ナンダロウアヤシゲな日々

◎この日記は、ライター・編集者の南陀楼綾繁が書いています。
◎新刊『町を歩いて本のなかへ』(原書房)発売中です。
◎著書『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『谷根千ちいさなお店散歩』(WAVE出版)、『小説検定』(新潮文庫)、『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)、『路上派遊書日記』(右文書院)、『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『老舗の流儀 戦後六十年あの本の新聞広告』(とうこう・あい監修、幻冬舎メディアコンサルティング)、編著『チェコのマッチラベル』(ピエ・ブックス)、共著『ミニコミ魂』(晶文社)。
◎ご感想・ご連絡は南陀楼綾繁 まで。
◎「不忍ブックストリートの一箱古本市」は毎年春に開催します。
詳細は不忍ブックストリート公式ホームページもしくは、しのばずくん便りをご覧ください。
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2008-08-31 秋も一箱古本市、もうすぐ店主募集開始!

不忍ブックストリート青秋部より、「秋も一箱古本市2008」の店主募集の告知です。応募受付は9月7日(日)午前0時から。

http://d.hatena.ne.jp/seishubu/20080831

もう通算で7回、秋だけでも3回目になるのか。早いなあ。秋の一箱は、青秋部の二人がむちゃくちゃ優秀なので、ぼくらはあまり手伝うことはなさそう。最初のときはいろいろ相談してきたもんだが。立派にひとり立ちしたことを嬉しく思いつつも、ちょっとさびしい気も。もちろん、助っ人の一人としては手伝います。今年も自転車部隊で、トートバッグ(まだ少し余っている)とけものみち文庫を売ろうっと。


火星の庭〉のサイトによると、仙台で「BOOK! BOOK! Sendai(ブック ブック センダイ)」が結成され、最初のイベントとして10月25日(土)〜11月3日(月)に古本市が行われるとのこと(http://bookbooksendai.com/)。それから、正式発表はもう数日あとだが、鳥取県米子市でも9月末に一箱古本市をやることが決まっている。これに、9月から3ヶ月連続大阪貸本喫茶ちょうちょぼっこ〉での「古本男子」、東京でのわめぞ外市」および「月の湯」、11月の福岡ブックオカ」を加えれば、「一箱系古本イベント」(と勝手に命名)は、文字通り全国に広がっている。そのうち、カレンダーをつくらなきゃ。


ポプラ社から市川慎子『おんな作家読本〔明治生まれ篇〕』(1600円)届く。林芙美子吉屋信子森茉莉、中里恒子、城夏子、宇野千代など、市川さんが大切に読んできた女性作家について、テキストだけでなくいろんな資料を総動員して、その良さを伝えようとしている。〈海月書林〉の8年間の経験が注ぎ込まれていて、コレは市川さんじゃないと書けなかった本だと思う。先日の栗原裕一郎さんとのトークを聴きにきてくれた、ソフトバンククリエイティブのKさんからは、岡田有花ネット人生、変わりましたか?』とソフトバンク新書近藤正高私鉄探検』を。本人があとがきで書いてる通り、近藤さんの初の著書が私鉄についてというのは意外だった。


午前中は仕事場で、あれこれ。〈ときわ食堂〉で昼飯のあと、一度ウチに帰る。旬公と千駄木で落ち合うことになっていたからだが、連絡つかず。仕方ないので、4時前に出かける。今日今日とて、〈シネマヴェーラ渋谷〉。まず、牧口雄二監督《毒婦お伝と首切り浅》(1977)。《戦後猟奇犯罪史》や《徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑》牧口監督で、このタイトルとくれば画面いっぱいに血が飛び散るものと覚悟して望んだが、ほんわかしたオープニングの音楽に力が抜ける。しかし、これは傑作。明治犯罪史でもっとも有名なお伝の事件を、ボニー&クライドばりに痛快な青春ギャング活劇に仕立て直しているのだ。お伝役の東てる美は演技がうまく、エロカッコイイ刑事役の汐路章もなかなか。ノークレジットだが、川谷拓三巡査役でちょっと出て、井戸に突き落とされていた。62分という短さで、物語を消化しきった牧村の腕にも驚嘆。史実と違うなどと云うのもヤボだが、お伝の墓は海辺ではなく谷中墓地にある。首切り浅右衛門がお伝を処刑した、というのは、山田風太郎明治モノにあったような、なかったような。


もう一本は、中平康監督《闇の中の魑魅魍魎》(1971)。中平自身がプロデューサーになってつくった意欲作で、土佐の「絵金」という特異な画家を描いている。自分の絵を獲得するまでに、あらゆる逸脱を試みる絵金を麿赤児が演じている。目の力だけでもすごい。ただ、映画として面白かったかと云われると、ちょっとツライ。終わって外に出ると、また雨がドシャドシャと降っていた。

シモシモシモシモ 2008/09/03 02:04 あの〜、牧村雄二ではなく、牧口雄二なんですけど・・・。

kawasusukawasusu 2008/09/03 09:07 ご指摘どうも、直しました

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2008-08-30 上野図書館から《ガス人間第1号》へ

今朝は10時前まで寝坊。天気がイイので、出かけるまで布団をちょっと干す。千代田線根津まで出て、言問通りを上がる。上野桜木町にしばらく前に開店した〈群言堂〉を覗く。世界遺産で有名になった石見銀山のある島根県大田市に本店があり、地元町おこしシンボル的な存在。このショップでは、服がメインで、あとは器とか山陰の産物とかが売られている。マンションの地下だが、テラスもあり、広い。ココでライブとかやったら楽しそうだなあ。島根県人つながりというコトで、貸してくれないかしら。


さらに歩き、〈国際子ども図書館〉で「チェコへの扉」展を見る。故・千野栄一さんのコレクションをもとに、チェコ絵本起源から著名作家画家、取り上げられたテーマなど、丁寧に見せており、とても勉強になる。欲しい本もずいぶんあった。図録が出ているから買おうと思ったら、見本だけで現物が置いてない。受付にあるのかと思って下に降りたら、「会場で聞いてください」とのこと。戻って尋ねると、「印刷会社で販売しているので、紙に書いて申し込んでください」と。??? とっくに出来ているのに、なぜココで売らないの? 商業出版物でもないのに。しかも、送料300円取るなんて、ふざけてる! あとで、行ったヒトに訊いたら、前は会場で売っていたとのこと。なんかのトラブルか? それとも売り切れて増刷しているのか? だったら、そう書いておくべきだ。


館を出て、上野公園の中を歩いていると、ポツポツ雨が降り始め、駅につく頃には大雨に。園内に、国立博物館に入るために座り込んでいた人たちがいたが、ずぶ濡れになったのでは。京浜東北線横浜駅へ。駅地下にある〈有隣堂〉で、柳広司ジョーカーゲーム』(角川書店)、葛井欣士郎『遺言 アートシアター新宿文化』(河出書房新社)、前川公美夫編著『頗る非常! 怪人活弁士・駒田好洋の巡業奇聞』(新潮社)を買う。この店、シブい新刊ばかり並んでいた。まだ時間があるので、喫茶店へ。奥の席に、近くの店の休憩なのか、制服を着たおばさんが6、7人いて、わいわい云っていた。駅に戻り、Mさんと待ち合わせ、『彷書月刊』の取材なり。


東海道線に乗って、品川で乗り換え、渋谷へ。映画の次の回まで時間が空いたので、最近気になっていた〈なぎ食堂〉に行こうとするが、近くまで来ているハズなのに見つからない。迷っているうちに、またも大雨に。〈シャノワール〉で雨宿りする。道玄坂に出て、〈シネマヴェーラ渋谷〉へ。ロビーで『ジョーカーゲーム』を読む。おお、おもしろいぞ。今日映画、まずは本多猪四郎監督《ガス人間第1号》(1960)。有名な映画だが、初めて観る。土屋嘉男演じるガス人間が勤めているのが上野図書館、というのは、冨田均東京映画名所図鑑』(平凡社)で知っていたが、その上野図書館がいま国際子ども図書館になっていることをすっかり忘れていた。なんだ、さっき行ったトコロじゃないか。すごい偶然。もう一本は、佐々木浩久監督《実録外伝 ゾンビ極道》(2001)。これはイマイチだった。《仁義なき戦いフリークなのは判るけど、ソレだけじゃあなあ。


帰りの電車で、『ジョーカーゲーム読了柳広司の作品としては、凝ってない方に入るだろうが、サスペンス度は無類だ。チェスタトンの『木曜の男』を彷彿させる。ところで、帯に書店員の絶賛コメントを並べるのはもうやめない? 自分の店のPOPならナニ書いても自由ですが。千駄木駅を出ると、また大雨が。降ったり止んだりの頻度が激しすぎるぞ。


『積んでは崩し』、〈東京堂書店〉および〈三省堂書店神保町本店は品切れになったそうです。他のお店でお買い求めください。9月6、7日の「外市」用でも販売します。増刷分のデータ、昨日入稿しました。納品は9月8日(月)頃になる模様。ウチで置いてみようという新刊書店古書店、その他のお店がいらっしゃれば、メールでご連絡ください。すでに取り扱っていただいているお店からの追加注文も承ります。kawasusu@nifty.com 

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2008-08-26 『少年少女乱歩手帳』の次に来るもの

先日、「名張人外境」(http://www.e-net.or.jp/user/stako/)の中相作さんから『少年少女乱歩手帳』(名張ロータリークラブ)というフリーペーパーを送っていただいた。A3判両面・カラーで、折ると手帳サイズになる。名張で生まれた乱歩について、その略歴、作品、ふるさと名張との関わりなどを判りやすく解説。少年少女向けなのでルビがついているが、乱歩の随筆「ふるさと発見記」を注釈付きで再録するなど、レベルの高い内容になっている。執筆者名はないが、明らかに中さんの仕事だ。乱歩ファンなら必携でしょう、コレは。数十部いただいたので、とりあえず、乱歩ゆかりの深い千駄木古書ほうろう〉に10部ほど置いてあります。近々、もうひとつのゆかりの地・池袋の〈古書往来座〉にも持っていく予定。また、11月の「ブックオカ」でのフリーペーパー展にも急遽ご参加いただくことになりました。


その中さんに『積んでは崩し』をお送りしたところ、サイトでご紹介いただいた(「人外境主人伝言」の8月20日の項)。


けものみち文庫の創刊を飾る『積んでは崩し』は南陀楼綾繁さんが十年ぶりに手がけられたミニコミとのことで、なんとなくわかるような気がします。何がわかるのか。おそらく虫が疼いたということではないのかな、ということがわかります。退屈の虫が疼くのは旗本退屈男ですけれど、活字というか出版というか編集というか、そういった方面の虫、あるいはミニコミの虫といいましょうか、とにかくそういった虫というのもまたたしかにこの地上に、というかこの地上に生きているある種の人間の心のなかに棲息していて、それが何かのきっかけで疼き始めてしまった結果がけものみち文庫なのではないかと推測される次第です。


その文に続けて、「どうやら私の心のなかにもそういう虫が一匹いるようで、もうずいぶん長いことじっと静かにしていてくれたのですが、この『積んでは崩し』を眼にしたとたん、不意にずきずきうずうずきりきりと疼き始めたのだとお思いください」とある。中さんは最近、長年嘱託として関わってきた名張市図書館から離れたそうだ(さぞ無念だったろうと拝察する)が、次にナニをおやりになるか、注目しているヒトは多い。その中さんの「虫」をうずかせるのに、ぼくのミニコミが一役買ったとしたらウレシイ。


今日も雨。4時前に出て、千代田線表参道。〈ビリケンギャラリー〉でタイガー立石展を見る。絵本『とらのゆめ』がビリケン出版から復刻されたので、虎の鉛筆画やペン画を展示している。名前に使うだけあって、ホントに虎が好きだったらしい。『虎の巻』というタイトルの本を2冊も出しているし。ガラスケースには、単行本や展覧会パンフなどが収められている。オーナーの三原さんのコレクション。「南陀楼さんも集めてるんでしょ?」と云われるが、かないっこありませんよ! 展覧会に合わせて、タイガー立石の虎スタンプがつくられており、買った本やハガキに押すコトができる。31日(日)までなので、ぜひ行ってみて下さい。なお、埼玉県立近代美術館でも、10月19日まで、「立石大河亞ワンダーランド」という展示が行なわれている。


ビリケンでは、9月20日〜17日に「あがた森魚 惑星漂流60周年展」(あがたに捧げる作品を展示、ライブもあり)、10月4日〜15日に「茂田井武展」、11月14日〜26日に「上野茂都展」、11月28日12月12日に「うらたじゅん展」を楽しみな企画が続く。

http://www.billiken-shokai.co.jp/


渋谷へ。コレで4日連続。こんなに来てるのは初めてだ。センター街の奥に〈ブックオフ〉のでかい看板が。〈クアトロ〉のビルブックオフが入るというのは、かつての西武文化を知っている身には隔世の感がある。単行本や文庫は2階。広く見えるが、それほどスペースはないのかも。武藤さんか退屈君に「南陀楼さんと向井さんがすれ違えない通路」と云われた単行本の105円コーナーは、たしかに通路が狭い。セドリ屋を滞留させないようにさせるためか?


吉上恭太・智子夫妻とココで落ち合い、上の〈クアトロ〉へ。ブックオフからエスカレータークアトロ、というのは、イメージ上の落差が激しい。6時前に着いたが、客の姿はまったく見えない。入場も一番だった。ナカに入ると、フロアの後ろに大きなミキサー卓が置かれていたが、さほど変わったという印象はない。今日ライブはそのリニューアルにともなって空いた時期に組まれたものらしく、客がはなはだしく少ない。われわれは一番前の中央のテーブルに陣取る。クアトロでテーブルが出ているのを見たのは初めて。それでも開演の7時にはそこそこ客が集まる。


今日ライブは「Glamorous Voices」というもので、芳垣安洋(ds)が中心になって、3つのセッションを行なった。まず、芳垣、高良久美子(vib)、曽我大穂(harm, etc)が長いインプロビゼーションを。次に、おおはた雄一vo,g)と高田漣(g, vo)が中心となってのセッションベース鈴木正人)。そして、ふちがみとふなとセッション。最後に、高田漣セッション。他のメンバーは出たり入ったり。芳垣の力まずに、軽く叩くドラムが気持ちいい。船戸博史さんのベースも、いい音でブンブン鳴っていた(後半、なんか音の調子がヘンだったみたいだが)。高田漣ギターは初めて聴いたが、緻密な感じでいい。歌はボーカルというよりはリーディングみたいだった。アンコールに応えて全員出てきたが、まったく打ち合わせがなく、その場でおおはたの曲に決めてやったが、すごいノリだった。「音楽ができあがる現場」を目の当たりにしたかのようだ。渕上さんがコーラスのふりして「池田さん」を歌っていたのが笑えた。


終わると10時だったが、長すぎる感じはなかった。セットチェンジが素早かったこともあるだろうが、出演者の組み合わせや順序がうまくいっていたからだろう。芳垣安洋企画者としての力はスゴイと思った。


山手線に乗ってから、なんとなくラーメンが食べたくなり、日暮里で降りる。〈馬賊〉に入るとほぼ満員。ギョーザラーメン。この麺の太さがときどき恋しくなるのだ。日暮里駅を越えて、谷中墓地を通り、三崎坂から団子坂へと歩いて、ウチまで。夜の谷中はじつに静かだ。帰ってテレビを見たら、アフガニスタンNGOペシャワール会」のメンバー誘拐されたというニュースが。生存情報が錯綜しているらしい。ペシャワール会の事務局長は石風社福元満治さん。さぞ心配だろう。【8月27日追記】さっき、ネットニュースで、遺体発見されたことを知る。合掌。


明日は8時から、千駄木ブーザンゴ〉で恒例「不忍ブックストリートの茶話会」です。今回のお話は、〈アフリカ市場タムタム佐久間さんの〈谷根千飲み屋事情〉です。11時ぐらい前やっているので、お気軽にご参加ください。遠方からのお客さんもいらっしゃいます。

2008-08-25 『積んでは崩し』増刷します!

新刊ミニコミ『積んでは崩し 南陀楼綾繁のブックレビューコラム1999〜2004』(けものみち文庫)の在庫がもうホントに少なくなってしまったので、200部増刷を決定しました。めでたい。とはいえ、現在委託中のモノは精算しないとお金が入ってこないし、増刷印刷費は先払いなので、儲かっているカンジはまるでない。自転車操業小出版社と同じ悩みだ。増刷は100部売れると元が取れるので、みなさん買って下さい。


増刷9月10日完成予定です。現在委託中のお店からの追加注文、新規のお店からの注文を承ります。こちらに到着しだい、発送させていただきます。残りは、秋の古本イベントや冬のコミケで販売します。kawasusu@nifty.com までご連絡ください。


なお、初版で気づいた誤植は以下。2刷では訂正します。


p4 3段目、3行 『古本と借家』 → 『借家と古本

p7 下段、15行 「継続中。」と「現代の」 の間の1字アキをツメル

p24 上段・22行 中野光夫 → 中村光夫

p28 下段、最終行 出しつつけて → 出しつづけて

p41 上段、15行 『古本と借家』 → 『借家と古本

p68 中段・16行 この蟲文庫の記事 →この須佐町立図書館の記事

p84 中段、8行 ぼくは → ぼくが


荻原魚雷さんの『借家と古本』を間違えていたのは、情けない。『古本と借家』じゃ、ゴロが悪いだろう。ほかの誤植に気づいた方は、どうぞご教示ください。文章がヘタなのは許してね。


今日は朝から雨。午前中は、旬公の本のテキストまとめ。昼は先日行った駅向こうのすし屋へ。ネギトロ丼と冷やしうどん。午後は「居眠り名画座」の原稿を書く。4時半に出かけて、神保町へ。〈東京堂書店〉の3階に行くと、退屈男くんが本を見てた。畠中さんがお休みだが、ほかの店員さんに『積んでは崩し』10冊を納品。「ちょうどよかったです。さっき最後の1冊が売り切れたところです」と云われる。ちょうど一週間で30冊完売。いまはなき〈書肆アクセス〉であれば月間の売り上げ1位になれたトコロだがなあ。土曜に閉店セールをやっていた、すずらん通りの〈中山書店〉の前を通ったら、本棚が完全にカラッポになり、店の女性脱力した表情で奥のほうに座り込んでいた。


半蔵門線渋谷に出て、今日も〈シネマヴェーラ渋谷〉。3日連続で来たので、もう年会費の元は取ったぜ。まずは、小森白監督《大虐殺》(1960)。フィルムからデジタル変換した素材で上映。関東大震災を機に起きた社会主義者弾圧とそれに対するテロを描く。冒頭から陰鬱なシーンの連続だ。沼田曜一演じる甘粕が、大杉栄伊藤野枝を殺す場面は、必要以上にサディスティック警察朝鮮人社会主義者をマシンガンで殺しまくるのは、史実ではないだろうが、ジョン・スタージェス監督の《大脱走》(1963・米)を先取りしている。小森白は新東宝戦争映画を何本も撮っているので、観てみたい。


もう一本は、石橋義正監督狂わせたいの》(1998)。仕事に疲れた男が家に帰ろうとして、怪しい世界に引きずり込まれる。全編モノクロで、《夢見るように眠りたい》キチガイ版といった趣き。フェリーニの《道》のザンパノとジェルソミーナみたいな男女がやっている居酒屋のシーンが最高。こんな強圧的な店主のいる居酒屋って、ときどきあるよな。幻想的でありながら、一シーンが適度に短く、最後まで飽きない。1970年代歌謡の使い方もカッコイイ。こんな映画が10年前にできていたとは驚いた。


山手線西日暮里に帰り、〈サミット〉で買い物してウチへ。厚揚げとベーコン炒めで晩飯。ネットを見ていて、神保町シアター豊田四郎特集で、坂口安吾原作の《負ケラレマセン勝ツマデハ》(1958)が明日の夕方で終わりということを知る。明日はライブ見に行くんだよなあ。この映画、観ておきたかったんだが。まあ、仕方がない。目下、「妄執、異形の人々3」が最優先なんだから。

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2008-08-24 日曜日も渋谷へ

午前中、仕事場でテキストの整理。昼は〈ときわ食堂〉で定食。渋谷に出て、今日も〈シネマヴェーラ渋谷〉へ。場内に入ると、カップルの男が前の作品のマヌケなところを、女に語っている。その声のでかいこと。これから映画を観る客がいることに思いいたらないのか。外に出て話すか、せめて小声にしろよ。


1本目は、石井輝男監督《女体渦巻島》(1960)。16mmの上に、フィルムが褪色してるのか、見えづらい。夜のシーンなど、ダレがダレだか判らん。途中でたっぷり眠ってしまった。もう一本は、福田純監督《電送人間》(1960)。鶴田浩二白川由美コンビを、平田昭彦中丸忠雄ら東宝常連たちが支える。安心して観ていられる映画だった。終わって、雨の中を千駄木に帰る。

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2008-08-23 「妄執、異形の人々3」に通うために

この数日、夜が過ごしやすくて助かる。10時に出て、千代田線に乗って渋谷へ。〈シネマヴェーラ渋谷〉で年会員(1200円)に入る。下の〈ユーロスペース〉と共通で1年間有効。シネマヴェーラは1回1400円で、会員だと1000円になるから、3回来れば元が取れる。今日から始まる「妄執、異形の人々3」は何度も来るだろうから、ちょうどイイ。


今日はまず、山本迪夫監督悪魔が呼んでいる》(1970)。天涯孤独酒井和歌子が、会社を首になり、恋人にふられ、空き巣に入られ、財布を盗まれ、殺人の嫌疑までかけられる。不条理の連続。前半、不気味な雰囲気の盛り上げ方がうまい。さすが《血を吸う薔薇》(1974)の監督なり。しかし、唐突なオチには笑った。


続けて、野田幸男監督青春トルコ日記 処女すべり》(1975)。自分のカラダだけでのし上がろうとする女が、自らトルコ経営に乗り出す。その女に金を騙し取られて死んだ殿山泰司の娘や、記憶喪失の娘もトルコ嬢になる。ほとんどのシーンがトルコの店内で展開するという怪作。ちょっとピンクな歌詞のうたが何曲も挿入されたりと、妙に力が入っている。佐藤蛾次郎をはじめ脇役もイイ。助監督だった澤井信一郎によれば、主演の山川レイカ未成年だったため、公開まで2年待たされたという。このレアな作品をニュープリントで上映するところに、この特集の本気さを感じた。


上映のラインナップは以下。〈大井武蔵野館〉での伝説の特集「全日本とんでもない映画まつり」を超えたか!?

http://www.cinemavera.com/programs.html


初日から「妄執、異形の人々」というタイトルにふさわしい2本を観たなあ、きっと藤木TDCさんも観にくるんだろうなと思いつつ、映画館の外に出て、隣にいる人の顔を見たら、まさに藤木さんだった。同じ回に来てたのだ。映画感想を話し、いま調べていることについて情報をいただく。国会図書館の食堂は、今年の春にシステムが変わったそうだ。


西日暮里に帰って仕事フリーペーパーリストを完成させ、残りの現物福岡に送る。〈東京堂〉の畠中さんから、『積んでは崩し』の残りが5冊になったとメール。月曜からの6日間で、25冊売れた計算だ。ほかの店でも売れ行きがよければ、増刷しようかなと考える。

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2008-08-22 ふちがみとふなとライブ&トーク

告知です。


『ぐるり』プレゼンツ

南陀楼綾繁のトーク十番勝負 その6

ライブ&トーク ふちがみとふなと吉田ハウスレーベルの18年


出演

ふちがみとふなとミュージシャン

南陀楼綾繁ライター編集者


渕上純子さん(ボーカル)と船戸博史さん(ベース)のデュオふちがみとふなと」の新作『フナトベーカリー』の発売を記念して、ライブとトークを開催します。ライブでは二人がつむぎだす変幻自在の音楽に酔いしれ、たぶん初めてとなるトークでは、自主レーベル吉田ハウスレーベル」の歴史を中心に、これまでの活動や好きな音楽趣味嗜好にまでスルドク迫ります! 船戸さんも喋りますよ(たぶん)。お見逃しなく。


日時 2008年10月22日(水) 18:30開場/19:00開始

場所 古書ほうろう

文京区千駄木3-25-5 1F

電話 03-3824-3388

horo@yanesen.net

http://www.yanesen.net/horo/


入場料 予約2000円/当日2500円

予約方法 

古書ほうろうにて、メール電話店頭で受付

メールでお申し込みの場合は、件名を「10月22 日 ふちふな」で。お名前、人数、当日ご連絡の取れる電話番号を、お書き添えください)


ふちがみとふなと

京都ベースに、日本各地でライブ活動を行なう。自身のレーベル吉田ハウスレーベルから、『日曜日ひとりででかけた』『バブの店さき』『ヒーのワルツ』などのアルバムリリース。他のユニットソロでも活動中。

http://www.asahi-net.or.jp/~cp3j-fcgm/


南陀楼綾繁(なんだろう・あやしげ

1967年島根県生まれ。著書『路上派遊書日記』(右文書院)ほか。

http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/


ふちがみとふなとは〈古書ほうろう〉では2006年7月にライブをして以来の登場です。今回は「十番勝負」のひとつとして、念願だったお二人とのトークを実現。ライブとトークで二倍たのしい夜になるはず。


朝、仕事場で原稿を一本書き、旬公と神保町へ。〈三省堂書店〉4階で、Oさんに『積んでは崩し』の納品。そのあと〈東京堂書店〉へ。旬公は『週刊現代』でのリレー読書日記の連載がはじまり、いろいろ新刊を探しているので、それを手伝う。自分が買うわけでもないのに、本のコトとなるとやけに親切になってしまう。それにしても、このところ、新刊の購入冊数でぼくは旬公に完全に負けている。こんな日が来るとは思わなかった。〈FOLIO〉でハヤシライスランチ


旬公と別れ、数ヶ月ぶりに古書会館へ。カネもスペースもないので寄らないようにしていたのだが、一度来ると毎週来たくなる。仕事の資料を数冊買う(あとですでに持っていた本を1冊買ったことに気づき、がっくり)。『文学者1970年9月号に小沢信男「簡単な話」(日記エッセイ)が載っていた。105円。〈高岡書店〉でマンガを数冊買う。もうすぐ閉店する〈中山書店〉で7割引セールをやっていた。店頭にあったサエキけんぞうヌードなオニオン』(河出書房新社)を150円で買う。


神保町シアター〉の豊田四郎特集。開場が5分くらい遅れたことで、スタッフを怒鳴る老人が複数。怒りっぽいなあ。今日林芙美子原作の《泣虫小僧》(1938)。前半でぐっすり眠ってしまったので、いまいち乗り切れないママに終わった。美術河野鷹思だが、とくにこのヒトらしさはうかがえなかった。


いちど西日暮里仕事場に戻り、荷物を置いて、〈カフェ・ド・パルク〉。G社の打ち合わせ。二人で来たうち、女性のほうがモクローくんの絵が好きで、パソコンデスクトップに貼り付けている(http://d.hatena.ne.jp/halohalo7676/20060820)というので、大丈夫かなと心配になる。提案された件はなかなかオモシロそうな仕事で、やってみたいと思う。


〈はやしや〉でチューハイ飲んだあと、池袋へ。武藤良子さんに電話して誘導してもらい、途中まで退屈男くんに迎えに来てもらって、「日の出会」の会場である砥ぎ猫さんのお宅へ。すでに10人近くいたが、あとからも来て13人に。大鍋&大鉄板の豪快な料理を食べる。なんか屋内でキャンプしてるみたいだな。10時すぎに砥ぎ猫さんの「はい、終わりです」という号令がかかり、すぐさまみんなが片付けにかかる。コレを毎週やってるんだから、わめぞの連中はみんな元気だよなあ。


来週末はBIG BOXへ!


BIGBOX 古書感謝


▼日時

2008年8月29日(金)〜9月4日(木)

10:00〜20:00(最終日19:00終了)


▼会場

BIGBOX高田馬場 9階特設会場

西武新宿線JR東京メトロ 高田馬場駅 目の前


▼参加店(18店舗

新井書店飯島書店・いこい書房・古書現世・関書店・寅書房・平野書店

三幸書房・浅川書店・@ワンダー・渥美書房・安藤書店古書かんたんむ

さとし書房・谷書房・鶴本書店三楽書房立石書店

2008-08-21 国会図書館の食堂に改革が

朝から国会図書館へ。開館と同時にナカに入る。これからやってみようかなーと思っているテーマの下調べ。いくつかオモシロイことが判るが、同時に、文献が少なそうなテーマだということも判ってくる。昼は本館6階の食堂に行くが、しばらく行かない間に、食券が導入されていた。館のシステムが次々にリニューアルされているのに、ココだけは変わらずに、なぜか2つの業者が同じようなメニューを供していた(値段がちょっとだけ異なる)。それが一本化されたのだ。なんか執事みたいな服を着たおじさんが立っているのも、見慣れない。国会図書館常連さん、いつからこの方式になったのか、教えてください。ソースカツ丼を食べたが、味はまあ普通でした。


新館に移り、雑誌を調べる。『週刊アサヒ芸能』で目的の記事を見つけたあと、パラパラめくっていたら、1977年11月24日号に「悪役スター100人の素顔」という別刷りの綴じ込み付録が。男女の悪役のエピソードを写真入で紹介したもので、軽妙だが、なかなか鋭い。末尾の執筆者名に「川本三郎」とあり納得。こんな仕事もしてたんだな。


以前に比べると、閲覧もコピーも格段にスピーディーになったので、2時までにかなりの数の資料を見て、即日コピーもできた。2時に出て、千代田線千駄木に戻る。〈往来堂書店〉で、狩野俊高円寺古本酒場ものがたり』(晶文社)、草森紳一『不許可写真』(文春新書)、黒岩比佐子歴史のかげにグルメあり』(文春新書)、『映画秘宝』最新号を買う。K社のKさんと〈ブーザンゴ〉で某誌での連載の打ち合わせ。ずっと引きずってきたテーマだから、きちんと正面からカタをつけねば。仕事が来るときは重なるもので、千駄木のウチに帰ったら、G社からも依頼のメールが。明日会うことに。


夜は、ニールラビュート監督リメイク版《ウィッカーマン》(2006・米)。ニコラス・ケイジ主演。元版を一生懸命なぞっているが、ぜんぜん怖くない。リメイクは難しいものだ。

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2008-08-20 『積んでは崩し』が手に入る店

けものみち文庫1『積んでは崩し 南陀楼綾繁のブックレビューコラム1999〜2004』は、以下の各店で販売中です。【追記】売り切れている場合もあるかもしれないので、各店にお問い合わせください。通信販売はビレッジプレスhttp://www.village-press.net/)で承ります。


東京

古書ほうろう千駄木

東京堂書店3階(神保町

三省堂書店神保町本店4階(神保町

古書現世早稲田

古書往来座池袋

デカダン文庫綾瀬

タコシェ中野

音羽館西荻窪

バサラブックス吉祥寺


仙台

火星の庭


名古屋

リブロ名古屋


京都

ガケ書房


大阪

Calo Bookshop & Cafe

貸本喫茶ちょうちょぼっこ


神戸

海文堂書店

トンカ書店


倉敷

蟲文庫


出雲

今井書店出雲


福岡

ジュンク堂書店福岡


コミケで売ったり献本したものを含めると、手元には30部しか残らなくなってしまいました。ですので、新規で置いてくださる店の募集は中止します。やっぱり500部つくっておけばよかったかな〜。数ヵ月後に委託が戻ってくることを考えると、うかつに増刷もできないなあ。だけど、秋の一箱をはじめとするイベントでは少しでも売りたいし……、と悩む。増刷は嬉しいけど悩ましいモンダイなのだ。


もうひとつ、ここで募集していたフリーペーパーもだいたい集まりました。情報提供してくださった方々、バックナンバーを送ってくださったフリペ発行者の皆様には感謝感謝。これ以上、増えるとこれまで候補に入れたものから外さざるを得なくなるので、ここでいったんシメます。とはいえ、秋までにどうしても紹介したいフリペが出てきたら、追加せざるを得ないかも。フリペ展でのトークは、11月9日(日)、博多の〈文化芸術情報館 アートリエ〉(http://www.ffac.or.jp/artlier/)にて開催されます。お相手は、名古屋フリーマガジン『SCHOP』(http://schop.boo.jp/)の発行人上原敏さんと決まりました。


忘れないうちに、コミケで買ったミニコミの一覧を。最初のはサークル名です。

【いただいたもの】

畸人研究学会 『畸人研究』第25号(特集「アール・ブリュット・宮間さん」)

★大西進堂 久世番子『何の話をしてたっけ。』

★みにゃもと みなもと太郎冗談新撰組 油小路の血闘』

★ガキ帝国 『デウスエクスマキな食堂 大・大宮』、『デウスエクスマキな食堂 首都高B食バトル』

★うにぽちゃんズ(モンガ堂さんの娘さん) 『不思議の湖のカスピちゃん』『カリブレーション


【買ったもの】

と学会 『と学会誌21』

★東文研 唐沢俊一1960年代少年マガジン読物記事傑作選』、『奇想天外シネマテークトーク集』

虎馬書房 『米澤嘉博に花束を』増補改訂版

★はこぼれ堂 『セカイをみつめるヲタクのまなざし』

★LABORATORY 『B級戦争映画読本』VOL.3

★KZA2企画 『棚から一掴み 評論・情報趣味同人誌レビュー本』

★現代むかし話愛好会 『古時楽 古本時間旅行を楽しむ本』2、4、5号

オタクブックス 『オタクブックス』0、1号

あじま書店 『追跡日記 産直アヅママジンロケハン本』

サブカル評論 『サブカル評論』15号

★あまりもの 『漫画の手帖 特』1、2号


このほか、ぼくの大好きなミニコミ『ロカンボ』の中島武明さんがブースに来てくれて、『バクガン』と『フッパ』をくださる。『フッパ』はフリーだというので、「ブックオカ」の展示に参加してもらうようお願いした。


夕方に出て、千代田線に乗る。車内で『畸人研究』第25号を読む。巨大な装飾帽子をかぶって街を歩く宮間さんに、スイスの「アール・ブリュット・コレクション」が注目、日本に取材に来たばかりか、宮間さんをスイスでの展覧会に招待する事態に! 宮間さんと長い間付き合ってきた海老名ベテルギウス則雄がコーディネーターをつとめるが、このヒトは『畸人研究』随一の奇人だし、スイス人はスイス人で日本人には理解できないパワーで、自分勝手に動き回る。まともなのは、ふとまき(則雄の妻)だけという、奇人てんこもりというか奇人の乱反射のような状態がすばらしすぎる。73歳にして初めて飛行機に乗り、海外に出かけた宮間さんがじつにマイペースで、ただひとつの心配が「スイスには金魚がいるかどうか」(帽子パフォーマンス金魚が不可欠なのだ)だったというのが、ステキ。読み終えて、深く感動する。間違いなくこれまでの『畸人研究』でのベストだし、今年出たミニコミベストだと云いたい。持ってないヤツはすぐさまタコシェなどで買え! と申したい。


表参道の〈青山ブックセンター〉へ。親会社洋販倒産したが、普通に営業している。しかし、客の姿は少ない。出版社のミシマ社のルポが載っている『Re:S』第9号、井口昇特集(表紙がステキ!)の『すぽってっど701』第6号、TAGRO変ゼミ』第1巻(講談社)を買う。


半蔵門線渋谷に出て、〈アップリンク〉へ。第3回「ガンダーラ映画祭」のAプログラムを観る。客は10人ほど。まず、山下敦弘向井康介監督の《我ら天下をめざす》。山下の盟友の役者・山本剛史との高校のときに撮っていた映画を再現するというものだが、撮影にいたるまでの経過がちょっとクドい。いきなり「プロになった俺たちが再現する高校生のときの映画」を観せてもヨカッタのでは。次の井土紀州監督人に歴史あり》は、タイトルを観たかと思ったら眠ってしまい、起きたら終わっていた。そして、《こんにちは Chim↑Pom!!》。パフォーマンス集団の行動記録だが、断片を見せられただけという気が。国会議事堂ナベツネ邸にカラスを呼び寄せるパフォーマンスは面白かったが、ほかはゲロ吐いたり、陰茎に顔を描いたりと学生宴会レベル。宮間さんには遠く及ばない。最後に、しまだゆきやす監督日本イスラーム化計画》。計画もナニも、ちょっとだけイスラムに興味を持ったお姉ちゃんがうだうだしているだけの作品。監督認識が「イスラム=虐げられた人々」だから、格差社会に生きる若者イスラムに走るという変な理屈だが、それほどのモンか? 


終わって、井土監督のトークが始まるが、作品を観なかったから悪いので、失礼する。このプログラムは旬公と一緒に来るはずだったが、来なくてよかった。ゲロイスラムに対する思い込みという、彼女が大嫌いなモノがふたつも揃っているんだから。しかし、ガンダーラ映画祭ではなにかオモシロイものに出会えそうな気がするので、時間が合えば、Bプログラムも観に来たい。

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2008-08-19 川口浩を張り倒したい

昨夜は涼しかった。朝9時起き。仕事場で『進学レーダー』の原稿。昼過ぎに書き終わり、西日暮里郵便局へ。近くの寿司屋ランチをやっているので入ってみると、マグロ漬け丼とざるそばのセットというのが、なかなかウマかった。仕事場に戻り、こんどは『SPA!』の原稿。書き出しがなかなか決まらず、4時頃に完成。


『積んでは崩し』を50冊入れた紙袋を持って、池袋へ。空模様が怪しいが、降りだす前に〈往来座〉にたどり着く。瀬戸さんに納品すると、その場でPOPつきで並べてくれた。田中小実昌の単行本2冊(片方がカバ欠、蔵書印ありで500円)を買う。店を出るとほどなく雨が降り出すが、瀬戸さんから傘をもらってたので助かった。そういえば、コミケのときも傘を持たずにいて退屈男くんが傘をくれたんだった。


新文芸坐〉で、特集「映画を通して社会を見る」。どうもコジツケっぽい特集なのだが、その分、バラエティに富んだ作品が並ぶ。今日は「追悼・市川崑」ということで、《吾輩は猫である》(1975)と《処刑の部屋》(1956)。前者は仲代達矢演じる夏目漱石がよく似ていて、面白く観たが、原作の主要場面を網羅するために2時間10分という長さになっていてツライ。前半でかなり眠ってしまった。後者は、反抗のための反抗を重ねる青年川口浩が演じる。親も教授も仲間さえも軽蔑し、あざ笑う。そのときの川口の顔(とくに口元)の憎たらしいことといったら! 若尾文子でなくても、張り倒したりナイフで刺したくなってくる。ところで、本作では中村伸郎ジャーナリズムにもてはやされて授業さえまともに行なわない教授を演じているが、3年後に公開された須川栄三監督の《野獣死すべし》でも、ほとんど同じ役どころだった。もっとも、《処刑〜》では川口浩に殴られるだけですむが、《野獣〜》では仲代達矢に爆殺されてしまうのだった。


終わって、山手線西日暮里へ。仕事場のマンションの前の路上に、旬公の帽子が落ちていたので、ナニかあったのかと不安になる。たんに自転車で帰るときに、気づかなかっただけなのだが、いつもと違うことがあると妙に心配になるのだった。川口浩みたいに自信家にはなれないなあ。


そういえば、昨日、〈古書ほうろう〉の宮地さんに教えてもらった『サザザさん』という自主制作アニメがスゴイ(www.youtube.com/watch?v=gDZH9xCPoFo)。活動弁士坂本頼光さんが絵も音楽もすべて一人で制作し、その映像ライブで流しながら声を当てていくというもの。「登場人物がみんな水木(しげる)キャラなんですよ!」と云われたが、実際見てみると、義父は殿山泰司で、上役は大泉滉で、犬は小池朝雄じゃないか。ホリエモンが出てくるなど、制作時の時事ネタも入っている。これ、第1話らしいが、続きもぜひ見てみたい。願わくばライブで。旭堂南湖さんの紙芝居対バンするのもイイかもしれない。

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2008-08-18 一生でいちばん多く「盗作」と叫んだ夜

朝8時には起きて仕事をと思っていたが、コミケ疲れで起き上がれず、10時に起きる。西日暮里に行き、あれこれ。午後から今日のトークのメモをとる。5時に〈古書ほうろう〉へ。昨日の近藤十四郎ライブに続き、店内には生ビールサーバーが設置されている。栗原裕一郎さん、安藤礼二さんがいらしたので、すずらん通りの〈ヴァルガー〉で打ち合わせをと思ったら、早じまいしていた。しかたないので、斜め前の〈たまゆら亭〉で生ビールを飲みながら、今日の進行を。


6時半にほうろうに戻り、朗読してくれる佐藤わこさんと打ち合わせ。順番を決めるのに意外と手間取った。7時10分にトーク「声に出して読みたい盗作」開始。前半は栗原さんに、本ができる経緯などを訊き、その合間に朗読をはさむ。盗作オリジナルを並べて聞くと、言葉の響きとか文体とかが頭に入って気やすい。その一方で、長いテキストに関しては、片方聞き終えるともう最初のほうを忘れていたりする。目で読むのと、音で聴くのと、テキストによって向き不向きがあることを知る。


休憩後、安藤さんに入ってもらう。安藤さんはこの日のために用意してくれた、渋澤龍彦、それから寺山修司中井英夫ネタを話してくれる。びっくり。後半は朗読スピードを上げてもらったので、やや時間短縮できた。しかし、それでも10時半になってしまい、ほかにもいくつか話題はあったのだが、すべてカット(質疑応答も)して強引に終わらせる。後半はマイク2本で3人が話すのがやりにくかったり、残り時間を気にしていたせいで、私の受け答えがイマイチだったかもしれない。しかし、クールな表情で意地悪い話を繰り出す栗原さんと、ひとつの話がどんどん深みにはまっていく安藤さんとのやり取りは、とてもオモシロかった。お客さんは30数人と少なめだったが、おおむね好評だった模様。


終わってから、残った人とビール乾杯。「書誌鳥」こと森洋介さんが聴きに来てくれていたが、彼の質問には栗原さんが最初から逃げ腰なのがありあり。判る判る。11時にお開きにして、解散。スムーズに行かないところはあったものの、ほうろうでしかできないトークになったと思う。


けものみち文庫『積んでは崩し』、今日から古書ほうろう東京堂書店3階で販売しております。今週中に、三省堂書店神田本店4階、デカダン文庫ガケ書房古書現世古書往来座今井書店出雲店、海文堂書店火星の庭、トンカ書店蟲文庫リブロ名古屋店、Calo Bookshop & Cafeに納品いたします。その他、扱ってくださるお店を募集しております。【在庫僅少につき、いったん募集をストップします。すみません。8月20日追記】申し訳ないですが、やりだすとほかの仕事ができなくなるので、しばらく通販には対応できません。なるべく以上のお店でお買い求め願います。なお、すでに岡崎武志さんと林哲夫さんがブログ感想を書いてくださった。『sumus同人仲人口まじりではあろうが、やっぱり嬉しい。岡崎さん、「永遠小学生」というフレーズありがとうございます。

2008-08-17 10年ぶりのコミケは意外に涼しく

kawasusu2008-08-17

予想通り、昨夜は妙に目がさえてしまい、3時過ぎにようやく眠る。6時に起きて、うどんで朝食。夏のコミケといえば、暑さだけが記憶にあるので、タオルやシャツの替えをミニカートに詰めて外に出ると、あら、案外涼しい千代田線日比谷有楽町線新木場りんかい線国際展示場と乗り換えるたびに、コミケに向かう人が多くなってくるが、暑くないので助かる。しかし、西2ホールに入った辺りから、空調がまったく利いてない感じで、暑さがこみ上げてくる。


ブースに着くと、『積んでは崩し』が一箱届いていた。10年ぶりなのでなにから準備していいか、判らない。和光大のヤマモト(女)や武藤良子さんが着てから、本の配置やつり銭の計算などを行なう。武藤さん、机から下げる各販売物のポスターを書いてきてくれる。いい感じなり。意外に早く準備が終わり、雑談するうちに10時になり、販売開始。シャッターが開くと、涼しい風が流れ込んでくる。こんなに涼しいコミケは初めてだ、壁際のサークルに並ぶ客が、「最後尾」の札を次に来る人にスピーディーに手渡す様子に、武藤さんと感嘆。慣れてるんだなあ。


11時ごろまでは売れ行きはポツポツ。今柊二さん、久世番子さん、串間努さんが来てくれる。ちょっと席を外し、西ホールでめぼしを付けていたミニコミを買い、ついでに東ホールへ。しかし、東側の人出はすさまじく、空調もあまり利いていないので、早々に徹底(島本和彦同人誌が欲しかったが、行列に並ぶ気力なし)。戻ると、和光のアサミ(女)やヤマシタ(男)がやってきて、かわるがわる店番を。書物蔵さんも友だちと来てくれる。退屈男くんも来たので、武藤さんと地殻のブースを冷やかしに行ったりしてると、3時になる。


『積んでは崩し』34冊、『大阪京都死闘篇』10冊、『キクロク』11冊が売れたところで撤収。もうちょっと売れて欲しかったが、出足が少し鈍かったか。お客さんの様子を見ていると、表紙の写真への食いつき方はすごく、とりあえずかなりの人が手に取ってくれるのだが、中身が書評だと知るとそのまま戻す場合が多かった。逆に、和光大生の人生ミニコミがこれだけ売れたのは、和光大出身の人たち(けっこういた)が買ってくれたこともあるが、こんなネタ津野海太郎vs松枝到)でミニコミをつくるヤツがほかにいないからだろう。武藤さんの『大阪京都死闘篇』が10冊にとどまったのは、それがエッセイという形式だからに尽きる。ほかの場所ではきちんと売れる本なのだが。コミケでは(旅ジャンルなら別だが)エッセイは受けない。改めて、やはりコミケ向きのテーマというはあるな、と痛感。冬コミには、もっと「オンリー・ワン」度の高いミニコミをぶつけたいものだ。


会場の外に出ると、雨が降っていた。水上バス浜松町に行き、駅まで歩いて、適当居酒屋に入って打ち上げ。例によって自由奔放な武藤さんが、バンバン食べ物を頼み、学生もそれに釣られる。まあ、こんな野人のような……いやいや、自由でマイペースな大人がいることを知っただけで、学生にはイイ社会勉強です。退屈くんは学生に何を訊いてもインタビュー口調になっていた。早めに入ったので、6時半にはもう店を出て、電車に乗って西日暮里に帰ってくる。〈古書ほうろう〉での近藤十四郎ライブに顔を出そうと思っていたが、ソファに横になるなり2時間ぐらい眠ってしまう。帰りに〈ブーザンゴ〉でコーヒー飲んでひといきついて、ウチに帰った。


今回もいろんなミニコミを買ったりいただいたりしましたが、紹介は改めて。10年ぶりのコミケは、いろいろとオモシロかったです。しばらく、学生と一緒に、毎年2回参加したいなと思っています。


明日は、〈古書ほうろう〉での十番勝負、お相手は栗原裕一郎さんで「声に出して読みたい盗作」をお届けします。予約なしでも入れるので、時間のある方はぜひどうぞ。栗原さんは9月にジュンクでもトークしますが、そちらとは内容はほとんど重ならないはず。コミケの翌日でカラダがつらいけど、がんばりまっす。

2008-08-16 神保町の大雨

今日暑い。午前中に原稿を1本書き、神保町へ。休憩時間に入った退屈男くんとすずらん通りの〈ドトール〉で会う。〈東京堂書店〉の隣にこんなのできてたっけ? 最近すずらん通りの様子が把握できなくなっている。そのあと、東京堂の1階で、大内田鶴子ほか『神田神保町とヘイ・オン・ワイ 古書まちづくりの比較社会学』(東信堂)と、川合道雄『戦時下の博文館と『新青年編集部』(近代文芸社)を買う。前者には、不忍ブックストリート青秋部の石井清輝くんの「『ブックタウン』という試み」が収録されている。石井くんからはかなり定価の高い本だと聞いていたが、2500円なので一般書並み。ひょっとして予告のときよりも定価を下げたのか?


3階に行き、畠中さんに『積んでは崩し』を納品。来週月曜日から販売してもらいます。リトルプレス棚に、だんだん畠中色が強まってきているのが嬉しい。『Sanpo magazine』創刊号、『HB』第4号、たばこと塩の博物館編『広告の親玉 赤天狗参上! 明治たばこ王 岩谷松平』(岩田書院ブックレット)を買う。これから週刊で出すという、新入荷案内のフリーペーパー『週刊 三階』創刊号をもらう。「階段を昇るとそこは三階だった」というよく考えるとアタリマエみたいなキャッチフレーズも、畠中さんらしい。一緒に、三省堂下の〈放心亭〉でハンバーグランチを食べる。


畠中さんと別れ、〈書泉グランデ〉で高田里恵子男の子のための軍隊学習のススメ』(ちくまプリマー新書)を買う。店を出たとたん、大雨が降り出す。数軒先まで走り、〈クラインブルー〉へ。窓際の席が空いていたので、本を読みながら雨が止むのを待つ。ひどいどしゃ降りがやや落ち着いたので、外に出て、何軒か回り、〈神保町シアター〉へ。今日から特集「豊田四郎東宝文芸映画」がはじまった。谷崎潤一郎原作の《猫と庄造と二人のをんな》(1956)を。流されるままに生きる森繁久彌をはさんで、山田五十鈴香川京子が女の意地を張り通すハナシ。山田五十鈴の45度にひんまがった口元と、香川京子の延々と続くヒステリーに驚嘆。史上まれにみるヒステリー映画ではあるまいか。母親浪花千栄子、猫のリリーの演技もなかなかで、おもしろい映画だったが、2時間16分は長すぎだなあ。見終わって外に出ると、雨が上がっていた。西日暮里に戻り、明日の準備をしてウチに帰る。


明日はいよいよ、コミケでブースを出します。「西 な―15b」の「けものみち計画」です。何度も書いてますが、新刊3点を販売します。合計しても1800円とお買い得なので、まとめてのお買い上げを期待します。初めてコミケに来るヒトは、午前中は動きが取れないので、12時以降においでください。人の多さと利かない冷房にげんなりするだろうと思いますが。売り上げが順調に行けば、終了のちょっと前に引き上げて、水上バス浜松町に行って打ち上げを行なう予定です(打ち上げ部長武藤良子様)。そこへの参加も歓迎します。


毎日新聞ウェブニュースを見ていたら、コミケ第1日目の来場者は17万人、2日目は18万人だったという(http://mainichi.jp/enta/mantan/news/20080816mog00m200014000c.html)。最終日の明日はそれ以上が予想されているそうだ。つまり、3日間合計で約53万人が押しかけることになるのだ。それに対して、先日の東京国際ブックフェアは、4日間で、出展者を含め約7万人。コミケのほうが倍のスペースを使っているにしても、ブックフェアの4日間で、コミケ1日の半分の人数にも達しないのだ。恐ろしい。先日、「同じ会場でも東京国際ブックフェアコミケでは、熱気もエアコンの利き方もまったく違う」と話したのだが、そのことが数字で証明されている。


明日は早いので、そろそろ寝ないとマズイのだが、オリンピック番組野球日本が負けたらしいが、どうでもイイ)の延長で、フジテレビの《33分探偵》がまだ始まってくれない。堂本剛主演のドラマだが、あの手この手でくだらなさを追求していて、毎回観てしまう。明朝は携帯の目覚ましだけで、果たして起きれるだろうか? 1997年冬にコミケに出たときは、まだ結婚する前で、前日に旬公の横浜アパートに泊まっていたのだが、目覚ましに気づかず、起きたのは8時すぎ。青くなってタクシーに乗り、湾岸道路を経由して会場に向かったら、意外にもラクラク時間内に到着した、ということを、いま突然思い出した。では、明日。

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2008-08-15 「けものみち文庫」創刊!

10時前、ミニコミ『積んでは崩し』が宅急便でドーンと届く。仕事場には200冊ちょっと。コミケで販売する分はブースに直接持ち込まれる。表紙の写真、もうちょっと明るく出るかと思っていたが、しかし、見た感じは悪くない。10年ぶりに印刷でつくったミニコミなので、やはり嬉しい(こんなコトやってる間に、出版社からの書下ろしを進めろよという声が聞こえるが)。


というワケで、もう一度告知です。

けものみち文庫

積んでは崩し 南陀楼綾繁のブックレビューコラム1999〜2004


A5判・88ページ・表紙カラー

定価1000円+税


けものみちに埋もれていた掲載誌やパソコンハードディスクから発掘された、南陀楼綾繁書評や本に関するコラムテキストを集成。もちろん全文単行本未収録。


8月17日(日)コミックマーケットにて発売

西 な―15b サークルけものみち計画」

以後、古書ほうろう東京堂書店ほかで販売予定

コミケの翌日、〈古書ほうろう〉でのトークでも販売します。今回は300部制作で、印刷費とデザイナーへの謝礼を入れて、120部ほどでモトが取れる計算。コミケとほうろうトークの2日間でその半分ぐらい売れたらイイなあと思っています。みなさま、よろしくです。また、置いてくれる書店やブックカフェを募集中。10部単位で納品させてもらえると助かります。


以下に、まえがきと第一部のリストを載せておきます。


はじめに


 ある大学で非常勤として「雑誌研究」という講義を持っていて、そこの学生たちに「とにかく自分でミニコミをつくってみろ」と焚きつけているウチに、そういえばぼく自身、十年ぐらいミニコミつくってないなと気づいた。

 印刷本をつくったのは一九九八年の『日記日和』が最後で、その後、『モクローくん通信』という古書目録についてのフリーペーパーをつくっていたが、数年前から出ていない。

 だからといって、ライターとして活躍していて、どこの出版社からでも本が出せる状況では、もちろんない。いや、声をかけてくださる編集者はいるのだが、基本的にどれも書き下ろしのハナシなのだ。「あちこちの雑誌ウェブ媒体に書いてきた文章を集めて出しましょう、編集はぼくにお任せください!」という編集者が出現するのを待っていたが、一向にそんな気配はない。

 しょうがない、やっぱり自分で出すか、としぶしぶ重い腰を上げた。……カネもないのに。

 仕事場の「けものみち」に埋もれている掲載誌や、パソコンハードディスクの中をさらって見つけ出したテキストをまとめて、とにかく一冊にまとめてしまおうというのが、この「けものみち文庫」の趣旨である。

 自分の文章だけでなく、ほかのヒトでも、こんなに量があるのにまとめないともったいないと思えるものを出していきたいと思う。

 一冊目は、いろんなところに書いた書評を集めた。ほんとは今年書いたものまで入れるつもりだったが、量が膨大になるので、一九九九年から二〇〇四年までの六年間にしぼった。

 連載中の『COMIC Mate』の「活字本でも読んでみっか」、『SPA!』の「文庫一冊決め」は、今回は収録していない。

 第二部は、毎月二回編集担当している「書評のメルマガ」に載せた本の紹介やコラムアンケートなどを適宜拾ってまとめた。

 書いた記憶があっても原稿テキストや掲載誌が見つからないもの、探し出す努力はしなかった。それと、ゲラ校正)のときに入れた直しは、ほとんど反映していない。テキストと切抜きを照らし合わせるのには、すごくタイヘンなので。

 つまり、この本は初稿そのままの、未編集バージョンで、ショーケースみたいなものだとご理解いただきたい。

 ここに入ってない分を手間をかけて探し出したり、原稿と切抜きを照合したり、それを気の利いた配置にするなどの作業は、いつか現れるかもしれない、奇特編集者にお願いしたい。……来世になるかもしれないが。

 そういうワケで、「雑纂」という言葉がふさわしいつくりになっていますが、取り上げた本の幅広さにだけは自信があります。どこからでもイイので、読んでくださいませ。


二〇〇八年七月十七日

                          南陀楼綾繁


第一部で取り上げた本・雑誌(登場順)

塩山芳明嫌われ者の記』 

飯島朋子映画のなかの図書館

島本和彦燃えよペン

小沢信男裸の大将一代記』

冨田均東京映画名所図鑑

日本缶詰協会監修『缶詰ラベル博物館

大村彦次郎文壇栄華物語

『気刊 何の雑誌ストロング

青井夏海スタジアム 虹の事件簿』

野原一夫『含羞の人 回想の古田晁

福島正実『未踏の時代』

蝦名則『美術本屋の旧刊案内』

伊藤理佐『やっちまったよ!一戸建て』

みなもと太郎風雲児たち

秋山祐徳太子『泡沫桀人列伝』

大庭萱朗編『田中小実昌エッセイコレクション』

山本マサユキ『ガタピシ車で行こう!!』

いましろたかし『釣れんボーイ』

川崎ゆきお『秘蔵版・猟奇玉手箱

岡崎英生劇画狂時代』

大屋幸世『蒐書日誌』

別冊太陽 発禁本』

野坂昭如文壇

大村彦次郎『ある文芸編集者の一生』

林哲夫喫茶店の時代』

川畑直道『原弘と「僕達の新活版術」』

藤木TDCブラボー川上東京路地〈懐〉食紀行』

笠原和夫荒井晴彦・スガ【糸へんに圭】秀実『昭和の劇 映画脚本家笠原和夫

横山剣クレイジーケンの夜のエアポケット

中村よお『関西フォーク'70sあたり』

貸本マンガ史研究

杉山平一『戦後関西詩壇回想』

別冊太陽 城市郎の発禁本人生

佐藤嘉尚『「面白半分」の作家たち』

中野三敏『本道楽

柳原良平Ryohei Yanagihara』

荻原魚雷古本と借家』

いろは

亀有名画座閉館五周年記念 今井通雄ロングインタビュー』

清水一嘉『ソウル古本屋

『ポケットのなかの千野教授

いわき市草野心平記念文学館編『真尾倍弘・悦子展 たった二人の工場から』図録

田口久美子『書店風雲録』

小田光雄書店の近代』

岡崎武志+CWS編『本屋さんになる!』

うらわ美術館岩波書店編集部編『創刊号のパノラマ 近代日本雑誌岩波書店コレクションより』

星新一『きまぐれロボット

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2008-08-14 便乗する衆議院議員

水泳北島康介実家の肉屋が、同じ通り(西日暮里駅の反対側)にあるので、やたらとウルサイのだが、いまこんな放送車が走っていた。「北島康介さんの金メダル2連覇を西日暮里4丁目の皆さんとお喜びしたいと思います。やればできるということを北島選手は教えてくれました。私は地元衆議院議員松島みどりです」。うるさいよ! せっかく盆で隣のマンション工事休みになって静かなのに。便乗するなら静かにやってくれ。


18日のトークの資料やら、書評する本とか、小説検定のネタ本とか、いろいろ並行して読んでいるので、アタマがごっちゃになってくる。夕方、谷根千工房でサトちゃん(和光大出身で、昨年の講義ゲストで来てもらった)に『キクロク』を渡し、団子坂上の〈大銀〉で買い物。すでに盆休みに入っている店が多いが、この店は明日から休み。今週末は外食も買い物も厳しいかも。


夜、テレビ佐藤祐市監督キサラギ》(2007)を観る。それなりに最後まで観られるものになってはいたが、いかにもテレビサイズの映画映画館で観てたらげんなりしていたろう。最後に、自殺したアイドル如月ミキの歌という設定の「ラブレターはそのままで」という曲が流れるのだが、これがすごくインパクトがあった。「遅咲きガール」の戸川純かと思った。作詞サエキけんぞうだし、歌い方がなんだか似てるので、ちょっとは意識しているのかも。そのあと、ふちがみとふなと外山明[はじめまして]を観る。ふちふな初のDVD-R。今年1月の「円盤ジャンボリー」でのライブで、外山明の暴れぶりがばっちり見られるのが楽しい

sheepsong55sheepsong55 2008/08/14 23:37 松島みどりは学生時代から馬鹿でしたね。経済学部の恥。いくつになっても変わらないね。誰が投票しておるのか。

kawasusukawasusu 2008/08/14 23:45 いやー、すごかったですよ。まったく恥じらいというものをにじませずに、自己宣伝してました。どんな政治家か知りませんけど、絶対に投票したくないと思わせてくれました。

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2008-08-13 和光大生のミニコミ『キクロク』創刊号が完成!

昨日飲みに行く途中で、和光大の学生から電話。「明日から学校休みになるって、知らなくってえ。あと、3時間で閉まるんですが、どうしたらいいんでしょうか……?」。そんなこと訊かれてもねえ、と思ったが、とりあえず、これまでできている部分のプリントアウトは終わらせ、あとは切り貼りでも何でもやって間に合わせろと指示しておく。すると、その数時間後に、「なんとか印刷まで終わらせました! 明日綴じるだけです」というメールが。


今日の午後に綴じの作業をやるというので、出来上がったものを受け取りに経堂で待ち合わせ。3人の学生と〈珈琲館〉に入る。もともと企画から1ヶ月なかったうえに、実製作は数日間。しかも、まだ19歳で、生まれて初めてミニコミをつくるという連中なので、体裁についてはあまり期待していなかった。しかし、出来上がったものを受け取ると、驚くほどさまになっている。内容優先だから今回はwordの切り貼りで充分と云ってあったのだが、彼らはこの日、ちょうど研究室にいた先生にその場でInDesginを教えてもらって、それで版下をつくったという(たまたま居合わせたH先生にはご迷惑をおかけしただろう)。


もちろん、固有名詞が大いに間違っていたり、図版の入れ方がおかしかったり、旬公が描いたモクローくんがなんの説明もなく引用されてたりするが、そんな些細な傷はあってアタリマエ。彼らは昨年も「雑誌研究」を受講しているが、2年目で雑誌づくりを実践したということがエライ。今年の授業はいろいろと思うように行かないことが多くて、落ち込み気味だったけど、こういうサプライズがあると、やっぱりやっていてヨカッタと思う。


というワケで、『キクロク』創刊号の紹介です。


和光大学研究室にて聞く録

『キクロク』創刊号


発行 もんじゅ屋

A5判、16ページ、コピー

特集 津野海太郎×松枝到 奇人教授てんやわんや

プロフィール一問一答雑誌履歴書、対談〜あの頃は若かった〜


定価200円

8月17日(日)コミックマーケットにて発売

西 な―15b サークルけものみち計画」


和光大学は昔から変わった先生が多いので知られるが、文化史松枝到さんはその筆頭。研究室入り口には妙なお札が貼り付けてあり、内部はマンガやらビデオやらで一杯。その中で、昼間から強い酒をストレートでくいくい飲んでいるヒゲだらけのヒトだ。一方、津野さんはご存知、晶文社黒テント本とコンピュータの津野さん。2人の本を読んだこともない学生が、たんなる興味で根掘り葉掘り訊いている。ところが、何も知らないのが逆に強みで、これまで本人が書いたり話したりした以外のエピソードを引き出せている。「雑誌履歴書」は、おなじみ久世番子さんの『番線』(新書館)より。雑誌履歴書はぼくの授業でも使わせてもらった。番子さん、さんざっぱら使ってスミマセン。


『キクロク』はコミケには15部持っていくそうです。200円の価値はあると思うので、買ってやってください。その後、順次、お店に営業に回るそうなので、どうぞよろしくお願いします。


今出ている『少年マガジン』で、小林まことの『青春少年マガジン1978〜1983』がはじまった。タイトルどおり、マガジン創刊50周年を記念して、デビュー当時を振り返る自伝マンガ島本和彦の『アオイホノオ』を同工だが、こちらはこちらでオモシロイはず。この連載中は『少年マガジン』を買おうかな。

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2008-08-12 高崎俊夫さんとトークします

kawasusu2008-08-12

まず告知。


『ぐるり』プレゼンツ

南陀楼綾繁のトーク十番勝負 その5

映画本に憑かれて

出演

高崎俊夫編集者

南陀楼綾繁ライター編集者


『月刊イメージフォーラム』の編集部を経て、フリーランス編集者として、『ものみな映画で終わる 花田清輝映画論集』(清流出版)、山崎忠昭日活アクション無頼帖』(ワイズ出版)などを手がけている高崎俊夫さんに、「映画本」編集の面白さと厳しさについて、たっぷりと伺います。あの映画評論家、この俳優の裏話が聞けるかも。


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日時 2008年9月12日(金) 18:30開場/19:00開始

場所 対抗文化専門古書 気流舎

世田谷区代沢5-29-17 飯田ハイツ1F

電話 03-3410-0024

http://www.kiryuusha.com/


入場料 800円(予約優先、15人限定)

予約 ビレッジプレス「ぐるり」編集部

info@village-press.net 03-3928-7699


高崎俊夫(たかさき・としお)

1954年福島県生まれ。フリー編集者として、映画本の編集の傍ら、〈ラピュタ阿佐ヶ谷〉の荒木一郎映画祭田中登追悼特集、日活ロマンポルノ名作撰特集などを手がける。


この数年、清流出版からやたらとマニアック映画本が出ているなと思っていたら、そのほとんどを手がけているのが高崎さんだった。本人とお会いしたのは、昨年の「外市」での塩山芳明×内澤旬子のトークのとき。映画本の著者には、強烈な個性をもった人(はっきり云えば付き合いにくい人)が多そうだし、編集についてもスチールの掲載ひとつにしても特殊なしきたりがあるように思える。同じ編集者でもその辺のことを知らないので、いろいろ聞いてみたいと思います。


夕方、急に雨が降り出すが、出かける頃にはやんだ。自転車で出て、日暮里図書館に寄って本を返し、三ノ輪へ。〈中ざと〉で、濱田研吾藤田加奈子右文書院青柳さん、デザイナー女性飲み会右文書院サイトでの濱田くんの連載「ほろにがの群像」(http://www.yubun-shoin.co.jp/horoniga/index.html)の打ち合わせだか顔合わせに混ぜてもらった。濱びんの『三國一朗世界』も、高崎さんが担当で、「清流出版って不思議出版社だよね〜」というハナシになるが、青柳さんがそれにうなずいていたのが笑える。ヒトから見たら、清流以上にフシギな存在なのが、右文書院なのだが。〈中ざと〉は今月末で閉店とのこと。後継者がいないのが理由らしい。おばさんが「いまのうちに、どんどん飲んでね!」と客に云っていた。10時にお開きにして、自転車で帰ってくる。


ウチに帰り、旬公とDVDで、ロビンハーディ監督ウィッカーマン》(1973・英)を観る。《ホット・ファズ》が影響を受けてると聞いたから観たのだが、ケルトエロで最後まで押し切られたのには、びっくり。ホントかウソか知らないが、ここまで古代信仰がフィーチャーされた映画も珍しいのでは?

2008-08-11 20人で浴びる10人の音

夕方、西荻窪へ。女子大通りの中華料理屋で上海焼きそば野菜スープのセットを食べてから、〈アケタの店〉へ。『ぐるり』の五十嵐さんが先に来ていた。久しぶりに聴く渋谷毅オーケストラ松本治(tb)、松風鑛一(as)、津上研太(as)、林栄一(as)、峰厚介(ts)、石渡明広(g)、上村勝正(b)、古澤良治郎(ds)というフルメンバー。前半では、ジャコ・パストリアスの曲がとくにイイ。


後半の冒頭では、古澤さんに代わり外山明ドラムに入る。相変わらず、定型パターンというのがない叩き方で、前半と一気に雰囲気が変わる。ほかのメンバーも、笑いながら外山のドラムを見ていた。3曲目からは古澤に戻るが、外山はそのまま残って、ドラムセットの外から空いているシンバルやタムをたたく。親が仕事しているとちょっかいを出す子どものようで、楽しい。いつもと違って10人ということもあったのか、終わりの数曲での盛り上がりは凄まじかった。今日の曲はぜんぶライブで聴いたことがあるのだが、それでも毎回新鮮に聴こえるのが、渋谷オーケストラのスゴイところだ。この店としては満員だったが、それでもたった20人だけでこの日のこの10人の音を浴びるのは、モッタイナイという気がした。


終わって、渋谷さんとちょっと話す。もうひとつの素晴らしいグループである「エッセンシャル・エリントン」のサードアルバムが、10月に発売されるという。今回は全曲、清水秀子さんのボーカル入りだそうで、聴くのが楽しみだ。


西日暮里に戻ると11時半。ちょうどレイトショー映画を観てきた旬公と、マンション入り口で一緒になった。千駄木に戻り、洗濯しながら、テレビ東京で録画した映画悪女の構図》(1989・米)を観る。なんと、《ミスト》のフランク・ダラボンの初監督作品(テレビ映画だが)だった。途中から先の展開が読めてしまうので、どうも盛り上がらず。


先日の茶話会で、東京国際ブックフェアについての私見を話したのだが、『未来』8月号で西谷能英社長もブックフェアについての「釈然としない思い」を述べている。興味深いのは、「最近の読者は図書目録のたぐいをあまり欲しがらない感じがする」ということ。版元単位でブースを出しているのにもかかわらず、参加者は目の前に並んでいる本を割引で買うことにしか気が行っていないようなのだ。ネットで調べれば済むので、図書目録の必要性があまり感じられなくなっているのもたしかだ。

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2008-08-10 「ふぃりぴん人デスカ?」

4、5年前からときどき、携帯電話に変な電話がかかってくる。いつも公衆電話からで、外国人女性が片言で「ふぃりぴん人デスカ?」と訊いてくるのだ。最初のうちは、この番号の前の所有者と連絡を取りたいのかと思い、「誰にかけてるの?」などと聞き返していたが、それ以上ハナシが進まないので、それ以降、かかってきてもスグ切っていた。昨日、一年ぶりぐらいに同じ女性から電話があり、「ふぃりぴん人デスカ?」と云う。違いますよ、と返事して切ったが、今日またかかってきた。いったいナニを求めてるんだ!? 「日本人だっつってるだろ!!」と怒鳴って切ったが、またそのうちかかってくる気がする。昨日と今日は番号が表示されていたので、「着信拒否」にしてやろうと思ったが、そのためには「ロックナンバー」を要求される。それが判らないので、けっきょく着信拒否にできずじまい。


8月18日の〈古書ほうろう〉でのトーク、予約受付中です。オリジナルVS盗作朗読をしてくださる方も決まり、濃い内容になりそうです。ぜひお見逃しなく。


『ぐるり』プレゼンツ

南陀楼綾繁のトーク十番勝負 その4

声に出して読みたい盗作〜『〈盗作〉の文学史』刊行記念〜


出演

栗原裕一郎(ニュー評論家

南陀楼綾繁ライター編集者


ゲスト

安藤礼二文芸評論家


朗読

佐藤わこ(詩人


井伏鱒二庄司薫大藪春彦山崎豊子立松和平……。著名作家をめぐって囁かれてきた〈盗作疑惑を徹底検証した、『〈盗作〉の文学史 市場メディア著作権』(新曜社)の著者・栗原裕一郎さんをお招きして、このスキャンダラスにして業の深い問題を語り合います。『神々の闘争 折口信夫論』(講談社芸術選奨新人賞受賞)の安藤礼二さんもゲストとして参戦。オリジナル盗作を並べての朗読タイムなど、底意地の悪いトークになりそう!? 


日時 2008年8月18日(月) 18:30開場/19:00開始

場所 古書ほうろう

文京区千駄木3-25-5 1F

電話 03-3824-3388

http://www.yanesen.net/horo/


入場料 800円(要予約)

予約方法 

(1)ビレッジプレス「ぐるり」編集部

info@village-press.net 03-3928-7699

(2)古書ほうろう 店頭受付のみ


栗原裕一郎(くりはら・ゆういちろう)

1965年神奈川県生れ。『インビテーション』『エクス・ポ』などで連載するほか、数多くの雑誌に寄稿。企画・共著に『腐っても「文学」!?』(宝島社)、『禁煙ファシズムと戦う』(ベスト新書)などがある。目下の興味の対象は「現象とメカニズム」(「盗作事件」もそのひとつ)。

http://d.hatena.ne.jp/ykurihara/


明日から京都で「下鴨納涼古本まつり」が始まる。明日の昼と夜、『sumus』の集まりもあるようだ。一昨年、昨年と行っていたが、今年はコミケに出ることもあって、東京を離れられず。残念なり。


「一箱古本市」が全国に拡大中。まず7月18日〜21日の「モダン古書展3 in 芦屋」では、「全国一箱古本市」なるものが行なわれた。そして、7月29日には、鹿児島で「一箱古本市」。〈更紗屋雑貨店〉さんが企画し、ビルの一室に6組が箱を持ち寄り、開催したとのこと。更紗屋さんのブログ「zazie dans le ciel」(http://zazie7.jugem.cc/)にレポートが載ってます。反応は上々だったようで、秋にもう一度やるかもということだった。「ブックオカ」と競合する九州の本イベントになればいいと思う。それにしても、こう広がってくると、だんだん把握できなくなってくるな。「わめぞ年表」(http://d.hatena.ne.jp/wamezo/20070114)にならって、「一箱古本市年表」をつくる時期に入ったのかもしれぬ。

みなみみなみ 2008/08/13 07:20 自転車でいける距離なので「モダン古書展3in芦屋」、連日出かけてきました。初日にはポスターを手がけられたグレゴリ青山さんも見えられてました。フライヤーには、「不忍ブックストリートの一箱古本市を参考にさせていただきました」の一文も(笑)。当日の模様は、谷町古本の会BLOGでご覧になれますよ。ココで教えていただいた田川律さんのドキュメンター映画『ゆめみたか 愛は歌 田川律』、8月24日(日)に阿倍野区民センターで見せていただく予定です。楽しみです! こちら関西も連日の酷暑、下鴨の森は古本オヤジ&古本女子の熱気でさらに燃え上がっていました。

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2008-08-08 MEGUMIのフリーペーパーはけっこうイイぞ

暑いのであんまり外に出たくない。それでウダウダしているうちに5時前になった。渋谷に出て、神山町にできた〈SHIBUYA BOOKSELERS〉へ。今年春にオープンした新刊書店だが、最近その存在を知った。奥は事務所になっているが、素通しなので店じたいが広く感じる。1960年代70年代80年代90年代、0年代と、時代で区切っての棚作りがユニークサイトを見ると、いろんな方向での複合化を目指しているようだ。ただ、ぼくぐらいの年になると、もうちょっとおじさんくさい本屋のほうが落ち着くのだが。杉浦康平ほか登場の『本の話』(ワークスコーポレーション)を購入。


この店に来たのは例によってフリーペーパー探しだが、2、3誌しか置いてない。その中で、『FREMAGA(フリマガ)』というやたら厚いフリーマガジンをもらう。井の頭線の車内でめくると、これ、タレントMEGUMIとそのマネージャーのOKAMAIが編集する雑誌だった。この二人がなんか雑誌をやっているというのは何かで読んでいたが、ここまで本格的だとは知らなかった。著名人を登場させながら、フリーペーパーという媒体にふさわしい扱いにしているところに好感を持つ(MEGUMI本人の露出も少ない)。これが2号目らしいが、業界臭がほとんどしないのがイイ。この調子でどこまでいけるか注目したい。


下北沢駅前の〈松菊〉で、いわし香味おろしがけ定食。客がおじさんばかりでまったりとする。しばらくは下北にきたらこの店に来ることになりそう。7時に〈ラカーニャ〉前で五十嵐さんと待ち合わせ。受付していたら、後ろに吉上恭太・智子夫妻が並んでいたので、一緒のテーブルに。ラカーニャは初めて来るが、適度に広くて、適度に落ち着いていてイイ感じ。開演を待つうちにほぼ満席となる。


まずは、宮武希with松永孝義今井忍。小笠原の歌など、スローな曲を中心にやる。ゆったりと聴き入る。休憩のあと、ふちがみとふなと。会場がオトナの雰囲気だったせいか、コミカルな曲を控えめにした構成。そのあと、ボーカル2人+今井忍、宮武+船戸、渕上+松永などめったに見られない組み合わせを経て、船戸vs松永ベース対決、そして全員入っての演奏。最後にやった宮武さんの「マスト」という曲と、アンコールふちがみとふなとの「坂をのぼる」は絶品なり。


2時間半ぐらいの長さだったが、もっと聴きたいという感じだった。渕上さんと密談(そのうち発表します)してから、店を出る。ウチに帰ったのは12時前。


〈ラカーニャ〉の前に、近くの〈ハイライン・レコード〉に寄ろうとしたら、休みのようだった。そのあと、五十嵐さんから閉店したと聞く。サイトhttp://www.highline.co.jp/)でもそう書かれていた。インディーズのCDが一望できるし、店員のオススメにアタリが多いので、好きな店だったが。下北沢には〈レコファン〉があり、品揃えは悪くないと思うのだが、なんか落ち着かないんだよなー。

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2008-08-07 歩かなければ見つからない

秋の「ブックオカ」でのフリーペーパー展のためのリストづくりが続いている。どこかに紛れ込んでいるのを引っ張り出したり、知り合いに面白いのを教えてもらい発行者にメールして送ってもらったりしている。なんだか、『ミニコミ魂』のリストをつくってた頃を思い出した。10年近く経っても、おんなじ様なコトやってるんだなあ。


ただ、以前と違うこともある。『ミニコミ魂』掲載のフリペで現在も続いているものはほとんどない。なので、新しいのを見つける必要があるのだが、それがなかなか見つからない。フリペを置いている店も、ずいぶん変化があって、若者向けの雑貨屋やカフェに行けば見つかるような気はするのだが、わざわざ初めての店に行くのが面倒になっている。年を取ってフットワークが落ちていることが、フリペ収集の壁になっている。「歩かなければ見つからない」のが、フリペなのだ。


もうひとつは、情報を提供してくれる知り合いが増えたこと。日本各地の書店やブックカフェの皆さんが、注目しているフリペを教えてくれる。常々そのセンスに敬意を覚えている人たちなので、まずハズレがないのもありがたい。おかげで45誌ほどがリストアップできた。今月中にはリストを確定させたいので、私から問い合わせを差し上げている皆さん、お返事をよろしくお願いします!


変わってコミケのハナシだが、ぼくのミニコミは早ければ来週頭(という予定だったが、15日にズレこむといま連絡があった)、武藤さんのは今週末に出来上がる模様。一緒に出品する(というか、本来そっちのほうがメインなのだが)、和光大学学生ミニコミは、ひとつがとても制作が間に合わず断念、もうひとつはギリギリに完成を目指して頑張っている模様。昨日、その一人から携帯メールでの問い合わせがあったのだが、件名もなければ名前も書かないんだよね。何度も細かく訊いてくるから、「電話しなさい」と云って、あとは口頭で。対談のテープ起こしができたが、膨大なので削らないとならないと云うので、「1ページに何文字入れるの?」とか「ソフトはナニを使うの?」とか訊くがナニも決まっていない。どうしても丁寧に説明せざると得ない。対談の最終的なまとめも手伝うことになりそう。まあ、「人生ミニコミ」どころか、何かを発信すること自体が初めてなのだから、しょうがないとは思うけど。17日に間に合ったら、拍手喝采してやろう。


ライブ会場で買いそこねていた、渋谷毅さんのCD、[帰る方法3]と[We’ll Meet Again]がアマゾンから届く。前者は松本治tb)とのデュオ後者はさがゆき(ボーカル)、潮先郁男(g)と。両者ともジャケットデザイン四釜裕子さんだ。どちらも、しばらく流しっぱなしにしそうだ。

しばたしばた 2008/08/09 23:18 後者のジャケットデザインも四釜裕子さんですよ。絵を描いた人は違うけれど。

kawasusukawasusu 2008/08/11 10:11 あとでライナーを見て、そうだと判りました。ご教示ありがとうございます。

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2008-08-06 やっぱりマーガレットズロースは凄いぞ(ミニコミもね)

今日暑い。夕方に出て、久しぶりに新宿三丁目の〈模索舎〉へ。フリーペーパーを探しに行ったのだが、あまり見つからず。オフノートCD[ふいご]を買う。古池寿浩(tb) 、 中尾勘二(ss,as,cl) 、関島岳郎(tuba)のトリオ。〈ディスクユニオン〉を覗いてから、歌舞伎町の〈ロフト〉へ。『ぐるり』の五十嵐さんと待ち合わせ。マーガレットズロースイベント世界は変わる」にゲストで入れてもらう。客は若い女の子が目立つ。ぼくは端っこのほうにある椅子に荷物を置いて、ときどき座ったが、ライブはスタンディング。この年だと、やっぱり腰に来ます。


まず、フラワーカンパニーズ。一曲目から縦ノリのロックで、ボーカルに合わせて客が手を振り上げている。こんな雰囲気のライブに来たのは、久しぶり。最初はあまり乗れなかったけど、途中にゆるやかなリズムの曲もあって、なかなかイイ。ボーカルがなんども「オレはもう39歳だから」と云っていたが、最後まで突っ走っていたのはお見事。しかし、あまりにストレートな歌詞にちょっと照れた。


代わって、マーガレットズロース。いつも通りの三人で、いつも通りの曲をどんどんやる。どの曲も聴くたびに、深く心に染みわたって来る。一曲一曲が大きな物語を持っているように思える。「初めて英語タイトルにした」という新曲(「LIFE IS NOW」)もヨカッタ。客の半分ぐらいはフラワーカンパニーズ目当てだったのか、最初のうち、あまりにも違うタイプマーガレットズロースにとまどっていたようだったが、かまわず何曲かやるうちに、客の気持ちをつかんでいったようだ。アンコール2曲やって終わったら、10時半すぎていた。いいライブだったけど、疲れた。物販コーナーで、マーガレットズロースミニコミ『ズロマガ』の2、3号を購入する。創刊号は持っているが、付属CD-Rに収録の座談会みたいなのに大笑いした。メンバー三人が好きでつくっているという空気が伝わってきて、いいミニコミである。ライブMCによれば、最新の3号では、平井正也が高校生のときにやっていたコピーバンドや付き合っていた彼女プレゼントしたテープ音源なんてのが収録されているらしい。最近コンビニなどで『月刊EXILE』なる雑誌を見かけるが、あんなのよりは『ズロマガ』のほうがスゴイ、と思う。


マーガレットズロースの「世界は変わる」、次回はワンマンで、11月29日(土)、渋谷〈O−nest〉でやる。先行予約すると、今日ライブの模様を収録したDVDが付くという。

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2008-08-04 びくっとサンにはツライ一日

昨夜、有明ビッグサイトエスカレーターが逆送する事故があった。「ワンダーフェスティバル」に客が詰め掛けたせいらしい。朝のワイドショーでは、勝谷が「ああいうところには小太りの人が多い」、だから重量が増えたんだとコメントしてた。たんなるイメージだろ、そりゃ。


今日池袋の〈新文芸坐〉で、コーエン兄弟監督ノーカントリー》(2007・米)とフランク・ダラボン監督ミスト》(2007・米)の2本立てを観る。コーエン兄弟映画はいつもナニが起こってもおかしくないシーンの連続で、緊張を強いられる、とくに本作はハビエル・バルデムのいきなり殺人が立て続けで、周りの席の人があまり反応してないところでも、びくっとしまくってしまう。後者もコワイ気分の盛り上げ方がうまく、やっぱりびくびくする。しかし、あのラストはどうなんだろうなあ……。


高田馬場の〈早稲田松竹〉で昨日忘れてしまった扇子を受け取り、古本屋街を覗く。西日暮里に戻って、ファクスインクリボンを交換しようとすると、純正品でないためか何度やっても認識してくれない。手にインクがついて汚れてしまう。怒りを抑えてパソコンに向かうと、こんどはメールが不調。なんだかついてない。しかたないからテーブルで雑誌を読んでいたら、すさまじい音とともに雷が落ちて、その瞬間、電気が消えた。真っ暗の中、ブレーカーを確かめると、落ちてない。停電したのだろうか? 懐中電灯もローソクもない、マッチラベルコレクターなのに、マッチ箱はこないだ仕舞ってしまった。さっきの映画も暗闇が多かったなあと思い出すと、ちょっとびくっとする。《ミスト》の主人公が、携帯液晶で照らしていたのを真似して、もう一度確かめると、さっき触ってなかったところが落ちていた。無事、明かりがつく。


少し小雨になったときに、歩いて千駄木まで帰るが、12時前にはまた雷雨が激しくなる。小心者にはツライ一日だった。ちなみに、「びくっとサン」は、押切蓮介マンガでろでろ』に出てくる、怖がりの妖怪です。

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2008-08-01 『ぐるり』で山川直人さんインタビュー

秋の「ブックオカ」でのフリーペーパー展で紹介するフリペのセレクトがそろそろ締め切りなので、この数日、知り合いのミニコミギャラリー関係者メールで教示を乞う。何人もの方から知らないフリペを教えていただいた。ナカでも、〈蟲文庫〉の田中美穂さんに教えてもらった倉敷の『Krash japanクラッシュジャパン)』がスゴイ。サイトhttp://www.krashjapan.com/)はデザインが凝りすぎてて、誌面のイメージが湧きにくいが、さっそく今日届いたのを見ると、A4判・オールカラーですべての記事が日英併記。日本国内だけでなくロンドンニューヨークにも送っているようだ。なんといっても、デザインが「クウネル―Arne」系じゃないのが、いまどき新鮮。やっぱり、オモシロイひとはおもしろいフリペを知っているなあと、感心しきり。まだまだ募集中なので、これはというフリペがあったら教えてください。自薦・他薦は問いません。


『ぐるり』最新号が届く。1号置きに巻頭インタビュー担当していて、今回は、ぼくが漫画家山川直人さんに話を聞いた。『コーヒーもう一杯』など心にしみる作品が多いが、履歴も含めて、ここまで詳しいインタビューが載ったのは初めてなのでは? また漫画家インタビューが『ぐるり』に載るのも初めてだ。話の中に、「小山清」が何度か出てくるのだが、これがまた、山川さんらしいエピソードなのだ。ぜひ読んでください。今号では、〈古本酒場コクテイル〉の狩野俊さんが、編集者中川六平さんのことを。狩野著・六平編集晶文社からの本が、もうすぐ出るのだ。


夕方、新宿へ。京王百貨店古本市。けっこう丹念に見たつもりだが、雑誌2冊しか収穫なし。〈紀伊國屋書店〉5階で開催中の「紀伊國屋書店新宿」フェアを見る。ゆまに書房の『コレクション・モダン都市文化』をはじめ、モダン都市関係の出版物が並んでいる。マイナー出版社の刊行から時期のたった本まで、丹念に集めている。このフェアに合わせて、新宿歴史博物館の図録『田辺茂一新宿文化の担い手たち』が復刊されたと聞いた(これは持ってる)が、そのほかにも同館の図録が数点復刊されていた。その中から『ステイション新宿』を買う。


歌舞伎町のほうへ。大久保公園では吉本興業テントイベントが開催中。この辺りまで来るのは初めてだな。6時半にライブハウス〈ウルガ〉に入る。もう開演してる時間なのだが、まだ開場さえしておらず、なかでしばらく待つ。客の姿はまったくナシ。カウンターで本を読んで待つ。7時にようやく始まる。最初は歌い始めてまだ一年という朴訥な感じのおじさんで、打ち込みのリズムをバックにエレキギターで歌う。ロックというよりはムード歌謡という雰囲気。次の曲を紹介するのに、いちいちシチュエーションを説明するのが可笑しい。それで曲名が「ダーリンになれたなら」なんだもん。最後になぜか水原弘の「黒い花びら」をカバーしてた。すべてが一生懸命なので、ほほえましい。次はアコースティックギター弾き語りで、パンクを通過してアジアにいたるという感じ。パワフルだし歌もうまいけど、どうもうけつけない。終わって、後輩っぽい若者から「最高でした!」と云われて、「うん、開いてただろ?」と答えるやりとりに、寒い空気を感じる。しかも、あとでぼくよりたった2つ上だと知って、もっと寒くなる。同世代とはとても思えん。最後に近藤十四郎さん。廣政隆士(ギター)、尾形慶次郎(ベース)とのトリオ。おなじみの曲ばかりだが、このトリオだとずいぶんシャープな曲調になっている、このメンバーが、8月17日(日)に〈古書ほうろう〉で、「新生 水の底楽団」としてデビューするのだ。9時すぎに終わり、外に出ると、道路の反対側から音楽が聴こえてくる。そっちを見ると、ある店の素通しガラスの向こうで、誰かが歌っていた。〈Nakid Loft〉ってココにあったんだ! 山手線西日暮里に帰る。