ナンダロウアヤシゲな日々

◎この日記は、ライター・編集者の南陀楼綾繁が書いています。
◎新刊『町を歩いて本のなかへ』(原書房)発売中です。
◎著書『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『谷根千ちいさなお店散歩』(WAVE出版)、『小説検定』(新潮文庫)、『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)、『路上派遊書日記』(右文書院)、『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『老舗の流儀 戦後六十年あの本の新聞広告』(とうこう・あい監修、幻冬舎メディアコンサルティング)、編著『チェコのマッチラベル』(ピエ・ブックス)、共著『ミニコミ魂』(晶文社)。
◎ご感想・ご連絡は南陀楼綾繁 まで。
◎「不忍ブックストリートの一箱古本市」は毎年春に開催します。
詳細は不忍ブックストリート公式ホームページもしくは、しのばずくん便りをご覧ください。
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2011-10-14 秋も一箱古本市2011レポート

もっと早く書きたかったけど、その気力と時間がなく、遅くなってしまいました。すいません。では、10月8日に開催された「秋も一箱古本市2011」のレポートをどうぞ。


朝8時起き。予報通りの快晴。9時に自転車で光源寺へ。青秋部の石井くんの高崎経済大学学生が20人ほど、今回も臨時助っ人に来てくれている。谷根千ゴルゴこと岩本さんの指示に従って、テーブルを並べ、布テントをセットしていく。人手が足りているのでぼくはすることがなく、光源寺の奥さんと被災地支援の運動について話していた。


10時になると、店主さんが集まってくる。今回のスポットは7カ所だが、光源寺は17組と最も多い。「つん堂」「モンガ堂」「本屋本の雑誌」など知り合いや、常連の店主さんの顔が見える。くじ引きで場所を決めて準備にかかる。一箱本送り隊の古本バザーも同じ場所で出るので、箱を設置する。店主さんに声を掛けて、本を提供してもらい、100円と300円の箱に入れて販売する。今回は一箱に加えて、田端の〈マルイハウスからレコードカフェ雑貨、そして〈旅猫雑貨店〉、本郷三丁目の〈Mitte〉が参加して、なかなか賑やか。


11時に開始宣言して販売スタート。春の一箱は一回りするまでは買わないようにしているが、秋はメインスタッフではないので大丈夫言い訳して、最初から買う気モードで回る。「酔払有栖堂&代用海亀堂」の店主は、出版ワークショップのメンバーYさん。CDが一枚200円で出ていたので、あがた森魚ギネオベルデ(青いバナナ)]と曽我部恵一ランデヴーバンドおはよう]を買う。たけうま書房さんはキリンジのまとめがいをしていた。「mondobooks」では、装丁に惹かれて1964年刊のチェコの本を。1冊買うとカゴから小さなこけしを選んで持っていくことができる(あとで浅生ハルミンさんに教えたら、買っていた)。若い男性が店主の「すずむし」は、古い本と新しい本のバランスがぼく好み。長田久光『出世 友よ、この道で行こう』(カッパブックス)と阿部昭『父と子の連作』(福武書店)を買う。


マルイハウスの出店では、〈PACK Recored〉出品のP-vineコンピ[V.V.SLOW?]を1000円で。クレイジーケン二階堂和美が参加。〈螢窓舎〉出品のロシアノート2冊組と文具ミニコミ『port-mine創刊号を買う。田端の古いアパート面白い店が集まっているというマルイハウス、なかなか行く機会がなかったが、近々行ってみたい。


しかし、光源寺の出品者でぼくが最も心をとらわれたのは「ちのり文庫」(http://www.chinoribunko.com/)だ。屋号通り、ホラー怪談の本が中心だが、江原恵の『包丁文化論』や『手術』など「血」に関係する本を考えオチ的に選んでいる。キャラクターの「ちのりちゃん」を前に押し出し看板ディスプレイも素敵。名刺をもらうと「こわい本と暮らし ちのり文庫」と書いてある。タイトルだけは前から知っていた、正司歌江『歌江の幸せくるくる心霊喫茶』(ダイナミックセラーズ)を1000円で買う。まあ読むことはないだろうが、何か買わずはいられなかったのだ。後で見たら、この本、見返しが切り取られており、サインがあったと思われる。所有者が古本屋に売るときに、献呈名があるのが嫌で切り取ったのではないか。


共同通信社の方が取材に来たので30分ばかり話し、12時半ごろ自転車で巡回に出る。羽鳥書店ギャラリーを覗くと、初めて見る山口晃さんの作品や高山宏さんの原稿が展示されていた。古書ほうろう前は6箱。福島の「もす文庫」さんにいつもの通信をもらう。「hi→」は同名の俳句ZINEのメンバーが出している。創刊号と最新号を買う。「伊藤石油店」は写真をやっている男性で、吉永マサユキ森山大道写真塾の生徒がつくる雑誌『resist』のバックナンバーを出していた。キレイ雑誌だけど、今日は買わず。代わりに阿部薫の『スタジオ・セッション1976.3.12』を買う。「BOEES」は往来座瀬戸さんの新作の箱で参戦。さすがにイイ本が多い。『河野鷹思さかな展2003』の図録を500円で買う。武藤良子画伯が注文のお題に合わせて絵を描く、というのをやっていたので、1枚書いてもらう。いつの間にかエロ回文の「早漏労組」で書いてもらうことになってしまった。あとで出来上がったのを受け取ると、いい絵なんだけど、人には見せにくいものになっていた。ほうろうの店内では天野みかさんのイラスト展が開催中だが、今度ゆっくり見ることにして、外に出る。


コシヅカハムヘ。ここは5箱。春と違って箱数が少ないので、ゆったりしているが、ちょっと人の流れが少なかったか・「文庫善哉」さんや「四谷書房」さんがいる。いったん家に帰り、ゲラを見て返送し、夕焼けだんだんへ。深セン前と松野屋に6箱設置し、スタンプラリーは信天翁の店内へ。「JUNGLE BOOKS」さんの今回のテーマは「土地と生きる」。こういうのもいいね。酒屋で生ビール買って、飲みながら「ドンベーブックス」さんを冷やかす。桐野夏生『緑の毒』と大西巨人編『日本掌編小説秀作選』全2巻(カッパノベルス)を買い、無理やり1000円に値引きさせてしまった。アルコールの勢いです、ごめん。信天翁で長嶋柊「絵日記100%展」を覗く。幼稚園から欠かさず書いてきた8年間の絵日記100冊から選んだもの。成長してうまくなってからの絵や文字もいいけど、始めた頃の絵日記もいいなあ。これはじっくり全冊見てみたいもの


喜多の園へ。ここは2箱。「北方人」さんは原田康子挽歌』を考察した新刊を出されていた。これは面白そう。往来堂は3箱。「とみきち屋」さんの前に行くと、いつものリストを渡される。で、「南陀楼さんが買うものはないですから」といつもの言葉をいただく。しかし、今回は河鍋暁斎暁斎百鬼画談』(ちくま学芸文庫)を買わせていただく。u-sen&豆ちゃんの「古書パタリロ」で、前にコミケで買うのを頼んでいた『漫画ブリッコ』の総目次を。なんと初期にはいがらしみきおが連載している。箱からは、接木幹『或る情痴作家の“遺書” 渡辺均の生涯』〈幻想社〉というのが作家も版元も初耳だが、何だか気になって買う。それと花森安治装丁中野重治日本文学の諸問題』(新生社)を2冊目だけど、買う。


最後スポットは、Early bird。この道はほとんど通ったことがなく、この店があるのも今回初めて知った。ランチが美味しいらしいので、今度来てみよう。2箱で、「古本T」さんは出品目録もつくっている。「LONDONPIG!外商部」は得意のCDがほとんど売れてしまっていた。20日の川口メディアセブンでは、彼に一箱の見本をつくってきてもらうことになっている。


全部回ったら、もう3時半になっている。急いで光源寺へ。まだまだ人が途切れない感じ。学生さんに訊くと、スタンプラリーの完走者もけっこう多いようだ。今回はほうろう、往来堂、信天翁で5%割引になる。もう一度、ざっと回り、「つん堂」の美人すぎて話しかけにくい奥さんから佐藤周一『震災に負けない古書ふみくら』(論創社)を買う。勇気を持って奥さんに話しかけようとしたら、下からつん堂さんが出てきたのでやめる。16時、販売終了。今回は一日中、いい天気で暑くもなく寒くもない、最高の一箱古本日和だった。この数年で一番よかったのではないか。


一箱本送り隊のバザーも、1万9000円ほど売れる。これは活動資金に使わせていただく。帰りにもう一度声を掛けると、かなりの人が本を置いていってくれる。これらはそのまま谷中の集積所に運ばれる。


17時半から、いつもの〈八天将〉で打ち上げ北方人、とみきち屋、つん堂、脳天松家というロートルグループ(塩山さんがいないのが残念!)に交じって、飲む。今回は人数の関係で貸し切りに出来なかったので、マイクは使えない。したがって声を張り上げて、各賞を発表する。南陀楼賞は最初の印象通り、「ちのり文庫」に差し上げた。賞品は新潟一箱古本市制作された、南陀楼綾繁イラスト入りのTシャツイラストはhickory03travelersの迫一成さん)。本人に色とサイズ希望を聞いて、新たにつくってもらうやつをお届けする。いい賞品だと思うが、どうかなあ。


例によっていろいろ座が乱れて、移り変わり、残った人でそのままその場で二次会突入。人見知りなので、こういう場ではつい知り合いと話してしまうが、今回は初めての人と話せたので面白かった。しかし、けっこう酔っぱらった。11時過ぎにお開きになり、家に帰ってすぐ眠ってしまう。


今回も場所を提供してくださった大家さん、出店した店主さん、助っ人の皆さんの協力に感謝します。とくに高崎経済大の学生さんは、単位のためもあるとはいえ、一日中立ちっぱなしで御苦労さまでした。本当は彼らも打ち上げに誘いたいのだが、遠いから参加できないのが残念。青秋部の二人はお疲れ様。もうすっかり貫禄が出てきましたね。ぼくに相談することもまったくなくなって、ちょっと寂しい気持もありますが。


では、次回、2012年の春にお会いしましょう。たぶん通算で15回という節目です。という辺りで、今回のレポートを終わりにします。ああ、書きだすと細かくなってしまって、やっぱり1時間以上かかってしまった……。写真は後日載せます。

2011-10-04 出版者ワークショップ、次回ゲストはみずのわ出版・柳原一徳さん

出版ワークショップ、次回のゲストみずのわ出版柳原一徳さんです。同社は神戸を本拠に、ノンフィクション民俗学写真集などの本を刊行してきました。林哲夫さん編集の『spin』など書物・古書関係にも縁が深いです。みずのわさんは、2011年8月から山口県周防大島移転し、そこで出版活動を行なうことになりました。その決断に至った経緯を含め、「地方出版社の生きる道」についてお話ししただきます


なお、柳原さんは独特の風体と人柄からねこしゃちょー」と親しまれ、全国の書店から愛されています。このヒトに会えるだけでも、なにかしら得るものはあると思います


今回も若干名のオブザーバー参加を募集します希望者はこのブログ上部のメールアドレスからお申し込み下さい。お名前、人数、電話番号をお書きください。参加費1000円は当日お支払いいただきます


日時 10月10日(月・祝)15:00〜18:00

場所 あいおい文庫中央区佃・相生の里内)

http://www.aioinosato.jp/


また、出版ワークショップでは正規メンバーの参加も受け付けています。個人や少人数のグループによる本づくりや流通に興味をお持ちの方を歓迎します。まずは一度、見学にいらしてください。連絡先は同じです。

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