「妄執、異形の人々3」に通うために

この数日、夜が過ごしやすくて助かる。10時に出て、千代田線に乗って渋谷へ。〈シネマヴェーラ渋谷〉で年会員(1200円)に入る。下の〈ユーロスペース〉と共通で1年間有効。シネマヴェーラは1回1400円で、会員だと1000円になるから、3回来れば元が取れる。今日から始まる「妄執、異形の人々3」は何度も来るだろうから、ちょうどイイ。


今日はまず、山本迪夫監督《悪魔が呼んでいる》(1970)。天涯孤独の酒井和歌子が、会社を首になり、恋人にふられ、空き巣に入られ、財布を盗まれ、殺人の嫌疑までかけられる。不条理の連続。前半、不気味な雰囲気の盛り上げ方がうまい。さすが《血を吸う薔薇》(1974)の監督なり。しかし、唐突なオチには笑った。


続けて、野田幸男監督《青春トルコ日記 処女すべり》(1975)。自分のカラダだけでのし上がろうとする女が、自らトルコの経営に乗り出す。その女に金を騙し取られて死んだ殿山泰司の娘や、記憶喪失の娘もトルコ嬢になる。ほとんどのシーンがトルコの店内で展開するという怪作。ちょっとピンクな歌詞のうたが何曲も挿入されたりと、妙に力が入っている。佐藤蛾次郎をはじめ脇役もイイ。助監督だった澤井信一郎によれば、主演の山川レイカが未成年だったため、公開まで2年待たされたという。このレアな作品をニュープリントで上映するところに、この特集の本気さを感じた。


上映のラインナップは以下。〈大井武蔵野館〉での伝説の特集「全日本とんでもない映画まつり」を超えたか!?
http://www.cinemavera.com/programs.html


初日から「妄執、異形の人々」というタイトルにふさわしい2本を観たなあ、きっと藤木TDCさんも観にくるんだろうなと思いつつ、映画館の外に出て、隣にいる人の顔を見たら、まさに藤木さんだった。同じ回に来てたのだ。映画の感想を話し、いま調べていることについて情報をいただく。国会図書館の食堂は、今年の春にシステムが変わったそうだ。


西日暮里に帰って仕事。フリーペーパーのリストを完成させ、残りの現物を福岡に送る。〈東京堂〉の畠中さんから、『積んでは崩し』の残りが5冊になったとメール。月曜からの6日間で、25冊売れた計算だ。ほかの店でも売れ行きがよければ、増刷しようかなと考える。