埋まっていく本棚

kawasusu2008-02-27

朝8時起き。西日暮里で書評原稿を書こうとするが、うまくまとまらず、本棚に本を入れる作業に逃避。当初はおおざっぱにでもジャンルごとに棚をつくっていきたいと思っていたが、やりだしてみると、積みあがった本を納めるだけで精一杯。押入れや外の倉庫に入れてあるダンボール箱の本までは棚に入れられないコトが判明。いや、これまでの「二重積み」をやめるために奥行きの狭い棚を買った時点で、そんなことはよく判ってたんだけどね。改めて厳然たる事実を突きつけられました。


とりあえず、念願だった『彷書月刊』のバックナンバーをひとつの棚に収めて、ちょっとイイ気持ち。しかし、これまで分散していたので、けっこう抜けている号がある。ドコかにあるはずなんだが。ダブりの号が25冊(うち1冊は同じ号)あったので、先着1名さまにセットで差し上げます。どの号が入っているかは開けてみてのお楽しみ。送料(着払い宅急便)は負担してください。お名前・住所・電話番号・このブログの感想を一言書いて、メールでお申し込みください。【2月28日追記】数件申し込みがあり、最初の方にお送りしました。外れた方はごめんなさい。受付は締め切りますが、感想だけのメールも歓迎します。


この写真は、『出版ニュース』1999年10月中旬号の表紙に載った、ぼくの本棚の写真。西日暮里の一軒家に住んでいた頃。本は2階に置いていたのだが、危険を感じて引っ越したのだった。いまは手放したり実家に送ってしまった本が見える。まだタバコを吸っていたらしく、灰皿も。このときの取材は、同誌のデザイナーとその助手だったのだが、たいしてハナシも聞かなかったのに、勝手な文章を入れられて激怒した。いま読み直すとちょっと笑えるので、一部引用しよう。

少年の頃のことだそうだ。出雲から上京してきた河上さんは、神保町の古書店街に狂喜した。両の手提げいっぱい本を買い込み帰郷したそうである。その本好きの少年が大学を出、出版界で働くようになると、読みたい本、読まなければならない本、作った本、さらに買っておきたい本などが本棚に溢れ、限りなく増殖していった。さらに、河上さんには好きなものが増えた。奥さんである。(略)


古本ポエムですか(笑)。載った当時、周りからかなり冷やかされたものだ。このデザイナーは、目次ヨコにも「表紙の言葉」というのを書いているが、これがいつも、表紙に出てくるヒトや出版社とはほとんど関係ない、自分語りなのである。これが通用しているのが不思議でたまらない。


yom yom』第6号到着。通常の1・5倍に増ページ、定価も780円になっている。特集は「ファンタジー小説の愉しみ」。稲垣足穂「第三半球物語」も掲載(野坂昭如の「一秒が一年――わがタルホ頌」というエッセイが付いている)。「私の本棚」には南伸坊さん登場。内澤旬子『センセイの書斎』(幻戯書房)に出てくる、あのフタつきの本棚だ。南陀楼の「小説検定」、今回のテーマは「恋愛」。ムリめなテーマですが、頑張ってみました。新潟市斎藤健一さんから、詩誌『乾河』第50号が送られてきた。斎藤さんは林哲夫さんの友人のようだ。新書館からは、久世番子(画)、大崎梢(原作)『配達赤ずきん』をいただく。同書と4月発売の『番線』の両方を買った読者全員に、特別版の小冊子がもらえるサービスが。タイトルは『本棚からぼた餅』だって(http://www.shinshokan.co.jp/comic/w/w_index.html)。


数週間前に編集長が交代した『週刊現代』。デザインはそのままだが、「ワイド特集」とは別に1ページの記事欄を設けるなど、ちょっとずつ変えているようだ。スゴイのは今号からはじまった、「こちら週刊現代突撃班」というマンガ。絵も構成もナニもかも古くさい。同じ週刊誌編集部を舞台にしたマンガでも、『働きマン』とは百光年ぐらい距離がある。「話題の人物、事件の現場に、凸凹新人記者コンビが体当たりで迫る!!」」というコピーもなあ……。


山本善行さんのブログで知ったのだが、読売新聞夕刊で始まる唐十郎の小説「朝顔男」の挿画を、うらたじゅんさんが担当する。うらたさんのブログ(http://junmilky.exblog.jp/)には3月3日スタートとある。友人同士であり、お互いがん患者である旬公とうらたさんが、ほぼ同じ時期に新聞小説の挿絵を描くとはスゴイ偶然なり。二人とも長丁場なので、くれぐれも体には気をつけて頑張っていただきたい(from窓際夫)。


4時前に休業日の〈古書ほうろう〉で、あるミニコミを受け取る。偶然だが、明日のインタビューのための資料でもある。取り置きしてもらっていた野尻抱影『三つ星の頃』(北宋社)2000円も買う。著者唯一の短編集を復刻したもの。装画は谷内六郎。小ぶりで愛らしい造本は、西岡武良の手になるもの。解説によれば、元の本は大正13年に出ている。そのあと、「一箱古本市week」中に開催する展覧会の打ち合わせが、立て続けに2本あった。ふたつとも、すごくオモシロイ展示になりそうなので、ご期待ください。会場のひとつである〈ブーザンゴ〉で、大佛次郎『旅の誘い』(講談社文芸文庫)、『都筑道夫恐怖短篇集成』1、2(ちくま文庫)、斎藤美奈子『モダンガール論』(文春文庫)を買う。見切り本カゴに、日夏耿之介『風雪の中の対話』(中公文庫)がナンと200円で入っている! 扉と解説に書き込みがあるけど、コレは安い。ありがたく買う。展覧会をやっていただくIさん、旬公と〈大栄〉で夕飯。