがあるなあと思う。先日「全国〈古本女子〉サミット」に出てくれた「cafe de poche」の小西さんが友達と来ていた。薄花葉っぱのワンマンライブは、ホームグラウンド京都ということもあって、とてもリラックスして楽しい雰囲気だった。初めての曲も聴けたし。ただ、ボーカルの下村さんは風邪を引いていたようで、ときどき苦しそうに歌っていた。後半では、入場時に渡されたトランプを使っての抽選会があり、先日の〈コクテイル〉でのライブCDが数人に当たる。最後に、隣にいた扉野さんが当たったので、びっくり。終ってから下村さんに挨拶したかったが、見当たらず、そのまま出る。ハナシをしていた〈古書ほうろう〉でのライブは、諸事情でまだできていないが、そのうち実現させたいものだ。


荷物を拾って、タクシーで扉野宅へ。そこから30秒の〈まほろば〉へ。近代ナリコさんと〈萩書房〉の井上夫妻がいた。本やマンガのハナシをしているうちに、12時になってしまった。なんだか疲れてきたのでお開きにして、扉野家の布団にもぐりこむ。横になったら喘息ぎみの咳が続き、なかなか眠れなかった。

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2007-02-08 ピーター・ラビットとおやじ

5時半起き。荷物を持って、東京駅に向かう。6時50分発ののぞみ号。品川新横浜と客が乗ってきて、ほぼ満席。日帰り出張ビジネスマンが多い。京都までぐっすり眠る。まだ寝たりないなあと思っているうちに、新大阪に着く。快速に乗り換えて、神戸線の某駅へ。コインロッカーに荷物を入れ、日能研のKさんと待ち合わせ。10時半からN校図書館の取材。終って、近所の〈丸福〉という定食屋で昼飯。メニューの多さに驚く。蒸し豚定食、ウマかった。


そのあと、2回乗り換えて、阪急の某駅へ。時間があるので、駅前の喫茶店に入る。〈ピーターラビット〉という店で、外装もファンシーだが、ナカに入るとおばさんがやっているフツーの喫茶店。しばらくすると、いかにもな「関西のおやじ」がやっていて、おばさんと世間話をはじめる。いまどき珍しいハデなスタジャンを着ている。背中には銀で「JAPAN」と刺繍されている。会計のときに、おばさんと一緒におやじにも「ありがとうございました」と云われる。店主なのか? ピーターラビットとおやじのいる喫茶店だ。O校の図書館は、女子高なのに吾妻ひでお失踪日記』が入っている、ステキ図書館だった。Kさんと別れてから、最初の駅に戻り、荷物を取って大阪に向かう。


6時、東梅田の〈I〉にチェックイン。裏通りにある古本屋を2軒覗き、〈揚子江〉という店でラーメンを食べる。ちょっと迷って、〈NU茶屋町〉という新しいビルにできた〈タワーレコード〉で、貴島公さんと待ち合わせ。貴島さんが『エルマガジン』で紹介していた、Ett[無茶の茶]を買う。北梅田の先にある中崎町を歩く。この辺は梅田から近いのにビックリするほど古い町並みが残っている。今度は昼間に歩きたい。〈巣箱2〉というカフェバーに入る。昭和風のつくりで、女性がひとりでやっている。なかなかイイ感じ。「書評のメルマガ」で貴島さんに書いてほしいコトなどを話していると、3時間過ぎた。ホテルまで送ってもらう。


最後にお知らせ。海野弘さんの全著作の目次を公開するサイト、「Look the same 海野弘の目次を旅する」(http://www25.atwiki.jp/unno/)がオープンしました。120冊以上を越える著作の書誌、目次、書影を順次入力、公開していきます。著作のタイトルからだけでは判りにくい具体的な情報作家や地名など)を一覧することができます。現在約30冊のデータが掲載されています。入力と管理は、『BOOKISH』の海野特集で著作リストを作成された、軽美伊乃さん。南陀楼もすこしだけ入力を手伝っています。全著作の入力までにはまだ時間がかかると思いますが、長い目で見守ってください。入力に協力してくださる方も募集します。

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2007-02-07 青柳さんが『本の雑誌』に!

8時半起き。朝刊を見て、渡辺和博が大腸がんで亡くなったことを知る。56歳。メールを書いたり、本郷図書館で資料を調べたり。3時にG社で打ち合わせ。そのあと、『彷書月刊』のゲラが出ているというので、編集部に立ち寄ると、岡崎武志さんがいらした。こないだの「古本女子サミット」の記事、来週発売の『サンデー毎日』に掲載されるそうだ。


書肆アクセス〉で畠中さんから、昨日の古書会館での坪内祐三×向井透史トークの盛り上がりを聞く。予約してなかったし、病院で出かける気がしなかったのが悔やまれる。入ったばかりの『本の雑誌』3月号(いつも以上に入荷が早いね)をパラパラ見ていたら、特集「二〇〇七年に期待する出版会のこの人!」に、「右文書院青柳隆雄」が出ている。「青柳さんの作った本は、その本たちのもつ〈ふくよかさ〉が心に響くのだ」とある。読者投稿で、書き手はキング亀田氏。また、アナタでしたか……。ともあれ、よかったね、青柳さん(照れくさいだろうけど)。以前出ていたメタローグの『ことし読む本いち押しガイド』で、坪内祐三さんが「中川六平の手がけた本」をその年の収穫として挙げていたのを思い出した。ちなみに、同じ特集の座談会では「不忍ブックストリート」や「ブックオカ」への言及もあった。


西日暮里に戻り、〈はやしや〉でチューハイ。某誌のゲラが届くのを待つ。明日は朝早くから新幹線に乗って、神戸に行く。関西で二日図書館の取材をして、10日は海野弘さんと橋爪節也さんのトークの進行役をやり、翌日はあるプロジェクトの話し合いのために、瀬戸内海の島に向かう予定。よって、この日記はしばらく更新できないかもしれませんが、お許しを。海野さんトークの告知をもう一度しておきます。関西の方はぜひどうぞ。右文書院青柳さんも来ますので、冷やかしてあげてください。


海野弘 私の100冊の本の旅」展

 ■ 海野さんの全著書100冊の<現物>展示

 ■ 現在入手可能な海野さんの著書をできる限り集めての販売

 ■ 「海野弘 ひとり一箱古本市」……海野さんに"放出"いただきました、海野さんの<蔵書>の販売

@ 海文堂書店・1F・「東入口横」コーナーで、1/16(火)〜2/28(水)


★ トークショー&サイン会 ★

海野弘さん × 橋爪節也さん(大阪市立近代美術館建設準備室学芸員)

進行/南陀楼綾繁さん(ライター

 と き:2月10日(土)15:00〜17:00

 ところ:海文堂書店2F <Sea Space>

 入場料:1,000円

* <トークショー&サイン会>は、【 ご予約 】 が必要になります。

  【 ご予約 】 は、1F・中央カウンターまでお願いいたします。


海文堂書店

〒650−0022

兵庫県神戸市中央区元町通3丁目5番10号

電話:078−331-6501

FAX:078−331-1664


では、最後に「路上少年遊書日記――1981年出雲」を。


1981年4月24日(金)

今日から一年生練習を開始した。

打楽器パーカッション)は二人である。恩田阿部、どちらも僕が入部をすすめたのである。

せいぜいかわいがってやろう。*1


★帰りにHOKでカセットテープ三本買った。


★「ニコルスキーの空間」(終)を聞く。来週からは星新一の「ノックの音が」だそうで、非常にうれしい。


★近ごろ本を買ってないので、家にある本を読んでいる。『レイ・ブラッドベリ全集』は年譜もついていたし、作品一覧や絵本エッセイもあって、全然読んだこともないのにファンになってしまった。*2

*1:余裕こいているが、二人ともきわめて上達が早く、ぼくが3年生の頃には技術的には抜かれていた。

*2:この頃から、作家の資料的・裏話的なものに興味があった

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2007-02-06 エサ袋じゃなくて脂肪だった

昨日は朝から飯田橋の逓信病院。例の左あご下のふくらみを、エコー検査すると、すぐ結果が出る。腫瘍ではなく、「脂肪腫」だという(説明はこちら→http://health.goo.ne.jp/medical/search/10971500.html)。耳鼻科先生のハナシだと、ほっておいても問題はないが、これ以上大きくなる前に切除してしまったほうがイイと云われる。手術には入院が必要だとのこと。おお、人生入院だ。そのあと、採血、採尿、心電図などの検査があり。しばらく健康診断受けてないのだが、この機会に別の大きな病気が見つかったらイヤだなあ。


1時前に終わり、〈島〉で沖縄そば定食を食べる。ご飯と小鉢(いくつかの中から選べる)が付いて750円は安い。東西線に乗り、茅場町日比谷線に乗り換えて三ノ輪へ。根岸図書館リクエストの本を受け取り、バス西日暮里に帰る。『彷書月刊』の原稿を書く。夜、録画しておいた、マーティン・スコセッシ監督《ケープ・フィアー》(1991・米)を観る。ストーカー男のロバート・デニーロと同じぐらい、襲われる側が心の闇を抱えている。《恐怖の岬》(1962・米)のリメイクだが、どちらも傑作という珍しい例。


では、最後に「路上少年遊書日記――1981年出雲」を。


1981年4月23日(木)

今日クラブが決定した。僕は図上旅行クラブ

なんと三年はおらず、二年生が四人、あと十五・六人は全員一年。これはいばれるぞ!


★『笹舟日記』【三浦哲郎読了


クラブは全員がどこかに属さねばならず、授業の延長的なものだったので、興味がもてなかった。図上旅行クラブでは、鉄道路線図を描いて文化祭で発表したような気もするが、ほとんど記憶ナシ。

2007-02-04 第一回全国〈古本女子〉サミット、無事閉幕

8時起き。午前中、〈立石書店〉の牛イチロー先生が本の買い取りに来る。20日からの池袋サンシャインでの古書市に出す分、約300冊。〈古書往来座〉の「外市」に出す分も、一緒に預かってもらう。本を見て、「こっちはサンシャイン、こっちは外市」と選んでいたら、牛先生に「その仕分け、まるで古本屋みたいですよ」と冷やかされる。立石の店舗での「けものみち」コーナーの売り上げを受け取る。オープニングイベント以降の1ヶ月ちょっとで6万円の売り上げ。おお、すげえ。


自転車図書館を回り、三ノ輪の〈勝生〉という中華料理屋でランチ。そのあと、〈稲垣書店〉へ。本を整理していたら、戦前映画制作の本が出てきたので、小遣い銭にならないかと思って持っていったのだが、さほど珍しい本ではないそうで、店内の1000円分の本と引き換えることになった。悩んだ末、原田真人ハリウッド映画特急』(早川書房)1300円を選び、差額を払う。稲垣さんの『日本古書通信』の目録、次回は4月予定で進めているが、なかなかタイヘンとのこと。


4時、〈古書ほうろう〉へ。棚を動かしたり、プロジェクターを配置したり。5時半から、出席者の皆さんがやってくる。ちょうちょぼっこ福島さんは、昨夜海外旅行から帰ったところだという。6時になると、続々とお客さんが入ってくる。ぜんぶで54人。うち女性が8割ぐらいか。とくに前のほうは女子ばかりで、けっこう緊張する。火星の庭の前野さんがなかなか来ない。新幹線が遅れているという情報があり心配したが、時間ギリギリに到着。じつは西荻古本屋めぐりしていたそうだ。


6時40分、スタート。まず全員を呼び出して、各自の活動についてプロジェクター画像を見せながら説明してもらう。インカムっていうのか、ヘッドフォンみたいなマイクがあったので、ぼくはそれを使ってみるが、ハウリングがひどく、途中でやめてしまった。使い方が悪かったのかも。「古本女子」とまとめてみても、各自のやっていることはそれぞれ違うので、いちいちオモシロイ。しかし、ぼくの仕切りが悪かったせいで、この説明パートにえらい時間がかかってしまい、休憩を挟んで、全員が喋り終わったころには2時間がすぎていた。議題はほかにもたくさん用意していたのだが、1、2つにとどめ、質疑応答もカットして、10時前に終了。


そのあと、店内で12時前まで打ち上げ。時間が長引いたせいで、店内の「古本女子の一箱古本市」を見たり、打ち上げに参加したりすることができなかったお客さんが多かったようで、反省しきり。もし次の機会があれば、もっと時間配分をしっかりやりますので。ただ、ふだんはバラバラに活動している「古本女子」たち(出席者もお客さんも)を一堂に集めたことで、お互いがコミュニケーションできるようになったので、やってヨカッタと思う。早くも「第二回はどんな古本女子が?」と訊かれたが、まだナンにも考えていない。出て欲しいと思っているヒトは何人かいるけど。棚の移動を手伝って、ウチに帰る。集まってくれた皆さん、場所を提供してくれたほうろうの方々、どうもありがとうございました。


では、最後に「路上少年遊書日記――1981年出雲」を。


1981年4月21日(火)

★このごろ体の調子悪し。

レイ・ブラッドベリ全集読了


4月22日(水)

今日買った雑誌

Sage』五月号 160円 情報出版

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2007-02-03 フィルムセンターで知り合いに会う

8時起き。洗濯をしたり、朝飯を食べてから、神保町へ。古書会館古書展を覗く。20分ほど流すがナニも買わず出る。駿河台下の交差点の方に歩くと、向こうから会館でいつもバイトしている女性(しょっちゅう会っているのに、いまだに名前を知らず)がやってきて、「早いですね〜」と云われる。女性からこう云われると面目ないカンジ。書店でも古書展でも、端からじっくり眺めていくという根気は持ってないのです。


三省堂書店〉で書評の本を、〈すずらん堂〉で、榎本俊二カリスマ育児』(秋田書店)、ダーティ・松本エロ魂! 私説エロマンガエロ劇画激闘史』第1巻(オークラ出版)を買う。『エロ魂!』は塩山永山の「アマゾン合わせ買いコンビ」のヨコに並べてあった。あとで見たら、新刊じゃなくて2003年に出た本だった。


銀座に出て、〈松坂屋〉で開催中の「古書籍・書画幅大即売会」を覗く。「銀座ブックバザール」と名乗っていた頃に比べると、倍近いスペース。出店者は関西古書店が多く、会場では関西弁が飛び交っていた。ナニも買わず。〈三州屋〉でブリ照り焼き定食を食べる。最近土曜日銀座に来ると、ココに入りたくなる。


12時半にフィルムセンターへ。明日まで「日本映画史横断2 歌謡・ミュージカル映画名作選」なのだが、いちども行けなかった。アクセスの畠中さんにもらった券をムダにしたくないので、瀬川昌治監督乾杯!ごきげん野郎》(1961)を観るコトにした。ホールの入り口で濱田研吾さんにバッタリ。瀬川の自伝(『乾杯!ごきげん映画人生清流出版)を読んで観たくなったとか。入り口のソファに座って、雑談映画は途中ダルい部分があり、ぐっすり眠ってしまった。起きたらエノケンが出ていて、ソファに座っているので、もう車椅子になった時期なのかと思っていたら、途中から立ち上がったので、ビックリする。あとで調べたら、エノケンが脱疽で右足を切断するのは、この翌年、1962年のことだ。この映画は、エノケンが元気に歩いていた最後の時期のものだったのだ。歩いたことだけでなく、この映画でのエノケンはけっこうオモシロかった。終って外に出ると、こんどは〈古本すなめり〉さんに声をかけられた。こんなB級歌謡映画の上映に、知り合いが二人も来ているとは。東京駅から西日暮里に帰る。


この数日間読んでいた、都築響一夜露死苦現代詩』(新潮社)を読了。点取り占い死刑囚俳句ヒップポップの歌詞、見世物小屋の口上など、文学作品として発表される詩ではないものに「言葉の力」を見つけ出すという連載。友原康博という統合失調症の人の、分かち書きされた詩が圧倒的に良い。この人は具体美術協会メンバーでもある教師(嶋本昭三)に世話されていたのだが、一時期、嶋本の美術仲間の浮田要三(『きりん』の人ですね)が経営する製袋工場で働いていたコトがあったそうだ。


暴走族刺繍入り特攻服を扱った回では、掲載誌(『新潮』)の担当者にイヤな顔をされる。それに対しての都築氏の述懐は、なかなか真理を突いていると思った。


しかし結局のところ、好きなものじゃなくて、いちばん嫌いなものの中にこそ、リアリティは隠れてるってことなのかもしれない。なにかを好きになるのは簡単だけど、嫌いになるには、自分の中のなにかがそれに反応しなくてはならないのだから。


夕方、〈オヨヨ書林〉でプロジェクターを借り、〈古書ほうろう〉に運ぶ。明日はいよいよ、「全国〈古本女子〉サミット」です。すでに多くの予約が入っていますが、当日でもなんとかなるので、ぜひおいでください。6時開場、6時半スタートです。「古本女子の一箱古本市」もお忘れなく。


では、最後に「路上少年遊書日記――1981年出雲」を。


1981年4月20日(月)

坂本(もげ)より『陽あたり良好!』は最高とのこと。やはり、わかる人にはわかるんだなあ。あだち充のよさは。


★『少年ビッグコミック』に載った僕の原稿料を送って来た。自分でかせいだ初めての金である。書留で送って来ていたので、【仏壇に】そなえておく。


★この間から再開した「ラジオSFコーナー」

今は荒巻義雄の「ニコルスキーの空間」をやっている。もしかしてすごい作品ではないだろうかと期待しているが、またすばらしい展開になりそうだ。*1

*1:などと判ったフリをしているが、荒巻義雄SFは難解でシュルレアリズムっぽくて、当時のぼくにはついていけなかった。同じヒトがいまや架空戦記ものを書いているとは、時代は変わる……。

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2007-02-02 一日3回も本郷図書館へ

朝9時起き。今日は「小説検定」の締め切り。昨日リクエストを出した本を受け取りに、本郷図書館へ。それから西日暮里に行き、仕事開始。やっていると、本郷図書館から、リクエストしておいたもう一冊が届いたとメール。コレがないと進まないので、取りに行く。受け取って出るときに、〈古書ほうろう〉の宮地さんとバッタリ会う。おにぎりを買って西日暮里に戻り、また「小説検定」の続き。床に大量の本を積み上げて、あっちを広げたり、こっちに付箋を貼ったり。夕方になって、一点だけどうしても資料で確認する必要があり、またまた本郷図書館へ。この仕事の資料は、ココに所蔵されているコトが多いのだ。どうせなら、最初から図書館に近い千駄木マンションで書くほうがヨカッタかもしれぬ。


もっとも、一日中同じところに閉じこもっているとフラストレーションが溜まるので、図書館を口実に自転車でその辺を走るのは悪くない。この間のハナシだが、不忍通りを走っているときにすれ違った女性が、板みたいなものを捧げ持っていて、その上にナゼか『めぞん一刻』が三冊並べてあった。アレはなんのイミがあったんだろうか。


7時過ぎ、「小説検定」がなんとかまとまる。今回のテーマに関する本は山ほどあるが、そこから問題をつくるのは案外タイヘンだった。前回の「難しすぎる」という声を受けて、易しい問題を増やしたつもりだが、さて。2月末発行の『ヨムヨム』をチェックしてみてください。これから担当のTさんに、資料を受け渡すことになっている。


では、最後に「路上少年遊書日記――1981年出雲」を。


1981年4月19日(日)

部活休みで一日中家でいろいろやった。


★『本邦泰西ヌード縁起読了。どれもなかなかおもしろかった。豊田有恒のは久しぶりに読んだ。

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2007-02-01 奇病の人

7時半起き。朝イチで飯田橋の逓信病院へ。先日、喫茶店で旬公と昼飯を食べていたら、ぼくの顔をじろじろ見て、「なんか顔の片っ方がふくらんでない?」と云う。触ってみたら、たしかに左あごの下の肉がなんだかふくらんでいて、押すとフニフニした感触がある。腫れているというカンジでもなく、痛みもない。とてもアヤシイ。


で、翌日、飯田橋の内科(旬公のかかりつけ)に行ったら、耳鼻科に行けと云われ、そっちで見てもらったのだが、どうも原因がはっきりしない。それで逓信病院を紹介されたのだ。悪性腫瘍だったらどうしよう、とけっこうナーバスになっていたが、診察した先生は悪性ではないと云ってくれた。ただし、原因が絞り込めないので、検査をするコトになった。


ぼくは大病も入院もしたことがないのだが、ちょっとした病気にはときどきかかる。それも、声が出なくなるとか、なんだか妙な病気が多いのだ。今回の左頬のふくらみは、顔が丸いからよく見ないと気づかれないかもしれないのだが、明らかに左右のバランスを失しており、旬公に云わせると「エサ袋みたい」だそうだ。検査は来週なので、日曜日古本女子サミットには、この顔のまま出るしかない。結核とかだったら同情されるだろうが、こんな非ガーリー病気では笑いのネタになるだけだなァ。


終ってから、渋谷に出て、〈リブロ〉へ。フランス古書を販売するサイト〈アッチュム・ポワン・コム〉(http://www.aaaaatchoum.com/blog/)が期間限定出張販売している。絵本、実用書、雑誌、紙モノなどがあった。昨年末に『アッチュム! フランスのかわいい古書を探しに』(青山出版社)を出していて、その刊行記念。次号の『彷書月刊』で、アッチュムのことを書く予定。ココと〈ブックファースト〉で資料をまとめ買いし、西日暮里に帰ってくる。あとは、ひたすら仕事


夕方、〈古書ほうろう〉へ。「古本女子の一箱古本市」のyojohon book storeの箱で、一冊だけどうしても欲しい本があったのだが、それが売れていた。三一書房の『近代庶民生活誌9 恋愛結婚・家庭』。同書の中には、中平文子の『婦人記者化け込みお目見得廻り』が収録されているのだ。函欠で800円は犯罪的に激安。主宰者なので遠慮していたが、ちゃんと買ってくれたヒトがいてくれてウレシイやら、ちょっと悔しいやら。『ぐるり』の五十嵐さんと店内で待ち合わせて、〈ブーザンゴ〉へ。本を整理していたら、歌手シバガロ系マンガ家三橋乙揶が描いた科学マンガ『笑えぃ!!科学の法則集』(創拓社)が見つかったので、プレゼントした。図書館によってから、戻る。


3月3日(土)に、江戸川区中央図書館で話をすることになりました(https://www.library.city.edogawa.tokyo.jp/07koen_kai0303.html)。講演というほどしっかりしたハナシでもなく、タイトルに「世界」とついていてもきわめて狭い見聞しか話せないと思いますが、よかったらいらしてください。しかし、この告知の写真は、のほほんとして、まるで知的ではないですね(自分で送ったんだけど)。


世界 古本ぶらり旅 

〜足で、ネットで「あの本」と出会おう〜


平成19年3月3日(土)14:00〜16:00

会場 江戸川区立中央図書館4階 講習室


申込方法 往復はがきでお申込みください。

1枚につき1名

(重複申込みは無効とさせていただきます)

往信面:住所・氏名・年齢・連絡先電話番号を記載

返信面:申込み者の郵便番号・住所・氏名を記載


あて先:〒132−0021 江戸川区中央3−1−3

     江戸川区立中央図書館企画係」

締切り:2006年2月15日消印有効

定員 :100名 ※応募多数の場合抽選

※お伺いした個人情報は今回の講演会に関すること以外には使用しません。


【お問合せ先】江戸川区立中央図書館企画係 講演会 担当

    電話 3656−6211(代)


では、最後に「路上少年遊書日記――1981年出雲」を。


1981年4月18日(土)

★三年生【修学旅行から】帰ってくる。平川さん*1より、さいふのおみやげをもらう。それから生八ツ橋を買ってこられて、全員で二つづつ食べた。

*1吹奏楽部パーカッション・セクションのリーダークール女性で、ティンパニがとてもウマかった。しょっちゅう叱られたなあ。

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