ナンダロウアヤシゲな日々

◎この日記は、ライター・編集者の南陀楼綾繁が書いています。
◎新刊『町を歩いて本のなかへ』(原書房)発売中です。
◎著書『一箱古本市の歩きかた』(光文社新書)、『谷根千ちいさなお店散歩』(WAVE出版)、『小説検定』(新潮文庫)、『ほんほん本の旅あるき』(産業編集センター)、『路上派遊書日記』(右文書院)、『ナンダロウアヤシゲな日々』(無明舎出版)、『老舗の流儀 戦後六十年あの本の新聞広告』(とうこう・あい監修、幻冬舎メディアコンサルティング)、編著『チェコのマッチラベル』(ピエ・ブックス)、共著『ミニコミ魂』(晶文社)。
◎ご感想・ご連絡は南陀楼綾繁 まで。
◎「不忍ブックストリートの一箱古本市」は毎年春に開催します。
詳細は不忍ブックストリート公式ホームページもしくは、しのばずくん便りをご覧ください。
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2017-08-31 私が「不忍ブックストリート 店主さん・助っ人さん茶話会」を大事に

しのばずくん便り」(http://d.hatena.ne.jp/shinobazukun/touch/20170731/p1)で告知しているように、9月9日(土) 17時30分〜 駒込地域活動センター文京区本駒込3-22-4) 洋室Aで「不忍ブックストリート 店主さん・助っ人さん茶話会」を開催します。

昨年までは、集まった皆さんに一箱古本市不忍ブックストリート活動についてご意見を伺うかたちでしたが、それだと堅苦しいという意見を受けて、今年は「一箱古本市で◎◎した本」をテーマにします。参加される方は「一箱古本市で◎◎した本」を1冊お持ちください。「◎◎」には「売った」「買った」「発見した」「教えてもらった」などが入ります。それらを紹介しつつ、今年の一箱古本市についてのご感想、ご意見お話しください。今後の活動の参考にさせていただきます

店主さん、助っ人さんの生の声を、一箱古本市に反映できるチャンスです。お誘いあわせのうえ、ぜひご参加ください。昨年以前の店主さん、助っ人さん、これからどちらかになってみたいという方の参加も歓迎です。もちろん、大家さんもぜひ!

なお、茶話会終了後、近所で納涼飲み会も予定しています。駒込オープンした〈BOOKS青いカバ〉を見学したあと、隣のタイ料理屋が会場になります。

というわけなのだが、いまのところ、参加者が少なさそうな感じだ。飲み会は人数把握のために予約制だが、集会は申し込み不要にしているので、毎年その日になってみないと参加者数が判らない。当日になってみると、意外に少なくてがっくりする年もある。でも、だからこそ、私はこの集まりは続けたいと思っている。

不忍ブックストリート一箱古本市をはじめた2005年から数年間は、みんなが手探りの状態だった。そのなかで、大家さん、店主さん、助っ人さんとわれわれ実行委員会関係が深まっていった。その一方で、一箱古本市は各地で開催されるようになり、多くの人たちが店主さんや別のイベント主催者になった。昨年創刊した『ヒトハコ』は、各地の一箱古本市関係者のつながりから生まれた雑誌だ。

店主さんや助っ人さんが仲良くなって、新しい本のイベントもたくさん誕生した。そこに参加した人が、不忍ブックストリート一箱古本市に出てくれるようになった。その分、以前に比べると、店主さんも助っ人さんも、私たち実行委員も確実に忙しくなった。かかわっているイベント複数あり、客として行きたいイベントも多い。トークイベントちょっと多すぎると感じている人もいるだろう。出演している私自身がそう感じているのだ(だから、逆に、最近の私はひとつひとつトークワークショップを少人数で成立する企画と内容にしたいと思っている。このことはいずれまた書きたい)。

毎年2月から一箱古本市の当日までは、全員が忙しい。助っ人集会で多くの人が集まっても、ゆっくり話す時間はない。だから、いまの不忍ブックストリート一箱古本市をどう思っているかを直接聞く機会は、オフシーズンである夏に行うこの集会しかないのだ。

私は、みなさんが、どんな多様な活動をしていても、不忍ブックストリートを「出発点」として大事にしてくれるのを嬉しく思っている。全国各地で「不忍の一箱があったから」と云ってくれる人に出会う。

でも、今年春の一箱古本市表彰式で話した通り、不忍ブックストリート一箱古本市いつまでもあるとは限らない。私も含め、実行委員それぞれの事情や状況、この地域の変化、大家さん、店主さん、助っ人さんそれぞれの事情があり、その一角が崩れたら即継続できなくなることは十分ありうる。有志による非営利地域活動はすべてそうだけど、決して盤石なものではない。これは大げさに云っているのではなく、ただの事実だ。

からいま、今後の一箱古本市の仕方を変えるのか・変えないのか、不忍ブックストリート活動をどうするかについて、なるべく多くの人たちの声を聞いておきたい。そうしないと、これまで通り続けることも、あるいは、大きく変えることもできない。その「声」は具体的な意見提言であってもいいし、「こういうのが好き」「こういう風になればいい」というイメージでも構いません。

そういうわけで、改めてお願いです。みなさん、忙しいとは思いますが、9月9日の集まりにぜひいらしてください。知り合いの方にもお声がけをお願いします。

茶話会は事前申しこみなしでも参加可です

飲み会参加希望者は

9月7日(木)までに下記の項目にご記入のうえ、お申し込み下さい。

どうぞよろしくお願いします。

【送付先】

hitohako@yanesen.org

【申し込み項目】

1 お名前本名

2 屋号(店主さんは)

3 参加人数

4 飲み会への参加 希望(○人)・参加しない

5 メールアドレス

6 電話

7 当日の話題にしたいことがあれば

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2017-08-30 〈カフェ・ド・クリエ〉千駄木店閉店

朝8時起き。今日インタビューメモをまとめる。バス千駄木、〈往来堂書店〉。人に会うため店内で待っていると、その人から電話で「前で待ってます」と。入口の植え込みにいたらしいが気づかなかった。この人、前も店に入らずに待っていたが、本屋での待ち合わせを指定するときは中で本を見ていてほしい。そうじゃないと、かえってプレッシャーになるから

向いの〈カフェ・ド・クリエ〉に入ると、珍しく客が多い。明日で閉店するので、名残を惜しみに来た客が多いようだ。打ち合わせの後、時間があるので残ってパスタを食べる。その間も恒例の常連がやって来て、なじみの店員と話していた。ここはタバコが吸い放題で、吸わない私にはけむいときもあったが、いつも空いていて、往来堂で買った本を読むには最適だった。

千代田線大手町乗り換え、神楽坂新潮社で著者インタビュー新刊についてのものだが、初めて読んだ作家で、すっかり気に入って過去作品全部を一週間かけて読んだ。短いが、いい話が聴けたと思う。そのあと、資料室に入れてもらい、2時間ほど調べもの。終わる頃には雨が激しく降ってきて、編集者に傘を借りて帰宅

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2017-08-29 藤沢から横浜へ

朝8時半起き。飲みすぎか、少し頭が痛い。今日インタビューメモをまとめて、12時過ぎに出る。山載せて銭で東京駅東海道本線。座れたので車内で少し寝る。藤沢には1時半に到着。早めに着いたので昼飯食べようと思ったが、待ち合わせの喫茶店が見つからずうろうろ。時間なくなり、駅のそば屋でタヌキそばをかきこむ。駅の隣のビルだと判って、時間通りに行けた。

宮田昇さんと創元社編集の方と待ち合わせ。宮田さん、90歳近いというのにお元気で、話も記憶もしっかりしている。もう20年近く前に『季刊・本とコンピュータ』にエッセイを書いていただいたときにお目にかかって以来か。今日は『サンデー毎日』に掲載する『昭和翻訳出版事件簿』(創元社)についてのインタビューだが、以前から宮田さんの本が好きで、改めて読み直したりしたので、戦後翻訳出版編集者についてあれこれお聞きする。お会いできてよかった。

大船まで東海道本線、そこから京浜東北線石川町駅。改札で待っていると、星羊社の星山・成田夫妻が登場。こないだまで成田さんの実家青森に帰っていたそうで、青森話をいろいろ聴く。このあとは『はま太郎』の取材で、寿町9月1日から公演する水族館劇場を覗いて、山手方面に歩き、古本屋に寄って、最後山手駅前のレストランに落ち着く。意外な発見があり、楽しい取材行になった。

10時前に解散して、京浜東北線で帰る。「乗り過ごさないでくださいね」と云われ、「そんなに酔ってないから大丈夫だよ」と返事したのだが、上野あたりで眠くなって、気がついたら東十条だった。慌てて下りて、田端まで戻った。

新潟の〈シネウインド〉が出している雑誌ウインド9月号で、〈北書店店長佐藤雄一さんが拙著『町を歩いて本のなかへ』(原書房)を紹介してくれました。7年前、私が新潟を訪れたときのことをふりかえっています。

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2017-08-28 東京を語る

朝8時起き。仕事の本を読む。夕方、〈古書ほうろう〉へ。レッジプレスの五十嵐さんと待ち合わせ、〈やなはじ珈琲〉で打ち合わせ。6時半にほうろうに戻る。

7時半から南陀楼綾繁×吉上恭太×山川直人トーク東京で語ること、歌うこと、描くこと」。お客さんは20人ほどか。少ない分、リラックスして話ができた。もっとも、私は今回、恭太さんに司会を頼んだので、全体の進行を意識せずに自由に話せた。開演前からビール飲んでたので、途中、どうしてもおしっこ我慢できずトイレに行ったりする。「東京で」という部分でどれだけ話ができたか判らないけど、最近考えていることは大体話せたかな。

云い忘れたこと。会場に来たお客さん限定で、「東京新聞」というフリーペーパーをつくった。三人がそれぞれ、他の二人について短い文章を書き、こまものやさんの題字とイラスト原書房Hさんのレイアウトの協力を得て完成したもの。このタイトルは、関川夏央山口文憲の『東京日常』(ちくま文庫から思いついた。2人の中年男がファミレスで、愚痴めいた話を延々しているのが良かった。もっとも、あのときの二人はいまの私よりもずっと若いはずだ。

後半では、恭太さんの発言をとらえて、なめらかにRYUTistの紹介をぶち込み、その流れで『柳都芸妓から「夢見る花小路」をかける。おおむね好反応。あとで知ったのだが、その頃、新潟ではとんちピクルスさんのライブを、RYUTistのともちぃが聴きに来て、一緒に写真撮っていたのだった。これが共時性というやつか?

終わった後は、店内で打ち上げ。そういえば、ほうろうでトークをするのは、2年ぶりなのだった。なんか楽しい解散して帰宅したのは、1時頃だったか

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2017-08-27 善行堂のち埴原一亟

朝8時半起き。残りの刺身で漬け丼。今日は涼しくてありがたい。11時前に出て、吉祥寺へ。北側に歩いて10分ほど、夏葉社事務所へ。ここに移ってからははじめて。京都の〈古書善行堂〉が出張販売するのだ。長蛇の列になっているかなと思ったら、5人ほどだった。しばらく待ち、12時にオープン。棚4面ほどの量だったので、さほど押し合いせずに見ることができた。さすがにいい本が多い。

吟味して、3冊買う。田辺福徳『本と珈琲』(私家版)は、北海道大学医学部医師体感記念に出したもの趣味古書集めについて書いたものだが、「古本の小包」「左川ちか詩集」など興味深いタイトルが並ぶ。決め手になったのは「寿多袋」で、これは酒井徳男発行の趣味誌のこと。田辺氏はその誌友だったのだ。「何だが【ママ】、酒井さんが粋がるために出した雑誌に、劣しい財布をはたいて財政援助をしているような気がした」と本音も漏らしている。装丁みすず書房の本を参考にしたと思しき、シンプルもの。3500円とちょっと高めだったが、手元に置いておきたくて買う。

ほかに、野田宇太郎『桐後亭日録』(ぺりかん社)600円。目次を見てエッセイ集かと思って買ったが、あとでよく見ると日記本だった。もちろん、そっちのほうが嬉しい。もう一冊、『近松秋江研究』第2号を500円で。買わなかったが、『天文台日記』の石田五郎の追悼文集もありちょっとしかった。帳場に座る山本善行さんに、『埴原一亟 古本小説集』にサインをもらう。埴原の文章の一説を書いてくれた。岡崎武志さん、古ツアさん、ますく堂など知った顔多し。

駅のほうへ戻り、〈百年〉が出した新しい店〈一日〉へ。ギャラリー限定本、リトルプレスなどを中心に置く店で、店内の古本の量はさほど多くはない。しかし、奥のガレージに入ると、いい本が多く並んでいる。この20年ぐらいのリトルプレス、ミニコミが多いのもいい。読売新聞社編『建築巨人 伊東忠太』(読売新聞社)買う。

パルコの地下の〈パルコブックセンター〉。ここに入るのは数年ぶりか。地下に降りていく感じが変わったなと思ったら、エスカレーターの向きが逆になっていた。こんな変更することあるんだ。夏葉社であった人から岡崎さんのパネル展をやっていると教えてもらったが、それらしいものは見つからなかった。

新宿経由で田端へ。〈ときわ食堂〉に入ると、ラストオーダーの時間ちょっと飲んで、定食を食べる。田端図書館に行き、新聞書評欄を眺める。あとは仕事の本を読む。

帰宅して、パソコンの前に座り、ふと右奥にある本棚に目をやると、この数日探していたが見つからなかった埴原一亟短篇集『一国一畳ぼろ家の主』(栄光出版社)があるではないか! さっきも夏葉社で「これ持っているんだけどなあ」と云って、古ツアさんに「どうせ床に落ちてるんでしょう」とからかわれたところだ。よかった。これで「持っているのに出てこない」詐欺じゃなくなったぞ。買ったままになっていた『一国一畳ぼろ家の主』を手に取ると、状態も良く、900円で買っていた。しかも、見返しには埴原のサイン入り。鉛筆で書いているのがこの人らしいというべきか。

夜は録画しておいた『鳥人間コンテスト』。昨年も見たけど、妙に好きなんだよな。事前撮影してある要素と、コンテストの中継とのバランスもよく、ずっと見ていられる。

okatakeokatake 2017/08/31 01:48 吉祥寺パルコ行ってくれたのに、見つからなかったか。ごめんね。パネル展ではなくて、ガラスショーケースの展示で、地下2階エスカレーター降りてすぐ右にあったの。まあ、目立たないかも知れない。一カ月やってるので、また機会あったらよろしく。

kawasusukawasusu 2017/08/31 16:09 岡崎さま、ああ、そっち見ませんでした!

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2017-08-26 出かけない土曜日

朝8時起き。〈往来堂書店〉のメルマガ原稿を書いたり、本を読んだり。午後から志津で開催される古本市を覗きに行くつもりだったが、連絡することが結構多く断念。今日は一日、どこにも出かけず家にいた。夜は『ゴッドタン』のゴールデン3時間特番を、珍しくリアルタイムで見る。

それが終わってからradikoプレミアムで「ようこそ夢街名曲堂へ!」を聴く土橋一夫・長門芳郎MC音楽番組ゲストRYUTist。1時間たっぷりゲストの曲と話を聴かせてくれる番組パーソナリティ土橋一夫さんの的確な進行が心地よく、長門芳郎さんの音楽に関わる人への敬意が伝わる語りが素晴らしい。長門さん、「アーケード街さんのステージさん」って云ってた(笑)音楽好きに向けての『柳都芸妓』入門編になっている。作り手の意図を見抜く解説はさすが。メンバーも楽しそうに話してました。

そのあと、布団の中に入るが寝苦しく、RYUTist動画をあれこれ見ていたら4時過ぎになってしまう。やばいな、これは。

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2017-08-25 「読んで、書いて、食べていく」

イベントのお知らせ。

テーマ:「読んで、書いて、食べていく」

ライター生活およそ四半世紀のなかで見えてきたもの、変わってゆくこと、そしてこれからどうする?!

◎出演:岡崎武志×南陀楼綾繁

◎日時:2017年9月18日(月曜・敬老の日)/13時30分開場

14時スタート(1時間半くらい)

場所夏葉社

東京都武蔵野市吉祥寺北町1-5-10-106

◎参加費:1500円

◎参加ご希望の方は下記へ9月16日までにメールでお申し込みください。

会場スペースの関係で先着15名様までとさせていただきます

原書房 編集部・百町(ヒャクマチ)

hyakumachik☆(☆→@gmail.com

夏葉社新刊『埴原一亟 古本小説集』を会場で販売ます

フリーランスライターとしてどう生きてきたかいるか)を語り合います岡崎さんはライター生活25年、私も編集者から数えると同じぐらいです。岡崎さんはともかく、私はいまなお「食べていく」ことが高いハードルです。なので、多少の愚痴はご容赦を。岡崎さんブログで私とのトークは初めてと書いてますがそれは嘘です(笑)。『読書の腕前』のときにやってますよ。広島路面電車の中でもやっているし。あと、テーマを決めてから夏葉社を会場に借りたのですが、その新刊が『埴原一亟 古本小説集』というのも何かの引き合わせかもしれません。身につまされながら読んだので、この本の話もしたいです。限定15名です。お早めに。

朝8時半に郵便局から荷物届く。実家からの梨。豚まん。連絡いくつか終えると、やたら眠くなり二度寝。昼はチキンラーメン。1時に谷中の某店で取材。これから二週間ほどで数店を取材して原稿を書くことに。今日暑い。家に戻り、取材予定を組む。

夜は〈古書ほうろう〉で、和氣正幸『東京 わざわざ行きたい街の本屋さん』(GB刊行記念のトーク谷根千本屋ということで、ほうろうの宮地さん、往来堂の笈入さん、タナカホンヤの田中くんが出演。後ろのほうで聞く。さすがに知らない話はなかったが、改めて聞くと面白いいちばんびっくりしたのは、往来堂の斜め前にある〈カフェ・ド・クリエ〉が8月いっぱいで閉店とのこと。タバコ吸う人を中心に常連の多い店なので、なくなると困るだろう。店員が客のおばあさんと普通に世間話していたりするのを見るのは、好きだった。ただ、料金の安いチェーン店なのにあまりにも常連ばかりだったところに、難しさもあったのではないか。

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2017-08-24 ヴィスコンティと埴原一亟

ホテルで8時起き。テレビニュースを見ながら出かけようとしていたら、雑誌編集部から電話で急ぎの確認無線LAN使えるうちだとPDFやり取りしやすいので、その場でチェックする。元町商店街の〈サントス〉でモーニングミニサンドウィッチコーヒー。1階は常連らしき一人客でほぼ満席。『埴原一亟 古本小説集』の続きを読む

そこから西に向かって歩き、元町通4丁目の〈元町映画館〉へ。地方コミュティシネマはビルの中とか、繁華街からちょっと外れたところにあるのが多いが、ここはアーケードの路面にある。上映開始30分前だったが、もう受付が開いていたので中に入る。観るのは、ルキーノ・ヴィスコンティ監督家族の肖像』(1974)。数年前、日田の〈リベルテ〉でヴィスコンティの『ベニスに死す』を観たときは客は私一人だった。今日も午前中の上映だし、ヴィスコンティだし、客は少ないだろうと思っていたが、あとからあとから客が入ってくる。上映開始時には30人近くになっていたのに、驚く。

家族の肖像』は、バート・ランカスター演じる老教授孤独と静寂を楽しむ余生を送っている家に、人間的にも性的にも奔放な人々が住み着くというもの最初ホラーコメディ、途中から恋情、最後悲劇で終わる。『ベニスに死す』もそうだったが、ヴィスコンティ自分世界を持っているインテリが、異質な世界美少年翻弄される話が好きなのだろう。デジタル修復版ということで、きれいな画面だった。途中、ちょっとだけ眠って話が見えなくなったが、面白かった。

外に出ると、次に上映する別の作品のために、客が並んでいてまたビックリ。いいプログラムを組んでいても、集客に悩む映画館が多いのだが、ここはよほど告知に力を入れているのか、地元映画好きに愛されているのだろう。また、観に来たい。

そこから北側の坂を上がり、花隈公園の正面あたりにある〈古書ノーボ〉へ。今年3月オープンしたという。店内は広く、まだ棚を置ける余裕がある。しかし、今並んでいる本だけでも、文学から思想漫画まで私好み。店主が同世代なのか、エッセイだと荒俣宏漫画だと吾妻ひでおが何冊も見つかる。読書漫画バーナード嬢曰く。』の作者・施川ユウキ単行本コーナーがあったりする。加藤政洋神戸花街盛り場考 モダン都市のにぎわい』(のじぎく文庫)など4冊買う。http://koshonovo.hatenablog.com

下に降りて、元町高架通の〈サンコウ書店〉の100円均一で2冊買う。並びの〈来々亭〉へ。夫婦でやっている店で、まだ座ってないのに「なんにします?」と聞かれる。まずビール餃子。小ぶりでうまい。そのあと、ラーメン焼き飯定食。おばさんが餃子のたれを「これ、ラーメン焼き飯ちょっとかけるとおいしいから」と教えてくれる。ちょっと混ぜてみると、たしかに味が深くなる。「お客さんはなんにでもこれかけるよ」とくったくなく笑う。味にも店にも大満足して、会計してもらうと、おじさんが「1450万円」とお約束を云うので、こちらも「じゃあ1500万円」と差し出すと、おばさんが「おつり50円ね」と返す。そこは50万円じゃないんだ。さらに出ようとすると、おじさんが「じゃあ、また明日」と送り出してくれる。いいなあ、この明るさ。

大通りを渡って、正面のビルの2階にある〈レトロ倶楽部〉へ。以前より古本が減って、CDが増えていた。1冊買う。もう一軒、アーケードの中に新しくできた〈読尊〉へ。ビルの3階で急な階段をのぼる。じつは昨日も覗いたが、休みだった。漫画文庫中心の古本屋。このあと、レンタサイクル博物館に行こうと思っていたが、照り付ける暑さにそういう気は起きず、〈1003〉に行ってアイスコーヒーを飲みつつ、涼ませてもらう。

ここで『埴原一亟 古本小説集』を最後まで読み終える。7篇入っていたが、どれも素晴らしい。戦前作品も入っているが、難しい言葉遣いはせず、日常言葉で書かれているが、そこには生活の実感がある。生活の中で鍛えた言葉というか。いまの小説雑誌インタビュー記事などに感じる、いいことを云っているようでどこかツルツルと上滑りしている文章とはまったく違う。埴原一亟のような文章を書きたいと思う。

ひとつひとつ作品に触れると長くなりそうなので、いちばん身につまされた文章を引く。

「赤三はほんとうに自分生活を考えていた。よりよい生活をするためには、もっと積極的生活にぶっつかってゆかなければならないと考えた。だが考えられることは考えられても、それをどんな風に具体的にやるかと言う問題になると、夢のような理想ばかりが先走って現実には一歩も進歩していないのだった」(『生活の出発』)

なんかもう、私自身の生活に引き比べて、思い当たるところがありすぎる。島赤三は私だ。勢いで、「これは全古本屋フリーランスで生きている人全員に必読の小説です。まじに。」とツイートすると、その日のうちに100件以上の反応があった。これは、いま読まれるにふさわしい小説なのだ夏葉社にとっては第二の『昔日の客』(関口良雄)的な存在になるかもしれない。なってほしい。

2日間世話になった〈1003〉を辞し、同じ通りにある編集プロダクションのくとうてんへ。雑誌『ほんまに』も発行している。Iさんと初めて会うSさんと話す。こういうのをやったら面白いのではということを話すが、さて、実現するだろうか。ホテルに戻り、預けていた荷物を受け取る。本が増えたので重い。

近くの店で豚まんを買い、JR元町駅から三宮地下鉄に乗り換え、新神戸へ。まだ時間があったので、無線LANのつながるベンチに座り、RYUTistライブ動画を見る。なんか、ずっと見ていられるなあ。新幹線の中では無線LANがつながらないので、動画は見られないのだ。

のぞみ号は高校運動部かなんかが集団で乗っていて、満席ビールすき焼き弁当。本をちょっと読んであとは眠る東京駅から山手線田端。家に着いたのは9時半だった。疲れたけど眠くはないので、DVDで『THE KILLING/キリング』続き。けっきょく4話観てしまい、寝たのは2時。

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2017-08-23 神戸で取材とワークショップ

朝6時半起き。ベーコンと卵炒めと味噌汁ごはん東京駅の構内で土産を買う。8時前なのにもう開いているのは、さすが東京駅しかし、東海道新幹線の改札前にあった書店が見当たらない。別の場所に移ったか、閉店したのか?

8時半ののぞみ号は満席。二つ隣に座った女性が、「コンセント使わせてください」と云われ、こちらも使うんだがと思ったら、ちゃんと二股タップを用意していた。車内では『埴原一亟 古本小説集』の続き。たんに書かれている内容が面白いだけでなく、その描写主人公の心情が胸に迫ってくる。一気に読み終えるのが惜しくて、1篇ずつ読んでいる。

11時前に新神戸着。ホームに降りると熱気が押し寄せる。元町に行くには三宮地下鉄に乗り換える。たいした時間じゃないけど、それがめんどくさくて、バスに乗ることに。観光案内で聞いて乗り場に行くと、いま目の前を出発したところ。ベンチに座って15分ほど待って、次のバスへ。シティループバスといい、主要な観光スポットを回る。中には女性車掌もいる。

元町大丸前で降りて、中華街へ。そういえば、横浜元町中華街が近くにある。たんなる偶然だろうか? 横浜もそうだが、中華街でどの店に入るか決めるのは、ある程度知ってないと難しい。表通りは諦めて、横丁の店を見てみるが、なかなか入りたいと思える店がない。結局、中華街を出てすぐの通りにある〈志奈乃〉といううどん屋へ。広い店だが、客がたくさん入っている。うどん牛丼のセット、600円を食べる。だしがちょっと辛めだったが、うまかった。

そこから10メートルほどの〈1003〉へ。今日は定休日だが、ここで二つ用事がある。店主の奥村さんとコーヒー飲みつつ、雑談交じりの打ち合わせ。2時にNさんが来て、この方が長年出されているミニコミについてのインタビュー現物たっぷり見せてもらい、いい話が聞けた。最近お会いしている人に共通する要素として、この方も「いまの視点地域歴史を掘り起こす」活動を続けている。『ヒトハコ』2号に掲載予定だが、ほかの記事がまだ固まってないので、急がないと。

新刊で並んでいた、西秋生ハイカラ神戸幻視行 紀行篇 夢の名残り』(神戸新聞総合出版センター)と『夢幻小説神楽坂隧道』(西秋生作品集刊行委員会)を買う。筒井康隆主宰同人誌ネオヌル』に参加していたSF作家だそうで、どちらも没後に刊行。前者は大学同級生戸田勝久さんが装釘している。後者には眉村卓高井信かんべむさし堀晃らの追悼文を収録。「名張人外境」の中相作さんとも同人誌仲間だったようだ。


元町プラザホテルチェックイン。ここは前に泊まったことがあるが、元町駅のど真ん前で便利。少し休憩してから、出かける。適当中華料理屋に入り、ビールセットというのを頼んで、ワークショップの流れをメモする。〈1003〉に行き、しばらく待つうちに、参加者が集まってくる。神戸以外に大阪から来た人も。

10名に向けて、「ちいさな出版物の『設計図』をつくるワークショップ」をスタート。まず、趣旨説明し、それぞれがやってみたいことを聞き、作業時間に入り、発表という流れ。何度もやっているので慣れているが、人数に合わせて時間配分をするのが一番大変かな。今回も面白いテーマやつくり方が出てきた。すぐにつくってみせてほしい。

終わって、有志で打ち上げ。ほとんど全員残ってくれた。近くの店が満席ということで、三宮駅近くまで歩く。〈味香苑〉という中国東北料理の店。羊肉串焼きとか珍しい料理が多く、どれも香辛料たっぷりなので、ビールによく合う。あとから川浦くんも参加。2年前だったか神戸の街を案内してくれた若者。いまは映像制作会社に入って、忙しそうだった。

12時前に解散して、ホテルに帰る。ビールを飲みつつ、RYUTistが出演している「タワレコTV」のアーカイブを見る。先日、〈タワーレコード〉各店で行ったインストアライブの模様で2時間近くあるが、カメラ編集も細かいところに行き届いているので、見ていて飽きない。〈北書店〉での「柳書店」のときも感じたが、撮影音響ベテラン技術があり、しかも心からRYUTistが好きであることが伝わってくる。

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2017-08-22 新潟の冷や汁を食べる昼

8時起き。新潟で買ったそば。午前中は連絡あれこれ。10月以降、置賜会津山陰四国近畿九州などに行く予定があるので、確定事項を増やしていかなければならない。マネージャーなんかいないので、結構これに時間がとられるのだ。

昼は新潟で買った鮭の焼漬けと、沼垂の〈峰村醸造〉で買った新潟冷や汁。ご飯に豆腐大葉を乗せて、水で溶いた味噌冷や汁をかけるだけ。さっぱりしていてウマい。郵便局から田端図書館明日以降、1週間で3件の著者インタビューがあるので、関連本に目を通すだけでも大変だ。と云いつつ、本を読みながら昼寝してしまう。

たまにはRYUTist以外の新潟ネタも。9月23日からシネウインドで「映画監督佐藤真新潟と」。『阿賀に生きる』ほかテレビ番組まで含む作品を上映。牛山純一と野尻抱影が観たい。同時期に砂丘館では佐藤真の展示があります。上映にあわせ『阿賀に生きるスタッフ飯沢耕太郎椹木野衣などトークも開催。人選もテーマも興味深く、新潟の人がうらやましいです。私も期間中新潟に行く予定なので、何本か観られるといいと思っています。シネウインド映画観るのじつははじめて。ロビーまでは入っているけど、なかなか見たい作品時間が合わなかった。https://www.facebook.com/MakotoSatoAndNiigata/

青春読書5月臨時増刊号集英社文庫創刊40周年記念号」を〈北書店〉でもらう。著者おすすめタイトルジャンルガイドに加え、40年のクロニクル数字で見るトリビアなど盛りだくさん。手元に置いておくと役に立ちそう。他の文庫でも節目に合わせてこういうの出してほしい。

夏葉社から新刊山本善行編『埴原一亟 古本小説集』届く。はにはらいちじょうと読む。芥川賞候補になっているが「忘れられた作家」で、古本屋を営んでいた。私は亀鳴屋から出たアンソロジー『したむきな人々』ではじめて知った。あと、解説に出てくる単行本も一冊持っているがまだ読んではいない。夏葉社としては創業時の関口良雄『昔日の客』以上の無名な著者だ。まず「亟」が入力できないもんなあ。でも、これは味読したい短篇集ですよ。こういう本が長く読まれていくようになればいいと思う。

根津へ。〈和幸〉で日本酒豆腐バタ焼き、鮭塩焼き定食うまい。そのあと、トンブリンさんと待ち合わせて、彼が教えてくれた店に一緒に行く予定だったが、先に入ってみると満席でびっくり。変わった業態の店だが、ちゃんと需要があるのだ。トンブリンさんに連絡して今日はナシにする。帰宅して明日の準備。朝から新幹線神戸に向かうのだ。

寝る前にThe Laundries『Synanthrope』を聴く。これが気に入って、過去作も聴きたいと、このバンドサイトを見ていたら、アルバムレーベルdog and me recordsを主宰しているのが作家西崎憲氏だと知る。びっくり。http://www.dog-and-me.com  The Laundriesというバンド名はThe Lilac Timeの曲からとったという。私はネオアコはほとんど聴かないが、このバンドの『And Love for All』はXTCのアンディ・パートリッジがプロデュースしたので買った。「The Laundries」はその一曲

RYUTistを知ってから、これまでのCD動画を視聴するだけでなく、アルバムに参加したミュージシャンのことや古町歴史を調べたりするのが癖になってしまい、大変忙しい。中学生のころから、何かにハマると起源への遡行関係者へと興味が広がってしまう。筒井康隆山下洋輔冷やし中華愛好協会奥成達とか。YMOムーンライダーズを聴き始めたころは、ライナーに載っている全員のことを知りたくて、音楽雑誌を隅々まで読んだ。ただ、当時は田舎在住でネットのない時代からまだよかったと、いまでは思う。ドはまりしすぎて、他のことができなくなったかもしれないからだ。適度に情報遮断されていたことで、音楽のほかに、小説にも漫画にも没入することができた。

ただ、今みたいに膨大なアーカイブがあり、関連性も検索一発で判明すると、かえって先が見えて冷めるのも早いのかもしれない。しかし、これだけネットが発達しても、自分で調べたことや、現場で見聞きしたことの優越性(少なくとも自分にとっての)は変わらない。身銭を切ること、時間を費やすことは決して無駄にはならないと思う。とはいえ、あまりに畑違いな世界なので面白がりつつちょっと困惑はしているのだが。

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2017-08-21 フリーランスと出版社

なんだかちゃんと眠れず、朝方に起きてしまった。メールの返事を書いたりして、10時ごろまで眠る。そのあとは洗濯したり、読みかけの本を読んだりする。

赤道古本市で買った、佐倉色とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』(飛鳥新社)を読む。書店で見かけて気になっていた。KADOKAWA雑誌デビューした漫画家が、担当編集者理不尽要求に追い込まれていく実話。「ボーノ」という編集者実名こそ出していないが、出版社名も雑誌名も出している。そうしないと説得力がないということもあるだろうが、私が知らないだけで、すでにネット上で話題になっていたので隠しても仕方がないということなのだろう。

フリーランス仕事をしていると、出版社編集者から理不尽対応をされた経験は誰にでもあるだろう。私にもある。もちろん、この作者が受けたほどのひどいものではないので、なんとか続けていられるわけだが。ここに描かれている編集者の質が悪いところは、謝ったり誠意を見せているときには本人も心底反省しているように見えるところだ。でも、一枚薄皮をはがしてみれば、仕事相手根本的になめていたり、会社が守ってくれると安心しているわけだ。

この本の後半で作者は、「というかここまで やられているのに ボーノからの悪意や 敵意や目的が 全然見えてこない事が 不気味で怖い… 人が相手じゃないみたい」と感じているが、たしかにこれは怖い。漫画家編集者との関係を描いたドキュメント漫画として、西島大介の『魔法なんて信じない。でも君は信じる。』(太田出版)を思い出した。

この本を読んだ人は、出版業界仕事をしているフリーランス立場から書かれたこの書評https://shimirubon.jp/reviews/1682954)も読むと、いろいろ考えるきっかけになるかもしれない。かなり長いですが。

6時に千駄木の〈おでん高橋〉。奥の座敷で、〈古書ほうろう〉の健太郎さんと一緒に、Nさんと会う。「不忍ブックストリートMAP」を参考にしたいということで、一通りお話しする。夏だけど、おでんうまい10時に解散して帰る。

8月28日(月)19時30分より〈古書ほうろう〉で南陀楼綾繁 × 吉上恭太 × 山川直人トークイベント東京で語ること、歌うこと、描くこと」開催。予約受付中です。当日来場された方にはこの日のためにつくったフリーペーパーを配布します。

http://horo.bz/event/ayashige_kyota_naoto20170828/

YozakuraYozakura 2017/09/16 18:42 南陀楼綾繁さま
 この日の掲載記事【フリーランスと出版社】ですが、読み返している裡に思い出したことがあるので、一月遅れの亀レスにて投稿、失礼します。

 昔、10年近く前でしたか、貴方が熱心に推奨していた図書に吾妻ひでお・著、【漫画・失踪日記】が有ります。確か、このブログを纏めた単行本で力を入れて紹介されていた記憶があります。その図書ですが、題名と云い、描かれている漫画の題材・内容と云い、アルコール中毒症状が亢進して漫画家生活が破綻を来し、家出した経緯や其の過程が中心となっているので、誤解されがちですが、
 漫画家・吾妻ひでお氏の失踪の原因は、出版社が資本の論理に基づいて恣意的な遣り方で、吾妻氏に画風や作画の変更などを要求し、北海道の田舎育ちで真面目一方の吾妻氏が、それに上手く応えられず、一人で悩んで思い余り、自宅から失踪したのが「事件の真相」でしょう。
 出版社の編集者としては、「どうせ、こいつら漫画家の代替品は幾らでも居るんだ!社会の変化や読者の需要の変化に合わせて、画風や内容を変更・更新するのは当然だ。合わない奴は、キレば良い!」と云う方針だったのでしょう。
 出版社としても、読者のリクエストや金融業者からの要求は無視出来ず、漫画家に変更を強いるのですが、それは、夢を実現する為に北海道から上京して来た吾妻氏のような純情一途な人には、酷な話だったことでしょう。

 出版社の編集者に、或いは、その出版社に融資している資本の論理に拠り、潰されて往った漫画家諸氏は、かなり居たと思いますよ。まぁ、フリ−ランスと云うのは、出版業界に限らず、大変なのでしょうが----。
 お元気で。

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2017-08-20 新潟から奥沢へ

7時起き。テレビで朝のニュース見る。9時前に宿を出て、近くのバス停へ。新潟駅に向かうバスに乗る。信濃川にかかる八千代橋を渡ると、左手NST新潟総合テレビ)の社屋が見える。RYUTist関連の動画には、彼女たちがゲスト出演したことのある『八千代コースター』が見つかるが、八千代橋近くの会社からこういう名前なのだ。なるほど。この番組面白そうなので見てみたい。

万代シテイで降りて、バスセンター立ち食いそばでわかめそば。このあと飲むのでカレーは食べず。新潟市無線LANが使えるので、ベンチに座ってYouTube見る。昨日のRYUTistライブカバー曲もよかった。私がカバーしてほしいと思うのは、マーガレットズロースの「ぼーっとして夕暮れ」。コーラスが映える曲。ボーカル平井正也さんは新潟県新発田市出身で、いまは別府在住。https://youtu.be/SrTw5gp1wUk あと、とんちピクルスさんの「抱きしめたい」もリリカルでいい。https://youtu.be/YJvOVc4bgic もっとも、とんちさんには、純真女の子にはタイトルすら聴かせられないヤバい曲も多いが(笑)

駅まで歩き、〈ぽんしゅ館〉へ。佐藤ジュンコと落ち合う。窓際のテーブル荷物を置いて、まずは買って帰るものの物色。前回気に入った鰹だしのしょうゆやぽん酢、そば、バスセンターカレーレトルトなどを買う。11からバーで酒を出すので、地酒利き酒セットを頼む。大き目のぐい飲み3つに入っているので、けっこう飲みでがある。3種類300円のおつまみセットも。あとから文旦さんも来て、午前中から飲みながら話す。

12時に出て、改札で二人と別れて新幹線に乗る。ぽんしゅ館で買っておいたおにぎり味噌汁食べて、眠っているともう上野だ。そこから奥沢まで行かねばならないが、荷物が重い。しかし、一度家に帰ると出かける気力をなくしそうなので、頑張って山手線に乗る。目黒で乗り換えて奥沢南口の、いままで入れていなかった古本屋今日は開いていたので覗く。

北口を5、6分歩いて〈読書空間みかも〉へ。古民家の応接間で二か月に一回ぐらい一箱古本市をやっている。参加者はいつも5、6箱だけどアットホームな感じがいい。休憩に使っている座敷に荷物を置いて、今日トークメモを取ったりする。

古本市が終わって、6時にトークがはじまる。新刊『町を歩いて本のなかへ』(原書房)ができるまでを、編集のHさんとのやり取りも含めて話していく。この半年間ぐらいのことだが、改めて経緯をたどってみると、ああそうだったと思うこと多し。とくに今年は1月から3月まで、自分自分でなかったような日が続いていたので。いったん話を終えると、おいしいスイカが出てくる。それを食べながら、雑談モードに。後から来たレインボーブックスさんに「ナンダロウさんが私のことをよくネタにしているそうですが」と云われるが、半分はちゃんとリスペクトして紹介しているのですよ。もっともあとの半分は、そこまでやるかとあきれてますが。

疲れ切って、奥沢から南北線駒込で降りて、駅前ラーメン屋ビールラーメンタクシーで帰る。荷物を片付けつつ、RYUTistCDや、「柳書店」で演奏した鈴木トリオシングルなど聴く。「サンディー」で超泣けるイントロギターを弾いている遠山幸生さんにいただいたThe Laundries『Synanthrope』も聴く英語詞の曲も日本語詞の曲もいい。せつなさを感じるボーカル演奏。そのあとも、動画を流しっぱなしにして寝る。東京に帰ってきたが、まだ体の一部分は新潟にあるみたいな感じだ。

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2017-08-19 「柳書店」が結ぶ縁

朝7時起き。調子に乗って飲みすぎて、頭が痛い。出かけようとしたところに大雨が降ってくる。旅館で傘を借りて、古町モールまで歩く。喫茶店を探すがまだ開いていない。前回行った〈エトワール〉が8時オープンなので、前のベンチで待つ。あとで誰かが云っていたが、古町喫茶店はなぜか二階にある店が多い。エトワールも同じだが、オープン直後からどんどん客が入ってくる。モーニングトーストサンドイッチなどがあるが、胃に優しいものときのこ雑炊を選ぶ。雑炊というよりはリゾットぽくて、身体にしみいる。この店はコーヒーもウマいのだ。

バス新潟駅へ。駅の南口まで歩く。毎回歩くためにこんな反バリアフリーな駅はないなと思う。いま工事しているが、すこしはマシになるのだろうか。本数が少ないのでバス停のベンチで待ち、9時20分のバスに乗る。15分ほど乗って、野球場科学館というバス停で降りる。変わった名前だと思ったら、もともと野球場があって、それとは別に科学館というのもあるのだった。県立図書館はさらに奥にあって、10分以上かかった。すでに汗だく。

県立図書館に来るのは初めて。館員のOさんに連絡しておいたので、出勤日じゃないのに来てくれていた。調べはじめているテーマについての資料をいくつか出してくれている。それから2時間ほど調べもの。ここは公開書庫といって、手続きすれば書庫の中に入れるのがいい。一区切りつき、受付でバス時間を確かめたら、ついさっき出たところ。施設内のカフェサンドイッチコーヒー時間をつぶす。

バス停まで歩き、そこで15分近く待ってバスに乗る。南口から万代口に出て、またバス停。ここもさっき出たところ。とことんタイミングが悪い。バスは東に向かって走り、沼垂を抜ける。「◎◎木戸」という名前バス停が続き、下木戸で降りると、目の前が東区役所。そこのエントランスで開催されている「赤道古本市」を覗く。出店者は17,18組ほどで、学校町通の常連が多いが、最近どこにでも夫婦でやって来る「カメブックス」がココにも参加。新潟本を多く出している箱から朝日新聞新潟支局編『越後停車場』(朝日新聞社)を買う。県内の全路線、全駅の歴史が記されている本で、図書館で見たときからほしかったもの

これから古町方面に戻るのに、一発で行けるバスがなく、また駅で乗り換えないとと云われ、ガクッと来る。バス好きだけど、この乗り換えの連続は疲れる。それを見て、主催の文旦さんが店番を抜けて、車で送ってくれる。ありがたい。これまで通ったことのない、工場の裏道を抜けるルートを通ってくれたのも面白かった。

塚田旅館に戻り、布団に寝転んで休憩。2時間ほど涼んだので、体力が回復した。5時半に出て、〈北書店〉。すでにお客さんが並んでいる。ドアには佐藤ジュンコ直筆のRYUTist×北書店「柳書店」のポスターが貼られている。中に入れてもらって、適当位置に座る。そのあと、開場してどんどん席が埋まっていく。いつものトークイベントでは出たところ勝負佐藤店長が、入念に段取りをチェックしているのがほほえましい。

6時に柳書店、開演。女学生らしく白シャツスカートで、眼鏡をかけたメンバーが登場。鈴木恵withフレンズをバックに、本日初演の「虹」を歌う。絵本作家中川ひろた作曲で、いろんなミュージシャンカバーしているそうだ。夏の夕方聴くのにふさわしい曲だ。

そのあと、第1部のトークコーナー。佐藤店長の司会で、メンバーとのやり取りがあり、のんの佐藤ジュンコの本が好きだという話から、ジュンちゃんが前に出て話す。次に、新潟一箱古本市の話になり、私が前に呼び出される。一箱古本市をはじめたきっかけや、谷根千を案内したいこと、昨日ともちぃ取材をした話などする。最近トークで緊張することはなかったが、メンバーの真横に立たされうろたえ気味。佐藤さんに「オレのほうばっかり見ないで」と注意される。

その後、『柳都芸妓』の中ジャケに新潟の古地図提供した野内隆裕さんが登場。新潟の街歩きの活動をしつつ、私も昨日行ったカフェ日和山五合目〉を経営している。「好きな小路」を語り出すと止まらないところは、古本界隈にもこういう人いるいるという感じで親しみやすい。野内さんはテレビ番組きっかけで会った安部プロデューサーが、古町歴史について何度も尋ねてくる様子に「こいつは本気だ」と感じたそうだ。

新潟に来る前に、Facebook安部さんが野内さんに協力してもらったことを書いていて、そこにこんなことを書いていた。

「まだまだわからない事が沢山ありますが、古町を見る目が変わったのは間違いなく、『歴史の上を歩いている』。小さなカケラを見つけて、それを調べ結びつけ。今もそれを続けています」

これを読んだとき、私も自分なりに「本」で同じことをやってきたんだよなあと、共感したのだった。そして、野内さんも「街歩き」を突きつめてきたからこそ、安部さんの本気さをすぐに判ったわけだ。分野は違えど、熱量の高さは伝わるのだ。嬉しくなって、トークが終わったあと、野内さんとあれこれ話す。

第2部はライブ鈴木恵withフレンズ生演奏と、音源を使った曲が半々ぐらいだったか。『柳都芸妓からも前のアルバムからもやり、「家族風景」(ハナレグミの曲だとあとで知った)などのカバーもやる。先週の渋谷〈eggman〉のライブでは、大音量ダンスしながらのパフォーマンスだったが、今日はスタンドマイクでじっくりと歌声を聴かせてくれた。左端に座っていたので、むうたんの顔が真正面にある。歌っていない時にもいつもニコニコしている。アンコールも入れて10曲以上やってくれた。


鈴木恵さんは普段トリオ活動している。今日演奏しつつ、カフェも出していた。青木宏美さんのドラムも快調なビートを刻んでいた。「サンディー」の冒頭に泣かせるギターを弾いた遠山幸生さんはThe Laundriesというバンドもやっていて、あとでCDをいただく。

終わると、奥で物販コーナーがオープンし、長蛇の列が。その一方で、トークでジュンちゃんと私の本を紹介してくれたので、買ってサインを求めてくれる人がいた。何人かのファンと話すが、明日東京イベントにも参加する人が多い。一番すごかったのは、他県に住んでいるが、ライブに通うために新潟に部屋を借りたというひとだった。

RYUTistにはまりはじめたとき自分はグッズには手を出さないだろうという確信があったのだが、今日イベントに合わせて佐藤ジュンコイラストトートバッグが発売されており、もろくも列に並ぶ。トートと持ってなかったCD『フレ!フレ!フレ!』を買うと、握手券を2枚くれた。それを持って、メンバーとひとりひとり握手マネージャーさんに「2枚あるからもう一回並べますよ」と云われたけど、さすがにそれはしなかった。

物販が終わり、ファンが退出したのち、メンバーとスタッフ打ち上げ佐藤店長が張り切ってたこ焼き器を持ち出し、メンバーがタコを切ってたこ焼きをつくってくれた。昨夜の飲み会で私が誘ったので初参加した亀貝さんも、すっかりRYUTistが好きになったようだ。メンバーともちょこちょこ話させてもらうが、みんな、とことんいい子なのであった。明日東京で2公演もあって朝早く出発するのに、日付が変わる頃まで付き合ってくれた。

最後に残った人たちで片付け。あとは佐藤さんとジュンちゃんにまかせて、宿に帰る。風呂に入り、今夜のことを反芻しつつ床に入る。ニイガタブックライトの活動2011年6月の「一箱古本市in現代市」からはじまっているが、のちにRYUTistとなるメンバーのオーディションもその前の月に開催されているのだ。新潟一箱古本市RYUTistが同じ年にはじまっていることに、奇縁を感じる。

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2017-08-18 古町から沼垂へ

朝7時起き。上野駅へ。構内の讃岐うどんぶっかけ食べて、新幹線に乗る。途中まで本を読んでいるが、途中からよく眠った。長岡のあたりでは大雨だったが、新潟駅に着くと曇りだが降ってはいない。いつものレンタサイクルを借りる。気温は高く暑いけど、万代橋を渡るときには風が涼しかった。

常宿の塚田旅館荷物を置いて、〈北書店〉へ。藤村誠『古町芸妓物語 新潟花街』(新潟日報事業社)を買う。前に旧版を持っていたが、手放していた。RYUTistの新アルバム『柳都芸妓』を聴いてもう一度読んでみたくなった。古町の13の小路歌詞に詠み込んだ「夢見る花小路」を脳内再生しつつ、古町を西から東へと走る。

日和山という、上に神社のある小山の中腹にあるカフェ日和山五合目〉へ。一階がギャラリーカフェの注文口で、二階がテーブル席。本棚には新潟郷土資料がずらりと並ぶ。地元女性二組が世間話をしている横で、何冊か引き出して眺める。そのあと、商店街のほうに戻り、〈東屋〉でチャーシューメン。やわやわの麺に塩味うまい。次はそばも食べたい。少し時間が余ったので、〈ドトール〉へ。

古町通番町の柳都アーティストファームへ。そのうち出る本に収録される予定で、RYUTistのともちぃこと宇野友恵さんにインタビューする。6月学校町通の一箱古本市ときは顔さえ判らなかったのだが、この二か月でアルバムを聴き動画を見まくって、インタビューの下調べの限度を超えた情報を蓄積してしまった。マネージャー松木さんの名前も知ってたし。本題を離れて、いろいろ訊きたくなる気持ちを抑えて、1時間半ほど話を聞く。あとから書店佐藤店長が来て、聴いていた。

終わって、また万代橋渡りメディアシップ新潟日報社へ。記者の方に挨拶に行ったが、思いがけず打ち合わせに発展した。沼垂方面に向かい、〈古本もやい〉。二度目だ。店番は書肆鯖くん。店内で「古本みずのいきもの」という企画をやっている。那覇の〈くじらブックス〉、鳥取の〈汽水空港〉など全国の「水っぽい」屋号古本屋さん9店舗が本を出している。信濃郷土刊行会編『信濃怪奇伝説集』(初版1934、6版1943)を800円で買う。近くの市立中央図書館郷土資料コーナーで調べもの。今回も面白い資料が見つかる。

〈峰村醸造〉でレンタサイクルを返却。いままで沼垂周辺にはスポットがなかったはずなので、ここができて便利になった。店内で味噌漬けなどを買う。栗の木バイパス渡り、〈東来順〉でカレーラーメンのセット。ここのカレーうまいということは数人から聞いていたが、実際、そば屋のカレー的なものとは違う、スパイスのきいたカレーでうまかった。〈BOOKS f3〉では石川直樹展をやっていた。石川さん編集長知床斜里町観光協会が発行した『SHIRETOKO! SUSTAINABLE』を買う。知床の人たちがたくさん登場している。

沼垂テラスの〈ISANA〉へ。仙台から来た佐藤ジュンコとISANA店主の中川なぎささんとのトーク。2年前は私も入れた3人でこの店でトークをした。2人の人柄を反映して超ゆるゆるのまま進む。これはこれで面白いと思っていたら、最後にそれぞれイイ話をして締めた。なぎささんの「デラックス」おばあさんの話は、店をやっている人だけでなく何かの場を持っている人なら共感するはずだ。ジュンちゃんが東日本大震災後に描いた絵の線の話もよかった。途中からRYUTistのんの、ともちぃみくちゃんとプロデューサー阿部さんも参加して、熱心に聴いていた。

打ち上げは向いの〈大佐渡たむら〉。その席では、主役の2人を差し置いてRYUTistの話ばかりしてた気がする。いい気分で、新潟日本酒・藤の井や鶴の友をどんどん飲んだので、翌日は二日酔いになった。12時過ぎに終わって、佐藤店長、ジュンちゃんとタクシーに。塚田旅館に戻り、風呂に入って寝たのは2時過ぎ。

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2017-08-16 ちょっとぜいたくな朝食を

朝8時半起き。昨夜からの雨はまだちょっと降っているが、傘をさすほどでもないので、自転車で出かける。池之端の〈ASAGAO〉へ。トンブリンさんから教えてもらった、朝7時から食事ができるレストラン。1階はカウンターのみ、2階はカフェスペース。カウンターに座り、ワンプレートのランチ(?)を食べる。フレンチだが、箸で食べる。焼いた鯛、国産鶏肉ソテーマカロニ玉葱。素材もソースうまい。食後のコーヒー根津神社近くの〈みのりカフェ〉の豆と淹れかただそうで、これも美味しかった。これで1296円はリーズナブルだ。午後3時まで営業で、夜は1組のみ予約を受け付けるそうだ。ちょっと知り合いを連れていきたくなる店。次はコースにも挑戦してみたいものだ。

いい気分になって帰るが、雨が強くなってくる。それでも霜降銀座まで行き、1100円の散髪屋でバリカンで3ミリ。帰ってシャワー浴びるとスッキリした。朝からいいモノを食べたので、昼はさすがに食べる気がしない。

佐高信メディアの怪人 徳間康快』(講談社+α文庫読了出版史的にも興味深い箇所が多いが、なによりも徳間書店徳間康快が義に厚く、決断力のあるボスだったことが判る。徳間書店以外にも大映の再建に関わり、日中合作の『敦煌』や日ソ合作の『おろしや国酔夢譚』を実現させたこと。逗子開成学園を立て直し、生徒に慕われたこと、宮崎駿アニメにカネは出すが口は一切出さなかったことなど。彼のもとには政治家作家ジャーナリストなどさまざまな人たちが集まった。その群像も興味深い。徳間が引き受けた『東京タイムズ』で、佐高の連載を担当したのがのちに晶文社に入る中川六平さんだった。あとがきで著者はこう書く。

徳間さんが現れてニコッとするだけで、パッと座が明るくなる。フランス哲学者アランは『楽観主義意志の所産である』と言っているが、他人を愉快にさせながら、自分はとてつもない寂寥を抱えていた。そこがまた魅力だったのである

本書で引用されている『徳間書店の30年』は私も持っているが(そして、探しても出てこないが)、読ませる出版史だった。

そのあと、宮田昇出版境界に生きる 私の歩んだ戦後出版の七〇年史』(太田出版)を読む。第一部では自身の来歴を詳細に語っているが、早川書房入社する前の、近代文学社で編集をしていた時の話がとくに面白い宮田さんはその後、英語教材の南雲堂に入るが、ここで出していた変型のフェニックスライブラリーから早川書房ポケットミステリを思いついたというのは貴重な証言だ。また、早川の後に入るタトル商会より前に著作権仲介をしていたフォルスター事務所は、日比谷日活国際会館にあったという。この建物はのちに日比谷パークビルと改称、2000年代に取り壊された。跡地には2007年ザ・ペニンシュラ東京が建てられたという。解体前の様子は以下のブログに詳しい(http://www.us-vocal-school.com/weblog/music_life/archives/000670.html)。

夕方田端図書館へ。雑誌新聞を流し見する。情報欄で行っておきたい展示をいくつか発見スマホ自動的情報が飛び込んでくるようになっても、こちらが興味を持つ情報は紙の雑誌で得られることがいまだに多い。帰りがけに、劇団東京乾電池長屋紳士録』公演のチラシをもらう。遠目でも蛭子能収の絵だと一発で判る。エビスさんの絵はじつはとてもポップでデザインしやすいと思う。夜は録画を消化しつつ、あれこれ。豚肉モヤシきくらげ卵とじ味噌汁

野勢奈津子松岡宏大・矢萩多聞タラブックス インドのちいさな出版社、まっすぐに本をつくる』(玄光社)届く。日本でも『夜の木』などが翻訳されている、南インドの手づくり出版社の人々についてのノンフィクション。図版も多く入っていて面白そう。

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2017-08-15 終戦記念日にめくる最後のページ

朝8時起き。終戦記念日。盆休み電車は空いている。高田馬場に出て、〈吉そば〉で天玉そばを食べ、隣の〈サンマルクカフェ〉で本を読む。出ると、雨が強くなってきた。

神楽坂新潮社へ。先月から通っていた作業今日で終わり。10日間通ったことになる。サクサク進んで1時半には、最新号の最後のページをめくる。やっと眺め終えた。少なめに見積もっても50年分で4万ページ以上めくったことになる。これから補足の調べものをして、いよいよ原稿を書かなければならないのだが、最初の関門は突破した感じ。

夏休み明けですっきりした顔をしている担当Tさんと、雨の中を〈カド〉へ。先日行って気に入った店。昼酌セット(天狗舞マカロニサラダもつ煮込み)と鶏から揚げ定食という豪華な組み合わせで、ちょっと打ち上げ。ただ、昼営業の終り近くなので、一気に全部出されてゆっくり食べられなくて残念。すぐ近くの〈クラシコ書店〉を覗き、地域雑誌『ここは牛込神楽坂』の田中小実昌エッセイ書いている号など2冊買う。

大手町経由で西日暮里。地上に出ると大雨。空気もムシムシしていて、歩いていると汗だくになる。おまけに腰が痛くなって、雨の中、何度も立ち止まる。やっと家に着いて、シャワーを浴びて昼寝。夜はたまっている録画を消化。豚肉しめじトマトパスタ。まだ雨が降り続いている。

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2017-08-14 吉上恭太さんのアルバムを聴く

昨夜はRYUTist動画を夜中まで見ていたので、目覚めたら9時前だった。卵かけごはん。午前中は連絡やデータの整理など。先日買ったまま読んでなかったマンガを読む。このところ、マンガを読む速度は落ちていて、一冊読むのに結構時間がかかるようになった。歳だろうか。きらたかしハイポジ』第1巻(双葉社)は、1980年代半ばのサブカルチャーが散りばめられていて懐かしい。鈴木英人風のイラストとか。窓ハルカ漫画として現れるであろうあらゆる恋のためのプロレゴメナ』(リイド社)は、なんだか判らないパワーがあるのだが、うまく言葉に表せない。『ガロ』系の漫画家最初に読んだとき感触に近い。

1時頃出かけると、雲っていた空から雨が降りはじめる。谷中カフェランチカウンターに座っていた常連のおばさんたちが、携帯メール操作がどうのこうの話していて、『やすらぎの郷』の場面を思い出す。外に出ると雨が上がっていた。〈往来堂書店〉で、木村紅美さんの中篇が掲載されている『群像』と、『POPEYE』の本屋特集を買う。そのあと〈古書ほうろう〉へ。どちらでも秋のイベントの話を。ネット上でやりとりしているのだが、返事が滞ったりすると、直接会いに行く方が話が早い。店をやっている人は動きにくいので、私が伝書鳩代わりになる。

帰宅して、届いていた吉上恭太さんのセカンドアルバム『ある日の続き』を聴く。前のアルバム自主制作だったが、今回はレコード会社流通に入っているので全国で買える。ジャケット山川直人さん、デザインは板谷成雄さん。ほとんどの曲を鴬じろ吉さんが作詞しているのは前作と同じだが、本作は参加ミュージシャンが多く音に厚みがある。最近ムーンライダーズトリビュート盤で知った1983というバンド松村拓海もフルートで1曲参加している。感想トークときにでも述べますが、いいです。最後が、菅原克己の詩に曲をつけた「涙」というのもいい。

このアルバムのオビ文はパイドパイパーハウス長門芳郎氏が書いている。そのあと知ったのだが、RYUTistゲスト出演したというラジオ番組「ようこそ夢街名曲堂へ!」のパーソナリティ長門なのだ。うーむ、不思議と何かつながってきているな。まあ、RYUTistパイドパイパーハウスタワーレコード関係あるわけだが。私が〈北書店佐藤店長新潟メディアシップトークしたときオープニングアクトが吉上恭太さんで、そもそも私が新潟に行くきっかけも吉上夫妻だったりする。28日の〈古書ほうろう〉での吉上さん、山川直人さんとのトークRYUTistの話をせよというお告げか?(なんでそうなる)。そして、今日は買い置きのもので夕飯をと取り出したのがレトルトの「新潟バスセンターカレー」だったりします。偶然の新潟つながりとはいえ、こういう偶然を覚えておくとあとで必然だったと分かることを、経験上、私は知っています。

そのあと、『雲遊天下』次号に載せる大川渉さんと私の対談のまとめ。インタビューや対談で粗く整理された原稿を渡されると、最初うんざりするが、読んでみて訳が分からない発言でも、どういう意図だったかを考えて整理していくと、自然と話の流れができてくる。その部分が増えていって、パズルピースが合うようになっていくのが、座談をまとめる際の快感だ。まとめる技術よりも前に、そういう楽しみを感じることができるとうまくなると思う。

夜は『THE KILLING/キリング』の最後の4話を観る。残り1話までに本当に犯人が判らないのだが、それに加えて、刑事サイドに驚きの展開があったりして、気が抜けない。しかも、結末に至ってもすっきりしないというか、後味の悪さが残る。これはセカンドシーズンも観るしかないではないか。

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2017-08-13 RYUTistのライブをはじめて観る

今日日記は、新潟発のアイドルRYUTistに興味のない人は読まないでください。

16時に出て、田端駅人身事故山手線が止まっていて、ホームに止まっている電車は満杯なので、1本遅らせて乗る。渋谷の〈タワーレコード〉へ。5階のパイド・パイパーハウスのコーナーで、Hさんと待ち合わせ。そこから10分ほど歩き、〈eggman〉へ。今日RYUTistワンマンライブを観るのだ。ココに来るのは20年ぶりぐらいか。ムーンライダーズ系やヒカシューなどを見ているが、アイドルライブのために来るとは思わなかった。地上の建物は変わったと思うが、〈eggman〉は地下の同じ場所にあった。中の雰囲気もさほど変わっていない。太い柱が中央にあるところも。

入場まで入口近くにたむろしていると、ファンの人たちが仲間同士集まっている。新潟から来たという男性に「ナンダロウさんですか?」と声かけられビックリ。「ファンになってくれてありがとうございます」と云われる。いえいえ、こちらこそ。ニイガタブックライトの一箱古本市でのともちぃとの写真で、私の顔を覚えていたのか。開場時間になり、並んで入場。ノリが判らないので、後に立つ。客は多いけど、ステージが見えないほどではない。Hさんと雑談しているうちに、開始時間となる。

この2カ月で、RYUTistアルバムは全部聴いていて、動画ライブユーストリームでしゃべっている様子まで見まくってきたが、生でライブを見るのはもちろん初めて。アイドルライブを見たこともなく、掛け声などのやり方も判らない。だから、どれぐらいライブを愉しめるか、疎外感を感じないか、正直不安だったのだが、杞憂だった。メンバーが生で歌って、喋っているのを見るだけで、楽しかった。こんなコト書いている自分が信じられないが、ホントにそうだったのだ。

曲は新アルバム『柳都芸妓』の全曲を収録順にやり、その間に、前のアルバムの曲を挟むという構成アルバム未収録やカバーにもいい曲があることを知ってはいるが、王道選曲という感じで初体験者にはベストだったかも。メンバーの歌はみんな上手いし、情感がこもっている。アルバム聴いたときよりも、歌詞意味が伝わってくるようだ。とくにラスト前、「Bitter With The Sweet」で歌いあげて、「口笛吹いて」で締める流れが、すごくよかった。セカンドで一番好きな「海岸ROADでオトナッTunes!」も聴けた。会場のファンのように掛け声かけたり、手をあげたりは、まだ自意識邪魔してできないけど、最後の「ラリリレル」だけは小さく唱和しました。

アンコールも入れ、2時間近くたっぷりやったかな。退場するときに、今日セットリストを配布している。散々迷ったけど、来てよかった。それも付き合ってくれる人がいたからこそ。まったく知らないのに面白そうだと付き合ってくれたHさんに感謝山手線日暮里。〈又一順〉で、小籠包牛肉そばを食べて解散

帰宅して、さっそくRYUTistアルバムを新しい順に聴き直す。来週は新潟の〈北書店〉でのRYUTistイベント「柳書店」も見に行くのです。急にどうしたの? と云われるかもしれないが、新しい世界にハマることはいくつになっても刺激的だ。このまましばらく続けるので、そっとしておいてください。

2017-08-12 富島健夫の評伝を読む

朝8時半起き。駒込の〈セシル66〉でモーニングでもと自転車で出かけるが、夏休みに入っていた。近くの喫茶店も覗くがやっているところはない。営業していた立ち食いそば屋でそばを食べて、〈ドトール〉で本を読む。

帰りにスーパーで買ってきた魚フライつまみチューハイを飲んだら、なんだかエンジンがかかって、お笑い番組を観ながらチューハイ日本酒。すっかりいい気分になって夕方まで眠る。夜、地方に住む著者へのインタビューのため、Skype通話テストではうまくいったのに、先方のアカウントが見つからず焦る。結局、先方の顔が写らないままお話を聞く。

荒川佳洋『「ジュニア」と「官能」の巨匠 富島健夫伝』(河出書房新社)を読みはじめると面白く、翌日午前中にかけて読了。労作。ジュニア小説性愛を描いた小説で多くの読者を獲得しながら、文壇で正当な扱いを得なかった富島について、本人の性格限界も指摘しつつ論じている。著者は富島の書誌も編んだ長年のファンだが、贔屓の引き倒しになっていないところがいい。

長篇『黒い河』や『雪の記憶』が書き下ろしだったことについて、「やはり富島は、頭を下げてでも、純文学誌に短篇を持ち込むべきだったのだ。(略)そのころ、新人作家たちはそうやって賞取りレースをしていたのである。そして受賞にいたらなくても文芸誌に登場する回数を稼ぐことで中堅作家となっていったのだ」。そうしなかった富島を「若気のいたり」と評しつつ、「じつはそこに富島健夫という小説家の異色があるのである」と述べる。

1964年には『文藝』に長篇『雌雄の光景』が掲載されるが、7年ぶりの純文学雑誌への登場で唐突な感じがあると云い、これには『文藝』復刊のために新進作家を集めて「文芸の会」をつくっていたこと(参加作家の中に小沢信男さんの名もある)、この時期の同誌は「性描写のある長篇の一挙掲載が売り物だった」と指摘する。そして、このとき小林信彦が「私にはエロは書けない」と断ったというエピソードも紹介する。

また、評論家には無視されるか、いい加減な取り上げ方をされたなかで、数少ない例外として、谷沢永一が富島の性文学評価していたということも、本書で初めて知った。

私は『町を歩いて本のなかへ』の第3部で、早稲田を描いた小説として富島の『早稲田阿呆たち』を紹介したが、これを含む『青春の野望』シリーズについて、著者は「富島の代表作に加えたくない」と書いている。「ありていにいって『読者サービス』、すなわち性描写が多すぎるのである。(略)毎回のように性場面が纏綿と綴られると、だれが登場人物たちの秘部まで知りたいかよ、と言いたくなる」という評価は、私がこの本を読んだときの印象と同じだった。

巻末の年譜は、小説タイトル、初出だけでも膨大なもので、1年の記述の長さによって、富島の活動ピーク(意外に長い)が判る。30ページあるが、これでもかなり削っているという。読み終えて、元になったという著者のブログhttp://blog.livedoor.jp/y_arakawa1970/)を見ると、「『富島健夫伝』が出たあとの日録」が何回かに分けて載っていて、これがまた面白い。本が世に出るまでの不安や不満、出たあとの反響が気になる様子など、共感した。

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2017-08-11 谷中から入谷、田原町へ

8時半起き。今日祝日なのだった、うどんを食べて、原稿を書く。昼はライター野村麻里さんにもらった「復刻版 即席カレーラーメン」。東田端あみ食品がつくっているもの田端駅の近くに「あみ印」の大きな看板が出ているので、名前は知っていたが、ラーメン会社とは知らなかった。「東京都地域コラボ商品」ということで、乾麺北区豊島のものらしい。素朴な味で美味しかった。

今日はぐずぐずとした天気。4時ごろに出かけて、谷根千に新しくできた店を数軒覗く。〈ひるねこBOOKS〉で雑談してから鶯谷駅から入谷に出て、〈ときわ食堂〉へ。この店も含め、明日ぐらいから休みに入る店が多い。チューハイ揚げ出し豆腐ブリ塩焼き、最後ハヤシライス。満足。

田原町へ。〈Readin' Writin'〉で、丹野未雪『あたらしい無職』(タバブックス)刊行記念の丹野さんと栗原康さんとのトーク聴く。2人の話は共感する点が多いだけでなく、目の前の常識が少し揺らぐようなヌケのいいものだった。会場の広さ、天井の高さも少人数のトークには最適。最近見たり出たりした店舗イベントのなかで、最もいい場所だと思える。今後いろいろやってほしい。

小雨が降りはじめているが、自転車で家に帰るまではさほど濡れずにすんだ。帰宅して、デンマークドラマ『THE KILLING/キリング』続き。各2話入りのDVDが2枚届くのだが、途中でなかなかやめられず、4話観てしまう。引きが強いドラマだ。

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2017-08-10 阿佐ヶ谷で〈富士ランチ〉を想う

朝8時起き。田端駅前の〈コメダ珈琲〉でモーニング高田馬場経由で神楽坂新潮社。例の部屋で作業。3時ごろまで集中して進めて、2013年まで終わる。2011年3月以降の誌面には、いろいろ感じるところがあった。あと1回で作業は終わりだが、それ以降も調べることはありそうだ。

東西線中野で乗り換え、阿佐ヶ谷へ。久しぶりに降りた。〈丸長〉でつけ麺。以前から商売っ気のない店だったが、酒飲んでいる常連のおじさんたちと店主夫妻が世間話している。初めての客にはなかなかハードル高いだろう。ここのつけ麺は麺が柔らかすぎるけど、タレがうまいので、阿佐ヶ谷に来ると寄りたくなる。

〈書楽〉で本を物色すると、阿久真子『裸の巨人 宇宙企画デラべっぴんを創った男 山崎紀雄』(双葉社)が目に入る。この種のアダルト業界ものはずいぶん読んだので、一度は棚に戻すが、やっぱり買ってしまう。

ラピュタ阿佐ヶ谷〉へ。特集日活文芸映画は弾む」で、前田満州監督人間に賭けるな』(1964)観る。競輪場舞台にした人間模様。やくざ女房役の渡辺美佐子は鬼気迫るが、冒頭でちょっと寝てしまったこともあり、なんでそこまで執着するかがいまいち呑み込めず。クライマックスの場面のしらけた間が微妙面白かった。

北口の〈千章堂書店から〈コンコ堂〉へ。コンコ堂で、高柳美香『ショーウィンドー物語』(勁草書房)を1000円で。研究論文をまとめたようだが、『ウヰンド画報』について一章割いてあるので買っておく。レジで、早稲田〈CAT’S CRADLE〉の「BOOK FES」のチラシをもらう。「今回で最後みたいですよ」と云われてよく見ると、9月末で閉店することになったという。BOOK FES は9月17日、18日の二日間。見に行こう。

せっかく阿佐ヶ谷まで来たんだから最後に〈富士ランチ〉に寄っていくかと近づくが、看板が見当たらない。通り過ぎて、店がなくなっていることを確認する。ビールの店になっていた。前回阿佐ヶ谷に来たときには、ここで食べたのに。ハンバーグチキンカツをメインとしたシンプル洋食屋で、瓶ビールを飲みながら食べるのが好きだった。検索すると、昨年の7月にはもう閉店していたのだった(http://nipponnostalgie.hatenablog.com/entry/2016/07/07/225750)。もう一年以上阿佐ヶ谷に来ていなかったんだな。通っていなかった自分が、閉店することにゴチャゴチャ云う権利はないのだが、やはり寂しい。こういう普通の店が普通のまま営業を続けることが難しい時代なのかもしれない。それに、若い人たちからすると、こういう小さくて古い店はすでに「普通の店」ではないのかもしれない。

ちょっと茫然としたまま、新宿経由で田端に戻る。定食屋に寄らないと収まらなくなって、〈ときわ食堂〉へ。相変わらずでいいなあ。ビール小瓶とチューハイ冷奴いわしたたき、あこう鯛の定食

ちょっと眠って、『裸の巨人 宇宙企画デラべっぴんを創った男 山崎紀雄』を読みはじめると、途中でやめられず最後まで。宇宙企画英知出版創業者山崎紀雄と、その周囲にいた人への取材をもとに書いているが、肌の質感への要求が厳しすぎて凸版印刷技術が向上したとか、会社倒産を目前に億単位絵画を買いまくったとか、とんでもない人だ。同時代に『写真時代』の編集長だった末井昭とは、全然ベクトルが違うが、どちらも傑物。末井さんの証言で、ビニ本撮影牧場に行ったとき女の子が裸になると山崎も真っ裸になったというのに笑った。「何か開放されるんだろうね。別に山崎さんがモデルになるわけじゃないです。ただ自分が裸になりたいから、なってるだけ」。巻末の山崎、末井、中沢慎一(コアマガジン)の座談会で、山崎ひとりだけ、69歳のいまでもエロ世界に「もう一回、なんかある」と確信してるのが凄すぎる。

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2017-08-09 古ツアさんと駒込で飲む

朝8時半起き。午前中は図書館に返す本が行方不明になり、その捜索にあてる。わりと早く見つかったので、ついでに本の整理。またも積みあがる山にうんざりする。雪舟えま『パラダイスィー8』(新潮社)。未来なのか別世界なのか判らない、ちょっとずれた日本で暮らす若者たちを描いた短篇集。この人の小説、初めて読んだけど、とてもいい。言葉の使いかたが独特だけど、胸にすとんと落ちる心地よさがある。偶然だけど、昨日の佐々木譲に続き、北海道在住作家だ。『赤旗』の書評で取り上げることに決める。

昨日の更新のせいかメールの受信はできるけど送信ができない事態に。パソコンだけでなくスマホも同様なので、ニフティのサポートに電話する。調べてもらったところ、送信サーバーに間違ったパスワード入力されたので、ブロックされたとのこと。自分では何もいじってないのでおかしいと思ったら、誰かから無作為アタックが続いたので、自動的ブロックされたのだという。解除してもらい、いちどは事なきを得る(しかし、翌日も同じことが起こり、もういちどサポートに連絡した)。

早めに出て、喫茶店で本を読もうと思ったところに大雨。しばらく降り続き、止んだところで出かける。駒込駅改札で古本屋ツアー・イン・ジャパンこと小山さんと待ち合わせ。立ち飲み屋の〈きんらん〉へ。カウンターの壁に、都内立ち飲み屋を300軒ほど制覇した人が、その成果を地図にまとめて報告していた。A〜Dの評価になっているが、この店はA評価。さすがにDの店には貼ってもらえないだろう。古ツアさんのやっていることとちょっと重なるのがおかしい。

そのあと、アゼレア通りの〈古書ヤハシ〉を覗く。最近出た山川方夫『春の華客・旅恋い 山川方夫名作選』(講談社文芸文庫)が800円だったので買う。〈もつ田〉でチューハイから日本酒カレーつくねカレーもも焼きがうまい愚痴交じりの気勢の上がらない話が多いが、それでも古ツアさんと話していると楽しい。私以上に、古本屋めぐりにかけたコストを本を書くことで回収できていない人なので、なんとか機会をつくって、未踏破の県の古本屋を回ってほしい。各地のブックイベント主催者のみなさん、ぜひ企画してください。

スタートが早かったので、別れて家に帰ったのは9時。ちょこちょこやって、11時には眠ってしまう。

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2017-08-08 更新するたび悪くなるシステム

8時半起き。ご飯と味噌汁台風が来るというので、午前中は出られないことも想定していたが、もう去ったらしくいい天気。しかし猛烈に暑い田端から高田馬場経由で神楽坂。いつもの部屋にこもる。さくさく進んだので、昼飯は後にして作業続ける。2時に一段落2008年まで。あと2回で終わるめどがついた。〈龍朋〉でつけ麺食べる。ココはナニ食べてもハズレがないなあ。

高田馬場経由で駒込へ。駅からの帰り道、スーパーに寄って買い物。いちど冷房なかに入ると、そのあと炎天下を歩くのが辛い。なんとか家にたどり着き、シャワー浴びる。

パソコン再起動すると、またプログラム更新がはじまる。以前、OS勝手バージョンアップされてから、どうもパソコンの動きが鈍い。何か更新するたびに、以前は出来ていたことができなくなる。「矛盾」という言葉を絵に描いたようだ。今回もメールソフト過去メール検索ができなくなり焦るが、何度か試すうちにできるようになった。結局、何が不具合なのか判らないまま。そのあと、今後は送信メールが送れなくなり、何回も送信メールサーバパスワードを聞いてくる。ずっと同じパスワード入れっぱなしなのに。

夜はカレー。二種類のルーがあったので半分ずつ混ぜてみるが、いまいちだったかな。佐々木譲真夏雷管 道警・大通警察署』(角川春樹事務所)読む。道警シリーズの最新作。安定した面白さ。もう一冊の途中まで読んだところで寝る。

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2017-08-07 台風近づく

夜中に起きてしまったので、朝まで起きて納豆ごはん味噌汁。眠くなったので、2時間ほど眠るそれから原稿を書く。

谷田川通りの中華料理屋でエビ定食霜降銀座の〈スターフルーツ〉で買い物して、駒込駅前の〈ドトール〉で本を読む。帰ったら、さっき送った原稿字数設定が間違っているので、削ってほしいと連絡がある。あっちこっち調整して帳尻を合わせる。夕方、大雨が降ってくる。台風が来ているようだ。

平凡社STANDARD BOOKSの新刊神谷美恵子 島の診療記録から』届く。瀬戸内海長島愛生園の診療所ハンセン病患者と向き合った精神科医エッセイ。栞執筆荻窪Title〉の辻山良雄さん。意外な人選だが、読むと納得する。

夜はデンマークテレビドラマ『THE KILLING/キリング』シーズン1の続き。

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2017-08-06 この日に観る『黒い雨』と戦前エロエロ歌謡

朝8時半起き。刺身の残りを漬け丼にして納豆投入。遅れていた『ビッグコミックオリジナル』の原稿書く。まったく縁のなかったテーマを書くことにしたので、持って行き方に苦労したが、結局は自分に引きつけて書くしかないんだよな。なんとか書き終えてちょっと放心。昼はパスタ夕方まで寝転んで過ごす。

4時半に〈谷根千記憶の蔵〉へ。今村プロダクション主催で、広島原爆記念日今村昌平監督黒い雨』(1989)を上映する会。井伏鱒二原作映画も有名なので観た気でいたけど、初めてだった。冒頭、原爆投下直後のショッキングな描写があるが、その後の一見静謐生活のなかで、登場人物原爆症に苦しむ(身体だけではなく、その心も)様が恐ろしい。モノクロの画面がその重みを引き立てる。重い題材でも今村流の黒いユーモアは健在で、戦争神経症青年のあとをついてみんなが匍匐前進する場面に笑う。今村石堂淑朗脚本、川又昂のカメラ武満徹音楽、そして、北村和夫市原悦子小沢昭一三木のり平大滝修治ら俳優陣がみな素晴らしい。

矢須子役田中好子は、可憐にして強い心を持つ女性を好演。原爆症の噂が立ったことから、一生独身で過ごす覚悟をする。この矢須子の造型は、ひょっとして『この世界の片隅に』(原作映画も)に影響を与えていないだろうか。『この世界の片隅に』がヒットしているのは喜ばしいが、戦争原爆についての描写抑制されている(それが悪いわけではない)ので、この作品を観た人にはぜひとも『黒い雨』も観てほしい。名画座でも二本立てを組んでほしい。観る前は気が重いかもしれないが、観てよかったと思うはずだ。

記憶の蔵での上映会はいつもアットホームで、入り口川本さんが梅ジュースを売っていたり、山崎さんがうちわを配ったり、エアコン操作でいつもひと悶着あったり(笑)楽しい。知り合いも多く来ていたが、観おわるとあんまり人と話したくなくて、余韻を味わうようにその辺を自転車で走り回ってから、〈古書ほうろう〉へ。

「泊が歌うエロエロ東京娘百景」と題して、『エロエロ東京娘百景 ワイド復刻版』(えにし書房)の刊行を記念して、監修した毛利眞人さんの解説つきで、泊が戦前エロ歌謡をうたうというイベント。『黒い雨』とは真逆の内容だが、あの衝撃をクールダウンさせるのにちょうどよかった。泊の山田参助さんの歌声は、昭和初期のナンセンス歌詞によく似合う。蓄音機から歌声が流れているような音響もよかった。曲に入る前の毛利さんの解説は、知らないエピソードがたくさん入っている。この人はSPや関連資料検証を積み上げたうえで語るので、云うことにちゃんと裏付けがあって信頼できる。『エロエロ東京娘百景』は誠文堂が出した「十銭文庫」の一冊。古書展でよく見つかるありふれた巻と、めったに出ないレアな巻が混在するシリーズだ。誠文堂の小川菊松のことは私も以前調べたことがあるが、猟銃自殺したことはすっかり忘れていた。しかし、まあ、イベントとしては喋りが長すぎるという気もするけど……。毛利さんの解説を読みたくて、復刻版を買って帰宅

録画したお笑い番組みながら、ボラ刺身の漬け丼。早々に眠くなって寝るが、3時ごろに目が覚めてしまう。『黒い雨』のことをあれこれ考えてしまう。明日というか、今日、月曜にCS日本映画専門チャンネルでもこの作品をやるのだが、ここには公開時にカットされたラストシーンが付くというのだ。今日観た作品はあれで完結しているという気がするが、今村昌平最後まで迷ったのだという。だから、やっぱりこのシーンも観ておこうと思っている。

そうだ、もうひとつ。この映画には原作に出てこない戦争神経症青年が、車のエンジンの音を聴くと気が狂う場面がある。ふだんは心優しい青年で、原爆症ではないかという噂から結婚に敗れた矢須子は彼といると心が落ち着く。そして最後の場面で、瀕死状態の矢須子を青年が抱えて病院に向かう車に運び込むのだが、ここではいつのまにか青年エンジンへの恐怖は消えている。いまどきの映画なら、登場人物の誰かにそこのところを説明させることだろう。映画でも文学でも行間で判らせるということが、いまでは時代遅れになっているのだろうか。

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2017-08-05 「編集者脳」がうごめく

朝8時半起き。新潟の大峰そばを盛りで。原稿書かないとまずいのだが、別の調べものをはじめるとそっちにはまってしまう。ネット検索事典をめくって、十数人のリストをつくる。こうして調べものをしている最中楽しいのだが、企画が実現しないと仕事にはならない。2007年頃に完全にフリーランスになってからフリー編集者という立場企画を実現させることの難しさを実感した。せっかく著者に引き受けていただいても、企画が通せないと本は出せない。それで自然と、自分で書く企画提案するようになっていった。

だけど、今年に入って、もう少し編集者としての仕事を増やしたいと思って、出版社にも企画を持って行ったりしている。もちろん、生計のためという理由は大きいが、それだけではなくて、ライター中心に10年やってきて、企画の話を聞いてくれる編集者複数出てきたという状況の変化がある。ただ、重なる面はあるのだが、私の場合ライター編集者では動かす脳の部分が異なるらしいので、うまくバランスを取らないと大変なことになりそうだ。

昼は焼きそば。遅れていた往来堂メルマガ原稿書いて送る。すると、そこに情報を載せた大阪トークのお相手が、事情で出られなくなったという連絡が来る。これはもう仕方ないのだが、このテーマでこの人と話せることを喜んでいたので残念だ。メルマガの告知は外してもらう。

夕方田端銀座八百屋スーパー魚屋を回る。〈魚壮〉の半額刺身晩酌。そのあと、ベーコンしめじ炒め、味噌汁ごはん

新文化」の地方小通信で知った立川ゆかり『夢をのみ―日本SF金字塔光瀬龍』(ツーワンライフ)をAmazonで注文(版元サイトからAmazonしか買えない)。なんで岩手県紫波郡出版社光瀬龍の評伝?と思ったら、岩手疎開してたんですね。著者は盛岡文芸同人誌主宰している人らしい。621ページで2000円ってすごい。どういうコスト計算なんだろう。

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2017-08-04 久しぶりに即売会

8時起き。今朝も涼しいが、出かけるころには気温が上がってきた。原稿書くつもりだったが、資料を探したりしているうちに時間過ぎる。動坂下からバス駿河台下へ。〈駒忠〉でコロッケ定食食べて、〈東京堂書店〉。岡崎武志さん、原書房Hさんと待ち合わせて〈ぶらじる〉へ。これからやろうというトークの打ち合わせ。まだ会場も決まってないのだが、せっかくなので他では話せないことをテーマにしようということに。

岡崎さんから新刊人生散歩術』(芸術新聞社)いただく。井伏鱒二高田渡吉田健一木山捷平田村隆一古今亭志ん生佐野洋子が登場。吉田健一最近知った『建築日常』第3・4合併号(特集現在する歴史」)で取り上げられていて、ここでも岡崎さんの本でも「時間」がキーワードになっているのが気になる。この章から読もう。

店を出て解散するが、地上に出ると3人ともコミガレに向かうという古本者の性よ。次の打ち合わせまで時間があるので、久しぶりに古書会館即売会を覗く。今日城北展。並の久しぶりではなく、ココに入るのは数年ぶりではないか。場所、金、時間の三要素に余裕がなく、意図的即売会に近づかないようにしていた、しかし、これから書くテーマには、即売会で拾う本や雑誌必要な気がしている。

荷物を帳場で預けるのも久しぶり。人の入りはそこそこで見やすい。端から眺めていくと、すぐに気になる本や雑誌が見つかる。やっぱり即売会楽しいなあ。使えそうな本や雑誌を手にするが、それ以外になんとなく買っておきたいものも見つかる。ただ、以前通っていた時はこの「なんとなく」を全部受け入れていたのでとんでもないコトになった。その愚を繰り返さないために、「これは◎◎に使う」と自分説明できる本だけ買うことに決めた。……と云いつつ、絞ったつもりなのに、会計したら7点で1900円になってしまった。

たまたま二階で「泡坂妻夫展」をやっていたので覗く。ミステリ作家としてだけでなく、紋章絵師奇術師の顔も持つ人なので、写真や著書を眺めているだけで面白い。「亜愛一郎」シリーズは数年ごとに全部読み返したくなる。ミステリ系はだいたい全部読んだはずだが、時代小説など未読の作品も多い。同じ展示を小樽文学館で先にやっていたようで、その図録が近くの〈羊頭書房〉で販売されていると。こんど買おう。

増えた荷物を持って、新御茶ノ水駅へ。少し時間が余ったので、〈ベローチェ〉で休憩。千駄木から往来堂書店〉。店の前で待っていてくれたG社の方と、近くのカフェへ。最近、打ち合わせはココが多い。宮内優里のCDがかかっていた。打ち合わせ終わって、往来堂ちょっと覗き、田端まで歩いて帰る。荷物多いし、むし暑くなって超不快。腰も痛く、後半は休み休み家にたどり着く。

夜は谷中銀座入口(もう中にはめったに入らない)の〈コーホー〉で買ったつまみチューハイ、そのあとカツ丼テレビ番組の録画がハードディスク限界まで溜まっているが、YouTubeRYUTist動画を見はじめたらそっちから離れられない。2時間半あるユーストリーム(好きなアイスの話など)を全部観たので、今後はナニ見ても受け入れる心の準備ができた。

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2017-08-03 『柳都芸妓』を5回聴く

朝8時半起き。うどん。午前中から新潮社に行く日だが、昨夜、新潟〈北書店〉の佐藤さんから「午前着でRYUTistCD送ったよ」と連絡あり、それを受け取ってから出ることに。それまで、YouTubeで以前のRYUTistユーストリームを見る。むぅたんが万代シテイで人に気づかれるまで経ち続ける1時間とか、ともちぃカラオケ100点取るまで歌い続ける2時間とか、なかなか忍耐力の要るコンテンツが多い。そのなかでは、先週やった27時間ユートリームのエンディングRYUTistに関わっている大人たちがたくさん出てきて面白かった。

そうこうするうち、宅配便届く。開けて見ると、RYUTistサードアルバム『柳都芸妓』とポスターうちわが入っていた。さっそく聴く。「柳都」とは古町別称で、張りめぐらされた堀に柳がかかる情景から付いたという。これまでのアルバムではおそらく意図的歌詞新潟固有名詞は使われてこなかったが、今回は逆にバンバン前に出している。2曲目の「花見花小路」は、次々出てくる小路名前に沿って、古町を移動している気分になる。他の曲もいい。素晴らしい。ジャケットは私も以前行った〈北方文化博物館〉(新潟市江南区)の広間で撮影。そして、中見開きには大正15年の新潟市全図が使われている。この町の歴史とつながろうとする本気を感じた。

ただ、前作とくらべると、全体にしっとりしていて大人っぽいのだが、底抜けに明るい曲が1,2曲あってもよかったのではという気も。あと、初期のシングル曲YouTubeで聴いた『どっぺり坂』は、このアルバムに入れるとよかったのでは。どっぺり坂を下ると、そこは古町なのだから。この曲のイントロは昔のCMソングみたいで好きです。

もう出ないとまずいのだが、あと1回聴いてから出かける。新潮社秘密部屋に着いたのは12時過ぎ。今日からいよいよ2000年代突入。その当時の自分の興味と離れていたせいか、ページをめくるスピードが速まる。いつもよりも2時間短い作業で、5年分終わった。途中、11月に開催する第2回「しのばずくんの本の縁日」のトークゲストとして依頼した方から電話をもらい、快諾いただいたのも嬉しかった。お名前はいずれ発表します。エアコン効きすぎるので、ときどき窓を開けていたら、網戸がなくて蚊が入り込んできて何か所も刺される。5時半に駅前の〈ベローチェ〉で、原書房のHさんと待ち合わせ。頼まれていたサイン本を渡し、企画の話や雑談

大手町乗り換えで、根津で降りる。不忍通りとんかつ屋〈ひのき〉へ。以前ときどき行っていたが、すっかりご無沙汰。7,8年ぶりか。相変わらずご夫婦で元気にやっていた。7時になったらもうのれんをしまいはじめるという営業時間の短さも、なかなか入れない理由ではあった。ビールヒレカツ定食とんかつは小ぶりだがジューシーでうまく、おしんこ豚汁がまたうまい。今度はあまり間を置かず来よう。〈往来堂書店〉で、紀田順一郎『蔵書一代』(松籟社)など3冊買う。笈入さんと秋イベント相談など。バス帰宅

部屋に入るなり、『柳都芸妓』を再生。そのあと2回聴いたので、今日だけで5回聴いたことになる。13日に渋谷〈eggman〉でRYUTistライブがあるが、アイドルライブなんて行ったことないので躊躇していた。しかし、奇特な同行者が見つかったので、急いでチケットを予約した。はあ。

札幌の〈古書須雅屋〉の須賀章雅さんから吉田類責任編集旅人類』第3号が届く。函館青森特集池内紀長部日出雄つげ忠男泉昌之らが寄稿。須賀さんは太宰治の『津軽』について書いている。雑誌としては、本文に見出しがなくて読みにくく、吉田類がやたら決めポーズで写っているよく判らない雑誌だ。吉田類に興味のないものから見ると、おっさん接待受けているのを見せられている気がする。どこが「責任編集」なのか。

築地ふげん社〉のウェブサイトで、「全国区じゃない本〜地域からの風・書評篇〜」という連載を開始(http://fugensha.jp/?p=2831)。ふげん社で年1回企画している「地域からの風」の書評版で、地域出版されている本や雑誌、リトルプレスを紹介しながら、その土地歴史風景自分なりに描けたらと思っています。各地のいろんな町が登場する予定です。第1回は出雲大社一箱古本市で買った『出雲国大社観光史 参詣地から観光地へ』(大社史話会、2014)を取り上げた。

2017-08-02 谷根千で本の話

昨日から涼しくなっているので、よく眠れる。8時半に起きる。カレーの残り。午前中は企画書のまとめ。奥の部屋でいくつかの件に関する本を捜索。すんなり見つかったものもあり、一向に見つかる気配のないものもあり、3勝2敗ぐらいか

不忍通り郵便局に寄ってから羽鳥書店へ。団子坂上に移転してからは初めて。前の倍以上の広さになり、打ち合わせスペースもできた。羽鳥社長矢吹さんと、持ち込み企画について話す。羽鳥さんは話し好きなので、あっちこっち話題が転じて面白い

その羽鳥さんが役者の一人として出演する水族館劇場が、9月横浜寿町で行なう公演のチラシをもらう。今回はそれよりも前、明日からアウトオブトリエンナーレ「盜賊たちのるなぱあく」として写真展やシンポジウム、講演などを毎日やっていくという。〈古書ほうろう〉や〈古書信天翁〉も出店を出すようだ。これは今月、来月は横浜になんどか行かねばならない。なお、公演チケットもそろそろ発売するが、それとは別にクラウドファンディングも進行中で、公演チケット付きのコースもあるので、そちらを選ぶ手もある。私もあとで申し込んでみたが、なぜかクレジットカードでの申し込みがうまくできなかった。またやり直してみるが。

http://suizokukangekijou.com/news/

そのあと、白山の〈おとら〉で森まゆみさんと会う。二人では会って話すのはずいぶん久しぶり。こちらも企画の話だが、森さんも話し好きだから、いろんな話題が出るうちに1時間以上経った。時間はかかりそうだが、いいかたちで世に出したい。

さっきから小雨が降っているが、風が涼しいのでさほど気にならない。駒込の〈BOOKS青いカバ〉を覗く。鶴見俊輔・粉川哲夫の対談集『思想舞台 メディアへのダイアローグ』(田畑書店、1985)が面出しになっていて、手に取る。目次に「本のつくり方、出し方」「小さなメディアと大きなメディア」とあり、すぐに買うことにする。同じ本がもう一冊あったが、この本はもともと『東洋大学新聞』に載ったものが元になっているようなので、この近所の東洋大学関係者が手放したのだろうか。

霜降銀座に回るつもりだったが、雨が激しくなってきたので、不忍通りを下ったところにある中華料理屋へ。まだちょっと早い時間だが、瓶ビールちゃんぽん帰宅してちょっと眠って、連絡などもろもろ。デンマークドラマ『KILLING/キリング』DVDで。

宮川サトシ情熱大陸への執拗情熱』(幻冬舎)読む。ネットで公開されていた回を読んでいたが、改めて読むと『情熱大陸』へのむやみな熱意が、この人がマンガを描く際のモチベーションにもなっていることを知り、その首尾一貫ぶりに感心する。ただ、この種の「自分奇人ぶり」を描くマンガで難しいのは、そのおかしさを引いた視点から見る立場をどう設定するかだ。この作品では妻がその役割を担っているのだが、その存在ちょっと弱い気がした。ちなみに、『情熱大陸』に出る人に便乗して画面に映ることを「間接上陸」と、著者は云っているが、じつは私も間接上陸してます。そうとう情けない出かただったけど。

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2017-08-01 さぼりたい朝

8時半起き。昨夜の残りのカレー田端から高田馬場神楽坂今日新潮社秘密部屋。週2日ペースで通っていると、学生時代のようにさぼりたくなってしまう。同じところに通うことは、もう10年ぐらいやってない。いまのところは、なんとかもっているけど。昼に〈龍朋〉でチャーハン食べて、そのあと〈かもめブックス〉覗く。それ以外はひたすらページをめくる。1日で4年間がちょうどいいペースだと判る。それ以上つづけると疲れて重要な部分を見落としそう。とすれば、あと5日通うことが決定だ。

大手町経由で西日暮里へ。地上に出て歩いていると、雨が降ってくる。濡れたまま生協で買い物して帰宅宮本常一記念館編『宮本常一コレクションガイド』(みずのわ出版)届く。山口県周防大島の記念館が所蔵する宮本常一の蔵書、文書、民具、写真など資料の図録。 宮本常一息遣いが伝わるような見せ方で、同館を訪れたくなる。写真柳原一徳装丁林哲夫書物シリーズの一冊にも位置づけられる。

ちょっと寝て、また起きる。夕飯はカレー。録画した番組をいくつか観る。

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