「外市」経由《東京ディープスロート夫人》

「秋も一箱古本市」の店主、今夜12時から募集開始です。今回は50箱なので、お早めにお申し込みを。詳細は以下に。
http://d.hatena.ne.jp/seishubu/20080831#p1


朝9時起き。旬公に散髪してもらい、バスで池袋へ。11時ちょっと前に〈往来座〉前へ。わめぞ連中が勢ぞろいしていた。pippoさんお手製の「虫相撲」というのを退屈君とやったが、開店1分前というタイミングの悪さで、本のことが気になって集中できず。いや、あんまりいい大人が集中してやるモンじゃないけど。オープンの声がかかるや、箱に取り付く。買ったのは、寺下辰夫『珈琲交遊録』(いなほ書房)、横溝正史『真説 金田一耕助』(角川文庫)、種村季弘『徘徊老人の夏』(ちくま文庫)、山本健吉『小説に描かれた現代婦人像』(河出新書)、高月靖『南極1号伝説』(バジリコ)と、持っているはずだがこのところ行方不明の高見順『昭和文学盛衰史』(文春文庫)。いずれも安く買えて満足。


今日が公式の初売り、わめぞ文庫01、武藤良子『大阪京都死闘篇』は、順調に売れている模様。巻末にはぼくが解説を書いています。「向井さんが『ナンダロウさんは好きに書かせるとすごく面白いのを書く』っていってましたよ」と武藤さんから聞いたので、その挑発に乗って書きました。けっこういい文章になったと思うけど。ぼくの『積んでは崩し』もサイン本を販売しています。まだ買ってないヒトは、ぜひ外市で!


近くのうどん屋で、ビールとだし巻き卵、にしん天ぶっかけうどんを食う。いい気分になって外市会場に戻り、セドローくんやハルミンさんと話してから、副都心線雑司ヶ谷駅へ。渋谷まで近いと聞いていたが、じっさい近い。ただし、渋谷に着いてから地上に出るまで、結構歩くけど。


シネマヴェーラ渋谷〉へ。今日はけっこう客が多い。まず、向井寛監督《東京ディープスロート夫人》(1975)。前に〈大井武蔵野館〉の「全日本とんでもない映画祭り」で観て、深く深く感銘を受けた映画。《エマニエル夫人》と《ディープスロート》をミックスして、室田日出男のとんでもない妄念が前に出た傑作をつくり上げた。室田が息子の嫁(田口久美)に口で奉仕させながら、息子に「そっちが空いてるぞ」と云うシーンには、初見でもバカ受けしたが、その前に、田口に自分のムスコ(下半身のほう)を噛まれて苦しむ室田に、秘書役の女が「かすり傷です」というシーンにも、場内大爆笑。いいなあ、この映画。もっとも最後にはホントに噛み切られて死んでしまうのだが。もう一本は、井上梅次・岩清水昌宏監督《暗号名 黒猫を追え!》(1987)。「スパイ防止法案制定キャンペーン」の映画だったというが、独立プロ製作のこともあり、テレビドラマの延長のようなチャチなつくり。おまけに、セリフで長々と状況説明させるから、かったるい。主人公の周りの人物が、みんなスパイ事件にかかわっているというのも、安易過ぎる。北朝鮮らしき国のスパイが発信する暗号文が、解読すると日本語の文章になるというのはどういうワケ? 朝鮮語にすりゃあイイのに。2時間あったので、最後のほうはグッタリした。


千代田線で千駄木に帰る。白山の〈南天堂書店〉で『東京人』を買う。前の通りに祭りの出店が出ていて、南天堂もチャリティーとしてショタレ本を半額で売っていた。最近出た小説もあったなあ。買わなかったけど。