「古ツア」に惹かれて百合ヶ丘へ

朝8時起き。今朝も雨が降っている。《つばさ》を観てから、西日暮里へ。仕事の準備、いろいろ。12時すぎに〈古書ほうろう〉に《私は猫ストーカー》上映会のチラシを持って行き、帰りにスサミストリートの居酒屋のランチ。親子丼が600円は安いしウマい。ただ、一人でやっているので、手が回らず時間がかかる。


1時半に出て、千代田線で代々木上原。そこから乗った小田急線が、下北沢と新百合ヶ丘しか止まらない特急だったので、新百合ヶ丘で上りの各停で百合ヶ丘へ。和光大で講師をやって三年目になるが、行きは準備でギリギリになり、帰りは疲れきってドコにも寄る気力がなかったので、沿線の古本屋にはほとんど行っていない。だが、「古本屋ツアー・イン・ジャパン」の記事(http://blogs.dion.ne.jp/tokusan/archives/8405060.html)を読んで、行かねばと思ったのだ。


南口に出ると、道を渡ったところが小さな商店街になっている。少し先に行ったところの路地には居酒屋やラーメン屋があり、なかなか良さそう。駅の真正面のビルの2階に、〈アニマ書房〉があった。外の通路に100円均一コーナーがあるが、どれも新しくてお買い得な本が多い。中に入ると、文学書をメインに、人文系の単行本や文庫・新書が充実。とてもスジのいい本を置く店、という印象。値段はそこそこ。文庫はちくま文庫講談社文芸文庫がかなり多い。文庫の200円均一コーナーも、これで200円なら買い、というモノが多い。高木彬光『白昼の死角』(講談社文庫)100円、田辺聖子『夢はるか吉屋信子』上・下(朝日文庫)各200円、出久根達郎『読売新聞で読む明治』(中公文庫)400円。収穫は、森崎和江著・山本作兵衛画『まっくら 女坑夫からの聞書き』(現代思潮社)が1000円で買えたこと。横長の本で、函の天の位置から出し入れするようになっている。勘定を頼むと、店主がよっぽどヒマだったのか、アレコレと話しかけてきた。


そこから坂を下って、三本目の道を右に行ってしばらく歩く。住宅街なので、こんなところに古本屋があるのかなと不安になるが、「古ツア」の記述は正確で、少し行くと〈ざりがに堂〉にたどり着いた。さっきの店とは対極で、雑誌や文庫、単行本などが雑多に並べられている。しかも半分はアナログレコード売り場だ。モノは古いが、値付けが安く、コーフンしてしまう。なにせ100円コーナーに、阿奈井文彦アホウドリにあいにいった』(晶文社)、植草甚一『ハリウッドのことを話そう』(晶文社)、田中貢太郎『怪談全集』第1巻(創芸社)、川本三郎『ちょっとそこまで』(講談社文庫)、高杉弾『楽しいステレオ写真』(竹書房カラー文庫)、池波正太郎『青春忘れもの』(中公文庫)が無造作に並んでいるんだよ。コーフンしないほうがおかしいでしょう。CDでも、パール兄弟[色以下](杉浦茂のピクチャーCD)が200円、サエキけんぞう&ジ・エレキ・マッシヴ[サーフin’to ジャングル]が250円、ときわめてリーズナブル。授業の資料も持っているので、すごい荷物になってしまった。しかし、充実の百合ヶ丘であった。こんどまた来よう。そして、ありがとう、「古ツア」さん!


各停で鶴川へ。〈啓文堂〉で、カラスヤサトシカラスヤサトシのおしゃれ歌留多』(講談社)を買い、中公新書の通巻2000点記念冊子を探すが見つからず。というか、この店には新書コーナー自体がないことに気づいた。学バスの時間を間違え、雨の中その辺をうろうろして時間つぶし。今日の授業は「手づくり雑誌プロジェクト」の説明。学生につくりたい雑誌のタイトルとテーマを出させたが、けっこう目のつけどころがイイ。浅見&山本に『キクロク』や『便所便り』ができるまでの話をさせるが、いつもよく喋るクセに、教壇に立たせると声が囁くようになってしまう。終わって、8階の資料室へ。昨年と一昨年の課題をココで預かってもらうことに。発泡酒を2本飲ませてもらい、7時すぎに学校を出る。西日暮里にパソコンを置いていたが、取りに行く気力もなく、そのまま千駄木に戻る。たまねぎ、ジャガイモ、豚コマ、しらたきで煮物をつくって食べ、すぐに眠る。しかし、1時に目覚めると眠れなくなり、《朝まで生テレビ》をちょっと眺めたあと、4時前に眠る。