ナンダロウアヤシゲな日々

◎この日記は、ライター・編集者の南陀楼綾繁が書いています。
◎新刊『町を歩いて本のなかへ』(原書房)発売中です。
◎著書『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『谷根千ちいさなお店散歩』(WAVE出版)、『小説検定』(新潮文庫)、『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)、『路上派遊書日記』(右文書院)、『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『老舗の流儀 戦後六十年あの本の新聞広告』(とうこう・あい監修、幻冬舎メディアコンサルティング)、編著『チェコのマッチラベル』(ピエ・ブックス)、共著『ミニコミ魂』(晶文社)。
◎ご感想・ご連絡は南陀楼綾繁 まで。
◎「不忍ブックストリートの一箱古本市」は毎年春に開催します。
詳細は不忍ブックストリート公式ホームページもしくは、しのばずくん便りをご覧ください。
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2008-02-29 手をつなぐ砂塚秀夫と志村喬

朝、西日暮里に行くと、アマゾンから荷物。牛田あや美『ATG映画新宿』(D文学研究会)は、唐沢俊一日記で知り興味を持った。D文学研究会日大芸術学部教授清水正氏主催研究会で、これまで何点か出版しているようだ。挟み込みの栞には松枝到、高崎俊夫などが書いている。著者が美人とはいえ、飲み会写真が10点近く入っているのは奇異。それと、吉野孝雄『文学国会の時代』(河出書房新社)。しばらくお目にかかってないが、こういうテーマをこつこつ書かれていたのか。あと、HONZICDTWO]も届く。先日「コミガレ」で、このナカの一曲、フィッシュマンズの「いい言葉ちょうだい」のカバーが流れているのを聴いて鳥肌が立ったのだった。これまで聴いたフィッシュマンズカバーの中ではダントツだと思う。


明日から東京を離れるので、今日中にカタをつけなければならない仕事がいくつか。まず、『WB』の「文豪擬獣化宣言」。最近好きになって読んでいる作家のせいか、意外と早く書けた。昼飯をはさんで、旬公と家庭内編集会議。そのあと銀行郵便局に行き、戻ってから短い原稿を一本。さらに校正を1本上げたところで、出かける。

渋谷に行き〈シネマヴェーラ渋谷〉で、福田純監督《血とダイヤモンド》(1964)。タランティーノの《レザボア・ドッグス》に影響を与えた……かは知らないが、宝石強盗の内部分裂を描く、キューブリックの《現金に体を張れ》路線のサスペンスもの。こういうの、好きなんだ(と云いつつ、またしても20分眠ったが)。撃たれた佐藤允治療に呼ばれた医師志村喬が、ギャング一味の砂塚秀夫と手を取り合って、警察からヨチヨチ逃げるシーンが最高。この二人が共演した映画って、ほかにあるんだろうか? 砂塚秀夫の情けない表情がたっぷり見られたのが、この映画の大収穫だった。佐藤允の弟分が石立鉄男だとは、インタビュー集『東宝映画100発100中! 映画監督福田純』(ワイズ出版)を読み直して初めて気づいた。同書によれば、この映画の撮影時にセットが火事になったという。


西日暮里に戻り、〈はやしや〉でチューハイ仕事場に戻り、校正を2本片付け、ゲラを1本返送。いちおうコレでなんとか出かけられそうだ。明日、明後日名古屋で「Bookmark Nagoya」を見て、その次の二日間で、関西図書館を取材してきます。今回は古本屋はあまり回れないかも。では。

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2008-02-28 中学生の自分に助けられている

午前中はウチで本を読み、11時半に隣の〈ラ・カンパネラ〉へ。明日で閉店するこの店で、最後の食事としてボルシチを食べる。店を出るときに、奥さんに「お疲れさま」と挨拶する。団子坂の上のほうには喫茶店もほどよく食べられる店もないので、この店がなくなると困ってしまう。次もやっぱり喫茶店が入ってくれるとイイんだけど。


千代田線新御茶ノ水JR中央線に乗り換えて、西八王子まで。大学1年生のときに、南口の住宅街にあった幻想文学専門の古本屋(名前を忘れてしまった。なんか「烏」が入った名前だったような……)に行き、帰りに北口の踏み切り脇にある古本屋にも寄った。しかし、22年経ってみると、駅は高架になり、昔の面影はまったくない。北口の〈ブックオフ〉を覗いてから、〈奈央屋〉というカレー屋さんへ。ココで『ぐるり』のインタビューがあるのだ。五十嵐さんとカメラ担当の奥さんが先に来て、カレーを食べていた。


お話を聴くのは、ミュージシャンのOさん。中学生で聴いて以来のファンなので、とても緊張する。しかし、はじまってみるとリラックスして話すことができた。こないだ式貴士書評を書いたときにも思ったが、なんだか最近中学生のときの蓄積に助けられることが多い。一時期はぜんぶ捨てたいと思った経験が、25年経って生きてくるとは思わなかった。1時間ほどお話を伺い、写真を撮って終了。『ぐるり』次号に掲載です。〈奈央屋〉はカウンターとテーブルひとつだけの小さな店だが、居心地はいい。壁の上に、ぼくの大好きなカーネーション天国と地獄]のジャケット画が飾ってあったが、お店のヒトに聞くと、八木康夫原画を本人が預けているのだとか。どうりでジャケットより生々しいタッチだった。


帰りの中央線立川五十嵐夫妻と別れ、三鷹へ。〈上々堂〉で昨年秋からのバイトというHさんに挨拶し、取り置いてもらっていた、田中小実昌『インデアン・ピート』(講談社)を受け取る。ビニールカバーの装幀がイイ。駅から最初の交差点脇にあった〈三鷹書房〉(http://blog.livedoor.jp/mitakasyobou/)が閉店していた。西江雅之など三鷹ゆかりの著者の本を置いたり、それなりに頑張っていた店だった。ブログを見ると、平成12年開店だったとのコト。もっと前からあるように思えたが。


駅前の〈啓文堂書店〉で、芦辺拓裁判員法廷』(文藝春秋)、山上たつひこ撰集2『にぎり寿司三億年』(小学館クリエイティブ)を買う。千駄木に帰る途中、『モーニング』を買う。この雑誌連載のマンガの単行本はかなり買っているが、雑誌を買うのは数回目。どうも誌面が肌に合わないのだ。今回は安野モヨコ働きマン』と連載再開の福満しげゆき『僕の小規模な生活』が読みたくて。前者は映画買い付けのハナシで、ちかごろ旬公のオモチャになっている「小僧斎藤くん」のことを思いながら読んだ。


鎌倉から野菜が届いたので、久しぶりに豚汁をつくり、テレビで《鹿男あをによし》を観る。第1回から欠かさず観ている。役者もいいが、なんといってもイイのは鹿がやたらとたくさん出てくることだ。とくにエンディングの走る鹿は最高。演出担当は相当の鹿好きと見た。奈良の街中もよく写り、前には〈蔵〉らしき居酒屋ロケしている。今回はぼくも何度か行った新刊書店の〈啓林堂書店〉が見えた。つぎは〈ベニヤ書店〉とか古本屋が写らないかな。


3月に〈古書ほうろう〉で水族館劇場イベントが出ます。旬公もゲスト出演します。


水族館劇場古書ほうろうに現る!


 水族館劇場がはじめてこの地に姿をあらわしたのは、8年前の春のこと。以来、毎年5月になると、団子坂上は駒込観音境内に、巨大なテントが現出することとなりました。そのあやしげな建物のなかに一歩足を踏み入れると、そこは細部までつくり込まれた見世物小屋世界。そしてそんななか繰り広げられるスペクタクルな劇。降り注ぐ、水、水、水。


 地元の人はもうみなさんご存知ですよね。遠方にお住まいの方も、ほうろうのお客さまならご覧になられた方もたくさんいらしゃるでしょう。

 でも、この劇団の持つ魅力を考えると、まだまだ足りません。もっと多くの人に、彼らのことを知ってもらいたい。今回のこの企画は、そんな気持ちから生まれました。


 といっても、もちろん、ほうろうの軒先にテントを組んだり、店内を水で溢れさせたりはできません。そこで、毎年年末年始、彼らが寄せ場路上で演じている「さすらい姉妹」での公演をしていただくことになりました。演目は『鞍馬天狗』です。


 また、今回はさらにもうひとつお楽しみが。不忍ブックストリートの仲間で『世界屠畜紀行』の著者である内澤旬子さんと、水族館劇場の作・演出を手がける桃山邑さんとの対談です。生きた動物や鳥を毎回必ず登場させる桃山さんと、世界各地の屠畜現場をつぶさに見てきた内澤さん。きっと興味深い話が展開されるにちがいありません。


 5月に大観音で初日を迎える野外公演『Noir 永遠の夜の彼方に』を前に、「もちろん行くに決まってる」という方には別の魅力を発見する、「そんなの知らない」という方には素晴らしい出会いとなる、そんな一夜となることでしょう。みなさまのご来場を、心よりお待ちしております。


* 日時:2008年3月19日(水) 

   開場 18:30/開演 19:00(終了予定時間 22:00)

* 料金:1500円(簡単な打ち上げつき)

* 定員:40名(要予約)


演目 

第1部 さすらい姉妹『鞍馬天狗

  作演出 桃山


第2部 対談「いのちを屠るということ──やさしさ、について」  

  内澤旬子イラストルポライター

  桃山 邑(水族館劇場代表)


◎注意事項

 *ご予約は、古書ほうろうまで、メール、または電話で。

  先着順にて受け付けます。


  ・メール

    あて先:horo@yanesen.net 

     件名:3月19日 水族館劇場 申し込み

        ・お名前

        ・人数

        ・当日ご連絡の取れる電話番号

        を、お書き添えください。

  ・電話:03-3824-3388

 *飲みものは、ご自由にお持ち込みください。

 *お問い合わせは、古書ほうろうまで。

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2008-02-27 埋まっていく本棚

kawasusu2008-02-27

朝8時起き。西日暮里書評原稿を書こうとするが、うまくまとまらず、本棚に本を入れる作業に逃避。当初はおおざっぱにでもジャンルごとに棚をつくっていきたいと思っていたが、やりだしてみると、積みあがった本を納めるだけで精一杯。押入れや外の倉庫に入れてあるダンボール箱の本までは棚に入れられないコトが判明。いや、これまでの「二重積み」をやめるために奥行きの狭い棚を買った時点で、そんなことはよく判ってたんだけどね。改めて厳然たる事実を突きつけられました。


とりあえず、念願だった『彷書月刊』のバックナンバーをひとつの棚に収めて、ちょっとイイ気持ち。しかし、これまで分散していたので、けっこう抜けている号がある。ドコかにあるはずなんだが。ダブりの号が25冊(うち1冊は同じ号)あったので、先着1名さまにセットで差し上げます。どの号が入っているかは開けてみてのお楽しみ。送料(着払い宅急便)は負担してください。お名前・住所・電話番号・このブログ感想を一言書いて、メールでお申し込みください。【2月28日追記】数件申し込みがあり、最初の方にお送りしました。外れた方はごめんなさい。受付は締め切りますが、感想だけのメールも歓迎します。

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この写真は、『出版ニュース1999年10月中旬号の表紙に載った、ぼくの本棚写真西日暮里の一軒家に住んでいた頃。本は2階に置いていたのだが、危険を感じて引っ越したのだった。いまは手放したり実家に送ってしまった本が見える。まだタバコを吸っていたらしく、灰皿も。このときの取材は、同誌のデザイナーとその助手だったのだが、たいしてハナシも聞かなかったのに、勝手な文章を入れられて激怒した。いま読み直すとちょっと笑えるので、一部引用しよう。


少年の頃のことだそうだ。出雲から上京してきた河上さんは、神保町古書店街に狂喜した。両の手提げいっぱい本を買い込み帰郷したそうである。その本好きの少年大学を出、出版界で働くようになると、読みたい本、読まなければならない本、作った本、さらに買っておきたい本などが本棚に溢れ、限りなく増殖していった。さらに、河上さんには好きなものが増えた。奥さんである。(略)


古本ポエムですか(笑)。載った当時、周りからかなり冷やかされたものだ。このデザイナーは、目次ヨコにも「表紙の言葉」というのを書いているが、これがいつも、表紙に出てくるヒトや出版社とはほとんど関係ない、自分語りなのである。これが通用しているのが不思議でたまらない。


『yom yom』第6号到着。通常の1・5倍に増ページ、定価も780円になっている。特集は「ファンタジー小説の愉しみ」。稲垣足穂「第三半球物語」も掲載(野坂昭如の「一秒が一年――わがタルホ頌」というエッセイが付いている)。「私の本棚」には南伸坊さん登場。内澤旬子『センセイの書斎』(幻戯書房)に出てくる、あのフタつきの本棚だ。南陀楼の「小説検定」、今回のテーマは「恋愛」。ムリめなテーマですが、頑張ってみました。新潟市斎藤健一さんから、詩誌『乾河』第50号が送られてきた。斎藤さんは林哲夫さんの友人のようだ。新書館からは、久世番子(画)、大崎梢原作)『配達赤ずきん』をいただく。同書と4月発売の『番線』の両方を買った読者全員に、特別版の小冊子がもらえるサービスが。タイトルは『本棚からぼた餅』だって(http://www.shinshokan.co.jp/comic/w/w_index.html)。


数週間前に編集長が交代した『週刊現代』。デザインはそのままだが、「ワイド特集」とは別に1ページの記事欄を設けるなど、ちょっとずつ変えているようだ。スゴイのは今号からはじまった、「こちら週刊現代突撃班」というマンガ。絵も構成もナニもかも古くさい。同じ週刊誌編集部舞台にしたマンガでも、『働きマン』とは百光年ぐらい距離がある。「話題の人物、事件の現場に、凸凹新人記者コンビ体当たりで迫る!!」」というコピーもなあ……。


山本善行さんのブログで知ったのだが、読売新聞夕刊で始まる唐十郎小説朝顔男」の挿画を、うらたじゅんさんが担当する。うらたさんのブログhttp://junmilky.exblog.jp/)には3月3日スタートとある。友人同士であり、お互いがん患者である旬公とうらたさんが、ほぼ同じ時期に新聞小説挿絵を描くとはスゴイ偶然なり。二人とも長丁場なので、くれぐれも体には気をつけて頑張っていただきたい(from窓際夫)。


4時前に休業日の〈古書ほうろう〉で、あるミニコミを受け取る。偶然だが、明日のインタビューのための資料でもある。取り置きしてもらっていた野尻抱影『三つ星の頃』(北宋社)2000円も買う。著者唯一の短編集を復刻したもの。装画は谷内六郎。小ぶりで愛らしい造本は、西岡武良の手になるもの。解説によれば、元の本は大正13年に出ている。そのあと、「一箱古本市week」中に開催する展覧会の打ち合わせが、立て続けに2本あった。ふたつとも、すごくオモシロイ展示になりそうなので、ご期待ください。会場のひとつである〈ブーザンゴ〉で、大佛次郎『旅の誘い』(講談社文芸文庫)、『都筑道夫恐怖短篇集成』1、2(ちくま文庫)、斎藤美奈子モダンガール論』(文春文庫)を買う。見切り本カゴに、日夏耿之介『風雪の中の対話』(中公文庫)がナンと200円で入っている! 扉と解説に書き込みがあるけど、コレは安い。ありがたく買う。展覧会をやっていただくIさん、旬公と〈大栄〉で夕飯。

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2008-02-26 続けていくためのモチベーション

今朝は寒い西日暮里に行き、鼎談のまとめ。意外と早くカタチになった。一休みして、『SPA!』の原稿を書く。4時からは某所で座談会の司会。8時までかかる。その後、少し雑談してからウチヘ。雨が降ってきたので、家にあったツナ缶と卵を炒めて食べる。久しぶりに《ニュースJAPAN》を見たら、滝川クリステルの隣に、しばらく休んでいた松本方哉の姿が。このヒトのしゃべり方はキャスターとしてはヘンだけど、なぜかキライじゃないんだなあ。


こないだから耳に入ってきていたが、3月の神戸サンボホール古本市」で、一日だけ素人参加の「ひと箱古本市」をやるそうだ(http://www.hyogo-kosho.net/new/new.html)。「一箱古本市」というアイデアは、ぼくと旬公との間の雑談から生まれたものであり、その提案に賛同してくれたメンバーによる、2005年春の不忍ブックストリートでの開催が、本邦最初である。しかし、発想の元にはフリーマーケットがあったし、儲けにつながらないことは判っていたから、このアイデアを自分たちで独占したりせずにむしろいろんなトコロで使ってほしいと思い、そのように公言してきた。仙台でも福岡でも、やりたいと云ってくれたところには惜しまず情報を提供した。そのときにぼくからお願いしたのは、(1)不忍ブックストリートが元祖であることをどこかに入れてほしい、(2)店主として不忍BSから一箱出させてほしい、もしくは、代表として実行委員会の誰かを呼んでほしい、という二点だった。


だから、「ひと箱古本市」を企画するのはご自由なのだけど、まがりなりにも兵庫県古書商業組合というプロの団体が企画するのだから、一言ぐらい連絡があってもイイんじゃないだろうか? あるヒトからは「不忍BSが元祖だってこと自体しらないんじゃない?」と云われたけど、そんなことないんじゃないかなあ。繰り返すが、一箱古本市をやるコトにクレームをつけているのではない。ちょっとメール一本送ってもらえれば、それでイイ。各地での動きと一緒に、一箱の動きを広げていきたいという我々の気持ちに気づいてもらえなかったのが、悲しいというだけなのだ。ぼくたちから、不忍BSを続けられるだけのモチベーションを奪わないでほしい。


その一箱古本市だが、今年春の開催に向けて、一箱weekの参加企画や、助っ人さんを募集しています。とくに助っ人さんは、多ければ多いだけ助かります。今回は店主との兼任もできますので、事前の準備でも当日でも、できる範囲でお手伝い願います。どうぞ、どうぞよろしくお願いします。詳しくは「しのばずくん便り」(http://d.hatena.ne.jp/shinobazukun/20080218)をご覧ください。不明な点があれば、メールでお問い合わせください。あて先は hitohako@yanesen.org です。

みなみみなみ 2008/02/27 11:16 じつは私もサンボーホールの「ひと箱古本市」にはそのことがひっかかっていました。HPにもハガキ大のフライヤーにも、それらしき記述は一切見当たらないし。「ちょっとメール一本送ってもらえば、それでいい」。主催者の中に、当たり前の配慮に思い及ぶ人がいなかったとしたら哀しい。それとも一箱古本市はフリーマーケット同様に、すでに広く認知されている解されたのか。楽しみにしている古本市なのに、なんだか釈然としないなあ。

kawasusukawasusu 2008/02/28 00:01 みなみさん、そう思ってくれるヒトがいてくれたというだけで、ありがたいです。

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2008-02-25 チームけものみち、奮闘す

kawasusu2008-02-25

朝8時すぎに掃除機を持って、千駄木からタクシーに乗り西日暮里へ。残っていた荷物の運び出しをやって、掃除していると10時になる。高橋美礼さん来る。〈古書往来座〉の瀬戸さんも来て、ベランダ放置してある捨てる棚の幅を計っている。今回は組み立てた棚と壁際の棚の上に板を渡し、天井突っ張りの代わりとし、また空中棚とするという作業が、瀬戸さんに課されており、瀬戸さんは早くもそれを「橋」と命名していた。「前回は買ってきたのを組み立てただけですが、今回は工夫できるので楽しみです」と抱負を語っていた。もはや本業がナニ屋さんだか、わからん。


まこちさんの運転で、前回の横浜港北ではなく、船橋の〈IKEA〉へと向かう。途中、事故で少し渋滞したりして、到着したのは12時前。買うものはだいたい決めてあるので早いかと思ったら、小物がけっこう多かったり、食事したり、棚の在庫が見つからなかったりと案外時間がかかる。客も前回より多かった。平日だというのにこの家族やカップルはドコから湧いてくるのか。基本的なレイアウトは港北店と同じだが、船橋店にはより俗っぽさが伺える。説明プレートが大きかったり、「イケアはロープライスに夢中」などとコピーが直球だったり。大荷物を積み込んで、IKEAを出発し、その近くにある〈スーパー・ビバホーム〉という巨大ホームセンターへ。工事建築現場に使うモノが揃っており、どれもサイズが大きいので、巨人の国に紛れ込んだよう。そのナカを生き生きと泳ぎまわる瀬戸さん。そこを出て高速に乗ったのが5時半。しかし、そこから超渋滞で、西日暮里に着いたのは7時だった。


待ち構えていた石井くんと一緒に、荷物を降ろす。やっと組み立て開始だ。そこから先がスゴかった。前と同じやり方とはいえ、4時間ちょっとで、9本の棚を組み立て、場所を決め、入り口頭上に棚を設置し、照明も配置し、瀬戸さん曰くの「橋」までつくってしまったのだ。しかも、前の部屋に出していた本やダンボール箱を残らず奥の部屋に戻して、きれいな状態で終えることができた。すべては、リーダーの美礼さん、釘屋さんの瀬戸さん、運転手&作業助手のまこちさん、若さと力の石井くんという「チームけものみち」のみなさんのおかげだ。ぼくはといえば、作業の邪魔になるので、ゴミ段ボール箱の片付けをやったのみ(ダンボール屋さんと呼ばれていた)。11時半に作業終了。皆さん、お疲れ様でした。写真入り口付近。左上に見えているのが、瀬戸さんの「橋」。


まだ机を入れたり、配線をやったりと作業はあるが、棚の設置が終了してホッとした。棚の上には小さな照明もつき、なんだかイイ感じ。それと同時に、棚の収容能力限界が早くも見えてきた。積み上げてある本と段ボール箱と、空いている本棚を見比べると、どうやっても入りきらない気がする。それで美礼さんに、「この辺、スペース空いてるから、もうひとつ棚置こうよ」と提案したのだが、「それじゃナカに入れませんよ!」と即却下される。ツライなあ。みんなが帰ったあと、少し片づけをして、歩いて帰る。千駄木ラーメン屋に行くも定休日で、カップラーメンを買ってウチで食べる。疲れきって、布団にもぐりこむ。


棚板を取り出すために買った〈IKEA〉の本棚が2本、未組み立ての状態で余っています。どちらも高さ202センチ×幅80センチ×奥行き28センチです。棚板はありませんが、中央の仕切りはあります。IKEAで買うか、自分で板を切ってつくることもできます。車で取りに来てくれる方には、無料差し上げます。メールでご連絡ください。写真は組み立てた状態です。ご参考まで。【2月26日追記】2本とも引き取り手が現れたので締め切ります。

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岡崎武志さんから『ベストセラーだって面白い』(中央公論新社)をいただきました。ありがとうございます。石丸澄子さんの装幀は、一冊ごとに良くなっている気がする。

2008-02-24 『映画論叢』の休刊を惜しむ

朝から西日暮里に行き、講演まとめの続き。2本仕上げて送る。残り1本だ。うどんをつくって食べ、出かける。風、きわめて強し。千代田線表参道。〈青山ブックセンター〉で本を探すも、出ているハズなのに並んでいない。佐々木敦ミニコミ『エクス・ポ』創刊号を買う。袋入りだ。あとでナカを見たら、『WB』っぽい誌面構成だった。前田和彦くんがスタッフとして参加している。それと『映画論叢』の第18号が出ているのを見つけて、買う。〈書肆アクセス〉がなくなったので、うっかりすると新しい号が出てるのに気付かない。ほかに、『ビートたけしオールナイトニッポン傑作選』(太田出版)、中公文庫の新刊で、海野弘東京風景史の人々』、花森安治『暮しの眼鏡』、堂場瞬一『疑装 刑事・鳴沢了』の3冊を買う。


下北沢へ向かう電車の中で、『映画論叢』を読みはじめ、〈シネマアートン下北沢〉に着いてからも読みふける。いつも最初に読む川喜多英一「映画本の困った人たち」、今回は金井美恵子。金井のジャン・ルノワール礼讃に対して、「ファン歴の偽造」であると突っ込んでいる。相変わらず意地悪く、ねちっこい。このヒトと塩山さんを対談させたらどうか。布村健「極私的東映および教育映画部回想」には萩野正昭さんの名前も。三上真一郎チンピラ役者の万華鏡」、今回は「良心的左翼」の方々の欺瞞を突く。編集後記には映画館などでの「キレる老人」の跋扈に憤慨している。ますます快調な雑誌だと思ったら、執筆者紹介欄にひっそりと休刊のお知らせが。決定的な廃刊ではないようだが、コラムが読めなくなるのは淋しい。【2月25日追記】Sさんから、「版元が替わって続行決定」という情報をいただく。よかった。でも、これまで頑張ってきた発行元の樹花舎は無念だろうなあ。


アートンは特集「原作大藪春彦」。須川栄三監督の《野獣死すべし》(1959)と《野獣死すべし 復讐メカニック》(1974)を続けて観る。前者はかなり前に観ており、仲代達矢の最後までブレない冷たさにシビレたものだった。再見でもその印象は変わらなかった。脚本を書いている白坂依志夫映画監督の西村潔の名がキャストに見られるが、ドコに出ているかは判らず(白坂刑事役だったらしい。例の『シナリオ』の連載で、そのコトに触れてませんかね? 塩山さん。ついでに共演の団令子をいただいちゃったなどのステキなエピソードも)。15年後の後者は、ダルダル。藤岡弘英文学の講師という設定で、もうすでにマジメに観る気を失う。この特集、来週の福田純監督《野獣都市》を観たいのだが、果たして来れるだろうか? このところ、気になる特集上映が多くて、とても追いつかない。


西日暮里まで帰り、〈大栄〉で旬公と待ち合わせ。先日、大竹聡さんが『週刊大衆』でこの店を取材した記事が、パウチされて壁に貼ってあった。お客さんが持ってきてくれたとのコト。喜んでましたよ、大竹さん。久しぶりに食べた味噌チゲがウマイ。西日暮里に戻り、明日の「けものみち計画」改装計画その後編のために、本棚の本を移動させる。明日はまたIKEAです。

るるるるるる 2008/09/06 02:51 野獣都市、浅草名画座に来てますね

kawasusukawasusu 2008/09/06 22:26 お知らせありがとうございます
いちおうチェックしてたので、行きたいと思います
併映の《さらば、わが友 実録大物死刑囚たち》もイイ映画ですよね

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2008-02-23 『文学鶴亀』刊行と小川美潮の新CDを言祝ぐ

昨日は午後から旬公と一緒に千葉旭市というトコロに行った。日暮里から京成千葉まで行き、そこからJRで15駅という遠さ。佐倉までは以前行ったことがあるが、そこから先は未知の領域だ。駅までKさんが迎えに来てくださり、そのあとドトーのごとく、いろんなヒトに会う。旬公の講演がきっかけで知り合った皆さんで、ぼくはたんなるオマケなのだが、みんな歓迎してくれる。連れて行ってもらった田んぼの中の焼肉屋は、激ウマでした。旬公はこの地であることを計画していて、ぼくは正直云って半分反対しているのだが、なんかちょっとオモシロいんじゃないかと思い始めている。けっして、焼肉に懐柔されたワケではないが。帰りは深夜バス東京駅まで。


今日は昼過ぎまで仕事して、出かける。出掛けにポストを見たら、国書刊行会からメールビンが届いている。武藤康史文学鶴亀』だ! 編集担当のTさんが送ってくれたもの。さっそく山手線の車内でページを開く。すると、「映画監督・西村潔」というタイトルが目に入ってビックリする。なぜならコレから、この監督映画を見に行くのだもの。なんという偶然と、さっそくその文を読む。なるほど。ほかの文章もポツポツ拾い読みしているうちに、渋谷に着いてしまった。この本については、多くのヒトが待っているので、その楽しみを削がないために、コレ以上は書くまい。ただ、間違いなく素晴らしい本です。人名索引を見ただけで、ワクワクしてきたもの。あと、ひとつだけ絶対みんなが驚く事実あり(ああ書きたい)。


シネマヴェーラ渋谷〉へ。今日から特集「東宝アクション!」。今日坪島孝監督《国際秘密警察 火薬の樽》(1964)と、西村潔監督《豹(ジャガー)は走った》(1970)。前者は007のパロディ的なシリーズで、古い言い方だが、どうもマンガ的。途中でまたしてもぐっすり眠る。しかし後者は快作。主役の加山雄三大根だが、殺し屋役の田宮二郎がイイ。佐藤允彦音楽も宮間利之とニューハードの演奏がゴキゲン。この特集、西村潔作品では《死ぬにはまだ早い》(1969)、《ヘアピンサーカス》(1972)をやる。後者は一度観ているので、前者を観たいんだけど、ちょうど関西取材の日じゃないか! 残念無念。この映画館、3月に若松孝二、4月にマキノ雅弘フィルムセンターの特集とダブらないとか)の特集を組むので、来ないとなあ。


渋谷からの山手線は強風のため遅れる。代々木で乗り換え、高円寺へ。あづま通りに移った〈十五時の犬〉に初めて行く。式貴士カンタン刑』『イースター菌』『連想トンネル』『吸魂鬼』『怪奇日蝕』(いずれも角川文庫)が1冊350円だったので、全部買う。先日、光文社文庫で刊行された『カンタン刑』(ベストセレクション)を読み、式貴士の長くて有名な「あとがき」を読み返したくなったからだ。ほかに、村松友視黄昏ムービーパレス』(平凡社)800円を買う。地方の名画座の訪問記。読みたかった本。


7時半に〈JIROKICHI〉に入ると、満員で立ち見になる。小川美潮さんの誕生日ライブ板倉文(g)、吉森信(p)、Ma*To(key)、大川俊司(b)、whacho(perc)、Mac清水perc)、オイラー小林ds)の総勢8人という豪華なメンツ。「スプラゥトゥラプス」というバンドがコアになっているようだ。変拍子ありスローありで、じつにカッコいいバンドだった。とくに吉森信ピアノがすごい。アンコールで「私が尊敬しているミュージシャン」と呼ばれたのが、隣に座っていた女性だったので驚く。トミ藤山さん(http://www.tomifujiyama.com/japanese/index.html)といい、1964年ラスベガスに単身乗り込んで歌ったというブルースシンガーだった。アメリカでヒットしたという曲を美潮さんのコーラスでやったが、声もギターもいい。こんな歌手がいたなんて。美潮さんに挨拶し、なんと15年目という新しいCD小川美潮ウズマキマウ[宇宙人]を受け取って、外に出る。総武線お茶の水まで行き、千代田線で帰ってくる。とにかく寒い一日だった。


広尾の〈古書一路〉さんから展覧会のお知らせ。しばらく行ってないので、久しぶりに寄るか。


高田洋三 個展  「箱の島」


会 期:2008年2月23日(土)〜3月30日(日)期間中の金・土・日のみOPEN

     ※3月7日(金)、8日(土)は休み

時 間:13:00〜19:00


高田洋三・トークイベント  3月14日(金) 19:00〜

ゲスト近藤ヒデノリ(Tokyo Source編集長

参加費:500円(ワンドリンク付き) 


会 場:古書一路  東京都渋谷区広尾3−8−13 ハイツヒロオ102号

    MAPhttp://home.k01.itscom.net/ichiro/tenpo.html 

お問い合わせ:古書一路(堀江

     TEL/FAX:03-3406-6645 

     E-mail:kosho-ichiro@e08.itscom.net

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2008-02-21 ワイズマン映画のタイトルは直球

午前中は西日暮里仕事。きりがつかなかったが、12時すぎに出かける。水道橋で降りて、〈アンチヘブリンガン〉へ。ランチタイムなので、ほぼ満員。窓際に本棚ができている。ラグー(ミートソース)のスパゲティを食べ、コーヒーを飲む。歩いて2分のところにある、〈アテネ・フランセ文化センター〉へ。ココで映画を観るのは、15年ぶりぐらいか。昔のままの建物で、階段で4階まで上がるのも以前の通りだが、ナカはさすがにパイプ椅子ではなく座席になっていた。ただし、真ん中辺りの席は傾斜が逆になっていて、前の人の頭が高くなってしまうのだ。なので、字幕が下に出ると見にくい。


いまやっているのは「フレデリック・ワイズマン特集」で、今日観るのは《肉(Meat)》(1976・米)。牛が飼育され、屠畜されて肉になり、出荷されるまでの過程を撮ったドキュメンタリー。冒頭で、日本人団体が工場見学に来るシーンがあるのだが、おぼつかない英語通訳する日本人の男に、職員の白人女がさげすむような目で応対するのが印象的。2時間近くあるので、途中寝てしまったが、経営陣と組合交渉とか、何百頭もの羊を屠畜場に追い込む一匹の山羊とか、細部がいちいちオモシロイワイズマン映画は初めて観るが、《ストア》《競馬場》《臨死》《州議会》など、直球のタイトルで、たぶん手法も一貫しているのだろう。この特集は3月15日までやるので、せめてあと2本は観たいもの。ちなみに《肉》はもう一度、3月5日(水)19:00〜に上映される。


終わって、女坂を降りて、錦華通りへ。〈石田書店〉で『東宝映画100発100中! 映画監督福田純』(ワイズ出版)を買う。この週末から〈シネマヴェーラ渋谷〉ではじまる特集「東宝アクション!」で、福田純監督作品が何本か上映されるので、その予習のつもりで。久々に彷徨舎へ。ネコが走り回っている編集部で、近いうちにやる特集のネタ出し。面白くなりそうではある。田村編集長からこんなイベントの案内をもらう。「雑誌新聞で取材してくれるところを募集!」とのことです。


ギグメンタ2008/美学校1969年の現在


赤瀬川原平中西夏之、菊畑茂久馬、木村恒久、松沢宥、小杉武久鈴木清順小沢剛会田誠など多彩なジャンルにわたる気鋭の講師陣が教鞭をとり、雑誌ガロ」の編集者南伸坊を始め平出隆林英哲村上龍佐野史郎渡辺和博など、多彩な人材を育成・輩出してきた美学校は、アートシーンのみならず漫画デザイン舞台芸術音楽映像文学、出版などの様々な分野に影響を与えてきたにも関わらず、これまでその影響力の大きさが顧みられることはありませんでした。本展は、70年代から現在までにつながる「美学校文化」を見渡す初の試みとなります。


企画名】Ψフラグメント(松澤宥と最終美術思考工房)展 / 『ガロと美學校』展 / 一過性であるがゆえに / 「カムイ伝」と「肉体の叛乱」〜60年代<反逆>のマトリクス〜 / フィギュアが産まれる環境 / 逆襲として69年〜熱い若者たちの季節〜 / MORI-森 / 黒い絵本カーニバル / <寛ぎと慟哭の夕べ>美学校40周年記念演奏会 / 美学校2008/40周年記念展

【参加作家赤瀬川原平 / みうらじゅん / 根本敬 / 泉靖紀 / 平口広美 / 久住昌之/ 南伸坊/ 町田久美/ 室伏鴻 / 会田誠/ 小林嵯峨/ 細江英公/ 黒田育世/ 間島秀徳/ 大野慶人/ 土方巽/ 白土三平/ 中村宏 / 中西夏之/ 亀村佳宏/ 森下隆/ 松澤宥/ GROUPE DU VENT(風組)/ 野口暁/ 赤土類/ para ROUND(伊丹裕+中村祥士)/ サエグサユキオ/ TOPPER/ 王×児×狼×(ill existence)/ 御厨貴/ 内海信彦/ ホシノマサハル/ 久住卓也/ 佐々木良枝/ 文井秋/ 荒井良二/ メチクロ/ 韮沢靖/ 植地毅/ 相馬大/ もとはし遥/ 小野のん子/ 田尻麻里子/ 中西美穂/ 谷川まり/ 涓東節江/ 蔭山ヅル/ イトー・ターリ/ 山岡佐紀子/ 井上玲/ ほか

【関連企画レクチャー≪晩生 「自立」の現在≫ / パフォーマンス東亜共栄軒08


会場 アートコンプレックスセンター / 東京都新宿区大京町12-9 / TEL:03-3341-3253

イベント展示期間 2008年4月1日(火)〜4月13日(日)pm11:00〜pm20:00(イベントに関してはそれぞれ公演等の時間をご確認ください。)

入場料 無料(公演、講演、ワークショップ等のイベントには入場料、参加費が必要となります。)

http://gigmenta.org/


高岡書店〉で『映画秘宝』最新号と、すぎむらしんいち(画)、リチャード・ウー(作)『ディアスポリス』第7巻(講談社)を買い、西日暮里へ。旬公と〈お茶ごはんや〉に行くも休みで、隣の〈藪そば〉でけんちんとじそばを食べる。

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2008-02-20 蛾次郎は歌うよ

朝から2時ごろまで、談話のまとめ。話が前後していて手こずる。そのあと、短い原稿を書く。夕方、〈往来堂書店〉へ。『ミニコミコレクション』(春日出版)という本が面出しになっており、あえて「ミニコミ」を使うのは近頃かえって珍しい(リトルプレスリトルマガジンが多い)と思って手に取る。……なんじゃ、こりゃー! 一つのミニコミの表紙を左ページに載せ、右ページにその本文からの2見開きの図版を載せる。表紙の下にはそのミニコミの概要。上にはデータ。たったコレだけ。それが53誌載っている。ほかには「はじめに」という文章だけ。わずか126ページで、情報量は極端に少ない。ミニコミのセレクトが優れていればまだイイのだが、定番のものがほとんどだし、分類も「文化」「旅行」「映画演劇」「生活」「文芸」「漫画」「地域」と大ざっぱ。ナニより、なぜコレを取り上げるのかという視点がまるっきり見えない。後ろにミニコミ取扱店として載っている〈模索舎〉〈タコシェ〉〈フィクショネス〉に行って適当に見つけてきたモノを集めただけにしか見えない。図版のキャプションの芸のなさにも腹が立つ。なんだよ、「いかにもこのミニコミらしい」って。奥付は2007年11月となっているが、往来堂には最近入ったようだ(版元のサイトには1月発売とある)。オールカラーとはいえ、これで1800円だというのだ。この10倍は情報量のある『ミニコミ魂』が1900円だったコトを思うと、情けなくなってくる。こんなひどい本、ゼッタイ売れないぞ、と云いたいところだが、これぐらいの緩さを求める読者はいるんだろうなあ。なんか、いろいろ馬鹿馬鹿しくなって、イヤになる。


気を取り直し、千代田線湯島へ。大阪からオンライン古書店BOOK ONN〉(http://www.bookonn.com/)の中嶋さんが来ているので、飲むことになっている。中嶋さん、荻原魚雷さん、そして「アセテート」の中谷礼仁さんと、中谷さんの行きつけ(ぼくも何度か来たことがある)〈大将〉へ。誰もいない二階の座敷に落ち着く。昨日、坂崎重盛『東京読書』を読んでいたら、内田百ケンのところで突然中谷さんが出てきた。『東京日記』のイメージイラストを彼が描いているというのだ(「不能なる「私」、「東京日記」論」http://www.nakatani-seminar.org/nakatanipersonaldata/tokyo_diary/tokyodiaryIndex.html)。それで久しぶりに会いたくなって、お誘いした次第。中嶋さんから、彼がデザインした、〈ちょうちょぼっこ〉の「にのにのいちのに」で出された『にのいち新聞』をもらう。欲しかったんだ、これ。表紙は宮武外骨の『滑稽新聞』風に。


いろいろ話し、9時半に解散して地下鉄のホームに降りると、西日暮里人身事故とかで電車が来ない。20分ぐらい待ったか。ウチに帰り、DVDで澤田幸弘監督《反逆のメロディー》(1970)を観る。主演の原田芳雄よりも、脇役の佐藤蛾次郎地井武男が生き生きしている。とくに佐藤蛾次郎は歌までうたって、大活躍。こんなに蛾次郎が出まくっている映画、はじめて観た。

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2008-02-19 ドライブ感たっぷりの『東京読書』

午前中は、遅れた「書評のメルマガ」を編集して発行。平林享子さんの連載終了。7年もやってもらったのかあ。そのあと「早稲田古本村通信」の原稿を書く。昼飯は、旬公が「よみせ通り」のおでん屋で買ってきたおでんダイコン、厚揚げ、ロールキャベツ、コブ)。ただのポリ袋につゆと一緒に入れて輪ゴムで止めただけ。しかし、安くてウマイ。向かいの〈尾張屋〉で買った赤飯と一緒に食す。旬公は「いいアイデアだったでしょう」と何度も賞賛を要求。ブログに書けとまで云われる。ハイハイとしたがう窓際夫。格差夫婦なので強く出られない(それにしても、『COMIC Mate』今月号で塩山さんが予想していた旬公の年収は、いくらなんでも高すぎる。ぼくの年収はほぼ予想通りだったが)。


椅子を替えてから、長い時間座っていても疲れなくなったので、寝転ばなくても本が読める。昨日の新聞で、翻訳家後藤安彦氏の逝去を知る。78歳。仁木悦子のご主人だ。それで後藤氏が書いた『猫と車イス 思い出の仁木悦子』(早川書房)を読む。ちゃんと読むのは初めて。国立身体障害者センターでの二人の出会いから結婚にいたるまでが、赤裸々に書かれている。作品から仁木悦子イメージを持っていたヒトは、けっこうビックリするかも。本書で活用されている仁木悦子日記は、相当長期間にわたるものらしい。ところで、「猫を償うに猫をもってせよ」(http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20080218)で、後藤氏の死去で喪主が(再婚した)妻となっていたことについて、「仁木著作権後藤継承していたから、もし後藤の現夫人がそれを引き継ぐと、ちょっとまずいだろう」とあるが、なぜまずいのかがよく判らない。後藤仁木夫妻には子どもがいなかったし、義理関係のヒトに著作権継承されるのは、そんなに珍しいことではないのでは。


そのあと、坂崎重盛『東京読書 少々造園的心情による』(晶文社)に移る。前著『東京本遊覧記』(晶文社)もヨカッタけど、今回のほうが厚みもあるし取り上げている本も興味深い。とくに新書本で何冊か、「これも東京本だったのか!」と気付かされたものがあった。あと、前の回と次の回が取り上げた本が「ナニつながり」なのか考えながら読むのも楽しい。全体にドライブ感のつよい本だ。編集誤植では定評(?)のある中川六平さんだけに、この本でも5、6ヵ所目に付いた(たとえばp178-179『東京人堕落時代』が、引用も含めすべて「墜落」になっている)が、その程度はどうでもいいと思わせてしまうパワーが中川さんのつくる本にはある。


古本酒場コクテイル〉のサイトに、石田千さんのトーク三連発の情報が。一日2回とはすごい。


のぼりおり』発売記念石田千トークイベント三連発


エッセイスト石田千さんが「のぼりおり」した十の山。

山と渓谷』での連載を一冊にまとめた『山のぼりおり』の発売を記念して、トークイベントを開催します。

石田千さんをよく知る御三方が、「いったいなぜ山のぼり?」という素朴な疑問をぶつけたり、「山といえばね…」と思いもかけぬ話をはじめたり、山をテーマにゆるゆるとおはなしする会です。

ちなみに、山のぼりに関してはみなさん初心者ですので、山の知識や経験は必要ありません。お休みの日の開催です。散歩がてら、お気軽にご参加ください。


石田千×荻原魚雷フリーライター)●会場 高円寺古本酒場コクテイル http://koenji-cocktail.com/●日時 3月20日 (木・祝)16時30分開場 17時開演 19時終演●定員 20名(先着順)● 料金 入場無料ですが、飲食代は別途かかります。ワンドリンク以上のオーダーをお願いします。●申し込み方法メールにて「石田千トークイベント」とお申し込みください。宛先はこちらcocktailbook@hotmail.co.jpお名前、人数、当日ご連絡のつく電話番号を明記してください。 ※文士料理(文士たちが創作した料理、好んで食べた料理)が楽しめるお店です。


石田千×畠中理恵子(元書肆アクセス店長)●会場 神田アンチヘブリンガン 千代田区猿楽町2-7-11ハマダビルヂング2F● 日時 3月22日(土)13時30分開場 14時開演 16時終演● 定員 20名(先着順)● 料金 1000円(ワンドリンク付) ● 申し込み方法メールにて「石田千トークイベント」とお申し込みください。宛先はこちらantiheblingan@tcn-catv.ne.jpお名前、人数、当日ご連絡のつく電話番号を明記してください。 ※よろしければ、18時からのトークイベントもあわせてお楽しみください。


石田千×田村治芳彷書月刊編集長)●会場 神保町ヒナタ屋 www4.plala.or.jp/HINATA-YA/● 日時 3月22日(土)17時30分開場 18時開演 20時終演● 定員 20名(先着順)● 料金 1000円(ワンドリンク付)● 申し込み方法メールにて「石田千トークイベント」とお申し込みください。宛先はこちらhinata.ya@ivory.plala.or.jpヒナタとヤのあいだに.がはいります) お名前、人数、当日ご連絡のつく電話番号を明記してください。 ※ チキンカレーのおいしいお店です。食べ物のオーダーも承ります。


● 注意書き※ 各回ごとに申し込み先が異なりますのでご注意ください。※ イベントに関する最新の情報www.yamakei.co.jp

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2008-02-18 「おいどん」と云う志村喬

昼すぎまでに『進学レーダー』の原稿を2本書く。一区切り付いたし、旬公に取材が来るらしいので、外に出る。池袋に着き、〈新文芸坐〉の近くのラーメン屋でつけ麺を食べる。〈K1ブックス〉(だったか?)の均一で3冊買う。〈新文芸坐〉の特集「時代劇ぐらふぃてぃ」で、伊藤大輔監督鞍馬天狗 黄金地獄》(1942)、マキノ正博松田定次監督鞍馬天狗 角兵衛獅子の巻》(1938)を観る。大佛次郎マイブームなのでちょうどいい。どちらも16mmでの上映。ハナシが派手で、撃ち合いや爆発シーンなど金の掛かっている前者より、画面が褪色して見にくいし、ハナシも地味な後者の方が断然オモシロイ。親方に叱られて腹を空かせて寝ている角兵衛獅子の兄弟に、娘がそっとおにぎり差し出す。親方にばれないように、声を挙げて二人を叱りながらおにぎりを渡すシーンなど、泣かせる。志村喬西郷隆盛役で出ていたのに笑う。太い眉を描いて「おいどん」と云っていれば西郷というステレオタイプの見本みたいな演技。とはいえ、前者では爆睡後者でも少し寝てしまった。客は50人ほどで、女性は一人もいなかった。


終わってから、〈往来座〉へ。店内でドリルを使う音がすると思ったら、瀬戸さんが本棚を製作中だった。なんでも「こないだウチザワさんの本棚をつくって自信を持った」そうだ。大佛次郎の随筆集『ちいさい隅』(六興出版)、『砂の上に』(光風社)、『十五代将軍の猫』(五月書房)、小説帰郷』(新潮文庫)を買う。いずれも安い。大佛次郎エッセイ集はやたら多いけど、いったい何冊あるんだろう?


リブロ〉で、久米田康治さよなら絶望先生』第12巻(講談社)と岡崎京子東方見聞録』(小学館クリエイティブ)を買う。後者は、1987年に『ヤングサンデー』創刊号から連載されたものの初単行本化。こんな作品、知らなかった。駅前から浅草行きのバスに乗り、掘割で降り、久しぶりに〈高木〉へ。ビール焼酎水割りで、煮込み半杯(一杯だとちょっともたれる)とミートボールなどを食べる。この店はいつも適度に空いていて、適度に賑やかなので、本を読みながら飲むのにちょうどいい。バス停がすぐ近くなのもイイ。また浅草行きのバスに乗って、ウチに帰る。

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2008-02-17 アクセスと月の湯古本市と奨学金

今日朝日新聞書評欄に、重松清さんが『書肆アクセスという本屋があった』の書評を書いてくださった。「身内の〈心意気〉に満ちた一冊」であるが、「決して内輪話や古き良き時代への郷愁で閉ざされてはいない」とある。この本のつくり手の一人として、こういう評価はとても嬉しい。


午前中は布団の中で本を読んだり、掃除をしたり。ヨガから帰ってきた旬公と、隣の〈ラ・カンパネラ〉でチキンカレーを食べる。ここ、今月中に閉店してしまうのだ。閉まる前に、まだ食べてなかったビーフシチューチャレンジしたい。西日暮里に行き、旅行の荷物の整理やら、溜まっていたメールの返信やら。原稿も書かねば。


わめぞイベントが、いよいよ発表になった。


第1回 月の湯古本まつり 〜銭湯古本浴〜


月の湯は昭和8年創業。木造破風造り建築で、浴場には富士山のペンキ絵、床は今ではめずらしい六角形のタイルを使ってある昔ながらのたたずまいの銭湯です。現在は週3日の営業。そんな定休日銭湯をまるまるお借りして、古本市とトークショーを開催。カフェスペースもご用意いたします。


■日時 4月5日(土)11:00〜18:30 雨天決行

■会場 月の湯 

東京都文京区目白台3−15−7

http://www.bunny.co.jp/zousi/shop/04.7_15tukino.html

JR目白駅改札を出て左方向すぐの交番信号を渡ったところにあるバス停から、都バス新宿駅西口」行き(白61系統)乗車、5つめの「目白台三丁目」下車。降車して左方向最初の路地曲がりすぐ。徒歩1分。


古本市(場所:女湯 風呂場、脱衣所)

参加者

火星の庭仙台http://www.kaseinoniwa.com/

古書ほうろう千駄木http://www.yanesen.net/horo/

オヨヨ書林根津https://www.oyoyoshorin.jp/

古本コリオヤジ(林哲夫http://sumus.exblog.jp/

善行堂(山本善行http://d.hatena.ne.jp/zenkoh/

ふしあな書店扉野良人

岡崎武志堂(岡崎武志http://d.hatena.ne.jp/okatake/

古本けものみち南陀楼綾繁http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/

文壇高円寺荻原魚雷http://gyorai.blogspot.com/

ハルミン古書センター浅生ハルミンhttp://kikitodd.exblog.jp/

エエジャナイカ(北村知之)http://d.hatena.ne.jp/akaheru/


わめぞオールスターズ

古書現世立石書店藤井書店/m.r.factory武藤良子)/

旅猫雑貨店リコシェ/ブックギャラリーポポタム/bukuぶっくす

退屈文庫/琉璃屋コレクション ほか


◎トークショー(場所:男湯 風呂場)

■第1部 14:00〜15:00

岡崎武志さん「坂を登れば文学がわかる」

「坂」が出てくる小説を通して岡崎武志さんが文学をわかりやすレクチャーします。 定員30名。


■第2部 16:00〜17:00

大竹聡さん、遠藤哲夫さん「酒とつまみと男と男」

「酒とつまみ」編集発行人の大竹聡さんと、「大衆酒場詩人」の異名を持つ『汁かけめし快食学』(ちくま文庫)の著者である遠藤哲夫さんの酒飲み話。公開飲み会です。 定員30名。

▼予約受付は3月1日(土)から。予約方法は「わめぞブログ」にて改めて発表します。3月1〜2日に開催の古書往来座外市会場でも受付いたします。 http://d.hatena.ne.jp/wamezo/ 

入場料は両トーク共に、銭湯と同じ各430円。


カフェ(場所:男湯 脱衣所)

萬福亭チキンライス古書ほうろう

焼き菓子/mws a point(ムーズアポワン・目白http://mws.holy.jp/blog/

お茶乙女湯のたしなみ http://otomeyu.exblog.jp/

ソフトドリンク各種、ビール酒類の販売もあり

※数に限りがございます。売り切れ次第終了となります。


■注意!

トークショー開催中は,トーク参加者以外の方はカフェをご利用いただけません。古本市スペースは終日出入り自由です。


主催わめぞ http://d.hatena.ne.jp/wamezo/

こういう場所を使うというアイデアも凄いけど、これだけ多くの人や店を組み合わせる力にも感心する。昨年秋の一箱古本市に出品していた「乙女湯のたしなみ」というフリーペーパーがおもしろいよ、とこないだ瀬戸さんに云ったら、もう今回参加するコトになっているんだもんなあ。すべてのイベント主催者は、わめぞ民のフットワークの軽さを見習うべし。余談だが、こないだ〈ブーザンゴ〉の茶話会に来てくれた武藤良子さんが、「わめぞに比べると、不忍ブックストリートの人たちってみんな大人だなあ」と呟いていたのが可笑しかった。たしかに、そうかもしれないけど、わめぞでいちばん子どもっぽくて騒がしいなのは、武藤さん、アンタでしょ!


日本学生支援機構(昔の日本育英会)から、「奨学金返還完了通知」が届く。180万円を15年かかって完済したのだ。やっと終わったと感無量だ。ただしコレは大学院で受けていたほうの奨学金。学部時代の奨学金は、あと1回か2回払わねばならぬ。奨学金もらえなかったら、学部はともかく、大学院に進むコトはできなかったろうから、奨学金制度にはとても感謝している。あと、無利子のを受けることができたのもありがたかった。

mr1016mr1016 2008/02/18 22:44 ナンダロウさん、それは誤解というものです。武藤はわめぞでは静かなほうです。たぶん。なんというか、「わめぞ」が赤川次郎だとすれば、「不忍」は横溝正史な世界でした・・・。

kawasusukawasusu 2008/02/19 10:38 なんなの、その喩え……。そんなにドロドロしてないですよ、こっちは。ただ、メンバーに地方出身者が多いのは事実。わめぞは東京生まれの人、けっこう多いからね。

okatakeokatake 2008/02/19 11:01 ううむ、「わめぞ」に東京っ子が多く、「不忍」に地方出身者が多いというのは、眼のさめるような指摘です。じゃあ、ぼくは「不忍」派だ。そういえば、「わめぞ」企画は「町」っぽく、「不忍」は「村」っぽいかもしれない。むりやり、ですけどね。

mr1016mr1016 2008/02/19 21:41 ドロドロとかではなく、本家本元の静かな力のようなものを感じたのです。あと、オヨヨさんは金田一さんのコスプレが似合うなぁ、とか。でも、町と村、おもしろいですね。

kawasusukawasusu 2008/02/19 22:50 岡崎さん、新著おめでとうございます。不忍メンバーにも東京生まれはいるのですが、いろんなところから集まってきたという感はつよいです。
武藤さん、ちょうどテレビで『犬神家殺人事件』観たので、オヨちゃんが推理するさまを思い浮かべて笑っちゃいました。

2008-02-16 午後2時・門司港 山の上の酒屋で角打ちを

8時に目覚ましで起こされる。すぐに着替えて、小倉駅に向かう。改札内うどん屋で、かしわうどんを食べ、門司港行きの電車に乗る。20分ほどで門司港に到着。街全体が「門司港レトロ」を売り物にしていて、駅舎も昔のカタチで保存されている。コインロッカーに荷物を入れ、タクシーで〈めかり会館〉(http://www.mekarikaikan.or.jp/)へ。関門橋のすぐヨコの海辺に建っている公営の宿泊施設で、風呂だけでも入ることができると牧野さんから聞いたのだ。老朽化などで今年の3月末には休業が決まっている。風呂は地下にあり、窓が全面海に面している。お湯はさほど熱くなく、ゆっくり浸かるのにイイ。背中に絵を描いたヒトを2人見かけた。タオルを持ってくるのを忘れたので、しかたなくハンカチでなんとか体を拭く。ホテルから持ってくればよかったなあ。1階の休憩室でお茶を飲む。昨夜ココに泊まったはずの生野さんに電話してみるが、つながらず。


外に出ると風が強く体が冷える。海に向いて建てられている和布利神社に参拝する。バスは1時間先なので、歩いて街まで戻ることに。いまは使われていない線路のヨコが、散歩道になっている。不思議な色をした三井倉庫(写真ではうまく写らない)などを見ながら歩いていると、「ナンダロウさ〜ん」という声が。走行中のタクシー生野さんと本田さんが乗っていた。なんだ、まだめかり会館にいたのか。手を振って別れ、〈国際友好記念図書館〉に行ってみる。この建物は「明治35年当時、大連市に帝政ロシアが建てたドイツ建築物を模してつくられたもの」で、北九州大連の縁の深さを考えても、この場所にある意味はあんまりない。中はアジア関係の資料を集めた図書館で、よく揃っているという印象だった。ただ、郷土資料はあんまりないので、館員に教えてもらって、老松公園の中にある門司図書館に行ってみる。小ぢんまりとして蔵書数も多くはなさそうだが、郷土資料はけっこうあった。『門司市史』などを拾い読みする。


それから、中央部にある栄町銀天街へ。落ち着いたカンジの商店街北尾トロさんの実家である〈松葉屋〉で、どら焼きの詰め合わせを買う。応対してくれた男性は、トロさんのいとこだった。すぐ先に〈宗文堂〉という新刊書店があり、登本壽典『北九州物語』(海鳥社)を買う。中原さんから「北九州が全国初というのは、24時間スーパー焼きうどん、それとパンチパーマ」だと教えてもらったが、あとの2つの創始者に取材した項がある。その数軒先を曲がったところに、〈佐藤書店〉という古本屋がある。軟らかい本は少なく、文学書や学術書が多い。署名本なども多く欲しかったけど、がまん。八尋不二の『時代映画と五十年』(學藝書林)と『好き放題』(白川書院)を買う。前者は3500円、後者は1000円。山中貞雄との交流など、読みどころが多いようだ。


同じ通りにある〈梅月〉という食堂へ。カウンターとテーブル5つほどの狭い店だが、繁盛している。大盛り焼きうどん(430円)を食べる。麺がふっくらしていてウマイ。牧野さんオススメ抹茶アイスクリームはこんど食べよう。近くに〈平民食堂〉もあるが、だいぶ前から休業中(『雲のうえ』5号で、エンテツさんがこの店の前で写っている)。まだ少し腹が空いているので、ナナメに入る路地にある〈中華 天和〉で、ちゃんぽんとやきめしのセットをペロリと食べる。旅に出ると、なぜかいつも胃拡張気味になる。


駅のほうに戻り、旧JR九州本社ビル、旧門司三井倶楽部、旧大阪商船などの古いビルを眺める。旧大阪商船は海野弘『光の街 影の街』(平凡社)にも取り上げられている(もうひとつ紹介されている正金相互銀行門司支店は見つからなかった。いまでもあるのだろうか?)。それから海岸沿いの道を歩いていると、昭和初期にできた二階建ての建物が目に入る。2階の窓に本が何冊か立てかけてあるのが見える。古本屋かと急いで上がるが、〈Blanc〉という雑貨店カフェインテリアとして置いてある本だった。しかし、店内は木の床で感じがイイし、窓から海が見えるので、座ってハーブティーを飲みながら、大佛次郎『冬の紳士』を読む。


まだ2時間ほど余裕がある。駅に戻り、今度は山のほうに歩いてみる。〈九州鉄道記念館〉のヨコの坂を登ったあたりが、清滝という地名で、古い木造建築が多く見られる。道を歩いていたら、目の前に巨大な家(木造三階建て)が出てきて驚く。《千と千尋の神隠し》に出てくるアレみたいに、上からのしかかってくる。元は〈三宜楼〉という料亭で、昭和5年に建てられたようだ(http://www.retro-mojiko.jp/news025.html)。


その先、少し歩くと〈魚住酒店〉という看板がある。細い山道をちょっと登ると、店というよりは普通のウチの土間みたいなところがあり、そこが角打ちのカウンターだった。客は一人もいない。奥には茶の間があり、夫婦テレビを見ている。声をかけるとおばさんが出てきて、応対してくれた。話し好きでいろいろ説明してくれる。「天心」の溝上酒造と共同でつくったという「うおずみ」という純米吟醸酒を飲む。イリコがひと盛り出され、それをつまみながら飲むとウマイ。昔は別の場所にあったという店の写真(隣に藤原新也実家旅館があったという)や戦前の酒のポスターを眺めながら、2杯飲んだ。店を出るまで、けっきょく誰も入ってこず、月並みだが、時間が止まったような場所に思える。大通りに出てからも、ホントにこんなところにあったのかと、思わず後ろを振り返ってしまった。しばらく、あっちこっちウロウロしてから、駅に戻る。


あと30分あるから、時間つぶしのつもりで、たいして期待せずに、駅舎の中にあるうどん屋に入る。すると7、8人いる客がみんな酒飲んでいて、しかもあとから5人も酔っ払いが入ってきたので驚く。おばさんが一人で店をやっているのだが、みんながてんで勝手冗談を云いつついろいろ頼み、それをおばさんがさばいていく。あまりにもアットホームなので、隣のおじさんに「ココはいつもこうなんですか?」と話しかけてしまう。ぼくにしては珍しい。おでんを少し食べ、ビールを飲むと時間になったので、荷物を持ってバス停へ。空港行きのバスに乗り、4時に北九州空港着。帰りの飛行機でもすぐ眠ってしまった。日暮里に着いたのは7時前。〈古書ほうろう〉に寄ってお土産を渡し、ウチに帰って、ふぐ雑炊を食べたら眠くなった。小倉門司と、とても濃密な一泊二日、北九州の旅だった。つぎは3日ぐらい滞在したい。

YozakuraYozakura 2008/02/18 20:09 綾繁さま
 上記に紹介されている「明治35年当時、大連市に帝政ロシアが建てたドイツ風建築物」ですが、実際に視認していないものの多分「旧・満鉄大連日本橋図書館」を模したものでしょう。ネットでも確認済みです。
 この建物は、当初は「東清鉄道汽船会社事務所」として竣工したものの、日露戦争後に「満鉄日本橋図書館」となり日本人などに広く利用され、現在は大連芸術展覧館として観光名所となっています。また、北九州市内には「国際東アジア研究センター」を始め、東アジア地域を対象とした種々の学術施設もあり「この場所にある意味はあんまり無い」とは、旅行者の皮相な感想ではないでしょうか?

 この旧・日本橋図書館(現・芸術展覧館)の様子は、以下のページに写真付きで解説が付されています。ご参考までに。
http://members3.tsukaeru.net/douraku/leaves3_090.htm

 他にも写真が掲示されたサイトがあります。ご関心あれば、検索して下さい。

kawasusukawasusu 2008/02/18 20:37 Yozakuraさま
どうも。この建物の歴史的意義はたしかにあるのでしょうが、門司港のこの場所にこの建物を模す必要はあったんでしょうか? 少なくとも、私はあの場所に立ったとき、違和感を覚えました。旅行者の皮相な感想なのはたしかですが。

北尾トロ北尾トロ 2008/02/20 16:52 松葉屋によっていただいてありがとうございます。どらやき、おいしくなかった?あいつは阿佐ヶ谷のうさぎやで、何年もひたすらどらやきの皮を焼いて修行した男なんですよ。

kawasusukawasusu 2008/02/21 12:09 北尾さま
どらやき、たしかにおいしかったです。生地がモチモチしていて。抹茶味とふつうのがあって、抹茶味のほうが好み。古書ほうろうにもおすそ分けしました。こんど、福岡で岡崎さんと対談されるんですよね?

YozakuraYozakura 2008/02/23 14:05 お手紙、拝見。
 返信、有難う御座います。実際に現地を訪問・視認して「あの場所に立ったとき、違和感を覚え」たのですから、それは綾繁さん個人の感想ですね。了解しました。

 大連にある本物の施設は何度も目撃視認し、内部も詳細に見学した経験がありますが、九州の模倣建造物は看たこともありません。元を糺せば大連にある本来の建物も、植民地に宗主国の国策企業が建設した「殖産施設」であり、地元住民とは殆ど関係がありません。それを模倣した建造物に「違和感を覚えた」綾繁さんの心理は、当然かも知れません。
 
 勝手に推測しますに、長年に亙り地域経済を支えてきた地場産業である炭鉱や製鉄業が斜陽後退する中で、新規産業の育成に励むものの、その効果が中々に顕在化しない現状に、地元の人々が募らせている不快感や焦燥が外観にも滲み出て、それが旅行者の眼にも「明らかな違和感を覚える」程だったのでしょう。
 お元気で。

魚住耕司魚住耕司 2008/03/04 07:19 北九州角打文化研究会の魚住と申します。
中原さんからご紹介いただきました。
門司港に、そして実家「魚住酒店」ご来訪いただき、ありがとうございますm(..)m
次回来北のときは、ぜひ「松永文庫」と大里の赤煉瓦館にも足を延ばしてください。お勧めします。
http://mojiko.com/
mixi ID 541596

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2008-02-15 午前1時・小倉 「くもり部」結成の瞬間

朝8時起き。昨夜、不忍ブックストリートメンバーと2時まで飲んでいたので、眠い。千駄木に行って荷物を用意し、10時半に出発。羽田空港から12時すぎのスターフライヤーに乗る。機内ではぐっすり寝た。北九州空港に着くと、いい天気。一昨日までは雪が降っていたという。中原さん、ヒューマンメディア財団のYさんが出迎えてくれる。同じ飛行機で来た有山達也さんと一緒に、小倉へ。


ホテルに荷物を置いてから、中原さんと出かける。このホテル、目の前が旦過市場という絶好の場所にある。旦過市場は昨年秋にも来ているが、地元民のための市場というカンジで、なんでも揃う。一回りしてから、〈赤壁酒店〉に入る。北九州では立ち飲みのコトを「角打ち」と云うのだが、ココも奥で角打ちをやっている。すでに2、3人先客がいる。店と市場とは、酒を並べた棚で仕切られていて、外から見えにくくなっている。外のがやがやという音を聞きながら、昼間から酒を飲むことに背徳的なヨロコビを覚える。地元の「天心」という日本酒を飲みながら、煮物や鯖の煮つけを食べる。


イイ気分になり、駅のほうに歩く。中原さんの行き付けだという寿司屋ビルの二階にある、隠れ家的な店)に行き、いろいろ手の込んだつまみを食べ、寿司をちょっとつまむ。ココでもビール少々。だんだん気が大きくなってきた。5時すぎたので急いで、待ち合わせ場所のホテル喫茶室へ。有山さん、牧野伊三夫さん、大谷道子さんに挨拶今日はここに中原さんを加えた4人の『雲のうえ』スタッフディスカッションを、ぼくが司会することになっている。


会場は近くのビル会議室。しだいにヒトが集まってくる(最終的には100人近かったようだ)。6時にスタートして、まずぼく一人で話す。一読者として『雲のうえ』の感想を語り、タウン誌ミニコミフリーペーパーという3つの視点から、ぼくなりの位置づけをさせてもらった。時間が足りなくて、最後はかなりの早口になってしまったが、酒が入っている分、いつもより喋りが流暢だったかもしれない。休憩を挟んで、4人に登壇してもらい、ディスカッション開始。各自の関わりから話してもらうが、みなさん反応が早く、司会しやすかった。いろんなハナシが出たが、有山さんや大谷さんが、「地元出身の牧野さんのやりたいことを具現化するのが、自分の仕事」とおっしゃっていたのが、印象的だった。その牧野さんは、小倉という街についての思いを静かにしかし熱く語っていた。故郷を離れても、あるいは離れているからこそ、つよい郷土愛を持ちつづけている。自分もそうだから、なんだか嬉しかった。終わりの30分は質疑応答にしたが、けっこう質問が多かった。北九州市担当者(グーゼンにも出雲の出身)が、自分のコトバできちんと話してくれたのも、よかった。たちまち予定の3時間が終了。うまくいったので、ホッとする。


終わって、駅近くまで戻り、酒屋の奥の倉庫みたいな場所で打ち上げ。角打ちにしては広すぎる。スピークイージーみたいでオモシロイおでん焼き鳥うまい。40人はいたんじゃないか。10時に閉まるというので、駆け足の打ち上げになった。当然みんな飲み足りず、二次会に行くことになる。しかし、大人数を収容する店が見つからず、いくつかのグループに分かれてしまった。ぼくは、牧野さんに付いていき、〈ビッグ・ベン〉というバーに入る。牧野さんの友人で中学の教頭の田口さん、ブックオカ生野さんと本田さん、小倉在住のライター・正井さんの6人で、テーブルを囲む。正井さんは去年ブックオカでのぼくのトークに来てくれ、神戸在住時につくったという「皆様新聞」というフリーペーパーを渡してくれたのだった。偶然なのだが、今日のトークでそのフリペを見せようと持ってきていた(時間切れで見せられなかったが)ので、それを取り出してみんなに見せる。


ウイスキーや変わった飲み方のブランデーなどで、みんな酔ってきた。物怖じしない娘の生野さんが、ダンディ系ふっくりの牧野さんをいじる。「牧野さんは酔うとメガネの片方が曇る」というハナシから、どういう経緯だったか、「くもり部を結成しよう」というハナシになる。世の中の明快なはっきりしたものを曇らせるのが、その活動だとか。牧野さんが部長で、本田さんがマネージャー、正井さんが編集長で、田口さんは教頭、生野さんは「姫」という名の何でも係になり、ぼくはナゼか顧問に任命される。生野さんは、さっそくくもり部のロゴをつくるらしい。そのうち、フリーペーパーができるかも。こんな馬鹿げたハナシを熱心に3時間ぐらい続けていると、2時になってしまった。タクシーホテルまで送ってもらい、ベッドに倒れこんで眠った。

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2008-02-14 北九州に行きます

昨日は夜8時に小川町の〈neoneo坐〉(http://neoneoza.exblog.jp/)へ。ドキュメンタリー専門の映画館ということで前から行ってみたかった。いつも歩いている通りの近くにあったんだ。今日は入場無料だが、カンパ500円。床に座らせられるのかと思っていたら、ベンチがあった。20人で満席といったところ。


今夜は「短篇調査団」(http://d.hatena.ne.jp/tancho/)の太鼓の巻。太鼓邦楽にかかわる4本を上映。2本目にやった《琵琶 日本の伝統音楽》(1980)は、東映教育映画部にいた萩野正昭さんが監督したもの。先日この作品をやることを知ったので、萩野さんにメールで知らせたら、ご本人も観に来ていた。3本目は岡本忠成監督人形劇《おこんじょうるり》(1982)。病気を治すじょうるりを語るキツネが出てくる。このヒトの人形劇は何本か観ているが、最初はナナメ見しているのだが、だんだん引き込まれてしまう。これらのフィルム日比谷図書館から借りてきたもの。毎月2回、テーマを替えて短篇上映会をやっているので、また来よう。


今日は午後に打ち合わせがあり、夜は不忍ブックストリート会議がある。その合間に、いろいろ連絡したり書類をつくったりと忙しい。明日は以下のシンポジウムに出るため、北九州に行きます。読者の立場から『雲のうえ』をどう読んだか、というハナシをしたいと思っています。北九州博多の方、よかったら見に来てください。


第8回 市民プロデューサー養成講座「モノ・コトを起こす」

「雲のうえ」の仕事情報発信媒体としてのフリーペーパー


出演

大谷直子編集長

有山達也アートディレクター

牧野伊三夫(イラストレーター

中原蒼二プロデューサー

南陀楼綾繁(司会進行)


2月15日(金)18:00〜21:00

KTI大ホール

小倉北区浅野3丁目8-1 AIMビル8階

参加費 1,000円


講座予約・お問い合わせ

ヒューマンメディア財団開発部メディア振興課

tel 093-512-8007

fax 093-511-0801

Email a-yoshitake@human-media.or.jp

2008-02-12 ついに入手、『日々の死』【訂正あり】

夕方に三鷹の〈上々堂〉へ。モクロー棚の売り上げ(今回少ない)を受け取り、大仏次郎エッセイ集を2冊買う。それと、山川方夫『日々の死』(平凡社)が1500円で出ていたのでコーフンする。函や本体の背継ぎ表紙はずいぶん痛んでいるが、破れてはいない。真鍋博展覧会で見て以来、いつかは手元に置きたいと思っていた本だったので、こんなに安く買えて嬉しい。


【訂正】アップしたあと、アレっと思って過去ログを検索してみたら、この本、一昨年の10月に2500円で入手しているではないか(http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/20061013)。これだけ大騒ぎして買った本のことをすっかり忘れているとは。いよいよヤバイかもしれない。おのおのがた、あざ笑ってくださいまし。


そのあと八王子へ。先週も取材で来たばかり。〈くまざわ書店〉で中里和人さんと交通新聞社のTさんと待ち合わせて、中里さんに〈酒蔵 多摩一〉連れていってもらう。ビルの地下にあって、ほどほどに雑然としていて、ほどほどに静かな店だった。普段は飲まない日本酒の熱燗をけっこう飲んだ。「一箱古本市week」で中里さんにワークショップをやっていただくハナシ、面白いアイデアが出てくる。終わりごろ、写真家白石さんも合流。いい機嫌で飲んでいたら11時になったので、急いで駅へ。西日暮里には12時半着。やはり八王子は遠い。

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2008-02-11 大佛次郎と都筑道夫と古書ほうろうと雑誌いろいろ

この週末から名古屋で「Bookmark Nagoya」が始まっている。〈リブロ名古屋店の「名古屋古本市」には、南陀楼の「古本けものみち」も出品している(同じ屋号で〈古書ほうろう〉にも出してもらっている)。期間中にいちどは名古屋に行くつもりだけど、まだいつになるか決まっていない。仙台福岡のようには、トークなどで呼ばれなかった(ちょっと残念)ので、自動的に日程が決まらないのだ。たぶん終わりのほうに行くコトになるのでは。


かたや、「一箱古本市week in不忍ブックストリート」の準備も着々進行中。すでにいくつかライブや展示が決まっているし、会場を提供してくれるカフェギャラリーなども出てきている。3月中にはだいたいの概要を決めたいと思っている。なお、「一箱古本市week」はいまのところ、4月26日(土)〜5月5日(月・祝)ですが、イベントの都合によってはもう一日ぐらい延びるかもしれません。


大佛次郎記念館に行ったとき、受付で、福島行一『大佛次郎』上・下(草思社)を見つけたが、その場で買わず、「日本古本屋」で買った。この作家のコトをほとんど知らなかったので、とても面白い。しかし、大佛の性格や人間関係などをいきいきと描いている上巻に対して、下巻に入ると、大佛の主要作品の解説が中心になってくる。文壇における作家との交流とか、戦後雑誌『苦楽』を発行したこととか、いくらでも知りたいコトがあるのに。


で、物足りないなあと思っていたのだが、さっき〈古書ほうろう〉に寄ったら、金田元彦『私の鵠沼日記 大佛次郎幸田文の思い出』(風間書房)という本があった(前からあるのに気づいていたけど)ので、評伝の補足になればと思い、大佛次郎『冬の紳士』(講談社・大衆文学館)とともに購入。先日買った、『大佛次郎随筆全集3 病床日記ほか』(朝日新聞社)もあるので、しばらくの間、大佛次郎マイブームが続きそう。


大佛次郎といえば、未知谷からの「大佛次郎セレクション」は第一期・6巻が完結し、第二期も刊行されるとのこと。また、『鞍馬天狗』がNHKで放映中だ。これらの動きに合わせて、〈ジュンク堂書店池袋本店で今月一杯、大佛次郎ブックフェアが開催中だ。16日(土)には、大佛次郎研究会村上光彦氏と海野弘さんのトークセッションもあるのだが、残念ながらその日は東京にいないのだった。


ほかに今日ほうろうで買ったのは、100円均一棚から、『苦くて甘い心臓』(角川文庫)など都筑道夫を3冊。こないだ久しぶりに〈ささま書店〉に寄り、そこで光文社文庫の「都筑道夫コレクション」を2冊買った。都筑本は自薦集や傑作集が多く、この「コレクション」の表題作も以前に読んだものが多かったので、手を出さずにいた。しかし、本格推理篇の『七十五羽の烏』には、長編の表題作ほか、シリーズ探偵3種(キリオン・スレイ、退職刑事、なめくじ長屋)から短篇2編ずつが採られており、さらに、それらに関係するエッセイが入っていて、コレ一冊で、都筑道夫の本格推理の概要がつかめるという憎い編集ぶりなのだった。それでつい、均一にも手が伸びたのだ。ある書き手が気になっているときに、ほうろうに寄ると、びっくりするぐらいのタイミングで、その人の本が見つかることがよくある。


書くのが遅れたが、最近届いた雑誌メモしておく。「入谷コピー文庫」最新刊は、本田順『浅名アニキ2007 旅愁編』。影坂狩人あらため文志奇狩都あらため竜超さんから『薔薇族』。内藤ルネの特集。この特集だけでなく、過去の『薔薇族』の誌面から面白い部分をピックアップする方針のようだ。そういうコトに力を入れるのはいいのだが、「いま」のゲイ世界についての記事が(この号に関しては)まったくナイのが惜しい。意図してやっているとは思うけど、商業雑誌というよりは同人誌ミニコミの色が濃くなっている。今柊二さんから『畸人研究』第24号。特集「韓国定食・北朝鮮グルメ」。三宅さんから『貸本マンガ史研究』第19号。編集後記で〈書肆アクセス〉閉店とアクセス本について触れられている。アクセスがなくなったいま、上の4誌が書店に同時に並ぶ様子は想像しづらくなった(タコシェぐらいか)。ただし、〈三省堂神保町本店4階の地方出版物コーナーは、かなり頑張っていると思う。こないだ行ったら、エスカレーターを上がったところでも小出版物のフェアをやっていた。ただ、義理からなのか、ぼくの著書を平積みしてくれるのはアリガタイけど、新刊ではないしそんなに大量に売れないでしょうから、2ヶ所もも3ヶ所も置かないで下さい>三省堂さま。気のせいか、どうもゾッキ本っぽく見えるんだよなあ。


このブログは、数日前に85万アクセスを超えました。ありがとうございます。

chouryuuchouryuu 2008/02/11 20:50 南陀楼さま、竜 超です。ご紹介いただき、ありがとうございます! 「歴史ムック」というコンセプトのものなので、現状の部分についてはあえて割愛してるんですが、その部分について言及する冊子なども、もうちょっと余裕が出たら手をつけたいと思っております。そのときはまたご批評お願い致します!

kawasusukawasusu 2008/02/14 09:34 あのページ数で、いまのニュースまでというのは欲張りかもしれませんが、少しでも入れるほうが雑誌っぽいかなと思いまして。

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2008-02-03 雪の日に聴く渋谷毅ソロ

しとしとという音がしているので、障子を開けたら、雪だったので驚いた。昨夜から降っていたのか、もうけっこう積もっている。明日は久しぶりに古本屋でも行くかなーと、昨日考えていたのだが、こりゃ、ちょっとムリだ。千代田線で一駅乗って、仕事場に行き、本を読んだり原稿を書いたり。昼はS社のKさんからいただいた〈池上〉のうどんを食べる。半生タイプだが、モチモチしていてウマイ。テーブルの上に『コーラス』があったのでパラパラ。表紙に「桐島いつみ ハムスター侍」とあったので探したが、最後まで出てこない。桐島先生、落としたのかなあと思って、目次を見るとそのヨコに1コママンガを描いている。続きは同誌のサイトを見よという。なんだかなあ。フツーに載っけてくれよ(いちおうサイトも見たけど)。


アマゾンで注文した、渋谷毅CD[solo famous melodies][solo famous composers]が届く。もともと1枚で出すつもりだったが、いいテイクが多かったので2枚にしたというもの。1枚30分なので、たちまち聴き終わり、もう一度聴く。渋谷さんのソロは、ライブでもそうだが、1曲で5分程度が多く、10分を超えることはめったにない。このアルバムもすべて6分以内に収まっている。たぶん、コレぐらいの長さが、ソロにおいては渋谷さんの生理にぴったり合っているんだろうな。前のソロ[Afternoon]と同じぐらいの愛聴盤になりそう。

みなみみなみ 2008/02/03 20:33 82年録音の最初のソロアルバム『渋やん』(アケタズディスク)も素晴らしいですよ。関西にみえられたら神戸のライブハウス『BIG APPLE』でよく愉しませていただいてます。一見(一聴?)タネも仕掛けもない淡々とした演奏なのに、原曲の美しさをあそこまで引き出せるのは、やはり渋谷マジックなんでしょうね。

kawasusukawasusu 2008/02/03 23:55 『渋やん』もイイですよね! 顔のアップのジャケットが好きです。もっともっとソロアルバム、リリースしてほしいですが。

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2008-02-02 村井弦斎と大仏次郎

西日暮里から横浜まで1時間みなとみらい線で終点まで乗り、そこから歩いて神奈川近代文学館へ。「『食道楽』の人・村井弦斎」展を見る。看板などに旬公のイラストが使われている。館蔵資料による展示で、書簡類が充実していた。本筋ではないが、弦斎の長女・米子関係で面白い書簡が。岡本一平黒田村井米子に出した手紙昭和14年9月17日)。岡本が顧問、米子アドバイザーになった雑誌の創刊について、出資者の森永製菓の「キャラメル主任」が異動したので、発刊が難しくなったというもの。解説に「母の日運動」についての雑誌とある。どんな雑誌だったのか、宣伝部の池田文痴庵はどう関わっていたのか、気になる。


【追記】ウチに帰って、『森永五十年史』(1954)を見ると、「母の日」という項目があった。


五月第二日曜に行はれる「母の日」運動はアメリカに発祥し、大正二年頃から我国でも全国の教会で行はれるやうになった。

昭和初期からこの運動は一般化して母の日大会等も開催されるやうになった。当社はこの崇高な運動に微力を捧げようと昭和十二年から全国的行事とした。(略)十六年迄全国主要都市満洲朝鮮台湾に亘って当社の母の日讃母式が行はれ、お母さんが主賓として招待されて、よい子達が「お母さん、ありがたう」と母を讃へ慰めた。

戦時中一時中絶したが、戦後昭和二十四年から再開された。


岡本一平は、森永キャラメルの内函容器に掲載する「昆虫漫画」を執筆しているので、その辺から雑誌発刊のハナシが出たのだろうか? 社史には役員の一覧も載っているが、当時の「キャラメル主任」が誰なのかは判らなかった。



2階のホールで、黒岩比佐子さんの講演「『食道楽』と日露戦争」。観客は100人ぐらいか。弦斎、国木田独歩日露戦争伝書鳩という、黒岩さんがやってきたテーマ縦横無尽につなげ、100年前の日本について語っていく。たくさんのエピソードをおしげもなく披露されていて、観客を沸かせていた。ラストで、弦斎と同時代のアメリカ人作家との意外なつながりを紹介されていた。たしかに新発見だ。終わってから続いてサイン会が始まるので、黒岩さんに挨拶は出来ず、紀田順一郎さんと少し話してから会場を後にする。


カナブンでは、3月8日4月20日まで、新収蔵資料展として「山本七平山本書店」という展示を行なうとのコト。櫻井書店関係の資料も出るようだ。


待ち合わせまでまだ時間があるので、同じ公園の中にある大仏次郎記念館に行ってみる。前は何度も通っているが、入るのは初めて。最近未知谷から選集が出たりして、大仏次郎の再評価がされつつあるので、興味を持ち始めてたトコロだった。いまNHKで『鞍馬天狗』をドラマでやっているので、「21世紀鞍馬天狗」という特別展が。大仏メモ原稿から映画ポスターまで、鞍馬天狗尽くしでナカナカおもしろかった。図録として刊行された『鞍馬天狗読本』(文藝春秋)を買い、館内の喫茶店〈霧笛〉でコーヒーを飲む。


外人墓地のヨコを通って、元町商店街に出て、石川町まで歩く。北口の改札で、中原蒼二さんと待ち合わせ、寿のはずれにある立ち飲みのモツ焼き屋に連れて行ってもらう。キャッシュオンデリバリーだが、二人の少年が運んできてくれる。家族経営なのだ。立っている客と座っている客がいるが、「椅子100円」とある。モツ焼きもレバ刺しも新鮮でウマイ。チャッチャと打ち合わせして、ビールからホッピーに替えて飲む。たまたま居合わせた中原さんの知り合い夫妻も一緒になり、9時前まで。石川町まで歩き、京浜東北線で帰ってくる。まだまだ横浜には、知らない場所があるなあ。


帰りに〈古書ほうろう〉に寄る。今日はココで「しでかすお友だち」の豆まきがあったのだが、見られなかった。1959年版の『日本映画館・人名商社録』(キネマ旬報社)2000円を買う。以前、同じくキネ旬の『全日本映画館録』1954-55年版を手に入れている。判型は1954-55年版が横長、1959年版がA5判。見比べると映画館の変化が判ると思う。

shomotsubugyoshomotsubugyo 2008/02/03 01:14 hisakoさんの講演会いいなぁ。わちきはオタさんのお知らせにもかかわらず、所用にて行けなかったのです。紀田先生ともお話できるなんてうらやましい。神奈川文学館は雑誌の端本をあつめるなど、どの図書館も絶対にやろうとしない本来の意味での収集をやっているので、ひそかに注目しておるところです。

神保町のオタ神保町のオタ 2008/02/03 06:43 わたしもこーそりと行きたかった。

HisakoHisako 2008/02/03 08:21 南陀楼さま、来てくださっていたのですね! どうもありがとうございました。客席を“観察する”ような余裕はまったくなくて、気づきませんでした。展示品のなかの村井米子さん宛の手紙、私はそこまできちんと見ていませんでした。会期中にもう一度、今度はじっくり展示を見に行こうと思います。

kawasusukawasusu 2008/02/03 11:46 Hisakoさん、みなさま、こんにちは
会場はお年を召した方が多かったですが、びっくりするほど反応がヨカッタです。真ん中に座っていたおじいさんはとくにすごくて、思わずHisakoさんに話しかけてましたね。講演の直前にネタになる事件が発生するというヒキの強さをうらやましく思います。僕もこんど某所で話すんですが、その前になんか起きないかなー。

HisakoHisako 2008/02/03 13:00 農薬入りギョーザのおかげ(!)、なんて言うと罰が当たりそうですが。それより、「キャラメル主任」って気になりますね。米子さんは、森永創業者の森永太一郎が平塚の家に来てマシュマロをつくったのを少女のころに食べて、つくりたてのその味が忘れられない、と書いていますから、森永との付き合いはとても長いことになります。岡本一平が顧問でどんな雑誌が出るはずだったのか……。

2008-02-01 この仕事をしていてよかった

もう2月だ。積み残しがさらに積み重なる1月であった。3日間、部屋にこもっての格闘の末、『yom yom』の「小説検定」、なんとか出来上がる。今回のテーマは、(自分から云い出したとはいえ)普段の読書からは縁遠いものだったので、本を集めるのに1ヶ月、積みあがった本を読むのに1ヶ月かかった。問題をつくり始めてからは、足りない部分が見えてきて、もう一度書店に行くことになる。


問題づくりを念頭において、本を読むのは全然楽しくない。積みあがっている本を目に入れないようにして、手近な本に逃げる日も多かった。読んだものを頭の中で解体・再構成してクイズをつくるのは、正直云って苦痛だ。なるべく多くの読者が挑戦できるようにするために、自分の好みは極力抑えないといけない(それでも難しい、マニアックという声が多いけど)。


だけど、普段読まない本を読んで、「この作家、こんなに上手かったのか」「食わず嫌いでバカにしていてスマン」と思わされることも多い。仕事で読んでいることを忘れて没頭するときもある。今回は全体の6割が初読の作品であり、その分、初めて読んで感心する作家が多かった。作品名は伏せるが、昨夜も上下巻の小説を、夜中までかかって一気に読んだ。それらの作家については、今後、ほかの作品も読むことになるだろう。こういう出会いがあると、この仕事を続けていてよかったと感じる。


困るのは、面白い小説=問題をつくりやすい小説ではないコトだ。せっかくイイ作品なのになあと思っても、どうしても設問をひねりだすことができず、捨ててしまったものが結構ある。ただ、ぼくはこの「小説検定」を「クイズの形式をしたブックガイド」のつもりでつくっているので、どうしても紹介したい作品については、ちょっとばかり無理筋の設問であっても、なるべく入れるようにしている。


というワケで、しばらく先ですが、2月末に『yom yom』第6号が出たら、手に取ってください。それにしても、もう6号かぁ。こないだ創刊したばかりのような気がするけど。


昨日、〈往来堂書店〉で買った、山上たつひこ能登の白クマうらみのはり手』(小学館クリエイティブ)を読む、江口寿史監修の「山上たつひこ撰集」(全5巻予定)の第1巻。編集フリースタイル吉田保さん。一時期、古本屋でこのヒトの短篇集を集めていたので、半分以上は読んでいた。解説で江口が書くように、「漫画の単行本が現在のように、装丁や構成を含めたパッケージングに気をつかい出したのはそう古いことではない」。『がきデカ』『喜劇思想大系』など何度も復刊された作品を除けば、多くの山上たつひこ作品は「出しっぱなし。作品の重複はあたりまえの散乱状態」だった。それを踏まえたうえで、こういう選集が出るのはウレシイ。できれば、最終配本には山上たつひこの作品リストを入れてほしい。もう一冊は、磯谷友紀『本屋の森のあかり』第2巻(講談社)。相変わらず、メルヘン書店像です。この店の副店長は「一月に300冊読む」そうです。福田和也か。

山の上山の上 2008/02/02 09:29 2月3日の情熱大陸は漫画装丁の祖父江さんですよ。ぜひ。

kawasusukawasusu 2008/02/02 09:31 山の上さま
情報ありがとうございます。そりゃ、見ないと!

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