ナンダロウアヤシゲな日々

◎この日記は、ライター・編集者の南陀楼綾繁が書いています。
◎新刊『町を歩いて本のなかへ』(原書房)発売中です。
◎著書『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『谷根千ちいさなお店散歩』(WAVE出版)、『小説検定』(新潮文庫)、『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)、『路上派遊書日記』(右文書院)、『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『老舗の流儀 戦後六十年あの本の新聞広告』(とうこう・あい監修、幻冬舎メディアコンサルティング)、編著『チェコのマッチラベル』(ピエ・ブックス)、共著『ミニコミ魂』(晶文社)。
◎ご感想・ご連絡は南陀楼綾繁 まで。
◎「不忍ブックストリートの一箱古本市」は毎年春に開催します。
詳細は不忍ブックストリート公式ホームページもしくは、しのばずくん便りをご覧ください。
2004 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2005 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2006 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2007 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2008 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2009 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2010 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2011 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2012 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 |
2015 | 11 |
2017 | 06 | 07 |
2360990

2007-04-29 一箱古本市、盛況のうちに終了

第4回不忍ブックストリート一箱古本市は、一日中、晴天に恵まれ、無事終了しました。人出も売り上げも昨年春を上回ったのではないかと思います。関係者の皆さん、ご協力ありがとうございます、お疲れ様でした。いろいろ書きたいのですが、外出せねばならず。とりあえず、終了のご挨拶のみ。



7時起き。眠っていても判るほどの強い陽射し。コレはけっこう暑くなるかな。冷凍しておいた〈がもう〉のうどん釜玉うどんをつくり、今日一日の健闘を祈りつつ食べる。旬公はしのばずくん神社と交流館に設置する「浄財箱」の制作、ぼくはロゴマーク自転車にくくりつける。そのうちテレビのヒトたちもやってくる。今日は彼らも自転車を借りて、二班に分かれて旬公とぼくを追いかけるのだ。ぼくのところには、カメラのWさんとディレクターのOさんが。


9時すぎにウチを出て、アートスペース・ゲントの前へ。オーナーのMさんに挨拶。忙しい方なので、電話でやり取りしていて、お会いするのは初めて。Oさんが撮影機材を肩にかけているのを見て、「こちらミュージシャンの方? 演奏もあるのかしら」とおっしゃる。いや、もっと無粋なものです。貸はらっぱ音地へ。高野ひろしさんが奥にトラックを止めて、写真展の準備中。荷台にパネルを設置している。ほうろうの宮地さんが来る。助っ人のK兄妹も来る。音地の持ち主の方々も来る。店主の人たちも来る。……で、たちまちはらっぱはヒトで埋まる。往来座のセトさんが箱を抱えて登場。上部に「本ドラ」を設置した「一箱タワー」だ。今年から、箱のサイズの高さの上限をやめたのだが、いきなりスゴイのが出てきたな。


10時になったので、店主を誘導してゲントへ。助っ人はKさん(男性)とYさん(女性)。Yさんは妹さんがオヨヨ書林の専従で、ヒトが足りないので急遽手伝ってくれるコトになった。だいたいの場所を決めて、箱の設置に入る。オーナーのMさんに手伝ってもらい、ロゴをその辺に貼ったりしていると、11時になった。最初にココを目指す客は少ないので、まだ静か。ぼくが先に箱を見せてもらう。〈ビオラ書房〉には『夜想』や『幻想文学』の珍しい号が出ている。『夜想』の夢野久作竹中英太郎特集に手が伸びるが、スタッフが先に買うワケにいかないのでふた回り目で残っていたら買おうと思う。また、〈脳天松家〉は、買ってくれたヒトには古い絵葉書を1枚あげるサービスをしている。ほかの店もそれぞれ凝った品揃えやディスプレイに工夫をこらしている。


そろそろお客さんが集まり始めたので、移動する。後ろにテレビクルー2人がついているので、狭い道を自転車で通るのに気を使った。〈乱歩〉で塩山さんや晶文社森茉莉かい堂さん、いろはに木工所で『ぐるり』の五十嵐さん、classicoでふぉっくす舎さんや右文書院青柳さんと知り合いの店主に挨拶。各スポットに行くごとに、お客さんや店主さんにしのばずくんトートを勧める。知り合いには勧めるというよりは、ほぼ脅迫して買わせてしまった。Gallery Jinのあと、しのばずくん神社に回ると、店の中に入れないぐらいの人出だった。神主姿のカフクさん、岡崎武志さんの姿が見える。お賽銭を入れると「古本おみくじ」が引けるというアイデアは上々だったようで、午前中で50冊がなくなったとのこと。本を提供してくださった〈デカダン文庫〉さんに感謝。ココの前で黒岩比佐子さんにお会いする(お土産ありがとうございました)。


ギャラリーKINGYOのあと、やっと、自分の「古本けものみち」の出店場所である往来堂書店へ。11時までに来れそうになかったので、笈入さんと助っ人のSさんに箱の設置をお願いしてしまった。往来堂は今年は、店前の右側に箱をL字型に固め、店番が交代で中に入って売るしくみにしていた。なるほど、こうすれば少ないスタッフで対応しやすい。集中レジ方式ならではの態勢だろう。そのあと、つつじまつりの人出が最高潮の根津神社近辺を通り、根津教会へ。教会に机を貸してもらい、いい感じで販売していた。オヨヨ書林へ。店番していた退屈男くんに聞くと、オヨちゃんは始まるなり姿を消したそうだ。困ったヤツである。「あれ、こちどり姉妹は?」「食事に行ったみたいです」と会話していたら、向こうから「なんちゃまー!」という叫び声がして、丸い物体が2つ、こちらに駆け寄ってくる。拉致されそうな勢いに思わず走って逃げる。もちろん、こちどりさんでした。しのばずくんトートを5枚も買ってくれたというので、愛を込めてサインをする。テレビのOさんに「あの人たちはなんですか?」と真顔で訊かれたので、「ぼくのグルーピーです」と答えておく。嘘じゃないし。


ぼくは自転車部隊なので、物品が足りなくなったなどの連絡が来たら、そっちに向かうのが仕事だが、1時ごろまではドコからも電話がなかった。電話がないのはうまく行っているしるし、とWさん、Oさんと昼飯を食べにいき、言問通りのお好み焼き屋でビールを一杯飲む。食べている間に中村さんからトラブル発生っぽい電話が入るが、行ってみたらとりあえず問題はなさそうだった。Classicoの前で海野弘さんにお会いする。「ほうろうの前でダンスの本だけ売っている箱(ロンダ亭)があったよ」と買った洋書を見せてくれる。コシヅカハム、花歩、古書ほうろうと回ると3時になった。ここでテレビクルーと別れる。ほうろうで石ころ書房さんから、石子順造『俗悪の思想日本的庶民の美意識』(太平出版社)を割引で1500円にしてもらって買う。銭湯のペンキ絵の表紙がイイ。石ころさんに、ご主人を紹介されるが、コレがいい男。美男美女ですな。こんどは「ビジュアル系古本屋サミット」でもやるか。


ホントはこの段階での集中レジスリップを回収する役だったのだが、連絡が入ったので、千駄木交流館へ。旬公が先着10人のお絵かきを始めていた。『路上派遊書日記』を読んでくださったという、赤ちゃん連れの千駄木男性とお話ししていると、新書館編集者Mさんに声をかけられ、『暴れん坊本屋さん』の著者・久世番子さんに紹介される。取材半分興味半分で、二人で来てくださったのだ。久世さんは可愛らしい。でも、たしかにどこか番子ちゃんにも似ている。古本屋体験がほとんどないという久世さんに、一箱古本市について一通りお話しする。そのあと厚かましくも、色紙をお願いする。1枚は番子ちゃんと「しのばずくん」のコラボレーションで「久世番子賞」の賞品とし、1枚は家宝として南陀楼家に保存されるコトになった。役得御免。


お二人を案内して、ゲントに戻る。〈ビオラ書房〉で目を付けていた、『夜想』の夢野久作竹中英太郎特集はやっぱり売れていた。あとでmixiで買ったヒトを見つけたが、このヒトは「古本けものみち」に出した、山名文夫装幀の江戸川乱歩『陰獣』(美和書房)1500円をお買い上げくださっていた。しかも、乱歩が千駄木古本屋「三人書房」を経営していたコトにもちゃんと気づいている。こういうヒトに買われていくなら仕方ないです。そのあと、はらっぱに向かって歩いていると、向こうから、「神保町暴れん坊本屋さん」ことアクセスの畠中さんがフラフラ歩いてくる。呼び止めて、久世さんを紹介すると、「あなたが番子ちゃん? かわいいヒトじゃないの。私のほうがもっと番子ちゃんよお〜!」とさっそくトバす。番子ちゃん、たじたじ。もし今日の様子をマンガに取り上げてくださるなら、この対面シーンだけは絶対入れてください>新書館のMさん。


はらっぱに行くと、出張アジマル・カフェが出てみんな酒飲んでいたり、包丁砥ぎが実演中だったりと、おもしろい空間になっている。いいねえ、こういう雰囲気。新刊出たばかりの荻原魚雷さんや晶文社のMさんも来てた。久世さんたちと別れ、団子坂まで戻る。あと一カ所、谷根千工房が残っているが、もう終了間際なのであきらめて、往来堂に戻る。高野マユたん、「生活月報」さん(http://d.hatena.ne.jp/mashco/)、小説すばるのOさんらが訪れてくれる。


17時、販売終了。みんなで拍手。「けものみち」の撤収をお願いして、スリップと売上金を持って、ふれあい館に向かう。3階に行くと、集計係のセドローくんと牛イチロー先生市川さんが計算をはじめている。ぼくは中村さんと地下のホールに降りて、打ち上げイベントの会場づくり。120人分の椅子を並べる。店主のヒトたちが続々入ってくるが、実行委員の姿が見えず、集計の状況もわからない。おまけに「会場の使用許可申請書が出されてない」とも云われる(オヨちゃんが出してなかったことが判明。この野郎)。この場から離れるわけにもいかず、焦る。


6時15分、ようやくイベントスタート前説を短めにして、個人賞の授与に入る。

書肆アクセス賞  チーム・ブックオカしのばずくん神社前)  賞品=ふるほん節の手ぬぐい

セドロー賞  こちどり(オヨヨ前)  賞品=「わめぞ」前掛け

岡崎武志賞  ど真ん中書房(Gallery Jin)  賞品=岡崎堂の看板

谷根千賞  ロンダ亭(ほうろう前)  賞品=谷根千1年分+花歩のコーヒー

オヨヨ賞  モンド部(いろはに木工所前)  賞品=バッグ

往来堂賞  ぐるぐる堂(根津教会)  賞品=書籍専用の防虫香

★ほうろう賞  ふぉっくす舎(classico前)  賞品=ほうろうへの出店権

南陀楼綾繁賞  BOOK LOVE往来堂前) 賞品=題字スクラップブック+復刻マッチ

久世番子賞  くちぶえブックセンターしのばずくん神社前)  賞品=直筆色紙


賞を貰った店主の受賞の弁がそれぞれオモシロイプロレス本と演劇本のど真ん中書房は、マスクをかぶって登壇。南陀楼賞は品物のほかに、「書評のメルマガ」3ヶ月連載権というのを出したのだが、いまいちウケが悪かった。


そして、売り上げ点数、金額のベスト3の発表。

★売り上げ点数 

1位 蟲本三休堂(ほうろう前) 193点

2位 犀は投げられた!(仮)(乱歩前) 110点

   古書往来座(音地前) 110点

3位 古書北方人(コシヅカハム前) 97点


★売り上げ金額

1位 岡崎武志堂(しのばずくん神社前)  50,100円

2位 右文書院(classico前)  42,200円

3位 芒果書房(マンゴオ書房)(音地前)  40,450円


芒果書房以外は常連か知り合いだが、知り合いだからといっても優遇はしていないし、買うのはお客さんだ。情実は一切入っておりません。総売上金額と点数は、後日集計して発表します。そのあと集計レジの店主に、売上金を渡す。「古本けものみち」は42点で21,400円。まったく店番できなかったことを思えば、まあまあの売り上げか。最後に、大家さんやデザイナーの板谷成雄さん、助っ人の皆さんに感謝を表す。そして、次回は今年秋に行なうことを宣言して、打ち上げイベントを終了した。終わるとドッと疲れて、座り込む。


荷物をまとめて、ふれあい館を出る。テレビ撮影もここまでで終了。いつもの〈車屋〉2階で打ち上げスタッフ助っ人ら45人が集まって盛り上がる。石風社の藤村さんから今年のブックオカ企画について聞く。なんだかデッカイ動きになりそうだ。その他、助っ人さんらといろいろ話す。次回もよろしく。11時にお開きとなる。しのばずくん神社に寄って鳥居を外す。明日まだ作業があるので、3次会に向かうみんなと別れて、ウチに帰る。


今年も無事に終わった。天気に恵まれて丸一日できたので、お客さんの数も売り上げ金額も、昨年春を上回ったと思う。店主も何度か参加しているヒトが多くなり、やり方を飲み込んでくれている。スタッフの数も増え、マニュアルが行きわたっているので、問題が少なかった。もちろん、ちょっとしたミス(集計結果を箱ごとに記入する用紙をつくり忘れたことや、配布物が足りなかったことなど)はあったが、その程度はしかたがない。春3回目、通算4回目にして、やっとカタチができてきたかな、というのが実行委員としての実感だ。来年の春は、今回をベースにしてやっていくことになるだろう。とはいえ、こういう手づくりイベントは、あまり同じようにしすぎてもマンネリになってしまう。バカバカしくても熱中できるポイントを見つけることも重要だ。今回で云えば、貸はらっぱしのばずくん神社にいろんなネタを投入したことがヨカッタと思う。


また、今回の新しい試みとしては「不忍ブックストリート」のロゴの導入がある。地図に使うだけでなく、ポスターやチラシにも入れ、店主の名札にも使い、大きく出力したものを大家さんや協賛企画の場所に貼ってもらった。ぼくも自転車の前にくくりつけて、街を走り回った。遠めでも一発で判るアイコンが、この日、谷根千のあちこちで見かけられた。この効果はかなり高かったのでは、と思う。


もうひとつの試みがオリジナルグッズだ。当日限定をうたって「しのばずくんトート」を販売したのだ。自転車で回っているぼくから買ってくれたヒトには、モクローくん絵葉書を1枚付けた。押し売りもあって手持ちの50枚は完売したが、ほかのスポットではやはりみんな古本に気がいっているせいか、もうひとつだったようだ。集計は終わってないが、まだ残部があるようなので、販売を継続することにした。せめて制作費は回収したいので、みなさんご協力をお願いします。3店舗で販売するほか、このブログでも通販を受け付けます。1枚750円+送料実費(メール便)です。お名前、ご住所、枚数、メールアドレスを明記の上、上のメールアドレスまでお申し込みください。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20070429