奈良公園の植物、シカによって進化? 2007年9月25日

奈良公園といえばシカ。といわれるくらい多いですよね。餌付けされていることもあってなんとも堂々としていたのを覚えています。以前、公園内のシカが増えすぎて問題になっているの聞いたことがありますが、確かに天敵らしいものがいませんし、食べ物をもらえるのでは減るわけがないですよね。

困っているのは植物もそうらしいのですが、日経新聞の記事に載っていたのはまさに進化そのもの。時に植物といえど急速に進化するものなんですね。奈良公園に自生する植物のイラクサが、公園のシカに食べられないように、自ら毒をもつトゲを多く持つように進化したと奈良女子大の佐藤宏明准教授らのグループが24までにまとめたそうです。

イラクサというのは、本州〜九州に分布する多年草。茎や葉の表面などに、触ると鋭い痛みがある刺毛をもっています。この刺毛とよばれるものはただのトゲではなく、根元には液体の入っている嚢を持っています。この中にはヒスタミンアセチルコリンと言う物質を含んでいます。

何かの刺激があるとこれらの入っている嚢が破れて液体が皮膚につくと強いいたみを感じます。ちなみに、イラクサを漢字で書くと蕁麻。そう蕁麻疹はこのイラクサに人が触れてかゆみを伴う発疹が出現することからきているそうです。

つまりイラクサは自らの体を防御する為に、すでに刺毛をともない守っているわけなのです。にもかかわらず、このシカときたらきっとお構いなしに食べていたりしたんでしょうね。そこでこのいらくさがとった行動は、トゲを通常よりも増やすこと。

研究によると、公園のイラクサと、県南部など別の場所に自生しているイラクサとを比較してみると、平均で約50倍も多く、長い歴史の中で受け継がれてきたようです。また、県南部のイラクサ奈良公園に20本移植し、食べられやすさを実験したところ、県南部のイラクサは4カ月ほどですべて食べられてしまいましたが、奈良公園は60%以上が残ったという。

シカがこの奈良公園に持ち込まれたのは1200年前。鹿島神宮からつれてこられたという説が有力のようです。その間に絶滅を防ぐ為に進化したというか、たまたまトゲが多い言わば突然変異種が生き残ってきたということなんでしょうかね。

以前学生のころ生態系の簡単なシュミレーションをしたことがありますが、進化することで捕食者と被食者の増減関係まで考えるとなかなか大変かなとちょっと思いました。それにしても進化の過程を目の当たりにすると、自然と言うのは実にうまくというか良くできているなあと改めて感心されてられてしまいます。

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